JPH11219204A - 定値制御装置 - Google Patents
定値制御装置Info
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- JPH11219204A JPH11219204A JP1961998A JP1961998A JPH11219204A JP H11219204 A JPH11219204 A JP H11219204A JP 1961998 A JP1961998 A JP 1961998A JP 1961998 A JP1961998 A JP 1961998A JP H11219204 A JPH11219204 A JP H11219204A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 整定状態下での制御の安定性と過渡状態下で
の応答性との両立を図る。 【解決手段】 コントローラCNTに対し、偏差信号入
力部5と、偏差判定演算部6と、状態判定部7と、フィ
ルタ時定数切替部8を付加する。偏差判定演算部6にお
いて、プロセス値PVと設定値SPとの偏差Eを偏差基
準値Etとを比較し、偏差Eが偏差基準値Et内である
場合にはカウント値Cを増加し、偏差基準値Et外であ
る場合にはカウント値Cを減少させる。このカウント値
Cが整定基準値Ctに到達した場合に状態判定部7にお
いて整定状態と判定し、フィルタ時定数切替部8を介し
てフィルタ2における時定数TfをそれまでのT1から
T2(T2>T1)に切り替える。
の応答性との両立を図る。 【解決手段】 コントローラCNTに対し、偏差信号入
力部5と、偏差判定演算部6と、状態判定部7と、フィ
ルタ時定数切替部8を付加する。偏差判定演算部6にお
いて、プロセス値PVと設定値SPとの偏差Eを偏差基
準値Etとを比較し、偏差Eが偏差基準値Et内である
場合にはカウント値Cを増加し、偏差基準値Et外であ
る場合にはカウント値Cを減少させる。このカウント値
Cが整定基準値Ctに到達した場合に状態判定部7にお
いて整定状態と判定し、フィルタ時定数切替部8を介し
てフィルタ2における時定数TfをそれまでのT1から
T2(T2>T1)に切り替える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、給気温度などの
プロセス値を設定値に一致させる定値制御装置に関する
ものである。
プロセス値を設定値に一致させる定値制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の定値制御装置の概略を示す
図である。この定値制御装置では、偏差算出部1におい
て、制御対象のプロセス値PVと設定値SPとの偏差E
を算出する。そして、この偏差算出部1からの偏差Eを
フィルタ(フィルタ手段)2へ与え、所定の時定数Tf
でフィルタリングし、偏差E’として制御演算部3へ与
える。制御演算部3は偏差E’に基づいて、PID(比
例,積分,微分)構造の制御アルゴリズムやIMC(In
ternal Model Control)構造の制御アルゴリズムを用
い、所定の演算式より制御出力を算出する。この制御演
算部3からの制御出力に基づいて、すなわちコントロー
ラCNTからの制御出力である操作量(制御指令)MV
によって、プロセス値PVを変化させる操作器(アクチ
ュエータ)4が制御され、プロセス値PVを設定値SP
に一致させこの状態を維持(整定)させる定値制御が行
われる。なお、IMCについては、本出願人による特願
平7−320061号などに詳述されているので、ここ
での説明は省略する。
図である。この定値制御装置では、偏差算出部1におい
て、制御対象のプロセス値PVと設定値SPとの偏差E
を算出する。そして、この偏差算出部1からの偏差Eを
フィルタ(フィルタ手段)2へ与え、所定の時定数Tf
でフィルタリングし、偏差E’として制御演算部3へ与
える。制御演算部3は偏差E’に基づいて、PID(比
例,積分,微分)構造の制御アルゴリズムやIMC(In
ternal Model Control)構造の制御アルゴリズムを用
い、所定の演算式より制御出力を算出する。この制御演
算部3からの制御出力に基づいて、すなわちコントロー
ラCNTからの制御出力である操作量(制御指令)MV
によって、プロセス値PVを変化させる操作器(アクチ
ュエータ)4が制御され、プロセス値PVを設定値SP
に一致させこの状態を維持(整定)させる定値制御が行
われる。なお、IMCについては、本出願人による特願
平7−320061号などに詳述されているので、ここ
での説明は省略する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】計測ノイズや外乱のな
い制御系の定値制御においては、理論的に整定状態での
操作量MVが変動することはない。すなわち、制御系が
理想的な状態にあれば、操作器4は動作せずに、現在の
動作状態を維持する。しかしながら、実在する制御系は
必ず計測ノイズや外乱が含まれており、整定状態におい
てもコントローラCNTが機能して、操作器4への操作
量MVが上下に振れる。このため、操作器4の動作回数
が多くなり、操作器4の寿命が短くなる。また、操作器
4が無駄に動作することから、エネルギーのロスともな
る。
い制御系の定値制御においては、理論的に整定状態での
操作量MVが変動することはない。すなわち、制御系が
理想的な状態にあれば、操作器4は動作せずに、現在の
動作状態を維持する。しかしながら、実在する制御系は
必ず計測ノイズや外乱が含まれており、整定状態におい
てもコントローラCNTが機能して、操作器4への操作
量MVが上下に振れる。このため、操作器4の動作回数
が多くなり、操作器4の寿命が短くなる。また、操作器
4が無駄に動作することから、エネルギーのロスともな
る。
【0004】なお、操作器4への操作量MVの振れの大
きさは、コントローラCNTの感度の調整具合により変
わる。このような振れを低減したい場合、 感度を鈍く調整する. 計測ノイズや外乱にコントローラCNTが反応しない
ようにある範囲で不感帯を設ける. などの方法が考えられる。このような方法をとれば、整
定状態下での操作器4への操作量MVの振れを防止し、
操作器4の寿命を延ばすと共に省エネを図ることができ
る。しかしながら、その代償として整定状態に至らない
過渡状態、すなわち感度を鈍くしたくない状況下での応
答性が犠牲になる。
きさは、コントローラCNTの感度の調整具合により変
わる。このような振れを低減したい場合、 感度を鈍く調整する. 計測ノイズや外乱にコントローラCNTが反応しない
ようにある範囲で不感帯を設ける. などの方法が考えられる。このような方法をとれば、整
定状態下での操作器4への操作量MVの振れを防止し、
操作器4の寿命を延ばすと共に省エネを図ることができ
る。しかしながら、その代償として整定状態に至らない
過渡状態、すなわち感度を鈍くしたくない状況下での応
答性が犠牲になる。
【0005】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、整定状態下での制御の安定性と過渡状
態下での応答性との両立を図ることのできる定値制御装
置を提供することにある。
なされたもので、整定状態下での制御の安定性と過渡状
態下での応答性との両立を図ることのできる定値制御装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、偏差算出手段からの偏差を監視す
る偏差判定演算手段と、偏差算出手段からの偏差および
偏差判定演算手段からの演算出力とから整定状態あるい
は過渡状態にあるかを判定する状態判定手段と、この状
態判定手段によって定値制御が整定状態にあると判断さ
れた場合、フィルタ手段の時定数を整定状態用の大きな
値に切り替える一方、定値制御が過渡状態にあると判断
された場合、フィルタ手段の時定数を過渡状態用の小さ
な値に切り替える時定数切替手段とを設けたものであ
る。この発明によれば、整定状態となると、フィルタ手
段の時定数が過渡状態用の小さな値から整定状態用の大
きな値に切り替えられる。
るために、本発明は、偏差算出手段からの偏差を監視す
る偏差判定演算手段と、偏差算出手段からの偏差および
偏差判定演算手段からの演算出力とから整定状態あるい
は過渡状態にあるかを判定する状態判定手段と、この状
態判定手段によって定値制御が整定状態にあると判断さ
れた場合、フィルタ手段の時定数を整定状態用の大きな
値に切り替える一方、定値制御が過渡状態にあると判断
された場合、フィルタ手段の時定数を過渡状態用の小さ
な値に切り替える時定数切替手段とを設けたものであ
る。この発明によれば、整定状態となると、フィルタ手
段の時定数が過渡状態用の小さな値から整定状態用の大
きな値に切り替えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。図1はこの発明の一実施の形態を示
す定値制御装置の概略を示すブロック図である。同図に
おいて、図4と同一符号は同一或いは同等構成要素を示
し、その説明は省略する。
き詳細に説明する。図1はこの発明の一実施の形態を示
す定値制御装置の概略を示すブロック図である。同図に
おいて、図4と同一符号は同一或いは同等構成要素を示
し、その説明は省略する。
【0008】この実施の形態では、コントローラCNT
に対し、偏差演算部1からのフィルタ2への偏差Eを分
岐入力する偏差信号入力部5と、偏差信号入力部5から
の偏差Eが予め定められた偏差基準値Et内である場合
(E≦Et)にはそのカウント値Cを増加し、偏差基準
値Et外である場合(E>Et)にはそのカウント値C
を減少させるカウンタ機能を備えた偏差判定演算部6
と、偏差判定演算部6でのカウント値Cが予め定められ
た整定基準値Ctに到達した場合(C>Ct)に整定状
態と判定して整定状態信号(S1=1)を出力し、偏差
信号入力部4からの偏差Eが偏差基準値Et外である場
合(E>Et)に過渡状態と判定して過渡状態信号(S
1=0)を出力する状態判定部7と、状態判定部7から
過渡状態信号を受けた場合にフィルタ2での時定数Tf
を過渡状態用の小さな時定数T1に切り替え、整定状態
信号を受けた場合に整定状態用の大きな時定数T2に切
り替えるフィルタ時定数切替部8を付加している。
に対し、偏差演算部1からのフィルタ2への偏差Eを分
岐入力する偏差信号入力部5と、偏差信号入力部5から
の偏差Eが予め定められた偏差基準値Et内である場合
(E≦Et)にはそのカウント値Cを増加し、偏差基準
値Et外である場合(E>Et)にはそのカウント値C
を減少させるカウンタ機能を備えた偏差判定演算部6
と、偏差判定演算部6でのカウント値Cが予め定められ
た整定基準値Ctに到達した場合(C>Ct)に整定状
態と判定して整定状態信号(S1=1)を出力し、偏差
信号入力部4からの偏差Eが偏差基準値Et外である場
合(E>Et)に過渡状態と判定して過渡状態信号(S
1=0)を出力する状態判定部7と、状態判定部7から
過渡状態信号を受けた場合にフィルタ2での時定数Tf
を過渡状態用の小さな時定数T1に切り替え、整定状態
信号を受けた場合に整定状態用の大きな時定数T2に切
り替えるフィルタ時定数切替部8を付加している。
【0009】図2はこの定値制御装置における特有の処
理動作を示すフローチャートである。このフローチャー
トに基づいて、各部の機能を交えながら、フィルタ2に
おける時定数Tfの切替動作について説明する。
理動作を示すフローチャートである。このフローチャー
トに基づいて、各部の機能を交えながら、フィルタ2に
おける時定数Tfの切替動作について説明する。
【0010】偏差信号入力部5は偏差演算部1からのプ
ロセス値PVと設定値SPとの偏差Eを所定周期で取り
込む(ステップ201)。この取り込まれた偏差Eは偏
差判定演算部6へ与えられる。偏差判定演算部6は、偏
差Eと偏差基準値Etとを比較し、E≦Etならばその
カウント値CをC+1とし、E>EtならばC>0であ
ることを前提として、そのカウント値CをC−1とする
(ステップ202)。このカウント値Cは状態判定部7
へ与えられる。
ロセス値PVと設定値SPとの偏差Eを所定周期で取り
込む(ステップ201)。この取り込まれた偏差Eは偏
差判定演算部6へ与えられる。偏差判定演算部6は、偏
差Eと偏差基準値Etとを比較し、E≦Etならばその
カウント値CをC+1とし、E>EtならばC>0であ
ることを前提として、そのカウント値CをC−1とする
(ステップ202)。このカウント値Cは状態判定部7
へ与えられる。
【0011】状態判定部7は、偏差判定演算部6からの
カウント値Cと整定基準値Ctとを比較し、C>Ctと
なった場合に整定状態信号を出力する。すなわち、フィ
ルタ時定数切替部8への信号S1をS1=1とする。ま
たこれと同時に、偏差判定演算部6でのカウント値Cを
C=C−1とする(ステップ203)。
カウント値Cと整定基準値Ctとを比較し、C>Ctと
なった場合に整定状態信号を出力する。すなわち、フィ
ルタ時定数切替部8への信号S1をS1=1とする。ま
たこれと同時に、偏差判定演算部6でのカウント値Cを
C=C−1とする(ステップ203)。
【0012】また、状態判定部7は、偏差信号入力部5
からの偏差Eと偏差基準値Etとを比較し、E>Etと
なった場合に過渡状態信号を出力する。すなわち、フィ
ルタ時定数切替部8への信号S1をS1=0とする(ス
テップ204)。
からの偏差Eと偏差基準値Etとを比較し、E>Etと
なった場合に過渡状態信号を出力する。すなわち、フィ
ルタ時定数切替部8への信号S1をS1=0とする(ス
テップ204)。
【0013】フィルタ時定数切替部8は、状態判定部7
から過渡状態信号が与えられると、すなわち信号S1が
S1=0となると、フィルタ2における時定数TfをT
1(T1<T2)に切り替える(ステップ205)。こ
れに対し、状態判定部7から整定状態信号が与えられる
と、すなわち信号S1がS1=1となると、フィルタ2
における時定数TfをT2(T2>T1)に切り替える
(ステップ206)。
から過渡状態信号が与えられると、すなわち信号S1が
S1=0となると、フィルタ2における時定数TfをT
1(T1<T2)に切り替える(ステップ205)。こ
れに対し、状態判定部7から整定状態信号が与えられる
と、すなわち信号S1がS1=1となると、フィルタ2
における時定数TfをT2(T2>T1)に切り替える
(ステップ206)。
【0014】図3はフィルタ2における時定数Tfの切
替状況を示すイメージ図である。同図において、G1は
プロセス値PV、G2は設定値SP、G3は操作量MV
を示す。この例では、t1時点でE≦Etとなり、カウ
ント値Cのカウントアップが始められる(ステップ20
2)。このE≦Etの間、カウント値Cのカウントアッ
プが続けられ、C>Ctとなったt2時点で整定状態と
判定され(ステップ203)、フィルタ2における時定
数Tfがそれまでの小さな時定数T1から大きな時定数
T2に切り替えられる(ステップ206)。この時、カ
ウント値Cは、C−1すなわちCtとされる(ステップ
203)。
替状況を示すイメージ図である。同図において、G1は
プロセス値PV、G2は設定値SP、G3は操作量MV
を示す。この例では、t1時点でE≦Etとなり、カウ
ント値Cのカウントアップが始められる(ステップ20
2)。このE≦Etの間、カウント値Cのカウントアッ
プが続けられ、C>Ctとなったt2時点で整定状態と
判定され(ステップ203)、フィルタ2における時定
数Tfがそれまでの小さな時定数T1から大きな時定数
T2に切り替えられる(ステップ206)。この時、カ
ウント値Cは、C−1すなわちCtとされる(ステップ
203)。
【0015】この例では、t2時点後、t3時点までE
≦Etの状態が続いている。この場合、偏差Eが取り込
まれる毎に、ステップ202でカウント値CがC+1と
され、すなわちC=Ct+1とされ、このカウント値C
がステップ203でC−1、すなわちC=Ctに戻され
る。この間、フィルタ時定数切替部8へはS1=1とし
て、整定状態信号が与えられる。したがって、この間、
フィルタ2における時定数TfはT2を保つ。
≦Etの状態が続いている。この場合、偏差Eが取り込
まれる毎に、ステップ202でカウント値CがC+1と
され、すなわちC=Ct+1とされ、このカウント値C
がステップ203でC−1、すなわちC=Ctに戻され
る。この間、フィルタ時定数切替部8へはS1=1とし
て、整定状態信号が与えられる。したがって、この間、
フィルタ2における時定数TfはT2を保つ。
【0016】t3時点において、E>Etとなると、ス
テップ202でカウント値CがC−1、すなわちC=C
t−1とされる。また、ステップ204で過渡状態と判
定され、フィルタ2における時定数Tfはそれまでの大
きな時定数T2から小さな時定数T1に切り替えられる
(ステップ205)。
テップ202でカウント値CがC−1、すなわちC=C
t−1とされる。また、ステップ204で過渡状態と判
定され、フィルタ2における時定数Tfはそれまでの大
きな時定数T2から小さな時定数T1に切り替えられる
(ステップ205)。
【0017】この例では、t3時点後、t4時点までE
>Etの状態が続いている。この場合、偏差Eが取り込
まれる毎に、カウント値Cのカウントダウンが行われる
(ステップ202)。t4時点でE≦Etとなると、カ
ウント値Cのカウントダウンが中断され、カウントアッ
プが再開される(ステップ202)。E≦Etの間、カ
ウント値Cのカウントアップが続けられ、C>Ctとな
ったt5時点で整定状態と判定され(ステップ20
3)、フィルタ2における時定数Tfがそれまでの小さ
な時定数T1から大きな時定数T2に切り替えられる
(ステップ206)。
>Etの状態が続いている。この場合、偏差Eが取り込
まれる毎に、カウント値Cのカウントダウンが行われる
(ステップ202)。t4時点でE≦Etとなると、カ
ウント値Cのカウントダウンが中断され、カウントアッ
プが再開される(ステップ202)。E≦Etの間、カ
ウント値Cのカウントアップが続けられ、C>Ctとな
ったt5時点で整定状態と判定され(ステップ20
3)、フィルタ2における時定数Tfがそれまでの小さ
な時定数T1から大きな時定数T2に切り替えられる
(ステップ206)。
【0018】以上説明したように、この実施の形態によ
れば、整定状態時にはフィルタ2における時定数Tfが
大きな時定数T2に切り替えられ、整定状態でない時に
はフィルタ2における時定数Tfが小さな時定数T1に
切り替えられるので、整定状態時には感度が鈍くなり、
過渡状態時には高感度(普通の感度)となり、整定状態
下での制御の安定性と過渡状態下での応答性との両立を
図ることができるようになる。すなわち、整定状態時に
は感度が鈍くなることにより、整定状態下での計測ノイ
ズや外乱による操作器4の動作が削減され、操作器4の
寿命が伸びると共に省エネが図られる。また、過渡状態
時には普通の感度に戻ることから、制御性が悪化するこ
とがない。
れば、整定状態時にはフィルタ2における時定数Tfが
大きな時定数T2に切り替えられ、整定状態でない時に
はフィルタ2における時定数Tfが小さな時定数T1に
切り替えられるので、整定状態時には感度が鈍くなり、
過渡状態時には高感度(普通の感度)となり、整定状態
下での制御の安定性と過渡状態下での応答性との両立を
図ることができるようになる。すなわち、整定状態時に
は感度が鈍くなることにより、整定状態下での計測ノイ
ズや外乱による操作器4の動作が削減され、操作器4の
寿命が伸びると共に省エネが図られる。また、過渡状態
時には普通の感度に戻ることから、制御性が悪化するこ
とがない。
【0019】また、この実施の形態では、制御演算部3
での制御パラメータ(PIDパラメータやIMCパラメ
ータ)ではなく、付加的なフィルタ2における時定数T
fを切り替えるようにしているので、スムーズな切り替
えを実現することができる。制御演算部3での制御パラ
メータを切り替えるようにした場合には、制御演算に影
響が出てしまい、スムーズな切り替えを実現することが
できない。
での制御パラメータ(PIDパラメータやIMCパラメ
ータ)ではなく、付加的なフィルタ2における時定数T
fを切り替えるようにしているので、スムーズな切り替
えを実現することができる。制御演算部3での制御パラ
メータを切り替えるようにした場合には、制御演算に影
響が出てしまい、スムーズな切り替えを実現することが
できない。
【0020】また、この実施の形態では、偏差Eが偏差
基準値Et内である場合にはカウント値Cを増加し、偏
差基準値Et外である場合にはカウント値Cを減少さ
せ、このカウント値Cが整定基準値Ctに到達した場合
に整定状態と判定するようにしているので、過渡状態で
一時的に偏差Eが偏差基準値Et内となった場合に整定
状態に移行したと誤判定されてしまうことがなく、過渡
状態時に整定状態用の時定数T2に切り替えられて感度
が鈍くなってしまうというような問題をなくすことがで
きる。
基準値Et内である場合にはカウント値Cを増加し、偏
差基準値Et外である場合にはカウント値Cを減少さ
せ、このカウント値Cが整定基準値Ctに到達した場合
に整定状態と判定するようにしているので、過渡状態で
一時的に偏差Eが偏差基準値Et内となった場合に整定
状態に移行したと誤判定されてしまうことがなく、過渡
状態時に整定状態用の時定数T2に切り替えられて感度
が鈍くなってしまうというような問題をなくすことがで
きる。
【0021】また、この実施の形態では、一般的な定値
制御装置について説明したが、各種の定値制御装置に同
様にして適用することができる。例えば、空調制御装置
では空調機からの給気温度Tpvをプロセス値PVと
し、給気温度設定値Tspを設定値SPとし、給気温度
Tpvを給気温度設定値Tspに一致させる定値制御を
行う。この場合、図1において、操作器4は給気温度T
pvを変化させる調節弁が用いられる。すなわち、制御
演算部3より操作量MVを調節弁4へ与え、空調機の熱
交換器に供給される温水又は冷水の流量を調節する調節
弁4の開度を制御する。なお、この空調給気温度制御で
は、例えば、T1=60秒、T2=9000秒、Et=
0.2℃、Ct=60とする。これらの値は実験などで
決める。
制御装置について説明したが、各種の定値制御装置に同
様にして適用することができる。例えば、空調制御装置
では空調機からの給気温度Tpvをプロセス値PVと
し、給気温度設定値Tspを設定値SPとし、給気温度
Tpvを給気温度設定値Tspに一致させる定値制御を
行う。この場合、図1において、操作器4は給気温度T
pvを変化させる調節弁が用いられる。すなわち、制御
演算部3より操作量MVを調節弁4へ与え、空調機の熱
交換器に供給される温水又は冷水の流量を調節する調節
弁4の開度を制御する。なお、この空調給気温度制御で
は、例えば、T1=60秒、T2=9000秒、Et=
0.2℃、Ct=60とする。これらの値は実験などで
決める。
【0022】この場合、整定状態時にはフィルタ2にお
ける時定数Tfが大きな時定数T2に切り替えられ、整
定状態でない時にはフィルタ2における時定数Tfが小
さな時定数T1に切り替えられるので、整定状態時には
感度が鈍くなり、過渡状態時には高感度(普通の感度)
となり、整定状態下での空調制御の安定性と過渡状態下
での空調制御の応答性との両立を図ることができるよう
になる。すなわち、整定状態時には感度が鈍くなること
により、整定状態下での計測ノイズや外乱による調節弁
4の動作回数が削減され、調節弁4の寿命が延びる共に
省エネが図られる。また、過渡状態時には普通の感度に
戻ることから、空調制御性が悪化することがない。特
に、空調制御では、空調エリアの在室者の快適性と省エ
ネを両立させることができる。
ける時定数Tfが大きな時定数T2に切り替えられ、整
定状態でない時にはフィルタ2における時定数Tfが小
さな時定数T1に切り替えられるので、整定状態時には
感度が鈍くなり、過渡状態時には高感度(普通の感度)
となり、整定状態下での空調制御の安定性と過渡状態下
での空調制御の応答性との両立を図ることができるよう
になる。すなわち、整定状態時には感度が鈍くなること
により、整定状態下での計測ノイズや外乱による調節弁
4の動作回数が削減され、調節弁4の寿命が延びる共に
省エネが図られる。また、過渡状態時には普通の感度に
戻ることから、空調制御性が悪化することがない。特
に、空調制御では、空調エリアの在室者の快適性と省エ
ネを両立させることができる。
【0023】なお、上述した実施の形態では、カウント
値Cが整定基準値Ctに到達した場合に整定状態と判定
するようにしたが、整定状態の判定方法はこの方法に限
られるものではない。例えば、偏差Eが所定回数連続し
て偏差基準値Et内となった場合に整定状態と判定する
などとしてもよく、種々の判定方法が考えられる。ま
た、制御演算部3の制御アルゴリズムをPID構造やI
MC構造としたが、他の構造の制御アルゴリズムを用い
てもよく、フィルタ2の機能を備えた定値制御装置の全
てに適用することが可能である。
値Cが整定基準値Ctに到達した場合に整定状態と判定
するようにしたが、整定状態の判定方法はこの方法に限
られるものではない。例えば、偏差Eが所定回数連続し
て偏差基準値Et内となった場合に整定状態と判定する
などとしてもよく、種々の判定方法が考えられる。ま
た、制御演算部3の制御アルゴリズムをPID構造やI
MC構造としたが、他の構造の制御アルゴリズムを用い
てもよく、フィルタ2の機能を備えた定値制御装置の全
てに適用することが可能である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、整定状態となると、フィルタ手段の時定
数が過渡状態用の小さな値から整定状態用の大きな値に
切り替えられるものとなり、整定状態下での制御の安定
性と過渡状態下での応答性との両立を図ることができる
ようになる。また、この発明によれば、制御演算手段で
の制御パラメータ(PIDパラメータやIMCパラメー
タ)ではなく、付加的なフィルタ手段における時定数を
切り替えるようにしているので、スムーズな切り替えを
実現することができるようになる。また、この発明によ
れば、制御対象のプロセス値と設定値との偏差を監視し
て整定状態を判定するようにしているので、例えば、偏
差が偏差基準値内である場合にはカウント値を増加し、
偏差基準値外である場合にはカウント値を減少させ、こ
のカウント値が整定基準値に到達した場合に整定状態と
判定するような方法を採用することにより、過渡状態で
一時的に偏差が偏差基準値内となった場合に整定状態に
移行したと誤判定されてしまうことを防止することが可
能なり、過渡状態時に整定状態用の時定数に切り替えら
れて感度が鈍くなってしまうというような問題をなくす
ことが可能となる。
発明によれば、整定状態となると、フィルタ手段の時定
数が過渡状態用の小さな値から整定状態用の大きな値に
切り替えられるものとなり、整定状態下での制御の安定
性と過渡状態下での応答性との両立を図ることができる
ようになる。また、この発明によれば、制御演算手段で
の制御パラメータ(PIDパラメータやIMCパラメー
タ)ではなく、付加的なフィルタ手段における時定数を
切り替えるようにしているので、スムーズな切り替えを
実現することができるようになる。また、この発明によ
れば、制御対象のプロセス値と設定値との偏差を監視し
て整定状態を判定するようにしているので、例えば、偏
差が偏差基準値内である場合にはカウント値を増加し、
偏差基準値外である場合にはカウント値を減少させ、こ
のカウント値が整定基準値に到達した場合に整定状態と
判定するような方法を採用することにより、過渡状態で
一時的に偏差が偏差基準値内となった場合に整定状態に
移行したと誤判定されてしまうことを防止することが可
能なり、過渡状態時に整定状態用の時定数に切り替えら
れて感度が鈍くなってしまうというような問題をなくす
ことが可能となる。
【図1】 本発明の一実施の形態を示す定値制御装置の
概略を示すブロック図である。
概略を示すブロック図である。
【図2】 この定値制御装置における特有の処理動作を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図3】 この定値制御装置のフィルタにおける時定数
Tfの切替状況を示すイメージ図である。
Tfの切替状況を示すイメージ図である。
【図4】 従来の定値制御装置の概略を示すブロック図
である。
である。
1…偏差算出部、2…フィルタ、3…制御演算部、4…
操作器(調節弁)、5…偏差信号入力部、6…偏差判定
演算部、7…状態判定部、8…フィルタ時定数切替部。
操作器(調節弁)、5…偏差信号入力部、6…偏差判定
演算部、7…状態判定部、8…フィルタ時定数切替部。
Claims (2)
- 【請求項1】 制御対象のプロセス値と設定値との偏差
を算出する偏差算出手段と、この偏差算出手段からの偏
差を所定の時定数でフィルタリングするフィルタ手段
と、このフィルタ手段を介する偏差に基づいて所定の演
算式より制御出力を算出する制御演算手段とを備え、前
記制御出力に基づいて前記プロセス値を変化させる操作
器を制御し、前記プロセス値を前記設定値に一致させる
定値制御を行う定値制御装置において、 前記偏差算出手段からの偏差を監視する偏差判定演算手
段と、 前記偏差算出手段からの偏差および前記偏差判定演算手
段からの演算出力とから整定状態あるいは過渡状態にあ
るかを判定する状態判定手段と、 この状態判定手段によって前記定値制御が整定状態にあ
ると判断された場合、前記フィルタ手段の時定数を整定
状態用の大きな値に切り替える一方、前記定値制御が過
渡状態にあると判断された場合、前記フィルタ手段の時
定数を過渡状態用の小さな値に切り替える時定数切替手
段とを備えたことを特徴とする定値制御装置。 - 【請求項2】 空調機の給気温度と給気温度設定値との
偏差を算出する偏差算出手段と、この偏差算出手段から
の偏差を所定の時定数でフィルタリングするフィルタ手
段と、このフィルタ手段を介する偏差に基づいて所定の
演算式より制御出力を算出する制御演算手段とを備え、
前記制御出力に基づいて前記給気温度を変化させる調節
弁の開度を制御し、前記給気温度を前記給気温度設定値
に一致させる定値制御を行う定値制御装置において、 前記偏差算出手段からの偏差を監視する偏差判定演算手
段と、 前記偏差算出手段からの偏差および前記偏差判定演算手
段からの演算出力とから整定状態あるいは過渡状態にあ
るかを判定する状態判定手段と、 この状態判定手段によって前記定値制御が整定状態にあ
ると判断された場合、前記フィルタ手段の時定数を整定
状態用の大きな値に切り替える一方、前記定値制御が過
渡状態にあると判断された場合、前記フィルタ手段の時
定数を過渡状態用の小さな値に切り替える時定数切替手
段とを備えたことを特徴とする定値制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1961998A JPH11219204A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 定値制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1961998A JPH11219204A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 定値制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11219204A true JPH11219204A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12004217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1961998A Pending JPH11219204A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 定値制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11219204A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009531753A (ja) * | 2006-03-28 | 2009-09-03 | コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | オンボード電源電圧リップルに対してロバストに電磁制御弁の電流を制御するための制御装置および方法 |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP1961998A patent/JPH11219204A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009531753A (ja) * | 2006-03-28 | 2009-09-03 | コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | オンボード電源電圧リップルに対してロバストに電磁制御弁の電流を制御するための制御装置および方法 |
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