JPH11223304A - 火炉壁貫通部のシール構造 - Google Patents

火炉壁貫通部のシール構造

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JPH11223304A
JPH11223304A JP2491498A JP2491498A JPH11223304A JP H11223304 A JPH11223304 A JP H11223304A JP 2491498 A JP2491498 A JP 2491498A JP 2491498 A JP2491498 A JP 2491498A JP H11223304 A JPH11223304 A JP H11223304A
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JP
Japan
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heat transfer
seal plate
furnace
transfer tube
seal
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JP2491498A
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Yoshiteru Abe
吉輝 阿部
Takaharu Kurumachi
隆治 車地
Kazutaka Suzaki
一孝 須崎
Tsutomu Kyo
力 姜
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天井壁の貫通部の隙間から天井室内に石炭燃
焼灰が侵入するのを防止し、かつ過大な応力の発生を防
止する。 【解決手段】 火炉外より上面シールプレート23と、
天井室10を経て火炉壁である天井壁3とを貫通して火
炉4内に延設される伝熱管群7を、所定長さの複数のス
リーブ15を介して上面シールプレート23に挿通して
なる火炉壁貫通部のシール構造であって、上面シールプ
レート23は、伝熱管群7のそれぞれの伝熱管11の管
列方向の中心線で分割され、かつ側面シールプレート2
8とともにシールボックス24を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラに係り、特
に天井室より火炉内に吊り下げられる伝熱管を貫通する
天井壁(火炉壁)の火炉壁貫通部のシール構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電用大型ボイラの代表的な構造を図1
0に示す。このような大型ボイラでは、複数の天井壁管
と天井壁管相互を結合するメンブレンバー(板)とを交
互に溶接することによって火炉側壁2と火炉の天井壁3
とを形成し、鉄骨1からハンガ9で吊り下げ支持するこ
とにより、密閉した火炉4を形成する。天井壁3の上方
の天井室10内には伝熱管群7に接続された管寄せ6と
マニホールド5とが設置されている。そして管寄せ6に
接続する伝熱管群7は天井壁3の貫通部8を通って火炉
4内に至り、熱交換器である過熱器又は再熱器となる。
【0003】マニホールド5は、内部流体である蒸気も
高温となり、マニホールド5全体が熱膨張によってボイ
ラの左右方向に伸びる。一方、天井壁3は火炉4からの
熱伝達によって温度上昇するが、天井壁管の内部流体に
よって冷却され、マニホールド5との間に温度差を生じ
る。このような温度差によってマニホールド5と天井壁
3との相対的な伸び量の差は数十mmにも達するため、
天井壁3の貫通部8には曲げ応力が作用することにな
る。このようにマニホールド5と天井壁3との間に大き
な相対変位が生じるため、天井壁3の貫通部8では僅か
な隙間を設けて伝熱管群7が自由にスライドできる構造
が採用されることもある。
【0004】従来の火炉壁貫通部のシール構造の一例を
図11〜図13に示す。天井壁管12はメンブレンバー
19によって隣接管と溶接固定されている。天井壁3の
貫通部8はメンブレンバーを付けずにシールボックス1
4を乗せ、上面シールプレート13で覆う構造となって
いる。上面シールプレート13にはスリーブ15の下端
(他端)が溶接されるが、伝熱管11とスリーブ15の
上端(一端)とは溶接されない。シールボックス14内
には断熱材としてキャスタブル21が内蔵される。この
ような従来構造では天井壁3とマニホールド5との温度
差による曲げ応力に対し、例えば上面シールプレート1
3の端部を折り曲げて、これを隣接する上面シールプレ
ート13aを溶接16によって溶接し、管列方向の両端
をエンドプレート18で閉塞し、エキスパンション17
を形成して対策を行っていた。
【0005】ところで、近年、火力発電プラントの主力
となっている石炭焚きボイラでは、前記従来構造を採用
すると天井室10に石炭燃焼灰が侵入するという問題が
生じる。通常、ボイラ運転時は火炉内が僅かに負圧とな
るように制御されているが、バーナの着火や消火時等の
過渡的な運転状態では、一時的に火炉4内が1Kg/c
2以下の負圧になる場合があり、その間は火炉内の石
炭燃焼灰が伝熱管11とスリーブ15との隙間Cから火
炉4上部の天井室10に侵入し堆積する。石炭燃焼灰の
侵入防止策として、隙間Cにガラス繊維等の断熱材を詰
め込む対策もしばしば採られているが、運転中に脱落す
ることが多くその効果は持続しない。天井室10内に大
量に堆積した石炭燃焼灰は、管寄せ6や配管類の点検の
工程上の大きな障害となるため、定期検査時に石炭燃焼
灰の除去作業を行うことになるが、多大な労力と時間を
要する。
【0006】従来構造では、スリーブ15と伝熱管11
とが溶接されていなかったため、エキスパンション17
に過大な応力が発生することはなかった。しかし天井室
10内への石炭燃焼灰の侵入を防止するため、スリーブ
15と伝熱管11とを溶接した場合、上下方向の変位に
ついてはシールボックス14の側面に伸縮継手等を設け
ることで対応できるが、曲げ応力が負荷した場合はエキ
スパンション17に大きな応力が発生する。エキスパン
ション17は溶接16によって溶接されており、この部
分の応力集中は大きなものとなるため溶接部に亀裂が発
生しやすくなる。このためエキスパンション17を一体
成型すると、上面シールプレート13は非常に大きな部
材となり、シール部材の運搬や溶接の仮付け等が困難に
なる。
【0007】貫通部8で伸び差や曲げ応力を吸収しつつ
隙間を密閉する溶接構造は種々検討されてきたが(例え
ば特開平6−137506号公報、特開平8−5004
号公報及び特開平7−32309号公報参照)、いずれ
も構造が複雑な上、疲労破壊に対する危険性が完全に回
避されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の火炉壁貫通部の
シール構造にあっては、スリーブと伝熱管とが溶接され
ていなかったため、エキスパンションに過大な応力が発
生することはなかった。天井室内への石炭燃焼灰の侵入
を防止するため、スリーブと伝熱管とを溶接した場合、
エキスパンションに大きな応力が発生する。溶接部に亀
裂が発生しやすくなるためエキスパンションを一体成型
すると、上面シールプレートは非常に大きな部材とな
り、運搬や溶接の仮付け等が困難になる問題がある。
【0009】本発明の課題は、天井壁の貫通部の隙間か
ら天井室内に石炭燃焼灰が侵入するのを防止し、かつ過
大な応力の発生を防止する火炉壁貫通部のシール構造を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、本発明に係る火炉壁貫通部のシール構造は、火炉外
より火炉壁を貫通して火炉内に延設される伝熱管群を、
所定長さの複数のスリーブを介して上面シールプレート
に挿通してなる火炉壁貫通部のシール構造において、上
面シールプレートは、それぞれの伝熱管の管列方向のほ
ぼ中心線で分割され、かつ側面シールプレートとともに
シールボックスを形成している構成とする。
【0011】そしてそれぞれのスリーブは、それぞれの
伝熱管と上面シールプレートとに溶着され、上面シール
プレートは、管列方向に少なくとも一山の伸縮継手を形
成している構成、又はそれぞれの端部を少なくとも1回
折り込んでいる構成でもよい。
【0012】さらにそれぞれのスリーブは、それぞれの
伝熱管と上面シールプレートとに溶着され、上面シール
プレートは、管列方向及びその交差方向に少なくとも一
山の伸縮継手を形成し、側面シールプレートは、周方向
に少なくとも一山の伸縮継手を形成している構成でもよ
い。
【0013】そして、ボイラにあっては、前記いずれか
一つの火炉壁貫通部のシール構造を備え、管寄せと、管
寄せに連通する伝熱管群とよりなる過熱器及び再熱器を
内蔵してなる構成とする。
【0014】本発明によれば、上面シールプレートを分
割して伸縮継手を形成し貫通する伝熱管を溶着すること
により、組立精度が確保された状態で伝熱管の曲げ応力
が低減されるとともに、天井室への燃焼灰の侵入が防止
され、保守作業時に堆積物の除去作業が不要となる。ま
た堆積物が低減するため、火炉壁の薄肉化が可能とな
り、天井室が小型化される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1及び
図2を参照しながら説明する。図1及び図2に示すよう
に、火炉外より上面シールプレート23と、天井室10
を経て火炉壁である天井壁3とを貫通して火炉4内に延
設される伝熱管群7を、所定長さの複数のスリーブ15
を介して上面シールプレート23に挿通してなる火炉壁
貫通部のシール構造であって、上面シールプレート23
は、伝熱管群7のそれぞれの伝熱管11の管列方向のほ
ぼ中心線で分割され、かつ側面シールプレート28とと
もにシールボックス24を形成している構成とする。そ
してそれぞれのスリーブ15は、一端をそれぞれの伝熱
管11とかつ他端を上面シールプレート20とに溶着さ
れ、上面シールプレート23は、伝熱管群7の管列方向
に少なくとも一山の伸縮継手27を形成しているものと
する。
【0016】すなわち伝熱管群7の管列方向に伝熱管1
1の中心線で分割された上面シールプレート23の中央
部にエキスパンション(伸縮継手)27が設けてある。
エキスパンション27は天井壁3とマニホールド5との
温度差によって発生する曲げ応力を吸収する働きを持
つ。エキスパンション27の端部は、スリーブ15から
エキスパンション27の曲げ応力を吸収する働きを妨げ
ないように十分距離をとってエンドプレート18で塞が
れる。上面シールプレート23は管列方向の伝熱管11
の中心線で隣接する上面シールプレート23と合わせら
れ、スリーブ15のそれぞれに溶接される。スリーブ1
5の互いの間隔は非常に狭く、上面シールプレート23
との溶接は互いに重なる。上面シールプレート23の溶
接部でスリーブ15のない部位は互いに隣接する上面シ
ールプレート23同士が溶接される。このような構造と
することで隣り合う管列間にあって伝熱管11の曲げ応
力を吸収するために設けられたエキスパンション27
は、プレス等によって製作可能な連続した形状であり、
応力集中を低減できることから、曲げ応力に対する構造
上の信頼性を高めることができる。また従来構造に比較
して溶接する長さが短くなることから作業時間の短縮を
図ることができる。
【0017】シールボックス24が管列方向に長い場
合、管列の中央部付近では上面シールプレート23が垂
れ下がる恐れがある。そのため上面シールプレート23
上の端部に管列方向のバーを仮止めして溶接施工時の組
立精度を確保する必要がある。組立精度を確保するため
の手段として、シールボックス24内部に伝熱管11の
外表面に垂れ下がりを防止するための金具29を設けて
もよい。この金具29は耐圧部に設けることになるが、
施工時のみ必要なものであって、形状としてどのような
ものであってもよく、例えば、溶接金属を盛り付けるだ
けでもよい。本構造は複数に分割した部材である上面シ
ールプレートを溶接等によってつなぎ合わせるだけの簡
単な構造なので、新設ボイラだけでなく、完全なシール
構造になっていない既設ボイラに対して適用しても容易
に実施できる。
【0018】本発明の他の実施の形態を図3に示す。こ
の他の実施の形態は上面シールプレート33上にエキス
パンション37を2山設け、それぞれの端部を少なくと
も1回折り込む折込み部32を有する構成とする。上面
シールプレート33の部材重量は僅かに増加するが、エ
キスパンション37の剛性は1山のものと比べてさらに
低くなり、より大きな曲げ応力に対応てきる。また上面
シールプレート33の両端を折込んでいる折込み部32
は互いに面で接触することにより、上面シールプレート
33の管列方向の中央部における垂れ下がりを防止で
き、溶接施工時の組立精度を確保できる。また折込み部
32を金具29と併用してもよい。なお同様の折込み部
32は、図1に示す実施の形態に設けられてもよい。
【0019】本発明によれば、火炉の天井室内への石炭
燃焼灰の侵入を防止できるため、天井室内に設けられて
いる管寄せや配管に対するメンテナンスの障害になって
いた堆積灰の除去作業が不要となる。また天井壁とマニ
ホールドとに生じる温度差によって発生する曲げ応力に
対しても信頼性を確保できるため、その工業的価値は大
なるものがある。
【0020】本発明の他の実施の形態を図4〜図6に基
づいて説明する。図4及び図6に示すように、それぞれ
のスリーブ45は、それぞれの伝熱管11と上面シール
プレート43とに溶着され、上面シールプレート43
は、伝熱管群7の管列方向及びその交差方向(炉幅方
向)に少なくとも一山の伸縮継手47を有し、伸縮継手
47の管列方向の両端面は端面部材42により閉塞され
ている。側面シールプレートは、周方向に少なくとも一
山の伸縮継手(側面エキスパンション)48により形成
される構成である。すなわち天井壁3を貫通する複数の
伝熱管11よりなる伝熱管群7を貫通した天井壁3は、
4側面に側面エキスパンション48を有するシールボッ
クス44とシールプレート46とを介して接続されてい
る。天井壁3を貫通する伝熱管11は、4面の側壁に側
面エキスパンション48を有する箱型のシールボックス
44の上面シールプレート43に穿設された貫通孔8に
スリーブ45を介して挿通され、スリーブ45に溶接固
定される。スリーブ45は必ずしも必要ではないが、シ
ールボックス44の肉厚が薄いことから、溶接作業時の
欠陥発生を防止するのに効果がある。
【0021】またシールボックス44の下端全周は、シ
ールボックス44の上面と同様、伝熱管11の貫通孔を
有するシールプレート46の上面に溶接される。シール
プレート46は、天井壁3の伝熱管11が貫通する部分
の天井壁管12の上に載置され、火炉4の前後方向は天
井壁管12あるいは天井壁3との間でシール溶接され、
炉幅方向についてはシールプレート46の端部にシール
用の板を天井壁管12及び天井壁3の間に配置し溶接さ
れる。この結果、天井室10と火炉4とを完全に分離
し、火炉4を密閉することができる。シールボックス4
4の内部に内蔵する断熱材21は必ずしも必要ではな
い。
【0022】一方、火炉4内の燃焼温度は1200℃程
度になるため、シールボックス44、上面シールプレー
ト43やシールプレート46の材質は、耐高温酸化性及
び耐食性に優れたステンレス鋼やCr含有量の高い金属
の薄板、あるいは低合金鋼の薄板でもよく、プレス成型
構造又は溶接構造等のいずれでもよい。
【0023】本発明の他の実施の形態として図7〜図9
のシール構造は、前記シール構造と同様の作用に加えて
側面エキスパンション58を配置するが、この側面エキ
スパンション58は外側のみでなく、内側に凸になった
形でもよく、この場合にはシールボックス54の中に収
容される断熱材21の形を小さくするか、又は前記のよ
うに断熱材21を使用しなくてもよい。また、シールボ
ックス54の上面シールプレート53において、伝熱管
11の管列の間に配置する半円筒状の上部エキスパンシ
ョン57は前記の実施の形態より形状が簡単になる。
【0024】以上のように、貫通する伝熱管の管列中心
線すなわちシールボックスの上面シールプレートの伝熱
管の貫通孔の中心線で分割構造にすることにより、天井
壁を貫通する多数の伝熱管を横切ることなく、各部材を
伝熱管を挟んで設置し、これらの分割部を溶接し、その
後にスリーブと伝熱管の外周、スリーブの外周とシール
ボックスの上面シールプレートの貫通孔の端部、シール
ボックスの下端とシールプレートの上面及びシールプレ
ートの端部と天井壁管及び天井壁とを溶接する。この結
果、天井壁の伝熱管が狭い間隔で配置され、貫通する部
分で天井室と火炉とをまとめて完全に分離できるととも
に、シールボックスの側面に設けた側面エキスパンショ
ンやシールボックス上面シールプレートのエキスパンシ
ョン等により伝熱管の伸縮や前後、左右への移動変形を
吸収することができる。
【0025】つぎに各実施の形態の作用を説明する。伝
熱管の貫通孔を有する金属製の上面シールプレートを配
置し、この貫通孔に伝熱管が挿着されるスリーブを通
す。さらに箱型のシールボックスの周囲4側面の上下方
向に凹凸型の伸縮継手を備え、シールボックス上面には
伝熱管の貫通孔と、貫通孔の管列の間に山型でかつ管列
方向の複数個所に変形容易な伸縮継手を有する金属製の
上面シールプレートを配置するが、シールボックスの側
面の全周にわたって設けた水平方向の波板状凹凸は、天
井壁を貫通して設けられる伝熱管が、ボイラの運転や停
止等による熱変化によって伸縮する時、これに追従して
凹凸部が変形又は伸縮し、貫通した伝熱管とスリーブ、
スリーブとシールボックス、シールボックスとシールプ
レート等の溶接部に亀裂の発生するのを防止することが
できる。このためシールボックス自体は変形容易な金属
製薄板の方がよい。
【0026】伝熱管群は、垂直方向の変形のみでなく、
火炉の幅方向や前後方向にも変形するが、これに対して
も側面シールボックスの凹凸の伸縮継手は追従する。ま
た、上面シールプレートの貫通した伝熱管群の間に設け
た伸縮継手は、設置方向と90度、すなわち火炉の幅方
向への変形に対しても山型部分が伸縮するが、同時に伸
縮継手の管列方向の両端部に設けた外側に凸になってい
る伸縮継手側面凸部の下端は、シールボックス側面との
接続線部にカーブを持たせているため、シールボックス
が反り返るような方向への変形が発生しても、このカー
ブ部分が伸びるため炉幅方向の変形が軽減される。
【0027】前記上面シールプレートの山型の伸縮継手
の途中に設けた変形可能な突起状の伸縮継手は、伝熱管
が炉前後方向へ変形した場合に伸縮するため、山型の伸
縮継手の変形を妨げるものではない。シールボックスの
部分は、伝熱管群の重量を負担する構造ではないため、
薄い金属板で製作でき、伝熱管群の左右、上下いずれの
方向の変形に対しても追従性はよい。一方、前記山型の
伸縮継手の代わりに半円筒状のものを用い、シールボッ
クスの4側面も外側に向かって半円筒状としたものにお
いても同様の効果がある。
【0028】さらに図示していないが、上面シールプレ
ートの伝熱管群が貫通する位置の中央部を、管列方向へ
分割可能な構造とし、シールプレートやスリーブも予め
分割しておくことにより、多数の貫通している伝熱管を
切断することなく現地での組込や解体作業も簡単にな
り、同時に、天井壁を多数の伝熱管が狭い間隔で貫通配
置される部分でも一度に広い範囲で天井壁と火炉とを密
閉することが可能となる。
【0029】本発明によれば、天井壁を貫通する伝熱管
と天井壁とを密閉することにより、天井室に燃焼ガスや
燃焼灰が侵入することがなくなるため、天井壁上部に内
蔵されている断熱材や管寄せ等の構造物に対するメンテ
ナンス時に障害となっていた堆積物の除去作業が不要と
なる。また天井室への噴出物がなくなるため、壁の薄肉
化が可能となり、従来設けられていた管寄せやマニホー
ルド等を収納していた天井室の小型化が可能となり、安
全性及び経済性が向上する。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、上面シールプレートを
分割して伸縮継手を形成し貫通する伝熱管を溶着するこ
とにより、組立精度を確保した状態で伝熱管の曲げ応力
が低減されるとともに、天井室への燃焼灰の侵入が防止
され、保守作業時に堆積物の除去作業が不要となる。ま
た堆積物が低減するため、火炉壁の薄肉化が可能とな
り、天井室が小型化して安全性及び経済性が向上する効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の要部を示す縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】図4のA部を拡大した斜視図である。
【図6】図4のX−X部を示す縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】図7のB部を拡大した斜視図である。
【図9】図7のY−Y部を示す縦断面図である。
【図10】ボイラの構造を示す縦断面図である。
【図11】従来の技術を示す斜視図である。
【図12】図11の要部を拡大した斜視図である。
【図13】図12の縦断面図である。
【符号の説明】
2 火炉側壁 3 天井壁 4 火炉 5 マニホールド 6 管寄せ 7 伝熱管群 8 貫通部 10 天井室 11 伝熱管 12 天井壁管 13,23,33,43,53 上面シールプレート 14,24,34,44,54 シールボックス 15,45,55 スリーブ 17,27,37,47,57 伸縮継手 19 メンブレンバー 21 断熱材 28 側面シールプレート 46,56 シールプレート 48,58 伸縮継手 49,59 伸縮継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 姜 力 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炉外より火炉壁を貫通して火炉内に延
    設される伝熱管群を、所定長さの複数のスリーブを介し
    て上面シールプレートに挿通してなる火炉壁貫通部のシ
    ール構造において、前記上面シールプレートは、それぞ
    れの伝熱管の管列方向のほぼ中心線で分割され、かつ側
    面シールプレートとともにシールボックスを形成してい
    ることを特徴とする伝熱管貫通部のシール構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の火炉壁貫通部のシール構
    造において、それぞれのスリーブは、それぞれの伝熱管
    と上面シールプレートとに溶着され、上面シールプレー
    トは、管列方向に少なくとも一山の伸縮継手を形成して
    いることを特徴とする火炉壁貫通部のシール構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の火炉壁貫通部のシ
    ール構造において、上面シールプレートは、それぞれの
    端部を少なくとも1回折り込んでいることを特徴とする
    火炉壁貫通部のシール構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の火炉壁貫通部のシール構
    造において、それぞれのスリーブは、それぞれの伝熱管
    と上面シールプレートとに溶着され、上面シールプレー
    トは、管列方向及びその交差方向に少なくとも一山の伸
    縮継手を形成し、側面シールプレートは、周方向に少な
    くとも一山の伸縮継手を形成していることを特徴とする
    火炉壁貫通部のシール構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108194937A (zh) * 2017-12-26 2018-06-22 深圳市凯盛科技工程有限公司 一种锅炉吹灰管密封减震装置
WO2022185940A1 (ja) * 2021-03-05 2022-09-09 三菱重工業株式会社 シールボックス

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