JPH11219771A - 層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ - Google Patents
層状燃焼方式エンジン用スパークプラグInfo
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- JPH11219771A JPH11219771A JP10036758A JP3675898A JPH11219771A JP H11219771 A JPH11219771 A JP H11219771A JP 10036758 A JP10036758 A JP 10036758A JP 3675898 A JP3675898 A JP 3675898A JP H11219771 A JPH11219771 A JP H11219771A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01T—SPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
- H01T13/00—Sparking plugs
- H01T13/46—Sparking plugs having two or more spark gaps
- H01T13/467—Sparking plugs having two or more spark gaps in parallel connection
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- H—ELECTRICITY
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- H01T—SPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
- H01T13/00—Sparking plugs
- H01T13/02—Details
- H01T13/14—Means for self-cleaning
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 補助ギャップ付スパークプラグにおいて、層
状燃焼方式を採用するエンジンにおいても耐熱性および
耐汚損性を向上させて、ワイドレンジ化を図ろうとする
ものである。 【解決手段】 中心電極（３）と主体金具（４）の接続
された接地電極（５）との間において主ギャップ（６）
を形成すると共に、この主体金具（４）の開口端（７）
の突条内縁（８）との間で補助ギャップ（９）を形成し
ている。この主体金具（４）の棚部（１０）から下方の
内壁面（１１）を、主体金具（４）先端方向に向かって
少なくとも０．６ｍｍ以上径小とする先細化し、また、
上記主体金具（４）の棚部（１０）から下方の内壁面
（１１）とにより形成される空間を小さすることによっ
て、高温の燃焼ガスの侵入を低減し、絶縁体に対する熱
負荷を低減すると共にカーボンの侵入を低減することに
よって汚損を防ぐ。これによって、耐熱性および耐汚損
性を著しく向上させて、プラグのワイドレンジ化を図る
ことができる。
状燃焼方式を採用するエンジンにおいても耐熱性および
耐汚損性を向上させて、ワイドレンジ化を図ろうとする
ものである。 【解決手段】 中心電極（３）と主体金具（４）の接続
された接地電極（５）との間において主ギャップ（６）
を形成すると共に、この主体金具（４）の開口端（７）
の突条内縁（８）との間で補助ギャップ（９）を形成し
ている。この主体金具（４）の棚部（１０）から下方の
内壁面（１１）を、主体金具（４）先端方向に向かって
少なくとも０．６ｍｍ以上径小とする先細化し、また、
上記主体金具（４）の棚部（１０）から下方の内壁面
（１１）とにより形成される空間を小さすることによっ
て、高温の燃焼ガスの侵入を低減し、絶縁体に対する熱
負荷を低減すると共にカーボンの侵入を低減することに
よって汚損を防ぐ。これによって、耐熱性および耐汚損
性を著しく向上させて、プラグのワイドレンジ化を図る
ことができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状燃焼方式を採
用するくすぶりの非常に生じ易いエンジンにおいても高
電圧印加時に絶縁体の先端面から奥方へのフラッシュオ
ーバーを効果的に抑制するように正規の接地電極の他に
補助ギャップを有するスパークプラグの構造に関する。
用するくすぶりの非常に生じ易いエンジンにおいても高
電圧印加時に絶縁体の先端面から奥方へのフラッシュオ
ーバーを効果的に抑制するように正規の接地電極の他に
補助ギャップを有するスパークプラグの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、内燃機関において使用されるスパ
ークプラグには、先端に向かって径小となるテーパー状
の絶縁体に保持された中心電極と、この絶縁体を固持し
てなる主体金具先端に接合された接地電極とにより形成
される主ギャップの他に、この主体金具の開口端の突条
内縁と、上記絶縁体に保持される中心電極との間で補助
ギャップを形成するものがある。かかるスパークプラグ
においては、中心電極を保持する絶縁体を固持してなる
主体金具の内壁面は、絶縁体が保持する中心電極の中心
軸からほぼ同径、すなわち主体金具の開口端に対してほ
ぼ垂直である。
ークプラグには、先端に向かって径小となるテーパー状
の絶縁体に保持された中心電極と、この絶縁体を固持し
てなる主体金具先端に接合された接地電極とにより形成
される主ギャップの他に、この主体金具の開口端の突条
内縁と、上記絶縁体に保持される中心電極との間で補助
ギャップを形成するものがある。かかるスパークプラグ
においては、中心電極を保持する絶縁体を固持してなる
主体金具の内壁面は、絶縁体が保持する中心電極の中心
軸からほぼ同径、すなわち主体金具の開口端に対してほ
ぼ垂直である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の内燃機関用
スパークプラグでは主体金具内に固持される絶縁体の脚
部表面と、主体金具の主として棚部から先端の内壁面と
により形成される空間（以下ガスボリュームともいう）
が先端に向かって大きくなる。内燃機関の燃焼室内にお
いて混合気に着火したときに発生する燃焼ガスは上記ガ
スボリューム内に侵入し易い。従って、高速運転時には
高温の燃焼ガスが上記ガスボリューム内に侵入するた
め、主体金具内に固持される絶縁体の脚部の受ける熱負
荷が大変厳しいものとなり、脚部における耐熱性が低下
する場合がある。
スパークプラグでは主体金具内に固持される絶縁体の脚
部表面と、主体金具の主として棚部から先端の内壁面と
により形成される空間（以下ガスボリュームともいう）
が先端に向かって大きくなる。内燃機関の燃焼室内にお
いて混合気に着火したときに発生する燃焼ガスは上記ガ
スボリューム内に侵入し易い。従って、高速運転時には
高温の燃焼ガスが上記ガスボリューム内に侵入するた
め、主体金具内に固持される絶縁体の脚部の受ける熱負
荷が大変厳しいものとなり、脚部における耐熱性が低下
する場合がある。
【０００４】絶縁体の脚部での耐熱性の低下を防止する
ために、主体金具の内壁面を中心電極の中心軸からほぼ
同径のままでガスボリュームを小さくしようとすると、
主体金具の奥部、例えば主体金具の棚部近辺において
は、絶縁体の表面と主体金具の内壁面との間隔は著しく
近接する。このため、特に始動時等のエンジンの冷えた
状態では、濃混合気の不完全燃焼に伴って発生するカー
ボンが主体金具の奥部に侵入して絶縁体の表面に付着、
堆積する。この絶縁体表面に付着、堆積したカーボン
は、火花リークを起こし、カーボン汚損が著しい場合に
はこの火花リークによる始動性の低下を誘発する場合が
ある。
ために、主体金具の内壁面を中心電極の中心軸からほぼ
同径のままでガスボリュームを小さくしようとすると、
主体金具の奥部、例えば主体金具の棚部近辺において
は、絶縁体の表面と主体金具の内壁面との間隔は著しく
近接する。このため、特に始動時等のエンジンの冷えた
状態では、濃混合気の不完全燃焼に伴って発生するカー
ボンが主体金具の奥部に侵入して絶縁体の表面に付着、
堆積する。この絶縁体表面に付着、堆積したカーボン
は、火花リークを起こし、カーボン汚損が著しい場合に
はこの火花リークによる始動性の低下を誘発する場合が
ある。
【０００５】特に、燃焼室内に直接燃料を噴射するエン
ジン（以下筒内噴射エンジンともいう）においては、く
すぶりを生じ易く、火花リークを起こし易かった。即
ち、筒内噴射エンジンにおいてはその特徴の一つに、圧
縮行程において燃料を噴射することによってスパークプ
ラグの発火部近傍に濃混合気を形成しスパークプラグに
よる燃焼をさせる行程を有する（以下「層状燃焼方式」
ともいう）という点が挙げられる。これによって、燃焼
室内部のトータルとしての混合比を薄くすることがで
き、低燃費化を図ることができる。この層状燃焼方式で
は燃料噴射タイミングを圧縮行程の所定の点火時期近く
に設定し、点火プラグ近傍の濃混合気によって燃焼させ
るようにしたもので、例えば特開平４−１８３９２２号
公報、及び特開昭５８−１７８８３５号公報に開示され
ている。このような層状燃焼方式では、上述したように
スパークプラグの発火部近傍の混合気は非常に濃く設定
されており、しかも燃焼温度がそれほど高くならないの
でスパークプラグにカーボン汚損によるくすぶりを生じ
る場合がある。
ジン（以下筒内噴射エンジンともいう）においては、く
すぶりを生じ易く、火花リークを起こし易かった。即
ち、筒内噴射エンジンにおいてはその特徴の一つに、圧
縮行程において燃料を噴射することによってスパークプ
ラグの発火部近傍に濃混合気を形成しスパークプラグに
よる燃焼をさせる行程を有する（以下「層状燃焼方式」
ともいう）という点が挙げられる。これによって、燃焼
室内部のトータルとしての混合比を薄くすることがで
き、低燃費化を図ることができる。この層状燃焼方式で
は燃料噴射タイミングを圧縮行程の所定の点火時期近く
に設定し、点火プラグ近傍の濃混合気によって燃焼させ
るようにしたもので、例えば特開平４−１８３９２２号
公報、及び特開昭５８−１７８８３５号公報に開示され
ている。このような層状燃焼方式では、上述したように
スパークプラグの発火部近傍の混合気は非常に濃く設定
されており、しかも燃焼温度がそれほど高くならないの
でスパークプラグにカーボン汚損によるくすぶりを生じ
る場合がある。
【０００６】ところで、スパークプラグは、カーボン等
が絶縁体に付着しても、火花清浄作用により、カーボン
を焼き切ったり飛ばしたりして汚損の進行を防止し、中
心電極−主体金具間の絶縁抵抗（ＭΩ値）の低下を抑え
ることができる。
が絶縁体に付着しても、火花清浄作用により、カーボン
を焼き切ったり飛ばしたりして汚損の進行を防止し、中
心電極−主体金具間の絶縁抵抗（ＭΩ値）の低下を抑え
ることができる。
【０００７】しかし、筒内噴射エンジンのような層状燃
焼方式の場合には、火花清浄作用が追いつかず、カーボ
ン汚損が進行する。カーボン汚損が進行すると、絶縁抵
抗（ＭΩ値）が低下し、フラッシュオーバーを起こし易
く、エンジン不調（エンジンストール、アイドル不調、
ドライバビリティ不良、始動不良）に陥る場合がある。
焼方式の場合には、火花清浄作用が追いつかず、カーボ
ン汚損が進行する。カーボン汚損が進行すると、絶縁抵
抗（ＭΩ値）が低下し、フラッシュオーバーを起こし易
く、エンジン不調（エンジンストール、アイドル不調、
ドライバビリティ不良、始動不良）に陥る場合がある。
【０００８】そこで、この発明は上記従来の問題を改善
するものであり、ガスボリュームを小さくして高温燃焼
ガスの侵入による耐熱性の低下を防止すると共に、絶縁
体表面と主体金具の内壁面との距離を確保してくすぶり
を生じ易い層状燃焼方式を採用するエンジンであっても
カーボンに対する耐汚損性を向上させて、火花リークを
起こし難く、広範囲の使用条件で混合気中に正規の火花
放電を発生できるスパークプラグの提供にある。
するものであり、ガスボリュームを小さくして高温燃焼
ガスの侵入による耐熱性の低下を防止すると共に、絶縁
体表面と主体金具の内壁面との距離を確保してくすぶり
を生じ易い層状燃焼方式を採用するエンジンであっても
カーボンに対する耐汚損性を向上させて、火花リークを
起こし難く、広範囲の使用条件で混合気中に正規の火花
放電を発生できるスパークプラグの提供にある。
【０００９】
【課題を解説するための手段および作用・効果】そのた
めに、層状燃焼方式エンジン用スパークプラグは、先端
に向かって径小となる絶縁体に保持された中心電極と、
この絶縁体を固持された主体金具先端に接続された接地
電極との間で主ギャップを形成すると共に、この主体金
具の開口端の突条内縁との間で補助ギャップを形成し、
上記主体金具の棚部から先端側の内壁面を、主体金具先
端方向に向かって絶縁体と略同一程度に径小とされたも
のである。そして該先細化の程度は、少なくとも０．６
ｍｍ以上径小にすることが望ましい。このように構成す
ることによって、ガスボリュームが小さくなるために、
燃焼室内における混合気の燃焼に伴って発生する高温の
燃焼ガスの侵入を少なくでき、絶縁体の表面は高温の燃
焼ガスに曝され難くなる。その結果、耐熱性を向上させ
ることができる。また、濃混合気の不完全燃焼に伴って
発生するカーボンの絶縁体の表面への付着、堆積を最小
限とすることができる。更に、絶縁体の表面とこの絶縁
体を固持する主体金具の内壁面との距離を確保すること
ができるので、カーボンの付着、堆積が生じても火花リ
ークを防止することができる。そのため、内燃機関の始
動性、特に寒冷時における始動性を向上させることがで
きるものとなる。
めに、層状燃焼方式エンジン用スパークプラグは、先端
に向かって径小となる絶縁体に保持された中心電極と、
この絶縁体を固持された主体金具先端に接続された接地
電極との間で主ギャップを形成すると共に、この主体金
具の開口端の突条内縁との間で補助ギャップを形成し、
上記主体金具の棚部から先端側の内壁面を、主体金具先
端方向に向かって絶縁体と略同一程度に径小とされたも
のである。そして該先細化の程度は、少なくとも０．６
ｍｍ以上径小にすることが望ましい。このように構成す
ることによって、ガスボリュームが小さくなるために、
燃焼室内における混合気の燃焼に伴って発生する高温の
燃焼ガスの侵入を少なくでき、絶縁体の表面は高温の燃
焼ガスに曝され難くなる。その結果、耐熱性を向上させ
ることができる。また、濃混合気の不完全燃焼に伴って
発生するカーボンの絶縁体の表面への付着、堆積を最小
限とすることができる。更に、絶縁体の表面とこの絶縁
体を固持する主体金具の内壁面との距離を確保すること
ができるので、カーボンの付着、堆積が生じても火花リ
ークを防止することができる。そのため、内燃機関の始
動性、特に寒冷時における始動性を向上させることがで
きるものとなる。
【００１０】更に、上記スパークプラグにおいて、主体
金具先端方向に向かって径小とされた主体金具の棚部か
ら先端に向けての内壁面を、段差を有しない平滑なテー
パー形状とすることが好ましい。
金具先端方向に向かって径小とされた主体金具の棚部か
ら先端に向けての内壁面を、段差を有しない平滑なテー
パー形状とすることが好ましい。
【００１１】
【発明の実施の形態】この発明を図１および図２に示す
実施形態により更に説明する。図１はこの発明の層状燃
焼方式エンジン用スパークプラグ（１）の部分断面図を
示すものであり、図２（イ）、（ロ）は、その要部拡大
断面図を示すものである。この層状燃焼方式エンジン用
スパークプラグ（１）は、以下の構成を有する。中心電
極（３）は、先端にＮｉ合金の外皮内に良熱伝導性のＣ
ｕ、Ｃｕ合金を封入した複合電極からなり、先端方向に
向かってテーパ状に径小としてなる脚部（２’）を有す
るアルミナ焼結体からなる絶縁体（２）内に保持されて
いる。そして、絶縁体（２）は、後述する補助ギャップ
（９）を形成する突条内縁（８）をその開口端（７）に
周設してなる主体金具（４）に保持されている。主体金
具（４）には、中心電極（３）の先端に対向する位置に
Ｎｉ合金からなる接地電極（５）を溶接等によって配設
されており、この中心電極（３）と接地電極（５）との
間で通常火花放電を行う主ギャップ（６）を形成する。
絶縁体（２）にカーボンの付着等で絶縁抵抗が低下した
場合には、主ギャップ（６）での火花放電に代わって中
心電極（３）と突条内縁（８）との間で形成された補助
ギャップ（９）によって混合気への着火を行う。
実施形態により更に説明する。図１はこの発明の層状燃
焼方式エンジン用スパークプラグ（１）の部分断面図を
示すものであり、図２（イ）、（ロ）は、その要部拡大
断面図を示すものである。この層状燃焼方式エンジン用
スパークプラグ（１）は、以下の構成を有する。中心電
極（３）は、先端にＮｉ合金の外皮内に良熱伝導性のＣ
ｕ、Ｃｕ合金を封入した複合電極からなり、先端方向に
向かってテーパ状に径小としてなる脚部（２’）を有す
るアルミナ焼結体からなる絶縁体（２）内に保持されて
いる。そして、絶縁体（２）は、後述する補助ギャップ
（９）を形成する突条内縁（８）をその開口端（７）に
周設してなる主体金具（４）に保持されている。主体金
具（４）には、中心電極（３）の先端に対向する位置に
Ｎｉ合金からなる接地電極（５）を溶接等によって配設
されており、この中心電極（３）と接地電極（５）との
間で通常火花放電を行う主ギャップ（６）を形成する。
絶縁体（２）にカーボンの付着等で絶縁抵抗が低下した
場合には、主ギャップ（６）での火花放電に代わって中
心電極（３）と突条内縁（８）との間で形成された補助
ギャップ（９）によって混合気への着火を行う。
【００１２】そして、主体金具（４）の内壁面（１１）
の棚部（１０）から先端方向の内壁面（１１’）は、主
体金具（４）の先端方向、すなわち突条内縁（８）を周
設する開口部（７）に向かって、絶縁体（２）の脚部
（２’）のテーパと同程度の平滑なテーパー状となって
いる。
の棚部（１０）から先端方向の内壁面（１１’）は、主
体金具（４）の先端方向、すなわち突条内縁（８）を周
設する開口部（７）に向かって、絶縁体（２）の脚部
（２’）のテーパと同程度の平滑なテーパー状となって
いる。
【００１３】この発明の実施形態である層状燃焼方式エ
ンジン用スパークプラグ（１）は以上の構成を備えるの
で、中心電極（３）を保持する絶縁体（２）と、この絶
縁体（２）を固持する主体金具（４）の内壁面（１１）
とにより形成されるガスボリューム（１２）は、その内
壁面（１１）が主体金具（４）の開口部（７）に対して
ほぼ垂直をなしている場合よりも小さくなる。従って、
燃焼室内で混合気の燃焼に伴って発生する高速運転時に
おける高温の燃焼ガスのガスボリューム（１２）への侵
入を少なくすることができるので、主体金具（４）内の
絶縁体（２）の表面は高温の燃焼ガスに曝され難くな
る。特に脚部（２’）が受ける冷熱サイクルによる熱負
荷を低減することができるため、耐熱性を向上すること
ができる。また、燃焼室内で濃混合気の不完全燃焼に伴
って発生するカーボンの絶縁体の表面への付着、堆積を
最小限とすることができる。さらに、たとえ絶縁体表面
にカーボンが付着、堆積しても、絶縁体（２）の脚部
（２’）表面と主体金具（４）の内壁面（１１）との距
離を十分に確保できるため、絶縁抵抗の低下を少なくで
き、耐汚損性を向上することができる。
ンジン用スパークプラグ（１）は以上の構成を備えるの
で、中心電極（３）を保持する絶縁体（２）と、この絶
縁体（２）を固持する主体金具（４）の内壁面（１１）
とにより形成されるガスボリューム（１２）は、その内
壁面（１１）が主体金具（４）の開口部（７）に対して
ほぼ垂直をなしている場合よりも小さくなる。従って、
燃焼室内で混合気の燃焼に伴って発生する高速運転時に
おける高温の燃焼ガスのガスボリューム（１２）への侵
入を少なくすることができるので、主体金具（４）内の
絶縁体（２）の表面は高温の燃焼ガスに曝され難くな
る。特に脚部（２’）が受ける冷熱サイクルによる熱負
荷を低減することができるため、耐熱性を向上すること
ができる。また、燃焼室内で濃混合気の不完全燃焼に伴
って発生するカーボンの絶縁体の表面への付着、堆積を
最小限とすることができる。さらに、たとえ絶縁体表面
にカーボンが付着、堆積しても、絶縁体（２）の脚部
（２’）表面と主体金具（４）の内壁面（１１）との距
離を十分に確保できるため、絶縁抵抗の低下を少なくで
き、耐汚損性を向上することができる。
【００１４】また、このスパークプラグ（１’）は、図
２（ｂ）に示すように、主体金具（４）の棚部（１０）
の角部に丸み（Ｒ）を形成してもよい。この丸み（Ｒ）
を設けることにより、絶縁体表面から主体金具（４）の
内壁面（１０）への火花リークが生じ難くなり、耐汚損
性を向上することができる。
２（ｂ）に示すように、主体金具（４）の棚部（１０）
の角部に丸み（Ｒ）を形成してもよい。この丸み（Ｒ）
を設けることにより、絶縁体表面から主体金具（４）の
内壁面（１０）への火花リークが生じ難くなり、耐汚損
性を向上することができる。
【００１５】また、図３に示すものは、この発明のその
他の実施形態である層状燃焼方式エンジン用スパークプ
ラグ（１’）である。この層状燃焼方式エンジン用スパ
ークプラグ（１’）は、固持してなる主体金具（４）の
内壁面（１１）の主として棚部（１０）から先端側の内
壁面（１１’）を、主体金具（４）の先端方向、すなわ
ち突条内縁（８）を周設する開口部（７）に向かって、
絶縁体（２）の脚部（２’）のテーパと同程度のテーパ
ー状とし、かつ、主体金具（４）の棚部（１０）から下
方の内壁面（１１”）には段差（１３）を形成してい
る。
他の実施形態である層状燃焼方式エンジン用スパークプ
ラグ（１’）である。この層状燃焼方式エンジン用スパ
ークプラグ（１’）は、固持してなる主体金具（４）の
内壁面（１１）の主として棚部（１０）から先端側の内
壁面（１１’）を、主体金具（４）の先端方向、すなわ
ち突条内縁（８）を周設する開口部（７）に向かって、
絶縁体（２）の脚部（２’）のテーパと同程度のテーパ
ー状とし、かつ、主体金具（４）の棚部（１０）から下
方の内壁面（１１”）には段差（１３）を形成してい
る。
【００１６】
【実施例】そこで、この発明の実施例である内燃機関用
スパークプラグ（１）において、その耐汚損性及び耐熱
性について実際に実機に装着して、主体金具（４）の内
壁面（１１）が、その開口端（７）に対して垂直をなす
従来のものを比較例として、その効果について検討し
た。ここで、耐熱性についての試験は、１８００ｃｃ、
４サイクル、４気筒の層状燃焼方式エンジンを使用し
て、点火時期（ＢＴＤＣ）を可変してプレイグニッショ
ン発生進角で評価するものである。また耐汚損性につい
ての試験は、同じエンジンを使用して、層状燃焼状態で
あるアイドリング６００ｒｐｍで１時間運転した後、電
極間の絶縁抵抗を測定し評価するものである。これらの
試験の結果、この発明の実施例である内燃機関用スパー
クプラグ（１）は、主体金具の内壁面の径差が０．６ｍ
ｍ以上で明らかに耐熱性を向上することができ（図４参
照）、また比較例と比較して耐汚損性（図５参照）にお
いてその効果が顕著に認められた。
スパークプラグ（１）において、その耐汚損性及び耐熱
性について実際に実機に装着して、主体金具（４）の内
壁面（１１）が、その開口端（７）に対して垂直をなす
従来のものを比較例として、その効果について検討し
た。ここで、耐熱性についての試験は、１８００ｃｃ、
４サイクル、４気筒の層状燃焼方式エンジンを使用し
て、点火時期（ＢＴＤＣ）を可変してプレイグニッショ
ン発生進角で評価するものである。また耐汚損性につい
ての試験は、同じエンジンを使用して、層状燃焼状態で
あるアイドリング６００ｒｐｍで１時間運転した後、電
極間の絶縁抵抗を測定し評価するものである。これらの
試験の結果、この発明の実施例である内燃機関用スパー
クプラグ（１）は、主体金具の内壁面の径差が０．６ｍ
ｍ以上で明らかに耐熱性を向上することができ（図４参
照）、また比較例と比較して耐汚損性（図５参照）にお
いてその効果が顕著に認められた。
【００１７】
【発明の効果】以上のとおり、絶縁体と主体金具の内壁
面とにより形成されるガスボリュームを小さくすること
によって、高速運転時における高温の燃焼ガスの侵入を
最小限とすることができると共に、濃混合気の不完全燃
焼によって生じるカーボンを含んだ燃焼ガスの侵入を最
小限とすることができる。従って、絶縁体に対する熱負
荷を低減すると共にカーボンの付着による汚損を防いで
耐熱性及び耐汚損性を著しく向上させ、プラグのワイド
レンジ化を可能とする優れた効果を有するものである。
面とにより形成されるガスボリュームを小さくすること
によって、高速運転時における高温の燃焼ガスの侵入を
最小限とすることができると共に、濃混合気の不完全燃
焼によって生じるカーボンを含んだ燃焼ガスの侵入を最
小限とすることができる。従って、絶縁体に対する熱負
荷を低減すると共にカーボンの付着による汚損を防いで
耐熱性及び耐汚損性を著しく向上させ、プラグのワイド
レンジ化を可能とする優れた効果を有するものである。
【図１】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグの部分断面図である。
ラグの部分断面図である。
【図２】（イ），（ロ）この発明の実施例である内燃機
関用スパークプラグの要部拡大断面図である。
関用スパークプラグの要部拡大断面図である。
【図３】この発明のその他の実施例である内燃機関用ス
パークプラグの要部拡大断面図である。
パークプラグの要部拡大断面図である。
【図４】この発明の実施例についての耐汚損性試験の結
果を示した図である。
果を示した図である。
【図５】この発明の実施例についての耐熱性試験の結果
を示した図である。
を示した図である。
１、１’ 内燃機関用スパークプラグ ２ 絶縁体 ２’（絶縁体の）脚部 ３ 中心電極 ４ 主体金具 ５ 接地電極 ６ 主ギャップ ７ 開口端 ８ 突条内縁 ９ 補助ギャップ １０ 棚部 １１、１１’、１１” 内壁面 １２ 空間
Claims (3)
- 【請求項１】 先端に向かって径小とされた絶縁体に保
持された中心電極と、前記絶縁体を固持してなる主体金
具先端に設けられた接地電極との間で主ギャップを形成
し、圧縮行程において燃料を噴射することによってスパ
ークプラグの発火部近傍に濃混合気を形成しスパークプ
ラグによる燃焼をさせる行程を含む（以下「層状燃焼方
式」という）エンジン用スパークプラグであって、前記
主体金具の開口端の突条内縁との間で補助ギャップを形
成し、上記主体金具の棚部から先端側の内壁面を、主体
金具先端方向に向かって絶縁体と略同一程度に径小とさ
れた層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ。 - 【請求項２】 先端に向かって径小となる絶縁体に保持
された中心電極と、前記絶縁体を固持してなる主体金具
先端に設けられた接地電極との間で主ギャップを形成し
た層状燃焼方式エンジン用スパークプラグであって、前
記主体金具の開口端の突条内縁との間で補助ギャップを
形成し、上記主体金具の棚部から先端側の内壁面を、主
体金具先端方向に向かって少なくとも０．６ｍｍ以上径
小にしてなる層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ。 - 【請求項３】 前記主体金具先端方向に向かって少なく
とも０．６ｍｍ以上径小となる主体金具の棚部から先端
側の内壁面を、段差を有しない平滑なテーパー形状とし
てなる請求項１または請求項2に記載の層状燃焼方式エ
ンジン用スパークプラグ。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10036758A JPH11219771A (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | 層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ |
| US09/233,994 US6215233B1 (en) | 1998-02-02 | 1999-01-19 | Spark plug |
| DE69900112T DE69900112T2 (de) | 1998-02-02 | 1999-02-01 | Zündkerze |
| EP99300733A EP0933846B1 (en) | 1998-02-02 | 1999-02-01 | Spark plug |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10036758A JPH11219771A (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | 層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11219771A true JPH11219771A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12478661
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10036758A Pending JPH11219771A (ja) | 1998-02-02 | 1998-02-02 | 層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ |
Country Status (4)
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|---|---|
| US (1) | US6215233B1 (ja) |
| EP (1) | EP0933846B1 (ja) |
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