JPH1122273A - 引き戸用錠前 - Google Patents

引き戸用錠前

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JPH1122273A
JPH1122273A JP17692097A JP17692097A JPH1122273A JP H1122273 A JPH1122273 A JP H1122273A JP 17692097 A JP17692097 A JP 17692097A JP 17692097 A JP17692097 A JP 17692097A JP H1122273 A JPH1122273 A JP H1122273A
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hook
slider
sliding door
striker
slide button
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Sukemasa Nakamoto
祐昌 中本
Daisuke Uchimoto
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Juken Sangyo Co Ltd
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TOYO SHEET KK
Juken Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライドボタンを単独で出没可能にして、錠
前の損傷を防止し、部品を少なくして加工性および組付
性を向上し、簡単な機構で引き戸の開閉移動を利用し
て、引き戸の施錠および施錠解除を行いその取扱を容易
にすること。 【解決手段】 フックケース35に軸支したフック5の係
止部 501とスプリング47を介してフックスライダ33に設
けたスライドボタン4をフックケース35の底部から、フ
ックスライダ33の移動方向と同一方向に出没可能にし、
フックスライダ33とフック5の端部をねじりコイルバネ
37で連結する。これにより、ドアの開閉力を利用して施
錠および施錠の解除を行い、部品点数を少なくして加工
性および組付性を向上し、引き戸を開閉するだけで、施
錠および施錠解除ができるので、その取扱を容易にし、
スプリング47によってストライカ本体 362とフック5の
係止部 501とが干渉しても、錠前の損傷を防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は錠前にかかる衝撃力
を緩衝し、錠前の損傷を防止すると共に、構造を簡単に
した引き戸用錠前の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の引き戸用錠前として、特公昭56
−33553号公報に開示されたものがある。その概略
を図26に示して説明すると、図示省略のフックケースに
軸1にてカムプレート2が回動可能に軸支されており、
その一端にはピン3を設けたスライドボタン4のピン3
を係合すると共に、他端側にはピン6を植設し、このピ
ン6をフック5に形成した案内孔7に係合した構成にな
っている。
【0003】そして、この錠前を設けた引き戸を閉める
ことにより、図示省略のストライカが設けられている例
えば柱に、スライドボタン4′が衝突してフックケース
内に押し込まれ、スプリング8の弾性力に抗してカムプ
レート2を矢印の方向に回動する。このカムプレート2
の回動により、フック5の支点10がスプリング9の弾性
力に抗して10′の位置に移動させられながら、案内孔7
によってピン6を案内してフック5を回動し、図示省略
のストライカに係合する。そして、ロックレバー11に外
力を与えて回動し、引き戸を開ける方向に移動した時に
フック5が5′の方向に回動するのをロックすることに
より、引き戸が開かないようにしている。
【0004】そして、引き戸を開ける時には、ロックレ
バー11を外力により矢印方向に回動してフック5のロッ
クを解除した状態で引き戸を開けることにより、フック
5の支点10′はスプリング9によって10の方向に引っ張
られると同時に、スプリング8によってカムプレート2
が矢印とは逆の方向(時計方向)に回動して、フック5
を5′の方向に回動させると共にスライドボタン4を突
出させ、フック5′とストライカとの係合が解除されな
がら引き戸が開けられると同時に、スライドボタン4を
4′の位置に突出させ、元の状態に復帰させるようにし
ている。
【0005】次に、実開平5−89750号公報に開示
された錠前を図27に示してその概略を説明する。図示省
略のフックケースには軸1を介してカムプレート2が回
動可能に軸支されており、カムプレート2が矢印方向と
は反対の方向(時計方向)に常時回転力が与えられるよ
うに、スプリングが軸1に装着されている。また、カム
プレート2の一端にはスライダ12に設けた長孔14′にカ
ムプレート2に植設したピンが嵌合した状態で、スライ
ダ12が連結されている。スライダ12の他端にはピン14を
介してフック5が回動可能に設けられており、このピン
14にはフック5が矢印の方向(反時計方向)に常時回転
するように回転力を与えるためのスプリングが装着され
ている。
【0006】そして、引き戸を閉めると図示省略のスト
ライカが設けられている例えば柱にスライドボタン4が
衝突して矢印の方向に押され、カムプレート2を矢印の
方向に回動する。このカムプレート2の回動により、ス
ライダ12が矢印の方向に水平移動させられて、フック5
が図示省略のフックケースの底部から突出し、図示省略
のストライカにフック5が係合し、引き戸の開き方向に
ロックする。
【0007】次に、引き戸を開く時には外部の力でロッ
ク解除部材15を矢印の方向に押し下げ、矢印方向に回転
力が与えられているスプリングの弾性力に抗して、フッ
ク5の後部16を押してフック5を5′の位置まで回動
し、フック5′と図示省略のストライカとの間の係合を
解除した後に引き戸を開ける。そして、カムプレート2
は時計方向に常時回転力が与えられているので、引き戸
を開けると自動的にカムプレート2が時計方向に回動し
てスライドボタン4を4′の位置まで突出させ、元の状
態に復帰させるようにしている。
【0008】次に、実開平5−47263号公報に開示
された従来例を図28に示して、その概略を説明する。ス
ライダ17に植設されたピン18が図示省略のフックケース
にあけられた長孔19に案内されて、スライダ17を矢印の
上下方向に移動できるようになっている。また、スライ
ダ17の端部に設けられたピン22とフックケースに設けら
れたピン21との間にねじりコイルバネ20が設けられてい
て、スライダ17の上下方向の移動を弾性的に規制するよ
うにしている。
【0009】また、フックケースには軸25を介してフッ
ク5が回動可能に設けられており、スライダ17に設けた
ピン23がフックに形成した凹部24に係合して、スライダ
17の移動によりフック5が回動されるようになってい
る。ピン23はフックケースにあけられた長孔26にそって
案内されるようになっている。また、フックケースには
軸30を介してレバー27が設けられており、このレバー27
の後端28がスライダ17に設けた係止部29に係合するよう
になっている。そして、フック5およびレバー27にはそ
れぞれねじりコイルバネ31と32が設けられていて、フッ
ク5およびレバー27が常時反時計方向に回動するよう
に、弾性力が付与されている。
【0010】この錠前を設けた引き戸を閉めた時に、図
示省略のストライカを設けた例えば柱にレバー27′が衝
突し、ねじりコイルバネ32の弾性力に抗してレバー27′
を27の位置まで回動し、後端28と係止部29′との間の係
止を解除する。そして次にスライダ17を外部の力によっ
て上方向にスライドさせてフック5を反時計方向に回動
し、ストライカとフック5とを係合して、引き戸の開き
方向に対してロックする。
【0011】次に、引き戸を開ける場合において、レバ
ー27の後端28はスライダ17が下方向への移動に対して係
止部29に係止しない形状になっているので、スライダ17
を外部の力により自由に下方向に移動させることができ
るようになっている。そこでスライダ17を外部の力で下
方向に移動させることにより、フック5をねじりコイル
バネ31の弾性力に抗して時計方向に回動し、フック5と
ストライカとの間の係合を解除し、引き戸を開けるよう
にしている。
【0012】
【発明が解決しょうとする課題】上記従来の引き戸用錠
前は次の点で改良すべき問題がある。引き戸用錠前を取
りつけた時点では問題はないのであるが、その後に地盤
沈下や木材の乾燥収縮等により住宅全体に歪みが生じ
て、ドア枠にその歪みが波及する場合がある。このよう
に、ドア枠に歪みが生じた場合に、柱等に設けたストラ
イカとフックとの間の位置がずれて、ドアを閉めた時に
フックがストライカに衝突するようになる。
【0013】そこで、特公昭56−33553号公報お
よび実開平5−89750号公報に開示されたものにあ
っては、ドアを閉めた時にスライドボタン4′がストラ
イカに当接して、軸1を中心にカムプレ−ト2を強制的
に回転し、フック5を突出させるようにしているので、
このフック5がストライカに衝突した場合に、この衝突
の力によってカムプレ−ト2を反対方向に回動する力が
働くことになる。しかしながら、カムプレ−ト2が衝撃
力により反対方向に回動すると、スライドボタン4′の
先端はストライカに当接するようになるので、カムプレ
−ト2の反対方向への回動ができなくなり、軸1に大き
な衝撃力が働いて、錠前の各部にその力が波及し、屈曲
や変形など錠前を損傷するという問題がある。
【0014】また、この錠前をドアに取りつけた状態で
輸送した場合に、ドア自体は相当な重量物であり、か
つ、フックかスライドボタンのいずれか一方が突出した
状態にあるので、その突出しているフックまたはスライ
ドボタンを損傷しないように、厳重な保護部材を設けて
梱包しなければならない。そのために、梱包に手間がか
かると共に、その取扱に十分な注意が必要になって、取
扱の点で問題があり、また、フックなどを万が一曲げて
しまった場合にはそれを取り替える必要があり、更にフ
ックなどが曲がっていることを発見するのは、梱包を解
いた現場であるので、その取り替えに時間がかかるとい
う問題がある。
【0015】次に、取扱性、加工性および組付性の点で
次のような改良すべき問題がある。先ず特公昭56−3
3553号公報に開示されたもは、カムプレート2、ス
ライドボタン4、フック5、ロックレバー11、およびス
プリング8、9の合計六個の部品からなっており、これ
らの部品の加工および組付に多くの時間が必要となっ
て、加工および組付性の点で改良すべき問題がある。
【0016】特に組付においてカムプレート2、スライ
ドボタン4、フック5、ロックレバー11はばらばらの状
態にあり、カムプレート2とスライドボタン4との連結
はピン3により、またカムプレート2とフック5との間
の連結はピン6により行い、更にスプリング8および9
によりカムプレート2およびフック5にはその弾性力が
働いているので、その組付は困難である。
【0017】そして、引き戸の施錠および施錠解除はロ
ックレバー11を回動することにより行うのであるが、こ
のロックレバー11の回動は引き戸の移動方向(矢印イ方
向)に一致していないので、引き戸の開け閉めの力を利
用するのが困難であり、ロックレバー11を回動させるた
めには、引き戸を開け閉めする方向の力とは別の方向の
力が必要になる。そのために、引き戸の施錠および施錠
解除をするためには、引き戸を開け閉めする以外に別の
操作が必要になって面倒であることから、取扱の点で改
良すべき問題がある。
【0018】次に、実開平5−89750号公報に開示
されたものは、カムプレート2、スライドボタン4、ス
ライダ12、フック5、解除部材15、カムプレート2に常
時回転力を与えるためのスプリング、フック5に常時回
転力を与えるためのスプリングの合計七個の部品からな
っており、これらの部品の加工および組付に多くの時間
が必要となって、加工および組付性の点で改良すべき問
題がある。
【0019】また特に組付において、カムプレート2お
よびフック5はスプリングによって常時回転力が与えら
れた状態で、カムプレート2とスライダ12とをピンにて
連結しなければならないので、その組付は困難である。
そして、引き戸の施錠および施錠解除は解除部材15を垂
直方向に移動することにより行うのであるが、この解除
部材15の移動は引き戸の移動方向(矢印イ方向)に直行
する方向であるので、引き戸の開け閉めの力を利用する
のが困難であり、解除部材 15 を上下動させるために
は、引き戸を開け閉めする方向の力とは別の方向の力が
必要になる。そのために、引き戸の施錠および施錠解除
をするためには、引き戸を開け閉めする以外に別の操作
が必要になって面倒であることから、取扱の点で改良す
べき問題がある。
【0020】次に、実開平5−47263号公報に開示
されたものは、フック5、スライダ17、レバー27および
ねじりコイルバネ20、31、32の合計六個の部品からなっ
ており、これらの部品の加工および組付に多くの時間が
必要となって、加工および組付性の点で改良すべき問題
がある。
【0021】特に組付においてスライダ17、フック5お
よびレバー27はばらばらの状態にあり、フック5はねじ
りコイルバネ31の弾性力により回転力が働いているの
で、その組付は困難である。そして、引き戸の施錠およ
び施錠解除はスライダ17を垂直方向に移動することによ
り行うのであるが、このスライダ17の移動は引き戸の移
動方向(矢印イ方向)に直行する方向であるので、引き
戸の開け閉めの力を利用するのが困難であり、スライダ
17を上下動させるためには、引き戸を開け閉めする方向
の力とは別の方向の力が必要になる。そのために、引き
戸の施錠および施錠解除をするためには、引き戸を開け
閉めする以外に別の操作が必要になって面倒であること
から、取扱の点で改良すべき問題がある。
【0022】また、上記従来例において、引き戸の施錠
および施錠解除をする部材の移動方向は引き戸の開閉移
動方向に一致していないことから、引き戸の開閉動作に
より引き戸の施錠および施錠解除部材を移動させるため
には、その機構が複雑になり、更に加工性および組付性
を低下させるという問題がある。
【0023】本発明はスライドボタンが単独で出没可能
なようにして、錠前の損傷を防止し、錠前の部品を少な
くして加工性および組付性を向上すると共に、簡単な機
構で引き戸の開閉移動を利用して、引き戸の施錠および
施錠解除を行えるようにして、その取扱を容易にした引
き戸用錠前を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1の記載から把握される手段は、引き戸側に設
けたフックケースの底部からフックの係止部を出没させ
て、柱あるいは壁等に設けたストライカにフックの係止
部を係合および係合解除するようにした引き戸用錠前に
おいて、前記フックケースにフックを回動可能に軸支す
ると共に、該フックを回動させるためのフックスライダ
を移動可能に設け、該フックスライダの移動方向と同一
方向にフックの前記係止部がフックケースの底部より出
没可能なようにし、該フックスライダにスプリングを介
して移動可能にスライドボタンを設けると共に、フック
スライダとスライドボタンとが一体となってフックケー
スの底部からフックスライダの移動方向に出没可能に
し、フックスライダとフックの端部との間をねじりコイ
ルバネで連結し、フックスライダの移動によってフック
を回転するように、フックとフックスライダとを連結し
たことを特徴とする。
【0025】次に、請求項1の記載から把握される手段
により課題がどのように解決されるかについて説明す
る。請求項1の記載から把握される手段において、フッ
クケースに回動可能に軸支したフックの係止部が、フッ
クスライダの移動方向と同一方向にフックケースの底部
より出没可能なようにし、かつ、スライドボタンをフッ
クケースの底部からフックスライダの移動方向に出没可
能に取り付けることにより、引き戸の開閉移動方向とフ
ックスライダのスライド方向を一致させて、フックの係
止部とスライドボタンを出没させることができる。
【0026】また、スプリングを介してスライドボタン
をフックスライダに取り付けたので、スライドボタンお
よびフックに軸方向の無理な力が働いた時に、フックス
ライダとは切り離された単独の状態で、スライドボタン
をフックスライダの移動方向と同一方向にフックケース
の底部より出没させることができる。
【0027】そして、フックスライダとフックの端部と
の間をねじりコイルバネで連結し、フックスライダの移
動によってフックが回転するように、フックとフックス
ライダとを連結したので、ロック部材を用いることな
く、ねじりコイルバネの弾性力により、フックの係止部
とストライカとの間の係合を維持して引き戸の開きをロ
ックすることができ、開き戸の開きロックの解除は、ロ
ック解除部材を用いることなく、フックスライダを移動
してフックを回動し、フックの係止部とストライカの係
合を解除することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】請求項1の記載から把握される本
発明の実施の形態は次の通りである。図1において、引
き戸D側に設けたフックケース35の底部からフック5の
係止部 501を出没させて、柱あるいは壁W等に設けたス
トライカ36にフック5の係止部 501を係合および係合解
除するようにした引き戸用錠前であって、フックケース
35にフック5を回動可能に軸34に軸支すると共に、図2
に示すようにフックスライダ33に設けた係合孔 331にフ
ック5に設けた係合ピン 502を係合して、フックスライ
ダ33の移動によりフック5を回動させるようにフックス
ライダ33を移動可能に設ける。
【0029】そして、フックスライダ33の移動方向(矢
印S)と同一方向にフック5の係止部 501がフックケー
ス35の底部より出没可能なようにする。また図3に示す
ように、フックスライダ33に設けたスプリング受け 339
とスライドボタン4に設けたスプリング受け 406との間
に、スプリング47を設け、スライドボタン4の軸方向ま
たはフック5に無理な力が働いた時に、スプリング47を
押し縮めてスライドボタン4が単独で移動できるように
する。また、スライドボタン4またはフック5に無理な
力が働かない時には、図2に示すように、スライドボタ
ン4はフックスライダ33とともに移動し、フックケース
35の底部からフックスライダ33の移動方向(矢印S)に
出没可能にする。また、フックスライダ33とフック5の
端部との間をねじりコイルバネ37で連結する。
【0030】次に、本発明の実施の形態について、更に
詳しく説明する。図1において、引き戸D側にはフック
ケース35が取りつけられており、柱あるいは壁W側には
ストライカ36が取りつけられている。このフックケース
35にはフック5が回動可能に軸34に軸支されている。ま
た、図2に示すようにフックスライダ33に設けた係合孔
331にフック5に設けた係合ピン 502を係合して、フッ
クスライダ33の移動によりフック5を回動させるように
なっている。
【0031】そして、フックスライダ33の移動方向(矢
印S)は図1における引き戸Dの開閉方向と一致してお
り、フックスライダ33を矢印S方向にスライドしてフッ
ク5を回転することにより、フック5の係止部 501がフ
ックケース35の底部より矢印S方向に出没するようにし
ている。また、フックスライダ33にはスライドボタン4
がスプリング47を介して取りつけられており、スライド
ボタン4またはフック5に大きな外力が働いた時には、
スプリング47を押し縮めてスライドボタン4がフックス
ライダ33とは独立して移動できるようになっており、大
きな力が働かない時にはフックスライダ33と一体になっ
て、フックスライダ33の矢印S方向へのスライドによ
り、スライドボタン4はフックケース35の底部からフッ
クスライダ33の移動方向と同じ矢印S方向に出没するよ
うにしている。また、フックスライダ33とフック5の端
部はねじりコイルバネ37で連結されている。
【0032】次に、各部の詳細について説明する。図3
は図1におけるフックスライダ33にスライドボタン4を
装着した状態を示している。このフックスライダ33は図
4に示すように、肉厚tの薄い板材でできており端部を
略直角に曲げて頭部 333が形成されている。また、図3
においてこのフックスライダ33の平面形状は概略T字形
をしており、その先端部には幅J1の先端ガイド面 334が
形成され、中央部には幅J2の中央ガイド面 336が形成さ
れている。
【0033】また、先端ガイド面 334と中央ガイド面 3
36の間に腕 337を設け、この腕 337には、スプリング47
を受けるための、スプリング受け 339を形成すると共
に、ねじりコイルバネ37の基端を止めるためのスプリン
グ止め 332が形成されている。このスプリング受け 339
とスプリング止め 332は、フックスライダ33のプレス加
工により形成される。図4にも示すようにスライドボタ
ン4には、ガイド孔 405が設けられていて、このガイド
孔 405にスプリング止め 332が嵌合し、スライドボタン
4はフックスライダ33に対して、移動可能になってい
る。
【0034】また、スライドボタン4には段部 407が設
けられていて、スプリング止め 332に止められるねじり
コイルバネ37の基端部が、スライドボタン4の下側に位
置するようになっている。また、スライドボタン4には
スプリング受け 406が設けられていて、このスプリング
受け 406とフックスライダ33に設けたスプリング受け33
9との間に、スプリング(圧縮バネ)47が取りつけられ
ている。このスプリング47の弾性力の強さは、スライド
ボタン4またはフック5に強い外力が働いた時に、スプ
リング47を押し縮めてスライドボタン4が単独で移動で
き、かつ、スライドボタン4またはフック5に強い外力
がかからない時には、スライドボタン4とフックスライ
ダ33とが一体になって、スライドボタン4が移動するよ
うに決定されている。
【0035】先端ガイド面 334の部分には係合孔 331が
あけられている。この係合孔 331の幅J5は係合ピン 502
(図2)の直径よりも広い寸法になっており、フック5
がフックスライダ33に対して一定の回動角度で自由に回
動できるようになっている。頭部 333の幅J3は、後で説
明するノブが当接するに必要な幅になっている。 335は
ストッパ面である。
【0036】フック5の平面形状は図2に示すように概
略Jの字形になっており、そのほぼ中心部に軸34が設け
られている。そして、一端には係止部 501が形成されて
おり、他端にはねじりコイルバネ37を取り付けるための
ピン 503を設け、軸34とピン503とを結ぶほぼ線上であ
ってその中間部に係合孔 331に係合する係合ピン 502が
設けられている。また、ピン 503をプレス加工すること
により、部品点数を少なくしている。
【0037】次に、図8は図1におけるフックケース35
の斜視図であり、その概略の形状は取付フランジ 355を
設けた対象形の部材を合わせるようにしている。 351は
天井フランジ 357を切欠いて形成したガイド面であり、
ガイド面 351の間隔J2′は図3に示したフックスライダ
33の中央ガイド面 336の幅J2にほぼ等しくし、中央ガイ
ド面 336をガイドするようにしている。 352はガイドフ
ランジでありガイド面351の間に嵌入されて組み立てら
れた時に、ガイドフランジ 352の先端と壁面との間に、
図4に示すフックスライダ33の肉厚tに相当する間隙が
できるように、ガイドフランジ 352の幅J4を狭くしてい
る。
【0038】353は壁面を切り起こして形成したガイド
面、 354は図1における軸34を両端支持するための軸孔
であり、図7に示すようにガイド面 353と軸孔 354との
間の間隔J1′は図3におけるフックスライダ33の先端ガ
イド面 334の幅J1にほぼ等しくして、このガイド面 353
と軸孔 354に支持される軸34の外周との間で、先端ガイ
ド面 334をガイドするようにしている。図6および図7
に示すように取付フランジ 355は取付プレート38にプレ
ス加工で一体に設けられたカシメピンで固定され、取付
プレート38には図3に示す直径D1のスライドボタン4が
挿通可能な直径D2の孔39があけられている。このよう
に、カシメピンをプレスにより取付プレート38に一体に
設けることにより、部品点数を少なくしている。
【0039】次に、図1におけるストライカ36について
説明する。図9から図11において、ストライカ取付部材
361の表面に肉厚t長さL4のストライカ本体 362が固定
されており、ストライカ本体 362にはフック5が出入り
するための、幅J6長さL1のフック孔 363があけられてい
ると共に、ストライカ取付部材 361にも幅J6長サ L2の孔
366があけられている。また、フック孔 363には傾斜面
364が設けられている。ストライカ取付部材 361は図11
に示すように溝型になっており、その両端には図10に示
すようにU溝 365が形成されている。
【0040】図12および図13にストライカ取付プレート
40を示す。このストライカ取付プレート40の肉厚tは図
9に示したストライカ本体 362の肉厚tに等しくしてお
り、ストライカ嵌合孔 401にストライカ本体 362を嵌合
した時に、ストライカ取付プレート40とストライカ本体
362とが面一になるようにしている。また、ストライカ
嵌合孔 401の長さL3はストライカ本体 362の長さL4より
も長くなっており、図12に示すようにストライカ本体 3
62がストライカ嵌合孔 401に嵌合された状態で、ストラ
イカ36を矢印イの方向に移動できるようになっている。
【0041】402はストライカ固定孔であり、図10に示
したU溝 365に位置しており、図14に示す一辺がL5の正
方形のナット41にストライカ固定孔 402に挿通したボル
トを螺合して、ストライカ36を矢印イ方向に位置調整し
て、ストライカ36をストライカ取付プレート40に締結す
るようにしている。この締結に際して、調整ねじ孔 404
に螺合しているねじにより、ストライカ36をストライカ
取付プレート40に対して矢印ロの方向に位置調整できる
ようにしている。 403はストライカ取付プレーと40を例
えば柱に取りつけるためのプレート固定孔である。
【0042】図15から図17にストライカ36の他の実施例
を示して説明する。図15はフロントプレート 367の平面
を示す図であり、ほぼ中央部に幅J6で長さL3のフック孔
367b があけられており、その端部にはフロントプレー
ト取付孔 367a があけられている。図16はストライカ本
体 362の平面を示す図であり、ほぼ中央部に幅J6で長さ
L1のフック孔 363があけられている。
【0043】このフック孔 363の長さL1は図15に示した
フック孔 367b の長さL3よりも短くなっており、ストラ
イカ本体 362がフロントプレート 367に対してフック孔
363の長手方向にずれても、フック孔 363にフック5が
係止できるようになっていて、フック5に対する上下方
向の位置調整ができるようになってる。また、このスト
ライカ本体 362の上下方向の位置調整ができるように、
ストライカ本体 362の両端にU溝 365が設けられてい
る。図17はワッシャー 368の平面を示しており、このワ
ッシャー 368にもU溝 369が設けられている。
【0044】図18から図20はフロントプレート 367、ス
トライカ本体 362およびワッシャー368を組みつける各
種態様を示した図である。まず、ストライカ36を取りつ
けるために、柱等に穴 451およびフック5を収容するた
めのケース 369を嵌め込むための穴 452が掘られる。そ
して、フロントプレート 367を取りつけるための穴 451
の深さDは一定である。この穴 451の深さDは、フロン
トプレート 367の肉厚t1 +ストライカ本体の肉厚t2
+二枚のワッシャー 368の肉厚2×t3 に等しくしてい
る。ワッシャー 368の肉厚t3 の一例を示せば1mmであ
る。
【0045】図18の組付はフロントプレート 367とスト
ライカ本体 362を密着させた状態で、二枚のワッシャー
368をストライカ本体 362の裏面に当てがい、フロント
プレート取付孔 367a に螺子を挿通して固定するように
している。これにより、フロントプレート 367の表面か
らストライカ本体 362の裏面(フック5の係合面)まで
の高さH3 はフロントプレート 367の肉厚t1 +ストラ
イカ本体 362の肉厚t2 になり、かつ、穴 451の深さD
を変えないでフロントプレート 367を取りつけることが
できる。
【0046】次に、図19の組付はフロントプレート 36
7、ワッシャー 368、ストライカ本体362およびワッシャ
ー 368の順に組みつけている。この組付において、フロ
ントプレート 367の表面からストライカ本体 362の裏面
までの高さH2 はフロントプレート 367の肉厚t1 +ワ
ッシャー 368の肉厚t3 +ストライカ本体 362の肉厚t
2 となり、かつ、穴 451の深さDを変えないでフロント
プレート 367を取りつけることができる。
【0047】次に、図20の組付はフロントプレート 36
7、二枚のワッシャー 368、ストライカ本体 362の順に
組みつけている。この組付において、フロントプレート
367の表面からストライカ本体 362の裏面までの高さH
1 はフロントプレート 367の肉厚t1 +二枚のワッシャ
ー 368の肉厚2×t3 +ストライカ本体 362の肉厚t2
となり、かつ、穴 451の深さDを変えないでフロントプ
レート 367を取りつけることができる。
【0048】このように、フロントプレート 367、スト
ライカ本体 362および二枚のワッシャー 368を組み合わ
せて取りつけることにより、H1 〜H3 までフロントプ
レート 367の表面とストライカ本体 362の裏面の間の高
さ(フック5に対する前後方向)を調節することがで
き、フック5とストライカ本体 362との係合状態を調節
することができる。また、ストライカ本体 362の両端お
よびワッシャー 368にそれぞれU溝 365および 369を設
けたので、フロントプレート 367に設けた取付孔367a
に挿通した螺子に対して、ストライカ本体 362およびワ
ッシャー 368を上下方向に移動することができ、フック
5とストライカ本体 362との間の係合状態を前後および
上下方向に調節することができる。また、二枚のワッシ
ャー 368を用いることにより、穴 451の深さDを変える
ことなく取りつけることができるようになる。
【0049】図21はドアDの両面に設けられた把手42と
フックスライダ33との間の取り合いを示す図であり、把
手42に設けた突起44が図7および図8に示す把手取付孔
358に挿入されており、把手42に回動可能に設けられた
ノブ43の先端部 431で、フックスライダ33の頭部 333を
押すようにしている。
【0050】係合孔 331の他の実施例を図23に示す。こ
のフックスライダ33に設けた係合孔331′には、フック
5に設けた係合ピン 502が案内される傾斜角度αの傾斜
面 338が形成されている。このように、傾斜面 338を形
成することにより、フックスライダ33が移動して係合ピ
ン 502a が傾斜面 338b に押されて 502b に移動する間
のフックスライダ33の移動距離はLa であり、図3に示
す係合孔33のように傾斜面を備えていない場合に比べ
て、フックスライダ33の移動距離がLb =a1 /cos α
だけ短くなる。また、同様に更にフックスライダ33が移
動して係合ピン 502a が傾斜面 338c に押されて 502c
に移動する間のフックスライダ33の移動距離はLd であ
り、図3に示す係合孔33のように傾斜面を備えていない
場合に比べて、フックスライダ33の移動距離がLe =a
2 /cos αだけ短くなる。
【0051】すなわち、図3に示した係合孔33のように
傾斜面 338を備えていない場合にはフックスライダ33を
Lc 、Lf だけ移動しなければならないのに対して、傾
斜面338を設けた場合にはフックスライダ33の移動距離
がan /cos αだけ短いLa、Ld だけ移動すればよ
く、その分フック5の突出を早くすることができる。ま
た、同様に係合ピン 502e から 502d 、 502c への移動
においてもスライダ33の移動距離がan /cos αだけ短
くなり、その分フック5の引っ込みを早くすることがで
きる。
【0052】図25を用いて具体的に説明すると、まず
(A)の状態においては係合ピンは 502a の位置にあっ
てフック5は引っ込んでいる。そして、引き戸を矢印
(D)の方向に移動すると、スライドボタン4の先端が
ストライカ本体 362に当接して、フックスライダ33は矢
印(S)の方向に移動させられる。そこで、フックスラ
イダ33の移動量がLd になった時に(B)、係合ピンは
502c の位置にあり、軸34と係合ピン 502c およびピン
503が垂直状態になる。この垂直状態からフック5が突
出する方向に微小量フック5が回動すると、ねじりコイ
ルバネ37(図2参照)の弾性力により、フック5が突出
する方向に回動させられて、ストライカ本体362に係合
し施錠されると共に、係合孔 331と係合ピン 502との係
合により、フックスライダ33が図(C)における矢印
(S)方向に移動させられて、スライドボタン4の先端
とストライカ本体 362との間に、隙間Cができるように
なる。
【0053】次にこの施錠を解除して引き戸を開ける場
合には、スライドボタン4の先端とストライカ本体 362
との間の隙間C(一例を示せば略4mm)だけ、フックス
ライダ33を矢印(S)とは反対の方向に移動させること
により、フック5は5′の位置まで回動させられてフッ
ク孔 363とフック5との間に隙間C0 ができて施錠解除
され、引き戸を開けることができると共に、スライドボ
タン4を突出させ、かつ、フック5を引っ込めた(A)
の元の状態にすることができる。
【0054】図24において、フック5の先端に傾斜角度
βにした傾斜ガイド面 504を形成する。これにより、例
えばフック5が突出した状態で引き戸を閉めても、フッ
ク孔363の上縁が傾斜ガイド面 504に摺接してフック5
を5′の位置まで押し下げてフック5の先端がフック孔
363の上縁を通過し、ねじりコイルバネ37の弾性力によ
りフック5が5″の位置まで回動して、ストライカ本体
362に係合させることができるようになっている。
【0055】このように構成した本実施例の作用につい
て次に説明する。先ずこの引き戸用錠前の組付について
説明する。組付部品としてはフック5、スライドボタン
4、フックスライダ33、ねじりコイルバネ37およびスプ
リング47の五点である。図8において、ガイド面 351の
間にフックスライダ33の中央ガイド面 336(図3)を位
置させて、フックスライダ33をフックケース35の一方に
セットし、次に図2においてフックスライダ33の係合孔
331にフック5の係合ピン 502を係合した状態で、フッ
ク5に設けた軸34を図8に示す軸孔 354に挿入する。
【0056】これにより、フックスライダ33の先端ガイ
ド面 334(図3)が、フックケース35の壁面に形成した
ガイド面 353と軸34の間に位置するようになる。ここま
での組付においては、スプリングの弾性力が全くなく、
かつ、部品点数が少ないので、組付を容易にすることが
できる。そして、ねじりコイルバネ37の基端をスプリン
グ止め 332とフック5に設けたピン 503に支持した後
に、スライドボタン4のガイド孔 405をスプリング止め
332に嵌着し、スプリング受け 406と 339との間にスプ
リング47を装着する。そして、他方のフックケース35を
一方のフックケース35に合わせてカシメ等で結合する。
【0057】次に、図21に示すようにドアDの開閉方向
(矢印ハ)とフックスライダ33のスライド方向を一致さ
せ、フックスライダ33の頭部 333をノブ43の先端 431で
単に押すだけにし、両者を連結するための特別な機構を
不要にしたので、図1および図21に示すようにドアDに
開けられた穴にフックケース35を装着し、把手42の突起
44をフックケース35の把手取付孔 358に差し込んで把手
42をドアDに固定することにより、ドアDへの錠前の取
付を容易に行うことができる。
【0058】一方において、柱あるいは壁へのストライ
カ36の取付は、図1および図21に示すように柱等に掘ら
れた穴45にストライカ取付部材 361を嵌着し、ストライ
カ取付プレート40を柱等に取りつける。そして、ストラ
イカ本体 362は図12に示すように矢印イの方向に移動で
きるようになっているので、図1に示すようにストライ
カ本体 362とフック5の係止部 501との間の位置合わせ
をすることができ、また調整ねじ孔 404に螺合している
ねじにより、矢印ロの方向に移動して、ストライカ本体
362とフック5の係止部 501との間の間隙を調整し、フ
ック5によるドアD引きつけとロックおよびロック解除
が円滑になるようにすることができる。
【0059】また、図1に示すように、ドアDと柱W等
との間にクッション材46を介在して、ドアDの開き方向
へのロック状態において、フック5の係止部 501とスト
ライカ本体 362との間の密着性をよくし、柱W等へのド
アDの引きつけをよくすると共に、ドアDを閉めた時の
衝撃をなくすようにしてもよい。
【0060】次に、フックケース35に回動可能に軸支し
たフック5の係止部 501が、フックスライダ33の移動方
向と同一方向にフックケース35の底部より出没可能なよ
うにし、かつ、スライドボタン4をフックケース35の底
部からフックスライダ33の移動方向に出没可能に取り付
けるようにしたので、図21に示すように引き戸Dに設け
た把手42のノブ43を持ってドアDを矢印ハの方向に開け
ることにより、フック5の係止部 501とストライカ本体
362との間の係止を解除することができ、また把手42の
段部 421に手を掛けてドアDを閉めることにより、フッ
ク5の係止部 501とストライカ本体 362とを係止するこ
とができる。
【0061】これについて具体的に説明すると、図2
(A)において、フック5はねじりコイルバネ37の弾性
力により、軸34を回動中心とした時計方向の回転力が与
えられ、フック5の係止部 501とストライカ本体 362と
が係合して、ドアが閉められた状態でロックされてい
る。そして、ドアDを開ける時に図21に示すようにノブ
43に手を引っかけてノブ43を43′のように回動すること
により、ノブ43の先端 431でフックスライダ33の頭部 3
33を押し、フックスライダ33をドアDの開ける方向(矢
印ハ)とは逆の方向にスライドさせる。
【0062】すなわち、図2(A)の状態において、ス
ライドボタン4の先端とストライカ本体 362との間に設
けた隙間C(一例を示せば略4mm)だけフックスライダ
33を移動する。この間のフックスライダ33の移動ではド
アDはまだ開く方向に移動しないで、フックスライダ33
のみを移動させることができる。あるいは、この隙間C
を設けなくても、スプリング47を押し縮めながら、ドア
Dを開く方向に移動させないで、フックスライダ33のみ
を移動するようにすることもできる。また、隙間Cを設
けた場合には、この隙間Cを通して例えば金尺などの薄
い物を挿入して、フック5を押し下げることにより、図
(B)の状態にすることもできる。
【0063】このように、フックスライダ33を隙間C
(あるいはスプリング47を押し縮めて)だけ移動する
と、ねじりコイルバネ37の基端間隔K1を縮めながら、係
合孔 331と係合ピン 502との間の係合により、フック5
は軸34を回動中心として回動させられて、図2(B)の
状態になり、フック5の係止部 501がフック孔 363を通
過できる状態になると共に、スライドボタン4の先端が
ストライカ本体 362に当接し、ドアDが開けられる状態
になる。
【0064】そして、引き続き図21に示すノブ43に手を
掛けてドアDを開けることにより、図2(B)に示すよ
うにドアDは矢印(D)の方向に移動し、フックスライ
ダ33はノブ43の先端 431で押されて矢印(S)の方向に
スライドして、フック5を更に回動させると同時にスラ
イドボタン4を矢印(S)方向に突出させる。
【0065】そして、フック5がある回転角度まで回動
されると、ねじりコイルバネ37の基端間隔がK2まで押し
縮められていて大きな弾性力が働いており、かつ、係合
孔 331は係合ピン 502の直径よりも大きくなっていて、
フック5の回動がフックスライダ33とは無関係にある回
転角度だけ回動できるようになっているので、図2
(C)に示すようにフック5は自動的に反時計方向に回
動してフックケース35内に没して、ねじりコイルバネ37
の弾性力によりその状態が保たれると共に、スライドボ
タン4は最大突出量まで突出した状態になる。
【0066】次に、図21に示す把手42の段部 421に手を
掛けてドアDを図2(C)の矢印Dの方向に閉めると、
突出しているスライドボタン4がストライカ本体 362に
衝突して押され、フックスライダ33を矢印(S)の方向
に移動する。そして、係合孔331に係合している係合ピ
ン 502により、フック5は軸34を中心として、ねじりコ
イルバネ37の基端間隔K1を押し縮めながら時計方向に回
動して図2(B)の状態になり、フック5がある回転角
度になるとねじりコイルバネ37の弾性力により、係合ピ
ン 502が係合孔 331内を自由移動してフック5をフック
スライダ33の移動とは無関係に回動し、図2(A)のよ
うにスライドボタン4の先端とストライカ本体 362との
間に隙間Cを形成した状態で、ねじりコイルバネ37の弾
性力により、フック5の係止部 501とストライカ本体 3
62との係合を保持するようにしている。
【0067】このように、スライドボタン4をフックケ
ース35の底部からフックスライダ33の移動方向に出没可
能に、所定の弾性力を有するスプリング47を介して、フ
ックスライダ33に取り付けることにより、フックボタン
4は直接フックスライダ33により移動させられるので、
フックボタン4を移動させるためのスプリングやカムプ
レートを省略することができる。
【0068】そして、フックスライダ33とフック5の端
部との間をねじりコイルバネ37で連結し、フックスライ
ダ33の移動によってフック5が回転するように、フック
5とフックスライダ33とを連結したので、ロック部材を
用いることなく、ねじりコイルバネ37の弾性力により、
フック5の係止部 501とストライカ本体 363との間の係
合を維持して引き戸の開きをロックすることができ、開
き戸の開きロックの解除は、ロック解除部材を用いるこ
となく、フックスライダ33を移動してフック5を回動
し、フック5の係止部 501とストライカ本体 362の係合
を解除することができる。
【0069】また、フック5の回動抵抗はねじりコイル
バネ37の基端間隔K1からK2まで押し縮める力であり、か
つ、係合孔 331内において係合ピン 502が自由に移動で
き、更にノブ43の先端部 431とフックスライダ33の頭部
333とが離れているので、何らかの原因で開いているド
アDのフックケース35の底部からフック5が出ている場
合でも、軽い力でフック5をフックケース35内に納める
ことができて、手などをフック5に引っかけることもな
く、また図2(A)のようにドアDがロックされた状態
において、ノブ43を引いてもドアDが開かない場合で
も、ドアDとストライカ本体 362の間に薄いものを差し
込んで、フック5を回動し、錠前が故障した緊急時にお
いてもドアロックを解除することができる。
【0070】また、地盤沈下や木材の乾燥などにより、
ドア枠に歪みが発生し、図5に示すようにストライカ本
体 362の位置がずれて、(B)のように係止部 501がス
トライカ本体 362に当接するようになった場合に、ドア
を閉めた時に軸34に大きな力が働き、フック5や軸34を
曲げてしまうことがある。すなわち、ドアを閉めて
(A)のようにスライドボタン4がストライカ本体 362
に当接することにより、フックスライダ33が矢印(S)
の方向に押されて、フック5が軸34を中心に回動し係止
部 501が突出して、係止部 501がストライカ本体 362に
当接する。
【0071】そこで、スライドボタン4はスプリング47
を介して、フックスライダ33とは独立した状態で移動で
きるようになっているので、ドアを閉める力によってス
プリング47を押し縮めながら、フックスライダ33はフッ
ク5によって矢印(S)方向にLだけ移動させられると
共に、スライドボタン4はフックケース35内に押し戻さ
れて、スプリング47の弾性力により、軸34に働く衝撃力
を緩めることができる。また、このようにスプリング47
を設けることにより、スライドボタン4およびフック5
の係止部 501を同時に、フックケース35内に押し込むこ
とができる。
【0072】上記フックスライダ33のスライドにおい
て、図3に示すようにフックスライダ33には中央ガイド
面 336と先端ガイド面 334を形成し、図8に示すように
フックケース35に形成したガイド面 351とガイド面 353
および軸34によりガイドするようにしたので、フックス
ライダ33のスライドを円滑に行うことができる。また、
フックケース35にガイド面 351を設けると共に、壁面を
切り起こしてガイド面 353を形成したので、このガイド
面はプレス加工により簡単に形成することができると共
に、ガイドとしての特別な機構はなく、部品点数を少な
くすることができる。
【0073】上記説明では係合孔 331をフックスライダ
33にあけ、係合ピン 502をフック5に設けたものを示し
たが、係合孔 331をフック5にあけ、係合ピン 501をフ
ックスライダ33に設けるようにしてもその作用は同じで
ある。
【0074】
【発明の効果】以上詳述した通り請求項1の記載に基づ
いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれ
ば、フックケースに回動可能に軸支したフックの係止部
が、フックスライダの移動方向と同一方向にフックケー
スの底部より出没可能なようにし、かつ、スライドボタ
ンをフックケースの底部からフックスライダの移動方向
に出没可能に取り付け、引き戸の開閉移動方向とフック
スライダのスライド方向を一致させて、フックの係止部
とスライドボタンを出没させるので、特別な連結機構を
要することなく、ドアの開閉力を利用して施錠および施
錠の解除を行うことができ、部品点数を少なくして加工
性および組付性を向上すると共に、引き戸を開閉するだ
けで、施錠および施錠解除ができるので、その取扱を容
易にすることができる。
【0075】また、スプリングを介してスライドボタン
をフックスライダに取り付け、スライドボタンに軸方向
の無理な力が働いた時に、フックスライダとは切り離さ
れた単独の状態で、スライドボタンをフックスライダの
移動方向と同一方向にフックケースの底部より出没させ
るようにしたので、ストライカ本体とフックの係止部と
が干渉しても、錠前の損傷を防止することができる。
【0076】そして、フックスライダとフックの端部と
の間をねじりコイルバネで連結し、フックスライダの移
動によってフックが回転するように、フックとフックス
ライダとを連結し、ロック部材を用いることなく、ねじ
りコイルバネの弾性力により、フックの係止部とストラ
イカとの間の係合を維持して引き戸の開きをロックし、
開き戸の開きロックの解除は、ロック解除部材を用いる
ことなく、フックスライダを移動してフックを回動し、
フックの係止部とストライカの係合を解除するようにし
たので、部品点数をすくなくすることができ、加工性お
よび組付性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を一部縦断面して示した図で
ある。
【図2】図1に示した実施例の要部の作動状態を示した
図である。
【図3】図1におけるフックスライダの平面図である。
【図4】図3の一部を縦断面して示した側面図である。
【図5】図1に示した実施例の要部の作動状態を示した
図である。
【図6】図7のX−X線における縦断面図である。
【図7】図1におけるフックケースの一方を示す正面図
である。
【図8】図1におけるフックケースの組み立て分解斜視
図である。
【図9】図10のY−Y線におけるストライカの縦断面図
である。
【図10】図1におけるストライカの平面図である。
【図11】図10のZ−Z線における縦断面図である。
【図12】図1におけるストライカ取付プレートの縦断
面図である。
【図13】図12の平面図である。
【図14】図1におけるナットの平面図である。
【図15】ストライカの他の実施例のフロントプレート
の平面図である。
【図16】ストライカ本体の他の実施例を示す平面図で
ある。
【図17】ワッシャーの平面図である。
【図18】図15から図17に示すストライカの使用態様を
示す縦断面図である。
【図19】図15から図17に示すストライカの他の使用態
様を示す縦断面図である。
【図20】図15から図17に示すストライカの更に他の使
用態様を示す縦断面図である。
【図21】図1における把手とフックスライダとの関係
を示す横断面図である。
【図22】図1における把手の正面図である。
【図23】係合孔の他の実施例を示す模式図である。
【図24】フックが突出した状態で引き戸を閉めた時の
状態を示す図である。
【図25】図23における係合孔に対する要部の作動状
態を示した図である。
【図26】従来例を示す図である。
【図27】他の従来例を示す図である。
【図28】更に他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
4 スライドボタン 5 フック 501 係止部 502 係合ピン 503 ピン 33 フックスライダ 331 係合孔 34 軸 35 フックケース 37 ねじりコイルバネ 47 スプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き戸側に設けたフックケースの底部か
    らフックの係止部を出没させて、柱あるいは壁等に設け
    たストライカにフックの係止部を係合および係合解除す
    るようにした引き戸用錠前において、前記フックケース
    にフックを回動可能に軸支すると共に、該フックを回動
    させるためのフックスライダを移動可能に設け、該フッ
    クスライダの移動方向と同一方向にフックの前記係止部
    がフックケースの底部より出没可能なようにし、該フッ
    クスライダにスプリングを介して移動可能にスライドボ
    タンを設けると共に、フックスライダとスライドボタン
    とが一体となってフックケースの底部からフックスライ
    ダの移動方向に出没可能にし、フックスライダとフック
    の端部との間をねじりコイルバネで連結し、フックスラ
    イダの移動によってフックを回転するように、フックと
    フックスライダとを連結したことを特徴とする引き戸用
    錠前。
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JP2007270509A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Miwa Lock Co Ltd 引戸用錠前
KR101206563B1 (ko) 2008-08-26 2012-11-29 이판대 창호용 잠금장치
CN104440692A (zh) * 2014-12-07 2015-03-25 重庆市合川区均恒金属加工厂 滑杆锁定装置
JP2016044511A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 Ykk Ap株式会社 錠装置及び建具

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