JPH11222985A - 断熱パネル及び該断熱パネルを用いた断熱構造 - Google Patents

断熱パネル及び該断熱パネルを用いた断熱構造

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JPH11222985A
JPH11222985A JP2842498A JP2842498A JPH11222985A JP H11222985 A JPH11222985 A JP H11222985A JP 2842498 A JP2842498 A JP 2842498A JP 2842498 A JP2842498 A JP 2842498A JP H11222985 A JPH11222985 A JP H11222985A
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JP
Japan
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heat insulating
insulating panel
permeable sheet
waterproof moisture
panel
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JP2842498A
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Ichiro Nakajima
一郎 仲嶋
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が容易で断熱性、防水性に優れ、かつ透
湿性に優れているために結露を防止し得る断熱パネル、
並びに該断熱パネルを用いた断熱構造を提供すること。 【解決手段】 合成樹脂発泡体2の少なくとも片側表面
に防水性透湿シート4を貼り合わせてなる断熱パネル
1。この断熱パネル1は、例えば、野地板14上または
該野地板14上に設けたアスファルトルーフィング15
等の防水材上に敷設し、釘等の固定具で野地板14、た
る木13または母屋12に固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅等の建物の屋根断
熱または壁外断熱等に用いることのできる断熱パネル、
並びにこの断熱パネルを用いた断熱構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、木造住宅等における屋根部分の断
熱には、通常、断熱材として合成樹脂発泡体が隣接する
たる木間の隙間にはめ込まれている。また、雨水等の侵
入に備えて、上記合成樹脂発泡体の室外側の野地板上に
アスファルトルーフィング等の防水シートが配置されて
いる。一方、壁部分の断熱は、通常、隣接する柱や間柱
間にグラスウールが詰め込まれている。更に、この壁部
分にも、グラスウールの室外側に別途アスファルトフェ
ルト等の防水シートが貼られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した屋
根断熱の方法では、たる木の配置された位置には合成樹
脂発泡体を敷き込むことができないので、この部位で断
熱欠損が生じ、断熱性が低下する問題がある。また、合
成樹脂発泡体と防水シートとを個別に施工するので、施
工が二度手間となる問題があった。
【0004】また、合成樹脂発泡体からなる断熱材の室
外側に透湿抵抗の高い野地板やアスファルトルーフィン
グ等の防水材があるため、断熱材と野地板やアスファル
トルーフィングとの間で結露しやすくなり、この結露水
によって野地板やたる木等の木質部材の腐食が生じて建
物の耐久性が低下する恐れがあった。なお、従来、野地
板上に瓦の形状に合わせた合成樹脂発泡体(断熱材)を
配置することも試みられているが、合成樹脂発泡体が破
損しやすく、また、軽量であり、風で吹き飛ばされやす
いため、施工性に劣る問題があり、且つ瓦の形状毎に異
なる形状の合成樹脂発泡体を用いる必要があるので、合
成樹脂発泡体の品揃えが煩雑なものであった。
【0005】また、上記従来の壁断熱においても、屋根
断熱と同様に、柱や間柱の位置にグラスウールを配置す
ることができないので、この部位で断熱欠損が生じる
他、グラスウールが自重等によりずり落ちて隙間ができ
た場合も断熱欠損が生じて断熱性が低下しやすいもので
あった。更に、従来の屋根断熱と同様、グラスウールと
防水シートを個別に施工するので、施工が二度手間にな
る問題があった。なお、従来、壁断熱において、柱の室
外側に合成樹脂発泡体(断熱材)を配置することも試み
られているが、この場合も合成樹脂発泡体とは別に防水
シートを設ける必要があるので、施工が二度手間になる
等の問題があった。更に、合成樹脂発泡体が薄い場合、
破損しやすく、施工性に劣る問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決して、施工が容易で断熱性、防水性に優れ、かつ透
湿性に優れているために結露を防止し得る断熱パネル、
並びに該断熱パネルを用いた断熱構造を提供することを
目的としている。そのため、本発明の請求項1の断熱パ
ネルは、合成樹脂発泡体の少なくとも片側表面に防水性
透湿シートを貼り合わせてなることを特徴とするもので
ある。ここで、防水性透湿シートとは、雨水等の水滴は
(厚み方向へ)透過させないが、水蒸気等の湿気は(厚
み方向)へ透過させる性質を有するシートである。上記
断熱パネルは、例えば、野地板上に敷設して用いたり、
柱の室外側に配置して用いることができる。
【0007】請求項2の断熱パネルは、請求項1の構成
において、上記合成樹脂発泡体の圧縮強度を略5kgf
/cm2 以上としたことを特徴とするものである。
【0008】請求項3の断熱パネルは、請求項1または
2の構成において、上記防水性透湿シートが上記合成樹
脂発泡体の少なくとも一辺から外方へはみ出しているこ
とを特徴とするものである。この場合、断熱パネルの施
工時に防水性透湿シートのはみ出し部を隣接する断熱パ
ネルの防水性透湿シート上に重ね合わせることができ
る。
【0009】請求項4の断熱パネルは、請求項3の構成
において、上記防水性透湿シートが上記合成樹脂発泡体
の両側表面に貼り合わされるとともに、合成樹脂発泡体
の片側表面における防水性透湿シートと他側表面におけ
る防水性透湿シートとが合成樹脂発泡体の相対向する辺
から外方へはみ出していることを特徴としている。
【0010】請求項5の断熱パネルは、請求項3または
4の構成において、上記防水性透湿シートのはみ出し部
に接着剤の塗布層が形成されていることを特徴とするも
のである。上記接着剤の塗布層は、必要により上記はみ
出し部の表面側または裏面側等に設けることができる。
この場合、断熱パネルの施工時に、防水性透湿シートの
はみ出し部を隣接する断熱パネルの防水性透湿シート上
に重ね合わせた後、上記接着剤を加熱溶融等することに
より、上記はみ出し部を隣接する断熱パネルの防水性透
湿シート上に接着することができる。
【0011】請求項6の断熱パネルは、請求項1乃至5
のいずれかの構成において、上記断熱パネルの少なくと
も片側表面に凹凸が形成されていることを特徴とするも
のである。
【0012】請求項7の断熱構造は、野地板上または該
野地板上に設けたアスファルトルーフィング等の防水材
上に請求項1乃至6のいずれかの断熱パネルを敷設して
からこの断熱パネルを釘等の固定具で野地板、たる木ま
たは母屋に固定することを特徴とするものである。
【0013】請求項8の断熱構造は、野地板上または該
野地板上に設けたアスファルトルーフィング等の防水材
上に請求項1乃至6のいずれかの断熱パネルを敷設して
からさん木または屋根材で押えながらこの断熱パネルを
釘等の固定具で野地板、たる木または母屋に固定するこ
とを特徴とするものである。
【0014】請求項9の断熱構造は、屋上のコンクリー
トスラブ上またはこのコンクリートスラブ上に設けたア
スファルトルーフィング等の防水材上に請求項1乃至5
の断熱パネルを敷設し、この断熱パネル上に更にコンク
リート層を設けることを特徴とするものである。
【0015】請求項10の断熱構造は、柱の室外側に請
求項1乃至5のいずれかの断熱パネルを配置し、この断
熱パネルを釘等の固定具で柱、胴縁または壁材に固定す
ることを特徴とするものである。なお、本明細書におけ
る「柱」には、通常の柱以外に、いわゆる「間柱」、つ
まり、柱と柱間に配置される柱より幅寸法等の小さい構
造材も含まれる。更に、いわゆるツーバイフォー形式の
住宅等においては、「柱」なる名称を用いず、柱または
間柱に相当する部材を「縦枠」等と呼ぶ場合もあるが、
本明細書、特に、特許請求の範囲の欄における「柱」
は、上記「縦枠」等の柱または間柱に相当する部材をも
含むものである。
【0016】請求項11の断熱構造は、柱の室外側に請
求項1乃至5のいずれかの断熱パネルを配置し、さん木
で上記断熱パネルを押えながら釘等の固定具で柱、胴縁
または壁材に固定することを特徴とするものである。
【0017】請求項12の断熱構造は、請求項3または
4の断熱パネルを請求項7乃至11のいずれかの断熱構
造に使用する場合において、上記断熱パネルの少なくと
も室外側に上記防水性透湿シートを貼り合わせ、且つこ
の防水性透湿シートのはみ出し部を隣接する断熱パネル
における防水性透湿シート上に重ね合わせるように敷設
することを特徴とするものである。
【0018】請求項13の断熱構造は、請求項5の断熱
パネルを請求項7乃至11のいずれかの断熱構造に使用
する場合において、上記断熱パネルの少なくとも室外側
に上記防水性透湿シートを貼り合わせ、且つこの防水性
透湿シートのはみ出し部を隣接する断熱パネルにおける
防水性透湿シート上に重ね合わせた後、上記接着剤を加
熱溶融等させることにより上記はみ出し部を隣接する断
熱パネルの防水性透湿シートと接着することを特徴とす
るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、本実施の形態
に係る断熱パネル1は、直方体状に形成された合成樹脂
発泡体2(断熱材)の両側表面に、各々熱溶融性接着剤
等の各種接着剤3により防水性透湿シート4を貼り合わ
せてなるものである。合成樹脂発泡体2の材料として
は、ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体、ポリ塩
化ビニリデン発泡体等の種々の合成樹脂を発泡成形した
ものを用いることができるが、強度、断熱性、パネルに
成形する加工の容易さ、コスト等を総合的に勘案する
と、現状では、ポリスチレン発泡体を用いることが好ま
しい。
【0020】合成樹脂発泡体2は、その圧縮強度が略5
kgf/cm2 以上となるように発泡成形することが好
ましいが、これは、主として、断熱パネル1を屋根断熱
に用いる場合、施工時に作業者が断熱パネル1上を歩行
しても合成樹脂発泡体2の変形、破損等が生じないよう
にするためである。従って、断熱パネル1の用途が壁断
熱等である場合、合成樹脂発泡体2の圧縮強度は必ずし
も略5kgf/cm2以上とする必要はなく、より低い
圧縮強度であってもよい。なお、合成樹脂発泡体2の厚
みは、用途に応じて、略10乃至100mm程度の範囲で
設定できるが、この範囲に限定されるものではない。
【0021】防水性透湿シート4としては、ポリエステ
ル、ナイロン、レーヨン、塩化ビニリデン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等の各種合成樹脂からなる不織布を
用いたり、その他、透湿性を有する各種フィルムを用い
ることができる。防水性透湿シート4の厚みは約10μ
m以上として比較的厚みの大きいものを使用することが
好ましい。また、透湿率は略1×10-5g/mhmmHg以
上で略1×10-2g/mhmmHg以下の範囲とすることが
好ましい。透湿率が略1×10-5g/mhmmHg未満であ
ると透湿しにくく、一方、略1×10-2g/mhmmHgを
超えると防水性が低下する傾向がでてくるので、上記の
範囲がよい。防水性透湿シート4として、ポリエステル
の不織布で厚みが略100乃至1000μm程度のもの
は、特に好適に使用できる。なお、熱溶融性接着剤等の
接着剤3の透湿率は充分に低いものであるが、本実施の
形態のように、接着剤3を用いて防水性透湿シート4を
貼り付ける場合、接着剤3と防水性透湿シート4との複
合の透湿率が上記した略1×10-5g/mhmmHg以上で
略1×10-2g/mhmmHg以下の範囲とすることが好適
である。ちなみに、アスファルトルーフィングの透湿率
は略3×10-6g/mhmmHg、ポリエチレンフィルムの
透湿率は略2×10-7g/mhmmHgである。
【0022】本発明の接着剤3としては種々のものが使
用できるが、その中でも特に熱溶融性接着剤が好まし
い。この熱溶融性接着剤の例としては、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、エチレンアクリル酸エチル共
重合体(EEA)またはエチレンメタアクリル酸メチル
共重合体(EMMA)等の材料を使用することができ、
予め、ロールコーター塗り、スプレー塗り等の適宜の方
法で熱溶融性接着剤3を合成樹脂発泡体2の表面及び/
または防水性透湿シート4の表面に塗布しておき、図2
に示すように、熱ローラ5等の加熱押圧手段で防水性透
湿シート4の表面から加熱しながら防水性透湿シート4
を合成樹脂発泡体2の表面に押圧することにより、防水
性透湿シート4を合成樹脂発泡体2に接着することがで
きる。
【0023】断熱パネル1の縦横のサイズは、通常、畳
1畳程度の大きさ、つまり、900×1800mm程度と
することができるが、係るサイズに限定されるものでは
なく、用途や使用位置等に応じて、適宜のサイズとする
ことができる。以下、屋根断熱または壁外断熱等に用い
る断熱パネルに要求される各種条件につき説明する。
【0024】(1) 屋根断熱に用いた場合に、施工時に
作業者が合成樹脂発泡体上を歩行しても変形しない程度
の圧縮強さを有すること。本発明の断熱パネル1におけ
る合成樹脂発泡体2は、圧縮強度を略5kgf/cm2
以上としているので、この(1)の条件を満たしている。 (2) 上記の歩行時に足元が滑りにくいこと。合成樹脂
発泡体2及び不織布からなる防水性透湿シート4は滑り
にくいので、本断熱パネル1は(2)の条件を満たす。 (3) 破損しにくく、万一、破損した際に飛散しないこ
と。本断熱パネル1は合成樹脂発泡体2の少なくとも片
側に防水性透湿シート4を貼り付けているので、全体と
して曲げ強度及び局部圧縮強度が高まり、且つ万一、合
成樹脂発泡体2が破損しても破片が防水性透湿シート4
に貼り付いているので、飛散せず、(3)の条件を満た
す。 (4) 釘打ちにより容易に取り付けることができるこ
と。本断熱パネル1は断熱材として合成樹脂発泡体2を
用いているので、釘打ちが可能である。
【0025】(5) 屋根断熱に用いた場合に瓦等の屋根
材の荷重で変形しないこと。本断熱パネル1は圧縮強度
を略5kgf/cm2 (50t/m2 )以上としている
ので、この条件を満たす。 (6) 雨水等で変形しないこと。本断熱パネル1は断熱
材として合成樹脂発泡体2を使用しており、合成樹脂発
泡体2が、例えば、ポリスチレン発泡体であれば殆ど吸
水性を有しないので、この条件を満たす。なお、グラス
ウール等は水を吸収するので、屋根断熱等には好ましく
ない。 (7) 日射熱で変形しないこと。夏期における瓦の最高
温度は略70℃であり、本断熱パネル1のポリスチレン
発泡体からなる合成樹脂発泡体2の耐熱性は、80℃以
上あるので、(7)の条件を満たす。 (8) 通気性を有すること。本断熱パネル1は通気性を
有する。 (9) 防水性を有すること。本断熱パネル1は防水性透
湿シート4を有するので、防水性を具備している。ま
た、合成樹脂発泡体2としてポリスチレン発泡体を用い
れば、合成樹脂発泡体2も充分な防水性を有するものと
なる。 (10) 軽量であること。合成樹脂発泡体2をポリスチレ
ン発泡体とした場合、本断熱パネル1の1枚当たりの重
さは、厚みが20mm、縦横のサイズが900×1800
mmの場合、約1kgであるから、充分に軽量である。
【0026】次に、上記断熱パネル1の変形例を示す。
図3に示すように、この変形例の断熱パネル6は、合成
樹脂発泡体2の片側表面における防水性透湿シート4の
表面に微細な凹凸4aを形成したものである。凹凸4a
を形成する方法としては、例えば、ポリスチレン発泡体
の合成樹脂発泡体2をスライサー、熱線等を用いて切断
すると、切断面2aに凹凸2bが形成されるため、この
切断面2a上に防水性透湿シート4を貼り付けることに
より、防水性透湿シート4の表面に凹凸4aを設けるこ
とができる。
【0027】或いは、合成樹脂発泡体2の表面に防水性
透湿シート4を熱溶融性接着剤3を用いて貼り付ける際
に、上述した熱ローラ5の代わりに、表面に凹凸パター
ンを有し、且つ加熱機能をも具備する押し型(図示せ
ず)を用いることにより、押し型の凹凸パターンを防水
性透湿シート4の表面に転写するようにしてもよい。或
いは凹凸のある防水性透湿シートを用いてもよい。係る
断熱パネル6を凹凸4aを有する表面を上面側にして屋
根断熱に用いると、作業者が断熱パネル1上を歩行する
際に断熱パネル1の表面に凹凸4aが存在するので、足
元が滑る問題が一層生じにくくなる。
【0028】次に、図4及び図5に第2の実施の形態に
係る断熱パネル7を示す。この断熱パネル7において
は、防水性透湿シート4の縦横のサイズを合成樹脂発泡
体2の縦横のサイズより若干大きくして、防水性透湿シ
ート4の一部を合成樹脂発泡体2から外側方へはみ出さ
せることにより、はみ出し部4bを形成している。図5
から明らかなように、合成樹脂発泡体2の片側表面、つ
まり、上面側の防水性透湿シート4は、合成樹脂発泡体
2の上面における隣接する2つの辺2c、2dから外方
へはみ出している。すなわち、合成樹脂発泡体2の上面
側の防水性透湿シート4においては、はみ出し部4bが
合成樹脂発泡体2の前方及び右方に形成されている。
【0029】一方、合成樹脂発泡体2の他側表面、つま
り、下面側の防水性透湿シート4は、合成樹脂発泡体2
の下面における隣接する2つの辺2e、2f、つまり、
上記2つの辺2c、2dとは相対向する位置の辺2e、
2fから外方へはみ出している。すなわち、合成樹脂発
泡体2の下面側の防水性透湿シート4においては、はみ
出し部4bが合成樹脂発泡体2の後方及び左方に形成さ
れている。はみ出し部4bの幅Wは、好ましくは、略1
00mm程度とすることができるが、用途等に応じて適宜
変更できる。
【0030】また、断熱パネル7において、防水性透湿
シート4を合成樹脂発泡体2に貼り付ける際に、例え
ば、防水性透湿シート4側に熱溶融性接着剤3を塗布す
る場合、熱溶融性接着剤3は合成樹脂発泡体2の上面及
び下面に対応した範囲のみでなく、上記はみ出し部4b
の表面にも同時に塗布され、結果的に防水性透湿シート
4の全面に熱溶融性接着剤3が塗布される。このはみ出
し部4bに塗布された熱溶融性接着剤3は、断熱パネル
7の施工に際して、当該はみ出し部4bを隣接する断熱
パネル7における防水性透湿シート4上に重ねて接着す
る際に使用するものである。
【0031】なお、上記実施の形態では、断熱パネル7
の両側表面の防水性透湿シート4を互いに相対向する側
の辺2c、2d及び辺2e、2fから外方へはみ出させ
ており、これにより、断熱パネル7の防水性透湿シート
4をその周囲の隣接する全ての断熱パネル7の防水性透
湿シート4と接続できる利点があるが、断熱パネル7の
両側表面の防水性透湿シート4におけるはみ出し部4b
は、互いに同一の辺、例えば、辺2c、2dから外方へ
はみ出すものであってもよく、或いは、片側表面の防水
性透湿シート4のみにはみ出し部4bを設けるようにし
てもよい。
【0032】図6に本実施の形態における断熱パネル
1、6または7の一般的な使用例を示す。構造材8上に
表面材9が配置され、この表面材9の室外側に上記いず
れかの断熱パネル1、6または7が配置されるととも
に、断熱パネル1、6または7の室外側に外装材10が
設置される。ここで、構造材8は、屋根断熱の場合はた
る木、壁断熱の場合は柱が該当し、表面材9は屋根断熱
では野地板、壁断熱では壁板等である。更に、外装材1
0は屋根断熱では瓦等の屋根材が該当し、壁断熱では外
壁パネルが該当する。なお、屋根断熱においては、表面
材9(野地板)と断熱パネル1、6または7との間にア
スファルトルーフィング等の防水材(図示せず)を配置
してもよく、また、屋根断熱、壁断熱とも、断熱パネル
1、6または7と外装材10との間にさん木(図示せ
ず)を配置してもよい等、細部の構造は適宜変更でき
る。更に、断熱パネル1、6または7は上記した木造系
の建物ばかりでなく、コンクリート系の建物の屋上部等
でも使用できる。
【0033】前述したように、断熱パネル1、6または
7は防水性透湿シート4が合成樹脂発泡体2の両側表面
に設けられて三層構造をなしているが、図6及び以下の
実施例中の各図においては、特に必要な場合を除き、簡
単のため、断熱パネル1、6または7全体を一層として
表している。また、断熱パネル6における防水性透湿シ
ート4表面の凹凸4aは図6以下では省略している。以
下、各断熱パネル1、6または7を屋根断熱、壁断熱等
に使用する場合の具体的な実施例を説明する。
【0034】
【実施例1】図7は断熱パネル1、6または7を木造系
の住宅の屋根における断熱構造に用いる場合の実施例で
ある。住宅の屋根部分で互いに平行に延びる複数の母屋
12上にたる木13が傾斜方向に配置され、このたる木
13上に野地板14が固定され、更に、野地板14上
に、防水材としてのアスファルトルーフィング15が配
置されている。アスファルトルーフィング15上に本発
明のいずれかの断熱パネル1、6または7が配置され、
更に、断熱パネル1、6または7上に複数のさん木16
(瓦桟)が母屋12と平行な方向に配置される。そし
て、断熱パネル1、6または7はさん木16で押さえら
れながら、図示しない釘等の固定具により野地板14、
たる木13または母屋12に固定されている。なお、断
熱パネル1、6または7を固定する固定具としては、釘
以外にビス、ステープル等を使用してもよい。断熱パネ
ル1、6または7上には瓦17(屋根材)が配置され、
瓦17はその屈曲部17aがさん木16に係止されなが
ら図示しない釘等によりさん木16に固定されている。
【0035】上記実施例によれば、断熱パネル1、6ま
たは7の施工時に断熱材である合成樹脂発泡体2の取付
と防水性透湿シート4の取付とを同時に一括して行える
他、防水性透湿シート4が透湿性を有するので、万一、
雨水等が野地板14側に侵入しても、この雨水等が水蒸
気として防水性透湿シート4を厚み方向へ透過して外部
へ排出されやすく、且つ屋根裏の温度変化が少なく、夏
期にも屋根裏への日射熱の侵入が少ない等の利点があ
る。
【0036】更に、施工時に作業者が断熱パネル1、6
または7上を歩行する際も、断熱パネル1、6または7
の表面に不織布からなる防水性透湿シート4が貼り付け
られているので滑りにくく、特に、断熱パネル6のよう
に、防水性透湿シート4の表面に凹凸4aを設けた場合
は一層滑りにくくなる。この場合、断熱パネル6は凹凸
4aを有する防水性透湿シート4が上面側に位置するよ
うに配置するのが好ましい。
【0037】また、断熱パネル7を使用する場合、図8
に示すように、断熱パネル7の上面側及び下面側の各防
水性透湿シート4におけるはみ出し部4bを隣接する断
熱パネル7における防水性透湿シート4上に重ね合わせ
るように複数の断熱パネル7をアスファルトルーフィン
グ15上に敷設してゆく。この場合、上記はみ出し部4
bを隣接する断熱パネル7の防水性透湿シート4に重ね
合わせるのみでもよいが、前述のように、はみ出し部4
bの表面に熱溶融性接着剤3を予め塗布しておいた場
合、アイロン状等の加熱器具(図示せず)ではみ出し部
4bの表面側から加熱して熱溶融性接着剤3を溶融させ
ることにより、はみ出し部4bを隣接する断熱パネル7
における防水性透湿シート4上に接着することができ、
これにより、全ての断熱パネル7の防水性透湿シート4
を一体に接続することができるので、防水性は一層良好
なものとなる。なお、屋根の場合には、日射熱により高
温になるので、加熱器具を用いて接着しない場合であっ
ても、自然に熱溶融性接着剤3が溶融して接着されるこ
とになる。
【0038】ここで、断熱パネル7の下面側のはみ出し
部4bに塗布した熱溶融性接着剤3を建築現場で加熱・
溶融させることが困難であれば、断熱パネル7の上面側
のはみ出し部4bのみを隣接する断熱パネル7の防水性
透湿シート4に接着するようにしてもよい。このよう
に、はみ出し部4bに予め熱溶融性接着剤3を塗布して
おけば、建築現場ではみ出し部4bを加熱するのみで容
易に接着できる利点がある。なお、接着剤としては、熱
溶融性接着剤3以外に通常の接着剤を建築現場ではみ出
し部4bの表面に塗布して使用してもよい。その場合、
断熱パネル7の下面側のはみ出し部4bにも接着剤を塗
布すれば、下面側のはみ出し部4bも隣接する断熱パネ
ル7の防水性透湿シート4上に容易に接着することがで
きる。
【0039】なお、図7の実施例において、野地板14
上にアスファルトルーフィング15を設けることにより
防水性は極めて良好なものとなるが、断熱パネル1、6
または7自体が防水性透湿シート4を備えているので、
アスファルトルーフィング15を省略し、野地板14上
に直接断熱パネル1、6または7を取り付けることも可
能である。
【0040】
【実施例2】図9の実施例はコンクリート造の建物の屋
上部に本発明の断熱パネル1、6または7を配置したも
のである。屋上部のコンクリートスラブ19上に設けた
アスファルトルーフィング20上にいずれかの断熱パネ
ル1、6または7が配置され、必要により、断熱パネル
1、6または7がアスファルトルーフィング20に接着
されている。そして、この断熱パネル1、6または7上
にコンクリートが打設されてコンクリート層21が形成
されるか、またはコンクリート層21に代えて、図示し
ないコンクリートブロックが配置される。この実施例に
おいても、断熱パネル1、6または7により良好な断熱
性と防水性が確保できる。
【0041】
【実施例3】図10は木造系の住宅の柱の屋外側に断熱
パネル1または7を配置した断熱構造の実施例を示す。
基礎22上に設けた土台23上に複数の柱24(図10
には一つのみ示す)が立設され、また、図示しないが、
隣接する柱24間には、必要により、柱24より幅寸法
の小さい構造材である間柱が立設されている。柱24
(または間柱)の室外側には、耐震性を高めるため、例
えば、10cm程度の上下幅を有する横方向に長い壁板
25(壁材)が上下方向に並べて配置され、各壁板25
は図示しない釘等で柱24(または間柱)に固定されて
いる。なお、壁板25は必ずしも、上下に密着させて配
置されていなくてもよく、隣接する壁板25間に多少の
隙間が設けられていてもよい。
【0042】壁板25の室外側に本発明の断熱パネル1
または7が配置され、更に、この断熱パネル1または7
の室外側に、上下方向に延びる長尺のさん木26が所定
間隔で複数個配置されて、断熱パネル1または7がさん
木26で押えられながら、図示しない釘等の固定具で壁
板25または柱24に固定されている。さん木26の室
外側には、例えば、セメント板等からなる外壁パネル2
7が配置され、適宜の方法で、壁板25または柱24に
固定されている。
【0043】この実施例でも、断熱材である合成樹脂発
泡体2の取付と防水性透湿シート4の取付が一括して行
え、万一、雨水等が柱24側に侵入した場合であって
も、これらは水蒸気として防水性透湿シート4を透過し
て外部に排出されやすく、且つ柱24部分の温度変化が
少なくなる等の利点がある。断熱パネル7を用いた場
合、図8に示したと同様の方法で、防水性透湿シート4
のはみ出し部4bを隣接する断熱パネル7の防水性透湿
シート4に重ね合わせることができ、更に、必要に応じ
て、はみ出し部4bを隣接する断熱パネル7の防水性透
湿シート4に接着することができ、防水性を高度に向上
させることができる。
【0044】なお、図10の実施例において、さん木2
6を用いると、断熱パネル1または7と外壁パネル27
との間に隙間を設けて通気性を確保できる利点がある
が、さん木26は必ずしも設ける必要はなく、断熱パネ
ル1または7の室外側に直接外壁パネル27を取り付け
るようにしてもよい。また、柱24の室外側に壁板25
を設けると耐震性が高まるという利点はあるが、壁板2
5は必ずしも設ける必要はなく、柱24の室外側に直接
断熱パネル1または7を取り付けるようにしてもよい。
【0045】上記各断熱パネル1、6または7におい
て、防水性透湿シート4は合成樹脂発泡体2の両側表面
に貼り付けるものとしたが、各断熱パネル1、6または
7において、防水性透湿シート4は合成樹脂発泡体2の
片側表面に貼り付けるのみでもよい。なお、防水性透湿
シート4を合成樹脂発泡体2の片側表面のみに貼り付け
た場合、例えば、当該断熱パネル1、6または7を屋根
断熱に用いる際には、防水性透湿シート4が断熱パネル
1、6または7の上面側に位置するように断熱パネル
1、6または7を敷設することが防水対策上好ましい。
また、壁等に使用する場合において、断熱パネル1また
は7における合成樹脂発泡体2の片側表面のみに防水性
透湿シート4を貼り付けた場合、防水性透湿シート4が
断熱パネル1または7の室外側に位置するように断熱パ
ネル1または7を配置するのが防水対策上好ましい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の断熱パネルは、合成樹脂発泡体の少なくとも片側表面
に防水性透湿シートを貼り合わせてなるものであるか
ら、係る断熱パネルを、例えば、野地板上に敷設して用
いたり、柱の室外側に配置して用いることができ、その
際、断熱材である合成樹脂発泡体と防水性透湿シートと
を同時に一括して取り付けることができるので、施工性
が良好となる利点がある。また、合成樹脂発泡体により
良好な断熱性が得られるとともに、防水性透湿シートに
より良好な防水性が得られる利点がある。また、合成樹
脂発泡体に防水性透湿シートが貼り合わされているた
め、合成樹脂発泡体を単独で用いる場合と比べて、断熱
パネル全体としての曲げ強度や局部圧縮強度が高まると
ともに、合成樹脂発泡体が破損しにくくなり、万一、合
成樹脂発泡体が破損した場合でも、破損した合成樹脂発
泡体が飛散しにくくなる。更に、万一、防水性透湿シー
トに生じた裂け目等から水が侵入した場合でも、この水
が水蒸気等として上記防水性透湿シートを透過して排出
されやすいので、建物の木質の構成材が結露等により腐
食する問題も生じにくくなる。
【0047】請求項2の断熱パネルは、請求項1の構成
において、上記合成樹脂発泡体の圧縮強度を略5kgf
/cm2 以上として、合成樹脂発泡体の圧縮強度を充分
大きくしたものであり、これにより、例えば、上記断熱
パネルを野地板上等に敷設して屋根断熱に用いる場合
に、施工に際して作業者が上記断熱パネル上を歩行した
り、施工後に瓦等の屋根材による荷重が上記断熱パネル
に加わっても、断熱パネルの変形や破損等が生じにくく
なる利点がある。
【0048】請求項3の断熱パネルは、請求項1または
2の構成において、上記防水性透湿シートが上記合成樹
脂発泡体の少なくとも一辺から外方へはみ出しているも
のであり、断熱パネルの施工時に防水性透湿シートのは
み出し部を隣接する断熱パネルの防水性透湿シート上に
重ね合わせながら複数の断熱パネルを敷設してゆくこと
により、防水性を一層向上させることが可能になる。
【0049】請求項4の断熱パネルは、請求項3の構成
において、上記防水性透湿シートが上記合成樹脂発泡体
の両側表面に貼り合わされるとともに、合成樹脂発泡体
の片側表面における防水性透湿シートと他側表面におけ
る防水性透湿シートとが合成樹脂発泡体の相対向する辺
から外方へはみ出しているものであるから、上記合成樹
脂発泡体の片側表面の防水性透湿シートと他側表面の防
水性透湿シートとを各々反対側で隣接する断熱パネルに
おける防水性透湿シートと重ね合わせることができ、こ
れにより、防水性を一層向上させることが可能となる。
【0050】請求項5の断熱パネルは、請求項3または
4の構成において、上記防水性透湿シートのはみ出し部
の表面に熱溶融性接着剤等からなる接着剤の塗布層が形
成されているものであるから、断熱パネルの施工時に、
防水性透湿シートのはみ出し部を隣接する断熱パネルの
防水性透湿シート上に重ね合わせた後、上記熱溶融性接
着剤を加熱溶融等することにより、上記はみ出し部を隣
接する断熱パネルの防水性透湿シート上に接着すること
ができ、これにより、複数の断熱パネルを敷設した全領
域で防水性透湿シート同士を互いに接続することができ
るので、防水性が更に良好なものとなる。
【0051】請求項6の断熱パネルは、請求項1乃至5
のいずれかの構成において、上記断熱パネルの少なくと
も片側表面に凹凸が形成されているものであり、例え
ば、当該断熱パネルを野地板上等に配置して屋根断熱に
用いる場合に、上記凹凸の形成された片側表面が上面側
となるように断熱パネルを敷設することにより、作業者
が断熱パネル上を歩行した場合でも上記凹凸の存在によ
って足元が滑りにくく、作業の安全性を向上させること
が可能になる。
【0052】請求項7の断熱構造は、野地板上または該
野地板上に設けたアスファルトルーフィング等の防水材
上に請求項1乃至6のいずれかの断熱パネルを敷設して
からこの断熱パネルを釘等の固定具で野地板、たる木ま
たは母屋に固定するようにしたので、断熱パネルの取付
を釘等の固定具を用いて容易に行うことができ、且つ合
成樹脂発泡体(断熱材)と防水性透湿シートとが予め貼
り合わされて断熱パネルが構成されているので、従来、
個別に取り付けていた断熱材と防湿用のシートとの取付
を一括して行うことができて、施工の手間が省ける利点
がある。更に、従来の天井部分に取り付けていた防湿シ
ートと異なり、作業者は上向きの姿勢で作業を行う必要
がないので、作業は一層容易なものとなる。
【0053】また、母屋、たる木または野地板の室外側
に断熱パネルを配置するので、断熱パネルを野地板また
は防水材の全面に渡って切れ目なく配置することがで
き、その結果、断熱欠損が少なくなって断熱性は良好な
ものとなる。更に、夏期にも、屋根裏への日射熱の侵入
が少なくなるので、冷房負荷を低減させることができ
る。また、万一、上記防水性透湿シートの裂け目等から
水が侵入した場合でも、この水が水蒸気等として防水性
透湿シートを透過して排出されやすいので、母屋やたる
木、野地板の部位で結露が生じることは殆どなく、且つ
本断熱パネルによって屋根部分の温度変化も少なくなる
ので、これらの効果が相まって、母屋やたる木、野地板
等の木質の構成材の耐久性が良好なものとなる。
【0054】請求項8の断熱構造は、野地板上または該
野地板上に設けたアスファルトルーフィング等の防水材
上に請求項1乃至6のいずれかの断熱パネルを敷設して
からさん木または屋根材で押えながらこの断熱パネルを
釘等の固定具で野地板、たる木または母屋に固定するよ
うにしたので、請求項7の利点に加えて、上記さん木を
瓦等の屋根材の取付に利用することができ、或いは、屋
根材自体を断熱パネルとともに釘等の固定具で野地板等
に固定することができるので、屋根材の施工も容易に行
える利点がある。
【0055】請求項9の断熱構造は、屋上のコンクリー
トスラブ上またはこのコンクリートスラブ上に設けたア
スファルトルーフィング等の防水材上に請求項1乃至5
の断熱パネルを敷設し、この断熱パネル上に更にコンク
リート層を設けるようにしたので、係るコンクリート造
りの建物の屋上部分においても本発明の断熱パネルを利
用して、良好な断熱性及び防水性を得ることができる。
【0056】請求項10の断熱構造は、柱の室外側に請
求項1乃至5のいずれかの断熱パネルを配置し、この断
熱パネルを釘等の固定具で柱、胴縁または壁材に固定す
るようにしたので、断熱パネルの取付を釘等の固定具を
用いて容易に行うことができ、且つ合成樹脂発泡体(断
熱材)と防水性透湿シートとが予め貼り合わされて断熱
パネルが構成されているので、従来、個別に取り付けて
いた断熱材と防湿用のシートとの取付を一括して行うこ
とができて、施工の手間が省ける利点がある。
【0057】また、柱の室外側に断熱パネルを配置する
ので、複数の断熱パネルを切れ目なく並べて配置するこ
とができ、従来のような断熱欠損が生じにくくなるの
で、断熱性は良好なものとなる。また、上記断熱パネル
の防水性透湿シートに生じた裂け目等から万一侵入した
水も、水蒸気等として上記防水性透湿シートを透過して
排出されやすいので、柱部分で結露が生じることは殆ど
なく、且つ本断熱パネルによって柱部分での温度変化も
少なくなるので、構造材である柱の耐久性は良好なもの
となる。
【0058】請求項11の断熱構造は、柱の室外側に請
求項1乃至5のいずれかの断熱パネルを配置し、さん木
で上記断熱パネルを押えながら釘等の固定具で柱、胴縁
または壁材に固定するようにしたので、請求項10の利
点に加えて、上記柱、胴縁または壁材と、上記さん木の
室外側に配置される外壁材(例えば、セメント板等)と
の間に上記さん木によって所定の隙間を設けて、柱、胴
縁または壁材と外壁材との間の通気性を良好なものとす
ることができる。
【0059】請求項12の断熱構造は、請求項3または
4の断熱パネルを請求項7乃至11のいずれかの断熱構
造に使用する場合において、上記断熱パネルの少なくと
も室外側に上記防水性透湿シートを貼り合わせ、且つこ
の防水性透湿シートのはみ出し部を隣接する断熱パネル
における防水性透湿シート上に重ね合わせるように敷設
するようにしたので、隣接する断熱パネルの防水性透湿
シート同士を重ね合わせて、防水性を一層良好なものと
することができる。
【0060】請求項13の断熱構造は、請求項5の断熱
パネルを請求項7乃至11のいずれかの断熱構造に使用
する場合において、上記断熱パネルの少なくとも室外側
に上記防水性透湿シートを貼り合わせ、且つこの防水性
透湿シートのはみ出し部を隣接する断熱パネルにおける
防水性透湿シート上に重ね合わせた後、上記熱溶融性接
着剤等からなる接着剤を加熱溶融等させることにより上
記はみ出し部を隣接する断熱パネルの防水性透湿シート
と接着するようにしたので、隣接する断熱パネルの防水
性透湿シート同士を重ね合わせるのみでなく、これらを
相互に接着することにより、全ての断熱パネルの防水性
透湿シートを互いに接続して、防水性を一層良好なもの
とすることができるとともに、防水性透湿シートのはみ
出し部に予め熱溶融性等の接着剤を塗布しておくことに
より、建築現場で接着剤を塗布する手間が省け、加熱す
るのみで簡単に接着できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る断熱パネルを
示す概略断面図。
【図2】上記断熱パネルの合成樹脂発泡体に防水性透湿
シートを貼り合わせる様子を示す説明図。
【図3】上記第1の実施の形態の変形例に係る断熱パネ
ルを示す概略断面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る断熱パネルを
示す概略断面図。
【図5】上記第2の実施の形態の断熱パネルを示す概略
斜視図。
【図6】本発明の断熱パネルの一般的な使用状態を示す
断面説明図。
【図7】本発明の断熱パネルを木造系住宅の屋根断熱に
用いた場合の実施例を示す説明図。
【図8】上記断熱パネルの防水性透湿シートのはみ出し
部を隣接する断熱パネルの防水性透湿シートに重ね合わ
せる状態を示す断面説明図。
【図9】本発明の断熱パネルをコンクリート系住宅の屋
上部の断熱に用いた場合の実施例を示す説明図。
【図10】本発明の断熱パネルを木造系住宅の壁断熱に
用いた場合の実施例を示す説明図。
【符号の説明】
1、6、7 断熱パネル 2 合成樹脂発泡体 3 熱溶融性接着剤 4 防水性透湿シート 4a 凹凸 4b はみ出し部 12 母屋 13 たる木 14 野地板 15、19 アスファルトルーフィング(防水材) 16 さん木 20 コンクリートスラブ 21 コンクリート層 24 柱 25 壁板(壁材) 26 さん木

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡体の少なくとも片側表面に
    防水性透湿シートを貼り合わせてなる断熱パネル。
  2. 【請求項2】 上記合成樹脂発泡体の圧縮強度を略5k
    gf/cm2 以上としたことを特徴とする請求項1の断
    熱パネル。
  3. 【請求項3】 上記防水性透湿シートが上記合成樹脂発
    泡体の少なくとも一辺から外方へはみ出していることを
    特徴とする請求項1または2の断熱パネル。
  4. 【請求項4】 上記防水性透湿シートが上記合成樹脂発
    泡体の両側表面に貼り合わされるとともに、合成樹脂発
    泡体の片側表面における防水性透湿シートと他側表面に
    おける防水性透湿シートとが合成樹脂発泡体の相対向す
    る辺から外方へはみ出していることを特徴とする請求項
    3記載の断熱パネル。
  5. 【請求項5】 上記防水性透湿シートのはみ出し部に接
    着剤の塗布層が形成されていることを特徴とする請求項
    3または4記載の断熱パネル。
  6. 【請求項6】 上記断熱パネルの少なくとも片側表面に
    凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかの断熱パネル。
  7. 【請求項7】 野地板上または該野地板上に設けたアス
    ファルトルーフィング等の防水材上に請求項1乃至6の
    いずれかの断熱パネルを敷設してからこの断熱パネルを
    釘等の固定具で野地板、たる木または母屋に固定するこ
    とを特徴とする断熱構造。
  8. 【請求項8】 野地板上または該野地板上に設けたアス
    ファルトルーフィング等の防水材上に請求項1乃至6の
    いずれかの断熱パネルを敷設してからさん木または屋根
    材で押えながらこの断熱パネルを釘等の固定具で野地
    板、たる木または母屋に固定することを特徴とする断熱
    構造。
  9. 【請求項9】 屋上のコンクリートスラブ上またはこの
    コンクリートスラブ上に設けたアスファルトルーフィン
    グ等の防水材上に請求項1乃至5の断熱パネルを敷設
    し、この断熱パネル上に更にコンクリート層を設けるこ
    とを特徴とする断熱構造。
  10. 【請求項10】 柱の室外側に請求項1乃至5のいずれ
    かの断熱パネルを配置し、この断熱パネルを釘等の固定
    具で柱、胴縁または壁材に固定することを特徴とする断
    熱構造。
  11. 【請求項11】 柱の室外側に請求項1乃至5のいずれ
    かの断熱パネルを配置し、さん木で上記断熱パネルを押
    えながら釘等の固定具で柱、胴縁または壁材に固定する
    ことを特徴とする断熱構造。
  12. 【請求項12】 請求項3または4の断熱パネルを請求
    項7乃至11のいずれかの断熱構造に使用する場合にお
    いて、上記断熱パネルの少なくとも室外側に上記防水性
    透湿シートを貼り合わせ、且つこの防水性透湿シートの
    はみ出し部を隣接する断熱パネルにおける防水性透湿シ
    ート上に重ね合わせるように敷設することを特徴とする
    請求項7乃至11のいずれか記載の断熱構造。
  13. 【請求項13】 請求項5の断熱パネルを請求項7乃至
    11のいずれかの断熱構造に使用する場合において、上
    記断熱パネルの少なくとも室外側に上記防水性透湿シー
    トを貼り合わせ、且つこの防水性透湿シートのはみ出し
    部を隣接する断熱パネルにおける防水性透湿シート上に
    重ね合わせた後、上記はみ出し部を隣接する断熱パネル
    の防水性透湿シートと接着することを特徴とする請求項
    7乃至11のいずれか記載の断熱構造。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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