JPH1187014A - 層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ - Google Patents

層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ

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JPH1187014A
JPH1187014A JP25768197A JP25768197A JPH1187014A JP H1187014 A JPH1187014 A JP H1187014A JP 25768197 A JP25768197 A JP 25768197A JP 25768197 A JP25768197 A JP 25768197A JP H1187014 A JPH1187014 A JP H1187014A
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JP
Japan
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tip
center electrode
insulator
spark plug
combustion engine
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JP25768197A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Matsubara
佳弘 松原
Hiroshi Ono
浩史 大野
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発火部におけるフラッシュオーバーが発生し
難く、広範囲の使用条件で混合気中に正規の火花放電を
発生できる。 【解決手段】 先端が燃焼室内にある中心電極3と、中
心電極3を保持する絶縁体と、シリンダに取り付けられ
て絶縁体を固持する主体金具8とからなる。中心電極3
は、絶縁体内に挿入される円柱部30と、円柱部30の
後端側に接続し円柱部30よりも外径が大きく絶縁体内
に係止される鍔部とからなる。円柱部30の先端部31
は先端に向かって先細りの略円錐台状の段差部33と、
段差部33の先端面39に接合し先端面39と同径の円
板状の耐火花消耗性部材の貴金属チップ34とからな
る。円柱部30と段差部33との境界36が絶縁体の脚
長部62の先端面63の内側に位置する。また、段差部
33の先端面39は脚長部62の先端面63の外側に位
置する。さらには、中心電極3の先端37は、絶縁体の
先端外周部と内接する円錐面を形成し,この円錐面の中
心角が110°以下となるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状燃焼方式を採
用するくすぶりの非常に生じ易いエンジンにおいても高
電圧印加時に絶縁体の先端面から奥方へのフラッシュオ
ーバーを効果的に抑制するように改良を加えたスパーク
プラグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、混合気中で火花放電を発生させる
スパークプラグは、棒状の中心電極と、中心電極を内部
に保持する絶縁体と、絶縁体を内部に保持する主体金具
と、中心電極の先端部との間に気中の放電ギャップを形
成する接地電極を有する構造になっている。そして、中
心電極の先端部と接地電極との間の放電ギャップで火花
放電を行わせている。この構成を有するスパークプラグ
には、図8に示すように着火性を向上させるため中心電
極の先端側を円柱部100と円柱部100の先端側に接
続し先端に向かって先細りの略円錐台形状の段差部10
1と段差部101の先端側に接続し中心電極の先端に至
る小円柱部102を有するものが知られている。さら
に、斯かる小円柱部102はPt−Ir合金等の貴金属
材料により形成したものが知られている。
【0003】また、中心電極の円柱部100と段差部1
01との境界103が絶縁体の先端面104よりも外側
に有る場合、境界103の位置での電界強度は大きくな
る。このため、中心電極と接地電極との間の正規の放電
ギャップでの放電よりも、図8中に記号FOで示すよう
に、境界103より主体金具に至るフラッシュオ−バー
を起こし易くなることがある。
【0004】特に、燃焼室内に直接燃料を噴射するエン
ジン(以下筒内噴射エンジンともいう)においては、特
にくすぶりを生じ易くフラッシュオーバーを起こし易か
った。即ち、筒内噴射エンジンにおいてはその特徴の一
つに、圧縮行程において燃料を噴射することによってス
パークプラグの発火部近傍に濃混合気を形成しスパーク
プラグによる燃焼をさせる行程を有する(以下「層状燃
焼方式」ともいう)という点が挙げられる。これによっ
て、燃焼室内部のトータルとしての混合比を薄くするこ
とができ、低燃費化を図ることができる。この層状燃焼
方式では燃料噴射タイミングを圧縮行程の所定の点火時
期近くに設定し、点火プラグ近傍の濃混合気によって燃
焼させるようにしたもので、例えば特開平4−1839
22号公報、及び特開昭58−178835号公報に開
示されている。このような層状燃焼方式では、上述した
ようにスパークプラグの発火部近傍の混合気は非常に濃
く設定されており、しかも燃焼温度がそれほど高くなら
ないのでスパークプラグにカーボン汚損によるくすぶり
を生じる場合がある。
【0005】また、合衆国特許第4、914、344号
では、境界が絶縁体3の先端面より内側にあるものの、
中心電極1の先端部からは補助ギャッツプS2を介して
第3の電極4の先端部41に容量放電させる構成である
から、勢い絶縁体3の先端面へのフラッシュオ−バーを
起こすことがある。さらに、合衆国特許第4、845、
400号では、境界はもとより中間円錐台部31自体が
絶縁体2の先端面から内方に埋没しているため、中間円
錐台部31と絶縁体2の先端部の内周面との間に広い空
間が生じ、この空間に篭もった熱により中心電極先端部
を早期に劣化する不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スパークプ
ラグは、カーボン等が絶縁碍子に付着しても、火花清浄
作用により、カーボンを焼き切ったり飛ばしたりして汚
損の進行を防止し、絶縁抵抗(MΩ値)の低下を抑える
ことができる。
【0007】しかし、筒内噴射エンジンのような層状燃
焼方式の場合には、火花清浄作用が追いつかず、また、
燃焼温度もそれほど高くならないので堆積したカーボン
が熱によって燃焼する自己清浄作用も生じ難いためカー
ボン汚損が進行する場合がある。カーボン汚損が進行す
ると、絶縁抵抗(MΩ値)が低下し、フラッシュオーバ
ーを起こし易くエンジン不調(エンジンストール、アイ
ドル不調、ドライバビリティ不良、始動不良)に陥り易
い。
【0008】本発明の目的は、くすぶりを生じ易い層状
燃焼方式を採用するエンジンであっても、フラッシュオ
ーバーを起こし難く、広範囲の使用条件で混合気中に正
規の火花放電を発生できるスパークプラグの提供にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、棒状の中心
電極と、前記中心電極を内部に保持する絶縁体と、前記
絶縁体を内部に保持する主体金具と、前記中心電極の先
端部との間に気中の放電ギャップを形成する接地電極を
有する層状燃焼方式エンジン用スパークプラグにおい
て、前記中心電極の前記先端部は、先細り段差部を有す
るとともに、該先細り段差部の先端面に耐火花消耗性部
材を備へ、前記中心電極の円柱部と前記先細り段差部と
の境界が前記絶縁体の先端面よりも内側にあるととも
に、前記先細り段差部の先端面は前記絶縁体の先端面よ
りも外側に位置することを特徴とする。
【0010】この場合、本発明の層状燃焼方式エンジン
用スパークプラグにおいては、前記中心電極と同軸で、
中心角が110°以下である円錐面に前記絶縁体の先端
外周が内接するとともに、前記中心電極の前記先端部が
内接していることが望ましい。
【0011】さらに、本発明の層状燃焼方式エンジン用
スパークプラグにおいては、前記中心電極の先端部は、
前記接地電極の先端部に対向する部位に耐火花消耗性部
材として貴金属材料が用いられていてもよい。
【0012】また、本発明では、棒状の中心電極と、前
記中心電極を内部に保持する絶縁体と、前記絶縁体を内
部に保持する主体金具と、前記中心電極の先端部との間
に気中の放電ギャップを形成する接地電極を有する層状
燃焼方式エンジン用スパークプラグにおいて、前記中心
電極の先端部は、先細り段差部を有するとともに、該先
細り段差部の先端面に前記段差部の先端面と同径で前記
中心電極の先端に至る小円柱部を備え、前記接地電極の
先端部が前記小円柱部の側面に対向し、前記中心電極の
円柱部と前記先細り段差部との境界が前記絶縁体の先端
面よりも内側にあるとともに、前記先細り段差部の先端
面は前記絶縁体の先端面よりも外側に位置することを特
徴とする。
【0013】この場合、本発明の層状燃焼方式エンジン
用スパークプラグにおいては、前記中心電極と同軸で、
中心角が110°以下である円錐面に前記絶縁体の先端
外周が内接するとともに、前記中心電極の前記先端部が
内接していることが望ましい。
【0014】さらに、本発明の層状燃焼方式エンジン用
スパークプラグにおいては、少なくとも前記中心電極の
先端部は、前記接地電極の先端部に対向する部位に耐火
花消耗性部材として貴金属材料が用いられていてもよ
い。
【0015】さらには、前記耐火花消耗性部材として用
いた貴金属材料は、Pt、Ir、Pt合金、Ir合金、
あるいはそれらにY2 3 などの酸化物を含んだ合金の
うち少なくとも一つからなることが望ましい。
【0016】
【発明の作用及び効果】本発明に係る中心電極において
は、絶縁体内に保持される円柱部、先細り段差部を備
え、中心電極の円柱部と該先細り段差部との境界を前記
絶縁体の先端面よりも内側に位置させるとともに、前記
先細り段差部の先端面は前記絶縁体の先端面よりも外側
に位置させている。このように、段差部の境界を絶縁体
の先端面より内側に位置するように引っ込ませているの
で、フラッシュオーバーの行程が長くなり、フラッシュ
オーバー電圧が高くなる。従って、通常の運転ではフラ
ッシュオーバーを起こし難い。すなわち、段差部の境界
から絶縁体の段座に至る間の電位が、正規の放電ギャッ
プ間の電位よりも常に高くなるので、高電圧印加の点火
時には正規の火花放電を生じ、絶縁体の先端面から奥方
へのフラッシュオーバーを効果的に抑制できるものであ
る。
【0017】また、中心電極における先細り段差部の先
端面を絶縁体の先端面より外側に位置させたので、先細
り段差部の外周と絶縁体の先端内周との間の空間が小さ
くなる。この結果、絶縁体の先端部から先細り段差部へ
熱が伝達し易くなり、絶縁体が過加熱状態になることを
防止できる。
【0018】また、前記中心電極と同軸で、中心角が1
10°以下である円錐面に絶縁体の先端外周を内接する
とともに、前記中心電極の先端部が内接している。この
理由は以下のような利点があるためである。フラッシュ
オーバー抑制のためには火花放電用の放電電圧を低減す
る必要があり、その一手法として、中心電極の先端部と
絶縁体の先端外周とに内接する円錐面の中心角を小さく
設定し、絶縁体の先端外周を小さくするのが効果的であ
ることを見出した。これにより、比較的低い放電電圧で
もって電極間には正規の火花放電を生じ、絶縁体の先端
面奥方へのフラッシュオーバーを効果的に抑制できるも
のである。
【0019】さらには、電極の先端部には、耐火花消耗
性部材としてPt、Ir、Pt合金、Ir合金、あるい
はそれらにY2 3 などの酸化物を含んだ合金を代表す
る貴金属材料を用いているので、電極の消耗を抑制で
き、長寿命化を実現し得るものである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の層状燃焼方式エン
ジン用スパークプラグを、図1および図2に示す第1の
実施形態に基づき説明する。本実施形態の層状燃焼方式
エンジン用スパークプラグは平行電極型であり、自動車
の内燃機関用で各シリンダに取り付けられて使用され
る。層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ1は、図1
に示すように点火コイルの2次コイルに電気的に接続さ
れ先端が燃焼室(図示しない)内にある中心電極3と、
中心電極3を保持する絶縁体6と、シリンダに取り付け
られて絶縁体6を内部に固持する主体金具8とからな
る。
【0021】鋼材よりなるハウジングである主体金具8
の先端面には、中心電極3の先端部と対向し放電ギャッ
プGを形成する接地電極2が抵抗溶接等の接合手段を用
いて接合されている。そして主体金具8の外周には、内
燃機関の各シリンダヘッドに取り付けるための雄ねじ部
82および締付け用レンチ等の工具を係合させるための
六角部83が形成されている。
【0022】中心電極3は、耐熱性、耐食性に優れたニ
ッケル合金よりなる電極母材内に熱伝導性に優れる導電
性金属よりなる芯材を封入し、冷間押出し成形により一
体形成される。中心電極3は、絶縁体6の軸孔60内に
挿入される円柱部30と、円柱部30の後端部に接続し
円柱部30よりも外径が大きく絶縁体6の軸孔60内に
係止される鍔部35とからなる。
【0023】ここで、中心電極3における先端部31
は、円柱部30に一体成形され先端部側に向かって、例
えば略円錐台状に形成された先細り段差部33と、該段
差部33の先端面39に接合され先端面39と同径の円
板状の耐火花消耗性部材としての貴金属チップ34とか
らなる。なお、貴金属チップ34は、Pt、Ir、Pt
合金、Ir合金、あるいはそれらにY2 3 などの酸化
物を含んだ合金のうち少なくとも一つからなりレーザ溶
接、抵抗溶接等により先細り段差部33の先端面39に
接合している。また貴金属チップ34の代りに耐火花消
耗性を有する高クロムチップ或いはクロムにセラミック
粉末を分散したクロム合金等を用いてもよい。これによ
り電極の消耗を抑制でき、長寿命化を実現し得るもので
ある。また、先細り段差部33を特に略円錐台状に形成
したのは、これにより先細り段差部33自体の容積を大
きく確保でき熱引き性を向上でき、中心電極の先端部が
過度に加熱されるといった不具合を回避できるからであ
る。
【0024】端子電極4は、導電性金属(例えば軟鋼)
により一体成形される。端子電極4は、丸棒状の軸部4
0と、軸部40の一端に形成され絶縁体6の後端に当接
する軸部40より径大の円環をなす鍔状の係止部43
と、係止部43に形成され2次コイルに接続する端子部
44とからなる。軸部40は、絶縁体6及び導電性ガラ
スシール材52との密着を高めるため、先端側の外周に
ねじを形成した先端ねじ部41を有する。
【0025】中心電極3は先端部が燃焼室内に突出する
ように絶縁体6の軸孔60内に配され、また、2次コイ
ルに接続する端子電極4が軸孔60内の中心電極3の後
端部に配されている。中心電極3と端子電極4との間に
は、モノリシック抵抗体粉末51が導電性ガラスシール
材52に挟持され軸孔60内に封着されている。絶縁体
6は、主体金具8との間に滑石粉末7によって気密状態
に固定されている。
【0026】絶縁体6は、酸化アルミニウム(Al2
3 :アルミナ)を主成分とするもので、焼結助剤を添加
して焼成してなるセラミックス焼結体である。また、絶
縁体6には先端部から後端部に至る軸方向の軸孔60が
貫通している。
【0027】この軸孔60の先端側に中心電極3が挿入
されるとともに段部66に鍔部35が当接し、軸孔60
内の中心電極3の鍔部35上に導電性ガラスシール材5
2及びモノリシック抵抗体粉末51、さらに導電性ガラ
スシール材52が充填され、端子電極4が挿入されて加
熱・圧縮されて、これらが絶縁体6の軸孔60内に一体
に封着される。
【0028】そして、絶縁体6は、軸孔60の後端部に
挿入された端子電極4の軸部40を覆うコルゲーション
部61と、軸孔60の先端部に挿入された中心電極3を
覆い燃焼室内の混合気に晒される脚長部62と、コルゲ
ーション部61と脚長部62との間に形成され主体金具
8と係合する径大の係合部67とからなる。
【0029】コルゲーション部61の外周には、端子電
極4と主体金具8との間に生ずるフラッシュオーバーの
発生電圧を上げるための段が設けられている。そして、
主体金具8の内腔に設けた段部84に絶縁体6の段座6
8を係止し、内腔とコルゲーション部61との間の滑石
粉末7を配して主体金具8の後端部85を内方に加締め
て絶縁体6が固定される。
【0030】そして、図2に示すように中心電極3の円
柱部30と先細り段差部33との境界36が絶縁体6の
先端面63よりも、例えば0.2mmないし0.3mm
だけ内側に位置させているとともに、先細り段差部33
の先端面39を絶縁体6の先端面63の外部に位置させ
ている。また、中心電極3の先端37と接地電極2の先
端部21との間には所定の放電ギャップGが形成され、
絶縁体6の先端面63から中心電極3の先端37までは
2mmの長さS(図5(a)における記号Sに対応す
る)を有する。
【0031】〔実施形態の作用および効果〕このよう
に、中心電極3の円柱部30と先細り段差部33との境
界36を絶縁体6の先端面63よりも内側に位置させた
ので、フラッシュオーバーに長めの行程が必要になり、
フラッシュオーバー電圧が高くなり、フラッシュオーバ
ーを引起こし難くしている。すなわち、中心電極3にお
ける段差部33の境界36から絶縁体6の段座68に至
る間の電位が、正規の放電ギャップ間の電位よりも常に
高くなるので、高電圧印加の点火時においても、中心電
極3と接地電極2の正規の放電ギャップで火花放電を生
じ、絶縁体6の先端面63から奥方へのフラッシュオー
バーを効果的に抑制できる。
【0032】〔放電電圧特性〕次に、加圧チャンバ内の
圧力と放電電圧の関係について示す。図3に示すよう
に、本発明の第1実施形態である中心電極3の突出量S
が2.0mmで、かつ先細り段差部33の境界36が絶
縁体6の先端面63より0.2mmだけ絶縁体6内に引
込むように位置した放電ギャップ1.1mmの層状燃焼
方式エンジン用スパークプラグAは、本発明の第1実施
形態にて説明した理由により絶縁体6の先端外周64に
対するフラッシュオーバー発生に要する電圧が高くな
る。このため、フラッシュオーバーの発生電圧V1は、
従来の境界36が絶縁体6の先端面63より外側へ0.
2mm突出したスパークプラグBの発生電圧V2より2
kV向上することができる。また、中心電極3の先端3
7の外周と絶縁体6の先端外周64とに内接する円錐面
の中心角θが110°以下をなすように形成したので、
図5(b)に示すように、外方に広く引き延びたような
等電界曲線分布Eqとならない。従って、絶縁体6の先
端外周64の外径が大きい場合と異なり、比較的低い放
電電圧で、中心電極3と接地電極2の間の正規の放電ギ
ャップで火花放電を生じ、絶縁体6の先端面63から奥
方へのフラッシュオーバーを効果的に抑制できるもので
ある。
【0033】〔失火試験〕また、図4には失火試験を行
った結果を示す。本試験では、1800cc直列4気筒
DOHC方式を採用し燃焼室内に直接燃料を噴射するエ
ンジンであり、層状燃焼方式をとる40km/h相当で
走行した場合の失火状態を調べたものである。A1及び
A2は図8に示す従来のスパークプラグを当該エンジン
に装着した場合の試験結果を表し、B1及びB2は本実
施形態のスパークプラグを当該エンジンに装着した場合
の試験結果を表す。この棒グラフの白抜き部分は中心電
極と接地電極間の絶縁抵抗値が50MΩ以上(1000
ボルトメガー)を示す試験開始からの経過時間を表し、
黒色部分は失火を生じる割合が1時間あたり5回以上1
0回以下の経過時間を表したものである。本実施形態の
層状燃焼方式エンジン用スパークプラグでは、失火を生
じ難いことが分かる。
【0034】〔実施形態の効果〕本実施形態の層状燃焼
方式エンジン用スパークプラグは、失火を生じ難く、高
い放電電圧までフラッシュオーバーを発生することなく
使用できる。即ち、失火を生じた場合にはスパークプラ
グ周りに形成された濃混合気は充分に燃焼せずにスパー
クプラグ周りに堆積し、カーボン汚損を生ずる。このカ
ーボン汚損が進行すると更にフラッシュオーバーを発生
しやすくなり、失火の回数が増加するようになる。特に
接地電極、中心電極の消耗が進行し、正規の放電ギャッ
プで放電するために必要な放電電圧が高くなってくると
よりフラッシュオーバーを起こし易くなる。このため、
高放電電圧が要求される電極の消耗時や高い燃焼室内圧
力のエンジンでも使用できる。
【0035】〔第2実施形態〕次に、本発明の層状燃焼
方式エンジン用スパークプラグを、図3ないし図5に示
す第2実施形態に基づき説明する。本実施形態の層状燃
焼方式エンジン用スパークプラグは、第1実施形態のス
パークプラグ1と次の点で相違する。
【0036】絶縁体6の先端面63から中心電極3の先
端37までは突出量Sが2.0mm未満(1.5mm)
である。また、図5(a)に示すように、中心電極3の
先端37の外周と絶縁体6の先端外周64に内接する円
錐面を形成し、この円錐面の中心角θが110°以下を
なすように形成されている。この中心角θは、便宜上、
円錐面を中心軸を含む平面で切断して得られた三角形断
面の頂角を採用している。この中心角θの放電電圧に対
する特性を図6に示す。
【0037】〔実施形態の効果〕本実施形態の層状燃焼
方式エンジン用スパークプラグは、中心角θを小さくす
るほど放電電圧を低くすることができる。この結果から
もわかるように中心電極3の先端径が太いほど効果が大
きい。中心角は100°以下にすることが望ましい。中
心角θが90°以下にすると角度を小さくしていくこと
による放電電圧低減の効果は小さくなる。
【0038】〔第3実施形態〕次に、本発明の層状燃焼
方式エンジン用スパークプラグを、図7に示す第3実施
形態に基づき説明する。本実施形態の層状燃焼方式エン
ジン用スパークプラグ10は、多極型のスパークプラグ
であり第1実施形態の層状燃焼方式エンジン用スパーク
プラグ1と次の点で相違する。
【0039】中心電極3の先端部31は、略円錐台状に
形成された先細り段差部33と、この段差部33の先端
面39と同径の小円柱部38とを先端部31に形成し、
主体金具8には複数の接地電極14を設け、小円柱部3
8の先端側面に接地電極14の先端部15を対向させ
る。また小円柱部38は、接地電極14の先端部15が
対向する位置に、第1実施形態と同様の白金等の薄い円
板状の貴金属チップ34を公知のレーザ溶接、塑性加工
により設けている。そして、先細り段差部33の先端面
39を絶縁体6の先端面63よりも外部に位置させると
ともに、先細り段差部33の境界36は、同様に絶縁体
6の先端面63より絶縁体6内に引込むように内側に位
置している。この場合にも、第2実施形態と同様に、図
5に示す円錐面の中心角θとの幾何学的関係を満たすよ
うに構成してもよい。
【0040】〔実施形態の効果〕本実施形態の層状燃焼
方式エンジン用スパークプラグは、特にディストリビュ
ータレスイグナイタ(DLI)式点火装置を備えた内燃
機関に用いられ、燃焼室において高い放電電圧まで内部
フラッシュオーバーを発生することなく使用できる。こ
のため、高い燃焼室内圧力まで使用できる。
【0041】〔変形例〕第1ないし第3実施形態におい
て、中心電極3の先細り段差部33と円柱部30との周
状の境界36に、曲率半径0.1mmあるいはそれ以上
の丸みRをつけてもさらにフラッシュオーバーの発生す
る放電電圧が上り、フラッシュオーバー電圧を上昇させ
ることができる。
【0042】
【発明の効果】高い放電電圧までフラッシュオーバーが
発生しないことから、混合気中に中心電極と接地電極と
の間の正規の放電ギャップで火花放電を発生できるた
め、内燃機関の着火性を高めることができる。特に、層
状燃焼方式を採用する筒内噴射エンジンにおいて有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の層状燃焼方式エンジン
用スパークプラグの正面半断面図である。
【図2】図1の層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ
の発火部の要部拡大断面図である。
【図3】放電電圧と加圧チャンバー内の圧力との関係を
示すグラフである。
【図4】失火試験の結果を表すグラフである。
【図5】(a)は本発明の第2実施形態の絶縁体の先端
部の拡大正面図で、(b)は前記先端部の等電界曲線の
分布状態を示す概略図である。
【図6】放電電圧と円錐面の中心角θとの関係を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の第3実施形態の層状燃焼方式エンジン
用スパークプラグの発火部の要部拡大断面図である。
【図8】従来の層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ
の中心電極および絶縁体の先端部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1、10 層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ 2 接地電極 3 中心電極 6 絶縁体 8 主体金具 30 円柱部 31 先端部 33 段差部 34 貴金属チップ(耐火花消耗性部材) 36 境界 37 中心電極の先端 38 小円柱部 39 段差部の先端面 62 脚長部(絶縁体) 63 脚長部の先端面 64 脚長部の先端外周 G 放電ギャップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状の中心電極と、 前記中心電極を内部に保持する絶縁体と、 前記絶縁体を内部に保持する主体金具と、 前記中心電極の先端部との間に気中の放電ギャップを形
    成する接地電極を有し、圧縮行程において燃料を噴射す
    ることによってスパークプラグの発火部近傍に濃混合気
    を形成しスパークプラグによる燃焼をさせる行程を有す
    る(以下「層状燃焼方式」という)エンジン用スパーク
    プラグにおいて、 前記中心電極の前記先端部は、先細り段差部を有すると
    ともに、該先細り段差部の先端面に耐火花消耗性部材を
    備へ、 前記中心電極の円柱部と前記先細り段差部との境界が前
    記絶縁体の先端面よりも内側にあるとともに、前記先細
    り段差部の先端面は前記絶縁体の先端面よりも外側に位
    置することを特徴とする層状燃焼方式エンジン用スパー
    クプラグ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の層状燃焼方式エンジン
    用スパークプラグにおいて、 前記中心電極と同軸で、中心角が110°以下である円
    錐面に前記絶縁体の先端外周が内接するとともに、前記
    中心電極の前記先端部が内接していることを特徴とする
    層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の層状燃
    焼方式エンジン用スパークプラグにおいて、 前記中心電極の前記先端部は、前記接地電極の先端部に
    対向する部位に耐火花消耗性部材として貴金属材料が用
    いられていることを特徴とする層状燃焼方式エンジン用
    スパークプラグ。
  4. 【請求項4】 棒状の中心電極と、 前記中心電極を内部に保持する絶縁体と、 前記絶縁体を内部に保持する主体金具と、 前記中心電極の先端部との間に気中の放電ギャップを形
    成する接地電極を有する層状燃焼方式エンジン用スパー
    クプラグにおいて、 前記中心電極の先端部は、先細り段差部を有するととも
    に、該先細り段差部の先端面に前記段差部の先端面と同
    径で前記中心電極の先端に至る小円柱部を備え、 前記接地電極の先端部が前記小円柱部の側面に対向し、 前記中心電極の円柱部と前記先細り段差部との境界が前
    記絶縁体の先端面よりも内側にあるとともに、前記先細
    り段差部の先端面は前記絶縁体の先端面よりも外側に位
    置することを特徴とする層状燃焼方式エンジン用スパー
    クプラグ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の層状燃焼方式エンジン
    用スパークプラグにおいて、 前記中心電極と同軸で、中心角が110°以下である円
    錐面に前記絶縁体の先端外周が内接するとともに、前記
    中心電極の前記先端部が内接していることを特徴とする
    層状燃焼方式エンジン用スパークプラグ。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の層状燃
    焼方式エンジン用スパークプラグにおいて、 前記中心電極の前記先端部は、少なくとも前記接地電極
    の先端部に対向する部位に耐火花消耗性部材として貴金
    属材料が用いられていることを特徴とする層状燃焼方式
    エンジン用スパークプラグ。
  7. 【請求項7】 請求項3または請求項6に記載の層状燃
    焼方式エンジン用スパークプラグにおいて、 前記耐火花消耗性部材としての貴金属材料は、Pt、I
    r、Pt合金、Ir合金あるいは、これらにY2 3
    どの酸化物を含んだ合金のうちの少なくとも一つからな
    ることを特徴とする層状燃焼方式エンジン用スパークプ
    ラグ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7859178B2 (en) 2006-03-14 2010-12-28 Denso Corporation Spark plug for internal combustion engine and related manufacturing method
JP2014071976A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Nippon Soken Inc 内燃機関用点火プラグ及びその製造方法

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