JPH11223424A - 膨張弁 - Google Patents

膨張弁

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Publication number
JPH11223424A
JPH11223424A JP10028038A JP2803898A JPH11223424A JP H11223424 A JPH11223424 A JP H11223424A JP 10028038 A JP10028038 A JP 10028038A JP 2803898 A JP2803898 A JP 2803898A JP H11223424 A JPH11223424 A JP H11223424A
Authority
JP
Japan
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valve
diaphragm
valve body
refrigerant
pressure
Prior art date
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Pending
Application number
JP10028038A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimimichi Yano
公道 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikoki Corp
Original Assignee
Fujikoki Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Fujikoki Corp filed Critical Fujikoki Corp
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Publication of JPH11223424A publication Critical patent/JPH11223424A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2341/00Details of ejectors not being used as compression device; Details of flow restrictors or expansion valves
    • F25B2341/06Details of flow restrictors or expansion valves
    • F25B2341/068Expansion valves combined with a sensor
    • F25B2341/0683Expansion valves combined with a sensor the sensor is disposed in the suction line and influenced by the temperature or the pressure of the suction gas

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクルに使用される膨張弁のダイアフ
ラムの内部に残留する冷媒を回収する構造を備えた膨張
弁を提供する。 【解決手段】 膨張弁10´のパワーエレメント部36
は、下部カバー36hと一体の取付座362のねじ部を
弁本体30のねじ孔361に螺合することによりとりつ
けられる。感温棒36f´の上端部36k´には、貫通
孔36nが形成される。上部圧力作動室36bに封入さ
れる冷媒は、膨張弁10´の解体時にパワーエレメント
部36を弁本体30から取り外すことにより貫通孔36
nを通って回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気調和装置、冷凍
装置等の冷凍サイクルにおいて、エバポレータに供給さ
れる冷媒の流量制御に用いられる膨張弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の膨張弁は、自動車等の空気調和
装置の冷凍サイクルにおいて用いられており、図6は、
従来広く用いられている膨張弁の一例の縦断面図を冷凍
サイクルの概略と共に示しており、図7はその要部を示
す図である。膨張弁10は、角柱状のアルミ製の弁本体
30には、冷凍サイクルの冷媒管路11においてコンデ
ンサ5の冷媒出口からレシーバ6を介してエバポレータ
8の冷媒入口へと向かう部分に介在される液相冷媒が通
過する第1の通路32と冷媒管路11においてエバポレ
ータ8の冷媒出口からコンプレッサ4の冷媒入口へと向
かう部分に介在される気相冷媒が通過する第2の通路3
4とが隔壁38fにより上下に相互に離間して形成され
ている。
【0003】第1の通路32にはレシーバ6の冷媒出口
から供給された液体冷媒を断熱膨張させるためのオリフ
ィス32aが形成されている。オリフィス32aの入口
側つまり第1の通路の上流側には弁座が形成されてい
て、弁座には上流側から弁部材32cにより支持された
球状の弁体32bが配置され、弁体32bと弁部材32
cとは溶接により固定されている。弁部材32cは、弁
体と弁本体の下部に設けられた圧縮コイルばねの如き付
勢手段32dとの間に配置され付勢手段32dの付勢力
を弁体32bに伝え、弁体32bは弁座に接近する方向
に付勢されている。
【0004】レシーバ6からの液冷媒が導入される第1
の通路32は液冷媒の通路となり、入口ポート321
と、この入口ポート321に連続する弁室35を有す
る。弁室35は、オリフィス32aと同軸に形成される
有底の室であり、プラグ39によって密閉されており、
オリフィス32aを介して出口ポート322に連通し、
出口ポート322はエバポレータ8の冷媒入口に接続さ
れている。
【0005】さらに、弁本体30にはエバポレータ8の
出口温度に応じて弁体32bに対して駆動力を与えてオ
リフィス32aの開閉を行うために、小径の孔37とこ
の孔37より径が大径の孔38が第2の通路34を貫通
してオリフィス32aと同軸に形成され、弁本体30の
上端には感熱部となるパワーエレメント部36が固定さ
れるねじ孔361が形成されている。
【0006】パワーエレメント部36は、圧力応動部材
であり、可撓性のある金属製薄板であるステンレス製の
ダイアフラム36aと、このダイアフラム36aを挾ん
で互いに密着して設けられ、上記ダイアフラムを一壁面
として、その上下に区画された二つの圧力室を形成する
上部圧力作動室36b及び下部圧力作動室36cをそれ
ぞれ構成する気密壁となるステンレス製の上カバー36
d及び下カバー36hと、上部圧力作動室36bにダイ
アフラム駆動媒体となる所定冷媒を封入するためのめく
ら栓36iとを備え、下部圧力作動室36cは、オリフ
ィス32aの中心線に対して同心的に形成された均圧孔
36eを介して第2の通路34に連通されている。第2
の通路34には、エバポレータ8からの冷媒蒸気が流
れ、通路34は気相冷媒の通路となり、その気相冷媒の
圧力が均圧孔36eを介して下部圧力作動室36cに負
荷されている。また、下カバー36hには、筒状の取付
座362が形成され、取付座362がねじ孔361に螺
着により取付けられ、弁本体30に固定されている。
【0007】さらに、下部圧力作動室36c内にダイア
フラム36aと当接し、かつ第2の通路34を貫通して
隔壁38f内の大径の孔38内に摺動可能に配置され
て、エバポレータ8の冷媒出口温度を下部圧力作動室3
6cへ伝達すると共に、上部圧力作動室36b及び下部
圧力作動室36cの圧力差に伴うダイアフラム36aの
変位に応じて大径の孔38内を摺動して駆動力を与える
アルミ製の感温棒36fと、小径の孔37内に摺動可能
に配置されて感温棒36fの変位に応じて弁体32bを
付勢手段32dの弾性力に抗して押圧する感温棒36f
より細径のステンレス製の作動棒37fからなり、感温
棒36fには第1の通路32と、第2の通路34との気
密性を確保するための密封部材、例えばOリング36g
が備えられている。感温棒36fの上端部36kは、ダ
イアフラム36aの下面に当接されて受け部となり、上
記ダイアフラムとの接触面積を得るため径方向に拡大さ
れたストッパ部36l(エル)を有している。ダイアフ
ラム36aの変位は感温棒36fを介して弁体32bに
伝達され、感温棒36fの上端部36kは下部圧力作動
室36c内を摺動すべくストッパ部36l(エル)は下
カバー36hに支持される。
【0008】さらに、感温棒36fの下端部は大径の孔
38の底部にて作動棒37fの上端と当接し、作動棒3
7fの下端は弁体32bと当接しており、感温棒36f
と作動棒37fとで感温駆動棒が構成され、この感温駆
動棒がダイアフラム36aの変位を弁体32bに伝達す
る伝達部材となる。
【0009】以上のパワーエレメント部36、感温棒3
6及び作動棒37fの構成において、作動棒37fが小
径の孔37内に挿入され、感温棒36fが大径の孔38
内に挿入された後に、下カバー36hの取付座362が
ねじ孔361に螺合されることによって固定されて、O
リング36mによって下カバー36hと弁本体30との
気密性が確保され、ねじ孔361は下カバー36h及び
ダイアフラム36aと共に、下部圧力作動室36cを構
成する。
【0010】したがって、均圧孔36eには、ダイアフ
ラム36aの下面から第1の通路32のオリフィス32
aまで延出した弁体駆動棒が同心的に配置されているこ
とになる。なお、作動棒37fの部分37eはオリフィ
ス32aの内径より細く形成されて、オリフィス32a
内を挿通し、冷媒はオリフィス32a内を通過する。
【0011】図7は、かかる構成からなる膨張弁10に
おいて、パワーエレメント部36と感温棒36fの構成
を示す縦断面図であり、下カバー36hを回動してねじ
孔361から取外し、弁本体30からパワーエレメント
部36と感温棒36fを分離した状態を示している。
【0012】以上の構成において、圧力作動ハウジング
36dの上部の圧力作動室36b中には所定冷媒がダイ
アフラム駆動媒体(例えば、冷凍サイクルに使用される
冷媒ガスと同じ)として充填されていて、ダイアフラム
駆動媒体には第2の通路34や第2の通路34に連通さ
れている均圧孔36eに露出された感温棒36f及びダ
イアフラム36aを介して第2の通路34を流れている
エバポレータ8の冷媒出口からの冷媒の温度が伝達され
る。
【0013】上部の圧力作動室36b中のダイアフラム
駆動媒体は上記伝達された温度に対応してガス化し圧力
が変化し、ダイアフラム36aの上面に負荷する。ダイ
アフラム36aは上記上面に負荷されたダイアフラム駆
動ガスの圧力とダイアフラム36aの下面に負荷された
圧力との差により上下に変位する。ダイアフラム36a
の中心部の上下への変位は感温駆動棒を介して弁体32
bに伝達され弁体32bをオリフィス32aの弁座に対
して接近または離間させる。この結果、冷媒流量が制御
されることとなる。
【0014】即ち、エバポレータ8の出口側と接続され
た第2の通路34内に感温棒36fが配されており、エ
バポレータから送り出される低圧の気相冷媒の温度を上
部圧力作動室36bに伝達するため、その温度に応じて
上部圧力作動室36bの圧力が変化し、エバポレータ8
の出口温度が高いため、つまりエバポレータの熱負荷が
増加すると、上部圧力作動室36bの圧力が高くなり、
それに応じて感温棒36fつまり感温駆動棒が下方へ駆
動されて弁体32bを下げるため、オリフィス32aの
開度が大きくなる。これによりエバポレータ8への冷媒
の供給量が多くなり、エバポレータ8の温度を低下させ
る。逆に、エバポレータ8から送り出される冷媒の温度
が低下する、つまりエバポレータの熱負荷が減少する
と、弁体32bが上記と逆方向に駆動され、オリフィス
32aの開度が小さくなり、エバポレータへの冷媒の供
給量が少なくなり、エバポレータ8の温度を上昇させる
のである。
【0015】さらに、図6に示す従来の膨張弁と同様
に、エバポレータに送り込まれる高圧冷媒が通る高圧冷
媒流路の途中に形成されたオリフィスに対向するように
弁体を配置し、エバポレータから送り出される低圧冷媒
の温度に対応して弁体を開閉動作させるようにした膨張
弁として、従来図8,図10及び図11にそれぞれ示す
膨張弁がある。
【0016】図8は従来の膨張弁を示す縦断面図であ
り、図6に示す従来の膨張弁と同一符号は同一又は均等
部分を示し、図6とは感温駆動棒の構成が相違してい
る。図8に示す膨張弁101では、弁本体30は、図6
に示す従来例と同様の弁本体が用いられており、基本的
にはエバポレータ8に送り込まれる高圧冷媒が通る高圧
冷媒流路32に形成されたオリフィス32aと、上記オ
リフィス32aに上記冷媒の上流側から対向するように
配置された球状の弁体32bと、上記弁体を上流側から
上記オリフィスに向けて付勢するための付勢手段32d
と、上記付勢手段の付勢力を上記弁体32bに伝えるた
めに上記付勢手段と上記弁体との間に配置され、弁部材
32cと、上記エバポレータから送り出される低圧冷媒
の温度に対応して動作するパワーエレメント部36と、
弁体32bとの間に配置される感温棒と作動棒とが一体
に形成されたオリフィス内を挿通する感温駆動棒、即ち
ロッド部とを設け、上記パワーエレメント部の動作に応
じて上記ロッド部により上記弁体を上記オリフィスに対
して接離させるようにしたことにより、オリフィスを通
過する冷媒流量を制御するようになっている。
【0017】感温駆動棒318は、その上端部36kが
分離されて別体に構成されると共に、感温棒は作動棒と
一体に例えばステンレス製の細径のロッド部316とし
て構成されている。その上端部36kは、ダイアフラム
36aの下面に当接される端部が径方向に拡大されたス
トッパ部312と他端部が中央部に突起部315を形成
して下部圧力作動室36c内に摺動自在に挿入される大
径部314とからなる受け部である。さらに、ロッド部
316の上端は大径部314の突起部315の内部にて
嵌合し、その下端が弁体32bに当接している。
【0018】感温棒を構成するロッド部316は、パワ
ーエレメント部36のダイアフラム36aの変位に応じ
て通路34を横切って進退自在に駆動されるので、ロッ
ド部316に沿って通路322と通路34間を連通する
クリアランス(隙間)が形成されることとなり、この連
通を防止するため、ロッド部316の外周に密着するO
リング40を大径の孔38内に配置し、両通路間にOリ
ングが存在するようにしており、しかもOリング40が
コイルバネ32d及び通路321の冷媒圧力により長手
方向(パワーエレメント部36の存在する方向)に作用
する力を受けて、移動しないようにするため戻り止めと
して、例えばワッシャあるいは歯付き止め輪41がOリ
ング40に接して大径の孔38内に配置されており、O
リングを固定している。ロッド部316は、例えばステ
ンレス製にて約2.4mm程度の直径を有し、ロッド部
316のオリフィス32aを挿通する部分は約1.6m
m程度の直径に構成されている。
【0019】なお、図8の従来例において、ストッパ部
312及び大径部314を真ちゅう材とし、ロッド部3
16にアルミ材を用いることもできる。さらには、スト
ッパ部、大径部及びロッド部を全てステンレス製にて構
成することも可能である。図8に示す従来の膨張弁にお
いて、ダイアフラム36aの変位はロッド部316を介
して球状の弁体32bに伝達され、弁体32bをオリフ
ィス32aに対して接近または離間させ、冷媒流量が制
御される動作は図6の従来例と同じである。
【0020】さらに、従来の膨張弁においては、図8に
示す所定冷媒封入用の封切管36gの代りに、栓体を用
いることもできる。例えば図9に示す如く、栓体36i
を用いて所定冷媒を封入してもよく、例えば金属性、例
えばステンレス製の栓体36iが、例えばステンレス製
の上カバー36dに形成された孔36jを塞ぐように挿
入され溶接により固着される。また図9では、パワーエ
レメント部36に関連する部分のみを示し、他の構成を
省略して示している。
【0021】図10は、従来の他の膨張弁102の構成
を示す縦断面図であり、冷凍サイクルを省略して示して
いる。図10においては、図6及び図8の膨張弁10及
び101が、弁本体内にコンデンサからエバポレータへ
と向う通路と、エバポレータからコンプレッサへと向う
通路とを略平行に形成して具備しているのと異なり、コ
ンデンサ(図示せず)に接続されてコンデンサからの高
圧の液体冷媒が供給される冷媒入口通路107とエバポ
レータ(図示せず)に接続されてエバポレータに低圧の
冷媒を供給するための冷媒出口通路109とが弁本体1
00内に略直交して形成されている。冷媒入口通路10
7と冷媒出口通路109との間を連通する弁本体100
に形成されたオリフィス110の入口側端部は弁座にな
っており、そこに接離する球状の弁体106が、圧縮コ
イルばねの如き付勢手段104によって下方から付勢さ
れてオリフィス110を閉じている。108は、付勢手
段104のばね圧を調整するための調節ナットの如き調
節部材であり、107’は、弁体106とコイルばね1
04との間に配置された弁部材である。
【0022】弁本体100の上端部には、パワーエレメ
ント部120が固定されており、パワーエレメント部1
20は、上カバー122と下カバー124の外周縁に挾
持して溶接したダイアフラム126を包含し、ダイアフ
ラム126が一壁面としてその上下に区画された二つの
気密室である圧力作動室を形成する。上カバー122と
ダイアフラム126とでダイアフラムの上部の上部圧力
作動室となる第1の圧力空間室123が形成される。こ
の第1の圧力空間室は導管128を介して感温筒130
の内部と連通している。この感温筒130はエバポレー
タの出口部分に取付けられ、エバポレータの出口近傍の
冷媒温度を感知し、この温度を圧力P1に変換して、パ
ワーエレメント部の第1の圧力空間室123に加える。
前記圧力P1は、それが増加するときダイアフラム12
6を下方に押して、弁体106の開弁方向の力となる。
【0023】一方、ダイアフラム126の下部の下部圧
力作動室となる第2の圧力空間室125には、導管13
2を介してエバポレータの出口の冷媒圧力P2が配管取
付部134から直接導かれる。この圧力P2は弁本体に
形成された導入孔103を通ってダイアフラム126の
下部に形成される第2の圧力空間室125に供給され、
コイルばね104の力と共に弁体106の閉弁方向に働
く。すなわち過熱度(冷媒のエバポレータ出口温度と蒸
発温度との差:これは力として取出すため上記P1−P
2となっている)の大きいとき弁を大きく開き、小さい
ときは弁を閉まり気味にして、エバポレータに供給する
冷媒の量を制御する。
【0024】なお、パワーエレメント部120は、下カ
バー124に形成されたネジ部127によって弁本体1
00の上端部に螺着されることにより固定される。ま
た、111はダイアフラム126の変位を弁体106に
伝達する弁体駆動棒である。弁体駆動棒111は、弁本
体100に形成された大径の孔117’及び小径の孔1
17内を通って、さらにオリフィス110を挿通してお
り、その上端はダイアフラム126の下面に当接して第
2圧力空間室125内に配置されたダイアフラム126
の受け部となるストッパ部119の下面に当接し、下端
はオリフィス110を通って弁体106の上面に当接し
ている。
【0025】以上のような構成において、ダイアフラム
126が変位すると、その変位により弁体駆動棒111
が駆動されて弁体106が変位つまり弁座に対して接離
し、それによりオリフィス110の開口面積が変化して
エバポレータに供給される冷媒の量が制御される。な
お、図10に示す膨張弁102においては、例えば弁本
体100には黄銅材が用いられ、弁体106、弁体駆動
棒111及び弁部材107を例えばステンレス材とし、
さらにパワーエレメント部120の上カバー及び下カバ
ーにステンレス材を用いている。
【0026】図11は、従来のさらに他の膨張弁103
を示す縦断面図であり、弁本体51が一側に図示しない
コンデンサからの高圧冷媒が流入する高圧側通路52を
設けると共に、下部には図示しないエバポレータに流出
する低圧冷媒が流れる低圧側通路53を設けてある。こ
の高圧側通路52は、その内端に略直角方向に設けたオ
リフィス54を介して低圧側通路53に連結し、オリフ
ィス54にはその下方から球状の弁体18とこれを支持
する弁部材18’とがオリフィス54に接離可能に装着
され、弁部材18’は下方からスプリング21で弾発さ
れている。スプリング21の下端は雌ねじ部171に回
転可能に螺合させる支持体22に掛止してあり、支持体
22の中心には角孔22’が形成されており、回動用の
工具が掛止される。
【0027】低圧側の通路53の上部には弁室25が形
成され、支持体22で区画され、弁室25の下方に低圧
側通路53が形成される。弁本体51の上部に取付けた
パワーエレメント55の内部はダイアフラム56を一壁
面としてその上下に区画された二つの圧力作動室が形成
される。
【0028】ダイアフラム56は、上カバー57と下カ
バー58の外周縁に挾まれて溶接される。パワーエレメ
ント55は下カバー58が弁本体51の側面に螺着され
ることによって、弁本体51に取付けられる。上部の圧
力作動室60は、圧力導入口である導管59に連通して
設けられ、下部の圧力作動室61には径方に拡大された
大径なストッパ部62を上下動可能に装着してある。低
圧側通路53の上部と連通するように弁本体51内に設
けた通孔63内には駆動棒64を上下動可能に挿通して
あり、該駆動棒64の上端は前記受板62の下面に掛止
され、またその下端は弁部材18’に掛止している。な
お、上記駆動棒64は、点線で示す如く他の位置にも存
在する。
【0029】かかる構成において、図示しないエバポレ
ータの出口側温度を感温筒65で感知し、導管59を介
して上部の圧力空間室60に圧力を伝達し、それにより
駆動棒64を介して弁部材18’を上下動つまり弁体1
8をオリフィス52に接離させ、オリフィス52の開度
を調整する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】近年、冷凍サイクルに
使用されている冷媒を地球環境保護の観点から、大気中
に放出することなく回収することが強く要求されてい
る。従来の膨張弁においても、かかる冷媒がパワーエレ
メント部の圧力室に圧力変化によってダイアフラムを変
位させるダイアフラム駆動媒体として封入されている。
しかしながら、従来の膨張弁においては、上記所定冷媒
の回収については配慮されていなかった。本発明は、か
かる点に鑑み、上記冷媒を回収することのできる膨張弁
を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明に係る膨張弁は、ダイアフラムで区画された
圧力室を弁本体に備えると共に上記圧力室の圧力変動に
応じた上記ダイアフラムの変位によって弁体を駆動する
駆動棒と、上記弁体によりその開度が制御されるオリフ
ィスを備え、上記駆動棒は上記圧力室内の冷媒を回収す
るための回収手段を有することを特徴とする。
【0032】さらに、上記回収手段が上記駆動棒の上記
ダイアフラムの受け部に形成された貫通孔又は切欠部で
あることを特徴とする。また、上記貫通孔又は切欠部が
上記受け部に当接する上記ダイアフラムに接して形成さ
れていることを特徴とする。
【0033】さらに本発明の膨張弁は、感温用冷媒が封
入されたパワーエレメント部の気密壁の一部をダイアフ
ラムによって形成し、エバポレータに送り込まれる高圧
冷媒が通るオリフィスの開度を変えるための弁体を上記
ダイアフラムによって駆動するようにした膨張弁におい
て、上記パワーエレメント部と上記弁体との間に配設さ
れ上記ダイアフラムの変位を上記弁体に伝達する作動棒
は、そのダイアフラムに当接する受け部に貫通孔又は切
欠部が形成されていることを特徴とする。
【0034】また本発明の膨張弁は、所定冷媒が封入さ
れたパワーエレメント部と、このパワーエレメント部の
一壁面を形成して、前記パワーエレメント部の圧力変化
に応じて変位するダイアフラムと、エバポレータより流
出する冷媒の温度を前記ダイアフラムに伝える感温棒
と、前記ダイアフラムの変位を上記感温棒により伝達さ
れて上記エバポレータに流入する冷媒の流量を制御する
弁体とからなる膨張弁において、上記感温棒の上記ダイ
アフラムに当接する受け部に貫通孔又は切欠部が形成さ
れていることを特徴とする。
【0035】さらにまた本発明の膨張弁は、高圧冷媒が
通る第1の通路と低圧冷媒が送り出される通路とを有す
るボックス形状の弁本体と、上記第1の通路に設けられ
て冷媒の流れを制御する上記弁本体部の弁体と、上記弁
本体の上部に設けられたダイアフラムを有し圧力空間部
を形成する弁体を駆動するパワーエレメント部と、上記
弁本体の下部に設けられた弁体を付勢する付勢手段とか
らなり、上記パワーエレメント部と弁体との間に配設さ
れ上記ダイアフラムの変位を上記弁体に伝達する作動棒
は、そのダイアフラムと当接する受け部に貫通孔又は切
欠部が形成されていることを特徴とする。特に、上記貫
通孔又は切欠部は上記受け部の径方向に拡大された部分
に形成されていることを特徴とする。
【0036】さらに本発明の膨張弁としては、エバポレ
ータに送り込まれる高圧冷媒が通る高圧冷媒流路の途中
に形成されたオリフィスと、上記オリフィスに上流側か
ら対向するように配置された球状の弁体と、上記弁体を
上流側から上記オリフィスに向けて付勢するための付勢
手段と、上記付勢手段の付勢力を上記弁体に伝えるため
に上記付勢手段と上記弁体との間に介在するように配置
された弁部材と、上記エバポレータから送り出される低
圧冷媒の温度を感知するように配置されてその内部に封
入された冷媒の圧力変化により動作するパワーエレメン
ト部と上記弁体との間に配置されて上記オリフィス内に
挿通されたロッドとからなり、上記ロッドを介して上記
パワーエレメント部の動きによって上記弁体を上記オリ
フィスに対して開閉動作させるようにすると共に、上記
ロッドは、上記パワーエレメント部の一壁面を形成して
上記所定冷媒の圧力変化に応じて変位するダイアフラム
に面して配置された受け部に当接し、上記受け部には貫
通孔又は切欠部が形成されていることを特徴とする。特
に、上記貫通孔は上記受け部の上記ロッドの当接部に対
応する位置に形成されていることを特徴とする。
【0037】さらにまた本発明の膨張弁は、冷媒の流れ
る第1の流路及びこれとオリフィスを介して連通する第
2の流路を有する弁本体と、上記オリフィスを流れる冷
媒流量を調整する弁体と、上記弁体の変位を調整する付
勢手段と、その内部に封入された所定冷媒の圧力変化に
より変位するダイアフラムを有するパワーエレメント部
と、その一端が受け部を介して上記ダイアフラムに当接
し、その他端にて上記弁体を変位させる作動棒とからな
り、上記受け部に貫通孔又は切欠部が形成されているこ
とを特徴とする。
【0038】また本発明の膨張弁は、弁本体と、弁本体
内に設けられて冷媒を通過させる高圧側通路、及びこの
通路に略直交するよう設けられた低圧側通路と、これら
両通路を互いに連通させるよう設けられたオリフィス
と、上記弁本体に固定されたパワーエレメントと、上記
パワーエレメント内に封入された所定冷媒によりエバポ
レータから送り出される冷媒の温度に応じて内部圧力が
変化する第1の圧力室と、エバポレータの出口側冷媒の
圧力と連通する第2圧力室とに区割するダイアフラム
と、上記ダイアフラムの変位により駆動される上記オリ
フィスを挿通する作動棒と、上記作動棒により上記オリ
フィスに接離する弁体と、上記弁体をオリフィス側に付
勢するばねと、このばねと弁体との間に配置された弁部
材とからなり、上記作動棒は、上記ダイアフラムと受け
部を介して当接し、上記受け部には貫通孔又は切欠部が
形成されていることを特徴とする。
【0039】さらにまた本発明の膨張弁は、弁本体と、
パワーエレメントと、温度を圧力に変換する感温筒と該
感温筒と前記パワーエレメントを連結する導管と、弁本
体内部空間とパワーエレメント圧力空間を区割するダイ
アフラムと、該ダイアフラムに当接してその変位を一定
量以下に制限するための受け部材と、上記ダイアフラム
の変位を伝達のための作動棒と、弁座と接離する弁体
と、該弁体を上記弁座の方向に付勢するためのばねと、
このばねと上記弁体との間に配置された弁部材とからな
る膨張弁において、上記作動棒の一端は、上記受け部材
に当接され、その他端は上記弁体に当接され、上記受け
部材には貫通孔又は切欠部が形成されていることを特徴
とする。特に、上記貫通孔又は切欠部は、上記受け部の
作動棒の当接部以外に形成されていることを特徴とす
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の膨張弁
の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の
膨張弁10’の縦断面図を冷凍サイクルの概略と共に示
しており、膨張弁10’は、図1に示す従来の膨張弁1
0とは感温棒の構成が異なるのみであり、他の構成は同
一であり、同一機能を奏するので、同一符号を付して説
明を省略する。
【0041】図1において、弁体駆動棒を構成する感温
棒36f’の上端部36k’には、貫通孔36nが具備
されている。即ち、この貫通孔36nは、ダイアフラム
36aの受け部となる上端部36k’の径方向の上記ダ
イアフラムと当接する位置で上下方向に、例えば直径3
mm程度の大きさに形成されて、上端部36k’を貫通
し、ダイアフラム36aの下面と当接する。
【0042】したがって、貫通孔36nの上端の開口
は、ダイアフラム36aによって覆われていることとな
るので、膨張弁10’は、従来の膨張弁10と同一の動
作を行なうのである。即ち、本発明の膨張弁10’にお
いては、感温棒36f’は、その上端部36k’が下部
圧力作動室36c内にダイアフラム36aと当接し、低
圧冷媒通路である第2の通路34を貫通して大径の孔3
8内に摺動可能に配されて、エバポレータ8の冷媒出口
温度を下部圧力作動室36cへ伝達すると共に、上部圧
力作動室36b及び下部圧力作動室36cの圧力差に伴
うダイアフラム36aの変位に応じて、大径の孔38内
を摺動して駆動力を小径の孔37内に摺動可能に配され
ている作動棒37fに与え、作動棒37fは付勢手段3
2dの弾性力に抗して弁体32bを押圧する動作を行う
のである。
【0043】このように、エバポレータ8の出口側と接
続された低圧冷媒通路である第2の冷媒通路34内に感
温棒36f’が配されており、エバポレータ8の出口側
の気相冷媒温度を上部圧力作動室36bへ伝達するた
め、その温度に応じて上部圧力作動室36bの圧力が変
化し、エバポレータ8の出口温度が上昇すると、上部圧
力作動室36bの圧力が高くなり、ダイアフラム36a
は変位し、それに応じて感温棒36f’が下方へ駆動さ
れて弁体32bを下げるため、オリフィス32aの開度
が大きくなり、エバポレータ8への冷媒の供給量が多く
なり、エバポレータ8の温度を低下させる。逆に、エバ
ポレータ8の出口温度が低下すると弁体32bが逆方向
に駆動され、オリフィス32aの開度が小さくなり、エ
バポレータ8への冷媒の供給量が少なくなり、エバポレ
ータの温度を低下させる。
【0044】なお、図1の実施形態において、めくら栓
36iの代りに封入管を用いて冷媒を封入し、封入後に
先端を密閉してもよい。而して、本実施形態の受け部に
具備された貫通孔36nは、上部圧力作動室36b内の
所定冷媒の回収用として利用されるのである。即ち、膨
張弁10’の弁本体30のねじ孔361に螺着されてい
るパワーエレメント部36の下カバー36hの取付座3
62を回動することにより、弁本体30のねじ孔361
から取り外され、パワーエレメント部36と感温棒36
f’は、図2(A)に示す斜視図の如く、弁本体30か
ら分離された状態となる。なお、図2(B)は図2
(A)の矢印方向からの図である。
【0045】図3は、図2に示すパワーエレメント部3
6と感温棒36f’の縦断面図であり、図4(A)は、
感温棒36f’の斜視図であり、図4(B)は図4
(A)に示す感温棒36f’の縦断面図である。而し
て、貫通孔36nは、図4(A)に示すように、上端部
36k’の下端からダイアフラムの下面に当接する上端
つまりストッパ部まで貫通して形成されている。かくの
如く分離された状態において、貫通孔36nの径より小
なる径の針を有する治具にて所定冷媒を回収するのであ
る。例えば、治具の一例の構成の断面図を図5に示す。
【0046】図5において、金属製の治具50は、円筒
形状に構成され、円板状の底部51もこれに立設して円
周上に形成された外壁52と、外壁52にて囲まれた内
部空間53と、その先端に針部55が形成された内部空
間53内に設けられた凸部54からなり、外壁52には
内部空間53と連通する横穴56が構成されている。治
具50には、外壁52の上端に段付部57が形成され、
段付部57内の気密用のOリング58を介して外壁52
の上端に図2即ち図3に示すパワーエレメント36の下
カバー36hが載置され、感温棒36f’は内部空間5
3内に配置される。この際、凸部54の針部55は、ダ
イアフラム36aの受け部となる感温棒36f’の上端
部36k’に形成された貫通孔36nの位置に相当し
て、内部空間53内に設けられている。
【0047】かくして、パワーエレメント36を押圧す
ることにより、貫通孔36n内に針部55が進入し、可
撓性のある金属製薄板であるダイアフラム36a(例え
ば板厚が0.1mm程度のステンレス鋼板)を針部55
によって破る。この結果、上部圧力作動室36bと治具
50の内部空間53は貫通孔36nを介して連通し、上
部圧力作動室36b内の所定冷媒は、治具50の内部空
間53内に閉じ込められた状態となり、この冷媒が内部
空間53に連通する横穴56を介して図示しない冷媒回
収装置により吸引されて、上記冷媒は回収されることと
なる。なお、治具50に載置されたパワーエレメント3
6hを押圧するには、手動又は自動による適宜の手段を
用いることができる。
【0048】図12及び図13は、それぞれ本発明の他
の実施形態を示す膨張弁101’の縦断面図であり、本
実施形態では、ダイアフラムの受け部が感温駆動棒と別
体に構成されている図8及び図9に示す従来の膨張弁1
01に、本発明を適用した場合を示している。即ち、本
実施形態の膨張弁101’では、受け部36k″の構成
が、従来の膨張弁101と異なるのみであり、他の構成
は従来の膨張弁101と同一であり、同一の機能を奏す
るので、同一符号を付して説明を省略する。図12及び
図13の膨張弁101’において、36n’は、ストッ
パ部312’及び大径部314’を貫通して受け部36
k”に具備されている貫通孔であり、この貫通孔36
n’は受け部の突起部315の設けられている位置に対
応して設けられている。図では、ロッド部316の上端
が嵌合されている突起部315の内部の天上面からダイ
アフラム36aの下面に当接する受け部36k”の上端
に達して形成されており、例えば直径3mm程度の大き
さを有する。この貫通孔36n’は、ダイアフラム36
aの下面に接しているので、膨張弁101’は、図8及
び図9の膨張弁101と同一の動作を奏するのは勿論で
ある。なお、図1と同様に貫通孔36n’は受け部36
k”の下端の中央部に形成された突起部315に相当す
る位置に限らず受け部の径方向の上記ダイアフラムと当
接する位置にて形成してもよいのは勿論である。
【0049】而して、本実施形態の膨張弁101’の受
け部に具備される貫通孔36n’は膨張弁101’の上
部圧力作動室36内の所定冷媒を回収するために利用さ
れる。即ち、膨張弁101’の弁本体30に螺着されて
いるパワーエレメント部36は、下カバー36hの取付
座362を回動することにより、弁本体30の上端から
取り外され、受け部36k”とロッド部318とは分離
され、図13に示す膨張弁101’のパワーエレメント
部36は、図14(A)に示す斜視図また図14(B)
に示す図14(A)の矢印方向からの図の如く、分離さ
れた状態となる。
【0050】なお、図14は図13に示すパワーエレメ
ント部36の実施形態を示している。また、図12に示
すパワーエレメント部36の実施形態においても同様に
分離される。図15は図14に示すパワーエレメント部
36の縦断面図であり、図16は受け部36k”の縦断
面図である。かくの如く分離されたパワーエレメント部
36から、貫通孔36n’を利用して上記所定冷媒を回
収するのであり、その回収手段及び方法の概略を図17
に示す縦断面図によって説明する。
【0051】図17において、50’は図5に示す冷媒
回収用の治具50と同様の円筒状に構成された治具であ
り、治具50’は円板状の底部51’と、外壁52’
と、外壁52’にて囲まれた内部空間53’と、外壁5
2’に設けられた内部空間53’に連通する横穴56’
と、その先端に針部55’が形成された内部空間53’
内に設けられている凸部54’からなる。凸部54’
は、貫通孔36n’が受け部36k”の中央部分に形成
されているので、この形成された位置に対応して底部5
1’の中心部に設けられている。治具50’には外壁5
2’の上端に段付部57’が設けられ、段付部57’に
配設されたOリング58’を介して外壁52’の上端
に、例えば図14即ち図15の実施形態に示すパワーエ
レメント部36が載置され、受け部36k”の貫通孔3
6n’の形成された位置と、凸部54’の針部55’の
位置とは一致することとなる。
【0052】かくして、パワーエレメント部36を押圧
することにより貫通孔36n’内に針部55’が進入
し、ダイアフラム36a(例えば可撓性のある板厚0.
1mm程度のステンレス鋼板)を針部55’によって破
る。この結果、上部圧力作動室36b内の所定冷媒は治
具50’の内部空間53’内に閉じ込められた状態とな
り、この冷媒が横穴56’を介して図示しない冷媒回収
装置により吸引されて、上記冷媒は回収されることとな
る。
【0053】図18は、本発明のさらに他の実施形態を
示す膨張弁102’の縦断面図であり、本実施形態は、
図10に示す従来の膨張弁102に本発明を適用した場
合を示している。即ち、本実施形態の膨張弁102’で
は、受け部119’の構成が従来の膨張弁102と異な
るのみであり、他の構成は従来の膨張弁102と同一で
あり、同一の機能を奏するので同一符号を付して説明を
省略する。
【0054】図18において、127はダイアフラム1
26の受け部となるストッパ119’に具備されている
貫通孔である。この貫通孔127は受け部の径方向の位
置にて上下方向に例えば直径3mm程度の大きさに形成
されて貫通し、ダイアフラム126の下面と当接する。
【0055】したがって、貫通孔127の開口は、ダイ
アフラム126によって覆われていることとなるので、
膨張弁102’は図10に示す従来の膨張弁102と同
一の動作を行うのである。本実施形態においても、貫通
孔127は上述した本発明の他の実施形態と同様に第1
の圧力空間室123内の所定冷媒(感温筒130内の所
定冷媒)を回収するために利用される。即ち、パワーエ
レメント部120は、下カバー124を回動することに
より弁本体100の上端部から分離して取り外すことが
でき、かつ感温筒130もエバポレータの出口部分から
外すことで、感温筒130の接続されているパワーエレ
メント120より上述した治具と同様の治具によって、
上記所定冷媒を回収するのである。その冷媒の回収は、
図19に示す用に治具50”にパワーエレメント120
の下カバー124を載置することによって行われる。
【0056】但し、図19においては、感温筒130を
省略してパワーエレメント120を載置した状態を示し
ている。図19において、治具50”は、図17の治具
50’とは凸部54”の設けられている位置が異なるの
みで、他の構成は同一であるので、治具50”と同一符
号を付して説明を省略する。而して、貫通孔127の位
置と凸部54”に形成された針部55”の位置とが一致
しており、パワーエレメント120を押圧することによ
り針部55”が貫通孔127内に進入し、ダイアフラム
126を破り、上記所定冷媒は横穴56’を介して回収
されることとなる。
【0057】図20は、本発明のさらにまた他の実施形
態を示す膨張弁103’の縦断面図であり、本実施形態
は図11に示す膨張弁103に本発明を適用した場合を
示している。即ち、本実施形態の膨張弁103’では、
受け部62’の構成が従来の膨張弁103と異なるのみ
であり、他の構成は従来の膨張弁103と同一である、
同一の機能を奏するので同一符号を付して説明を省略す
る。
【0058】図19において、64はダイアフラム56
の受け部62’に具備されている貫通孔である。この貫
通孔64は受け部62’の径方向の位置にて上下方向
に、例えば直径3mm程度の大きさに形成されて貫通
し、ダイアフラム56の下面と当接する。
【0059】したがって、貫通孔64の開口は、ダイア
フラム56によって覆われていることとなるので、膨張
弁103’は、図11に示す従来の膨張弁103と同一
の動作を行うのである。而して、貫通孔64は、上部の
圧力空間室60内の冷媒(感温筒65内の所定冷媒)を
回収するために利用される。その冷媒の回収には、図1
9に示すのと同じ治具を使用して実施されるので、詳細
な説明は省略する。即ち、弁本体51からパワーエレメ
ント55を取り外して治具にパワーエレメント55の下
カバー58を載置し、治具の凸部に形成された針部の貫
通孔64内への進入により、ダイアフラム56を破り、
冷媒を回収するのである。
【0060】以上の説明においては、本発明に係る膨張
弁の実施形態として、ダイアフラムの受け部に形成され
た貫通孔を具備した膨張弁の場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、上述の実施形態に示す貫通孔の代
りに、受け部に切欠部を形成してもよい。この切欠部を
形成した場合の本発明の要部の一実施形態を図21に示
す。図21(A)は、図6に示す感温棒36fの上端部
36k、即ちダイアフラム36aの受け部に切欠部21
0を形成した状態を示す斜視図である。
【0061】図21(B)は、上記切欠部210を形成
した受け部の縦断面図、図21(C)はその平面図であ
る。かかる切欠部210は、受け部の径方向に向かって
開口し例えば略楕円形状に短軸3mm、長軸5mm程度
の大きさに形成される。
【0062】さらに、切欠部210はダイアフラム36
aによって覆われるので、切欠部を具備する受け部を有
する感温棒からなる本発明の実施形態に係る膨張弁は、
従来の膨張弁の動作と同一である。しかも、切欠部によ
ってパワーエレメント部の上部圧力作動室内の所定冷媒
を上述した治具を用いて回収することが可能となるのは
勿論である。即ち、上記治具の針部が、切欠部210内
を進行してダイアフラム36aを破ることにより、上記
所定冷媒は回収されるのである。かかる切欠部を形成し
た本発明の実施形態では、上記所定冷媒の回収のための
治具の針部との位置合せが容易となる利点を有する。
【0063】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の膨張弁によれ
ば、ダイアフラムの変位によって弁体を駆動する駆動棒
の上記ダイアフラムの受け部に貫通孔あるいは切欠部を
具備することで、ダイアフラムによって区画される圧力
室内の冷媒を回収することが可能となるため、冷媒の回
収を容易に行うことができると共に、冷媒を大気に放出
することが防止でき、地球環境の保護に寄与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の膨張弁の構成を示す
縦断面図。
【図2】図1のパワーエレメント部と感温棒の斜視図。
【図3】図2(A)の縦断面図。
【図4】図1の感温棒の斜視図及び縦断面図。
【図5】図1の一実施形態において冷媒の回収治具の概
略を説明する縦断面図。
【図6】従来例の膨張弁の構成を示す縦断面図。
【図7】図6のパワーエレメント部の構成を示す縦断面
図。
【図8】従来例の膨張弁の構成を示す縦断面図。
【図9】図8のパワーエレメント部の構成を示す縦断面
図。
【図10】従来の膨張弁の構成を示す縦断面図。
【図11】従来の膨張弁の構成を示す縦断面図。
【図12】本発明に係る他の実施形態の膨張弁の構成を
示す縦断面図。
【図13】図12のパワーエレメント部の構成を示す縦
断面図。
【図14】図12のパワーエレメント部の斜視図。
【図15】図12のパワーエレメント部の縦断面図。
【図16】図12の受け部の縦断面図。
【図17】図12の他の実施形態において冷媒の回収治
具の概略を説明する図。
【図18】本発明に係るさらに他の実施形態の膨張弁の
構成を示す縦断面図。
【図19】図18のさらに他の実施形態において冷媒の
回収治具の概略を説明する縦断面図。
【図20】本発明に係るまた他の実施形態の膨張弁の構
成を示す縦断面図。
【図21】本発明に係るさらに他の実施形態の膨張弁の
要部を示す説明図である。
【符号の説明】
10,10’膨張弁 36f’ 感温棒 36 パワーエレメント部 36k’ 受け部 36n 貫通孔 210 切欠部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイアフラムで区画された圧力室を弁本
    体に備えると共に上記圧力室の圧力変動に応じた上記ダ
    イアフラムの変位によって弁体を駆動する感温駆動棒
    と、上記弁体によりその開度が制御されるオリフィスを
    備え、上記感温駆動棒は上記圧力室内の冷媒を回収する
    ための回収手段を有することを特徴とする膨張弁。
  2. 【請求項2】 上記回収手段が上記感温駆動棒の上記ダ
    イアフラムの受け部に形成された貫通孔又は切欠部であ
    ることを特徴とする請求項1記載の膨張弁。
  3. 【請求項3】 上記貫通孔又は切欠部が上記受け部に当
    接する上記ダイアフラムに接して形成されていることを
    特徴とする請求項2記載の膨張弁。
  4. 【請求項4】 感温用冷媒が封入されたパワーエレメン
    ト部の気密壁の一部をダイアフラムによって形成して、
    エバポレータに送り込まれる高圧冷媒が通るオリフィス
    の開度を変えるための弁体を上記ダイアフラムによって
    駆動するようにした膨張弁において、 上記パワーエレメント部と上記弁体との間に配設され上
    記ダイアフラムの変位を上記弁体に伝達する作動棒は、
    そのダイアフラムに当接する受け部に貫通孔又は切欠部
    が形成されていることを特徴とする膨張弁。
  5. 【請求項5】 所定冷媒が封入されたパワーエレメント
    部と、 このパワーエレメント部の一壁面を形成して、前記パワ
    ーエレメント部の圧力変化に応じて変位するダイアフラ
    ムと、エバポレータより流出する冷媒の温度を前記ダイ
    アフラムに伝える感温棒と、前記ダイアフラムの変位を
    上記感温棒により伝達されて上記エバポレータに流入す
    る冷媒の流量を制御する弁体とからなる膨張弁におい
    て、 上記感温棒の上記ダイアフラムに当接する受け部に貫通
    孔又は切欠部が形成されていることを特徴とする膨張
    弁。
  6. 【請求項6】 高圧冷媒が通る第1の通路と低圧冷媒が
    通る第2の通路とを有するボックス形状の弁本体と、 上記第1の通路に設けられて冷媒の流れを制御する上記
    弁本体部内の弁体と、 上記弁本体の上部に設けられたダイアフラムを有し圧力
    空間部を形成する弁体を駆動するパワーエレメント部
    と、 上記弁本体の下部に設けられた弁体を付勢する付勢手段
    とからなり、 上記パワーエレメント部と弁体との間に配設され上記ダ
    イアフラムの変位を上記弁体に伝達する作動棒は、その
    ダイアフラムと当接する受け部に貫通孔又は切欠部が形
    成されていることを特徴とする膨張弁。
  7. 【請求項7】 上記貫通孔又は切欠部は上記受け部の径
    方向に拡大された部分に形成されていることを特徴とす
    る請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載の膨張
    弁。
  8. 【請求項8】 エバポレータに送り込まれる高圧冷媒が
    通る高圧冷媒流路の途中に形成されたオリフィスと、上
    記オリフィスに上流側から対向するように配置された球
    状の弁体と、 上記弁体を上流側から上記オリフィスに向けて付勢する
    ための付勢手段と、 上記付勢手段の付勢力を上記弁体に伝えるために上記付
    勢手段と上記弁体との間に介在するように配置された弁
    部材と、上記エバポレータから送り出される低圧冷媒の
    温度を感知するように配置されてその内部に封入された
    冷媒の圧力変化により動作するパワーエレメント部と上
    記弁体との間に配置されて上記オリフィス内に挿通され
    たロッドとからなり、上記ロッドを介して上記パワーエ
    レメント部の動きによって上記弁体を上記オリフィスに
    対して開閉動作させるようにすると共に、上記ロッド
    は、上記パワーエレメント部の一壁面を形成して上記所
    定冷媒の圧力変化に応じて変位するダイアフラムに面し
    て配置された受け部に当接し、上記受け部には上記所定
    冷媒回収用の貫通孔又は切欠部が形成されていることを
    特徴とする膨張弁。
  9. 【請求項9】 上記貫通孔は上記受け部の上記ロッドの
    当接部に対応する位置に形成されていることを特徴とす
    る請求項5記載の膨張弁。
  10. 【請求項10】 冷媒の流れる第1の流路及びこれとオ
    リフィスを介して連通する第2の流路を有する弁本体
    と、上記オリフィスを流れる冷媒流量を調整する弁体
    と、上記弁体の変位を調整する付勢手段と、その内部に
    封入された所定冷媒の圧力変化により変位するダイアフ
    ラムを有するパワーエレメント部と、その一端が受け部
    を介して上記ダイアフラムに当接し、その他端にて上記
    弁体を変位させる作動棒とからなり、上記受け部に貫通
    孔又は切欠部が形成されていることを特徴とする膨張
    弁。
  11. 【請求項11】 弁本体と、弁本体内に設けられて冷媒
    を通過させる高圧側通路、及びこの通路に略直交するよ
    う設けられた低圧側通路と、これら両通路を互いに連通
    させるよう設けられたオリフィスと、上記弁本体に固定
    されたパワーエレメントと、上記パワーエレメント内に
    封入された所定冷媒によりエバポレータから送り出され
    る冷媒の温度に応じて内部圧力が変化する第1の圧力室
    と、エバポレータの出口側冷媒の圧力と連通する第2圧
    力室とに区割するダイアフラムと、上記ダイアフラムの
    変位により駆動される上記オリフィスを挿通する作動棒
    と、上記作動棒により上記オリフィスに接離する弁体
    と、上記弁体をオリフィス側に付勢するばねと、このば
    ねと弁体との間に配置された弁部材とからなり、上記作
    動棒は、上記ダイアフラムと受け部を介して当接し、上
    記受け部には貫通孔又は切欠部が形成されていることを
    特徴とする膨張弁。
  12. 【請求項12】 弁本体と、パワーエレメントと、温度
    を圧力に変換する感温筒と、該感温筒と前記パワーエレ
    メントを連結する導管と、弁本体内部空間とパワーエレ
    メント圧力空間を区割するダイアフラムと、該ダイアフ
    ラムに当接してその変位を一定量以下に制限するための
    受け部材と、上記ダイアフラムの変位を伝達のための作
    動棒と、弁座と接離する弁体と、該弁体を上記弁座の方
    向に付勢するためのばねと、このばねと上記弁体との間
    に配置された弁部材とからなる膨張弁において、 上記作動棒の一端は、上記受け部材に当接され、その他
    端は上記弁体に当接され、上記受け部材には貫通孔又は
    切欠部が形成されていることを特徴とする膨張弁。
  13. 【請求項13】 上記貫通孔又は切欠部は、上記受け部
    の作動棒の当接部以外に形成されていることを特徴とす
    る請求項10ないし請求項12のいずれか1つに記載の
    膨張弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002013844A (ja) * 2000-06-28 2002-01-18 Denso Corp 温度式膨張弁

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