JPH11218348A - 空気調和装置の運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置の運転制御装置

Info

Publication number
JPH11218348A
JPH11218348A JP10075465A JP7546598A JPH11218348A JP H11218348 A JPH11218348 A JP H11218348A JP 10075465 A JP10075465 A JP 10075465A JP 7546598 A JP7546598 A JP 7546598A JP H11218348 A JPH11218348 A JP H11218348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air conditioner
temperature
compressor
expansion valve
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10075465A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Sakamoto
真一 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP10075465A priority Critical patent/JPH11218348A/ja
Publication of JPH11218348A publication Critical patent/JPH11218348A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 能力クラスの異なる複数の空気調和装置を1
種類の多変数制御器に基づいて制御することにより、シ
リーズ化された空気調和装置の低コスト化及びサービス
性の向上を達成する。 【解決手段】 多変数制御器(53)は、第1偏差算出部
(55)が算出した吐出温度の偏差ΔT2と、第2偏差算出
部(56)が算出した冷媒温度の偏差ΔTe(ΔTc)を2入
力とし、所定のダイナミックモデルに基づいて圧縮機容
量と電動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導出する。操
作量調節部(57)は、当該制御量ΔHz,ΔEvの各々に対
し、空気調和装置の能力クラスに応じた所定の定数を乗
ずる補正を行い、補正後の制御量ΔHz2,ΔEv2に基づい
て、圧縮機に周波数指令信号を、電動膨張弁に開度指令
信号をそれぞれ出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の運
転制御装置に関し、特に、多変数制御を行う運転制御装
置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の空気調和装置には、
特公平8−6952号公報に開示されているように、圧
縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とが順に接続された冷媒
回路を備え、冷房運転時には蒸発器で室内に供給する空
気を所定温度に冷却するようにしているものがある。
【0003】更に、上記蒸発器の吹き出し空気温度と、
蒸発器の出口における冷媒の過熱度とを検出し、この空
気温度と過熱度とが目標値になるようにコントローラが
圧縮機容量と膨張弁開度とを制御している。
【0004】このコントローラは、圧縮機容量と膨張弁
開度を制御入力とし、空気温度と冷媒過熱度を制御出力
とする冷凍サイクルの動的モデルに基づき空気温度、冷
媒過熱度、各偏差の累積値を入力とし、圧縮機容量、膨
張弁開度を出力とする最適レギュレータとして構成さ
れ、空気温度と冷媒過熱度が目標値になるように圧縮機
及び膨張弁を制御している。
【0005】ところで、空気調和装置には、設置箇所の
冷房負荷または暖房負荷に応じて、様々な能力クラスの
ものが必要とされる。そこで、空気調和装置の構成自体
は同様としつつ、その構成部品である圧縮機や電子膨張
弁等の容量を変えることによって、能力クラスの異なる
複数の空気調和装置をシリーズ化する場合がある。この
場合、各クラス毎に構成部品の制御量が異なるため、制
御器またはコントローラには各クラス毎に別個のものが
用いられていた。
【0006】例えば、コントローラに各能力クラスに対
応する複数の制御器を設け、搭載される空気調和装置の
能力クラスに応じて制御器を切り替えて使用することが
あった。あるいは、コントローラを構成するマイコン自
体を空気調和装置の能力クラスに応じて各々製造し、各
空気調和装置にその能力クラスに応じたマイコンを搭載
することとしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コントローラ
の制御器が多変数制御器である場合には、多変数制御器
は多大なメモリを必要とするため、コントローラに必要
なメモリが極めて多くなり、そのコストが増大してい
た。一方、シリーズ化された空気調和装置に対し、能力
クラス毎に別個のマイコンを製造することは、シリーズ
全体のコストが増大するとともに、サービス性が低下す
る要因となっていた。
【0008】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、1種類の多変数制御器に基づいて能力クラスの異な
る複数の機種の制御に対応可能にすることにより、低コ
スト化及びサービス性の向上を達成することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記目的を達成するため、本発明は、多変数制御手段か
ら出力される制御量を空調の能力クラスに基づいて補正
するようにしている。
【0010】−解決手段− 具体的に、図1に示すように、本発明が講じた第1の解
決手段は、運転容量の可変な圧縮機(21)と熱源側熱交
換器(23)と開度の可変な膨張弁(EV)と利用側熱交換
器(31)とが順に接続された冷媒回路(12)を備える能
力クラスが異なる少なくとも2種類の空気調和装置に搭
載される空気調和装置の運転制御装置を前提としてい
る。
【0011】加えて、所定のダイナミックモデルに基づ
いて、複数の入力から複数の出力を導出する多変数制御
手段(53)と、搭載される空気調和装置の能力クラスに
基づいて上記多変数制御手段(53)の出力を補正する操
作量補正手段(59)とを備えている。
【0012】このことにより、多変数制御手段(53)に
よって出力された制御量が、操作量補正手段(59)によ
り空気調和装置の能力クラスに応じて補正されて出力さ
れる。そのため、空気調和装置の各構成要素は能力クラ
スに応じて制御されることになる。従って、能力クラス
の異なる複数の空気調和装置に同一種類の多変数制御手
段(53)を用いることが可能となる。
【0013】本発明の第2の解決手段は、上記第1の解
決手段において、多変数制御手段(53)は、2つの入力
から2つの出力を導出することとしたものである。
【0014】また、本発明の第3の解決手段は、上記第
2の解決手段において、圧縮機(21)から吐出される冷
媒の吐出温度を検出して出力する第1検出手段(Th-2)
と、利用側熱交換器(31)の冷媒温度を検出して出力す
る第2検出手段(Th-n)と、上記圧縮機(21)から吐出
される冷媒の目標吐出温度を導出して出力する第1導出
手段(51)と、上記利用側熱交換器(31)の目標冷媒温
度を導出して出力する第2導出手段(52)とを備え、多
変数制御手段(53)は、上記第1検出手段(Th-2)の検
出吐出温度と第1導出手段(51)の目標吐出温度との偏
差及び、上記第2検出手段(Th-n)の検出冷媒温度と第
2導出手段(52)の目標冷媒温度との偏差を2入力と
し、圧縮機容量と膨張弁開度を制御入力とし、吐出温度
と冷媒温度を制御出力とする冷凍サイクルのダイナミッ
クモデルに基づいて、圧縮機容量と膨張弁開度の制御量
を導出することとしたものである。
【0015】このことにより、第1検出手段(Th-2)及
び第2検出手段(Th-n)が出力する検知信号を取り込
み、第1導出手段(51)及び第2導出手段(52)は、目
標吐出温度及び目標冷媒温度を算出する。そして、この
目標吐出温度と第1検出手段(Th-2)の検出吐出温度と
の偏差を算出すると共に、目標冷媒温度と第2検出手段
(Th-n)が検出する利用側熱交換器(31)の検出冷媒温
度との偏差を算出する。
【0016】その後、多変数制御手段(53)は、ダイナ
ミックモデルに基づき、吐出温度の偏差と冷媒温度の偏
差を2入力とし、圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導
出する。そして、上記多変数制御手段(53)は、圧縮機
容量及び膨張弁開度を2出力とし、操作量補正手段(5
9)に対して補正前の制御量を出力する。操作量補正手
段(59)は、搭載された空気調和装置の能力クラスに応
じて圧縮機容量及び膨張弁開度を補正し、圧縮機(21)
に容量指令信号である周波数指令信号を、膨張弁(EV)
に開度指令信号をそれぞれ出力して空気調和装置の運転
を制御する。
【0017】本発明の第4の解決手段は、上記第3の解
決手段において、操作量補正手段(59)は、搭載される
空気調和装置の能力クラスに応じて、多変数制御手段
(53)が出力する圧縮機容量及び膨張弁開度の制御量に
対し、それぞれ所定の定数を乗ずる補正を行うように構
成されていることとしたものである。
【0018】このことにより、圧縮機及び膨張弁に対し
ては、多変数制御手段(53)が出力した圧縮機容量及び
膨張弁開度の出力に所定定数を乗じた制御量が出力され
ることになる。そのため、シリーズ化された空気調和装
置に適した簡便な手法により、多変数制御手段(53)の
制御量の補正が実行される。
【0019】本発明の第5の解決手段は、上記第3の解
決手段において、操作量補正手段(59)は、搭載される
空気調和装置の能力クラスに応じて、多変数制御手段
(53)が出力する圧縮機容量の制御量に対し所定の定数
を乗ずる補正を行うように構成されていることとしたも
のである。
【0020】このことにより、多変数制御手段(53)か
ら出力された圧縮機容量に所定定数を乗じた制御量が、
圧縮機に対して出力されることになる。そのため、膨張
弁には同一種類のものが使用され、圧縮機には種類の異
なるものが使用されるシリーズ化された空気調和装置等
において、簡便な手法及び簡易な構成により、多変数制
御手段(53)の制御量の補正が実行される。
【0021】本発明の第6の解決手段は、上記第3の解
決手段において、操作量補正手段(59)は、搭載される
空気調和装置の能力クラスに応じて、多変数制御手段
(53)が出力する膨張弁開度の制御量に対し所定の定数
を乗ずる補正を行うように構成されていることとしたも
のである。
【0022】このことにより、多変数制御手段(53)か
ら出力された膨張弁開度に所定定数を乗じた制御量が、
膨張弁に対して出力されることになる。そのため、圧縮
機には同一種類のものが使用され、膨張弁には種類の異
なるものが使用されるシリーズ化された空気調和装置等
において、簡便な手法及び簡易な構成により、多変数制
御手段(53)の制御量の補正が実行される。
【0023】
【発明の効果】従って、本発明によれば、操作量補正手
段(59)が空気調和装置の能力クラスに応じて多変数制
御手段(53)の制御出力を補正するので、1種類の多変
数制御手段(53)によって、能力クラスの異なる複数の
機種を制御することが可能となる。そのため、複数の機
種に対応して複数の多変数制御手段を備える必要がなく
なるので、制御装置のメモリ量を低減することができ
る。その結果、制御装置を低コストに製造することがで
きるので、装置全体の低コスト化を達成することができ
る。
【0024】また、能力クラス別にシリーズ化した空気
調和装置のすべてのクラスに対して、同一種類の多変数
制御手段(53)を搭載することができるので、メンテナ
ンスが容易になり、サービス性を向上させることができ
る。
【0025】操作量補正手段(59)による制御量の補正
を、多変数制御手段(53)が導出した制御量に対して所
定の定数を乗ずるだけの簡便な補正にすることにより、
制御装置のメモリ消費量をより低減することができる。
【0026】また、多変数制御手段(53)を2入力2出
力とし、圧縮機(21)の吐出温度T2と室内熱交換器(3
1)の冷媒温度Tnとを目的変数とし、圧縮機容量と膨張
弁開度とを制御変数として、操作量補正手段(59)を介
して該圧縮機(21)及び膨張弁(EV)を制御するように
することにより、圧縮機(21)の吐出温度の異常上昇を
確実に防止することができる。この結果、制御の信頼性
を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0028】<実施形態1>図2に示すように、本実施
形態に係る空気調和装置(10)は、一台の室外ユニット
(20)に対して一台の室内ユニット(30)が接続された
いわゆるセパレートタイプの空気調和装置であり、シリ
ーズ化された複数の空気調和装置(A1,A2,…)のうちの
一機種である。
【0029】上記室外ユニット(20)は、インバータ
(2v)により運転周波数(運転容量)を可変に調節され
るスクロールタイプなどの圧縮機(21)と、冷房運転時
に図中実線の如く、暖房運転時に図中破線の如く切換わ
る四路切換弁(22)と、冷房運転時に凝縮器として、暖
房運転時に蒸発器として機能する熱源側熱交換器である
室外熱交換器(23)と、冷媒を減圧するための膨張回路
(24)とを備えており、上記室外熱交換器(23)には室
外ファン(Fo)が設けられている。
【0030】また、室内ユニット(30)は、冷房運転時
に蒸発器として、暖房運転時に凝縮器として機能する利
用側熱交換器である室内熱交換器(31)が配置され、上
記室内熱交換器(31)には室内ファン(Fr)が設けられ
ている。
【0031】そして、上記圧縮機(21)と四路切換弁
(22)と室外熱交換器(23)と膨張回路(24)と室内熱
交換器(31)とは、冷媒配管(11)により順次接続さ
れ、冷媒が循環して熱移動を行う冷媒回路(12)が構成
されている。
【0032】上記膨張回路(24)は、ブリッジ状の整流
回路(2a)と、該整流回路(2a)に接続された一方向通
路(2b)とを備え、該一方向通路(2b)には、上流側に
位置して液冷媒を貯溜する受液器(2c)と、下流側に位
置する膨張機構である開度調整自在な電動膨張弁(EV)
とが直列に配置されている。
【0033】上記整流回路(2a)は、逆止弁(CV)をそ
れぞれ備えた第1流入路(2d)と第1流出路(2e)と第
2流入路(2f)と第2流出路(2g)とがブリッジ状に接
続されて構成されている。
【0034】上記第1流入路(2d)は、室外熱交換器
(23)から一方向通路(2b)に向う冷媒流れを形成し、
また、第1流出路(2e)は、一方向通路(2b)から室内
熱交換器(31)に向う冷媒流れを形成している。上記第
2流入路(2f)は、室内熱交換器(31)から一方向通路
(2b)に向う冷媒流れを形成し、また、第2流出路(2
g)は、一方向通路(2b)から室外熱交換器(23)に向
う冷媒流れを形成している。
【0035】上記整流回路(2a)における一方向通路
(2b)の接続点の間には、キャピラリチューブ(CP)を
有する液封防止通路(2h)が設けられ、該液封防止通路
(2h)は、圧縮機(21)の停止時における液封を防止し
ている。尚、上記キャピラリチューブ(CP)の減圧度
は、電動膨張弁(EV)よりも十分大きくなるように設定
され、通常運転時における電動膨張弁(EV)による冷媒
流量調節機能を維持するように構成されている。
【0036】上記受液器(2c)の上部と、常時低圧液ラ
インとなる一方向通路(2b)における電動膨張弁(EV)
より下流側との間には、開閉弁(SV)が設けられて受液
器(2c)内のガス冷媒を抜くバイパス通路(2i)が電動
膨張弁(EV)をバイパスするように接続されている。
【0037】上記空気調和装置(10)にはセンサ類が設
けられている。つまり、上記圧縮機(21)の吐出管に
は、該圧縮機(21)の吐出側の冷媒吐出温度T2を検出す
る第1検出手段である吐出管センサ(Th-2)が配置さ
れ、室外ユニット(20)の空気吸込口には、室外空気温
度である外気温度Taを検出する外気温センサ(Th-a)が
配置され、室外熱交換器(23)には、冷房運転時には冷
媒凝縮温度Tcとなり、暖房運転時には冷媒蒸発温度Teと
なる室外冷媒温度Tgを検出する室外熱交換センサ(Th-
g)が配置されている。
【0038】また、上記室内ユニット(30)の空気吸込
口には、室内空気温度(吸込空気温度)である室内温度
Trを検出する室温センサ(Th-r)が配置され、室内熱交
換器(31)には、冷房運転時には冷媒蒸発温度Teとな
り、暖房運転時には冷媒凝縮温度Tcとなる室内冷媒温度
Tnを検出する第2検出手段である室内熱交換センサ(Th
-n)が配置されている。
【0039】また、上記圧縮機(21)の吐出管には、高
圧冷媒圧力が過上昇すると動作する高圧カット用の高圧
圧力スイッチ(HS)が配置され、上記圧縮機(21)の吸
入管には、低圧冷媒圧力が過低下すると動作する低圧カ
ット用の低圧圧力スイッチ(LS)が配置されている。
【0040】そして、上記各センサ(Th-2〜Th-n)及び
圧力スイッチ(HS,LS)の出力信号は、コントローラ
(50)に入力され、該コントローラ(50)は、圧縮機
(21)、室外ファン(Fo)、電動膨張弁(EV)及び室内
ファン(Fr)等を入力信号に基づいて制御し、空調運転
を実行するように構成されている。
【0041】上述した冷媒回路(12)において、冷房運
転時には、室外熱交換器(23)で凝縮して液化した液冷
媒が第1流入路(2d)を通って受液器(2c)に貯溜さ
れ、電動膨張弁(EV)で減圧した後、第1流出路(2e)
を経て室内熱交換器(31)で蒸発して圧縮機(21)に戻
る循環となる一方、暖房運転時には、室内熱交換器(3
1)で凝縮して液化した液冷媒が第2流入路(2f)を通
って受液器(2c)に貯溜され、電動膨張弁(EV)で減圧
した後、第2流出路(2g)を経て室外熱交換器(23)で
蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。
【0042】−制御システム構成− 上記コントローラ(50)は、図3に示すように、本発明
の特徴として、第1導出手段である第1温度算出部(5
1)と、第2導出手段である第2温度算出部(52)と、
多変数制御手段である多変数制御器(53)と、操作量調
節部(57)及び機種判別部(58)から成る操作量補正手
段である操作量補正部(59)とを備えている。
【0043】上記第1温度算出部(51)は、圧縮機(2
1)の目標吐出温度Tkを導出して出力するように構成さ
れている。つまり、該第1温度算出部(51)は、室内熱
交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Tnと、室外
熱交換センサ(Th-g)が検出する室外冷媒温度Tgと、圧
縮機(21)の運転周波数Hzと、外気温センサ(Th-a)が
検出する外気温度Taとが入力し、次式に基づいて目標吐
出温度Tkを導出している。
【0044】
【数1】
【0045】上記第2温度算出部(52)は、室内熱交換
器(31)の冷房運転時の目標蒸発温度及び暖房運転時の
目標凝縮温度を導出して目標冷媒温度Tn-setを出力する
ように構成されている。つまり、加算器(54)が室内温
度Trの設定温度Tsと室温センサ(Th-r)が検出する室内
(13)の空気温度である室内温度Trとより室温偏差ΔTr
を算出している。そして、上記第2温度算出部(52)
は、加算器(54)が算出した室温偏差ΔTrを入力し、冷
房運転時は次式に基づいて目標蒸発温度である目標冷媒
温度Tn-setを導出している。
【0046】
【数2】
【0047】また、上記第2温度算出部(52)は、室温
偏差ΔTrに基づき、暖房運転時は次式に基づいて目標凝
縮温度である目標冷媒温度Tn-setを導出している。
【0048】
【数3】
【0049】上記第1温度算出部(51)が算出した目標
吐出温度Tkは第1偏差算出部(55)に入力されている。
該第1偏差算出部(55)は、吐出管センサ(Th-2)が検
出する吐出温度T2が入力されて目標吐出温度Tkと検出吐
出温度T2との偏差を導出するように構成されている。
【0050】また、上記第2温度算出部(52)が算出し
た目標冷媒温度Tn-setは第2偏差算出部(56)に入力さ
れている。該第2偏差算出部(56)は、室内熱交換セン
サ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Tnが入力されて目標
冷媒温度Tn-setと検出冷媒温度Tnとの偏差を導出するよ
うに構成されている。
【0051】一方、上記多変数制御器(53)は、第1偏
差算出部(55)が算出した吐出温度T2の偏差ΔT2と、上
記第2偏差算出部(56)が算出した室内冷媒温度Tnの偏
差ΔTn(ΔTe,ΔTc)を2入力としている。更に、該多
変数制御器(53)は、圧縮機容量及び膨張弁開度を制御
入力とし、且つ吐出温度T2及び室内冷媒温度Tnを制御出
力とする冷媒回路(12)のダイナミックモデルに基づい
て圧縮機容量と電動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導
出し、該圧縮機容量及び電動膨張弁開度を2出力とし、
これら出力を操作量調節部(57)に出力するように構成
されている。
【0052】つまり、上記多変数制御器(53)は、冷房
運転時において、次式に基づいて圧縮機(21)の周波数
制御量ΔHzと電動膨張弁(EV)の開度制御量ΔEvを導出
している。
【0053】
【数4】
【0054】また、上記多変数制御器(53)は、暖房運
転時において、次式に基づいて圧縮機(21)の周波数制
御量ΔHzと電動膨張弁(EV)の開度制御量ΔEvを導出し
ている。
【0055】
【数5】
【0056】機種判別部(58)は、当該コントローラ
(50)が搭載された空気調和装置の機種を判別する部分
であり、シリーズ化された複数機種のそれぞれに対応す
る複数の判別スイッチにより構成されている。つまり、
能力の異なる複数の空気調和装置(A1,A2,…,A8)の一
つにつき、一つの判別スイッチが設けられている。そし
て、コントローラ(50)が搭載される際に、搭載機種に
対応する判別スイッチのみがON状態に設定され、これ
により、搭載機種が判別されるようになっている。この
機種判別部(58)は、搭載機種を表す機種識別信号を操
作量調節部(57)に伝達するように構成されている。
【0057】操作量調節部(57)は、上記機種識別信号
を受け、搭載された空気調和装置の能力クラスに応じ
て、多変数制御器(53)が出力する圧縮機容量及び膨張
弁開度の制御量ΔHz,ΔEvのそれぞれに対して所定の定
数を乗ずる補正を行い、補正後の圧縮機容量の制御量Δ
Hz2 及び補正後の膨張弁開度の制御量ΔEv2 を導出する
ように構成されている。
【0058】ここで、圧縮機容量及び膨張弁開度の制御
量ΔHz,ΔEvのそれぞれに対して所定の定数を乗ずる補
正を行うこととした理由は、シリーズ化された空気調和
装置はその構成が同様であるため、入力が同じ場合に
は、必要とされる出力は圧縮機等の構成要素の容量に応
じた比例関係にあり、出力を定数倍することにより、良
好に制御することができるからである。ただし、補正方
法はこのような方法に限られるものではなく、種々の補
正方法が可能である。
【0059】詳しくは、操作量調節部(57)は、次式に
基づいて、補正後の圧縮機(21)の周波数制御量ΔHz2
及び補正後の電動膨張弁(EV)の開度制御量ΔEv2 を導
出している。
【0060】
【数6】
【0061】ここで、Hz-hosei及びEv-hoseiは、図4に
示すように、能力クラスの異なる空気調和装置(A1,A2,
…,A8)に応じて、それぞれ所定の値に定められてい
る。そして、補正後の圧縮機容量及び膨張弁開度の制御
量ΔHz2,ΔEv2に基づき、上記圧縮機(21)に対して容
量指令信号である周波数指令信号が、電動膨張弁(EV)
に対して開度指令信号がそれぞれ出力されるようになっ
ている。
【0062】そして、上記吐出温度T2が目標吐出温度Tk
に、室内冷媒温度Tnが目標冷媒温度Tn-setにそれぞれな
るように、圧縮機(21)の運転周波数が周波数指令信号
に基づき変更されると共に、電動膨張弁(EV)の開度が
開度指令信号に基づき変更される。
【0063】−多変数制御の設計− ここで、上記多変数制御器(53)の設計手順について説
明する。尚、この設計手順については、冷房運転を対象
に説明し、室内冷媒温度Tnは室内熱交換器(31)の蒸発
温度Teで示している。
【0064】先ず、空気調和装置(10)の特性、つま
り、冷媒回路(12)の特性は、次式で表される。
【0065】
【数7】
【0066】但し、Aは4×4の行列、Bは4×2の行
列、Cは2×4の行列、Dは2×2の行列、xは状態ベ
クトル、uは[Hz,Ev]T 、yは[Te,T2]T である。
【0067】次に、定常偏差をなくするために入力uに
積分器を追加すると、仮想的な空気調和装置の特性は、
次式で表される。
【0068】
【数8】
【0069】但し、上式のAa,Ba,Ca,及びxaは、次
式で表される。
【0070】
【数9】
【0071】この時、二乗和の関数Jは、次式で表され
る。
【0072】
【数10】
【0073】この関数JのQ及びRは重み行列であり、
関数Jを最小にする入力uは、次式で与えられることが
知られている。
【0074】
【数11】
【0075】但し、上式のPは、次式の正定解である。
【0076】
【数12】
【0077】一方、仮想的な空気調和装置の状態ベクト
ルxaは、直接に測定することができないため、カルマ
ンフィルタによって次式から求める。
【0078】
【数13】
【0079】但し、カルマンゲインLは、仮想的な空気
調和装置の特性が次式で表されるとすると、
【0080】
【数14】
【0081】次式で与えられる。
【0082】
【数15】
【0083】また、上式のPL は、次式の正定解であ
る。
【0084】
【数16】
【0085】そして、入力uは、次式の通りであるの
で、
【0086】
【数17】
【0087】上記式は、次式の通りとなる。
【0088】
【数18】
【0089】上記入力uに追加した積分器は実際には存
在しないため、制御器側で実装する必要がある。このた
め、上記式に積分器を追加すると、次式の通りとな
る。
【0090】
【数19】
【0091】更に、実際には、上記式を適当なサンプ
リング時間で離散化し、また、入力と出力とをそれぞれ
摂動分に変更すると、上記及び′に対応する次式が
得られる。
【0092】
【数20】
【0093】上記多変数制御器(53)は、上述したよう
に構築されたダイナミックモデルに基づいて圧縮機(2
1)の運転周波数Hzと電動膨張弁(EV)Evの開度との制
御量を導出することになる。
【0094】更に、上記式から式をそのまま求める
と、8次になる。つまり、上記式で表される仮想的な
空調機は、図5に示すように、積分器も含めて6つの変
数で表されて6次となる。したがって、この場合の制御
器も6次となる。
【0095】この場合、行列の次数が多く、メモリ容量
や計算容量が大きくなる。そこで、図6に示すように、
制御器を2次に減少するようにしてもよい。つまり、図
7及び図8に示すように、図6の空調機の入力uに対し
て空調機の出力yが変動する場合、図7及び図8の
(b)におけるMに示すように、安定状態の定常ゲイン
のみに基づいて制御するようにすると、制御器である多
変数制御器(53)を2次とすることができる。
【0096】具体的に、上記式は、次式で表される。
【0097】
【数21】
【0098】そして、上式の制御パラメータ行列は、次
式で表される。
【0099】
【数22】
【0100】この結果、積分器を含めた多変数制御器
(53)を4次にすることが可能となる。
【0101】−空調の制御動作− 次に、上記コントローラによる空調の制御動作について
図9〜図11の制御フローに基づき説明する。
【0102】先ず、空調運転を開始すると、図9のステ
ップST1において、初期設定を行った後、ステップST2に
移り、室内制御タイマをリセットしてスタートさせる。
その後、ステップST3に移り、サブルーチンにおける圧
縮機(21)の運転等を行って室内温度Trを制御した後、
ステップST4に移り、室温制御タイマがタイムアップし
たか否かを判定する。
【0103】上記室温制御タイマがタイムアップするま
で、上記ステップST4からステップST5に移り、所定時間
待機した後、上記ステップST4に戻り、上述の判定を行
う。そして、上記室温制御タイマがタイムアップする
と、上記ステップST4からステップST2に戻り、室内制御
タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップST3
の室内温度Trを制御し、この動作を繰り返す。
【0104】次に、上記ステップST3のサブルーチンの
制御動作について図10に基づき説明すると、先ず、ス
テップST21において、吐出管センサ(Th-2)や室温セン
サ(Th-r)や室内熱交換センサ(Th-n)などが出力する
検知信号を取り込み、ステップST22において、現在冷房
運転を実行しているか否かを判定する。
【0105】冷房運転を行っている場合、上記ステップ
ST22からステップST23に移り、目標吐出温度Tk及び目標
蒸発温度である目標冷媒温度Tn-setを算出する。つま
り、第1温度算出部(51)が、式に基づいて目標吐出
温度Tkを算出する。また、加算器(52)が室内温度Trの
設定温度Tsと室温センサ(Th-r)が検出する室内温度Tr
とより室温偏差ΔTrを算出し、この室温偏差ΔTrが第2
温度算出部(52)に入力しているので、該第2温度算出
部(52)が、式に基づいて目標蒸発温度である目標冷
媒温度Tn-setを算出する。
【0106】続いて、ステップST24に移り、第1偏差算
出部(55)が、目標吐出温度Tkと、吐出管センサ(Th-
2)が検出する吐出温度T2との偏差ΔT2を算出すると共
に、第2偏差算出部(56)が、目標冷媒温度Tn-setと、
室内熱交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Teと
の偏差ΔTeを算出する。
【0107】その後、ステップST25に移り、多変数制御
器(53)は、式又は式で表されるダイナミックモデ
ルに基づき、第1偏差算出部(55)が算出した吐出温度
の偏差ΔT2と、第2偏差算出部(56)が算出した室内冷
媒温度Teの偏差ΔTeを2入力とし、圧縮機容量と電動膨
張弁開度の補正前の制御量ΔHz,ΔEvを導出する。
【0108】次に、ステップST26に移り、操作量調節部
(57)が”式に基づいて圧縮機容量と電動膨張弁開度
の制御量の補正を行い、補正後の制御量ΔHz2,ΔEv2を
導出する。
【0109】そして、ステップST27に移り、上記制御量
ΔHz2,ΔEv2に基づき圧縮機(21)に対して周波数指令
信号が、電動膨張弁(EV)に対して開度指令信号がそれ
ぞれ出力された後、図9のメインルーチンに戻り、上述
の動作を繰り返して冷房運転を制御する。
【0110】一方、暖房運転時は、上記ステップST22の
判定がNOとなって、図11のステップST31に移り、上
記ステップST23に対応して、目標吐出温度Tk及び目標凝
縮温度である目標冷媒温度Tn-setを算出する。つまり、
第1温度算出部(51)及び第2算出部が、式及び′
式に基づいて目標吐出温度Tk及び目標凝縮温度である目
標冷媒温度Tn-setを算出する。
【0111】続いて、ステップST32に移り、上記ステッ
プST24に対応して、第1偏差算出部(55)が、目標吐出
温度Tkと、吐出管センサ(Th-2)が検出する吐出温度T2
との偏差ΔT2を算出すると共に、第2偏差算出部(56)
が、目標冷媒温度Tn-setと、室内熱交換センサ(Th-n)
が検出する室内冷媒温度Tcとの偏差ΔTcを算出する。
【0112】その後、ステップST33に移り、上記ステッ
プST25に対応して、多変数制御器(53)は、′式又は
式で表されるダイナミックモデルに基づき、第1偏差
算出部(55)が算出した吐出温度の偏差ΔT2と、第2偏
差算出部(56)が算出した冷媒温度の偏差ΔTcを2入力
とし、圧縮機容量と電動膨張弁開度の補正前の制御量Δ
Hz,ΔEvを導出する。
【0113】次に、ステップST34に移り、上記ステップ
ST26に対応して、操作量調節部(57)が圧縮機容量と電
動膨張弁開度の制御量の補正を行い、補正後の制御量Δ
Hz2,ΔEv2を導出する。
【0114】そして、ステップST35に移り、上記ステッ
プST27に対応して、上記制御量ΔHz2,ΔEv2に基づき圧
縮機(21)に周波数指令信号が、電動膨張弁(EV)に開
度指令信号がそれぞれ出力されて図9のメインルーチン
に戻り、上述の動作を繰り返して暖房運転を制御する。
【0115】−実施形態1の効果− 以上のように、本実施形態によれば、操作量調節部(5
7)が空気調和装置の能力クラスに応じて多変数制御器
(53)の制御出力を補正するので、1種類の多変数制御
器(53)によって、能力クラスの異なる複数の空気調和
装置を制御することが可能となる。そのため、コントロ
ーラは複数の多変数制御器を備える必要がなくなるの
で、コントローラのメモリ量を低減することができる。
その結果、コントローラを低コストに製造することがで
きるので、空気調和装置の低コスト化を達成することが
できる。
【0116】また、能力クラス別にシリーズ化した空気
調和装置のすべてのクラスに対して、同一種類の多変数
制御器(53)を搭載することができるので、メンテナン
スが容易になり、空気調和装置のサービス性を向上させ
ることができる。
【0117】操作量調節部(57)による制御量の補正
は、多変数制御器(53)が導出した制御量に対して所定
の定数を乗ずるだけの簡便な補正であるので、コントロ
ーラ(50)のメモリ消費量をより低減することができ
る。
【0118】また、本実施形態によれば、2入力2出力
の多変数制御器(53)が、圧縮機(21)の吐出温度T2と
室内熱交換器(31)の冷媒温度Tnとを目的変数とし、圧
縮機(21)の運転周波数Hzと電動膨張弁(EV)の開度Ev
とを制御変数として、操作量調節部(57)を介して該圧
縮機(21)及び電動膨張弁(EV)を制御するようにした
ために、圧縮機(21)の吐出温度の異常上昇を確実に防
止することができる。この結果、制御の信頼性を向上さ
せることができる。
【0119】つまり、図12に示すように、例えば、冷
房運転時の目標冷媒温度である目標蒸発温度Tn-setの変
化(図12のN1参照)に対して、実際の室内冷媒温度
である蒸発温度Teが図12のN2のように変化した場
合、室内熱交換器(31)の出口の冷媒過熱度SHは、従
来、図12のN3のように大きく変化したが、本実施形
態においては、図12のN4のように、過上昇が抑制さ
れる。更に、圧縮機(21)の運転周波数Hzは、図12の
N5のように変化する一方、電動膨張弁(EV)の開度Ev
は、従来、図12のN6のように開口量が小さくなるの
に対し、本実施形態においては、図12のN7のよう
に、開口量が大きくなる。この結果、圧縮機(21)の吐
出温度T2は、従来、図12のN8のように大きく上昇し
たが、本実施形態においては、図12のN9のように、
過上昇が抑制され、異常停止などの保護機構の作動を防
止することができるので、快適な空調運転を行うことが
できる。
【0120】また、上記圧縮機(21)の吐出温度T2と上
記室内熱交換器(31)の冷媒温度Tnとを検出すればよ
く、センサ数の低減を図ることができ、安価にすること
ができる。
【0121】<実施形態2>実施形態2は、圧縮機には
同一種類のものを使用し、膨張弁には種類の異なるもの
を使用するようにシリーズ化された空気調和装置に対
し、本発明を適用した形態である。
【0122】空気調和装置及びコントローラの構成は実
施形態1と同様なので、それらの説明は省略する。
【0123】図13及び図14を参照しながら、本実施
形態におけるコントローラの制御動作(図9のステップ
ST3における制御動作)を説明する。
【0124】ステップST41〜ST45は、実施形態1のステ
ップST21〜ST25と同様である。つまり、ステップST41に
おいて各種センサが出力する検知信号を取り込み、ステ
ップST42において冷房運転を実行中か否かを判定する。
冷房運転を行っている場合には、ステップST43におい
て、目標蒸発温度及び目標吐出温度を算出する。ステッ
プST44では、目標吐出温度Tkと吐出温度T2との偏差ΔT2
と、目標冷媒温度Tn-setと室内冷媒温度Teとの偏差ΔTe
とを算出する。ステップST45では、多変数制御器(53)
が所定のダイナミックモデルに基づき、吐出温度の偏差
ΔT2及び室内冷媒温度の偏差ΔTeを2入力とし、圧縮機
容量及び電動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導出す
る。
【0125】そして、ステップST45からステップST46に
移り、操作量調節部(57)が電動膨張弁開度の制御量の
みを補正する。つまり、圧縮機容量の制御量ΔHzに対し
ては補正を行わず、膨張弁開度の制御量ΔEvに対して補
正を行う。膨張弁開度の制御量の補正は、多変数制御器
(53)によって導出された制御量ΔEvに対し、所定の補
正係数Ev-hoseiを乗ずることによって行われる。なお、
補正係数は、図15に示すように、能力クラスの異なる
複数の空気調和装置(A1,A2,…,A8)に設けられた各ク
ラスの電動膨張弁、つまり流量係数の異なる複数の電動
膨張弁の各々に対し、それぞれ設定されている。
【0126】次に、ステップST47において、圧縮機及び
電動膨張弁の制御量が算出され、図9のメインルーチン
に戻る。
【0127】一方、暖房運転を行っている場合には、ス
テップST42の判定がNOとなり、図14のステップST51
に移って、目標凝縮温度及び目標吐出温度を算出する。
次に、ステップST52において、目標吐出温度Tkと吐出温
度T2との偏差ΔT2と、目標冷媒温度Tn-setと室内冷媒温
度Tcとの偏差ΔTcとを算出する。その後、ステップST53
に移り、多変数制御器(53)により、圧縮機容量及び電
動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導出する。
【0128】ステップST54では、上記ステップST46と同
様に、電動膨張弁開度の制御量のみを補正し、電動膨張
弁開度の補正後の制御量ΔHz2を導出する。そして、ス
テップST55において圧縮機及び電動膨張弁の操作量を算
出し、図9のメインルーチンに戻る。
【0129】従って、本実施形態によれば、同一種類の
圧縮機を使用する空気調和装置のシリーズに対して、実
施形態1よりも簡便な手法及び簡易な構成により、多変
数制御器(53)の共通化を図ることが可能となる。
【0130】<実施形態3>実施形態3は、膨張弁には
同一種類のものを使用し、圧縮機には種類の異なるもの
を使用するようにシリーズ化された空気調和装置に対
し、本発明を適用した形態である。
【0131】本実施形態においても、空気調和装置及び
コントローラの構成は実施形態1と同様なので、それら
の説明は省略する。
【0132】図16及び図17を参照しながら、本実施
形態におけるコントローラの制御動作(図9のステップ
ST3における制御動作)を説明する。本実施形態のステ
ップST61〜ST65、ST71〜ST73は、それぞれ実施形態1の
ステップST21〜ST25、ST31〜ST33と同様である。
【0133】本実施形態では、冷房運転を行っている場
合、ステップST66において、操作量調節部(57)が圧縮
機容量の制御量のみを補正する。つまり、膨張弁開度の
制御量ΔEvに対しては補正を行わず、圧縮機容量の制御
量ΔHzに対して補正を行う。圧縮機容量の制御量の補正
は、多変数制御器(53)によって導出された制御量ΔHz
に対し、所定の補正係数Hz-hoseiを乗ずることによって
行われる。この補正係数は、図18に示すように、能力
クラスの異なる空気調和装置(A1,A2,…,A8)に搭載さ
れる各種の圧縮機に応じて、それぞれ設定されている。
【0134】ステップST66において補正を行った後は、
ステップST67に進み、圧縮機及び電動膨張弁の制御量を
算出し、図9のメインルーチンに戻る。
【0135】一方、暖房運転を行っている場合は、図1
7に示すように、ステップST74において圧縮機容量の制
御量のみを補正する。そして、ステップST75に進み、圧
縮機及び電動膨張弁の操作量を算出する。その後は、図
9のメインルーチンに戻る。
【0136】従って、本実施形態によれば、同一種類の
電動膨張弁を使用する空気調和装置のシリーズに対し
て、実施形態1よりも簡便な手法及び簡易な構成によ
り、多変数制御器(53)の共通化を図ることが可能とな
る。
【0137】<その他の実施形態>上記実施形態におい
ては、操作量調節部(57)が行う制御量の補正は、多変
数制御器(53)が導出する制御量に所定定数を乗ずるも
のであったが、操作量調節部(57)による制御量補正は
これに限定されるものではない。例えば、多変数制御器
(53)が導出する制御量を変数とする関数を予め記憶し
ておき、当該関数に基づいて導出するようにしてもよ
い。この場合、上記実施形態に比べるとメモリ消費量は
増加するが、能力クラスに応じたより精密な制御が可能
となる。
【0138】機種判別部(58)は、機種毎に異なる抵抗
値を設定しておき、搭載時に搭載機種に応じた抵抗を設
けることにより搭載機種を判別するようにしたものでも
よい。また、機種判別ジャンパによって構成してもよ
い。
【0139】機種判別部(58)から操作量調節部(57)
に伝達される機種識別信号は、コントローラ(50)を空
気調和装置に搭載した際に送信するようにしてもよく、
また、空気調和装置への電源入力時に送信するようにし
てもよい。
【0140】また、本実施形態においては、いわゆるセ
パレートタイプの空気調和装置(10)について説明した
が、本発明は、その他の各種の空気調和装置に適用する
ことができる。
【0141】また、本実施形態は、冷房運転と暖房運転
の双方を行うようにしたが、本発明では、冷房専用機又
は暖房専用機であってもよい。その場合、冷房専用機に
あっては、室内熱交換センサ(Th-n)が室内熱交換器
(31)の冷媒蒸発温度Teを検出し、第2温度算出部(5
2)が室内熱交換器(31)の目標蒸発温度Tn-setを算出
する。また、暖房専用機にあっては、室内熱交換センサ
(Th-n)が室内熱交換器(31)の冷媒凝縮温度Tcを検出
し、第2温度算出部(52)が室内熱交換器(31)の目標
凝縮温度Tn-setを算出する。
【0142】また、上記実施形態は、室内熱交換器(3
1)における冷媒の物理量として、室内熱交換センサ(T
h-n)が検出する室内冷媒温度Tnである蒸発温度及び凝
縮温度を用いたが、本発明では、例えば、圧縮機(21)
の吐出側と吸入側とに圧力センサを設け、室内熱交換器
(31)の冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する物理量として蒸
発圧力及び凝縮圧力を用いてもよい。その際、第2温度
算出部(52)は、冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する目標物
理量として目標蒸発圧力及び目標凝縮圧力を算出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の空気調和装置を示す冷媒回路図であ
る。
【図3】実施形態の制御システムを示す制御ブロック図
である。
【図4】補正係数を示すテーブルである。
【図5】仮想的な制御システムを示す制御ブロック図で
ある。
【図6】簡略化した制御システムを示す制御ブロック図
である。
【図7】空調機の入力と出力との特性図である。
【図8】空調機の他の入力と出力との特性図である。
【図9】空調制御のメインルーチンを示す制御フローチ
ャートである。
【図10】冷房運転時の空調制御のサブルーチンを示す
制御フローチャートである。
【図11】暖房運転時の空調制御のサブルーチンを示す
制御フローチャートである。
【図12】空気調和装置の状態変化を示す特性図であ
る。
【図13】冷房運転時の空調制御のサブルーチンを示す
制御フローチャートである。
【図14】暖房運転時の空調制御のサブルーチンを示す
制御フローチャートである。
【図15】補正係数を示すテーブルである。
【図16】冷房運転時の空調制御のサブルーチンを示す
制御フローチャートである。
【図17】暖房運転時の空調制御のサブルーチンを示す
制御フローチャートである。
【図18】補正係数を示すテーブルである。
【符号の説明】
10 空気調和装置 12 冷媒回路 21 圧縮機 23 室外熱交換器(熱源側熱交換器) 31 室内熱交換器(利用側熱交換器) EV 電動膨張弁 Th-2 吐出管センサ(第1検出手段) Th-n 室内熱交換センサ(第2検出手段) Th-r 室温センサ 50 コントローラ 51 第1温度算出部(第1導出部) 52 第2温度算出部(第2導出部) 53 多変数制御器(多変数制御手段) 54 加算器 55 第1偏差算出部 56 第2偏差算出部 57 操作量調節部 58 機種判別部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転容量の可変な圧縮機(21)と熱源側
    熱交換器(23)と開度の可変な膨張弁(EV)と利用側熱
    交換器(31)とが順に接続された冷媒回路(12)を備え
    る能力クラスが異なる少なくとも2種類の空気調和装置
    に搭載される空気調和装置の運転制御装置であって、 所定のダイナミックモデルに基づいて複数の入力から複
    数の出力を導出する多変数制御手段(53)と、 搭載される空気調和装置の能力クラスに基づいて上記多
    変数制御手段(53)の出力を補正する操作量補正手段
    (59)とを備えていることを特徴とする空気調和装置の
    運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空気調和装置の運転制
    御装置において、 多変数制御手段(53)は、2つの入力から2つの出力を
    導出することを特徴とする空気調和装置の運転制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の空気調和装置の運転制
    御装置において、 圧縮機(21)から吐出される冷媒の吐出温度を検出して
    出力する第1検出手段(Th-2)と、 利用側熱交換器(31)の冷媒温度を検出して出力する第
    2検出手段(Th-n)と、 上記圧縮機(21)から吐出される冷媒の目標吐出温度を
    導出して出力する第1導出手段(51)と、 上記利用側熱交換器(31)の目標冷媒温度を導出して出
    力する第2導出手段(52)とを備え、 多変数制御手段(53)は、上記第1検出手段(Th-2)の
    検出吐出温度と第1導出手段(51)の目標吐出温度との
    偏差及び、上記第2検出手段(Th-n)の検出冷媒温度と
    第2導出手段(52)の目標冷媒温度との偏差を2入力と
    し、圧縮機容量と膨張弁開度を制御入力とし、吐出温度
    と冷媒温度とを制御出力とする冷凍サイクルのダイナミ
    ックモデルに基づいて、圧縮機容量と膨張弁開度の制御
    量を導出することを特徴とする空気調和装置の運転制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の空気調和装置の運転制
    御装置において、 操作量補正手段(59)は、搭載される空気調和装置の能
    力クラスに応じて、多変数制御手段(53)が出力する圧
    縮機容量及び膨張弁開度の制御量に対し、それぞれ所定
    の定数を乗ずる補正を行うように構成されていることを
    特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の空気調和装置の運転制
    御装置において、 操作量補正手段(59)は、搭載される空気調和装置の能
    力クラスに応じて、多変数制御手段(53)が出力する圧
    縮機容量の制御量に対し所定の定数を乗ずる補正を行う
    ように構成されていることを特徴とする空気調和装置の
    運転制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の空気調和装置の運転制
    御装置において、 操作量補正手段(59)は、搭載される空気調和装置の能
    力クラスに応じて、多変数制御手段(53)が出力する膨
    張弁開度の制御量に対し所定の定数を乗ずる補正を行う
    ように構成されていることを特徴とする空気調和装置の
    運転制御装置。
JP10075465A 1997-11-28 1998-03-24 空気調和装置の運転制御装置 Withdrawn JPH11218348A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10075465A JPH11218348A (ja) 1997-11-28 1998-03-24 空気調和装置の運転制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-327998 1997-11-28
JP32799897 1997-11-28
JP10075465A JPH11218348A (ja) 1997-11-28 1998-03-24 空気調和装置の運転制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11218348A true JPH11218348A (ja) 1999-08-10

Family

ID=26416594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10075465A Withdrawn JPH11218348A (ja) 1997-11-28 1998-03-24 空気調和装置の運転制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11218348A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013002741A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd マルチ形空気調和装置
JP2021521408A (ja) * 2018-07-11 2021-08-26 三菱電機株式会社 蒸気圧縮システム、蒸気圧縮システムのための方法、及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体
CN114234399A (zh) * 2021-12-15 2022-03-25 宁波奥克斯电气股份有限公司 独立变频外机的控制方法、装置、室外机及空调器
CN115727579A (zh) * 2022-11-28 2023-03-03 江苏拓米洛环境试验设备有限公司 制冷系统的控制方法及装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013002741A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Mitsubishi Heavy Ind Ltd マルチ形空気調和装置
JP2021521408A (ja) * 2018-07-11 2021-08-26 三菱電機株式会社 蒸気圧縮システム、蒸気圧縮システムのための方法、及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体
CN114234399A (zh) * 2021-12-15 2022-03-25 宁波奥克斯电气股份有限公司 独立变频外机的控制方法、装置、室外机及空调器
CN115727579A (zh) * 2022-11-28 2023-03-03 江苏拓米洛环境试验设备有限公司 制冷系统的控制方法及装置
CN115727579B (zh) * 2022-11-28 2023-09-29 江苏拓米洛高端装备股份有限公司 制冷系统的控制方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7062930B2 (en) System and method for using hot gas re-heat for humidity control
US6109533A (en) Air conditioner and refrigerant heater outlet temperature control method
US20080315000A1 (en) Integrated Controller And Fault Indicator For Heating And Cooling Systems
JPH10153353A (ja) 空気調和機
JPH0828984A (ja) 空気調和機
US7726140B2 (en) System and method for using hot gas re-heat for humidity control
JPH06201176A (ja) 空気調和機
EP1956306B1 (en) Multi-system air-conditioner and method for controlling the same
KR20050075096A (ko) 멀티형 공기조화기의 각 실 부하 산출 방법 및전자팽창밸브의 제어 방법
JPH11218348A (ja) 空気調和装置の運転制御装置
JP4232212B2 (ja) 空気調和装置の運転制御装置
JP3213662B2 (ja) 空気調和機
JP2947255B1 (ja) 冷媒加熱器出口温度の制御方法
JP3791444B2 (ja) 空気調和機
JP2002327949A (ja) 空気調和装置
JP4164889B2 (ja) 空気調和装置の運転制御装置
JP3384150B2 (ja) 多室空気調和機およびその運転方法
JPH04190062A (ja) 空調機の冷凍サイクル制御装置
JP5245575B2 (ja) 空気調和装置の冷媒量判定方法および空気調和装置
KR100565995B1 (ko) 실내기 설치 위치에 따른 멀티형 에어컨의 운전 방법
JPH11159835A (ja) 空気調和装置の運転制御装置
JP2002327950A (ja) 空気調和装置
JP2960237B2 (ja) 空気調和機
JP2536313B2 (ja) 空気調和装置の運転制御装置
JP3998346B2 (ja) 空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607