JP3107458B2 - 場所打ち杭の支持力の確認と増加方法 - Google Patents

場所打ち杭の支持力の確認と増加方法

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JP3107458B2 JP04165988A JP16598892A JP3107458B2 JP 3107458 B2 JP3107458 B2 JP 3107458B2 JP 04165988 A JP04165988 A JP 04165988A JP 16598892 A JP16598892 A JP 16598892A JP 3107458 B2 JP3107458 B2 JP 3107458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、場所打ち杭に関するも
ので、特に、造成する場所打ち杭の支持力の確認を行
い、且つ、先端支持力を増加させる方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】周知のように、場所打ち杭は杭孔を予め
掘削した後、この杭孔に鉄筋籠を挿入し、コンクリート
を打設して造成するので、打ち込み杭等と比較して支持
力の確認が困難である。また、杭孔の掘削時に土圧が解
放されて先端地盤が緩む上に、土砂が沈積し易く、造成
後の杭が経時的に沈下する等の問題点、すなわち、造成
した杭に品質上の欠陥の虞があった。
【0003】従来より、造成した杭の支持力の確認方法
として、複数本の杭を反力杭とし、試験すべき杭に油圧
ジャッキ等で載荷荷重を掛けて行う載荷試験が周知であ
る(以下「従来の載荷試験」という)。これに対し、簡
易な載荷試験として、試験杭の先端すなわち杭孔底部に
ジャッキ装置を設置しておき、杭の造成後にジャッキ装
置を駆動させ、先端支持力と杭周面摩擦力を測定するこ
とによって、反力杭等を必要とせず簡易に載荷試験を行
えることが知られている(例えば特開昭61-225628号、
特開昭62-291333号等、以下「簡易載荷試験」とい
う)。
【0004】一方、杭の先端地盤を強化して造成後の杭
の支持力を増加させ、沈下を防止するものとしては、例
えば、杭の造成前に孔壁又はケーシングパイプで反力を
取って、ジャッキ等で孔底地盤に棒状の多数の剛体また
は同心円状に分割したコーンブロックを押し込んで、先
端支持力を向上させる方法が知られている(例えば特開
平1-223214号、特開平2-24415号等)。
【0005】また、孔底に拘束容器に収納したゴム袋又
はジャッキを設置した後、場所打ち杭を造成し、このゴ
ム袋やジャッキに地上より圧力流体を注入して膨張さ
せ、杭の周面摩擦を反力として先端地盤を圧密させ、支
持力を向上させる方法が知られている(例えば特開平2-
125015号、特開平3-90706号等)。さらに、複数のパイ
プを杭孔の全長に亘って設置しておき、杭の造成後に複
数のパイプを介して硬化剤を孔底に圧入し、孔底地盤及
びスライムを硬化させて支持力を向上させる方法が知ら
れている(例えば特開平2-4724号等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の載荷試験では、複数本の反力杭が必要な他、反
力杭への載荷梁の取り付けやジャッキの設置が必要で、
その準備や撤去に手間と時間が掛かり、費用が嵩む欠点
があるため、認定工法である場合は支持力の確認を行わ
ないか、多数ある中の1本のみの確認を行っているのが
現状である。
【0007】また、簡易載荷試験は、上記した従来の載
荷試験と比較して手間や時間が掛からず効果的である
が、高価なジャッキ装置が回収不可能で、造成した全部
の杭の支持力の確認を行うことは、未だ、コスト的に無
理が有り、現状では従来の載荷試験の代替技術として有
望視されているに留まる。一方、剛体またはコーンブロ
ックを押し込む従来方法(例えば特開平1-223214号、特
開平2-24415号等)では、剛体またはコーンブロックを
押し込むための大がかりな装置が必要であり、しかも杭
の造成前に行ってから杭を造成するので、工程数が増
え、コスト高になる虞がある。
【0008】また、ゴム袋やジャッキを使用する従来方
法(例えば特開平2-125015号、特開平3-90706号等)で
は、工程数は削減できる反面、高価なジャッキ等の装置
を必要とする欠点がある。さらに、孔底地盤及びスライ
ムにパイプで硬化剤を圧入する従来方法(例えば特開平
2-4724号等)では、構成が極めて単純なため安価である
ことが予想出来るが、先端地盤近くに砂層や水脈が有る
場合には、圧入した硬化剤が圧力の低い砂層や水脈に流
出して先端地盤を強化出来ないことが考えられる。
【0009】以上、例示した杭の支持力の確認方法と杭
の支持力の増加方法は、夫々独自の特徴を有するが、未
だ高価な装置を必要としたり、何れか一方法のみを達成
する目的のものが多く、造成した杭の全部または大半の
支持力を確認し、また、支持力の増加を図る一連の方法
としては使用できない。そこで、請求項1乃至5記載の
場所打ち杭の支持力の確認と増加方法は、上記した従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単且つ安
価に行える場所打ち杭の支持力の確認方法と増加方法を
提供することにより、造成する場所打ち杭の全部乃至大
半の支持力を確認すると同時に、先端支持力の増加を図
り、もって、品質の高い場所打ち杭を造成することを目
的とする。
【0010】すなわち、請求項1記載の方法は、簡易且
つ安価な装置を場所打ち杭の造成前に杭孔に設置するの
みで、杭の硬化後、簡単に支持力の確認と先端支持力の
増加を図ることを目的とする。請求項2記載の方法は、
上記した請求項1記載の方法の目的に加え、特に杭先端
部を筒状補助装置内で、流体の圧力によって上下に破壊
分割する際に、容易に、しかも水平に杭先端部を分割出
来るようにすることにある。
【0011】請求項3記載の方法は、請求項1又は2記
載の方法の目的に加え、補助装置を鉄筋籠の下端部に予
め溶接等の手段で固定しておくことにより、補助装置と
鉄筋籠を同時に杭孔内に設置出来るようにし、もって、
手間及び工程数を減少させることを目的とする。請求項
4記載の方法は、請求項1又は2記載の方法の目的に加
え、圧入パイプを鉄筋籠の主筋の一部又は全部として使
用することにより、安価に提供することを目的とする。
【0012】請求項5記載の方法は、請求項2記載の方
法の目的に加え、仕切板に上下に連通する開口を設ける
ことにより、コンクリート打設時に、コンクリートがこ
の開口を通じて仕切板下方にも打設出来るようにし、も
って、仕切板下方に空洞等が生じないようにすることを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものであり、以下にその内容を図面に
示した実施例を用いて説明する。請求項1記載の方法
は、杭孔(H)と略同径の筒状補助装置(10)を杭孔(H)の底
部に設置すると共に、圧入パイプ(30)の下端を補助装置
(10)の内部高さ途中に位置させ、杭孔(H)にコンクリー
トを打設して杭(40)を造成し、杭(40)の硬化後、圧入パ
イプ(30)を介して硬化性の流体(50)を所要圧力で圧入
し、その圧入力で補助装置(10)内の杭先端部を上下に分
割させ、杭(40)の周面摩擦を反力として先端地盤を圧密
して支持力の増加を図ると共に、流体(50)の圧入力で支
持力を確認することを特徴とする。
【0014】請求項2記載の方法は、杭孔(H)と略同径
の筒状補助装置(10)を杭孔(H)の底部に設置すると共
に、補助装置(10)の内径より小径の仕切板(70)をその下
端部に取り付けた圧入パイプ(30)を補助装置(10)の内部
高さ途中に位置させ、杭孔(H)にコンクリートを打設し
て杭(40)を造成し、杭(40)の硬化後、圧入パイプ(30)を
介して硬化性の流体(50)を所要圧力で圧入し、その圧入
力で杭先端部を補助装置(10)内の仕切板位置で上下に分
割させ、杭(40)の周面摩擦を反力として先端地盤を圧密
して支持力の増加を図ると共に、流体(50)の圧入力で支
持力を確認することを特徴とする。
【0015】請求項3記載の方法は、補助装置(10)が、
鉄筋籠(20)の下端部に固定されていることを特徴とす
る。請求項4記載の方法は、圧入パイプ(30)が、鉄筋籠
(20)の主筋(21)を兼ねることを特徴とする。請求項5記
載の方法は、仕切板(70)が、上下に連通する開口(71)を
有することを特徴とする。
【0016】
【作用】請求項1記載の方法は、高価なジャッキ等を必
要とすることなく、杭先端部を、筒状補助装置(10)内で
流体(50)の圧力によって上下に破壊分割し、この補助装
置(10)をシリンダー、分割された杭先端部の上部(41)ま
たは下部(42)をピストンとして作用させ、その間隙にセ
メントモルタル等の硬化性の流体(50)を圧入する。する
と、杭(40)の周面摩擦を反力として、杭先端部の下部(4
2)が流体(50)の圧力で下降し、先端地盤を圧密して支持
力の増加を図ることが出来る。また、流体(50)の圧力が
所定圧と等しいかそれ以上に達したら、必要な先端抵抗
が得られていることが推定出来る。つまり、杭(40)の支
持力を確認することが出来る。
【0017】尚、ほとんどの場合、先端抵抗より周面摩
擦の方が大きく、従って、杭(40)の周面摩擦の反力内で
先端地盤を圧密して必要な先端抵抗を得ることが出来る
が、杭長が短いか、周辺地盤が軟弱で、未だ流体(50)の
圧力が所定圧に達しない内に杭(40)自体が押し上げら
れ、杭頭部が浮き上がることが考えられる。係る場合に
は、一旦、杭(40)の浮き上がり変位と流体(50)の圧入力
と圧入量等を測定して杭(40)の支持力や沈下量を算出
し、支持力の再評価を行うか、周辺の複数本の杭を反力
杭として利用し、流体(50)の圧力が所定圧に達するまで
再度、流体(50)を圧入すると良い。
【0018】請求項2記載の方法は、その目的、手段は
上記した請求項1記載の方法と略同様であるが、杭先端
部を流体(50)の圧力によって破壊する際に縦割れ等を生
じることなく、容易に、しかも水平に杭先端部を上下に
分割出来るよう、手段として補助装置(10)の内径より小
径の仕切板(70)を採用し、圧入パイプ(30)の下端部に取
り付けたものである。つまり、圧入パイプ(30)からの流
体(50)の圧入によって杭先端部が次第に破壊され、つい
には亀裂を生じて上下に分割されるが、この仕切板(70)
を付設しておくことにより、仕切板(70)が亀裂の起点と
なり、亀裂がこの仕切板(70)に沿って広がって、ついに
は、杭先端部が上下に無駄なく容易に分割されるのであ
る。従って、仕切板(70)は、杭先端部内に亀裂を起こさ
せる起点になるものであれば、材質、形状、大きさは任
意であるが、好ましくは、発泡スチロール板やゴム板の
ように変形性の素材で形成するか、金属板製の仕切板(7
0)下面に積層しておくと良い。つまり、流体(50)の圧入
によって、発泡スチロール板等が縮み変形を起こして、
流体(50)の流路が形成されるので、よりスムーズに杭先
端部内に亀裂を起こさせることが出来る。
【0019】ここで、補助装置(10)は、予定される硬化
性の流体(50)の圧入力で容易に膨張等の変形を起こさな
い程度のもの、例えば、強靱な鋼管等を使用し、その大
きさは杭孔(H)に容易に挿入設置出来る程度の大きさ、
つまり杭孔(H)より若干小径であれば良く、また、その
長さはピストンとして作用させる杭先端部の上部(41)ま
たは下部(42)のストローク以上が必要で、限定はしない
が50〜150cm程度が好ましい。さらに、補助装置(10)
の内面は、杭先端部の上部(41)または下部(42)をピスト
ンとして摺動させるため、平滑であることが必要で、ま
た、コンクリートとの剥離を容易にするために、予め剥
離剤や樹脂塗料の塗布、或いは薄膜樹脂を貼着しておく
と良い。また、杭先端部の下部(42)のみをピストンとし
て作用させる場合は、圧入パイプ(30)下端位置より下方
は平滑にし、上方は凹凸面としてコンクリートが密着す
るようにしても良い。
【0020】請求項3記載の方法は、その固定手段は特
に限定しないが、例えば、補助装置(10)を鉄筋籠(20)と
略同径に形成して、鉄筋籠(20)の下端部数センチ乃至数
十センチを補助装置(10)の内面又は外面に沿わせ、溶接
して固定し、両者を一体化すると良い。尚、このように
補助装置(10)と鉄筋籠(20)とを一体化した場合は、杭先
端部の下部(42)のみがピストンとして作用する。
【0021】請求項4記載の方法は、その圧入パイプ(3
0)が、流体(50)の圧入力に耐えるものであれば、金属
管、塩化ビニール管等、素材に関係なく使用出来る。特
に金属管を使用する時は、鉄筋籠(20)の主筋(21)の一部
乃至全部として兼用することも出来る。請求項5記載の
方法は、その仕切板(70)を網目状、簀の子状等のように
上下に連通する開口を有するものとし、打設するコンク
リ−トが、その開口を通過して仕切板(70)の下方にも打
設出来るようにしておくことが出来る。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る場所打ち杭の支持力の確
認と増加方法の詳細を図面に示した実施例に基づいて説
明する。図1〜3は、本発明の第1実施例を示すもので
あり、図1(a)は本発明の方法に用いられる補助装置、
圧入パイプ、鉄筋籠の構成を示す一部切り欠き縦断面
図、同図(b)は同平面図、図2は杭の造成を示す説明
図、図3は流体の圧入状態を示した説明図である。
【0023】図1(a)及び同図(b)乃至図2中、10は、本
方法に用いられる補助装置を示し、この補助装置10は、
杭孔Hの径より若干小径の鋼管で形成され、鉄筋籠20の
下端部に固定されている。上記鉄筋籠20は、図1(a)及
び同図(b)に示すように、縦主筋21とフープ筋22とで構
成されている。そして、鉄筋籠20の外径は、補助装置10
の内径より小径であり、鉄筋籠20の下端部が数センチ乃
至数十センチ、補助装置10に差し込まれ、補助装置10の
内周面に、その主筋21が溶接され、鉄筋籠20と補助装置
10とが一体的に固定されている。
【0024】また、鉄筋籠20には、図1(a)及び同図(b)
に示すように、圧入パイプ30が固定されている。この圧
入パイプ30は、金属管又は塩化ビニール管等で形成さ
れ、例えば4本の圧入パイプ30の先端を、補助装置10の
内部高さ中位に位置させ、且つ鉄筋籠20の内面に90度角
毎に沿わせ、鉄筋籠20の縦主筋21又はフープ筋22に針金
等で結束して固定されている。
【0025】尚、補助装置10と圧入パイプ30と鉄筋籠20
とは、一体化することなく個々に対応可能であるが、こ
の例のように一体化しておくことにより、吊り込み作業
が一回で行え、互いの位置合わせ等が不要となるので、
現場の省力化が行える。また、図示しないが、圧入パイ
プ30を鉄筋籠20の縦主筋21として兼用することも可能と
なる。
【0026】さて、図2に示すように、地盤Gに所要の
半径及び深さの杭孔Hを掘削し、孔H底のスライム処理
を施して根固めモルタルMを打設し、補助装置10と圧入
パイプ30が固定された鉄筋籠20を、前記杭孔H内に吊り
降ろし、その自重で補助装置10の下部を根固めモルタル
Mに喰い込ませた状態で設置し、トレミー管Tでコンク
リートを杭孔H内に打設して、場所打ち杭40を造成す
る。
【0027】係る場所打ち杭40の造成に際し、杭孔Hの
底のスライム処理と、根固めモルタルMの打設は必ずし
も必要ではなく、状況に応じて省略可能である。また、
必ずしも必要ではないが、予め補助装置10の内面に、剥
離剤や樹脂塗料の塗布、或いは薄膜樹脂を貼着して、コ
ンクリートとの剥離を容易にしておくと良い。所要の養
生期間を経て杭40が硬化したら、図3に示すように、圧
入パイプ30の上端に圧入ポンプPを接続し、セメントモ
ルタル等の硬化性の流体50を圧入し、その圧力で杭先端
部、すなわち補助装置10内のコンクリートを破壊し、亀
裂を起こさせて、上下、すなわち上部41と下部42とに分
割させる。
【0028】すると、補助装置10の内面がシリンダー、
また、分割された杭先端部の下部42がピストンとして作
用し、この杭先端部の下部42が流体50の圧力で下降し、
先端地盤を圧密して支持力の増加を図る。同時に、その
時の圧入力で杭40の先端抵抗を推定する。また、圧入量
で杭先端部の下部42の沈下量も推定することが出来る。
そして、先端抵抗が設計上の抵抗値と等しいか、大きい
ことが確認出来たら、流体50の圧入を中止し、圧入した
硬化性の流体50が硬化するまで養生する。
【0029】係る硬化性の流体50の圧入に際し、上記実
施例の様に複数本の圧入パイプ30を使用する時は、当
初、1〜2本のパイプ30を解放しておき、残りのパイプ
30で流体50を圧入し、解放したパイプ30から流体50の流
出を確認して、これらのパイプ30の開閉弁60を閉じる
か、又はこれらのパイプ30も圧入ポンプPに接続して、
硬化性の流体50を圧入すると良い。つまり、パイプ30内
の空気や泥水を解放したパイプ30から追い出し、杭先端
部内に空洞等を作らないようにする。
【0030】更に、図4は、上記した圧入パイプの第2
実施例を示すものであり、同圧入パイプ30は、全体形状
がU字管状を成し、その下方の水平部31に複数の吐出口
32を開設してある。そして、図示しないが、圧入パイプ
30の地上に突き出ている一方の端部には、圧入ポンプを
接続し、他方の端部には開閉弁を設けておく。かくし
て、硬化性の流体50を圧入すると、流体50が圧入パイプ
30の一方の端部から水平部31、そして圧力の低いパイプ
30内を通って他方の端部に至るので、確実に圧入パイプ
30内の空気や泥水等を追い出すことが出来る。後は、上
記説明と同様、開閉弁を閉じて流体50の圧入力を上げ所
期の作業を行えば良い。
【0031】なお、図示しないが、圧入パイプ30に2重
管等を用いることも可能である。一方、図5〜8は、本
発明の第3実施例を示すものであり、図5(a)は本発明
の方法に用いられる補助装置と鉄筋籠との構成を示す一
部切り欠き縦断面図、同図(b)は同平面図、図6(a)は圧
入パイプと仕切板との構成を示す一部切り欠き縦断面
図、図6(b)は同平面図、図7は杭の造成を示した説明
図、図8は流体の圧入状態を示した説明図である。
【0032】なお、本実施例の説明にあっては、上記し
た第1実施例と同一な構成部分は同一の符号を付し、詳
細な説明は省略する。本第3実施例に係る補助装置10
は、図5(a)及び同図(b)に示すように、前述した第1実
施例のものと同様に、鉄筋籠20の下端部に固定され、そ
の内面高さ途中、例えば中位又はやや上位に係止突起11
・・・が数個突設されている。
【0033】また、本第3実施例に係る圧入パイプ30
は、図6(a)及び同図(b)に示すように、鉄筋籠20とは独
立させ、また、その下端には補助装置10の内径より小径
に形成された仕切板70が取り付けられている。上記仕切
板70は、図6、7に示すように、その中心部にトレミー
管Tを十分挿通出来る大きさの開口71が設けられたドー
ナツ状の金属板で、この仕切板70の周縁には、4本の圧
入パイプ30の先端が90度毎に配置され、垂直に溶接され
て両者が一体化されている。
【0034】また、上記4本の圧入パイプ30は、その高
さ方向数カ所を仕切板70と略同径のリング筋33に結束さ
れて保形されている。さて、図7に示すように、補助装
置10を固定した鉄筋籠20を、予め掘削した杭孔H内に吊
り降ろして孔底に設置した後、仕切板70が取り付けられ
た4本の圧入パイプ30を、補助装置10内に挿入させるよ
うに吊り降ろし、仕切板70を補助装置10内面に突設した
係止突起11上に係止させて設置し、しかる後に、トレミ
ー管Tを挿入して仕切板70の開口71を通して孔底に到ら
しめ、順次コンクリートを打設して場所打ち杭40を造成
する。
【0035】所要の養生期間を経て杭40が硬化したら、
前述した実施例と同様に圧入パイプ30を圧入ポンプPに
接続し、図8に示すように、セメントモルタル等の硬化
性の流体50を圧入し、その圧力で杭先端部、すなわち補
助装置10内のコンクリートを破壊し、亀裂を起こさせ
て、上下、すなわち上部41と下部42とに分割させる。係
る場合に、亀裂は仕切板70に沿って発生するので、容易
且つ水平に分割出来るのである。以後の後工程は、前述
した第1実施例と同一につき省略する。
【0036】尚、本第3実施例にあっても、圧入パイプ
30を鉄筋籠20に結束等の手段で固定、もしくは、鉄筋籠
20の縦主筋21として兼用することも出来る。このように
各装置を一体化し、材料を兼用することはコスト的に
も、工程数を減らして現場の省力化を行なう点において
も好ましい。しかし、施工現場の状況等に応じて自由に
対応した方が良い場合は、逆に、これら補助装置10、圧
入パイプ30、鉄筋籠20等を個々に独立させておき、自由
に組み合わせて使用することも出来る。また、上記した
ように、仕切板70は、補助装置10内の杭先端部を硬化性
の流体50圧で上下に分割する際に、亀裂の起点となって
作用するものであれば良く、従って、この例のように必
ずしもドーナツ状である必要はなく、編み目状或いは簀
の子状等に形成することも、あるいは、開口の無い板状
のものを使用することも出来る。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1
乃至5記載の方法によれば、筒状補助装置と圧入パイ
プ、及び望ましくは仕切板を兼用する簡単な装置で、場
所打ち杭の支持力の確認と先端地盤の支持力の増加を安
価に図ることが出来る効果がある。
【0038】従って、高い信頼性を要求される場合は、
現場に造成する全部乃至大半の杭に、本発明の方法を適
用することにより、各杭毎にその性能を保証することが
出来る。また、過剰設計になり勝ちな現状の場所打ち杭
を見直し、適正な場所打ち杭を設計して、品質が高く且
つ安価な基礎杭を提供することも可能となる。すなわ
ち、請求項1記載の方法によれば、簡易且つ安価な装置
を場所打ち杭の造成前に杭孔に設置するのみで、杭の硬
化後、簡単に支持力の確認と先端支持力の増加を図るこ
とができる。
【0039】請求項2記載の方法によれば、上記した請
求項1記載の方法の効果に加え、特に杭先端部を筒状補
助装置内で、流体の圧力によって上下に破壊分割する際
に、容易に、しかも水平に杭先端部を分割出来る。請求
項3記載の方法によれば、特に補助装置を鉄筋籠の下端
部に予め溶接等の手段で固定しておくことにより、補助
装置と鉄筋籠を同時に杭孔内に設置出来るようにし、も
って、手間及び工程数を減少させることができる。
【0040】請求項4記載の方法によれば、特に圧入パ
イプを鉄筋籠の主筋の一部又は全部として使用すること
により、安価に提供することができる。請求項5記載の
方法によれば、特に仕切板に上下に連通する開口を設け
ることにより、コンクリート打設時に、コンクリートが
この開口を通じて仕切板下方にも打設出来るようにし、
もって、仕切板下方に空洞等が生じないようにすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、本発明の第1実施例に係る補助装
置、圧入パイプ、鉄筋籠の構成を示す一部切り欠き縦断
面図、同図(b)は同平面図である。
【図2】第1実施例に係る杭の造成を示した説明図であ
る。
【図3】第1実施例に係る流体の圧入状態を示した説明
図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る圧入パイプを示す要
部の拡大縦断面図である。
【図5】同図(a)は、本発明の第3実施例に係る補助装
置と鉄筋籠との構成を示す一部切り欠き縦断面図、同図
(b)は同平面図である。
【図6】同図(a)は、第3実施例に係る圧入パイプと仕
切板の構成を示す一部切り欠き縦断面図、同図(b)は同
平面図である。
【図7】第3実施例に係る杭の造成を示した説明図であ
る。
【図8】第3実施例に係る流体の圧入状態を示した説明
図である。
【符号の説明】
G 地盤 H 杭孔 M 根固めモルタル T トレミー管 P 圧入ポンプ 10 補助装置 11 係止突起 20 鉄筋籠 21 縦主筋 22 フープ筋 30 圧入パイプ 31 水平部 32 吐出口 33 リング筋 40 杭 41 杭先端部の上部 42 杭先端部の下部 50 流体 60 開閉弁 70 仕切板 71 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 5/22 - 5/72

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭孔と略同径の筒状補助装置を杭孔の底
    部に設置すると共に、圧入パイプの下端を補助装置の内
    部高さ途中に位置させ、杭孔にコンクリートを打設して
    杭を造成し、杭の硬化後、圧入パイプを介して硬化性の
    流体を所要圧力で圧入し、その圧入力で補助装置内の杭
    先端部を上下に分割させ、杭の周面摩擦を反力として先
    端地盤を圧密して支持力の増加を図ると共に、流体の圧
    入力で支持力を確認することを特徴とする場所打ち杭の
    支持力の確認と増加方法。
  2. 【請求項2】 杭孔と略同径の筒状補助装置を杭孔の底
    部に設置すると共に、補助装置の内径より小径の仕切板
    をその下端部に取り付けた圧入パイプを補助装置の内部
    高さ途中に位置させ、杭孔にコンクリートを打設して杭
    を造成し、杭の硬化後、圧入パイプを介して硬化性の流
    体を所要圧力で圧入し、その圧入力で杭先端部を補助装
    置内の仕切板位置で上下に分割させ、杭の周面摩擦を反
    力として先端地盤を圧密して支持力の増加を図ると共
    に、流体の圧入力で支持力を確認することを特徴とする
    場所打ち杭の支持力の確認と増加方法。
  3. 【請求項3】 補助装置が、鉄筋籠の下端部に固定され
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の場所打ち杭の
    支持力の確認と増加方法。
  4. 【請求項4】 圧入パイプが、鉄筋籠の主筋を兼ねるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の場所打ち杭の支持
    力の確認と増加方法。
  5. 【請求項5】 仕切板が、上下に連通する開口を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の場所打ち杭の支持力の
    確認と増加方法。
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