JPH11217643A - 新規な水素吸蔵合金及びその合金を用いた水素電極 - Google Patents

新規な水素吸蔵合金及びその合金を用いた水素電極

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JPH11217643A
JPH11217643A JP10327516A JP32751698A JPH11217643A JP H11217643 A JPH11217643 A JP H11217643A JP 10327516 A JP10327516 A JP 10327516A JP 32751698 A JP32751698 A JP 32751698A JP H11217643 A JPH11217643 A JP H11217643A
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カジール カリーム
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哲男 境
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博之 竹下
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斎 上原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より軽量で、かつ、優れた水素吸蔵特性を発揮
できる新規な水素吸蔵合金を提供することを主に目的と
する。 【解決手段】AB29相(但し、Aは希土類元素の少な
くとも1種からなり、Bはアルカリ土類金属の少なくと
も1種からなり、CはNi又はCo、Mn、Fe、C
u、Cr、Si及びAlの少なくとも1種とNiとから
なる。)を有するAB29型水素吸蔵合金、及びその合
金を用いた水素電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な水素吸蔵合
金及びその合金を用いた水素電極に関する。
【0002】
【従来技術】従来における水素吸蔵合金の基本型として
は、LaNi5等のAB5型、ZrMn2等のAB2型、T
iCo等のAB型、Ti2Ni等のA2B型等の二元系金
属間化合物が知られている。これらの水素吸蔵合金は、
金属の間隙に原子状水素を吸蔵するものであり、上記A
及びBの元素の少なくとも一部を他の元素で置換するこ
とによってその水素吸蔵特性を容易に変えることが可能
である。例えば、AB5型の水素吸蔵合金である場合
は、A及びBを他の元素C及びDで一部置換することに
よってA1-XX5ーyyなる合金を作製し、水素吸蔵特
性を変えることができる。
【0003】しかしながら、これらの実用的な水素吸蔵
合金は、水素吸蔵量が一般に1.3質量%以下と少な
く、しかも希土類元素あるいはTi、Zr等を主体とし
ているため、軽量化するにも限界がある。
【0004】一方、軽量な元素であるMgを主体とした
水素吸蔵合金としてMg2Niが知られている。この合
金は、水素吸蔵量が3.6質量%と大きい点で前記水素
吸蔵合金よりも優れていると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Mg2
Niは、水素解離温度が250℃以上と高い。これは、
塩基性の強いMgが電子を供与しやすいため、その電子
を水素が受容してアニオン性(H-)となる結果、[N
iH44-錯体を形成し、安定化するためである。すな
わち、その強いイオン結合性が実用的な温度(約100
℃以下)での水素解離を妨げているためである。その一
方で、上記の強いイオン結合性の緩和を図るためにアモ
ルファス化したり、Mg又はNiの一部を他の元素で置
換して水素吸蔵特性を変える試みがされているものの、
満足できる水素解離特性を得ることはできない。
【0006】このように、Mg2Niは、軽量性等にお
いては優れているものの、水素解離特性が不十分という
点で実用面で問題がある。
【0007】従って、本発明は、より軽量で、かつ、優
れた水素吸蔵特性を発揮できる新規な水素吸蔵合金を提
供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら従来
技術の問題に鑑み、新しい合金の探索研究を鋭意重ねた
結果、特定相を有する新規な三元系水素吸蔵合金が上記
目的を達成できることを見出し、ついに本発明を完成す
るに至った。
【0009】すなわち、本発明は、AB29相(但し、
Aは希土類元素の少なくとも1種からなり、Bはアルカ
リ土類金属の少なくとも1種からなり、CはNi又はC
o、Mn、Fe、Cu、Cr、Si及びAlの少なくと
も1種とNiとからなる。)を有するAB29型水素吸
蔵合金に係るものである。
【0010】さらに、本発明は、上記水素吸蔵合金を負
極材料として用いたアルカリ二次電池用水素電極にも係
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の水素吸蔵合金は、AB2
9相(Aは希土類元素の少なくとも1種からなり、B
はアルカリ土類金属の少なくとも1種からなり、CはN
i又はCo、Mn、Fe、Cu、Cr、Si及びAlの
少なくとも1種とNiとからなる。)を有する。
【0012】A元素は、希土類元素の少なくとも1種か
らなる。希土類元素としては、La、Ce、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Y及びScが挙げられる。これ
ら希土類元素の中でも、特にLa、Ce、Pr、Nd、
Sm及びGdの少なくとも1種が好ましい。また、A元
素として、Mm(ミッシュメタル(希土類元素の混合
物))を用いることもできる。
【0013】B元素は、アルカリ土類金属の少なくとも
1種からなる。アルカリ土類金属としては、Be、M
g、Ca、Sr、Ba等が挙げられる。本発明では、C
a及びMgの少なくも1種を用いるのが好ましい。特に
Ca及びMgを併用することが好ましい。Mgよりも大
きな元素であるCaを用いることによって、特にB元素
とC元素間(B−C間)の距離を大きくすることがで
き、これが水素吸蔵特性の向上に寄与し得る。例えば、
LaMg2Ni9よりも、LaCaMgNi9の方がより
優れた水素吸蔵特性を発揮することができる。
【0014】C元素は、Ni又はCo、Mn、Fe、C
u、Cr、Si及びAlの少なくとも1種とNiとから
なる。すなわち、本発明のC元素は、Ni単独により構
成されている場合のほか、Niの一部がCo、Mn、F
e、Cu、Cr、Si及びAlの少なくとも1種により
置換されている場合も包含する。特に、本発明では、N
iの一部がCo、Mn、Fe、Cu、Cr、Si及びA
lの少なくとも1種で置換されていることが好ましい。
Niが置換される割合は、置換する元素、所望の電極特
性等に応じて適宜設定すれば良い。
【0015】また、上記A元素〜C元素の組み合わせと
しては、任意の組み合わせを採用することができる。従
って、例えばLaMg2Ni9、LaCaMgNi9、C
eCaMgNi7.2Co1.0Mn0.8、CeMg2Ni8.2
Al0.8等の合金も本発明合金に包含される。
【0016】本発明では、上記AB29相を主成分とす
る水素吸蔵合金をすべて包含するが、全体組成がAxy
z(A、B及びCは前記と同じ。0.5≦x≦1.5
(好ましくは0.8≦x≦1.2)、1.5≦y≦2.
5(好ましくは1.8≦y≦2.2)、6≦z≦12
(好ましくは8≦z≦10))であることが望ましい。
上記全体組成を採用することによって、より確実に上記
AB29相を主成分として形成させることができる。
【0017】本発明の水素吸蔵合金では、上記AB29
相を主成分として形成されている限り、他の合金成分が
含まれていても差し支えない。すなわち、本発明の効果
を妨げない範囲内であれば他の合金成分が含有されてい
ても良い。
【0018】本発明の水素吸蔵合金の結晶構造として
は、PuNi3型(特に六方晶系)であることが好まし
い。このPuNi3型結晶構造においては、2種類のP
uサイトがあるため、これらをそれぞれPu(1)及び
Pu(2)とすると、Pu(1)Pu(2)2Ni9と表
わすことができる。この場合、Pu(1)サイトは希土
類元素の少なくとも1種により占有され、Pu(2)サ
イトはアルカリ土類金属の少なくとも1種により占有さ
れ、かつ、NiサイトはNi又はCo、Mn、Fe、C
u、Cr、Si及びAlの少なくとも1種とNiとによ
り占有されていることが好ましい。
【0019】本発明の水素吸蔵合金は、上記の全体組成
xyzからなる合金原料を反応焼結させることによ
り作製することができる。なお、合金原料は、通常は粉
末状又は顆粒状として用いれば良いが、一般的には微粒
子であるほど好ましく、平均粒径1〜10μm程度とす
るのが好ましい。
【0020】本発明では、合金原料として、上記のA元
素〜C元素をそれぞれ用いたり、あるいはA元素〜C元
素のいずれかを含む合金を用いても良い。例えば、本発
明合金としてLaCaMgNi9合金を作製する場合、
La、Ca、Mg及びNiの各金属粉末を混合したもの
を合金原料として用いることができる。但し、金属粉末
(金属単体の粉末)は、一般に酸化されやすく、微粉末
として入手するのが容易でないため、1回の反応焼結に
よって均一な合金化を図ることは困難な場合がある。こ
のような場合には、焼結工程−粉砕工程を数回繰り返し
て合金を作製することが好ましい。
【0021】一方、合金原料としてA元素〜C元素のい
ずれかを含む合金を用いる場合、例えばA元素とB元素
とを含む合金、B元素とC元素とを含む合金等を適宜使
用できる。合金粉末は一般に耐酸化性に優れ、かつ、容
易に微粉末が得られるという点で金属粉末を用いる場合
よりも有利である。
【0022】本発明では、特に、合金原料の一部として
希土類元素−ニッケル系合金及びアルカリ土類金属−ニ
ッケル系合金の少なくとも1種を用いることが好まし
い。このような合金としては、ニッケルを含む二元系、
三元系又は多元系合金あるいはこれらの混合物が使用で
きる。例えば、LaNi5、MgNi2、CaNi2、C
aNi5、Mg2Ni、CeNi2、MmNi5(Mm:ミ
ッシュメタル(希土類元素の混合物))等が挙げられ
る。これらは単独で又は2種以上で用いることができ
る。
【0023】合金原料の混合は、ボールミル等の公知の
装置を用いて実施することができる。なお、混合時にお
いて、その雰囲気ガスの一部又は全部に水素を導入して
水素雰囲気下とすれば、合金原料の粉砕と組成の均一化
が容易となり、焼結工程においてより低い焼結温度でか
つ短い時間で合金化することができる。
【0024】合金原料を反応焼結させるには、例えば合
金原料を用いてプレス成形等により得られた成形体を焼
結すれば良い。成形体の密度等は合金原料の組成、最終
製品の用途等に応じて適宜設定すれば良い。
【0025】反応焼結における焼結温度は、合金組成等
に応じて適宜変更すれば良いが、通常800〜1200
℃程度、好ましくは900〜1100℃とすれば良い。
焼結雰囲気は、通常は不活性ガス(ヘリウム、アルゴ
ン、窒素等)中又は真空中とすれば良い。また、水素を
導入して水素雰囲気下とすれば、予め水素化された合金
を直接製造することもできる。
【0026】焼結後は、前記のように、必要に応じて焼
結体を粉砕し、さらに焼結しても良い。この工程は、用
いる合金組成等に応じて1回以上繰り返しても良い。粉
砕は、例えばボールミル等の公知の装置で行えば良い。
【0027】また、焼結後は、必要に応じてさらに焼鈍
(アニール)することもできる。焼鈍温度は、合金組成
等に応じて適宜設定すれば良いが、通常900〜100
0℃程度とすれば良い。焼鈍時間は、一般に温度が低い
ほど長く、高いほど短くなるが、例えば1000℃では
3時間以上が好ましい。
【0028】本発明に係る水素吸蔵合金は、特にニッケ
ル−水素化物電池等のアルカリ二次電池用水素電極の負
極材料としても有用である。このAB29型水素吸蔵合
金の粉末を用い、公知の水素化物電極と同様の方法によ
って電極を作製することができる。例えば、合金粉末を
必要に応じて公知の導電材(ニッケル粉、銅粉等)等と
混合し、集電体(ニッケルエキスパンドメタル等)とと
もにプレス成型等により一体化すれば良い。また、合金
粉末を発泡ニッケル基体に充填してプレス成型しても良
い。
【0029】さらに、本発明の水素電極は、前記の合金
原料から直接作製することも可能である。例えば、合金
原料粉末を発泡ニッケル基体に充填加圧したり、パンチ
ングメタル又はニッケルメッシュ上に加圧固定して、こ
れらを上記焼結条件下で反応焼結させて、合金原料から
電極を直接作製することもできる。これによって、より
低コスト化・高容量化を図ることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】本発明のAB29型水素吸蔵合金は、ア
ルカリ土類金属(特にMg又はCa)を合金成分として
含む三元系合金であるため、より軽量で水素吸蔵特性に
優れた合金を安価で提供することができる。
【0031】また、A〜C元素の格子サイトを他の元素
で置換することができる結果、水素吸蔵特性を自由に変
えることができ、目的に応じた水素吸蔵合金を製造する
ことができる。特に、アルカリ土類金属のイオン結合性
をLa等の希土類元素を含む結晶格子の中で緩和するこ
とができることにから、水素を原子状水素として容易に
金属間隙に貯蔵でき、より優れた水素吸蔵特性を得るこ
とができる。
【0032】本発明のAB29型水素吸蔵合金は、水素
自動車、燃料電池駆動電気自動車等における水素貯蔵材
料、ニッケル−水素電池等の電気化学的デバイスにおけ
る負極材料等としても有用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0034】実施例1 三元系合金LaMg2Ni9を次の2通りの方法でそれぞ
れ作製した。
【0035】(1)合金原料としてLaNi5粉末とM
gNi2粉末とを用い、これらを1:2(モル比)で混
合し、得られた混合粉末をプレス成形することによって
タブレット(0.8g)を得た。このタブレットを0.
6MPaアルゴン中1100℃で30分間焼結した後、
900〜950℃で焼鈍して試料1を得た。
【0036】(2)La、Mg及びNiの粉末を1:
2:9(モル比)の割合で配合したほかは、上記(1)
と同様にして試料2を作製した。この際、合金組織の均
質化を図るために焼結−粉砕工程を2回繰り返した。
【0037】試料1における結晶構造データを表1に示
す。また表1には、Laの代わりに希土類元素R(R=
Ce、Pr、Nd、Sm又はGd)を用いて上記(1)
と同様にして作製した合金の結晶構造データも併せて示
す。
【0038】
【表1】
【0039】さらに、表2には、LaMg2Ni9合金に
おける各原子サイトに関するデータ(ギニエ−ヘッグX
線回折法による)を示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2によれば、AB29型水素吸蔵合金に
おける原子間距離A−C間、A−B間及びB−C間は、
それぞれMgNi2型、RNi3型及びRNi5型に対応
する距離に近い値を示していることがわかる。
【0042】図1(a)にはRMg2Ni9結晶構造中に
おけるニッケル四面体ならびにR及びMgの配列状態を
示す。図1(b)にはRMg2Ni9結晶構造を構成する
元素の積層状態を示す。図2には、試料1の水素平衡圧
−組成等温曲線(30℃)を示す。
【0043】図1からも明らかなように、RMg2Ni9
合金では、PuNi3構造のPuサイトの33%がR原
子により置換され(Pu(1)サイト)、Puサイトの
67%がMg原子によってそれぞれ置換され(Pu
(2)サイト)、その結果として、RMg2Ni9相が形
成されている。なお、試料2についても、これら表1及
び2ならびに図1及び2と同様の結果が得られた。
【0044】実施例2 LaCaMgNi9合金を次の2通りの方法でそれぞれ
作製した。
【0045】(1)合金原料としてLaNi5粉末、M
gNi2粉末及びCaNi2粉末を用い、これらを1:
1:1(モル比)で混合し、得られた混合粉末をプレス
成形してタブレット(0.8g)を得た。このタブレッ
トを0.6MPaアルゴン中900〜950℃で4時間
以上焼結して試料1を得た。
【0046】(2)La、Ca、Mg及びNiの粉末を
1:1:1:9(モル比)の割合で配合したほかは、上
記(1)と同様にして試料2を作製した。この際、合金
組織の均質化を図るために焼結−粉砕工程を2回繰り返
した。
【0047】表3には、試料1(LaCaMgNi9
金)の結晶構造データを示す(ギニエ−ヘッグX線回折
法による)。また、図3には、試料1の水素平衡圧−組
成等温曲線(30℃)を示す。なお、試料2について
も、これらと同様の結果が得られた。
【0048】
【表3】
【0049】図3の結果より、試料1では約1.4質量
%の水素が可逆的に吸蔵放出されていることがわかる。
【0050】実施例3 LaCaMgNi7.42Co1.2Al0.38合金を作製し
た。
【0051】合金原料としてLaNi3.42Co1.2Al
0.38粉末、MgNi2粉末及びCaNi2粉末を用い、こ
れらを1:1:1(モル比)で混合し、得られた混合粉
末をプレス成形してタブレット(0.8g)を得た。こ
のタブレットを0.6MPaアルゴン中900〜950
℃で4時間以上焼結して試料を得た。この合金の水素吸
蔵量を実施例2と同様にして求めたところ、約1.5質
量%であった。
【0052】実施例4 LaCaMgNi8.2Al0.8合金を作製した。
【0053】合金原料としてLaNi4.2Al0.8粉末、
MgNi2粉末及びCaNi2粉末を用い、これらを1:
2(モル比)で混合し、得られた混合粉末をプレス成形
してタブレット(0.8g)を得た。このタブレットを
0.6MPaアルゴン中900〜950℃で4時間以上
焼結して試料を得た。この合金の水素吸蔵量を実施例2
と同様にして求めたところ、約1.8質量%であった。
【0054】試験例1 実施例4で作製したLaCaMgNi8.2Al0.8合金を
用いて電極を作製した。
【0055】上記合金を100μm以下まで機械粉砕
し、約3重量倍の銅粉と混合し、成型圧8ton/cm2
成形したペレットを電極として用いた。
【0056】次いで、得られた電極を負極して用いて、
10サイクルの充放電サイクルを実施した後、放電電流
密度を40mA/g、100mA/g、200mA/g
及び400mA/gと変化させ、放電特性を調べた。な
お、充電は100mA/gで4時間とし、参照極として
Hg−HgOを用い、カットオフ電位は−0.65V、
測定温度は20℃とした。その結果をそれぞれ図4に示
す。
【0057】図4の結果より、40mA/gの放電電流
密度では最大で500mAh/gの放電容量が得られ、
これは希土類系合金(LaNi5合金)の約1.5倍と
いう高容量であった。この値は、水素吸蔵量より期待さ
れる理論特性とほぼ同じであることから、高い利用率が
得られることがわかる。
【0058】試験例2 実施例2の合金原料LaNi5、MgNi2及びCaNi
2をボールミルで十分に混合して、これをニッケルメッ
シュ上に加圧成型して一体化した。次いで、これを5%
水素を含有したアルゴン雰囲気下980℃で反応焼結し
て、LaCaMgNi9合金電極を作製した。
【0059】この電極を用いて、100mA/gで6時
間充電し、100mA/gでカットオフ電圧(−0.6
5V、参照極Hg−HgO)まで放電するサイクルを繰
り返した。なお、測定温度は20℃とした。電極の単位
重量当たりの放電容量を充放電サイクルに対してプロッ
トしたものを図5に示す。図5より、電極の単位重量当
たり300mAh/gの放電容量が安定して得られるこ
とがわかる。これは、従来の希土類系合金を用いた電極
(200mAh/g)の1.5倍という高容量であっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】RMg2Ni9合金の結晶構造を示す模式図であ
る。図1(a)は結晶構造中におけるニッケル四面体な
らびにR及びMgの配列状態を示し、図1(b)は上記
結晶構造の構成元素の積層状態を示す。
【図2】実施例1で作製したLaMg2Ni9合金におけ
る水素平衡圧−組成等温曲線である。
【図3】実施例2で作製したLaCaMgNi9合金に
おける水素平衡圧−組成等温曲線である。
【図4】試験例1で作製したLaCaMgNi8.2Al
0.8合金からなる電極における各電流での放電特性を示
す図である。
【図5】試験例2で作製したLaCaMgNi9合金か
らなる電極における充放電サイクル特性を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/30 H01M 10/30 Z (72)発明者 上原 斎 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AB29相(但し、Aは希土類元素の少な
    くとも1種からなり、Bはアルカリ土類金属の少なくと
    も1種からなり、CはNi又はCo、Mn、Fe、C
    u、Cr、Si及びAlの少なくとも1種とNiとから
    なる。)を主成分とするAB29型水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】合金全体としての組成がAxyz(但
    し、Aは希土類元素の少なくとも1種からなり、Bはア
    ルカリ土類金属の少なくとも1種からなり、CはNi又
    はCo、Mn、Fe、Cu、Cr、Si及びAlの少な
    くとも1種とNiとからなる。0.5≦x≦1.5、
    1.5≦y≦2.5、6≦z≦12)で示される請求項
    1記載のAB29型水素吸蔵合金。
  3. 【請求項3】AB29相がPuNi3型結晶構造を有
    し、Pu(1)サイトが希土類元素の少なくとも1種に
    より占有され、Pu(2)サイトがアルカリ土類金属の
    少なくとも1種により占有され、かつ、NiサイトがN
    i又はCo、Mn、Fe、Cu、Cr、Si及びAlの
    少なくとも1種とNiとにより占有されている請求項1
    又は2に記載のAB29型水素吸蔵合金。
  4. 【請求項4】Pu(2)サイトがMg及びCaの少なく
    とも1種により占有されている請求項3記載のAB29
    型水素吸蔵合金。
  5. 【請求項5】組成式Axyz(但し、Aは希土類元素
    の少なくとも1種からなり、Bはアルカリ土類金属の少
    なくとも1種からなり、CはNi又はCo、Mn、F
    e、Cu、Cr、Si及びAlの少なくとも1種とNi
    とからなる。0.5≦x≦1.5、1.5≦y≦2.
    5、6≦z≦12)で示される合金原料を800〜12
    00℃で反応焼結させることを特徴とするAB29型水
    素吸蔵合金の製造方法。
  6. 【請求項6】合金原料の一部として希土類元素−ニッケ
    ル系合金及びアルカリ土類金属−ニッケル系合金の少な
    くとも1種を用いる請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】合金原料の混合を水素雰囲気下で行った
    後、800〜1200℃で反応焼結させる請求項5記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載のAB29
    型水素吸蔵合金を負極材料として用いたアルカリ二次電
    池用水素電極。
  9. 【請求項9】組成式Axyz(但し、Aは希土類元素
    の少なくとも1種からなり、Bはアルカリ土類金属の少
    なくとも1種からなり、CはNi又はCo、Mn、F
    e、Cu、Cr、Si及びAlの少なくとも1種とNi
    とからなる。0.5≦x≦1.5、1.5≦y≦2.
    5、6≦z≦12)で示される合金原料を集電体に充填
    し、次いで800〜1200℃で反応焼結させることを
    特徴とするアルカリ二次電池用水素電極の製造方法。
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