JPH11217827A - 現場打ちコンクリート杭先端予載荷装置、及び現場打ちコンクリート杭の施工方法 - Google Patents

現場打ちコンクリート杭先端予載荷装置、及び現場打ちコンクリート杭の施工方法

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JPH11217827A
JPH11217827A JP3376698A JP3376698A JPH11217827A JP H11217827 A JPH11217827 A JP H11217827A JP 3376698 A JP3376698 A JP 3376698A JP 3376698 A JP3376698 A JP 3376698A JP H11217827 A JPH11217827 A JP H11217827A
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pile
cast
place concrete
injection
reaction force
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JP3376698A
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Takayuki Suzuki
孝之 鈴木
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East Japan Railway Co
Original Assignee
East Japan Railway Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 打設コンクリートの回り込みが防止でき、杭
先端地盤に予荷重を有効に付与して杭の沈下を確実に抑
制し得る装置や工法を提供する。 【解決手段】 杭孔内で略全断面を閉塞可能な反力受け
部材1と、反力受け部材1の下部に配置され注入材の注
入により杭底方向に変形し反力受け部材1の下端から突
出可能な袋体3を備えて予載荷部を構成し、杭孔の削孔
後に予載荷部を杭孔底部12に設置してコンクリート1
6を打設し、硬化後に袋体3に注入材を注入して杭底方
向に突出変形させ杭底地盤に予荷重を載荷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現場打ちコンクリ
ート杭の先端部に予荷重を与えて現場打ちコンクリート
杭の沈下を抑制する現場打ちコンクリート杭先端予載荷
装置と、この装置を用いた現場打ちコンクリート杭の施
工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現場打ちコンクリート杭は、地盤中に地
表から杭孔を削孔し、杭孔内に鉄筋等の補強部材を配設
した後にコンクリートを打設して地中にコンクリート構
造の杭を形成するものである。このため、工場で製作さ
れた杭を地中に打ち込む打込み杭に比べ、杭の径や長さ
を大きくすることができ、大きな支持力を必要とする基
礎の場合等に有利であった。
【0003】しかし、現場打ちコンクリート杭は、下記
の理由により、コンクリートを打設して杭を形成した後
に杭上方から荷重をかけると沈下を生じる。
【0004】 地中の地盤は上方に積層された土等の
荷重により圧密されているが、杭孔を削孔すると杭先端
部の地盤の応力が開放されるため緩みが生じる。
【0005】 地下水が帯水した砂礫層を貫通して杭
孔の削孔を行った場合に、地下水の噴出(ボイリング)
が生じ、砂礫粒子が流出した部分が不均一に緩む。
【0006】 杭孔の削孔は孔壁の崩落を防止するた
めにベントナイト等の粒子を混合させた水を杭孔内に満
たしながら行うが、杭の先端となる杭孔の底部には地盤
が削孔された微細な土粒子が沈澱した柔らかい不均質な
部分(スライム部)が形成される。
【0007】 杭孔が削孔される地盤自体が場所によ
って不均質であり、地盤強度にはバラツキがある。
【0008】杭が沈下すると、杭上部に設けられる構造
物に過大な力が作用するなど悪影響を及ぼすため、従来
は、設計上、現場打ちコンクリート杭の先端支持力を打
込み杭の先端支持力よりも小さく評価していた。
【0009】また、現場打ちコンクリート杭の沈下を抑
制する施工方法も提案されていた。例えば、コンクリー
ト製のリング状の部材を杭先端部にセットし、施工機械
の自重等を反力として油圧ジャッキ等によりリング部材
を押し込み、杭先端地盤に荷重を作用させることにより
地盤の支持力を改善し杭の沈下を抑制する工法(以下、
「リング部材押込工法」という。)が知られている。ま
た、他の工法として、杭先端部に袋体を配置した状態で
上方にコンクリートを打設し、コンクリート硬化後に袋
体内に注入材を注入させて袋体を杭先端から下方に向け
て膨張させることにより杭先端地盤に予荷重(プレロー
ド)を与え、杭先端地盤をあらかじめ圧縮させて以後の
杭の沈下を抑制する工法(以下、「袋体膨張工法」とい
う。)が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した現場
打ちコンクリート杭の沈下抑制方法では、リング部材押
込工法は、非常に高価であり建設費が増大するという問
題があり、杭を多数施工する場合には採用は困難であっ
た。
【0011】また、袋体膨張工法は、簡易な工法であ
り、費用はさほど増大しない。しかし、袋体は膨張を可
能とするため柔軟な材料により形成されている。したが
って、杭コンクリート打設時に、打設された流動状態の
コンクリートが袋体の外周から袋体の下部に回り込むこ
とが想定される。この場合には、袋体の下部にも硬化し
たコンクリートの部分ができる。このため、袋体内に注
入材を注入しても、硬化したコンクリートにより袋体が
下方に膨張することが阻まれ、杭先端地盤に予荷重を与
えることができない、という問題があった。
【0012】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、打
設コンクリートの回り込みが防止でき、杭先端地盤に予
荷重を有効に付与して杭の沈下を確実に抑制し得る装置
や工法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明に係る現場打ちコンクリート杭先端予載荷
装置は、現場打ちコンクリート杭のための杭孔に収容さ
れ前記杭孔の略全断面を閉塞可能な反力受け部材と、前
記反力受け部材の下部に配置されるとともに注入材の注
入により前記杭孔の底部に向かう杭底方向に変形し前記
反力受け部材の下端から突出可能に構成された突出変形
手段と、前記突出変形手段に前記注入材を注入する注入
手段を備えることを特徴とする。
【0014】上記の現場打ちコンクリート杭先端予載荷
装置において、好ましくは、前記突出変形手段は、柔軟
性と耐圧性を有する材料からなる袋体であり、前記注入
材が前記袋体の内部に注入された場合に前記袋体が膨張
することにより、前記反力受け部材に反力をとるととも
に前記突出変形を行う。
【0015】また、上記の現場打ちコンクリート杭先端
予載荷装置において、好ましくは、前記注入時に前記内
筒駆動手段の内部の空気を排出する排気手段を備える。
【0016】また、本発明に係る現場打ちコンクリート
杭の施工方法は、現場打ちコンクリート杭のための杭孔
を削孔する削孔工程と、次いで、前記杭孔に収容され前
記杭孔の略全断面を閉塞可能な反力受け部材と、前記反
力受け部材の下部に配置されるとともに注入材の注入に
より前記杭孔の底部に向かう杭底方向に突出するように
変形可能に構成された突出変形手段を備える予載荷部
を、前記突出変形手段が前記杭孔の底部の杭底地盤に対
向するように設置する予載荷部設置工程と、次いで、前
記杭孔内に補強部材を配設した後に現場打ちコンクリー
トを打設し硬化させるコンクリート打設工程と、次い
で、前記注入手段により前記突出変形手段に前記注入材
を注入して前記突出変形手段を前記杭底地盤に向かって
突出変形させ前記杭底地盤に予荷重を載荷する予載荷工
程を有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る現場打ちコン
クリート杭先端予載荷装置の実施形態について、図面を
参照しながら説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施形態である現場打
ちコンクリート杭先端予載荷装置の構成を示す図であ
り、図1(A)は側断面図を、図1(B)は図1(A)
における下面図を、それぞれ示している。
【0019】図1に示すように、この現場打ちコンクリ
ート杭先端予載荷装置100は、反力受け部材1と、袋
体3と、注入装置4と、注入管5と、排気装置6と、排
気管7を備えて構成されている。
【0020】反力受け部材1は、鋼,コンクリート,合
成樹脂等の、予荷重を負担可能な耐力を有する材料から
なり、上板1aと、外枠部1bを有している。
【0021】反力受け部材1の上板1aは、円板状に形
成されている。上板1aの円の直径は、用いられる現場
打ちコンクリート杭の杭孔の直径よりもわずかに小さい
値に設定されている。
【0022】反力受け部材1の外枠部1bは、中空円筒
状に形成されている。外枠部1bの円筒の外径は、上板
1aの外径と同一値に設定されている。上板1aは、外
枠部1bの円筒の上部を被覆するように、溶接等により
取り付けられている。
【0023】上記のような構成により、反力受け部材1
は、外枠部1bの円筒の上部が上板1aで閉塞され、外
枠部1bの内部に円柱状の空間(以下、「袋体収容室」
という。)が形成された部材となっている。
【0024】また、反力受け部材1の袋体収容室の上板
1aには、注入管挿通孔1dと排気管挿通孔1eが貫通
している。
【0025】袋体3は、柔軟性と耐圧性(圧力により引
張力が作用しても破れにくい性質)を有しシート状に形
成された素材からなる中空の袋であり、反力受け部材1
の下部の袋体収容室内に配置されている。袋体3には、
注入管5と接続するための孔である注入挿入部3aと、
排気管6と接続するための孔である排気挿入部3bが設
けられている。袋体3を構成する素材としては、合成樹
脂材料からなるシート状部材,ゴム系材料(合成ゴムや
エラストマー系材料等を含む)からなるシート状部材,
合成繊維等からなる布状部材等が挙げられる。特に、袋
体に高い耐圧性が要求される場合には、アラミド繊維等
からなる布状部材を使用するとよい。
【0026】注入装置4は、ポンプ(図示せず)等を有
し、流動状の注入材に圧力を付与して押出し、注入管5
を介して袋体3内に注入する装置である。注入材として
は、流動状で注入された後に硬化する材料であり、無収
縮モルタルや樹脂系注入材等が使用される。また、注入
管5は、可撓性を有する材料により形成されたパイプで
あり、その一端が注入装置4のポンプ(図示せず)の出
口に取り付けられ、他端は、注入管挿通孔1dから袋体
収容室内に挿通され、袋体3の注入管挿入部3aから袋
体3内部に挿入されている。注入管挿入部3aにおいて
は、注入材が袋体3の外部に漏れることを防止するため
にシール部材等が取り付けられる。
【0027】排気装置6は、排気ポンプや真空ポンプ等
(図示せず)を有し、排気管7を介して袋体3内の空気
を外部に排出する装置である。また、排気管7は、可撓
性を有する材料により形成されたパイプであり、その一
端が排気装置6のポンプ(図示せず)の出口に取り付け
られ、他端は、排気管挿通孔1eから袋体収容室内に挿
通され、袋体3の排気管挿入部3bから袋体3内部に挿
入されている。排気管挿入部3bにおいては、空気の出
入を防止するためにシール部材等が取り付けられる。
【0028】次に、上記した現場打ちコンクリート杭先
端予載荷装置100の作用について、図2〜6を参照し
つつ説明を行う。
【0029】まず、現場打ちコンクリート杭を形成する
ための杭孔10を削孔する。杭孔10は、図2に示すよ
うに、円柱状の孔であり、円筒内壁状の杭孔側壁11
と、すり鉢状の杭孔底部12を有している。杭孔10の
削孔は、杭孔側壁11の崩落を防止するため、ベントナ
イト等の粒子を混合させた水を杭孔10内に満たしなが
ら行う。また、杭孔10の底部12付近には地盤が削孔
された微細な土粒子が沈澱した柔らかい不均質な部分
(以下、「スライム部」という。)13が形成される。
この工程は、削孔工程に相当している。
【0030】次に、図2に示すように、現場打ちコンク
リート杭先端予載荷装置100のうち、反力受け部材1
の袋体収容室内に袋体3を配置し袋体3に注入管5と排
気管7を取り付けた部分(以下、「予載荷部」とい
う。)を、杭孔10内にワイヤー等(図示せず)により
吊り降ろす。杭孔底部12の上にはスライム部13が沈
澱しているため、袋体3はスライム部13の上に載置さ
れ、杭孔底部12の杭底地盤に対向するように設置され
る。
【0031】この場合には、反力受け部材1は、杭孔1
0の略全断面を閉塞することになる。また、袋体3に対
しては注入も排気もされず、袋体3は袋体収容室内に縮
んだ状態で収納されている。この工程は、予載荷部設置
工程に相当している。
【0032】なお、図2の上部に示すように、注入装置
4は、杭孔10の外部の地表等に配置され、注入管5の
一端に接続している。また、排気装置6は、杭孔10の
外部の地表等に配置され、排気管7の一端に接続してい
る。図3〜6においては、注入管5の端部の注入装置4
と、排気管7の端部の排気装置6の図示は省略されてい
る。
【0033】次に、長手方向に配置される主鉄筋14
と、環状に配置されるフープ鉄筋15により、円筒カゴ
状の補強部材を杭孔10の外部の地表等で組み立て、こ
の補強部材を杭孔10内に建て込む(図3参照)。
【0034】次に、図4に示すように、円筒カゴ状の補
強部材が建て込まれた杭孔10内に、流動状のコンクリ
ート16が打設され、硬化により現場打ちコンクリート
杭が形成される。図3に示す工程と図4に示す工程は、
コンクリート打設工程に相当している。
【0035】次に、コンクリート16が硬化して所定の
強度を発現したことを確認した後、注入装置4から注入
管5を介して袋体3内に注入材を注入する。注入材の注
入により、袋体3は膨張する。袋体3は、当初、袋体収
容室内で縮んだ状態となっているが、注入材の注入によ
り反力受け部材1の袋体収容室内で充満するように膨張
する(図5参照)。
【0036】この状態から袋体3がさらに膨張すると、
図5の下部に示すように、袋体3は、反力受け部材1の
下端から、壁等で拘束されていない唯一の方向である下
方へ向けて突出変形を行う。この際、突出変形の反力
は、反力受け部材1の袋体収容室の内面(上板1aの下
面と外枠部1bの内壁面)によって支持される。また、
これにより、袋体3に接するスライム部13は周辺に押
しのけられる。
【0037】なお、注入開始前は、袋体3の内部には空
気が入っている。この空気を除去し、袋体3の内部をす
べて注入材で充填させるため、上記の注入作業時には、
同時に、排気装置6から排気管7を介して袋体3内の空
気を外部に排出する。
【0038】上記した袋体3への注入材の注入作業をさ
らに続けると、袋体3に接するスライム部13は、周辺
に押しのけられるだけでなく、袋体3の下面から押圧力
を受ける。これにより、杭孔底部12の杭底地盤には、
予荷重(プレロード)が載荷されることになり、図6に
示すように、杭底地盤が圧縮される。その後、この状態
を維持しつつ時間の経過により袋体3内の注入材が硬化
する。注入材の硬化後、杭の上部に構造物を建設し、上
部構造物からの荷重を杭に作用させても、杭底地盤は予
荷重によりあらかじめ圧縮されているため、杭の沈下が
抑制される。
【0039】また、上記実施形態の現場打ちコンクリー
ト杭先端予載荷装置100では、反力受け部材1の上板
1aが杭孔10の略全断面を閉塞し、さらに上板1aの
外縁から外枠部1bが垂下する構成となっているため、
杭コンクリート16の打設時に、打設された流動状態の
コンクリート16が内筒2の下部に回り込むことがな
く、硬化したコンクリートにより杭先端部の地盤に予荷
重を与えることが阻まれる、という問題は発生せず、袋
体3の膨張力をそのまま杭底地盤への予荷重の載荷に当
てることができる。
【0040】上記した図5に示す工程と図6に示す工程
は、予載荷工程に相当している。
【0041】上記の実施形態において、袋体3が突出変
形可能な下向きの方向は杭底方向に相当している。ま
た、袋体3は、突出変形手段に相当している。また、注
入装置4と注入管5は、注入手段を構成している。ま
た、排気装置6と排気管7は、排気手段を構成してい
る。
【0042】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0043】例えば、上記実施形態においては、反力受
け部材1内の袋体収容室の断面形状が円形の場合を例に
挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の
構成であってもよく、例えば、n角形状(n:3以上の
整数)の断面形状の袋体収容室を有する反力受け部材で
あってもよい。また、袋体収容室を仕切部材等でm個
(m:2以上の整数)に分割し、分割された空間にそれ
ぞれ袋体を収容するようにしてもよい。
【0044】また、上記実施形態においては、突出変形
手段として、袋体3を例に挙げて説明したが、本発明は
これには限定されず、他の構成の突出変形手段、例え
ば、注入材を収容可能な中空空間を有するとともに底部
が開放された注入材収容部材と、注入材収容部材の底部
のやや上方の内側に張られた膜状部材とからなり、注入
材収容部材内に注入材が注入されることにより膜状部材
が注入材収容部材の下端から杭底方向に突出変形する機
構であってもよい。
【0045】また、予載荷部を杭孔底部へ吊り降ろす際
に、杭孔内に充満している削孔用の水により受ける抵抗
を減らすための構造、例えば、上板1aの中央部を開口
したパイプ状にし、開口部に開閉可能な扉を設け、この
扉を杭孔外部の地表からワイヤー、電動モーター、電磁
石等により遠隔操作で開閉可能なように構成しておいて
もよい。この場合、袋体は、パイプ状開口に嵌合するド
ーナツ状の袋に形成する。このような構成により、予載
荷部を杭孔底部へ吊り降ろす際には開口の扉を開放し、
杭孔内に充満している削孔用の水により予載荷部が受け
る抵抗を減らして吊り降ろしやすくし、予載荷部が杭孔
底部に着底した場合には、開口の扉を閉じ、杭コンクリ
ートが内筒の下部へ回り込むことを防止することができ
る。
【0046】また、注入装置4、注入管5のいずれかの
箇所に逆流防止弁を設けてもよい。このように構成すれ
ば、杭底地盤に予荷重を載荷する場合に注入材にかかる
圧力を逆流防止弁の閉鎖により負担することができ、注
入材の逆流を防止することができる。
【0047】また、上記実施形態における排気装置6と
排気管7のかわりに、排気管のみを設け、排気管の一端
を杭孔の外部に配置し、排気管の他端を袋体の内部に挿
入するように構成してもよい。このように構成すれば、
袋体内へ注入材を注入した場合、注入材によって袋体内
の空気が押され、排気管を通って自然排気により外部に
排気される。このように構成した場合には、排気管のみ
が排気手段に相当する。
【0048】また、上記実施形態では、杭孔10の削孔
工程において、杭孔側壁の崩落防止の手段としてベント
ナイト泥水を用いる例について説明したが、本発明はこ
れには限定されず、他の方法による削孔工程、例えば、
杭孔側壁の崩落防止の手段としてケーシングチューブを
用いる削孔工程、杭孔側壁の崩落防止の手段として静水
圧を利用する削孔工程等であってもよい。また、削孔方
法によっては、杭孔の底部にスライム部が形成されない
場合があり、この場合には、予載荷部は杭孔底部の上に
直接設置されることになる。また、削孔方法によって
は、杭孔の底部の地盤が上記実施形態のようなすり鉢状
に形成されず、平面状に形成されてもよい。
【0049】また、上記実施形態の予載荷工程において
は、注入材の注入により突出変形手段を杭底方向へ突出
変形させて杭底地盤を圧縮する作業を、杭の上部構造物
の建設以前にすべて実施し終了する例について説明した
が、本発明はこれには限定されず、他の方法により予載
荷工程を実施してもよい。例えば、杭の上部構造物の建
設以前には、杭底地盤の圧縮量が全体の圧縮量の一部と
なるように突出変形手段の突出変形を行い、杭の上部構
造物の建設中、あるいは杭の上部構造物の完成後に、さ
らに突出変形手段の突出変形を行って杭底地盤の残りの
部分の圧縮を実施するようにしてもよい。あるいは、杭
の上部構造物の建設以前には突出変形手段の突出変形を
行わず、杭の上部構造物の建設中、あるいは杭の上部構
造物の完成後に、突出変形手段の突出変形を行って杭底
地盤の圧縮を実施するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
杭孔内で略全断面を閉塞可能な反力受け部材と、反力受
け部材の下部に配置され注入材の注入により杭底方向に
変形し反力受け部材の下端から突出可能な突出変形手段
を備えて予載荷部を構成し、杭孔削孔後に予載荷部を杭
孔底部に設置してコンクリートを打設し、硬化後に突出
変形手段に注入材を注入して杭底方向に突出変形させ杭
底地盤に予荷重を載荷するようにしたので、打設コンク
リートの回り込みが防止でき、杭先端地盤に予荷重を有
効に載荷して杭の沈下を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である現場打ちコンクリー
ト杭先端予載荷装置の構成を示す図であり、図1(A)
は側断面図を、図1(B)は図1(A)における下面図
を、それぞれ示している。
【図2】本発明の一実施形態である現場打ちコンクリー
ト杭の施工方法の手順のうち、第1工程の状況を示す概
念図である。
【図3】本発明の一実施形態である現場打ちコンクリー
ト杭の施工方法の手順のうち、第2工程の状況を示す概
念図である。
【図4】本発明の一実施形態である現場打ちコンクリー
ト杭の施工方法の手順のうち、第3工程の状況を示す概
念図である。
【図5】本発明の一実施形態である現場打ちコンクリー
ト杭の施工方法の手順のうち、第4工程の状況を示す概
念図である。
【図6】本発明の一実施形態である現場打ちコンクリー
ト杭の施工方法の手順のうち、第5工程の状況を示す概
念図である。
【符号の説明】
1 反力受け部材 1a 上板 1b 外枠部 1d 注入管挿通孔 1e 排気管挿通孔 3 袋体 3a 注入管挿入部 3b 排気管挿入部 4 注入装置 5 注入管 6 排気装置 7 排気管 10 杭孔 11 杭孔側壁 12 杭孔底部 13 スライム部 14 主鉄筋 15 フープ鉄筋 16 コンクリート 100 コンクリート杭先端予載荷装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現場打ちコンクリート杭のための杭孔に
    収容され前記杭孔の略全断面を閉塞可能な反力受け部材
    と、 前記反力受け部材の下部に配置されるとともに注入材の
    注入により前記杭孔の底部に向かう杭底方向に変形し前
    記反力受け部材の下端から突出可能に構成された突出変
    形手段と、 前記突出変形手段に前記注入材を注入する注入手段を備
    えることを特徴とする現場打ちコンクリート杭先端予載
    荷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の現場打ちコンクリート杭
    先端予載荷装置において、 前記突出変形手段は、柔軟性と耐圧性を有する材料から
    なる袋体であり、前記注入材が前記袋体の内部に注入さ
    れた場合に前記袋体が膨張することにより、前記反力受
    け部材に反力をとるとともに前記突出変形を行うことを
    特徴とする現場打ちコンクリート杭先端予載荷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の現場打ちコンクリート杭
    先端予載荷装置において、 前記注入時に前記内筒駆動手段の内部の空気を排出する
    排気手段を備えることを特徴とする現場打ちコンクリー
    ト杭先端予載荷装置。
  4. 【請求項4】 現場打ちコンクリート杭のための杭孔を
    削孔する削孔工程と、 次いで、前記杭孔に収容され前記杭孔の略全断面を閉塞
    可能な反力受け部材と、前記反力受け部材の下部に配置
    されるとともに注入材の注入により前記杭孔の底部に向
    かう杭底方向に突出するように変形可能に構成された突
    出変形手段を備える予載荷部を、前記突出変形手段が前
    記杭孔の底部の杭底地盤に対向するように設置する予載
    荷部設置工程と、 次いで、前記杭孔内に補強部材を配設した後に現場打ち
    コンクリートを打設し硬化させるコンクリート打設工程
    と、 次いで、前記注入手段により前記突出変形手段に前記注
    入材を注入して前記突出変形手段を前記杭底地盤に向か
    って突出変形させ前記杭底地盤に予荷重を載荷する予載
    荷工程を有することを特徴とする現場打ちコンクリート
    杭の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006307593A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Taisei Corp 場所打ちコンクリート杭におけるグラウト管およびグラウト工法
CN114482021A (zh) * 2021-09-26 2022-05-13 南水北调东线江苏水源有限责任公司 预设反向摩阻力联合桩底土固结的方法及形成的灌注桩

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