JP3500549B2 - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents
内燃機関用スパークプラグInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関におい
て使用されるスパークプラグ、特にスパークプラグを構
成する主体金具の構造に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、内燃機関において使用されるスパ
ークプラグにおいて、このスパークプラグを構成し、先
端に向かってテーパー状となっている絶縁体を固持して
なる主体金具の先端の内壁面は上記主体金具の先端面に
対して誤差も含めてほぼ直角をなすと共に、上記主体金
具内の内径については先端も、またその奥部においても
同径とするものが一般的である。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のものにおいて、内燃機関用スパークプラグを構成
し、先端に向かってテーパー状となっている絶縁体を固
持してなる主体金具の先端の内壁面は上記主体金具の先
端面に対して誤差も含めてほぼ直角をなすと共に、上記
主体金具内の内径については先端も、またその奥部にお
いても同径とするものの場合は、主体金具内に固持され
る絶縁体の脚部表面と、主体金具内壁面とにより形成さ
れる空間、すなわち内燃機関の燃焼室内において混合気
に着火した時に発生する燃焼ガスが侵入する空間のガス
ボリュームが大きいため、混合気の燃焼に伴って発生す
るカーボンが燃焼ガスと共に上記空間内に侵入し、主体
金具内に固持される絶縁体の脚部表面に付着するため、
この絶縁体脚部の表面に付着したカーボンがプラグの絶
縁抵抗を低下させ耐汚損性が低くなる。 【０００４】そのため、上記混合気の燃焼によって発生
する燃焼ガスが侵入し難くすることを目的として、主体
金具内に固持される絶縁体の脚部表面と、主体金具内壁
面とにより形成される空間、すなわち内燃機関の燃焼室
内において混合気に着火した時に発生する燃焼ガスが侵
入する空間のガスボリュームを小さくするために、主体
金具の先端の内径を小さくすることも提案されているが
主体金具の奥部においては、絶縁体が先端に向かって径
小となるテーパー状となっているためその奥部において
先端に比べ絶縁体が径大となっていることから、主体金
具の内壁面と絶縁体の脚部表面との間隔が著しく小さく
なり、絶縁体の脚部表面から主体金具の内壁面に対する
火花のリーク頻度が高くなり易く、低温時における始動
性が極めて低下する欠点がある。 【０００５】更に、主体金具内に固持される絶縁体の脚
部表面と、主体金具内壁面とにより形成される空間内
に、内燃機関の燃焼室内において混合気に着火した時に
発生するカーボンを含有する燃焼ガスが侵入することを
防ぐために、絶縁体を固持する主体金具の先端におい
て、上記空間の開口部を可能な限り閉塞するように、径
方向に突出する突周縁を周設してなるもの（実公昭５６
−２５１９４号、特開昭５２−４４３４７号）が提案さ
れているが、主体金具内壁面とにより形成される空間内
に、内燃機関の燃焼室内において混合気に着火した時に
発生する燃焼ガスが侵入することを防ぐために、主体金
具の先端において、上記空間の開口部を閉塞するよう
に、径方向に突出するように周設してなる突周縁によっ
て、混合気の燃焼に伴って発生するカーボンを含有する
燃焼ガスの侵入を最小限のものとすることができるが、
この燃焼ガスの空間内への侵入を防止ために主体金具の
先端の開口部において周設される突周縁が、主体金具内
に固持される絶縁体と著しく接近することとなるため、
絶縁体の先端部の受ける熱負荷が小さくなりすぎ、絶縁
体先端部の自己清浄作用が悪化して低速走行でのドライ
バビリティが不安定となる問題がある。 【０００６】そこで、この発明は上記従来のものの持つ
欠点を改善するものであり、リークの発生を抑制して低
温時における始動性を良好に確保しつつ、主体金具内に
固持される絶縁体の脚部表面と、主体金具内壁面とによ
り形成される空間の体積、すなわちガスボリュームを最
大限小さくして燃焼ガスの侵入を防ぐことにより絶縁体
脚部の耐汚損性を向上させようとするものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】そのために、先端に向か
って径小とするテーパー状かつ先端が主体金具先端より
突出してなる絶縁体の脚部先端より中心電極を突出して
固着された該絶縁体を保持し、その中心電極の先端に対
向するように接地電極を配設してなる主体金具におい
て、主体金具先端の内径よりもその奥部における内径を
大径とし、かつ、上記主体金具の内壁面を奥部より先端
まで連続して平坦面に形成し、前記中心電極の先端と、
この中心電極の先端に対向するように配設してなる接地
電極とのギャップをＧとし、更に主体金具先端の内壁面
と、この主体金具に固持される絶縁体の脚部表面との間
隔をＬとした場合に、 Ｌ≧１．２Ｇ という関係を有するものとしてなるものである。 【０００８】 【０００９】 【発明の実施の形態】上記の構成を具えるので、実施に
あたり、主体金具内に固持される絶縁体が先端に向かっ
て径小となるテーパー状、すなわち絶縁体の脚部の奥部
において先端に比べて径大化していても、この絶縁体を
固持する主体金具先端の内径よりもその奥部における内
径が大径となっており、更に上記主体金具の内壁面を奥
部より先端まで連続して平坦面に形成しているので、混
合気の燃焼に伴って発生する燃焼ガスの侵入を防止する
ため、主体金具の先端の開口部の直径を径小とし、主体
金具内に固持される絶縁体の脚部表面と、主体金具の内
壁面とにより形成される空間の体積、すなわちガスボリ
ュームを小さくしても、内壁面を連続して平坦面として
常に絶縁体の先端からその奥部にかけて、絶縁体の脚部
の表面と主体金具の内壁面との間に均等な間隔を確保す
ることができることとなるので、燃焼ガスの上記空間内
への侵入による耐汚損性の低下を防止すると共に、絶縁
体の脚部から主体金具の内壁面へのリークを確実に抑制
して、低温時における始動性を向上させることができ
る。 【００１０】特に、絶縁体先端より突出して保持される
中心電極の先端と、この中心電極の先端に対向するよう
に配設してなる接地電極とのギャップをＧとし、更に主
体金具先端の内周縁と、この主体金具に固持される絶縁
体の脚部表面との間隔をＬとした場合に、Ｌ＜１．２Ｇ
とすると、絶縁体の脚部の表面と主体金具の内壁面との
間でリークが発生し易くなり、このリークの発生による
混合気への着火性の悪化がアイドリングの不整動や加速
性能の低下を引き起こすこととなると共に、絶縁体の脚
部表面に付着するカーボンに対する耐汚損性が低下して
しまうものとなるので、Ｌ≧１．２Ｇという関係を有す
るものとすることで、リークの発生を確実に抑制しつ
つ、スパークプラグの耐汚損性をより確実に向上させる
ことができるものである。 【００１１】 【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この発明の実施例である内燃機関用スパ
ークプラグであり、この内燃機関用スパークプラグ
（１）は、先端に中心電極（３）を保持すると共に、そ
の先端方向に向かって径小となるテーパー形状としてな
る絶縁体（２）と、この絶縁体（２）を固持すると共
に、絶縁体（２）において保持される中心電極（３）の
先端（先端面）に対向する位置に接地電極（５）を配設
してなる主体金具（４）から構成されるものである。な
お、（１０）は端子電極で絶縁体（２）の軸孔内で中心
電極（３）と共に公知の導電性のガラスシール材（１
１）を介して封着されている。 【００１２】そして、この内燃機関用スパークプラグ
（１）を構成し、その先端に向かって径小とするテーパ
ー状となっている絶縁体（２）の脚部（２’）先端より
突出して保持される中心電極（３）の先端に対向するよ
うに接地電極（５）を配設してなる主体金具（４）にお
いて、主体金具（４）先端の内径（φＡ）よりもその奥
部における内径（φＢ）を大径とし、更に 上記主体金
具（４）の内壁面（６）を奥部より先端まで平坦面とし
てなるものである。なお、図１，図２（ａ）に示すもの
は、中心電極（３）に対して１個の接地電極（５）をも
つものであるが、図２（ｂ）に示すように、中心電極
（３）の先端（先端側面）に対向し、その周囲に複数の
接地電極（５）（５）…を配設するものであってもよい
ものである。 【００１３】この発明の実施例である内燃機関用スパー
クプラグ（１）は、以上の構成を具えるので、この内燃
機関用スパークプラグ（１）を構成する主体金具（４）
内に固持される絶縁体（２）が先端に向かって径小とな
るテーパー状、すなわち絶縁体（２）の脚部（２’）の
奥部において先端に比べてその直径が径大化していて
も、この絶縁体（２）を固持する主体金具（４）先端の
内径（φＡ）よりもその奥部における内径（φＢ）が大
径となっており、更に上記主体金具の内壁面を奥部より
先端まで連続して平坦面を形成しているので、混合気の
燃焼に伴って発生する燃焼ガスの侵入を防止するため
に、主体金具（４）の先端の開口部（８）の直径を小さ
くし、主体金具（４）内に固持される絶縁体（２）の脚
部（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）とに
より形成される空間（７）の体積、すなわちガスボリュ
ームを小さくしても、絶縁体（２）においてその先端か
ら奥部にかけて常に絶縁体（２）の脚部（２’）の表面
と、主体金具（４）の内壁面（６）との間に均等な間隔
を確保することができるものであるから、確実に混合気
の燃焼に伴って発生する上記空間（７）内への燃焼ガス
の侵入を最小限として絶縁体（２）の脚部（２’）の耐
汚損性を高めることができると共に、平坦面を形成して
あるので絶縁体（２）の脚部（２’）から主体金具
（４）の内壁面（６）への火花のリークを確実に抑制し
て、上記中心電極（３）と主体金具（４）の接地電極
（５）との間の火花ギャップＧにおける火花放電を確実
に行い、低温時における始動性を向上させることができ
る。 【００１４】また、図３に示すように上記内燃機関用ス
パークプラグ（１）において、絶縁体（２）先端より突
出して保持される中心電極（３）の先端と、この中心電
極（３）の先端に対向するように配設する主体金具
（４）の接地電極（５）とのギャップをＧとし、更に主
体金具（４）先端の内周縁（９）と、この主体金具
（４）内に固持される絶縁体（２）の脚部（２’）表面
との間隔をＬとした場合に、Ｌ＜１．２Ｇという関係を
有するものとすると、絶縁体（２）の脚部（２’）の表
面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間でリークが
発生し易くなり、この結果絶縁体（２）の脚部（２’）
の表面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間のリー
クの発生により生じる混合気への着火性の悪化が、低温
時の始動不良及びアイドリングの不整動や加速性能の低
下を引き起こすこととなると共に、絶縁体（２）の脚部
（２’）表面に付着するカーボンに対する耐汚損性が低
下してしまうので、Ｌ≧１．２Ｇという関係を有するも
のとすることによって、絶縁体（２）の脚部（２’）の
表面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間のリーク
の発生を確実に抑制しつつ、主体金具（４）内に固持さ
れる絶縁体（２）に保持される中心電極（３）の先端
と、上記主体金具（４）の接地電極（５）との火花放電
を確実なものとし、スパークプラグ（１）の燃焼ガス中
に含有するカーボンによる耐汚損性を確実に向上させる
ことができるものである。 【００１５】そこで、この発明の実施例である内燃機関
用スパークプラグ（１）についての絶縁体（２）の脚部
（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間
のリークを抑制する効果を確認するために、従来の内燃
機関用スパークプラグ、すなわち、主体金具（４）内に
固持される絶縁体（２）の脚部（２’）表面と、主体金
具（４）の内壁面（６）とにより形成される空間（７）
の体積、すなわちガスボリュームが大きいものと、この
発明の実施例である内燃機関用スパークプラグ１）、す
なわち主体金具（４）内に固持される絶縁体（２）の脚
部（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）とに
より形成される空間（７）の体積、すなわちガスボリュ
ームが小さいもの（Ｌ＝１．３Ｇ）とを用いて、火花ア
イドリングでＡ／Ｆの濃い条件で一定時間連続運転した
後、電極間の絶縁抵抗を測定したところ、絶縁体（２）
の脚部（２’）の脚長を長くするに連れて、従来のよう
に主体金具（４）内に固持される絶縁体（２）の脚部
（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）とによ
り形成される空間（７）の体積、すなわちガスボリュー
ムが大きいものに比べてこの発明のガスボリュームの小
さいものは絶縁抵抗の低下が小さく、絶縁体の脚長を長
くした同じ耐汚損性の向上が十分に確認された（図４参
照）。 【００１６】 【発明の効果】以上のとおり、中心電極を保持し、先端
に向かって径小となる絶縁体を固持してなる主体金具先
端の内径よりもその奥部における内径を大径とし、か
つ、上記主体金具の内壁面を奥部より先端まで連続した
平坦面を形成することで、混合気の燃焼に伴って発生す
る燃焼ガスの主体金具内に固持される絶縁体の脚部表面
と、主体金具の内壁面とにより形成される空間、すなわ
ちガスボリュームに対する侵入を防止してカーボンに対
する耐汚損性を向上させるために小さくしても、絶縁体
の脚部表面と主体金具の内壁面との間隔を均等に確保で
きるので、絶縁体脚部の表面から主体金具の内壁面に対
する火花のリークを確実に抑制できると共に、特に絶縁
体先端より突出して保持される中心電極の先端と、この
中心電極の先端に対向するように配設してなる接地電極
とのギャップをＧとし、更に主体金具先端の内周縁と、
この主体金具に固持される絶縁体の脚部表面との間隔を
Ｌとした場合に、Ｌ≧１．２Ｇとすることで、絶縁体の
脚部からのリークを確実に抑制しつつ、ガスボリューム
の縮小を達成してスパークプラグの耐汚損性並びに低温
時の始動性を向上させることができる優れた効果を有す
るものである。
て使用されるスパークプラグ、特にスパークプラグを構
成する主体金具の構造に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来、内燃機関において使用されるスパ
ークプラグにおいて、このスパークプラグを構成し、先
端に向かってテーパー状となっている絶縁体を固持して
なる主体金具の先端の内壁面は上記主体金具の先端面に
対して誤差も含めてほぼ直角をなすと共に、上記主体金
具内の内径については先端も、またその奥部においても
同径とするものが一般的である。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のものにおいて、内燃機関用スパークプラグを構成
し、先端に向かってテーパー状となっている絶縁体を固
持してなる主体金具の先端の内壁面は上記主体金具の先
端面に対して誤差も含めてほぼ直角をなすと共に、上記
主体金具内の内径については先端も、またその奥部にお
いても同径とするものの場合は、主体金具内に固持され
る絶縁体の脚部表面と、主体金具内壁面とにより形成さ
れる空間、すなわち内燃機関の燃焼室内において混合気
に着火した時に発生する燃焼ガスが侵入する空間のガス
ボリュームが大きいため、混合気の燃焼に伴って発生す
るカーボンが燃焼ガスと共に上記空間内に侵入し、主体
金具内に固持される絶縁体の脚部表面に付着するため、
この絶縁体脚部の表面に付着したカーボンがプラグの絶
縁抵抗を低下させ耐汚損性が低くなる。 【０００４】そのため、上記混合気の燃焼によって発生
する燃焼ガスが侵入し難くすることを目的として、主体
金具内に固持される絶縁体の脚部表面と、主体金具内壁
面とにより形成される空間、すなわち内燃機関の燃焼室
内において混合気に着火した時に発生する燃焼ガスが侵
入する空間のガスボリュームを小さくするために、主体
金具の先端の内径を小さくすることも提案されているが
主体金具の奥部においては、絶縁体が先端に向かって径
小となるテーパー状となっているためその奥部において
先端に比べ絶縁体が径大となっていることから、主体金
具の内壁面と絶縁体の脚部表面との間隔が著しく小さく
なり、絶縁体の脚部表面から主体金具の内壁面に対する
火花のリーク頻度が高くなり易く、低温時における始動
性が極めて低下する欠点がある。 【０００５】更に、主体金具内に固持される絶縁体の脚
部表面と、主体金具内壁面とにより形成される空間内
に、内燃機関の燃焼室内において混合気に着火した時に
発生するカーボンを含有する燃焼ガスが侵入することを
防ぐために、絶縁体を固持する主体金具の先端におい
て、上記空間の開口部を可能な限り閉塞するように、径
方向に突出する突周縁を周設してなるもの（実公昭５６
−２５１９４号、特開昭５２−４４３４７号）が提案さ
れているが、主体金具内壁面とにより形成される空間内
に、内燃機関の燃焼室内において混合気に着火した時に
発生する燃焼ガスが侵入することを防ぐために、主体金
具の先端において、上記空間の開口部を閉塞するよう
に、径方向に突出するように周設してなる突周縁によっ
て、混合気の燃焼に伴って発生するカーボンを含有する
燃焼ガスの侵入を最小限のものとすることができるが、
この燃焼ガスの空間内への侵入を防止ために主体金具の
先端の開口部において周設される突周縁が、主体金具内
に固持される絶縁体と著しく接近することとなるため、
絶縁体の先端部の受ける熱負荷が小さくなりすぎ、絶縁
体先端部の自己清浄作用が悪化して低速走行でのドライ
バビリティが不安定となる問題がある。 【０００６】そこで、この発明は上記従来のものの持つ
欠点を改善するものであり、リークの発生を抑制して低
温時における始動性を良好に確保しつつ、主体金具内に
固持される絶縁体の脚部表面と、主体金具内壁面とによ
り形成される空間の体積、すなわちガスボリュームを最
大限小さくして燃焼ガスの侵入を防ぐことにより絶縁体
脚部の耐汚損性を向上させようとするものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】そのために、先端に向か
って径小とするテーパー状かつ先端が主体金具先端より
突出してなる絶縁体の脚部先端より中心電極を突出して
固着された該絶縁体を保持し、その中心電極の先端に対
向するように接地電極を配設してなる主体金具におい
て、主体金具先端の内径よりもその奥部における内径を
大径とし、かつ、上記主体金具の内壁面を奥部より先端
まで連続して平坦面に形成し、前記中心電極の先端と、
この中心電極の先端に対向するように配設してなる接地
電極とのギャップをＧとし、更に主体金具先端の内壁面
と、この主体金具に固持される絶縁体の脚部表面との間
隔をＬとした場合に、 Ｌ≧１．２Ｇ という関係を有するものとしてなるものである。 【０００８】 【０００９】 【発明の実施の形態】上記の構成を具えるので、実施に
あたり、主体金具内に固持される絶縁体が先端に向かっ
て径小となるテーパー状、すなわち絶縁体の脚部の奥部
において先端に比べて径大化していても、この絶縁体を
固持する主体金具先端の内径よりもその奥部における内
径が大径となっており、更に上記主体金具の内壁面を奥
部より先端まで連続して平坦面に形成しているので、混
合気の燃焼に伴って発生する燃焼ガスの侵入を防止する
ため、主体金具の先端の開口部の直径を径小とし、主体
金具内に固持される絶縁体の脚部表面と、主体金具の内
壁面とにより形成される空間の体積、すなわちガスボリ
ュームを小さくしても、内壁面を連続して平坦面として
常に絶縁体の先端からその奥部にかけて、絶縁体の脚部
の表面と主体金具の内壁面との間に均等な間隔を確保す
ることができることとなるので、燃焼ガスの上記空間内
への侵入による耐汚損性の低下を防止すると共に、絶縁
体の脚部から主体金具の内壁面へのリークを確実に抑制
して、低温時における始動性を向上させることができ
る。 【００１０】特に、絶縁体先端より突出して保持される
中心電極の先端と、この中心電極の先端に対向するよう
に配設してなる接地電極とのギャップをＧとし、更に主
体金具先端の内周縁と、この主体金具に固持される絶縁
体の脚部表面との間隔をＬとした場合に、Ｌ＜１．２Ｇ
とすると、絶縁体の脚部の表面と主体金具の内壁面との
間でリークが発生し易くなり、このリークの発生による
混合気への着火性の悪化がアイドリングの不整動や加速
性能の低下を引き起こすこととなると共に、絶縁体の脚
部表面に付着するカーボンに対する耐汚損性が低下して
しまうものとなるので、Ｌ≧１．２Ｇという関係を有す
るものとすることで、リークの発生を確実に抑制しつ
つ、スパークプラグの耐汚損性をより確実に向上させる
ことができるものである。 【００１１】 【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この発明の実施例である内燃機関用スパ
ークプラグであり、この内燃機関用スパークプラグ
（１）は、先端に中心電極（３）を保持すると共に、そ
の先端方向に向かって径小となるテーパー形状としてな
る絶縁体（２）と、この絶縁体（２）を固持すると共
に、絶縁体（２）において保持される中心電極（３）の
先端（先端面）に対向する位置に接地電極（５）を配設
してなる主体金具（４）から構成されるものである。な
お、（１０）は端子電極で絶縁体（２）の軸孔内で中心
電極（３）と共に公知の導電性のガラスシール材（１
１）を介して封着されている。 【００１２】そして、この内燃機関用スパークプラグ
（１）を構成し、その先端に向かって径小とするテーパ
ー状となっている絶縁体（２）の脚部（２’）先端より
突出して保持される中心電極（３）の先端に対向するよ
うに接地電極（５）を配設してなる主体金具（４）にお
いて、主体金具（４）先端の内径（φＡ）よりもその奥
部における内径（φＢ）を大径とし、更に 上記主体金
具（４）の内壁面（６）を奥部より先端まで平坦面とし
てなるものである。なお、図１，図２（ａ）に示すもの
は、中心電極（３）に対して１個の接地電極（５）をも
つものであるが、図２（ｂ）に示すように、中心電極
（３）の先端（先端側面）に対向し、その周囲に複数の
接地電極（５）（５）…を配設するものであってもよい
ものである。 【００１３】この発明の実施例である内燃機関用スパー
クプラグ（１）は、以上の構成を具えるので、この内燃
機関用スパークプラグ（１）を構成する主体金具（４）
内に固持される絶縁体（２）が先端に向かって径小とな
るテーパー状、すなわち絶縁体（２）の脚部（２’）の
奥部において先端に比べてその直径が径大化していて
も、この絶縁体（２）を固持する主体金具（４）先端の
内径（φＡ）よりもその奥部における内径（φＢ）が大
径となっており、更に上記主体金具の内壁面を奥部より
先端まで連続して平坦面を形成しているので、混合気の
燃焼に伴って発生する燃焼ガスの侵入を防止するため
に、主体金具（４）の先端の開口部（８）の直径を小さ
くし、主体金具（４）内に固持される絶縁体（２）の脚
部（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）とに
より形成される空間（７）の体積、すなわちガスボリュ
ームを小さくしても、絶縁体（２）においてその先端か
ら奥部にかけて常に絶縁体（２）の脚部（２’）の表面
と、主体金具（４）の内壁面（６）との間に均等な間隔
を確保することができるものであるから、確実に混合気
の燃焼に伴って発生する上記空間（７）内への燃焼ガス
の侵入を最小限として絶縁体（２）の脚部（２’）の耐
汚損性を高めることができると共に、平坦面を形成して
あるので絶縁体（２）の脚部（２’）から主体金具
（４）の内壁面（６）への火花のリークを確実に抑制し
て、上記中心電極（３）と主体金具（４）の接地電極
（５）との間の火花ギャップＧにおける火花放電を確実
に行い、低温時における始動性を向上させることができ
る。 【００１４】また、図３に示すように上記内燃機関用ス
パークプラグ（１）において、絶縁体（２）先端より突
出して保持される中心電極（３）の先端と、この中心電
極（３）の先端に対向するように配設する主体金具
（４）の接地電極（５）とのギャップをＧとし、更に主
体金具（４）先端の内周縁（９）と、この主体金具
（４）内に固持される絶縁体（２）の脚部（２’）表面
との間隔をＬとした場合に、Ｌ＜１．２Ｇという関係を
有するものとすると、絶縁体（２）の脚部（２’）の表
面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間でリークが
発生し易くなり、この結果絶縁体（２）の脚部（２’）
の表面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間のリー
クの発生により生じる混合気への着火性の悪化が、低温
時の始動不良及びアイドリングの不整動や加速性能の低
下を引き起こすこととなると共に、絶縁体（２）の脚部
（２’）表面に付着するカーボンに対する耐汚損性が低
下してしまうので、Ｌ≧１．２Ｇという関係を有するも
のとすることによって、絶縁体（２）の脚部（２’）の
表面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間のリーク
の発生を確実に抑制しつつ、主体金具（４）内に固持さ
れる絶縁体（２）に保持される中心電極（３）の先端
と、上記主体金具（４）の接地電極（５）との火花放電
を確実なものとし、スパークプラグ（１）の燃焼ガス中
に含有するカーボンによる耐汚損性を確実に向上させる
ことができるものである。 【００１５】そこで、この発明の実施例である内燃機関
用スパークプラグ（１）についての絶縁体（２）の脚部
（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）との間
のリークを抑制する効果を確認するために、従来の内燃
機関用スパークプラグ、すなわち、主体金具（４）内に
固持される絶縁体（２）の脚部（２’）表面と、主体金
具（４）の内壁面（６）とにより形成される空間（７）
の体積、すなわちガスボリュームが大きいものと、この
発明の実施例である内燃機関用スパークプラグ１）、す
なわち主体金具（４）内に固持される絶縁体（２）の脚
部（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）とに
より形成される空間（７）の体積、すなわちガスボリュ
ームが小さいもの（Ｌ＝１．３Ｇ）とを用いて、火花ア
イドリングでＡ／Ｆの濃い条件で一定時間連続運転した
後、電極間の絶縁抵抗を測定したところ、絶縁体（２）
の脚部（２’）の脚長を長くするに連れて、従来のよう
に主体金具（４）内に固持される絶縁体（２）の脚部
（２’）表面と、主体金具（４）の内壁面（６）とによ
り形成される空間（７）の体積、すなわちガスボリュー
ムが大きいものに比べてこの発明のガスボリュームの小
さいものは絶縁抵抗の低下が小さく、絶縁体の脚長を長
くした同じ耐汚損性の向上が十分に確認された（図４参
照）。 【００１６】 【発明の効果】以上のとおり、中心電極を保持し、先端
に向かって径小となる絶縁体を固持してなる主体金具先
端の内径よりもその奥部における内径を大径とし、か
つ、上記主体金具の内壁面を奥部より先端まで連続した
平坦面を形成することで、混合気の燃焼に伴って発生す
る燃焼ガスの主体金具内に固持される絶縁体の脚部表面
と、主体金具の内壁面とにより形成される空間、すなわ
ちガスボリュームに対する侵入を防止してカーボンに対
する耐汚損性を向上させるために小さくしても、絶縁体
の脚部表面と主体金具の内壁面との間隔を均等に確保で
きるので、絶縁体脚部の表面から主体金具の内壁面に対
する火花のリークを確実に抑制できると共に、特に絶縁
体先端より突出して保持される中心電極の先端と、この
中心電極の先端に対向するように配設してなる接地電極
とのギャップをＧとし、更に主体金具先端の内周縁と、
この主体金具に固持される絶縁体の脚部表面との間隔を
Ｌとした場合に、Ｌ≧１．２Ｇとすることで、絶縁体の
脚部からのリークを確実に抑制しつつ、ガスボリューム
の縮小を達成してスパークプラグの耐汚損性並びに低温
時の始動性を向上させることができる優れた効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグの部分断面図である。 【図２】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグの要部拡大断面図であり、（ａ）は１個の接地電極
を具えるもの、（ｂ）は複数の接地電極を具えるもので
ある。 【図３】主体金具先端の内周縁と、この主体金具に固持
される絶縁体の脚部表面との間隔Ｌに対するリーク頻度
を示した図である。 【図４】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグと従来のものとの絶縁抵抗分布を示した図である。 【符号の説明】 １ 内燃機関用スパークプラグ ２ 絶縁体 ２’（絶縁体の）脚部 ３ 中心電極 ４ 主体金具 ５ 接地電極 ６ 内壁面 ７ 空間 ８ 開口部 ９ 内周縁
ラグの部分断面図である。 【図２】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグの要部拡大断面図であり、（ａ）は１個の接地電極
を具えるもの、（ｂ）は複数の接地電極を具えるもので
ある。 【図３】主体金具先端の内周縁と、この主体金具に固持
される絶縁体の脚部表面との間隔Ｌに対するリーク頻度
を示した図である。 【図４】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグと従来のものとの絶縁抵抗分布を示した図である。 【符号の説明】 １ 内燃機関用スパークプラグ ２ 絶縁体 ２’（絶縁体の）脚部 ３ 中心電極 ４ 主体金具 ５ 接地電極 ６ 内壁面 ７ 空間 ８ 開口部 ９ 内周縁
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01T 13/20
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 先端に向かって径小のテーパー状かつ先
端が主体金具先端より突出してなる絶縁体の脚部先端よ
り中心電極を突出して固着された該絶縁体を保持し、そ
の中心電極の先端に対向するように接地電極を配設して
なる主体金具を有するスパークプラグにおいて、主体金
具先端の内径よりもその奥部における内径を大径とし、
かつ、主体金具の内壁面を奥部より先端まで連続して平
坦面に形成し、前記中心電極の先端と、この中心電極の
先端に対向するように配設してなる接地電極とのギャッ
プをＧとし、更に主体金具先端の内壁面と、この主体金
具に固持される絶縁体の脚部表面との間隔をＬとした場
合に、 Ｌ≧１．２Ｇ という関係を有してなる 内燃機関用スパークプラグ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21398095A JP3500549B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | 内燃機関用スパークプラグ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21398095A JP3500549B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | 内燃機関用スパークプラグ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0945457A JPH0945457A (ja) | 1997-02-14 |
| JP3500549B2 true JP3500549B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=16648260
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21398095A Expired - Fee Related JP3500549B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | 内燃機関用スパークプラグ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3500549B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3340349B2 (ja) * | 1997-04-15 | 2002-11-05 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
| EP2388792B1 (en) * | 2009-01-13 | 2017-07-05 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug |
| JP5604392B2 (ja) * | 2011-09-06 | 2014-10-08 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
| EP3073590B1 (en) | 2015-03-26 | 2018-07-11 | NGK Spark Plug Co., Ltd. | Spark plug |
| JP6305446B2 (ja) * | 2015-03-26 | 2018-04-04 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
-
1995
- 1995-08-01 JP JP21398095A patent/JP3500549B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0945457A (ja) | 1997-02-14 |
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