JPH11217588A - 洗浄剤および洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤および洗浄剤組成物

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JPH11217588A
JPH11217588A JP2300998A JP2300998A JPH11217588A JP H11217588 A JPH11217588 A JP H11217588A JP 2300998 A JP2300998 A JP 2300998A JP 2300998 A JP2300998 A JP 2300998A JP H11217588 A JPH11217588 A JP H11217588A
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Taijirou Shiino
太二朗 椎野
Kazunori Waki
一徳 脇
Norio Nakabayashi
宣男 中林
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗浄性に優れ、皮膚刺激性が少なくしっとり感
を付与する高分子洗浄剤の提供。 【解決手段】下記の一般式[I] 【化1】 (式中R1、R2およびR3は、水素原子または炭素原子
1〜8のアルキル基を示し、同一または異なる基であっ
てもよく、R4は炭素数2〜4のアルキレン基であ
る。)で表される基を側鎖に有する重合体を有効成分と
する洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄性に優れ、か
つ皮膚刺激性の少ない洗浄剤、さらには洗浄剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】各種界面活性剤は、洗浄剤として様々な
分野で幅広く使用されている。洗浄剤として各種の活性
剤を用いる場合、衣料用や台所用の洗剤では、汚染物の
洗浄だけでなく、手などの皮膚刺激性の低いものが求め
られ、また、身体用あるいは洗顔用の洗浄剤では、汚れ
や各種化粧品等の洗浄性に優れるだけでなく、かつ身体
や顔に対する皮膚刺激性の少ないものが求められてい
る。特に近年では、アトピー性皮膚炎の増加や皮膚の健
康面等の観点から、炎症の低下や皮膚刺激性が少なく皮
膚のつややかさやしっとり感のある洗浄剤が求められて
いる。
【0003】従来から界面活性剤として、陰イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオ
ン界面活性剤など、各種のものが知られており、洗浄剤
等に使用されている。しかしながら、高級脂肪酸塩、ア
ルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリー
ルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤;ハロゲン化ア
ルキルピリジニウム塩、アルキル第4級アンモニウム塩
等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪
酸ポリオキシエチレンソルビタンエステル等の非イオン
界面活性剤等を洗浄剤として使用した際に、これらの界
面活性剤は、皮膚への接触による手荒れや肌荒れ等の問
題があった。最近では、ベタイン型の界面活性剤など両
性界面活性剤による皮膚への刺激性の改善が試みられて
いるが必ずしも十分ではなかった。一方、高分子界面活
性剤は、皮膚への刺激性が低いものの洗浄性等性能が必
ずしも十分でなかった。これまで、界面活性剤としてポ
リオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
/あるいはトリオレエート、ポリオキシエチレンモノラ
ウリルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラ
チン、アラビアゴム等が知られている。しかしながら、
洗剤として皮膚に使用した場合、必ずしも皮膚に良い影
響を与える物ではなく、しっとり感は与えなかった。ま
た、従来の高分子界面活性剤では、被汚染物の性質によ
っては、洗浄効果を十分に発揮することは困難であっ
た。
【0004】また一方、2−メタクリロイルオキシエチ
ルホスホリルコリン単量体(以下、MPCと略す)およ
びその単量体を重合した重合体は既に知られている(特
開平3−39309号公報)。またその重合体が蛋白質
の吸着が少なくコンタクトレンズ用の洗浄剤として適す
ることが開示されている(特開平6−43408号公
報、特開平7−4166154号公報)。またさらにM
PCのポリマーは化粧料として使用でき、皮膚への刺激
性が少ないことが開示されている(特開平9−2046
56号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、洗浄性に優れ、かつ皮膚刺激性の少ない洗浄剤を提
供することにある。本発明の第2の目的は、洗浄性に優
れ、かつ皮膚刺激性の少ない高分子洗浄剤と界面活性剤
とからなる洗浄剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み鋭意検討した結果、特定の基を有する重合体
が洗浄性に優れ、かつ皮膚刺激性の少ないことから洗浄
剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)である。 (1)下記の一般式[I]
【化3】 (式中R1、R2およびR3は、水素原子または炭素原子
1〜8のアルキル基を示し、同一または異なる基であっ
てもよく、R4は炭素数2〜4のアルキレン基であ
る。)で表される基を側鎖に有する重合体を有効成分と
する洗浄剤。
【0007】(2)前記の一般式[I]で表される基を
側鎖に有する重合体が下記の一般式[II]
【化4】 {式中R1、R2およびR3は、水素原子または炭素原子
1〜8のアルキル基を示し、同一または異なる基であっ
てもよく、R4は炭素数2〜4のアルキレン基である。
また、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は−
(GO)mG−で表される基(ここで、Gは炭素数2〜
12の二価の炭化水素基で、mはそのオキシアルキレン
基の平均付加モル数で、0〜10である。)である。} で表される(メタ)アクリル酸誘導体の単量体を含む単
量体組成物を重合してなる重合体である前記の洗浄剤。
【0008】(3)前記の重合体が、(a1)成分とし
て、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートで、
(a2)成分としての単量体がブチルメタクリレート、
または2−エチルヘキシルメタクリレートである単量体
組成物を重合してなる重量平均分子量が1,000〜1
0,000,000の重合体である前記の洗浄剤。
【0009】(4)前記の重合体は、前記の(a1)成
分が100〜20重量%、(a2)成分が0〜80重量
%からなる単量体組成物を重合してなる重量平均分子量
1,000〜10,000,000の重合体である前記
の洗浄剤。
【0010】(5)A成分として、前記の重合体が、
(a1)成分として、2−((メタ)アクリロイルオキ
シ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート100〜20重量%で、(a2)成分として
の単量体がブチルメタクリレート、または2−エチルヘ
キシルメタクリレート0〜80重量%の単量体組成物を
重合してなる重量平均分子量が1,000〜10,00
0,000の重合体と、B成分として界面活性剤を配合
してなる組成物であって、かつA成分/B成分の重量比
がA/B=100/1〜10/100である衣料用洗浄
剤組成物。
【0011】(6)A成分として、前記の重合体が、
(a1)成分として、2−((メタ)アクリロイルオキ
シ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート100〜20重量%で、(a2)成分として
の単量体がブチルメタクリレート、または2−エチルヘ
キシルメタクリレート0〜80重量%を重合してなる重
量平均分子量が1,000〜10,000,000の重
合体と、B成分として界面活性剤を配合してなる組成物
であって、かつA成分/B成分の重量比がA/B=10
0/1〜10/100である台所用洗浄剤組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において(メタ)アクリレ
ートはアクリレートおよび/またはメタクリレートを意
味する。本発明で用いる重合体は下記の一般式[I]
【化5】 で表される基を側鎖に有すればよい。ここで、R1
2、R3は、水素原子または炭素原子1〜8のアルキル
基を示し、同一または異なる基であってもよく、R4
炭素数2〜4のアルキレン基である。さらに具体的に
は、分子中に重合性の二重結合と前記一般式[I]で表
される基を側鎖に有する単量体(a1成分)を重合して
得られる重合体が好ましく挙げられる。より具体的な単
量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−
(メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、5−(メタ)ア
クリロイルオキシペンチル−2’−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイル
オキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−
(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリブチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(ビニルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(アリルロキシ)エチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチル−2’−(トリ
メチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(スチリ
ルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(p−ビニルベンジル)エチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(ビニルオキシカルボニル)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(アリルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチ
ルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アクリロイ
ルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(ビニルカルボニルアミノ)エ
チル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェ
ート、2−(アリルオキシカルボニルアミノ)エチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(ブテロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート、2−(クロトノイル
オキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェート、エチル−(2’−トリメチルアンモニ
オエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−
(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチ
ル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチ
ルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、エ
チル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリル
エチル)フマレート、ブチル−(2’−トリメチルアン
モニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキ
シエチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホ
リルエチル)フマレート等を例示することができる。
【0013】好ましくは例えば、下記一般式[II]
【化6】 で表される(メタ)アクリル酸誘導体の単量体が挙げら
れる。ここで、R1、R2およびR3は、水素原子または
炭素原子1〜8のアルキル基を示し、同一または異なる
基であってもよい。R4は炭素数2〜4のアルキレン基
である。また、R5は水素原子またはメチル基で、R6
−(GO)mG−で表される基(ここで、Gは炭素数2
〜12の二価の炭化水素基で、mはそのオキシアルキレ
ン基の平均付加モル数で、0〜10である。)である。
【0014】さらに好ましくは、入手性などから、前記
一般式[II]において、R1、R2、R3、R5がメチル
基、R4、R6が−C24−基である、2−メタクリロイ
ルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェート(=2−メタクリロイルオキシエチルホ
スホリルコリン、MPCと略す)が挙げられる。MPC
は下記式[III]
【化7】 で表される。
【0015】本発明の重合体の原料に用いる(a2)成
分としての単量体は、例えば、スチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン、アミノスチレン等のスチレ
ン系単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等の各種モノアルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メ
タ)アクリレート;エチルビニルエーテル、ブチルビニ
ルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリテ
ン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ジエチルフ
マレート、ジエチルマレート、アクリロニトリル、ビニ
ルベンジルアミン、各種疎水性マクロモノマー等を例示
することができる。より好ましくは、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
が挙げられる。
【0016】さらに必要に応じて、その他の単量体を共
重合用の単量体として用いても差し支えない。その他の
単量体としては、次のものが挙げられる。アコニット
酸、イタコン酸、メタコン酸、シトラコン酸、フマル
酸、マレイン酸、メタコン酸、ビニルスルホン酸、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルス
ルホン酸、及びこれらの各種金属塩、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びこれらの
各種四級塩、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、N
−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダ
ゾール、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、メタクリル酸モノグリセロール、N−[ト
リス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、ビ
ニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリ
ロイルピロリドン、アクリロイルモルホリン、マレイン
酸イミド、無水マレイン酸、グリシジル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキ
シシラン等の反応性官能基含有(メタ)アクリレート;
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルブチルウレタ
ン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルベンジルウ
レタン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニ
ルウレタン等のウレタン変性(メタ)アクリレート;等
を例示することができる。この中でグリシジル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリ
メトキシシランを用いた場合は重合後に疎水性が付与さ
れるような反応を行い、疎水性を向上させることもでき
る。
【0017】本発明に使用する(a1)成分の単量体
は、前記の群から選ばれる1種または2種以上を用いる
ことができ、全不飽和単量体中、100〜20重量%の
範囲で用いられるが、好ましくは90〜30重量%の範
囲で用いるのが良い。20重量%未満では重合体に由来
する優れた洗浄性、マイルドな皮膚への刺激性の効果が
発現し難く好ましくない。さらに、本発明の重合体の原
料に使用する(a2)成分の単量体は、前記の群から選
ばれる1種または2種以上を用いることができ、全不飽
和単量体中、0〜80重量%の範囲で用いられるが、好
ましくは10〜70重量%の範囲で用いるのが良い。8
0重量%より多いと重合体に由来する優れた洗浄性、マ
イルドな皮膚への刺激性の効果が発現し難く好ましくな
い。
【0018】本発明に使用する重合体は、前記単量体か
らなる単量体組成物を、公知の溶液、塊状、乳化、懸濁
重合法を用いて重合して得ることができる。重合は、必
要に応じて重合系を不活性ガス、例えば、窒素、二酸化
炭素、ヘリウムで置換ないし雰囲気下にして、重合温度
0〜100℃、重合時間10分〜48時間の条件でラジ
カル重合することが好ましい。ここで用いる重合開始剤
としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2’
−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド
二水和物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸
化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペル
オキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBNと略す。)、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブ
チルペルオキシネオデカノエート{パーブチルND、日
本油脂(株)社製、商品名}が挙げられる。さらには、
前記のラジカル開始剤に各種レドックス系の促進剤を用
いても良い。 これらの重合開始剤は1種または2種以
上を用いることができ、全単量体に対して、0.001
〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%で使用さ
れる。
【0019】重合体の精製は、一般的に用いられている
再沈殿法、透析法、限外濾過法など、どのような方法を
用いてもよい。
【0020】本発明の重合体の重量平均分子量は、10
00〜10,000,000が好ましく挙げられるが、
これに限定されるものではない。より好ましくは本発明
の重合体の重量平均分子量は、10,000〜1,00
0,000である。
【0021】重合体は、水溶液状態で使用する際には、
例えば、生理食塩水、各種緩衝液、各種化合物や有機溶
媒を添加して使用することができる。またさらに、製品
を粉体状態で使用する場合には、前記一般式[1]で表
される基を側鎖に有する重合体を各種の界面活性剤と配
合してからスプレー乾燥や造粒機で粉体化してもよい
し、予め重合体の粉体としたものを粉体の界面活性剤と
配合して用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明の洗浄剤は、単独では、前記一般
式[1]で表される基を側鎖に有する重合体であり、皮
膚刺激性が少なく、各種の洗浄剤として使用した場合
に、垢や汚れ、化粧品等の溶解度を向上させて、溶解あ
るいは分散できる作用がある。更に洗浄剤組成物は、乾
燥状態で保存が可能であり、必要に応じて緩衝液や溶媒
などの水溶性の溶剤に容易に分散、溶解させることが可
能である。また、本発明の重合体を配合した洗浄剤組成
物は、各種の界面活性剤による優れた洗浄性と前記の重
合体による優れた保湿性により、各種の界面活性剤によ
る手、肌への荒れに対する保護に適するものである。ま
たさらに、衣料用洗浄剤組成物として使用した際には、
再汚染防止効果に優れ、洗浄後の垢や汚れを繊維等に再
付着させることなく、優れた洗浄性を示すものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって詳細に説明
する。 実施例1−1 (a1)成分の単量体としてMPCを用い、(a2)成
分の単量体としてブチルメタクリレート(BMA)を用
い、それぞれの濃度が0.473mol/Lおよび1.
10 mol/Lになるように、これらの単量体をエタ
ノールに混合溶解した。この溶液に窒素を2時間吹き込
み、系の温度を60℃に設定し、開始剤としてパーブチ
ル−ND(P−NDと略す)を0.055 mol/L
になるように添加した。引き続いて、60℃で3時間撹
拌後、70℃で1時間撹拌し、室温に冷却した。この溶
液を透析膜(スペクトラポア/MwCO:6−8,00
0)に挿入し、重合溶液の10倍の体積のエタノール:
水=7:3(V/V)を用いて透析操作を行い、1日1
回の溶媒交換を7日間続ける透析処理を行うことにより
重合体(重合体1−1とする)を含む溶液を調製した。
結果を表1に示した。
【0024】実施例1−2〜1−5 表1に示した(a1)成分の単量体の種類、組成比、
(a2)成分の親水性単量体の種類、組成比、さらに重
合溶媒種、単量体濃度、重合開始剤種、重合開始剤濃
度、重合温度、重合時間で実施例1−1と同様の操作を
行い、表1に示した精製法を用いて精製を行い、洗浄剤
の重合体(重合体1−2〜1−5)を調製した。結果を
表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】なお、表中に用いた略号は次のとおり。 EHMA;2−エチルヘキシルメタクリレート P−ND;パーブチル−ND(重合開始剤、日本油脂
(株)社製) 精製方法は次のとおり。; 1);透析膜(スペクトラム・メディカル・インダスト
リーズ社製、商品名、「Spectra/Por 6、MwCO. 800
0」)を用いて、エタノール/水(7/3=v/v)混
合溶液に対して7回透析を行って、精製した。 2);ジエチルエーテルによる再沈澱を行い、乾燥した
後、透析膜(スペクトラム・メディカル・インダストリ
ーズ社製、商品名、「Spectra/Por 6、MwCO. 800
0」)を用いて、エタノール/水(7/3=v/v)混
合溶液に対して7回透析を行って、精製した。 3);アセトニトリルによる再沈澱を2回行って精製し
た。なおまた、重合体の分子量、粘度、親水性単量体の
含量の測定は、次の方法に従っておこなった。
【0027】分子量測定(GPC) 実施例1−1〜1−5で得られた重合体(1−1〜1−
5)をクロロホルム:メタノール=6:4(V/V)に
対して3重量%になるように溶解、希釈し、この溶液を
0.5μmのメンブランフィルターでろ過し、試験溶液
とした。GPCの分析条件は次のとおり。 溶離液:クロロホルム:メタノール=6:4(V/
V)、 流速:1ml/分、 試料溶液使用量:100μl、 カラム温度:40℃、 カラム:ポリマー・ラボラトリーズ社製MIXED−C
(2本)、 検出器:示差屈折計、 標準物質:ポリメチルメタクリレート(1.00×10
-3〜1.577×10-6;10種)とし、前記試料溶液
をインジェクションした。重量平均分子量(Mw)及び
分子量分布(Mw/Mn)は東ソー製インテグレーター
内蔵の分子量計算プログラム(SC−8020用GPC
プログラム)を用いて求めた。
【0028】単量体組成比含量測定;(組成比測定(リ
ン定量・水分測定)) <リン定量>実施1−1〜1−5で得られた重合体を、
風乾した後、70℃で真空乾燥し試験試料とする。この
試験試料6mgを10mlのメスフラスコを用いて蒸留
エタノールで正確に10mlに希釈溶解する。次にマイ
クロ・シリンジを用いてこの溶液を正確に50μl測り
取り、洗浄試験管に入れ、100℃のブロックヒーター
を用いて溶媒を除去し、常温に戻した。この試験管に
0.26mlの過塩素酸溶液(70%)を加え、ガラス
玉で栓をした。次にこれらの試料をブロック・ヒーター
へ移し、180℃、20分加熱する事によって重合体を
分解し、常温に戻した。1.90mlの蒸留水、0.4
0mlの1.25%(wt/wt)モリブデン酸アンモ
ニウム水溶液、0.40mlの5%(wt/wt)アス
コルビン酸水溶液を加え、ボルテックス・ミキサーで撹
拌混合後、沸騰水浴で5分間加熱することによって発色
させた。この溶液の吸光度を最大吸収波長(約817.
8nm)で測定し、別途作製したリン酸を用いた検量線
から、被検体のリン濃度を定量した。
【0029】<水分定量>実施1−1〜1−5で得られ
た洗浄剤を風乾後、70℃で真空乾燥した試験試料は、
別途カールフィッシャー法によって水分定量を行った。
この値と前記のリン定量の値から、精製後の重合体の組
成比を求めた。結果を表1に併せて示した。
【0030】実施例2−1;(洗浄性の評価1) 実施例1−1で得られた重合体、0.11gに対して
1.2gの水を加えて溶解し洗浄剤水溶液とした。手の
甲に粉末活性炭0.1gを乗せた後に振り落とし、活性
炭の付着した手の甲に前記洗浄剤水溶液を乗せ、10秒
間こっすった後に流水でリンスした。この時の洗浄効果
および手の甲を乾燥後のしっとり感を表2に示す。
【0031】比較例2−1;(洗浄性の評価1) 手の甲に粉末活性炭0.1gを乗せた後に振り落とし、
活性炭の付着した手の甲を10秒間こっすった後に流水
でリンスした。この時の洗浄効果および手の甲を乾燥後
のしっとり感を表2に示した。
【0032】比較例2−2;(洗浄性の評価1) 実施例2−1において用いた洗浄剤水溶液の代わりに
1.2gのTween−80{ポリオキシエチレン(2
0モル)ソルビタンモノオレエート}の10重量%水溶
液を使用した以外は実施例2−1と同様の操作を行っ
た。この時の洗浄効果、及び手の甲を乾燥後のしっとり
感を表2に示した。
【0033】実施例2−2;(洗浄性の評価2) 実施例1−1で得られた重合体、0.11gに対して
1.2gの水を加えて溶解し洗浄剤水溶液とした。手の
甲にシリコンオイル0.1gを乗せた後に紙にて拭き取
り、シリコンオイルの付着した手の甲に前記洗浄剤水溶
液を乗せ、10秒間こっすった後に流水でリンスした。
この時の洗浄効果、及び手の甲を乾燥後のしっとり感を
表2に示した。
【0034】比較例2−3;(洗浄性の評価2) 手の甲にシリコンオイル0.1gを乗せた後に紙にて拭
き取り、シリコンオイルの付着した手の甲を10秒間こ
っすった後に流水でリンスした。この時の洗浄効果、及
び手の甲を乾燥後のしっとり感を表2に示した。
【0035】比較例2−4(洗浄性の評価2) 実施例2−2において用いた洗浄剤水溶液の代わりに
1.2gのTween−80の10重量%水溶液を使用
した以外は実施例2−2と同様の操作を行った。この時
の洗浄効果、及び手の甲を乾燥後のしっとり感を表2に
示した。
【0036】
【表2】 注1)洗浄力が優れていると感じた人数/被験者数 注2)しっとり感に優れていると感じた人数/被験者数
【0037】実施例3−1;衣料用洗浄試験1;実施例
1−1で得られた重合体の水溶液(濃度;10g/1リ
ットル)を洗浄液として用いて、洗浄試験機(Terg
−O−Tometer;(株)上島製作所)を用いて洗
浄試験を下記の要領で行った。 <衣料用洗浄試験1>前記の洗浄試験機の洗浄槽に前記
の濃度で調製した洗浄液をいれ、後述の人工汚染布1を
2枚および再汚染試験のために未処理の綿布(10cm
×10cm)を2枚をいれ、40℃、150r.p.m、3
0秒に1回の反転条件で30分洗浄し、試験布を洗浄液
から取り出して、40℃、150r.p.m、30秒に1回
の反転条件で5分間、2回のリンス洗浄を行い、試験布
を洗浄液から取り乾燥して測定用試験布とした。 <洗浄性の評価1>洗浄試験の評価は、次のとおり。
1)洗浄試験1を行った人工汚垢による汚染布の試験
布、2)再汚染試験を行った未処理試験布、3)洗浄前
の人工汚染布、および4)原布の各々2枚のそれぞれ4
箇所をカラーコンピューター(スガ試験機(株)製)で
反射率を測定し、付属のプログラムで洗浄率、再汚染率
を算出した。結果を表3に示した。
【0038】<人工汚染布1>人工汚垢の組成が1.5
gのオレイン酸、0.75gのパルミチン酸、0.75
gのミリスチン酸、3.0gのナタネ硬化油、1.0g
のコレステロール、0.5gのスクワラン、1.0gの
セチルアルコール、1.5gの流動パラフィン、1.7
5gの活性炭、800mのl、1,1,1−トリクロロ
エチレンからなる人工汚垢の分散液に綿布(10cm×
10cm)2枚をくわえ、1分間浸漬後、取り出し、ロ
ーラーを用いて、絞り率100%に調整し、乾燥して人
工汚染布1を作製した。
【0039】比較例3−1 試験の洗浄液を実施例1−1の重合体、10g/1リッ
トルから重合体を含まない1リットルの精製水を用いた
以外は実施例6と同様にして洗浄試験を行った。実施例
3−1および比較例3−1の結果を表3に併せて示し
た。
【0040】
【表3】
【0041】実施例3−1と比較例3−1の結果から本
発明の化合物を洗浄剤として使用すると洗浄率が高く、
再汚染率が低いことが分かる。
【0042】実施例4−1〜4−6、比較例4−1〜4
−6 実施例1−1〜1−4で得た重合体を用いて、表4およ
び表5に示したように衣料用洗浄剤組成物を配合した。 <衣料用洗浄試験2>前記の衣料用洗浄剤組成物の水溶
液(濃度;1g/1リットル)を洗浄液として用いて、
洗浄試験機(Terg−O−Tometer;(株)上
島製作所製)を用いて洗浄試験を前記の要領で行った。
【0043】
【表4】 注1)手に付着したときにしっとり感を感じた人数/被
験者数
【0044】
【表5】 注1)手に付着したときにしっとり感を感じた人数/被
験者数 なお表5および6に用いた界面活性剤は次のとおりであ
る。 ヤシアルキル硫酸ナトリウム;ニッサンパーソフトSK
(日本油脂(株)社製) ラウリル硫酸ナトリウム;パーソフトSP(日本油脂
(株)社製) ポリオキシエチレンヤシアルキル硫酸ナトリウム;ニッ
サンパーソフトEK(日本油脂(株)社製) ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム;
ニッサンパーソフトEF(日本油脂(株)社製) ポリオキシエチレンヤシアルキルエーテル;ニッサンパ
ーソフトNK−60(日本油脂(株)社製) α−スルホヤシ脂肪酸メチルナトリウム;ニッサンサン
ベース(日本油脂(株)社製)
【0045】実施例5−1〜5−4、比較例5−1 実施例1−1〜1−4で得られた重合体を用いて表6に
示したように衣料用液体洗浄剤組成物の水溶液を配合し
た。 <衣料用洗浄試験3>前記の水溶液を用いて、衣料用粉
体洗浄剤試験2に準じて洗浄試験を行った。結果を表6
に示した。
【0046】
【表6】 注1)手に付着したときにしっとり感を感じた人数/被
験者数 また用いた活性剤はつぎのとおり。 ポリオキシエチレンラヤシアルキルエーテル;ニッサン
パーソフトNL−95(日本油脂(株)社製) ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩;ニッサンパーソ
フトSFT(日本油脂(株)社製) ポリオキシエチレンラルリルエーテル硫酸トリエタノー
ルアミン塩;ニッサンパーソフトEFT(日本油脂
(株)社製) ヤシアルキル硫酸トリエタノールアミン塩;ニッサンパ
ーソフトSLT(日本油脂(株)社製) ポリオキシエチレンヤシアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン塩;ニッサンパーソフトELT(日本油脂
(株)社製) ラウリン酸ジエタノールアミド;ニッサンスタホームD
L(日本油脂(株)社製)
【0047】実施例6−1〜6−3、比較例6−1 実施例1−5で得られた重合体と界面活性剤を用いて表
7に示したように衣料用洗浄剤の試料溶液を配合した。 <衣料用洗浄試験4>JIS K−3362の方法に準
じて洗浄試験を行った。 <衣料用洗浄試験5>洗浄用試験の被洗浄物の試料とし
て、EMPA−116=血液/ミルク/カーボンブラッ
クによる汚染布(EMPA社、番手116)を用いて、
JIS K−3362の方法に準じて洗浄試験を行っ
た。結果を表7に示した。
【0048】
【表7】
【0049】なお、表中用いた記号は次のとおり。 K−SF;ヤシ脂肪酸アシルメチルタウリン酸ナトリウ
ム{ニッサンダイヤポンK−SF、日本油脂(株)社
製、商品名} n−DBS;n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム SDS;ラウリル硫酸ナトリウム
【0050】以上の結果から、本発明の重合体を洗浄剤
として用いると、皮膚への刺激性がなく、洗浄性に優
れ、再汚染防止に優れることがわかる。
【0051】実施例7−1〜7−4、比較例7−1;表
8に示したシャンプー用試験液を調製し、以下の(1)
〜(7)の評価方法により、性能を評価した。 (1)泡のクリミー性の評価;20名の女性(年令20
才〜60才)をパネラーとして表の組成物5mlを用い
て洗髪したときの泡のクリミー性を評価した。評価は、
泡がクリミーであると感じた場合を2点、ややクリミー
であると感じた場合を1点、泡がクリミーでなく、粗い
と感じた場合を0点として平均値を求め、平均点が1.
5以上を泡のクリミー性が良好と評価した。 (2)洗髪時の指通り感の評価;前記と同様に20名の
女性をパネラーとして表の組成物5mlを用いて洗髪し
たときの指の通り感を評価した。評価は、指通りがスム
ーズで髪がひっかからないと感じた場合を2点、指通り
がスムーズで髪がやや指にひっかかると感じた場合を1
点、指通りが非常に悪いと感じた場合を0点として平均
値を求め、平均点が1.5以上を指通り感が良好と評価
した。
【0052】(3)洗髪後の櫛通り性の評価;前記と同
様に20名の女性をパネラーとして表の組成物5mlを
用いて洗髪し、乾燥したときの櫛通り性を評価した。評
価は、櫛通りがスムースであると感じた場合を2点、髪
がやや櫛にひっかかると感じた場合を1点、櫛通りが非
常に悪いと感じた場合を0点として平均値を求め、平均
点が1.5以上を櫛通り性が良好であると評価した。 (4)洗髪後のコンディショニング効果の評価;前記と
同様に20名の女性をパネラーとして表の組成物5ml
を用いて洗髪し、乾燥したときのコンディショニング効
果を評価した。評価は、コンディショニング効果が優れ
ていると感じた場合を2点、ややコンディショニング効
果が得られると感じた場合を1点、コンディショニング
効果が得られないと感じた場合を0点として平均値を求
め、平均点が1.5以上をコンディショニング効果が優
れていると評価した。
【0053】(5)洗髪乾燥後の髪のセット性の評価;
前記と同様に20名の女性をパネラーとして表の組成物
5mlを用いて洗髪し、乾燥したときの髪のセット性を
評価した。評価は、髪のセット性に優れていると感じた
場合を2点、やや髪のセット性に優れていると感じた場
合を1点、髪のセット性が悪いと感じた場合を0点とし
て平均値を求め、平均点が1.5以上を髪のセット性が
優れていると評価した。 (6)洗髪乾燥後の髪のしっとり感の評価;前記と同様
に20名の女性をパネラーとして表の組成物5mlを用
いて洗髪し、乾燥したときの髪のしっとり感を評価し
た。評価は、髪のしっとり感に優れていると感じた場合
を2点、やや髪のしっとり感に優れていると感じた場合
を1点、髪のしっとり感に優れていないと感じた場合を
0点として平均値を求め、平均点が1.5以上を髪のし
っとり感に優れていると評価した。
【0054】(7)組成物の経時安定性 表8の組成物の試料をろ過滅菌した後、−5℃、25℃
および45℃で1カ月間保存し、その後、目視で外観の
状態を次の3段階で観察した。
【0055】
【表8】
【0056】表8の結果から、本発明の洗浄剤は、シャ
ンプー用に洗浄剤として用いた場合、 (2)洗髪時の指通り感の評価; (3)洗髪後の櫛通り性の評価; (4)洗髪後のコンディショニング効果の評価; (5)洗髪乾燥後の髪のセット性の評価; (6)洗髪乾燥後の髪のしっとり感の評価; (7)経時安定性の評価 のいずれの評価も優れていることがわかる。
【0057】実施例8−1〜8−4、比較例8−1;表
9に示した洗顔用の試験液を調製し、下記の(8)〜
(11)の評価方法により、性能を評価した。 (8)泡のクリミー性の評価;前記と同様に20名の女
性をパネラーとして表の組成物5mlを用いて洗顔した
ときの泡のクリミー性を評価した。評価は、泡がクリミ
ーであると感じた場合を2点、ややクリミーであると感
じた場合を1点、泡がクリミーでなく、粗いと感じた場
合を0点として平均値を求め、平均点が1.5以上を泡
のクリミー性が良好と評価した。
【0058】(9)すすぎ後のぬめり感の評価;前記と
同様に20名の女性をパネラーとして表の組成物5ml
を用いて洗顔し、約40℃の温水1リットルずつを用い
て洗い流しながら3回すすいだ後のぬめり感を評価し
た。評価は、ぬめり感が全くないと感じた場合を4点、
ぬめり感がほとんどないと感じた場合を3点、ぬめり感
がややあると感じた場合を2点、ぬめり感がしつっこい
と感じた場合を1点として平均値を求め、平均点が3.
0以上をぬめり感がないと評価した。
【0059】(10)すすぎ後のさっぱり感の評価;前
記と同様に20名の女性をパネラーとして表の組成物5
mlを用いて洗顔し、約40℃の温水1リットルずつを
用いて洗い流しながら3回すすいだ後のさっぱり感を評
価した。評価は、さっぱり感があると感じた場合を4
点、さっぱり感がややあると感じた場合を3点、さっぱ
り感がほとんどないと感じた場合を2点、さっぱり感が
全くないと感じた場合を1点として平均値を求め、平均
点が3.0以上をさっぱり感があると評価した。
【0060】(11)洗顔乾燥後の顔のしっとり感の評
価;前記と同様に20名の女性をパネラーとして表の組
成物5mlを用いて洗顔し、すすいだ後の肌のしっとり
感を評価した。評価は、肌のしっとり感に優れていると
感じた場合を2点、やや肌のしっとり感に優れていると
感じた場合を1点、肌のしっとり感に優れていないと感
じた場合を0点として平均値を求め、平均点が1.5以
上をさっぱり感があると評価した。
【0061】(12)組成物の経時安定性 表9の組成物の試料をろ過滅菌した後、−5℃、25℃
および45℃で1カ月間保存し、前記のシャンプー組成
物と同様に目視で外観の状態を観察した。
【0062】
【表9】
【0063】表9の結果から、本発明の重合体は、洗顔
用の洗浄剤として用いた場合、 (9)すすぎ後のぬめり感の評価; (10)すすぎ後のさっぱり感の評価; (11)洗顔乾燥後の顔のしっとり感の評価; (12)経時安定性の評価 のいずれの評価も優れていることがわかる。
【0064】実施例9−1〜9−6、比較例9−1〜9
−4;表10および表11に示した台所用液体洗剤用の
試験液を調製し、以下の評価方法により、性能を評価し
た。 <皿洗い洗浄試験> (汚染皿) 汚染の皿は、牛脂80部、ナタネ油20部、油溶染料
(Suden III)0.2部からなる人工汚垢1gを
直径6cmの時計皿に塗布して、作製する。 (洗浄方法)洗浄剤1.5g/リットルの洗浄液500
ミリリットルを直径18cmのガラス容器に取り、43
℃に調製して、ブラシで泡立たせた泡が消えるまで汚垢
皿を洗浄した。その時の汚垢の分散状態を目視で観察し
た。結果を表10および表11に示した。
【0065】
【表10】
【0066】
【表11】
【0067】注;また表中に用いた活性剤はつぎのとお
り。 ラウリル硫酸ナトリウム;ニッサンパーソフトSP(日
本油脂(株)社製) ポリオキシエチレンラウルリエーテル硫酸ナトリウム;
ニッサンパーソフトEP(日本油脂(株)社製) ポリオキシエチレンヤシアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン塩;ニッサンパーソフトEFT(日本油脂
(株)社製) ラウリン酸ジエタノールアミド;ニッサンスタホームD
L(日本油脂(株)社製) ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;ニッサンスタホームD
F(日本油脂(株)社製)
【0068】表10および表11の結果から、本発明の
重合体は、台所用の洗浄剤として配合して用いた場合、
皿洗い試験の洗浄枚数、および汚垢の分散性が良いこと
のいずれの評価も優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式[I] 【化1】 (式中R1、R2およびR3は、水素原子または炭素原子
    1〜8のアルキル基を示し、同一または異なる基であっ
    てもよく、R4は炭素数2〜4のアルキレン基であ
    る。)で表される基を側鎖に有する重合体を有効成分と
    する洗浄剤。
  2. 【請求項2】前記の一般式[I]で表される基を側鎖に
    有する重合体が下記の一般式[II] 【化2】 {式中R1、R2およびR3は、水素原子または炭素原子
    1〜8のアルキル基を示し、同一または異なる基であっ
    てもよく、R4は炭素数2〜4のアルキレン基である。
    また、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は−
    (GO)mG−で表される基(ここで、Gは炭素数2〜
    12の二価の炭化水素基で、mはそのオキシアルキレン
    基の平均付加モル数で、0〜10である。)である。} で表される(メタ)アクリル酸誘導体の単量体を含む単
    量体組成物を重合してなる重合体である請求項1記載の
    洗浄剤。
  3. 【請求項3】前記の重合体が、(a1)成分として、2
    −((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’−(ト
    リメチルアンモニオ)エチルホスフェートで、(a2)
    成分としての単量体がブチルメタクリレート、または2
    −エチルヘキシルメタクリレートである単量体組成物を
    重合してなる重量平均分子量が1,000〜10,00
    0,000の重合体である請求項2記載の洗浄剤。
  4. 【請求項4】前記の重合体は、前記の(a1)成分が1
    00〜20重量%、(a2)成分が0〜80重量%から
    なる単量体組成物を重合してなる重合体である請求項3
    記載の洗浄剤。
  5. 【請求項5】A成分として、前記の重合体が、(a1)
    成分として、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチ
    ル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
    ト100〜20重量%で、(a2)成分としての単量体
    がブチルメタクリレート、または2−エチルヘキシルメ
    タクリレート0〜80重量%の単量体組成物を重合して
    なる重量平均分子量が1,000〜10,000,00
    0の重合体と、B成分として界面活性剤を配合してなる
    組成物であって、かつA成分/B成分の重量比がA/B
    =100/1〜10/100である衣料用洗浄剤組成
    物。
  6. 【請求項6】A成分として、前記の重合体が、(a1)
    成分として、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチ
    ル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
    ト100〜20重量%で、(a2)成分としての単量体
    がブチルメタクリレート、または2−エチルヘキシルメ
    タクリレート0〜80重量%を重合してなる重量平均分
    子量が1,000〜10,000,000の重合体と、
    B成分として界面活性剤を配合してなる組成物であっ
    て、かつA成分/B成分の重量比がA/B=100/1
    〜10/100である台所用洗浄剤組成物。
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