JPH11217538A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JPH11217538A
JPH11217538A JP2323098A JP2323098A JPH11217538A JP H11217538 A JPH11217538 A JP H11217538A JP 2323098 A JP2323098 A JP 2323098A JP 2323098 A JP2323098 A JP 2323098A JP H11217538 A JPH11217538 A JP H11217538A
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resin
epoxy resin
acrylic resin
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coating composition
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JP2323098A
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Inventor
Hideki Matsuda
英樹 松田
Masahiro Murata
正博 村田
Yasuo Kikura
康男 亀倉
Keiichi Shimizu
慶一 清水
Ichiro Yoshihara
一郎 吉原
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性、基材への接着性、耐食性及び耐膜残
り性に優れた塗膜を形成でき、缶蓋用としての適性を有
する水性塗料を得る。 【解決手段】 ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と
カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とをエステル化
反応させてなるか又は該樹脂(a)にカルボキシル基含
有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマ
ー成分をグラフト重合させてなるアクリル樹脂変性エポ
キシ樹脂(A)が、中和され、水性媒体中に分散された
水性塗料組成物であって、該アクリル樹脂変性エポキシ
樹脂(A)100重量部に対して、(B)特定のレゾー
ル型フェノール樹脂0.1〜10重量部及び(C)エチ
レン共重合体1〜20重量部、を含有することを特徴と
する水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル樹脂変性
エポキシ樹脂系の水性塗料組成物に関し、特に、加工
性、接着性、耐食性に優れた塗膜を形成できる、缶の塗
装、なかでも缶蓋の塗装に適した水性塗料組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
缶蓋用塗料としては、加工性に優れた塗膜を形成できる
ことから有機溶剤系の塩ビゾル塗料が多く使用されてい
るが、有機溶剤の揮散による環境、安全衛生の問題があ
り、缶蓋用塗料の水性化が急務となっている。
【0003】従来、缶内面用の水性塗料として、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂を適宜、組合わ
せたり、反応させてなる塗料が主として使用されてい
る。これらの水性塗料は、缶蓋の塗装に使用すると、得
られる塗膜は一般的に硬く、缶蓋用の塩ビゾル塗料から
の塗膜に比べて加工性、基材への接着性、耐食性が劣
り、また、缶蓋のタブを開いたときに塗膜が残り、耐膜
残り性が悪いという問題がある。
【0004】これらの問題を解決する方法が種々提案さ
れている。例えば特開平5−9431号公報には、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂から誘導されるカルボキシ
ル基含有の自己乳化性エポキシ樹脂によって形成された
外側部と共役ジエン系樹脂によって形成された芯部とを
有する水分散型微粒子状樹脂を含む金属被覆用水性樹脂
組成物が提案されている。また、特開平7−13852
3号公報には、数平均分子量が9,000以上である芳
香族高分子エポキシ樹脂を必須成分とするカルボキシル
基含有アクリル樹脂変性エポキシ樹脂を水分散化した水
性塗料が提案されている。
【0005】しかしながら、上記提案のいずれの組成物
においても、得られる塗膜は、加工性、基材への接着
性、耐食性、耐膜残り性のバランスが十分でなく実用化
に至っていない。
【0006】本発明の目的は、上記のような問題がな
く、加工性、基材への接着性、耐食性及び耐膜残り性に
優れた塗膜を形成でき、缶蓋用としての適性を有する水
性塗料を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、アクリル樹脂変性
エポキシ樹脂とレゾール型フェノール樹脂との樹脂系の
塗料中に、特定のエチレン共重合体を配合せしめること
によって上記課題を解決できることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂
(b)とをエステル化反応させてなるか又はビスフェノ
ール型エポキシ樹脂(a)にカルボキシル基含有重合性
不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分を
グラフト重合させてなるアクリル樹脂変性エポキシ樹脂
(A)が、中和され、水性媒体中に分散された水性塗料
組成物であって、該アクリル樹脂変性エポキシ樹脂
(A)100重量部に対して、(B)数平均分子量が2
00〜2,000で、かつベンゼン核1核当りのメチロ
ール基の平均数が0.3〜3.0個であるレゾール型フ
ェノール樹脂 0.1〜10重量部及び(C)融点が4
0〜100℃のエチレン共重合体 1〜20重量部を含
有することを特徴とする水性塗料組成物を提供するもの
である。
【0009】また本発明は、上記水性塗料組成物を、金
属板上にロール塗装し、焼付け硬化させることを特徴と
する塗膜形成方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の水性塗料組成物
について詳細に説明する。
【0011】まず、本発明の水性塗料組成物の各成分に
ついて説明する。
【0012】本発明組成物の(A)成分であるアクリル
樹脂変性エポキシ樹脂は、下記の(I)、(II)のい
ずれであってもよい。 (I)ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)[以下、
「エポキシ樹脂(a)」と略称することがある]とカル
ボキシル基含有アクリル樹脂(b)[以下、「アクリル
樹脂(b)」と略称することがある]とをエステル付加
反応させてなる樹脂、 (II)ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)にカルボ
キシル基含有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不
飽和モノマー成分をグラフト重合させてなる樹脂。
【0013】上記(I)においては、エポキシ樹脂
(a)とアクリル樹脂(b)とを、例えば有機溶剤溶液
中、エステル化触媒の存在下にて加熱することにより容
易にエステル付加反応させることができる。
【0014】上記(II)においては、例えば有機溶剤
中において、ベンゾイルパーオキサイド等のラジカル発
生剤の存在下にて、エポキシ樹脂(a)に重合性不飽和
モノマー成分をグラフト重合させることができる。
【0015】上記(I)、(II)において使用される
ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)としては、例えば
エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じ
てアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合
させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノール
とを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下
に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分
子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させ
ることにより得られた樹脂、及び得られたこれらの樹脂
又は上記低分子量エポキシ樹脂に、二塩基酸を反応させ
てなるエポキシエステル樹脂のいずれであってもよい。
【0016】上記ビスフェノールとしては、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフ
ェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキ
シビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス
(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタ
ンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノール
A、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフ
ェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用
することができる。
【0017】前記エポキシエステル樹脂の製造に用いら
れる二塩基酸としては、下記式 HOOC−(CH2 n −COOH (式中、nは1〜12の整数である。)で示される化合
物が好適に用いられ、具体的には、コハク酸、アジピン
酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、ヘキサヒドロフタル酸等を例示できる。
【0018】ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)の市
販品としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製
の、エピコート1007(エポキシ当量約1,700、
数平均分子量約2,900)、エピコート1009(エ
ポキシ当量約3,500、数平均分子量約3,75
0)、エピコート1010(エポキシ当量約4,50
0、数平均分子量約5,500);旭チバ社製の、アラ
ルダイトAER6099(エポキシ当量約3,500、
数平均分子量約3,800);及び三井化学(株)製
の、エポミックR−309(エポキシ当量約3,50
0、数平均分子量約3,800)などを挙げることがで
きる。
【0019】ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)とし
ては、なかでも数平均分子量が2,000〜35,00
0、好ましくは4,000〜30,000であり、エポ
キシ当量が1,000〜12,000好ましくは3,0
00〜10,000の範囲のビスフェノール型エポキシ
樹脂であることが、得られる塗膜の加工性、耐食性など
の点から好適である。
【0020】前記(I)においては、エステル付加反応
の際に、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基にアクリル
樹脂(b)中のカルボキシル基がエステル付加反応する
ので、エポキシ樹脂(a)中にエポキシ基が必要であ
り、エポキシ樹脂1分子当りエポキシ基は平均0.5〜
2個、好ましくは0.5〜1.6個の範囲内であるのが
よい。一方、前記(II)においては、グラフト反応が
エポキシ樹脂主鎖の水素引き抜きによって起こりグラフ
ト重合反応が進行するので、エポキシ樹脂(a)中にエ
ポキシ基は実質上存在しなくてもよい。
【0021】上記(1)において使用されるカルボキシ
ル基含有アクリル樹脂(b)は、カルボキシル基含有重
合性不飽和モノマーとその他の重合性不飽和モノマーと
を単量体成分とする共重合体樹脂である。
【0022】上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの1種
又は2種以上の混合物を挙げることができ、なかでもメ
タクリル酸が好適に使用される。
【0023】カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)の
単量体成分である、その他の重合性不飽和モノマーは、
上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーと共重合
可能なモノマーであればよく、求められる性能に応じて
適宜選択して使用することができるものであり、例え
ば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどの芳香族系ビ
ニルモノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸n−,i−又はt−ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸n−,i−又はt−ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等
のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアル
キルエステル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブ
チルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル
酸のC2 〜C8 ヒドロキシアルキルエステル;N−メチ
ロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルア
ミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリル
アミドなどのN−置換アクリルアミド系又はN−置換メ
タクリルアミド系モノマーなどの1種又は2種以上の混
合物を挙げることができる。このその他の重合性不飽和
モノマーとしては、特にスチレン及びアクリル酸エチル
の混合物が好ましく、スチレン/アクリル酸エチルの構
成重量比が99.9/0.1〜40/60、さらには9
9/1〜50/50の範囲内であることが適している。
【0024】カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)
は、モノマーの構成比率、種類は特に制限されるもので
はないが、通常、カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マーが15〜60重量%、特に20〜50重量%である
ことが好ましく、その他の重合性不飽和モノマーが85
〜40重量%、特に80〜50重量%であることが好ま
しい。
【0025】カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)の
調製は、例えば、上記した単量体組成を重合開始剤の存
在下、有機溶剤中で溶液重合することにより容易に行う
ことができる。アクリル樹脂(b)は、樹脂酸価が10
0〜400、数平均分子量が5,000〜100,00
0の範囲内であるのがよい。
【0026】前記(I)でのエステル付加反応におい
て、上記エポキシ樹脂(b)とカルボキシル基含有アク
リル樹脂(b)との配合割合は、エポキシ基の当量に対
してカルボキシル基の当量が過剰となる条件下で、塗装
作業性や塗膜性能に応じて適宜選択すればよいが、エポ
キシ樹脂(a)とアクリル樹脂(b)との固形分重量比
で前者:後者が、通常、6:4〜9:1、さらには7:
3〜9:1の範囲内であることが好ましい。
【0027】上記エステル付加反応は、従来公知の方法
で行うことができ、例えば、エポキシ樹脂(a)とアク
リル樹脂(b)との均一な有機溶剤溶液中にエステル化
触媒を配合せしめ、実質的にエポキシ基の全てが消費さ
れるまで、通常、60〜130℃の反応温度にて約1〜
6時間反応させることによって行うことができる。上記
エステル化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、
ジメチルエタノールアミンなどの第3級アミン類やトリ
フェニルフォスフィンなどの第4級塩化合物などを挙げ
ることができ、なかでも第3級アミン類が好適である。
【0028】エポキシ樹脂(a)とアクリル樹脂(b)
との反応系における固形分濃度は、反応系が反応に支障
のない粘度範囲内である限り特に限定されるものではな
い。また、エステル付加反応させる際にエステル化触媒
を使用する場合には、その使用量はエポキシ樹脂(b)
中のエポキシ基1当量に対して通常、0.1〜1当量の
範囲で使用するのがよい。
【0029】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)が前
記(II)による樹脂である場合、エポキシ樹脂(a)
にグラフト重合させるカルボキシル基含有重合性不飽和
モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分は、前記
(I)におけるカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)
の製造に用いられる単量体成分であるカルボキシル基含
有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノ
マーを挙げることができる。
【0030】前記(II)の反応において、エポキシ樹
脂(a)とカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを
含有する重合性不飽和モノマー成分との使用割合は、特
に制限されるものではないが、通常、前者:後者の比
が、95〜70重量%:5〜30重量%の範囲内とする
のがよい。この場合、カルボキシル基含有重合性不飽和
モノマーは、全重合性不飽和モノマー中、20〜80重
量%となる配合とするのがよい。グラフト重合反応にお
けるラジカル発生剤の使用量は、カルボキシル基含有重
合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成
分に対して通常、3〜15重量%の範囲内が適当であ
る。
【0031】上記(II)におけるグラフト重合反応
は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、80〜
150℃に加熱されたエポキシ樹脂(a)の有機溶剤溶
液中に、ラジカル発生剤と重合性不飽和モノマー成分と
の均一な混合溶液を徐々に添加し、同温度に1〜10時
間程度保持することによって行うことができる。上記ラ
ジカル発生剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニ
トリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベ
ンゾイルオクタノエート、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエートなどを挙げることができる。
【0032】上記(I)でのエステル付加反応や上記
(II)でのグラフト重合反応の際に使用される有機溶
剤としては、エポキシ樹脂(a)とアクリル樹脂(b)
又はカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有す
る重合性不飽和モノマー成分とを溶解し、且つこれらの
反応生成物であるアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)
を中和、水性化する場合にエマルジョンの形成に支障を
来さない有機溶剤である限り、従来公知のものを使用す
ることができる。
【0033】上記有機溶媒としては、アルコール系溶
剤、セロソルブ系溶剤及びカルビトール系溶剤が好まし
い。この有機溶剤の具体例としては、イソプロパノー
ル、ブチルアルコール、2−ヒドロキシ−4−メチルペ
ンタン、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサ
ノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどを挙
げることができる。また有機溶剤としては、上記以外の
水と混合し難い有機溶剤もカルボキシル基含有反応生成
物(A)の水性媒体中での安定性に支障を来さない範囲
で使用可能であり、この有機溶剤としては、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢
酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類等がすることができる。
【0034】上記(I)又は(II)によって得られる
アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)は、カルボキシル
基を有し、樹脂酸価が10〜160、さらには20〜1
00の範囲内であることが水分散性、塗膜性能などの観
点から好ましい。
【0035】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)は、
塩基性化合物で樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一
部を中和することによって水性媒体中に分散可能とな
る。上記カルボキシル基の中和に用いられる塩基性化合
物としては、アミン類やアンモニアが好適に使用され
る。上記アミン類の代表例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキ
ルアミン類;ジメチルエタノールアミン、ジエタノール
アミン、アミノメチルプロパノールなどのアルカノール
アミン類;モルホリンなどの環状アミン類などを挙げる
ことができる。アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)の
中和程度は、特に限定されるものではないが、樹脂
(A)中のカルボキシル基に対して通常0.1〜2.0
当量中和の範囲であることが好ましい。
【0036】上記水性媒体は、水のみであってもよい
が、水と有機溶剤との混合物であってもよい。この有機
溶剤としてはアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)の水
性媒体中での安定性に支障を来さない、水と混合し得る
有機溶媒である限り、従来公知のものをいずれも使用で
き、前記アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)製造の際
に使用できる有機溶剤として挙げたものを好適に使用す
ることができる。本発明の水性塗料組成物における有機
溶剤の量は、環境保護の観点などから20重量%以下の
範囲であることが望ましい。
【0037】アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)を水
性媒体中に中和、分散するには、常法によればよく、例
えば中和剤である塩基性化合物を含有する水性媒体中に
撹拌下にアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)を徐々に
添加する方法、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)を
塩基性化合物によって中和した後、撹拌下にて、この中
和物に水性媒体を添加するか又はこの中和物を水性媒体
中に添加する方法などを挙げることができる。
【0038】本発明の水性塗料組成物は、中和されたア
クリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)に加えて、(B)成
分としてレゾール型フェノール樹脂及び(C)成分とし
てエチレン共重合体を含有する。
【0039】上記レゾール型フェノール樹脂(B)は、
アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)の架橋剤として働
くものであり、フェノールやビスフェノールAなどのフ
ェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを
反応触媒の存在下で縮合反応させて、メチロール基を導
入してなるフェノール樹脂、また導入されたメチロール
基の一部を炭素原子数6以下のアルコールでアルキルエ
ーテル化したものも包含される。レゾール型フェノール
樹脂(B)は、数平均分子量が200〜2,000、好
ましくは300〜1,200の範囲内であり、かつベン
ゼン核1核当りのメチロール基の平均数が0.3〜3.
0個、好ましくは0.5〜3.0個、さらに好ましくは
0.7〜3.0個の範囲内であることが適当である。上
記レゾール型フェノール樹脂(B)を使用することによ
って、接着性などの塗膜性能の優れた塗膜を形成するこ
とができる。
【0040】本発明組成物中において、レゾール型フェ
ノール樹脂(B)は、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂
(A)100重量部当り、0.1〜10重量部、好まし
くは0.1〜5重量部の範囲内であることが好適であ
る。
【0041】前記エチレン共重合体(C)は、エチレン
と他のモノマーとの共重合体であって、融点が40〜1
00℃、好ましくは45〜95℃であるものであり、通
常、常温(20℃)でゴム状の粘弾性を示す。本発明に
おいて、「融点」は示差走査熱分析(DSC)での測定
によるものとする。また本発明においてエチレン共重合
体(C)を構成する「他のモノマー」はスチレンを包含
しないものとする。
【0042】エチレン共重合体(C)を構成するエチレ
ン以外の他のモノマーとしては、酢酸ビニル、ビニルア
ルコール、塩化ビニル;メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートな
どのアクリル酸又はメタクリル酸のC1〜24アルキルエ
ステル;アクリル酸及びメタクリル酸を挙げることがで
きる。上記アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜24アル
キルエステルとしては、なかでもメチルアクリレート、
エチルアクリレートが好適である。エチレン共重合体
(C)を構成するモノマー成分のうち、エチレンが40
重量%以上、好ましくは50〜95重量%の範囲内であ
ることが好適である。エチレン共重合体(C)は、モノ
マー成分を溶液重合、エマルション重合などのそれ自体
既知の重合法によって共重合させることによって得るこ
とができる。
【0043】エチレン共重合体(C)の好ましい具体例
としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−塩化ビニル共重合体;ならびにメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル
酸及び酢酸ビニルのうちの少なくとも1種のモノマーと
エチレンとの共重合体ならびにエチレンとアクリル酸又
はメタクリル酸との共重合体のアイオノマーなどを挙げ
ることができる。なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体が好適であ
る。これらの共重合体は1種で、又は2種以上を組合せ
て使用することができる。
【0044】エチレン共重合体(C)の市販品として
は、例えば、エバフレックスEV40W、同EV22
0、同EV210T、同EV450、同EEA、同A7
02、同A709、同A715(以上、いずれも三井・
デュポンポリケミカル社製);ニュクレルN2030
H、同N5130H、同N1560(以上、いずれも三
井・デュポンポリケミカル社製);ハイミラン160
1、同1706(以上、いずれも三井・デュポンポリケ
ミカル社製);エルバロイHP553、同HP771
(以上、いずれも三井・デュポンポリケミカル社製);
スミカフレックス、スミテート(以上、いずれも住友化
学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0045】本発明組成物中にエチレン共重合体(C)
を配合することによって、形成される塗膜の加工性、基
材に対する接着性、缶蓋に適用したときの耐膜残り性、
耐食性などを向上させることができる。エチレン共重合
体(C)の配合量は、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂
(A)100重量部当り、1〜20重量部、好ましくは
2〜15重量部の範囲内であることが好適である。
【0046】本発明水性塗料組成物は、アクリル樹脂変
性エポキシ樹脂(A)が中和され、水性媒体中に分散さ
れており、その組成物中にレゾール型フェノール樹脂
(B)及びエチレン共重合体(C)を必須成分として含
有するものであるが、さらに必要に応じて、塗装性、塗
膜性能及び塗膜の美粧性の向上、加工時や輸送時の塗膜
の傷付き防止、臭気の改善などの目的で、この水性樹脂
組成物に必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、顔料、ワ
ックス、香料などを適宜含有するものであってもよい。
【0047】本発明の水性塗料組成物は、種々の基材に
適用することができ、例えばアルミニウム板、鋼板、ブ
リキ板等の無処理の又は表面処理した金属板、及びこれ
らの金属板にエポキシ系、ビニル系などのプライマーを
塗装した金属板など、ならびにこれらの金属板を缶など
に加工したものなどを挙げることができる。本発明組成
物から得られる塗膜は、基材への接着性、耐食性に優れ
ており、缶蓋に適用した場合にタブを開けた際の耐膜残
り性にも優れている。
【0048】本発明の水性塗料組成物を基材に塗装する
方法としては、公知の各種の方法、例えばロールコータ
塗装、スプレー塗装、浸漬塗装や電着塗装等が適用でき
る。なかでもロールコータ塗装が好ましい。塗膜厚は用
途によって適宜選定すればよいが、通常3〜20μm程
度が好ましい。塗装した塗膜の乾燥条件としては、通
常、素材到達最高温度が120〜300℃となる条件で
10秒〜30分間が好ましく、ロールコータ塗装の場合
には、200〜280℃で10秒〜50秒間の範囲内で
あることがさらに好ましい。
【0049】
【実施例】本発明を実施例により、さらに具体的に説明
する。以下、「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及
び「重量%」を意味する。
【0050】 エポキシ樹脂溶液の製造 製造例1 (1)エピコート828EL(注1) 558部 (2)ビスフェノールA 329部 (3)テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.6部 還流管、温度計、撹拌機を装着した四つ口フラスコに上
記(1)、(2)及び(3)を仕込み、窒素気流下で1
60℃にて反応を行った。反応はエポキシ当量で追跡
し、約5時間反応することにより数平均分子量約11,
000、エポキシ当量約8,000のビスフェノールA
型エポキシ樹脂(a−1)を得た。
【0051】(注1)エピコート828EL:油化シェ
ルエポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ポキシ当量約190、分子量約350。
【0052】 製造例2 (1)エピコート806H(注2) 800部 (2)ビスフェノールF 441部 (3)テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.6部 (4)アジピン酸 14.3部 (5)トリn−ブチルアミン 0.5部 還流管、温度計、撹拌機を装着した四つ口フラスコに上
記(1)、(2)及び(3)を仕込み、窒素気流下で1
60℃にて約4時間反応を行い、数平均分子量約5,0
00、エポキシ当量約4,000のビスフェノールF型
エポキシ樹脂を得た。さらに、上記(4)及び(5)を
仕込み約2時間反応することにより、数平均分子量約1
0,000、エポキシ当量約10,000のビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂(a−2)を得た。
【0053】(注2)エピコート806H:油化シェル
エポキシ社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポ
キシ当量約170、分子量約320。
【0054】 カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液の製造 製造例3 (1)n−ブタノール 882部 (2)メタクリル酸 180部 (3)スチレン 240部 (4)アクリル酸エチル 180部 (5)t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 18部 還流管、温度計、滴下ロート、撹拌機を装着した四つ口
フラスコに上記(1)を仕込み、窒素気流下で100℃
に加熱、保持し、上記(2)〜(5)の混合物を滴下ロ
ートから約3時間を要して滴下し、滴下後さらに同温度
にて2時間撹拌を続け、次いで冷却し、固形分約40%
のアクリル樹脂溶液(b−1)を得た。得られた樹脂
(固形分)は、樹脂酸価196mgKOH/g、数平均
分子量約19,000を有していた。
【0055】レゾール型フェノール樹脂の製造 製造例4 フェノール188部、37%ホルムアルデヒド水溶液3
24部をフラスコに仕込み、50℃に加熱し内容物を均
一に溶解した。次に、酢酸亜鉛を添加、混合して系内の
pHを5.0に調整した後、90℃に加熱し5時間反応
を行った。ついで50℃に冷却し、32%水酸化カルシ
ウム水分散液をゆっくり添加しpHを8.5に調整した
後、50℃で4時間反応を行った。反応終了後、20%
塩酸でpHを4.5に調整した後、キシレン/n−ブタ
ノール/シクロヘキサン=1/2/1(重量比)の混合
溶剤で樹脂分の抽出を行い、触媒、中和塩を除去し、つ
いで減圧下で共沸脱水し、不揮発分60%の淡黄色で透
明なフェノール樹脂溶液(B−1)を得た。得られた樹
脂(固形分)は、数平均分子量約320で、ベンゼン核
1核当り、平均メチロール基数1.3個、平均アルコキ
シメチル基数0.2個を有していた。
【0056】製造例5 還流管、温度計、撹拌機を装着した四つ口フラスコに、
p−クレゾール108部、37%ホルムアルデヒド水溶
液216部及び25%水酸化ナトリウム水溶液160部
を仕込み、窒素気流下で50℃にて反応させた後、10
0℃まで昇温し100℃でさらに1時間反応させ、塩酸
で中和後、n−ブタノール/キシレン=1/1(重量
比)の混合溶剤で樹脂分の抽出を行い、ついで減圧下で
共沸脱水し、不揮発分60%のフェノール樹脂溶液(B
−2)を得た。得られた樹脂(固形分)は、数平均分子
量約350で、ベンゼン核1核当り、平均メチロール基
数0.7個、平均アルコキシメチル基数0.1個を有し
ていた。
【0057】 実施例1 (1)製造例1で得たビスフェノールA型エポキシ樹脂(a−1) 80部 (2)製造例3で得た40%アクリル樹脂溶液(b−1) 50部 (3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 33部 (4)N,N−ジメチルアミノエタノール 5部 (5)エバフレックスA−709の固形分20%溶液(注3) 50部 (6)製造例4で得た60%フェノール樹脂溶液(B−1) 1.67部 (7)脱イオン水 224.33部 計 444部 還流管、温度計、撹拌機を装着した四つ口フラスコに、
上記(1)〜(3)を仕込み、100℃に加熱し溶解さ
せた後、(4)を加え、同温度にて約2時間反応を行
い、アクリル変性エポキシ樹脂溶液を得た。得られた樹
脂(固形分)は樹脂酸価34mgKOH/gを有してい
た。ついで、得られたアクリル変性エポキシ樹脂溶液に
上記(5)及び(6)を加え約30分間撹拌した後、系
の温度を70℃とし、上記(7)を徐々に加えて水分散
を行った。さらに減圧蒸留により過剰の溶剤を除去して
固形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0058】(注3)エバフレックスA−709の固形
分20%溶液:三井・デュポンポリケミカル社製の、商
品名「エバフレックスA−709」で表されるエチレン
−エチルアクリレート共重合体(示差熱分析による融点
は56℃)を、トルエンに溶解させてなる固形分20%
の溶液。
【0059】 実施例2 (1)製造例1で得たビスフェノールA型エポキシ樹脂(a−1) 80部 (2)n−ブタノール 28部 (3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 33部 (4)メタクリル酸 6部 (5)スチレン 8部 (6)アクリル酸エチル 6部 (7)過酸化ベンゾイル 2部 (8)N,N−ジメチルアミノエタノール 5部 (9)エバフレックスA−709の固形分20%溶液 50部 (10)製造例4で得た60%フェノール樹脂溶液(B−1) 1.67部 (11)脱イオン水 224.33部 計 444部 還流管、温度計、滴下ロート、撹拌機を装着した四つ口
フラスコに、上記(1)〜(3)を仕込み、115℃に
加熱し溶解させた後、上記(4)〜(7)の混合物を滴
下ロートから1時間かけて滴下し、さらに、同温度にて
約2時間反応を行った。ついで、105℃まで冷却し、
上記(8)を添加して5分間撹拌した。さらにこのもの
に上記(9)及び(10)を加え約30分間撹拌した。そ
の後、系の温度を70℃とし、上記(11)を徐々に加え
て水分散を行った。さらに減圧蒸留により過剰の溶剤を
除去して固形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0060】実施例3 実施例1において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(a−1)80部を、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(a−1)60部とビスフェノールF型エポキシ樹脂
(a−2)20部との混合物に置換える以外は実施例1
と同様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得
た。
【0061】実施例4 実施例1において、エバフレックスA−709の固形分
20%溶液50部をエバフレックスEV210ETの固
形分20%溶液(注4)50部に置換える以外は実施例
1と同様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得
た。
【0062】(注4)エバフレックスEV210ETの
固形分20%溶液:三井・デュポンポリケミカル社製
の、商品名「エバフレックスEV210ET」で表され
るエチレン−酢酸ビニル共重合体(示差熱分析による融
点は73℃)を、トルエンに溶解させてなる固形分20
%の溶液。
【0063】実施例5 実施例4において、エバフレックスEV210ETの固
形分20%溶液50部をハイミラン1707の固形分1
0%溶液(注5)50部に置換える以外は実施例4と同
様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0064】(注5)ハイミラン1707の固形分10
%溶液:三井・デュポンポリケミカル社製の、商品名
「ハイミラン1707」で表されるエチレン−メタクリ
ル酸共重合物のアイオノマー(示差熱分析による融点は
89℃)を、トルエンに溶解させてなる固形分10%の
溶液。
【0065】実施例6 実施例4において、エバフレックスEV210ETの固
形分20%溶液50部をニュクレルN1560の固形分
20%溶液(注6)50部に置換える以外は実施例4と
同様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0066】(注6)ニュクレルN1560の固形分2
0%溶液:三井・デュポンポリケミカル社製の、商品名
「ニュクレルN1560」で表されるエチレン−メタク
リル酸共重合体(示差熱分析による融点は90℃)を、
トルエンに溶解させてなる固形分20%の溶液。
【0067】実施例7 実施例1において、60%フェノール樹脂溶液(B−
1)1.67部を製造例5で得た60%フェノール樹脂
溶液(B−2)3.34部に置換える以外は実施例1と
同様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0068】比較例1 実施例1において、60%フェノール樹脂溶液(B−
1)を使用しない以外は実施例1と同様に行い、固形分
約33%の水性塗料組成物を得た。
【0069】比較例2 実施例1において、エバフレックスA709の固形分2
0%溶液を使用しない以外は実施例1と同様に行い、固
形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0070】比較例3 実施例1において、60%フェノール樹脂溶液(B−
1)1.67部をフェノデュアPR401の60%希釈
溶液(注7)8.35部に置換える以外は実施例1と同
様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得た。
【0071】(注7)フェノデュアPR401の60%
希釈溶液:ヘキスト社製、商品名「フェノデュアPR4
01」で表される数平均分子量約450で、かつベンゼ
ン核1核当り、平均メチロール基数が約0.1個であ
り、平均アルコキシメチル基の数が約1.8個であるフ
ェノール樹脂を、n−ブタノールに溶解させてなる固形
分60%の希釈溶液。
【0072】比較例4 実施例6において、60%フェノール樹脂溶液(B−
1)1.67部を製造例5で得た60%フェノール樹脂
溶液(B−2)18.37部に置換える以外は実施例6
と同様に行い、固形分約33%の水性塗料組成物を得
た。
【0073】比較例5 実施例1において、エバフレックスA709の固形分2
0%溶液50部をエバフレックスEV210ETの固形
分20%溶液125部に置換える以外は実施例1と同様
に行い、固形分約33%の水性分散物を得た。
【0074】上記各実施例及び比較例で得た水性塗料組
成物について以下の方法により各種試験を行った。
【0075】試験塗板の作成 上記各実施例及び比較例で得た水性塗料組成物を、厚さ
0.27mmの#5182アルミニウム板に乾燥塗膜重
量が120mg/100cm2 となるようにロールコー
ト塗装し、コンベア搬送式の熱風乾燥炉内を通過させて
焼き付け試験塗板を得た。焼き付け条件は、素材到達最
高温度(PMT)が240℃、乾燥炉内通過時間が20
秒間の条件とした。得られた試験塗板について下記の試
験方法に基づいて、各種試験を行った。試験結果を後記
表1に示す。
【0076】試験方法 加工性:特殊ハゼ折り型デュポン衝撃試験器を用い、塗
膜面が外側になるように下部を2つ折りにした試験塗板
の折り曲げ部の間に厚さ0.3mmのアルミニウム板を
1枚挟んで試験器に設置し、接触面が平らな厚さ1kg
の鉄の錘を高さ50cmから落下させて折り曲げ部に衝
撃を与えた後、折り曲げ先端部に6.5Vの電圧を6秒
間通過させた際の、折り曲げ先端部2mm幅の電流値
(mA)を測定し、下記基準にて評価した。 ◎:電流値が0.5mA未満、 ○:電流値が0.5mA以上で1.0mA未満、 △:電流値が1.0mA以上で5.0mA未満、 ×:電流値が5.0mA以上。
【0077】加工部耐食性:製蓋プレス機を用いて試験
塗板の製蓋加工を行った缶蓋を、リンゴ酸2部、クエン
酸2部及び食塩2部を脱イオン水100部に溶解した水
溶液を充填した缶胴に巻き締め、該製蓋加工された試験
塗板の塗膜面が内容物に浸漬された状態で50℃の室内
で5日間貯蔵した後、缶を切り開き缶蓋の状態を観察し
下記基準にて評価した。 ◎:缶蓋に異常は認められない、 ○:缶蓋に錆は認められないが、極くわずか変化が認め
られる、 △:缶蓋に少し錆が認められる、 ×:缶蓋に著しく錆が認められる。
【0078】耐膜残り性(耐フェザリング性):加工部
耐食性を評価する場合と同様にして試験塗板に製蓋加工
を行い、この缶蓋を100℃の沸騰水中に10分間浸漬
後、塗膜面を下側にした状態でその蓋の開口部を上方に
引き上げるように開口し、開口端部からの塗膜の剥離幅
を下記基準により評価した。 ◎:塗膜の最大剥離幅が0.2mm未満、 ○:塗膜の最大剥離幅が0.2mm以上で0.5mm未
満、 △:塗膜の最大剥離幅が0.5mm以上で1.0mm未
満、 ×:塗膜の最大剥離幅が1.0mm以上。
【0079】耐レトルト白化性:試験塗板を水に浸漬
し、オートクレーブ中で125℃で30分間処理した塗
膜の白化状態を下記基準により評価した。 ◎:全く白化が認められない、 ○:ごくわずかに白化が認められる、 △:少し白化が認められる、 ×:著しく白化が認められる。
【0080】衛生性:試験塗板と活性炭処理した水道水
とを、試験塗板の塗装面積1cm2に対して活性炭処理
した水道水の量が1ccとなる割合で、耐熱ガラス製ボ
トルに入れ、蓋をしてオートクレーブ中にて125℃で
30分間処理を行い、処理後の内容液について食品衛生
法記載の試験法に準じて、過マンガン酸カリウムの消費
量(ppm)に基づき、衛生性を評価した。 ◎:消費量が1ppm未満、 ○:消費量が1ppm以上3ppm未満、 △:消費量が3ppm以上10ppm未満、 ×:消費量が10ppm以上。
【0081】接着性:2枚の試験塗板(150×5m
m)の塗膜面を被着面としてナイロンフィルムを挟み込
み、これを200℃で60秒間加熱し、その後200℃
で30秒間加圧してナイロンを両塗膜に融着させたもの
を試験片とした。次に、この試験片のT型剥離強度を引
張り試験機(島津オートグラフAGS−500A)を使
用して引張り速度200mm/分、温度20℃の条件で
測定した。5回の平均値を下記基準により評価した。 ◎:3kg/5mm以上、 ○:2kg/5mm以上で3kg/5mm未満、 △:1kg/5mm以上で2kg/5mm未満、 ×:1kg/5mm未満。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】本発明の水性塗料組成物は、アクリル樹
脂変性エポキシ樹脂に、架橋剤として特定のレゾール型
フェノール樹脂を組合せ、さらにエチレン共重合体を配
合したものである。この特定の配合とすることにより加
工性、基材への接着性、加工性、耐水性、耐食性、衛生
性及び耐膜残り性などの塗膜性能に優れた塗膜を形成で
きたものであり、缶の内外面の塗装用なかでも、缶蓋用
として好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 慶一 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 吉原 一郎 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と
    カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とをエステル化
    反応させてなるか又はビスフェノール型エポキシ樹脂
    (a)にカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含
    有する重合性不飽和モノマー成分をグラフト重合させて
    なるアクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)が、中和さ
    れ、水性媒体中に分散された水性塗料組成物であって、
    該アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)100重量部に
    対して、(B)数平均分子量が200〜2,000で、
    かつベンゼン核1核当りのメチロール基の平均数が0.
    3〜3.0個であるレゾール型フェノール樹脂 0.1
    〜10重量部及び(C)融点が40〜100℃のエチレ
    ン共重合体 1〜20重量部を含有することを特徴とす
    る水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)
    が、エポキシ当量1,000〜12,000、数平均分
    子量2,000〜35,000である請求項1記載の水
    性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)
    が、酸価100〜400、数平均分子量5,000〜1
    00,000であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル樹脂変性エポキシ樹脂(A)
    が、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)とカルボキシ
    ル基含有アクリル樹脂(b)とを、樹脂(a):樹脂
    (b)との固形分比率で、6:4〜9:1の範囲となる
    割合で反応させてなるものである請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン共重合体(C)が、エチレン−
    酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ビニルア
    ルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル
    共重合体、ならびにアクリル酸エステル、メタクリル酸
    エステル、アクリル酸、メタクリル酸及び酢酸ビニルの
    うちの少なくとも1種のモノマーとエチレンとの共重合
    体から選ばれる少なくとも1種の共重合体である請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水
    性塗料組成物を、金属板上にロール塗装し、焼付け硬化
    させることを特徴とする塗膜形成方法。
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