JP4164889B2 - 空気調和装置の運転制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置の運転制御装置に関し、特に、多変数制御を行う運転制御装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の空気調和装置には、特公平8−6952号公報に開示されているように、圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とが順に接続されて冷房運転を行う冷媒回路を備え、蒸発器で室内に供給する空気を所定温度に冷却するようにしているものがある。
【0003】
更に、上記蒸発器の吹き出し空気温度と、蒸発器の出口における冷媒の過熱度とを検出し、この空気温度と過熱度とが目標値になるようにコントローラが圧縮機容量と膨張弁開度とを制御している。
【0004】
このコントローラは、圧縮機容量と膨張弁開度を制御入力とし、且つ空気温度と冷媒過熱度を制御出力とする冷媒回路の動的モデルに基づいて、空気温度と冷媒過熱度と該空気温度及び冷媒過熱度の各目標値に対する偏差の累積値とを入力とし、圧縮機容量と膨張弁開度とを出力とする最適レギュレータとして構成され、上記空気温度と冷媒過熱度が目標値になるように圧縮機及び膨張弁を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した空気調和装置においては、多変数制御を適用しているものの、吹き出し空気温度と冷媒の過熱度とを目標値に設定しているため、制御の信頼性に劣るという問題があった。
【0006】
つまり、図12に示すように、過熱度が5deg になるように制御している場合(図12A参照)、本来、圧縮機の冷媒吐出温度が100℃(図12B参照)になるように圧縮機及び膨張弁が制御されることになる。しかしながら、圧縮機モータを加速して圧縮機容量を増大した場合など、運転条件によっては、過熱度が5deg の一定状態に制御されているものの、圧縮機の冷媒吐出温度が異常に上昇し、例えば、130℃にまで上昇する場合がある(図12C参照)。
【0007】
この結果、異常停止などの保護機構が作動することになり、快適な空調運転が継続されず、制御の信頼性に劣るという問題があった。
【0008】
また、上記吹き出し空気温度と冷媒の過熱度とを検出する必要があるため、空気温度センサの他、蒸発器の入口側と出口側の2つの冷媒温度センサ又は冷媒温度センサと冷媒圧力センサを設ける必要があった。したがって、センサ数が多く、高価になるという問題があった。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、圧縮機における冷媒吐出温度の異常上昇を防止すると同時に、センサ数の低減を図ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
−発明の概要−
本発明は、検出吐出温度と目標吐出温度との偏差及び利用側熱交換器(31)の検出冷媒温度と目標冷媒温度との偏差を2入力とし、圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とする多変数制御を行い、圧縮機(21)に容量指令信号を、膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力するようにしている。
【0011】
−解決手段−
具体的に、図1に示すように、本発明が講じた第1の解決手段は、先ず、運転容量の可変な圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と開度の可変な膨張弁(EV)と利用側熱交換器(31)とが順に接続された冷媒回路(12)を備え、冷房運転を行う空気調和装置を前提としている。そして、上記圧縮機(21)における冷媒の吐出温度を検出して出力する第1検出手段(Th-2)と、上記利用側熱交換器(31)における冷媒蒸発に関する物理量を検出して出力する第2検出手段(Th-n)とが設けられている。更に、上記圧縮機(21)の目標吐出温度を導出して出力する第1導出手段(51)と、上記利用側熱交換器(31)における冷媒蒸発に関する目標物理量を導出して出力する第2導出手段(52)とが設けられている。
【0012】
加えて、上記第1検出手段( Th-2 )の検出吐出温度と第1導出手段( 51 )の目標吐出温度との吐出温度偏差と、上記第2検出手段( Th-n )の検出物理量と第2導出手段( 52 )の目標物理量との物理量偏差と、圧縮機容量の制御量と、膨張弁開度の制御量との関係を示す関数で表される冷媒回路( 12 )のダイナミックモデルを用いた制御手段であって、上記ダイナミックモデルが、上記吐出温度偏差及び物理量偏差を2入力とする一方、圧縮機容量と膨張弁開度とを制御入力とし、且つ吐出温度と冷媒蒸発に関する物理量とを制御出力としており、上記ダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出し、該圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号を、上記膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力する多変数制御手段(53)が設けられている。
【0013】
上記第1の解決手段における冷媒蒸発に関する物理量は蒸発温度であり、冷媒蒸発に関する目標物理量は目標蒸発温度である。
【0014】
また、第2の解決手段は、第1の解決手段における冷房運転を行う空気調和装置に代えて、暖房運転を行う空気調和装置を前提としている。そして、第2の解決手段は、第1の解決手段の第2検出手段(Th-n)と第2導出手段(52)に代えて、利用側熱交換器(31)における冷媒凝縮に関する物理量を検出して出力する第2検出手段(Th-n)と、利用側熱交換器(31)における冷媒凝縮に関する目標物理量を導出して出力する第2導出手段(52)とが設けられている。
【0015】
加えて、第2の解決手段は、第1の解決手段の多変数制御手段(53)に代えて、上記第1検出手段( Th-2 )の検出吐出温度と第1導出手段( 51 )の目標吐出温度との吐出温度偏差と、上記第2検出手段( Th-n )の検出物理量と第2導出手段( 52 )の目標物理量との物理量偏差と、圧縮機容量の制御量と、膨張弁開度の制御量との関係を示す関数で表される冷媒回路( 12 )のダイナミックモデルを用いた制御手段であって、上記ダイナミックモデルが、上記吐出温度偏差及び物理量偏差を2入力とする一方、圧縮機容量と膨張弁開度とを制御入力とし、且つ吐出温度と冷媒凝縮に関する物理量とを制御出力としており、上記ダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出し、該圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号を、上記膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力する多変数制御手段(53)が設けられている。
【0016】
上記第2の解決手段における冷媒凝縮に関する物理量は凝縮温度であり、冷媒凝縮に関する目標物理量は目標凝縮温度である。
【0017】
また、第3の解決手段は、第1の解決手段における冷房運転を行う空気調和装置に代えて、冷房運転と暖房運転とを行う空気調和装置を前提としている。そして、第3の解決手段は、第1の解決手段の第2検出手段(Th-n)と第2導出手段(52)に代えて、利用側熱交換器(31)における冷房運転時の冷媒蒸発及び暖房運転時の冷媒凝縮に関する物理量を検出して出力する第2検出手段(Th-n)と、利用側熱交換器(31)における冷房運転時の冷媒蒸発及び暖房運転時の冷媒凝縮に関する目標物理量を導出して出力する第2導出手段(52)とが設けられている。
【0018】
加えて、第3の解決手段は、第1の解決手段の多変数制御手段(53)に代えて、上記第1検出手段( Th-2 )の検出吐出温度と第1導出手段( 51 )の目標吐出温度との吐出温度偏差と、上記第2検出手段( Th-n )の検出物理量と第2導出手段( 52 )の目標物理量との物理量偏差と、圧縮機容量の制御量と、膨張弁開度の制御量との関係を示す関数で表される冷媒回路( 12 )のダイナミックモデルを用いた制御手段であって、上記ダイナミックモデルが、上記吐出温度偏差及び物理量偏差を2入力とする一方、圧縮機容量と膨張弁開度とを制御入力とし、且つ吐出温度と冷房運転時の冷媒蒸発及び暖房運転時の冷媒凝縮に関する物理量とを制御出力としており、上記ダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出し、該圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号を、上記膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力する多変数制御手段(53)が設けられている。
【0019】
上記第3の解決手段における冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する物理量は蒸発温度及び凝縮温度であり、冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する目標物理量は目標蒸発温度及び目標凝縮温度である。
【0020】
−作用−
上記の解決手段により、本発明では、先ず、第1検出手段(Th-2)及び第2検出手段(Th-n)が出力する検知信号を取り込み、冷房運転を行っている場合、第1導出手段(51)及び第2導出手段(52)が、例えば、目標吐出温度及び目標蒸発温度を算出する。そして、この目標吐出温度と第1検出手段(Th-2)の検出吐出温度との偏差を算出すると共に、例えば、目標冷媒温度と第2検出手段(Th-n)が検出する利用側熱交換器(31)の蒸発温度との偏差を算出する。
【0021】
その後、多変数制御手段(53)は、圧縮機容量及び膨張弁開度を制御入力とし、且つ吐出温度及び蒸発温度(物理量)を制御出力とする冷媒回路(12)のダイナミックモデルに基づき、吐出温度の偏差と蒸発温度(物理量)の偏差を2入力とし、圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出する。そして、多変数制御手段(53)は、圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、圧縮機(21)に容量指令信号を、膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力して冷房運転を制御する。
【0022】
一方、暖房運転時は、上記第1導出手段(51)及び第2導出手段(52)が、目標吐出温度及び目標凝縮温度を算出する。そして、この目標吐出温度と第1検出手段(Th-2)の検出吐出温度との偏差を算出すると共に、例えば、目標冷媒温度と第2検出手段(Th-n)が検出する利用側熱交換器(31)の凝縮温度との偏差を算出する。
【0023】
その後、多変数制御手段(53)は、圧縮機容量及び膨張弁開度を制御入力とし、且つ吐出温度及び凝縮温度(物理量)を制御出力とする冷媒回路(12)のダイナミックモデルに基づき、吐出温度の偏差と凝縮温度(物理量)の偏差を2入力とし、圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出する。そして、多変数制御手段(53)は、圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、圧縮機(21)に容量指令信号を、膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力して暖房運転を制御する。
【0024】
【発明の効果】
したがって、本発明によれば、2入力2出力の多変数制御手段(53)が、圧縮機(21)の吐出温度と利用側熱交換器(31)の冷媒の物理量とを目的変数とし、圧縮機(21)の容量と膨張弁(EV)の開度とを制御変数として該圧縮機(21)及び膨張弁(EV)を制御するようにしたために、圧縮機(21)の吐出温度の異常上昇を確実に防止することができる。この結果、制御の信頼性を向上させることができる。
【0025】
例えば、図11に示すように、冷房運転時の目標冷媒温度である目標蒸発温度の変化(図11のN1参照)に対して、実際の蒸発温度が図11のN2のように変化した場合、膨張弁(EV)の開度は、従来、図11のN6のように開口量が小さくなるが、本発明においては、図11のN7のように、開口量が大きくなる。この結果、圧縮機(21)の吐出温度は、従来、図11のN8のように大きく上昇したのに対し、本発明においては、図11のN9のように、過上昇を抑制することができる。これにより、異常停止などの保護機構の作動を防止することができるので、快適な空調運転を行うことができる。
【0026】
また、上記圧縮機(21)の吐出温度と上記利用側熱交換器(31)の冷媒温度とを検出するようにすると、センサ数の低減を図ることができ、安価にすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
図2に示すように、本実施形態における空気調和装置(10)は、一台の室外ユニット(20)に対して一台の室内ユニット(30)が接続されたいわゆるセパレートタイプの空気調和装置である。
【0029】
上記室外ユニット(20)は、インバータ(2v)により運転周波数(運転容量)を可変に調節されるスクロールタイプなどの圧縮機(21)と、冷房運転時に図中実線の如く、暖房運転時に図中破線の如く切換わる四路切換弁(22)と、冷房運転時に凝縮器として、暖房運転時に蒸発器として機能する熱源側熱交換器である室外熱交換器(23)と、冷媒を減圧するための膨張回路(24)とを備えており、上記室外熱交換器(23)には室外ファン(Fo)が設けられている。
【0030】
また、室内ユニット(30)は、冷房運転時に蒸発器として、暖房運転時に凝縮器として機能する利用側熱交換器である室内熱交換器(31)が配置され、上記室内熱交換器(31)には室内ファン(Fr)が設けられている。
【0031】
そして、上記圧縮機(21)と四路切換弁(22)と室外熱交換器(23)と膨張回路(24)と室内熱交換器(31)とは、冷媒配管(11)により順次接続され、冷媒が循環して熱移動を行う冷媒回路(12)が構成されている。
【0032】
上記膨張回路(24)は、ブリッジ状の整流回路(2a)と、該整流回路(2a)に接続された一方向通路(2b)とを備え、該一方向通路(2b)には、上流側に位置して液冷媒を貯溜する受液器(2c)と、下流側に位置する開度調整自在な電動膨張弁(EV)とが直列に配置されている。
【0033】
上記整流回路(2a)は、逆止弁(CV)をそれぞれ備えた第1流入路(2d)と第1流出路(2e)と第2流入路(2f)と第2流出路(2g)とがブリッジ状に接続されて構成されている。
【0034】
上記第1流入路(2d)は、室外熱交換器(23)から一方向通路(2b)に向う冷媒流れを形成し、また、第1流出路(2e)は、一方向通路(2b)から室内熱交換器(31)に向う冷媒流れを形成している。上記第2流入路(2f)は、室内熱交換器(31)から一方向通路(2b)に向う冷媒流れを形成し、また、第2流出路(2g)は、一方向通路(2b)から室外熱交換器(23)に向う冷媒流れを形成している。
【0035】
上記整流回路(2a)における一方向通路(2b)の接続点の間には、キャピラリチューブ(CP)を有する液封防止通路(2h)が設けられ、該液封防止通路(2h)は、圧縮機(21)の停止時における液封を防止している。尚、上記キャピラリチューブ(CP)の減圧度は、電動膨張弁(EV)よりも十分大きくなるように設定され、通常運転時における電動膨張弁(EV)による冷媒流量調節機能を維持するように構成されている。
【0036】
上記受液器(2c)の上部と、常時低圧液ラインとなる一方向通路(2b)における電動膨張弁(EV)より下流側との間には、開閉弁(SV)が設けられて受液器(2c)内のガス冷媒を抜くバイパス通路(2i)が電動膨張弁(EV)をバイパスするように接続されている。
【0037】
上記空気調和装置(10)にはセンサ類が設けられている。つまり、上記圧縮機(21)の吐出管には、該圧縮機(21)の吐出側の冷媒吐出温度T2を検出する第1検出手段である吐出管センサ(Th-2)が配置され、室外ユニット(20)の空気吸込口には、室外空気温度である外気温度Taを検出する外気温センサ(Th-a)が配置され、室外熱交換器(23)には、冷房運転時には冷媒凝縮温度Tcとなり、暖房運転時には冷媒蒸発温度Teとなる室外冷媒温度Tgを検出する室外熱交換センサ(Th-g)が配置されている。
【0038】
また、上記室内ユニット(30)の空気吸込口には、室内空気温度(吸込空気温度)である室内温度Trを検出する室温センサ(Th-r)が配置され、室内熱交換器(31)には、冷房運転時には冷媒蒸発温度Teとなり、暖房運転時には冷媒凝縮温度Tcとなる室内冷媒温度Tnを検出する第2検出手段である室内熱交換センサ(Th-n)が配置されている。
【0039】
また、上記圧縮機(21)の吐出管には、高圧冷媒圧力が過上昇すると動作する高圧カット用の高圧圧力スイッチ(HS)が配置され、上記圧縮機(21)の吸入管には、低圧冷媒圧力が過低下すると動作する低圧カット用の低圧圧力スイッチ(LS)が配置されている。
【0040】
そして、上記各センサ(Th-2〜Th-n)及び各スイッチ(HS,LS)の出力信号は、コントローラ(50)に入力され、該コントローラ(50)は、圧縮機(21)、室外ファン(Fo)、電動膨張弁(EV)及び室内ファン(Fr)等を入力信号に基づいて制御し、空調運転を実行するように構成されている。
【0041】
上述した冷媒回路(12)において、冷房運転時には、室外熱交換器(23)で凝縮して液化した液冷媒が第1流入路(2d)を通って受液器(2c)に貯溜され、電動膨張弁(EV)で減圧した後、第1流出路(2e)を経て室内熱交換器(31)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる一方、暖房運転時には、室内熱交換器(31)で凝縮して液化した液冷媒が第2流入路(2f)を通って受液器(2c)に貯溜され、電動膨張弁(EV)で減圧した後、第2流出路(2g)を経て室外熱交換器(23)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。
【0042】
−制御システム構成−
上記コントローラ(50)は、図3に示すように、本発明の特徴として、第1導出手段である第1温度算出部(51)と第2導出手段である第2温度算出部(52)と多変数制御手段である多変数制御器(53)とを備えている。
【0043】
上記第1温度算出部(51)は、圧縮機(21)の目標吐出温度Tkを導出して出力するように構成されている。つまり、該第1温度算出部(51)は、室内熱交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Tnと、室外熱交換センサ(Th-g)が検出する室外冷媒温度Tgと、圧縮機(21)の運転周波数Hzと、外気温センサ(Th-a)が検出する外気温度Taとが入力し、次式に基づいて目標吐出温度Tkを導出している。
【0044】
【数1】
【0045】
上記第2温度算出部(52)は、室内熱交換器(31)における冷房運転時の目標蒸発温度及び暖房運転時の目標凝縮温度を導出して目標冷媒温度Tn-setを出力するように構成されている。つまり、加算器(54)が室温の設定温度Tsと室温センサ(Th-r)が検出する室内(13)の空気温度である室内温度Trとより室温偏差ΔTrを算出している。そして、上記第2温度算出部(52)は、加算器(54)が算出した室温偏差ΔTrが入力し、冷房運転時は次式に基づいて目標蒸発温度である目標冷媒温度Tn-setを導出している。
【0046】
【数2】
【0047】
また、上記第2温度算出部(52)は、室温偏差ΔTrに基づき、暖房運転時は次式に基づいて目標凝縮温度である目標冷媒温度Tn-setを導出している。
【0048】
【数3】
【0049】
上記第1温度算出部(51)が算出した目標吐出温度Tkは第1偏差算出部(55)に入力されている。該第1偏差算出部(55)は、吐出管センサ(Th-2)が検出する吐出温度T2が入力して目標吐出温度Tkと検出吐出温度T2との偏差ΔT2を導出するように構成されている。
【0050】
また、上記第2温度算出部(52)が算出した目標冷媒温度Tn-setは第2偏差算出部(56)に入力されている。該第2偏差算出部(56)は、室内熱交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Tnが入力して目標冷媒温度Tn-setと検出冷媒温度Tnとの偏差ΔTnを導出するように構成されている。
【0051】
一方、上記多変数制御器(53)は、第1偏差算出部(55)が算出した吐出温度T2の偏差ΔT2と、上記第2偏差算出部(56)が算出した室内冷媒温度Tnの偏差ΔTn(ΔTe,ΔTc)を2入力としている。更に、該多変数制御器(53)は、圧縮機容量及び膨張弁開度を制御入力とし、且つ吐出温度T2及び室内冷媒温度Tnを制御出力とする冷媒回路(12)のダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と電動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導出する。その上、該多変数制御器(53)は、圧縮機容量及び電動膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号である周波数指令信号を、電動膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力するように構成されている。
【0052】
つまり、上記多変数制御器(53)は、冷房運転時において、次式に基づいて圧縮機(21)の周波数制御量ΔHzと電動膨張弁(EV)の開度制御量ΔEvを導出している。
【0053】
【数4】
【0054】
また、上記多変数制御器(53)は、暖房運転時において、次式に基づいて圧縮機(21)の周波数制御量ΔHzと電動膨張弁(EV)の開度制御量ΔEvを導出している。
【0055】
【数5】
【0056】
そして、上記吐出温度T2が目標吐出温度Tkに、室内冷媒温度Tnが目標冷媒温度Tn-setにそれぞれなるように、圧縮機(21)の運転周波数が周波数指令信号に基づき変更されると共に、電動膨張弁(EV)の開度が開度指令信号に基づき変更される。
【0057】
−多変数制御の設計−
ここで、上記多変数制御器(53)の設計手順について説明する。尚、この設計手順については、冷房運転を対象に説明し、室内冷媒温度Tnは室内熱交換器(31)の蒸発温度Teで示している。
【0058】
先ず、空気調和装置(10)の特性、つまり、冷媒回路(12)の特性は、次式で表される。
【0059】
【数6】
【0060】
但し、Aは4×4の行列、Bは4×2の行列、Cは2×4の行列、Dは2×2の行列、xは状態ベクトル、uは[ Hz,Ev ]T、yは[ Te,T2 ]Tである。
【0061】
次に、定常偏差をなくするために入力uに積分器を追加すると、仮想的な空気調和装置の特性は、次式で表される。
【0062】
【数7】
【0063】
但し、上式のAa,Ba,Ca,及びxa、次式で表される。
【0064】
【数8】
【0065】
この時、二乗和の関数Jは、次式で表される。
【0066】
【数9】
【0067】
この関数JのQ及びRは重み行列であり、関数Jを最小にする入力uは、次式で与えられることが知られている。
【0068】
【数10】
【0069】
但し、上式のPは、次式の正定解である。
【0070】
【数11】
【0071】
一方、仮想的な空気調和装置の状態ベクトルxaは、直接に測定することができないため、カルマンフィルタによって次式から求める。
【0072】
【数12】
【0073】
但し、カルマンゲインLは、仮想的な空気調和装置の特性が次式で表されるとすると、
【0074】
【数13】
【0075】
次式で与えられる。
【0076】
【数14】
【0077】
また、上式のPL は、次式の正定解である。
【0078】
【数15】
【0079】
そして、入力uは、次式の通りであるので、
【0080】
【数16】
【0081】
上記(5)式は、次式(6)の通りとなる。
【0082】
【数17】
【0083】
上記入力uに追加した積分器は実際には存在しないため、制御器側で実装する必要がある。このため、上記(6)式に積分器を追加すると、次式(7)の通りとなる。
【0084】
【数18】
【0085】
更に、実際には、上記(7)式を適当なサンプリング時間で離散化し、また、入力と出力とをそれぞれ摂動分に変更すると、上記(3)及び(3′)に対応する次式が得られる。
【0086】
【数19】
【0087】
上記多変数制御器(53)は、上述したように構築されたダイナミックモデルに基づいて圧縮機(21)の運転周波数Hzと電動膨張弁(EV)の開度Evとを制御することになる。
【0088】
更に、上記(6)式から(7)式をそのまま求めると、8次になる。つまり、上記(4)式で表される仮想的な空調機は、図4に示すように、積分器も含めて6つの変数で表されて6次となる。したがって、この場合の制御器も6次となる。
【0089】
この場合、行列の次数が多く、メモリ容量や計算容量が大きくなる。そこで、図5に示すように、制御器を2次に減少するようにしてもよい。つまり、図6及び図7に示すように、図5の空調機の入力uに対して空調機の出力yが変動する場合、図6及び図7の(b)におけるMに示すように、安定状態の定常ゲインのみに基づいて制御するようにすると、制御器である多変数制御器(53)を2次とすることができる。
【0090】
具体的に、上記(6)式は、次式で表される。
【0091】
【数20】
【0092】
そして、上式の制御パラメータ行列は、次式で表される。
【0093】
【数21】
【0094】
この結果、積分器を含めた多変数制御器(53)を4次にすることが可能となる。
【0095】
−空調の制御動作−
次に、上記コントローラによる空調の制御動作について図8〜図10の制御フローに基づき説明する。
【0096】
先ず、空調運転を開始すると、図8のステップST1において、初期設定を行った後、ステップST2に移り、室内制御タイマをリセットしてスタートさせる。その後、ステップST3に移り、サブルーチンにおける圧縮機(21)の運転等を行って室内温度Trを制御した後、ステップST4に移り、室温制御タイマがタイムアップしたか否かを判定する。
【0097】
上記室温制御タイマがタイムアップするまで、上記ステップST4からステップST5に移り、所定時間待機した後、上記ステップST4に戻り、上述の判定を行う。そして、上記室温制御タイマがタイムアップすると、上記ステップST4からステップST2に戻り、室内制御タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップST3の室内温度Trを制御し、この動作を繰り返す。
【0098】
次に、上記ステップST3のサブルーチンの制御動作について図9に基づき説明すると、先ず、ステップST21において、吐出管センサ(Th-2)や室温センサ(Th-r)や室内熱交換センサ(Th-n)などが出力する検知信号を取り込み、ステップST22において、現在冷房運転を実行しているか否かを判定する。
【0099】
冷房運転を行っている場合、上記ステップST22からステップST23に移り、目標吐出温度Tk及び目標蒸発温度である目標冷媒温度Tn-setを算出する。つまり、第1温度算出部(51)が、(1)式に基づいて目標吐出温度Tkを算出する。また、加算器(52)が室温の設定温度Tsと室温センサ(Th-r)が検出する室内温度Trとより室温偏差ΔTrを算出し、この室温偏差ΔTrが第2温度算出部(52)に入力しているので、該第2温度算出部(52)が、(2)式に基づいて目標蒸発温度である目標冷媒温度Tn-setを算出する。
【0100】
続いて、ステップST24に移り、第1偏差算出部(55)が、目標吐出温度Tkと、吐出管センサ(Th-2)が検出する吐出温度T2との偏差ΔT2を算出すると共に、第2偏差算出部(56)が、目標冷媒温度Tn-setと、室内熱交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Teとの偏差ΔTeを算出する。
【0101】
その後、ステップST25に移り、多変数制御器(53)は、(3)式又は(8)式で表されるダイナミックモデルに基づき、第1偏差算出部(55)が算出した吐出温度の偏差ΔT2と、第2偏差算出部(56)が算出した室内冷媒温度Teの偏差ΔTeを2入力とし、圧縮機容量と電動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導出する。そして、ステップST26に移り、上記多変数制御器(53)は、圧縮機容量及び電動膨張弁開度を2出力とし、圧縮機(21)に周波数指令信号を、電動膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力して図8のメインルーチンに戻り、上述の動作を繰り返して冷房運転を制御する。
【0102】
一方、暖房運転時は、上記ステップST22の判定がNOとなって、図10のステップST31に移り、上記ステップST23に対応して、目標吐出温度Tk及び目標凝縮温度である目標冷媒温度Tn-setを算出する。つまり、第1温度算出部(51)及び第2算出部が、(1)式及び(2′)式に基づいて目標吐出温度Tk及び目標凝縮温度である目標冷媒温度Tn-setを算出する。
【0103】
続いて、ステップST32に移り、上記ステップST24に対応して、第1偏差算出部(55)が、目標吐出温度Tkと、吐出管センサ(Th-2)が検出する吐出温度T2との偏差ΔT2を算出すると共に、第2偏差算出部(56)が、目標冷媒温度Tn-setと、室内熱交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Tcとの偏差ΔTcを算出する。
【0104】
その後、ステップST33に移り、上記ステップST25に対応して、多変数制御器(53)は、(3′)式又は(8)式で表されるダイナミックモデルに基づき、第1偏差算出部(55)が算出した吐出温度の偏差ΔT2と、第2偏差算出部(56)が算出した冷媒温度の偏差ΔTcを2入力とし、圧縮機容量と電動膨張弁開度の制御量ΔHz,ΔEvを導出する。そして、ステップST34に移り、上記ステップST26に対応して、上記多変数制御器(53)は、圧縮機容量及び電動膨張弁開度を2出力とし、圧縮機(21)に周波数指令信号を、電動膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力して図8のメインルーチンに戻り、上述の動作を繰り返して暖房運転を制御する。
【0105】
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、2入力2出力の多変数制御器(53)が、圧縮機(21)の吐出温度T2と室内熱交換器(31)の冷媒温度Tnとを目的変数とし、圧縮機(21)の運転周波数Hzと電動膨張弁(EV)の開度Evとを制御変数として該圧縮機(21)及び電動膨張弁(EV)を制御するようにしたために、圧縮機(21)の吐出温度T2の異常上昇を確実に防止することができる。この結果、制御の信頼性を向上させることができる。
【0106】
つまり、図11に示すように、例えば、冷房運転時の目標冷媒温度である目標蒸発温度Tn-setの変化(図11のN1参照)に対して、実際の室内冷媒温度である蒸発温度Teが図11のN2のように変化した場合、室内熱交換器(31)の出口の冷媒過熱度SHは、従来、図11のN3のように大きく変化したが、本実施形態においては、図11のN4のように、過上昇が抑制される。更に、上記圧縮機(21)の運転周波数Hzは、図11のN5のように変化する一方、電動膨張弁(EV)の開度Evは、従来、図11のN6のように開口量が小さくなるのに対し、本実施形態においては、図11のN7のように、開口量が大きくなる。この結果、圧縮機(21)の吐出温度T2は、従来、図11のN8のように大きく上昇したが、本実施形態においては、図11のN9のように、過上昇が抑制され、異常停止などの保護機構の作動を防止することができるので、快適な空調運転を行うことができる。
【0107】
また、上記圧縮機(21)の吐出温度T2と上記室内熱交換器(31)の冷媒温度Tnとを検出すればよく、センサ数の低減を図ることができ、安価にすることができる。
【0108】
【発明の他の実施の形態】
本実施形態においては、いわゆるセパレートタイプの空気調和装置(10)について説明したが、本発明は、その他の各種の空気調和装置に適用することができる。
【0109】
また、本実施形態は、冷房運転と暖房運転の双方を行うようにしたが、本発明では、冷房専用機又は暖房専用機であってもよい。その場合、冷房専用機にあっては、室内熱交換センサ(Th-n)が室内熱交換器(31)の冷媒蒸発温度Teを検出し、第2温度算出部(52)が室内熱交換器(31)の目標蒸発温度Tn-setを算出する。また、暖房専用機にあっては、室内熱交換センサ(Th-n)が室内熱交換器(31)の冷媒凝縮温度Tcを検出し、第2温度算出部(52)が室内熱交換器(31)の目標凝縮温度Tn-setを算出する。
【0110】
また、本実施形態は、室内熱交換器(31)における冷媒の物理量として、室内熱交換センサ(Th-n)が検出する室内冷媒温度Tnである蒸発温度及び凝縮温度を用いたが、本発明では、例えば、圧縮機(21)の吐出側と吸入側とに圧力センサを設け、室内熱交換器(31)の冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する物理量として蒸発圧力及び凝縮圧力を用いてもよい。その際、第2温度算出部(52)は、冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する目標物理量として目標蒸発圧力及び目標凝縮圧力を算出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施形態の空気調和装置を示す冷媒回路図である。
【図3】 実施形態の制御システムを示す制御ブロック図である。
【図4】 仮想的な制御システムを示す制御ブロック図である。
【図5】 簡略化した制御システムを示す制御ブロック図である。
【図6】 空調機の入力と出力との特性図である。
【図7】 空調機の他の入力と出力との特性図である。
【図8】 空調制御のメインルーチンを示す制御フロー図である。
【図9】 冷房運転時の空調制御のサブルーチンを示す制御フロー図である。
【図10】 暖房運転時の空調制御のサブルーチンを示す制御フロー図である。
【図11】 空気調和装置の状態変化を示す特性図である。
【図12】 従来の吐出温度の上昇を説明するためのモリエル線図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置
12 冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
31 室内熱交換器(利用側熱交換器)
EV 電動膨張弁
Th-2 吐出管センサ(第1検出手段)
Th-n 室内熱交換センサ(第2検出手段)
Th-r 室温センサ
50 コントローラ
51 第1温度算出部(第1導出部)
52 第2温度算出部(第2導出部)
53 多変数制御器(多変数制御手段)
54 加算器
55 第1偏差算出部
56 第2偏差算出部
Claims (6)
- 運転容量の可変な圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と開度の可変な膨張弁(EV)と利用側熱交換器(31)とが順に接続された冷媒回路(12)を備え、冷房運転を行う空気調和装置において、
上記圧縮機(21)における冷媒の吐出温度を検出して出力する第1検出手段(Th-2)と、
上記利用側熱交換器(31)における冷媒蒸発に関する物理量を検出して出力する第2検出手段(Th-n)と、
上記圧縮機(21)における目標吐出温度を導出して出力する第1導出手段(51)と、
上記利用側熱交換器(31)における冷媒蒸発に関する目標物理量を導出して出力する第2導出手段(52)と、
上記第1検出手段( Th-2 )の検出吐出温度と第1導出手段( 51 )の目標吐出温度との吐出温度偏差と、上記第2検出手段( Th-n )の検出物理量と第2導出手段( 52 )の目標物理量との物理量偏差と、圧縮機容量の制御量と、膨張弁開度の制御量との関係を示す関数で表される冷媒回路( 12 )のダイナミックモデルを用いた制御手段であって、上記ダイナミックモデルが、上記吐出温度偏差及び物理量偏差を2入力とする一方、圧縮機容量と膨張弁開度とを制御入力とし、且つ吐出温度と冷媒蒸発に関する物理量とを制御出力としており、上記ダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出し、該圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号を、上記膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力する多変数制御手段(53)と
を備えていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。 - 請求項1記載の空気調和装置の制御装置において、
冷媒蒸発に関する物理量は蒸発温度であり、冷媒蒸発に関する目標物理量は目標蒸発温度である
ことを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。 - 運転容量の可変な圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と開度の可変な膨張弁(EV)と利用側熱交換器(31)とが順に接続された冷媒回路(12)を備え、暖房運転を行う空気調和装置において、
上記圧縮機(21)における冷媒の吐出温度を検出して出力する第1検出手段(Th-2)と、
上記利用側熱交換器(31)における冷媒凝縮に関する物理量を検出して出力する第2検出手段(Th-n)と、
上記圧縮機(21)における目標吐出温度を導出して出力する第1導出手段(51)と、
上記利用側熱交換器(31)における冷媒凝縮に関する目標物理量を導出して出力する第2導出手段(52)と、
上記第1検出手段( Th-2 )の検出吐出温度と第1導出手段( 51 )の目標吐出温度との吐出温度偏差と、上記第2検出手段( Th-n )の検出物理量と第2導出手段( 52 )の目標物理量との物理量偏差と、圧縮機容量の制御量と、膨張弁開度の制御量との関係を示す関数で表される冷媒回路( 12 )のダイナミックモデルを用いた制御手段であって、上記ダイナミックモデルが、上記吐出温度偏差及び物理量偏差を2入力とする一方、圧縮機容量と膨張弁開度とを制御入力とし、且つ吐出温度と冷媒凝縮に関する物理量とを制御出力としており、上記ダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出し、該圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号を、上記膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力する多変数制御手段(53)と
を備えていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。 - 請求項3記載の空気調和装置の制御装置において、
冷媒凝縮に関する物理量は凝縮温度であり、冷媒凝縮に関する目標物理量は目標凝縮温度である
ことを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。 - 運転容量の可変な圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と開度の可変な膨張弁(EV)と利用側熱交換器(31)とが順に接続されて冷媒循環方向の可逆な冷媒回路(12)を備え、冷房運転と暖房運転とを行う空気調和装置において、
上記圧縮機(21)における冷媒の吐出温度を検出して出力する第1検出手段(Th-2)と、
上記利用側熱交換器(31)における冷房運転時の冷媒蒸発及び暖房運転時の冷媒凝縮に関する物理量を検出して出力する第2検出手段(Th-n)と、
上記圧縮機(21)における目標吐出温度を導出して出力する第1導出手段(51)と、
上記利用側熱交換器(31)における冷房運転時の冷媒蒸発及び暖房運転時の冷媒凝縮に関する目標物理量を導出して出力する第2導出手段(52)と、
上記第1検出手段( Th-2 )の検出吐出温度と第1導出手段( 51 )の目標吐出温度との吐出温度偏差と、上記第2検出手段( Th-n )の検出物理量と第2導出手段( 52 )の目標物理量との物理量偏差と、圧縮機容量の制御量と、膨張弁開度の制御量との関係を示す関数で表される冷媒回路( 12 )のダイナミックモデルを用いた制御手段であって、上記ダイナミックモデルが、上記吐出温度偏差及び物理量偏差を2入力とする一方、圧縮機容量と膨張弁開度とを制御入力とし、且つ吐出温度と冷房運転時の冷媒蒸発及び暖房運転時の冷媒凝縮に関する物理量とを制御出力としており、上記ダイナミックモデルに基づいて圧縮機容量と膨張弁開度の制御量を導出し、該圧縮機容量及び膨張弁開度を2出力とし、上記圧縮機(21)に容量指令信号を、上記膨張弁(EV)に開度指令信号をそれぞれ出力する多変数制御手段(53)と
を備えていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。 - 請求項5記載の空気調和装置の制御装置において、
冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する物理量は蒸発温度及び凝縮温度であり、冷媒蒸発及び冷媒凝縮に関する目標物理量は目標蒸発温度及び目標凝縮温度である
ことを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
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