JPH11224547A - セミリジッド同軸ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

セミリジッド同軸ケーブル及びその製造方法

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JPH11224547A
JPH11224547A JP10041184A JP4118498A JPH11224547A JP H11224547 A JPH11224547 A JP H11224547A JP 10041184 A JP10041184 A JP 10041184A JP 4118498 A JP4118498 A JP 4118498A JP H11224547 A JPH11224547 A JP H11224547A
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insulator
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rigid coaxial
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Hiroshi Kitazawa
弘 北沢
Tatsuo Yamaguchi
辰男 山口
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リフロー炉を通した時に、端末部での絶縁体
の突き出しや外部導体のクラックの発生を防止すること
ができ、端末加工性が良好にでき、更には、めっきによ
る外部導体の形成が良好にできるセミリジッド同軸ケー
ブル及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 中心導体1の外周に多孔質絶縁体2を設
け、この絶縁体2の外周に外部導体5として、無電解め
っきによるアンカー金属層3及び電気めっきによる良導
電性金属層4を設けたセミリジッド同軸ケーブルであっ
て、前記多孔質絶縁体2は、比誘電率(ε)が、1.7
5≦ε<2.00の条件範囲内の多孔質ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)樹脂であり、また多孔質絶縁
体2の外周に形成されるアンカー金属層3に必要な予備
的処理として、多孔質絶縁体2の外周に、めっきが可能
な金属触媒の金属濃度(C)μg/cm2 が、0.8≦
C<2.6の条件範囲内で施されているセミリジッド同
軸ケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セミリジッド同軸ケー
ブル及びその製造方法に関する。更に詳しくは、小型電
子機器の高周波伝送線路に好適な、外部導体をめっきに
より形成させるセミリジッド同軸ケーブル及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、携帯電話に代表される民生機器等
の高周波回路基板、高周波部品間の伝送線路としてセミ
リジッド同軸ケーブルが広く採用されるようになり、基
板へのはんだ付け作業に於いても、従来のはんだゴテに
よる手作業から、自動化が可能なリフローはんだ付け炉
(以下、リフロー炉と略記する)に変わりつつある。従
来より公知のセミリジッド同軸ケーブルとしては、銀め
っき銅覆鋼線からなる中心導体の外周に充実絶縁体、例
えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をペース
ト押出しにより形成し、その外周に銅等の良導電性金属
パイプを封入し、ダイスにより引き抜き加工を施し、絶
縁体と密着させて外部導体を形成させたセミリジッド同
軸ケーブル(以下、パイプ引き抜きセミリジッド同軸ケ
ーブルと略記する)がある。
【0003】また、前記良導電性金属パイプの引き抜き
加工の代わりに、外部導体をめっきにより形成させたセ
ミリジッド同軸ケーブル(以下、めっきによるセミリジ
ッド同軸ケーブルと略記する)もある。例えば、外部導
体にアンカー金属層からなる無電解めっきと、電気めっ
きを併用させた特開平6−187847号の同軸ケーブ
ルの製造方法(本発明者等の発明)は、電気めっき厚さ
を容易にコントロールできるため細径化が可能であり、
軽薄・短小化には好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記パ
イプ引き抜きセミリジッド同軸ケーブルは、リフロー炉
を通した時、引き抜き加工で生じた外部導体の歪みや絶
縁体へのストレス、または外部導体と絶縁体との熱膨張
の相違いによって、端末部では絶縁体が突き出したり、
外部導体にクラックが生じ易くなり、そのことによっ
て、電圧定在波比の悪化やシールド効果の低下を招来す
るという欠点を有している。そのため、外部導体厚さを
必要以上に厚く(例えば150μm)することで外部導
体のクラックや絶縁体の突き出しを抑制しており、軽薄
・短小化の要求に答えられないという問題があった。
【0005】一方、前記めっきによるセミリジッド同軸
ケーブルに於いては、通常、絶縁体としてフッ素樹脂の
充実体を用いるので、リフロー炉を通した時、前記パイ
プ引き抜きセミリジッド同軸ケーブル程ではないが、端
末部では絶縁体が突き出したり、外部導体にクラックが
生じてしまうという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来技術が有する各種問題
点を解決するためになされたもので、リフロー炉を通し
た時に、端末部での絶縁体の突き出しや外部導体のクラ
ックの発生を防止することができ、端末加工性が良好に
でき、更には、めっきによる外部導体の形成が良好にで
きるセミリジッド同軸ケーブル及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の観点として本発明は、中心導体1の外周に多
孔質絶縁体2を設け、この絶縁体2の外周に外部導体5
として、無電解めっきによるアンカー金属層3及び電気
めっきによる良導電性金属層4を設けたセミリジッド同
軸ケーブルであって、前記多孔質絶縁体2は、比誘電率
(ε)が、1.75≦ε<2.00の条件範囲内の多孔
質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂(以
下、多孔質PTFE樹脂と略記する)であり、また前記
多孔質絶縁体2の外周に形成されるアンカー金属層3に
必要な予備的処理として、前記多孔質絶縁体2の外周
に、めっきが可能な金属触媒(以下、金属触媒と略記す
る)の金属濃度(C)μg/cm2 が、0.8≦C<
2.6の条件範囲内で施されているセミリジッド同軸ケ
ーブルにある。
【0008】上記本発明の第1の観点のセミリジッド同
軸ケーブルは、PTFEからなる多孔質絶縁体2の比誘
電率(ε)が、1.75≦ε<2.00の条件範囲内で
あることによって、リフロー炉等によるはんだ付け時の
熱膨張が緩和され、外部導体5のクラックが抑制でき
る。また、端末剥離工程に於いて、外部導体5の引き抜
き時に多孔質絶縁体2が引きちぎれたり、延ばされてし
まうことがなく好ましい。
【0009】なお、比誘電率(ε)が1.75未満の場
合は、絶縁体の強度が脆いため、端末剥離工程に於い
て、外部導体5の引き抜き時に多孔質絶縁体2が引きち
ぎれたり、引き延ばされてしまうので好ましくない。多
孔質絶縁体2が引き延ばされた状態を図2の写真図に示
す。また、比誘電率(ε)が2.00以上の場合は、外
部導体5のクラックの抑制に効果がないので好ましくな
い。
【0010】更に、前記多孔質絶縁体2の外周には、金
属濃度(C)μg/cm2 が0.8≦C<2.6の、金
属触媒が設けられているので、良好な無電解めっきが可
能となるため、アンカー金属層3が良好に設けられ、更
に電気めっきを併用することによって良導電性金属層4
が設けられ、めっきによる外部導体5が良好に形成され
る。なお、金属触媒の金属濃度(C)μg/cm2 の測
定方法としては、金属触媒付与後、濃硝酸によって剥離
溶解させ、原子吸光光度計によって濃度測定を行える。
【0011】なお、前記金属濃度(C)μg/cm2
0.8未満の場合は、良好な無電解めっきが出来ないた
め好ましくない。また、金属濃度(C)μg/cm2
2.6以上の場合は、必要以上に金属触媒が吸着されて
いるため、めっき反応が促進され、絶縁体と外部導体と
の間の密着を低下させてしまうばかりでなく、電気めっ
き時にアンカー金属層が剥離され、一部に無めっきを招
来させてしまうため、良好な外部導体を形成させること
が困難となってしまう。
【0012】第2の観点として本発明は、中心導体1の
外周に多孔質絶縁体2を設け、この絶縁体2の外周に外
部導体5として、無電解めっきによるアンカー金属層3
及び電気めっきによる良導電性金属層4を設けたセミリ
ジッド同軸ケーブルであって、前記多孔質絶縁体2は、
比誘電率(ε)が、1.85≦ε≦1.95の条件範囲
内の多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹
脂であり、また前記多孔質絶縁体2の外周に形成される
アンカー金属層3に必要な予備的処理として、前記多孔
質絶縁体2の外周に、金属触媒の金属濃度(C)μg/
cm2が、1.5≦C≦2.5の条件範囲内で施されて
いるセミリジッド同軸ケーブルにある。
【0013】上記本発明の第2の観点のセミリジッド同
軸ケーブルは、PTFEからなる多孔質絶縁体2の比誘
電率(ε)が、1.85≦ε≦1.95の条件範囲内で
あることによって、リフロー炉等によるはんだ付け時の
熱膨張が緩和され、外部導体5のクラックが抑制でき
る。また、端末剥離工程に於いて、外部導体5の引き抜
き時に多孔質絶縁体2が引きちぎれたり、引き延ばされ
てしまうことがなく端末加工精度が良好である。この状
態を図3の写真図に示す。
【0014】なお、比誘電率(ε)が1.85未満の場
合は、端末剥離工程に於いて、中心導体、多孔質絶縁
体、外部導体の段差加工寸法精度が厳しい場合(例え
ば、±0.1mm)、その寸法精度を十分に満足できな
い。また、比誘電率(ε)が、1.95を超える場合
は、厳しいはんだ付け条件を強いられた場合(例えば、
はんだ付け温度380℃、はんだ付け時間10秒)、外
部導体5にクラックを招来してしまうので好ましくな
い。
【0015】更に、前記多孔質絶縁体2の外周には、金
属濃度(C)μg/cm2 が1.5≦C≦2.5の、金
属触媒が設けられているので、良好な無電解めっきが可
能となるため、アンカー金属層3が良好に設けられ、更
に電気めっきを併用することによって良導電性金属層4
が設けられ、めっきによる外部導体5が良好に形成され
る。
【0016】なお、金属触媒の金属濃度(C)μg/c
2 が1.5未満の場合、絶縁体外径が細径の時(例え
ば、0.5mm以下)は、めっき液と被めっき体(多孔
質絶縁体2)とのバランスが悪く、無電解めっきによる
アンカー金属層3形成時に、一部無めっきを招来させて
しまうので好ましくない。また、金属触媒の金属濃度
(C)μg/cm2 が2.5を超える場合、絶縁体外径
が細径の時(例えば、0.5mm以下)は、必要以上に
金属触媒が吸着されているため、めっき反応が促進さ
れ、多孔質絶縁体2と外部導体5との間の密着を低下さ
せてしまうばかりでなく、電気めっき時にアンカー金属
層3が剥離され、一部無めっきを招来させてしまうた
め、良好な外部導体を形成させることが困難となってし
まうので好ましくない。
【0017】第3の観点として本発明は、前記めっきが
可能な金属触媒が、パラジウム、金、銀、銅等標準酸化
還元電位が1.5V以上の金属である前記第1および第
2の観点のセミリジッド同軸ケーブルにある。
【0018】上記本発明の第3の観点のセミリジッド同
軸ケーブルは、金属触媒として、パラジウム、金、銀、
銅等標準酸化還元電位が1.5V以上の金属を好ましく
用いることが出来る。
【0019】第4の観点として本発明は、中心導体1の
外周に多孔質絶縁体2を設け、この絶縁体2の外周に外
部導体5として,無電解めっきによるアンカー金属層3
及び電気めっきによる良導電性金属層4を設けてセミリ
ジッド同軸ケーブル10とするセミリジッド同軸ケーブ
ルの製造方法であって、前記多孔質絶縁体2は、比誘電
率(ε)が、1.75≦ε<2.00の多孔質ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)樹脂をペースト押出し
により形成し、また前記外部導体5を形成する前の予備
的処理として、前記多孔質絶縁体2の外周に、金属濃度
(C)μg/cm2 が、0.8≦C<2.6の、金属触
媒を設けてからアンカー金属層3を形成するセミリジッ
ド同軸ケーブルの製造方法にある。
【0020】上記本発明の第4の観点のセミリジッド同
軸ケーブルの製造方法によれば、前記第1の観点のセミ
リジッド同軸ケーブルを効率よく製造することが出来
る。
【0021】第5の観点として本発明は、中心導体1の
外周に多孔質絶縁体2を設け、この絶縁体2の外周に外
部導体5として,無電解めっきによるアンカー金属層3
及び電気めっきによる良導電性金属層4を設けてセミリ
ジッド同軸ケーブル10とするセミリジッド同軸ケーブ
ルの製造方法であって、前記多孔質絶縁体2は、比誘電
率(ε)が、1.85≦ε≦1.95の多孔質ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)樹脂をペースト押出し
により形成し、また前記外部導体5を形成する前の予備
的処理として、前記多孔質絶縁体2の外周に、金属濃度
(C)μg/cm2 が、1.5≦C≦2.5の、めっき
が可能な金属触媒を設けてからアンカー金属層3を形成
するセミリジッド同軸ケーブルの製造方法にある。
【0022】上記本発明の第5の観点のセミリジッド同
軸ケーブルの製造方法によれば、前記第2の観点のセミ
リジッド同軸ケーブルを効率よく製造することが出来
る。
【0023】第6の観点として本発明は、前記めっきが
可能な金属触媒が、パラジウム、金、銀、銅等標準酸化
還元電位が1.5V以上の金属である前記第4および第
5の観点のセミリジッド同軸ケーブルの製造方法にあ
る。
【0024】上記本発明の第6の観点のセミリジッド同
軸ケーブルの製造方法によれば、前記第3の観点のセミ
リジッド同軸ケーブルを効率よく製造することができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を実施の形態
により詳細に説明する。図1は本発明のセミリジッド同
軸ケーブルの一実施例を示す横断面図である。また、外
部導体の形成方法は、本発明者等の発明である特開平6
−187847号に準拠している。なお、本発明は本実
施の形態に限定されるものではない。
【0026】1.第1の実施の形態 中心導体1として、φ0.162mmの銀めっき銅覆鋼
線(Ag−CP)の外周に、絶縁体外径0.50mm、
比誘電率1.85の多孔質PTFE樹脂をペースト押し
出しによって形成し、多孔質絶縁体2を設けた。次に前
記多孔質絶縁体2の表面を金属ナトリウム−ナフタレン
錯体溶液中に浸漬させて親水性化した後水洗し、パラジ
ウム−スズコロイド溶液中に浴温30℃,3分間の条件
によって浸漬し、該絶縁体2の表面上にパラジウムイオ
ンを吸着させた。更に水洗後、酸性溶液中に浸漬し、パ
ラジウムイオンを金属として還元析出させた。この条件
下によって、めっきが可能な金属触媒を原子吸光によっ
て測定したところ1.5μg/cm2 であった。続い
て、無電解ニッケルめっきによってニッケルからなるア
ンカー金属層3を0.5μm厚さに形成させ、更にその
外周に電気硫酸銅めっきによって50μm厚さの銅から
なる良導電性金属層4を施し、前記アンカー金属層3と
良導電性金属層4により外部導体5とし、仕上がり外径
が0.60mmのセミリジッド同軸ケーブル10を製造
した。表1にその要部構成を示す。
【0027】2.第2の実施の形態 中心導体1として、φ0.162mmの銀めっき銅覆鋼
線の外周に、絶縁体外径0.50mm、比誘電率1.9
0の多孔質PTFE樹脂をペースト押し出しによって形
成し、多孔質絶縁体2を設けた。次に前記第1の実施の
形態と同様にして、前記多孔質絶縁体2の表面上にパラ
ジウムイオンを金属として還元析出させた。この条件下
によって、めっきが可能な金属触媒を原子吸光によって
測定したところ2.0μg/cm2 であった。続いて、
前記第1の実施の形態と同様にして、ニッケルからなる
アンカー金属層3を0.5μm厚さに形成させ、更にそ
の外周に50μm厚さの銅からなる良導電性金属層4を
施し、仕上がり外径が0.60mmのセミリジッド同軸
ケーブル10を製造した。表1にその要部構成を示す。
【0028】3.第3の実施の形態 中心導体1として、φ0.162mmの銀めっき銅覆鋼
線の外周に、絶縁体外径0.50mm、比誘電率1.9
5の多孔質PTFE樹脂をペースト押し出しによって形
成し、多孔質絶縁体2を設けた。次に前記第1の実施の
形態と同様にして、前記多孔質絶縁体2の表面上にパラ
ジウムイオンを金属として還元析出させた。この条件下
によって、めっきが可能な金属触媒を原子吸光によって
測定したところ2.5μg/cm2 であった。続いて、
前記第1の実施の形態と同様にして、ニッケルからなる
アンカー金属層3を0.5μm厚さに形成させ、更にそ
の外周に50μm厚さの銅からなる良導電性金属層4を
施し、仕上がり外径が0.60mmのセミリジッド同軸
ケーブル10を製造した。表1にその要部構成を示す。
【0029】4.第4の実施の形態 中心導体1として、φ0.162mmの銀めっき銅覆鋼
線の外周に、絶縁体外径0.50mm、比誘電率1.9
0の多孔質PTFE樹脂をペースト押し出しによって形
成し、多孔質絶縁体2を設けた。次に前記多孔質絶縁体
2の表面を金属ナトリウム−ナフタレン錯体溶液中に浸
漬させて親水性化した後水洗し、塩化金水溶液中に浴温
40℃,3分間の条件によって浸漬し、該絶縁体2の表
面上に塩化金イオンを吸着させた。更に水洗後、酸性溶
液中に浸漬し、塩化金イオンを金属として還元析出させ
た。この条件下によって、めっきが可能な金属触媒を原
子吸光によって測定したところ2.5μg/cm2 であ
った。続いて、前記第1の実施の形態と同様にして、ニ
ッケルからなるアンカー金属層3を0.5μm厚さに形
成させ、更にその外周に50μm厚さの銅からなる良導
電性金属層4を施し、仕上がり外径が0.60mmのセ
ミリジッド同軸ケーブル10を製造した。表1にその要
部構成を示す。
【0030】5.第5〜7の実施の形態 第5〜7の実施の形態については、多孔質絶縁体2の比
誘電率と、金属触媒の種類,濃度を表1のように設定
し、その他は前記第1の実施の形態に準じて仕上がり外
径が0.60mmのセミリジッド同軸ケーブル10を製
造した。
【0031】6.比較例 比較例1、2 比較例1、2については、多孔質絶縁体の比誘電率と、
金属触媒の種類,濃度を表1のように設定し、その他は
前記第1の実施の形態に準じて仕上がり外径が0.60
mmのセミリジッド同軸ケーブルを製造した。
【0032】上記本発明の実施の形態及び比較例のセミ
リジッド同軸ケーブルについて、その要部構成を下記表
1に示す。また、本発明の実施の形態及び比較例のセミ
リジッド同軸ケーブルついての特性試験として、端末加
工性とはんだ付け性(はんだ付け時の外部導体のクラッ
ク)を調査した。なお、はんだ付けは、コテ先温度38
0℃,5秒間の条件で直接コテ先をケーブルに接触させ
た。その結果を、下記表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】上記表2から明らかなように、本発明のセ
ミリジッド同軸ケーブルは端末加工性及びはんだ付け性
が良いことが分かる。一方比較例のセミリジッド同軸ケ
ーブルは端末加工性又ははんだ付け性のどちらかが悪い
ことが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるセミリ
ジッド同軸ケーブルでは、PTFEからなる多孔質絶縁
体の比誘電率(ε)が、1.75≦ε<2.00の条件
範囲内であることによって、リフロー炉等によるはんだ
付け時の熱膨張が緩和され、外部導体のクラックが抑制
できるようになった。また、その外周に形成されるアン
カー金属層に必要な予備的処理として、金属触媒の金属
濃度(C)μg/cm2 が0.8≦C<2.6であるこ
とによって、良好な無電解めっきが可能となるため、電
気めっきを併用することによって、めっきによる外部導
体の形成が良好となった。
【0037】更に好ましくは、PTFEからなる多孔質
絶縁体の比誘電率(ε)が、1.85≦ε<1.95の
条件範囲内であることによって、はんだ付け時の熱膨張
が緩和され、外部導体のクラックが抑制できるとともに
端末加工精度が良好となった。また、その外周に形成さ
れるアンカー金属層に必要な予備的処理として、金属触
媒の金属濃度(C)μg/cm2 を1.5≦C<2.5
の条件範囲内にすることによって、絶縁体外径が細径の
場合においても良好な外部導体を形成させることが容易
となった。従って、本発明のセミリジッド同軸ケーブル
は、軽薄・短小化に好適となり、産業上に寄与するとこ
ろ極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセミリジッド同軸ケーブルの一実施例
を示す横断面図である。(従来例にも使用)
【図2】端末剥離工程に於いて、外部導体の引き抜き時
に多孔質絶縁体が引き延ばされた状態を示す写真図であ
る。
【図3】端末剥離工程に於いて、外部導体の引き抜き時
に多孔質絶縁体が引きちぎれたり、引き延ばされてしま
うことがなく、端末加工精度が良好な状態を示す写真図
である。
【符号の説明】
1 中心導体 2 多孔質絶縁体 3 アンカー金属層 4 良導電性金属層 5 外部導体 10 セミリジッド同軸ケーブル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心導体1の外周に多孔質絶縁体2を設
    け、この絶縁体2の外周に外部導体5として、無電解め
    っきによるアンカー金属層3及び電気めっきによる良導
    電性金属層4を設けたセミリジッド同軸ケーブルであっ
    て、 前記多孔質絶縁体2は、比誘電率(ε)が、 1.75≦ε<2.00 の条件範囲内の多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
    であり、また前記多孔質絶縁体2の外周に形成されるア
    ンカー金属層3に必要な予備的処理として、前記多孔質
    絶縁体2の外周に、めっきが可能な金属触媒の金属濃度
    (C)μg/cm2 が、 0.8≦C<2.6 の条件範囲内で施されていることを特徴とするセミリジ
    ッド同軸ケーブル。
  2. 【請求項2】 中心導体1の外周に多孔質絶縁体2を設
    け、この絶縁体2の外周に外部導体5として、無電解め
    っきによるアンカー金属層3及び電気めっきによる良導
    電性金属層4を設けたセミリジッド同軸ケーブルであっ
    て、 前記多孔質絶縁体2は、比誘電率(ε)が、 1.85≦ε≦1.95 の条件範囲内の多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
    であり、また前記多孔質絶縁体2の外周に形成されるア
    ンカー金属層3に必要な予備的処理として、前記多孔質
    絶縁体2の外周に、めっきが可能な金属触媒の金属濃度
    (C)μg/cm2 が、 1.5≦C≦2.5 の条件範囲内で施されていることを特徴とするセミリジ
    ッド同軸ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記めっきが可能な金属触媒が、パラジ
    ウム、金、銀、銅等標準酸化還元電位が1.5V以上の
    金属であることを特徴とする請求項1または2記載のセ
    ミリジッド同軸ケーブル。
  4. 【請求項4】 中心導体1の外周に多孔質絶縁体2を設
    け、この絶縁体2の外周に外部導体5として、無電解め
    っきによるアンカー金属層3及び電気めっきによる良導
    電性金属層4を設けてセミリジッド同軸ケーブル10と
    するセミリジッド同軸ケーブルの製造方法であって、 前記多孔質絶縁体2は、比誘電率(ε)が、1.75≦
    ε<2.00の多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
    をペースト押出しにより形成し、また前記外部導体5を
    形成する前の予備的処理として、前記多孔質絶縁体2の
    外周に、金属濃度(C)μg/cm2 が、0.8≦C<
    2.6の、めっきが可能な金属触媒を設けてからアンカ
    ー金属層3を形成することを特徴とするセミリジッド同
    軸ケーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】 中心導体1の外周に多孔質絶縁体2を設
    け、この絶縁体2の外周に外部導体5として,無電解め
    っきによるアンカー金属層3及び電気めっきによる良導
    電性金属層4を設けてセミリジッド同軸ケーブル10と
    するセミリジッド同軸ケーブルの製造方法であって、 前記多孔質絶縁体2は、比誘電率(ε)が、1.85≦
    ε≦1.95の多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
    をペースト押出しにより形成し、また前記外部導体5を
    形成する前の予備的処理として、前記多孔質絶縁体2の
    外周に、金属濃度(C)μg/cm2 が、1.5≦C≦
    2.5の、めっきが可能な金属触媒を設けてからアンカ
    ー金属層3を形成することを特徴とするセミリジッド同
    軸ケーブルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記めっきが可能な金属触媒が、パラジ
    ウム、金、銀、銅等標準酸化還元電位が1.5V以上の
    金属であることを特徴とする請求項4または5記載のセ
    ミリジッド同軸ケーブルの製造方法。
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