JPH0752868Y2 - 建築用出隅材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、長方形の板材を鉄骨柱或は梁等に係止してつ
くられる建築物の表面のコーナーに強固に取り付けられ
る、軽量で表面に支持ビス等が露出せず、外観のよい建
築用出隅材に関する。

〔従来の技術〕 従来、鉄骨柱、或は梁に長方形の板材を張り付ける建築
工法が広く行われている。これら建築工法において、相
隣る外壁等の面が角度を持って間隔をおいて突合わされ
るコーナーは、外観をよくするため、第５図および第６
図に一例を示すように、長方形の板材１によって形成さ
れる相隣る外壁2,2′の縁2a,2′ａに当接する縦方向の
縁3a,3aを有する出隅材３が用いられる。上記出隅材３
の面3bは横方向に湾曲し、縁3a,3aがそれぞれ外壁の縁2
a,2′ａに当接するように形成されている。

上記、出隅材３は、第７図に示すように相隣る外壁2,
2′の縁2a,2′ａ近傍の所定の位置に配置されたＣチャ
ンネル４等に係止ビス５によって取付けられ出隅６が形
成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記出隅材３は、位置を考慮して配置さ
れたＣチャンネル４に係止ビス５を挿通して止めつけら
れるので、水もれの原因となり、パテ処理が必要とな
り、人手を要するばかりでなく、が外観が損なわれ、ま
た構造的に弱い等の不都合があった。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、強度が高
く、適宜配置された、建築物コーナー近傍の鉄骨に取付
けることが出来、しかも外表面に外観を損なう係止ビス
等が露出することのない出隅材を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案に係る出隅材は、建
築物の相隣る面の間隔をおいて突合う縁に両側縁が接続
されるように形成された表面板部と、この表面板部の裏
面に一体に形成され、建築物の鉄骨柱或は梁に係止され
る横方向および／または縦方向のリブとを設けたことを
問題解決の手段とした。

〔作用〕

本考案は上記の構成となっているので、表面板部は裏面
に一体に形成されたリブによって補強され、またリブが
鉄骨に係止されるので表面板部の外面に外観を損なうビ
ス等が露出することがない。

〔実施例〕

第１図および第２図は、本考案に係る出隅材の一実施例
をしめすもので、第７図と同一部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。

図中11は出隅材12の表面板部で、この表面板部11は横方
向に湾曲し、その縦方向の両縁11a,11aは、相隣る外壁
2,2′の縁2a,2′ａと当接するように形成されている。
この表面板部11の裏面には一体に形成された横方向のリ
ブ13および縦方向のリブ14が設けられており、横方向の
リブ13にはボルト孔15が適宜穿設されている。また上記
出隅材12の上端には、表面板部11に沿って表面板部11の
下縁17が表面を同一面として接続させる位置ぎめリブ18
が設けられている。

上記出隅材12を外壁コーナーに止め付けるには、まず、
コーナー最下部に出隅材を配置し、ボルト孔15にアング
ル材19の一端をボルト止めし、他端をコーナーの近傍の
Ｈ鋼20等の鉄骨柱に溶接固定する。次いでこの出隅材の
位置ぎめリブ18に出隅材12の表面板部下縁17を当接し
て、同様にしてＨ鋼に固定する。これを下から上に順次
行うことによって湾曲した同一面の外観のよい出隅が形
成される。

上記出隅材12の長さは、取扱い易い重量であればよく、
これを下から上に向かって順次接続積上げけばよいの
で、コーナーの長さが長くとも対応できる。当然のこと
ながら取扱いが可能であれば、接続することなく、長尺
の表面板部とリブとよりなる一体物の出隅材を用いても
よい。

上記出隅材の製法は特に制限ないが、例えば湾曲した型
の面に、モルタルをガン吹きする公知の方法によって所
定の厚さの表面板部11を形成し、これに縦横のリブ13,1
4,位置ぎめリブ18を形成する合成樹脂発泡体等によって
造られた型を取付け、モルタルを流し込んだり、或はリ
ブ13,14,18を形成し発泡体の隙間にガン吹きもする等し
て一体のリブを形成する。上記モルタルは強度を高める
ため、ガラス繊維等の無機繊維を混合したモルタルを用
いるのが望ましい。

上記説明では表面板部の裏面に縦横のリブを設けたが、
第３図に示すように横方向のリブ11のみでもよい。また
縦方向のリブのみとすることもできる。

また、表面板部11は横方向に湾曲した面としたがこれに
限るものでなく、相隣る外壁の縁2a,2′ａに表面板部11
の両縁11aが当接すればよく、例えば角形等であっても
よい。

さらに、外壁面が鋸歯状のようになっている場合には、
第４図に示すように、出隅材12の表面板部11もこれにあ
わせて形成し、これをコーナーに取付けて外観のよい出
隅をつくることができる。この際、表面板部11の下端に
横方向の支持リブ21を形成し、これに位置ぎめリブ18を
嵌合する溝22を形成することによって、上記外壁と連続
した形状の出隅が形成される。

また、表面部材として表面を凹形とし裏面にリブを形成
することによって入隅のコーナーにも対応できる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案の出隅材は、建築物の相隣る外面の
コーナーに取付けられ、裏面のリブによって鉄骨に取付
けられるもので、外面にビス等が露出することなく、ま
た表面板部はリブによって補強されるので、外観のよい
強度の高い出隅が形成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の出隅材の一実施例を示す斜視図、第
２図はこれをコーナーに取付けた状態を示す、第１図の
II−II線矢視相当図、第３図は出隅材の他の例を示す第
２図相当図、第４図は、出隅材のさらに他の例を示す斜
視図、第５図ないし第７図は従来の出隅材を示すもの
で、第５図は斜視図、第６図は第５図のＶI−ＶI線矢視
図、第７図は第６図のＶIＩ−ＶIＩ線矢視図である。 １……長方形の板材、2,2′……相隣る外壁、2a,2′ａ
……縁、３……出隅材、3a……縦方向の縁、3b……面、
４……Ｃチャンネル、５……係止ビス、６……出隅、11
……表面板部、11a……縦方向の縁、12……出隅材、13
……横方向のリブ、14……縦方向のリブ、15……ボルト
孔、16……出隅材の上端、17……表面板部の下縁、18…
…位置ぎめリブ、19……アングル材、20……Ｈ鋼、21…
…支持リブ、22……溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長方形の板材によって形成された建築物外
   面の、相隣る面を連続する建築用出隅材において、上記
   相隣る面の、間隔をおいて突合う縁に両側縁が接続され
   るように形成された表面板部と、この表面板部の裏面に
   一体に形成され、建築用の鉄骨柱或は梁に係止される横
   方向および／または縦方向のリブとを設けたことを特徴
   とする建築用出隅材。