JPH1121991A - バルコニ隅部用腕木 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルコニの隅部において簡単な構造により十
分な強度にて手摺フレームを取り付けることのできるバ
ルコニ隅部用腕木を提供する。 【解決手段】 手摺フレームの裏面部が接合される交差
する２面５１１ａ、５１１ｂを有する取付面部５１１Ｌ
をバルコニ隅部用腕木５１Ｃの先端部に設け、前記手摺
フレームが載置される支持片５１１Ｓを前記取付面部５
１１Ｌに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、バルコニの隅部
において、建物の構造躯体に接合されてバルコニの少な
くとも周縁部を支持するためのバルコニ隅部用腕木に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物のバルコニとして、例えば図
１４に示すように、梁５０上に鋼製のフレーム１０を固
定し、このフレーム１０の表側および裏側にパネル２０
をそれぞれ取付けることによって手摺壁を構成したもの
等が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなバルコニ
においては、フレーム１０の下端を梁５０上に接合する
ことにより、該フレーム１０を梁５０上に支持するよう
にしているため、フレーム１０を安定して支持し得る構
造とするためには、該フレーム１０の下端を相当な強度
にて梁５０上に接合する構造とする必要がある。

【０００４】また、上記のようなフレーム１０をバルコ
ニの隅部に配設する場合には、隣接するフレーム１０が
互いに角度をなすため、当該部位におけるフレーム１０
の取付構造が複雑となりやすいという問題がある。

【０００５】この発明は、以上の点に鑑み、バルコニの
隅部において簡単な構造により十分な強度にて手摺フレ
ームを取り付けることのできるバルコニ隅部用腕木を提
供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされたこの発明のバルコニ隅部用腕木は、建物の構
造躯体に接合されてバルコニの少なくとも周縁部を支持
する腕木であって、前記バルコニの隅部に配設される手
摺フレームの裏面部が接合される交差する２面を有する
取付面部が先端部に設けられ、前記手摺フレームが載置
される支持片が前記取付面部に設けられたことを特徴と
するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、この発明のバルコニ隅部
用腕木の一実施形態を示す斜視図である。同図に示すバ
ルコニ隅部用腕木５１Ｃは、先端部に取付面部５１１Ｌ
が設けられ、該取付面部５１１Ｌに支持片５１１Ｓが設
けられた構成となっている。

【０００８】腕木５１Ｃは、Ｈ形鋼よりなり、先端部に
取付面部５１１Ｌが設けられている。取付面部５１１Ｌ
は、上記Ｈ形鋼の先端に、該Ｈ形鋼の長さ方向に直交す
るように溶接により接合された第１の鋼製プレートＰ１
と、該第１の鋼製プレートＰ１の外面（バルコニの外側
方向を向いた面）にさらに直交するように（即ち上記Ｈ
形鋼の長さ方向に沿って）溶接により接合された第２の
鋼製プレートＰ２とで構成されている。上記第１の鋼製
プレートＰ１は、上記Ｈ形鋼の先端面を覆うとともにそ
の左方へ延出する長方形状を有し、第２の鋼製プレート
Ｐ２は、第１の鋼製プレートＰ１の外面において、上記
Ｈ形鋼の先端面のほぼ中央部にあたる位置から、直立し
た状態で外方（バルコニの外側方向）へ延びている。上
記第１の鋼製プレートＰ１の左側（延出側）の外面と、
第２の鋼製プレートＰ２の左側面とで、後記する手摺フ
レーム１の裏面部が接合される交差する２面５１１ａ、
５１１ｂが形成されている。

【０００９】上記取付面部５１１Ｌは、例えば図２の平
面図に示すように、腕木５１Ｃに対し手摺フレーム１が
左方および外方にそれぞれ延びるようにして配設される
場合に用いられる。一方、例えば図４の平面図に示すよ
うに、腕木５１Ｃに対し手摺フレーム１が右方および外
方にそれぞれ延びるようにして配設される場合には、図
３に示すように、前記図１に示す取付面部５１１Ｌと左
右対称に構成された取付面部５１１Ｒが設けられる。

【００１０】支持片５１１Ｓは、方形状の小片として形
成され、上記図１に示す取付面部５１１Ｌにおいて、第
１の鋼製プレートＰ１の延出側端部における下端縁から
外方（バルコニの外側方向）へ水平に突設されるととも
に、第２の鋼製プレートＰ２の外側端部における下端縁
から左方（第１の鋼製プレートＰ１の延出側方向）へ水
平に突設されている。上記支持片５１１Ｓには、それぞ
れ後記する手摺フレーム１が載置される。支持片５１１
Ｓは、第１および第２の鋼製プレートＰ１、Ｐ２とそれ
ぞれ予め一体的に形成されているが、別に調製した支持
片５１１Ｓを第１および第２の鋼製プレートＰ１、Ｐ２
にそれぞれ溶接により接合するようにしてもよい。ま
た、その形状やサイズも、手摺フレーム１を載置し得る
ものであれば特に限定されるものではない。

【００１１】図１に示す腕木５１Ｃの他方の先端部に
は、エンドプレート５１２Ａが設けられている。エンド
プレート５１２Ａは、腕木５１ＣのＨ形鋼の先端面の幅
および高さ方向の幅に等しい幅および高さ方向の幅を有
する方形状の鋼製プレートとなっており、該Ｈ形鋼の先
端面に溶接により接合されている。

【００１２】上記エンドプレート５１２Ａは、図１に示
すように、腕木５１Ｃを、梁（構造躯体）５の先端部
に、該梁５の長さ方向に沿って接合する場合に設けられ
る。腕木５１Ｃを梁５の側面部に接合する場合には、図
５に示すように、腕木５１ＣのＨ形鋼の先端面から突出
させるようにして、エンドプレート５１２Ｂが設けられ
る。このエンドプレート５１２Ｂは、Ｈ形鋼よりなる梁
５の上下の水平フランジ５Ｔ、５Ｂの間隔より若干小さ
い高さ方向の幅を有し、その中央部に突設された垂直片
が腕木５１Ｃの垂直面に重合され溶接により接合されて
いる。エンドプレート５１２Ｂの上端縁および下端縁
は、それぞれ内側（取付面部５１１Ｌ側方向）に反り返
った様態となっている。腕木５１Ｃを梁５の側面部に接
合する際には、エンドプレート５１２Ｂを梁５の上下の
水平フランジ５Ｔ、５Ｂの間に挿入するようにして該梁
５の垂直面５Ｐに重合し接合する。

【００１３】図６は、前記図５に示すように突出したエ
ンドプレート５１２Ｂが設けられた腕木５１Ｃにおい
て、左右対称に構成された別の取付面部５１１Ｒが設け
られた態様を示す図である。同図に示す取付面部５１１
Ｒは、前記図３に示すものと同様である。

【００１４】なお、後記の例のように、腕木５１Ｃの取
付面５１１ａ、５１１ｂに手摺フレーム１の横桟１３の
裏面部を接合し、支持片５１１Ｓに該手摺フレーム１の
横桟１３を載置するようにしてもよいが、例えば図７に
示すように、腕木５１Ｃの取付面５１１ａ、５１１ｂ
（図７では取付面５１１ｂは省略）に手摺フレーム１０
０の下端部の裏面を接合し、支持片５１１Ｓに該手摺フ
レーム１００の下端縁を載置するようにしてもよい。

【００１５】上記のように、腕木５１Ｃの取付面５１１
ａ、５１１ｂに手摺フレーム１の裏面部を接合するとと
もに、支持片５１１Ｓに該手摺フレーム１を載置する構
成とすることにより、手摺フレーム１を腕木５１Ｃの取
付面５１１ａ、５１１ｂと支持片５１１Ｓとの２箇所に
おいて支持することができる。したがって、手摺フレー
ム１を簡単な構造により十分な強度にて取り付けること
ができる。

【００１６】さらに、腕木５１Ｃの交差する２つの取付
面５１１ａ、５１１ｂに手摺フレーム１をそれぞれ接合
することにより、バルコニの隅部における手摺フレーム
１の取付構造を簡単なものとすることができる。

【００１７】図８は、バルコニの直線部（隅部以外の部
位）に配設される腕木（以下、直線部用腕木とも称す）
の一例を示す斜視図である。同図に示す直線部用腕木５
１においては、先端部の構成以外は、前記バルコニ隅部
用腕木と同様であり、このためその説明は省略する。

【００１８】直線部用腕木５１の先端部には、該腕木５
１の長さ方向に垂直に取付面５１１が設けられている。
取付面５１１は、腕木５１を構成するＨ形鋼の先端面の
幅および高さ方向の幅より若干大きい幅および高さ方向
の幅を有する方形状の鋼製プレートとなっており、該Ｈ
形鋼の先端面に溶接により接合されている。取付面５１
１には、手摺フレーム１の裏面部が接合される。

【００１９】支持片５１１Ｓは、上記取付面５１１の下
端縁の両端部からそれぞれ外方へ水平に突設されてい
る。この支持片５１１Ｓの構成は、前記バルコニ隅部用
腕木の場合と同様である。

【００２０】図９は、手摺フレームの一例を示す背面図
であり、図１０は図９の手摺フレームのＡ−Ａ部断面お
よびその取付構造を示す図である。図９および１０に示
す手摺フレーム１は、外枠１１の内側に、縦桟１２およ
び横桟１３を架設した構成となっている。

【００２１】外枠１１は、軽量リップ溝形鋼よりなる上
端部材１１Ｔ、下端部材１１Ｂ、左端部材１１Ｌおよび
右端部材１１Ｒを長方形状に組んでなり、該上端部材１
１Ｔと下端部材１１Ｂとの間には、軽量リップ溝形鋼を
組み合わせてなる縦桟１２が架設されている。縦桟１２
は、腕木５１に当接する部位に設けられている。

【００２２】外枠１１のサイズや縦桟１２の配設位置等
は、バルコニのサイズ、梁や腕木等の配置構成、手摺フ
レーム１の配設位置（例えば直線部、出隅部、入隅部
等）等に応じて適宜決定される。

【００２３】横桟１３は、やや幅広の溝形鋼よりなり、
その溝部を裏側に向けるようにして、上記外枠１１の左
右端部材１１Ｌ、１１Ｒと縦桟１２との間に水平に架設
されている。該横桟１３は、手摺フレーム１の下方（外
枠１１の下端部材１１Ｂとの間に若干の間隔をおいた高
さ位置）に配設されている。この横桟１３の下端は、図
１０に示すように、腕木５１Ｃ、５１の先端部に設けら
れた支持片５１１Ｓ上に載置される。

【００２４】横桟１３としては、溝形鋼以外にも、外枠
１１および縦桟１２と同様のリップ溝形鋼やその他の任
意の鋼材を用いてもよい。さらに、横桟１３は、少なく
とも腕木５１Ｃ、５１の支持片５１１Ｓに対応する部位
に設けられていればよい。

【００２５】横桟１３においては、外枠１１の左右端部
材１１Ｌ、１１Ｒの内側ならびに縦桟１２の両側のそれ
ぞれに沿って、取付片１４が配設されている。これら取
付片１４は、横桟１３より僅かに幅狭の短尺の溝形鋼よ
りなり、その溝部を横桟１３の溝部に対向させた状態
で、該横桟１３の溝部内に嵌入させるようにして接合さ
れている。これら取付片１４の露出面は、それぞれ、図
２および１０に示すように、腕木５１Ｃ、５１の先端部
に設けられた取付面部５１１Ｌ（または５１１Ｒ）、５
１１にそれぞれ接合される。

【００２６】取付片１４としては、腕木５１Ｃ、５１の
取付面部５１１Ｌ（または５１１Ｒ）、５１１に接合し
得るものであれば、上記のようなものに限定されるもの
ではなく、例えば、短尺の山形鋼の一方片を横桟１３の
下面または上面に接合し、該山形鋼の他方片を取付片と
すること等が可能である。

【００２７】手摺フレーム１をバルコニの隅部に取付け
る場合には、前記図２に示すように、該手摺フレーム１
の一方端部の裏面を、前記バルコニ隅部用腕木５１Ｃの
取付面部５１１Ｌの交差する２面５１１ａ、５１１ｂの
いずれかに接合するようにする。バルコニの直線部にお
いては、手摺フレーム１の裏面部を前記直線部用腕木５
１の取付面５１１に接合する。

【００２８】前記のように、横桟１３の下端を腕木５１
Ｃ、５１の支持片５１１Ｓ上に載置するとともに、取付
片１４を腕木５１Ｃ、５１の取付面部５１１Ｌ（または
５１１Ｒ）、５１１に接合する構造とすることにより、
手摺フレーム１を横桟１３の下端および裏面において支
持することができ、したがって、簡単な構造で、かつ十
分な強度にて手摺フレーム１を支持することができる。

【００２９】手摺フレーム１を取付ける際には、まず横
桟１３の下端を腕木５１Ｃ、５１の支持片５１１Ｓ上に
載置し、ついでこの状態で取付片１４を腕木５１Ｃ、５
１の取付面部５１１Ｌ（または５１１Ｒ）、５１１に接
合するようにすればよい。この方法によれば、取付片１
４の接合作業を行っている間、該手摺フレーム１を該支
持片５１１Ｓにより取付位置に保持しておくことがで
き、また手摺フレーム１の位置合わせも容易である。し
たがって、手摺フレーム１の取付作業を容易に行うこと
ができる。

【００３０】図１１は、手摺フレームの支持構造の一例
を示す上面図であり、図１２は図１１のＢ−Ｂ部断面図
である。図１１および１２に示す例において、手摺フレ
ーム１および腕木５１の構成、ならびに該手摺フレーム
１と腕木５１との取付構造は、前記図８、９および１０
に示す例の場合と同様であり、ここではその説明は省略
する。

【００３１】図１１および１２においては、梁５の先端
に、該梁５の長さ方向に沿って腕木５１が接合され、梁
５の先端部の側面に、該梁５に垂直に床梁５２が接合さ
れており、これらの水平材によってバルコニが支持され
る構造となっている。手摺フレーム１は、その下端が腕
木５１よりも下方にくるようにして該腕木５１に取付け
られ、この手摺フレーム１の下方部分と床梁５２との間
に方杖７が架設されている。

【００３２】手摺フレーム１は、前記図９に示すように
下端よりも上方に横桟１３を有し、この横桟１３の位置
で腕木５１の先端に取付けられている。これにより、図
１２に示すように手摺フレーム１の下端が腕木５１より
も下方にくるようになっている。

【００３３】方杖７は、図１３に示すように、リブを側
方に向けて傾斜させたリップ溝形鋼の上端に水平片７１
が固設された構成となっている。水平片７１は、長方形
状の鋼製プレートよりなり、その一方端近傍の下面に垂
下片７１１が溶接により接合され、さらにこの垂下片７
１１が上記リップ溝形鋼の側面（リブ形成側と反対側の
面）に重合され溶接により接合されている。水平片７１
の自由端側は、図１１および１２に示すように、床梁５
２の下面に重合されボルトにより締結される。

【００３４】方杖７の下端は、図１１、１２および１３
に示すように、ファスナ７２を介して手摺フレーム１の
下方部分に取付けられる。ファスナ７２は、図１３に示
すように、山形鋼よりなり、その一方片が方杖７の下端
近傍の側面（リブ形成側と反対側の面）に重合されボル
トにより締結される。ファスナ７２の他方片は、図１１
および１２に示すように、手摺フレーム１の外枠１１の
下端部材１１Ｂの上面に重合され、摺動ボルト７３によ
り締結される。摺動ボルト７３は、プレート７３ａ上に
ネジ棒７３ｂが固設されてなり、図１２に示すように、
該プレート７３ａがリップ溝形鋼よりなる上記下端部材
１１Ｂ内に挿入され、該下端部材１１Ｂの上面のリブの
間より突出したネジ棒７３ｂがファスナ７２に挿通され
る。摺動ボルト７３は下端部材１１Ｂの長さ方向に沿っ
てスライドし得るため、これにより方杖７の下端の取付
位置を調整することができる。

【００３５】上記のように、手摺フレーム１の下方部分
と床梁（建物本体の軸組）５２との間に方杖７を架設す
ることにより、手摺フレーム１の下方部分が、斜材であ
る方杖７に支持される。したがって、手摺フレーム１の
取付強度をさらに向上させることができる。

【００３６】なお方杖７は、リップ溝形鋼以外にも、溝
形鋼、山形鋼等の任意の鋼材を用いることもでき、その
取付構造も上記のようなものに限定されるものではな
い。さらに、方杖７の上端は、上記床梁５２等の建物本
体の軸組以外にも、腕木５１等の、バルコニを支持する
水平材に取付けるようにしてもよい。

【００３７】

【発明の効果】以上のように、この発明のバルコニ隅部
用腕木によれば、取付面に手摺フレームの裏面部を接合
するとともに、支持片に該手摺フレームを載置するよう
にしたので、手摺フレームを２箇所において支持するこ
とができる。したがって、手摺フレームを簡単な構造に
より十分な強度にて取り付けることができる。

【００３８】さらに、取付面部に設けられた交差する２
面にそれぞれ手摺フレームを接合するようにしたので、
バルコニの隅部における手摺フレームの取付構造を簡単
なものとすることができる。

【００３９】さらに、上記のように支持片に手摺フレー
ムを載置するようにしたことにより、手摺フレームを腕
木に接合する作業の間に該手摺フレームを取付位置に保
持しておくことができ、また手摺フレームの位置合わせ
も容易である。したがって、手摺フレームの取付作業を
容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態に係るバルコニ隅部用腕木を示す斜視
図。

【図２】図１の隅部用腕木を配設した状態を示す平面
図。

【図３】他の実施形態に係るバルコニ隅部用腕木を示す
斜視図。

【図４】図３の隅部用腕木を配設した状態を示す平面
図。

【図５】隅部用腕木の他の例を示す斜視図。

【図６】隅部用腕木の他の例を示す斜視図。

【図７】手摺フレームの取付構造の一例を示す側面図。

【図８】直線部用腕木の一例を示す斜視図。

【図９】手摺フレームの一例を示す背面図。

【図１０】図９の手摺フレームのＡ−Ａ部断面およびそ
の取付構造を示す図。

【図１１】手摺フレームの支持構造の一例を示す上面
図。

【図１２】図１１のＢ−Ｂ部断面図。

【図１３】図１１および１２の方杖およびその取付構造
を示す斜視図。

【図１４】従来のバルコニの一例を示す一部切欠斜視
図。

【符号の説明】

５１Ｃ バルコニ隅部用腕木 ５１１ａ、５１１ｂ 交差する２面 ５１１Ｌ 取付面部 ５１１Ｓ 支持片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の構造躯体に接合されてバルコニの
   少なくとも周縁部を支持する腕木であって、 前記バルコニの隅部に配設される手摺フレームの裏面部
   が接合される交差する２面を有する取付面部が先端部に
   設けられ、 前記手摺フレームが載置される支持片が前記取付面部に
   設けられたことを特徴とするバルコニ隅部用腕木。