JP2016222901A - 自然乾燥型水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】旧塗膜に対する付着性に優れる水性塗料組成物を提供する。【解決手段】自然乾燥型水性塗料組成物であって、水性樹脂(A)と、エチレン比率が5〜50質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルション(B)とを含み、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、自然乾燥型水性塗料組成物の樹脂固形分中、5〜50質量%である自然乾燥型水性塗料組成物が提供される。自然乾燥型水性塗料組成物は、水性樹脂(A)を含む第1剤と、硬化剤(C)を含む第2液とからなる2液型の水性塗料組成物であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、自然乾燥型水性塗料組成物に関する。
塗料は、例えば塗り替え作業を行う場合など、被塗物の表面に形成された旧塗膜(既存塗膜)上に塗装されることがある。この場合、塗料には旧塗膜に対する良好な付着性(密着性)が求められる。しかしながら、塗装により形成された新塗膜の硬化時に内部応力が発生して旧塗膜に対する付着性が低下し、旧塗膜と新塗膜との界面で剥離を生じることがあった。
特開2000−037658号公報(特許文献1)には、下地に対する付着性を向上させるための手段として、溶剤系(有機溶剤系)のエポキシ樹脂防食塗料組成物において、キシレン樹脂、クマロンインデン樹脂等の熱可塑性樹脂を配合することが記載されている。これらの熱可塑性樹脂は、上記内部応力の緩和剤として作用する。
特開2000−037658号公報
近年、環境負荷低減の観点から、有機溶剤系塗料から水性塗料への転換が強く求められている。しかし水性塗料は、有機溶剤系塗料に比べて、旧塗膜に対する付着性が低い傾向にある。これは、有機溶剤を含まないために旧塗膜の表面を溶解又は膨潤させることができないうえに、旧塗膜の表面は疎水性であり水に濡れにくいためである。上述したような種類の熱可塑性樹脂は、有機溶剤系塗料の内部応力緩和剤としては有用であるが、水性ではないために水性塗料に適用することは困難である。
そこで本発明は、旧塗膜に対する付着性に優れる水性塗料組成物の提供を目的とする。
本発明は、以下に示される自然乾燥型水性塗料組成物を提供する。
〔1〕 自然乾燥型水性塗料組成物であって、
水性樹脂(A)と、
エチレン比率が5〜50質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルション(B)と、
を含み、
前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、前記自然乾燥型水性塗料組成物の樹脂固形分中、5〜50質量%である、自然乾燥型水性塗料組成物。
〔2〕 前記水性樹脂(A)は、水性アクリル樹脂(A1)、水性エポキシ樹脂(A2)及び水性アミン樹脂(A3)からなる群より選択される水性樹脂を含む、〔1〕に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
〔3〕 前記水性アミン樹脂(A3)は、エポキシ樹脂をアミン変性して得られる水性エポキシ系アミン樹脂である、〔2〕に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
〔4〕 前記エポキシ樹脂の分子量が2000以上である、〔3〕に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
〔5〕 前記水性樹脂(A)を含む第1剤と、硬化剤(C)を含む第2剤とからなる2液型の水性塗料組成物である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
〔6〕 前記硬化剤(C)は、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びアミノ基からなる群より選択される官能基を有する化合物を含む、〔5〕に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
〔7〕 前記硬化剤(C)が水性硬化剤である、〔5〕又は〔6〕に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
〔8〕 アルコキシシラン化合物(D)をさらに含む、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
本発明によれば、旧塗膜に対する付着性に優れる自然乾燥型水性塗料組成物を提供することができる。
本発明に係る水性塗料組成物は、水性樹脂(A)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルション(B)とを含む自然乾燥型水性塗料組成物である。本発明に係る水性塗料組成物は、1液型であってもよいし、2液型であってもよい。2液型である場合、本発明に係る水性塗料組成物は、水性樹脂(A)を含む第1剤と、硬化剤(C)を含む第2剤とからなることができる。2液型である水性塗料組成物は、第1剤と第2剤とを混合することによって生じる水性樹脂(A)と硬化剤(C)との硬化反応によって硬化塗膜を形成することができる。本発明に係る水性塗料組成物は、例えば防食塗料(重防食塗料を含む。)などとして好適に用いることができる。
本発明に係る水性塗料組成物によれば、下地、とりわけ旧塗膜に対する付着性(密着性)を高めることができる。旧塗膜等の下地に対する付着性の向上は、塗膜の防食性を向上させ得る。また本発明に係る水性塗料組成物によれば、塗膜の耐水性を向上させ得る。本明細書において「旧塗膜」とは、被塗物に過去に形成され、使用に供された古い塗膜をいい、本発明に係る水性塗料組成物から形成された塗膜であってもよいし、これ以外の塗料組成物から形成された塗膜であってもよい。旧塗膜に対する付着性が良好な水性塗料組成物は、旧塗膜を含む被塗物の表面に新たに塗膜を形成する場合や、旧塗膜を含む被塗物の表面に補修塗装を施す場合に有用である。
<水性樹脂(A)>
水性樹脂(A)は、1液型の水性塗料組成物におけるビヒクル樹脂であることができ、2液型の水性塗料組成物においては第1液(主剤)に含有される主成分であるビヒクル樹脂であることができる。本明細書において「水性」とは、「水溶性」又は「水分散型」を意味する。本発明に係る水性塗料組成物は、水性樹脂(A)の水溶液又は水分散体(エマルションを含む。)を含むことが好ましい。
水性塗料組成物の硬化性、塗膜の耐水性、防食性、及び旧塗膜に対する付着性の観点から、水性樹脂(A)の固形分としての含有量は、水性塗料組成物の樹脂固形分中、好ましくは5〜95質量%であり、より好ましくは10〜90質量%(例えば10〜85質量%)である。1液型の水性塗料組成物の場合、水性樹脂(A)の固形分としての含有量は、水性塗料組成物の樹脂固形分中、好ましくは40〜95質量%であり、より好ましくは50〜85質量%(例えば55〜80質量%)である。本明細書において「水性塗料組成物の樹脂固形分」とは、水性樹脂(A)の固形分、エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルション(B)の固形分及び硬化剤(C)の固形分の合計をいう。
水性樹脂(A)としては、水性アクリル樹脂(A1)、水性エポキシ樹脂(A2)、水性アミン樹脂(A3)を挙げることができる。本発明に係る水性塗料組成物は、水性樹脂(A)を2種以上含んでいてもよい。
(1)水性アクリル樹脂(A1)
水性アクリル樹脂(A1)の具体例は、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)、ノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)を含む。アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)としては、カルボキシル基含有アクリル樹脂エマルション、シリコーン基含有アクリル樹脂エマルションを挙げることができる。本発明に係る水性塗料組成物は、水性アクリル樹脂(A1)を2種以上含んでいてもよい。
カルボキシル基含有アクリル樹脂エマルションに含まれるカルボキシル基含有アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸のようなカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーと、これに共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体であることができる。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、メタクリル及びアクリルの少なくともいずれか一方を意味する。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー及び他のエチレン性不飽和モノマーはそれぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの具体例は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸のほか、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル等のエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステルを含む。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーに共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーの具体例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル;アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルアミド;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のその他のアミド基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーを含む。
シリコーン含有アクリル樹脂エマルションに含まれるシリコーン含有アクリル樹脂は、例えば、共重合成分として、上記カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーに加えて、アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和モノマーをさらに含む共重合体であることができる。
アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和モノマーは、炭素数1〜14のアルコキシシリル基を含有するものであることが好ましく、その具体例は、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリブトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシジメチルシリルプロピル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランを含む。アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)に含まれるカチオン性アクリル樹脂は、アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーと、これに共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体であることができる。この場合、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)は、アミノ基含有アクリル樹脂エマルションである。アミノ基含有エチレン性不飽和モノマー及び他のエチレン性不飽和モノマーはそれぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーの具体例は、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有(メタ)アクリルアミドを含む。
アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーに共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーの具体例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル等のエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステルモノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーを含む。
ノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)に含まれるノニオン性アクリル樹脂は、エチレン性不飽和モノマーの共重合体であることができる。エチレン性不飽和モノマーはそれぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和モノマーの具体例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル;アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルアミド;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のその他のアミド基含有(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーを含む。
アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)及びカチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)は、例えば、1)アクリル樹脂を形成するモノマーを乳化剤及び重合開始剤の存在下で乳化重合する方法、2)アクリル樹脂を形成するモノマーを溶剤中においてラジカル重合開始剤を用いて溶液重合した後、得られた重合体溶液を中和剤によって中和して、水で相転移する方法、によって調製することができる。ノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)は、1)アクリル樹脂を形成するモノマーを乳化剤及び重合開始剤の存在下で乳化重合する方法によって調製することができる。上記各方法は、当業者によってよく知られた条件で行うことができる。
上記乳化重合に用いることができる乳化剤としては、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)の場合、石鹸、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系乳化剤を挙げることができ、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)の場合、ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等のカチオン系乳化剤を挙げることができる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤は、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)及びノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)のいずれの場合にも用いることができる。乳化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤として、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する界面活性剤(以下、「反応性乳化剤」という)を用いることもできる。乳化剤として反応性乳化剤を用いれば、水性塗料組成物の耐水性を向上させ得る。反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを基本構造として疎水基にラジカル重合性のプロペニル基を導入したノニオン系界面活性剤、四級アンモニウム塩の構造を持つカチオン系界面活性剤、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基、及び/又はエチレンオキシ基を含み、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有するアニオン系界面活性剤等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)又はノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)の重合に用いるモノマーの全量に対して、好ましくは0.5〜15質量%である。
上記乳化重合に用いることができる重合開始剤の具体例は、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤;過酸化水素を含む。また、ロンガリット、Lアスコルビン酸、有機アミン等の還元剤を併用したレドックス開始剤を用いてもよい。重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)又はノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)の重合に用いるモノマーの全量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。乳化重合における重合温度は例えば30〜90℃であり、重合時間は例えば3〜12時間である。重合反応時の単量体濃度は、例えば30〜70質量%である。
上記溶液重合に用いることができるラジカル重合開始剤の具体例は、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドを含む。ラジカル重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、樹脂分子量の調節のため、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
溶液重合によって得られた重合体の中和に用いられる中和剤は、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)の場合は無機塩基及び/又は有機塩基であり、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)の場合は無機酸及び/又は有機酸である。無機塩基又は有機塩基の具体例は、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを含む。無機酸の具体例は、塩酸、硝酸を含む。有機酸の具体例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の脂肪族飽和カルボン酸を含む。中和剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中和剤の使用量は、共重合体中が有するカルボキシル基又はアミノ基1モルに対して、通常0.2〜1.0モルである(中和率:20〜100%)。このように、アニオン性アクリル樹脂を用いる場合においてはカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーに由来するカルボキシル基を塩基で中和することにより、カチオン性アクリル樹脂を用いる場合においてはアミノ基含有エチレン性不飽和モノマーに由来するアミノ基を酸で中和することにより、アクリル樹脂の水分散体の一形態であるアクリル樹脂エマルションを得ることができる。
また、中和率を高めることによって、好ましくは共重合体中のカルボキシル基量やアミノ基量を高くしたうえで中和率を高めることによって、アクリル樹脂が水に溶解した水溶性の水性アクリル樹脂(A1)(アクリル樹脂水溶液)を得ることも可能である。中和率が過度に低いと、アクリル樹脂を水性化(水分散化又は水溶化)できないことがある。
アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)は、酸価が5〜200mgKOH/gであることが好ましく、5〜70mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が5mgKOH/g未満である場合は、アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)の水中での安定性が低下するおそれがある。酸価が200mgKOH/gを超える場合は、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。ここでいう酸価は固形分酸価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
アニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)は、水酸基価が0〜85mgKOH/gであることが好ましく、0〜40mgKOH/gであることがより好ましい。水酸基価が85mgKOH/gを超える場合は、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。ここでいう水酸基価は固形分水酸基価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)は、アミン価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜70mgKOH/gであることがより好ましい。アミン価が10mgKOH/g未満である場合は、カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)の水中での安定性が低下するおそれがある。アミン価が200mgKOH/gを超える場合は、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。ここでいうアミン価は固形分アミン価を表し、JIS K 7237に記載される公知の方法によって測定することができる。
カチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)は、水酸基価が0〜85mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が85mgKOH/gを超える場合は、得られる塗膜の耐水性が低下するおそれがある。ここでいう水酸基価は固形分水酸基価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
(2)水性エポキシ樹脂(A2)
水性エポキシ樹脂(A2)の具体例は、第1エポキシ樹脂の水分散体であり、より具体的には、第1エポキシ樹脂のエマルションである。このエマルションは、水などの水性媒体中に第1エポキシ樹脂を分散させてなるエポキシ樹脂乳濁液である。第1エポキシ樹脂のエマルションは、強制乳化したものであってもよいし、自己乳化型であってもよい。本明細書において「エポキシ樹脂」とは、エポキシ基(例えばグリシジル基)を分子内に1個以上有する化合物をいう。第1エポキシ樹脂が有するエポキシ基の数は、好ましくは2以上であり、より好ましくは2である。本発明に係る水性塗料組成物は、水性エポキシ樹脂(A2)を2種以上含んでいてもよい。
エマルション等の水分散体に含まれる第1エポキシ樹脂は、好ましくは分子内にエポキシ基を2以上有する化合物であり、このようなものとして、多価アルコール又は多価フェノールとハロヒドリンとを反応させて得られるものを挙げることができる。かかる第1エポキシ樹脂の具体例は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ化油、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを含む。第1エポキシ樹脂として2種以上のエポキシ樹脂を組み合わせて用いてもよい。
中でも、旧塗膜に対する付着性、塗膜の防食性及び耐水性の観点から、第1エポキシ樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。より好ましくは、第1エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む。
第1エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは150〜1200であり、より好ましくは150〜1000である。第1エポキシ樹脂のエポキシ当量が上記範囲であると、旧塗膜に対する付着性、塗膜の防食性及び耐水性を高めるうえで有利である。第1エポキシ樹脂のエポキシ当量の調整により、水性塗料組成物の特性や塗膜物性を制御することもできる。水性エポキシ樹脂(A2)は、好ましくはエポキシ当量が150〜1200であり、より好ましくは150〜1000であるビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む第1エポキシ樹脂のエマルションである。
第1エポキシ樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算で、好ましくは300〜3000であり、より好ましくは300〜2500である。第1エポキシ樹脂の数平均分子量が上記範囲であることは、旧塗膜に対する付着性、塗膜の防食性及び耐水性を高めるうえで有利である。第1エポキシ樹脂の分子量の調整により、水性塗料組成物の特性や塗膜物性を制御することもできる。
強制乳化してなる第1エポキシ樹脂のエマルションは、第1エポキシ樹脂を乳化剤とともに水などの水性媒体中で撹拌し乳化させることによって得ることができる。乳化剤は、上述のノニオン系乳化剤等であることができる。乳化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
自己乳化型の第1エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂エマルションは、上述のエポキシ樹脂に親水性部位を導入してなる樹脂を水などの水性媒体中に乳化させることによって得ることができる。親水性部位としては、水酸基やカルボキシル基を有する側鎖、非イオン性のポリアルキレンオキサイド骨格等が挙げられる。
第1エポキシ樹脂のエマルション等の水性エポキシ樹脂(A2)は、pH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては無機酸や有機酸を用いることができる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸等が挙げられる。pH調整剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、リン酸等を用いることが好ましい。リン酸等を用い、水性エポキシ樹脂(A2)のpHを好ましくは5未満、より好ましくは4.5未満とすることにより、塗膜の防食性を高めることができる。これは、被塗物の表面に不動態皮膜が形成されることによるものと考えられる。
(3)水性アミン樹脂(A3)
水性アミン樹脂(A3)は、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選択される1以上のアミノ基を分子内に有する水溶性又は水分散型の樹脂であり、好ましくは水分散型である。水性アミン樹脂(A3)は、例えば、第2エポキシ樹脂をアミン変性して得られる水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)又はアクリル樹脂をアミン変性して得られる水性アクリル系アミン樹脂(A3−2)であることができ、水性塗料組成物の硬化性、塗膜の耐水性、防食性、及び旧塗膜に対する付着性の観点から、好ましくは水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)であり、より好ましくは水分散型の水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)である。本発明に係る水性塗料組成物は、水性アミン樹脂(A3)を2種以上含んでいてもよい。
また、水性アミン樹脂(A3)が水分散型であると、水性塗料組成物が2液型である場合、水性アミン樹脂(A3)を含む第1剤と硬化剤(C)を含む第2剤との均一混合が容易になり、かつ、水性アミン樹脂(A3)と第2剤中の硬化剤(C)との急激な反応の進行が抑制されて適度な反応性を得ることができる。その結果、可使時間の長い水性塗料組成物を得ることができる。より具体的には、水性アミン樹脂(A3)が水分散型であると、塗装前の水性塗料組成物は、水性アミン樹脂(A3)を含む第1剤と第2剤との混合後においても第1剤中の水性アミン樹脂(A3)と第2剤中の硬化剤(C)とが接触しにくいので、反応が進みにくく保存性及び塗工性が良好である。一方、塗装後は、分散媒(例えば、水)が揮発し、水性アミン樹脂(A3)と第2剤中の硬化剤(C)とが接触しやすくなるので、常温(25℃若しくはその近傍)又はそれ以下の温度においても硬化反応が進行し、塗膜を形成することができる。
水性塗料組成物の硬化性の観点から、水性アミン樹脂(A3)は、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選択されるアミノ基を、好ましくは2以上有する。当該アミノ基の数は、3以上、さらには4以上であってもよい。水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)は、例えば、一方の末端に上記アミノ基を1以上(例えば2以上)有するとともに、他方の末端に上記アミノ基を1以上(例えば2以上)有する。
水性アミン樹脂(A3)は、アミン当量(アミノ基の当量)が好ましくは100〜3000であり、より好ましくは500〜2000であり、さらに好ましくは600〜1900、特に好ましくは800〜1800である。アミン当量が上記範囲である水性エポキシ系アミン樹脂(A)を用いることは、旧塗膜に対する付着性、水性塗料組成物の硬化性及び/又は塗膜の可撓性(靱性)、ひいては耐衝撃性を高めるうえで有利である。アミン当量が100未満であると、塗膜の耐水性にも劣る傾向にある。アミン当量が3000を超える場合、アミン樹脂と水とが相分離を起こして水性アミン樹脂(A−3)が得られないおそれがある。水性アミン樹脂(A3)のアミン当量の調整により、水性塗料組成物の特性や塗膜物性を制御することもできる。
水性アミン樹脂(A3)は、アミン当量が異なる水性アミン樹脂(A3)を2種以上含んでいてもよい。アミン当量が異なる水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)を2種以上用いる場合の好適な一例は、水性アミン樹脂(A3)がアミン当量が500〜1300である水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1a)と、アミン当量が1400〜2000である水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1b)とを含む場合である。水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1a)と水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1b)とを併用することにより、旧塗膜に対する付着性、塗膜の耐水性をより高め得る。
旧塗膜に対する付着性、塗膜の耐水性の観点から、水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1a)のアミン当量は、好ましくは600〜1300、より好ましくは800〜1300であり、水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1b)のアミン当量は、好ましくは1400〜1800、より好ましくは1400〜1700である。旧塗膜に対する付着性、塗膜の耐水性の観点から、水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1a)と水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1a)との含有量比は、質量比で8/2〜2/8であることが好ましく、7/3〜3/7であることがより好ましい。
本明細書において「アミン当量」とは、水性アミン樹脂(A3)が第1級アミノ基を有する場合(水性アミン樹脂(A3)が第1級アミノ基及び第2級アミノ基を有する場合を含む。)、第1級アミノ基1個あたりの水性アミン樹脂(A3)の分子量(樹脂固形分換算)を意味し、水性アミン樹脂(A3)が第1級アミノ基を有しない場合、第2級アミノ基の1個あたりの水性アミン樹脂(A3)の分子量(樹脂固形分換算)を意味する。水性アミン樹脂(A3)のアミン当量は、原料配合量から求めることができる。
水性アミン樹脂(A3)の数平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算で、好ましくは500〜20000であり、より好ましくは1000〜10000である。水性アミン樹脂(A3)の数平均分子量が上記範囲であると、水性塗料組成物が2液型である場合、水性アミン樹脂(A3)を含む第1剤と硬化剤(C)を含む第2剤との均一混合が容易になるので、硬化度、ひいては強度が均一な塗膜を得ることができる。また、水性アミン樹脂(A3)の数平均分子量が上記範囲であることは、塗膜の耐衝撃性、耐水性、防食性、旧塗膜に対する付着性を高めるうえでも有利である。水性アミン樹脂(A3)の分子量の調整により、水性塗料組成物の特性や塗膜物性を制御することもできる。
水性アミン樹脂(A3)のガラス転移温度は、例えば−50〜100℃であり、好ましくは0〜50℃である。
第2エポキシ樹脂をアミン変性して得られる水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)又はアクリル樹脂をアミン変性して得られる水性アクリル系アミン樹脂(A3−2)は、好ましくは、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選択されるアミノ基を2以上有する水性ポリアミン樹脂である。第2エポキシ樹脂が有するエポキシ基の数は、好ましくは2以上であり、より好ましくは2である。第2エポキシ樹脂の具体例は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含み、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂である。第2エポキシ樹脂として2種以上のエポキシ樹脂を組み合わせて用いてもよい。
水性アクリル系アミン樹脂(A3−2)を形成するアクリル樹脂は、好ましくはエポキシ基及び/又はグリシジル基を有するラジカル重合性モノマーを含むモノマー組成物を共重合して得られるアクリル樹脂である。エポキシ基及び/又はグリシジル基を有するラジカル重合性モノマーの具体例は、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートを含む。
水性アミン樹脂(A3)のアミン当量は、その分子量や、アミン変性により導入される第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基の量の調整によって制御することができる。
第2エポキシ樹脂は、エポキシ基と反応し得る活性水素含有化合物とエポキシ基との反応を利用した鎖延長によって分子量を増加させたり、変性させたりしたものであってもよい。活性水素含有化合物としては、例えば、ダイマー酸、ジアミン、ポリエーテルポリオールなどの2官能性の化合物が挙げられる。また、第2エポキシ樹脂は、脂肪酸を付加させたものであってもよい。脂肪酸の付加により、樹脂中に柔らかい成分を導入することが可能になるので、これにより塗膜の可撓性、ひいては耐衝撃性、旧塗膜に対する付着性を向上させ得る。また脂肪酸の付加によってアミン変性させる部位(エポキシ基の数)を減らすことにより、第2エポキシ樹脂の反応性を調整(低下)させることもできる。
第2エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは180〜3800であり、より好ましくは400〜3200であり、さらに好ましくは700〜3200である。第2エポキシ樹脂のエポキシ当量が上記範囲であると、旧塗膜に対する付着性、塗膜の耐水性、防食性を高めるうえで有利である。第2エポキシ樹脂のエポキシ当量が180未満の場合、得られる塗膜の耐水性が低くなる傾向がある。第2エポキシ樹脂のエポキシ当量が3800を超える場合、エポキシ系アミン樹脂と水とが相分離を起こして水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)が得られないおそれがある。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236に従って求めることができる。
旧塗膜に対する付着性、塗膜の耐水性、防食性の観点から、第2エポキシ樹脂の分子量は、2000以上であることが好ましく、より好ましくは2000〜7600、さらに好ましくは3000〜7000である。第2エポキシ樹脂の分子量が7600を超える場合、エポキシ系アミン樹脂と水とが相分離を起こして水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)が得られないおそれがある。第2エポキシ樹脂の分子量は、第2エポキシ樹脂が分子内に有するエポキシ基の数をnとするとき、n×第2エポキシ樹脂のエポキシ当量で表される。
第2エポキシ樹脂又はアクリル樹脂をアミン変性するための方法の具体例は、1)第1級アミノ基含有ポリアミンを第2エポキシ樹脂又はアクリル樹脂に付加させる方法、2)ケチミン化したアミノ基含有化合物を第2エポキシ樹脂又はアクリル樹脂に付加させる方法を含む。これらの方法によって得られるアミン樹脂は、分子内に1以上の第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基、ならびに第2級水酸基を有するポリアミン樹脂である。このポリアミン樹脂が有する第1級アミノ基、第2級アミノ基及び/又は水酸基の一部にエポキシ基、酸無水物基、酸ハロゲン基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基等の官能基を有する化合物を反応させることによってさらに変性した樹脂を水性アミン樹脂(A3)として用いてもよい。かかる水性アミン樹脂(A3)を使用又は併用することにより、得られる塗膜の物性を調整することができる。
上記1)の方法は、より具体的には、第1級アミノ基含有ポリアミンの第1級アミノ基と第2エポキシ樹脂のエポキシ基又はアクリル樹脂の反応性基(例えばエポキシ基)とを反応させて第2級アミノ基を形成させ、その結果、第2級アミノ基を有する上記ポリアミン樹脂を生成させる方法である。第1級アミノ基含有ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。第1級アミノ基含有ポリアミンは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記2)の方法は、より具体的には、ケチミン化したアミノ基含有化合物と第2エポキシ樹脂又はアクリル樹脂とを反応させた後、ケチミン基を加水分解することにより、第1級アミノ基を形成させ、その結果、第1級アミノ基を有する上記ポリアミン樹脂を生成させる方法である。なお、ケチミン化したアミノ基含有化合物と第2エポキシ樹脂又はアクリル樹脂とを反応させる際には、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジエチルアミン等の第2級アミンを併存させてもよい。
ケチミン化したアミノ基含有化合物は、第1級アミノ基含有化合物とケトンとを反応させて得ることができる。第1級アミノ基含有化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級アミノ基含有ポリアミン;アミノエチルエタノールアミン、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノエチルアミン等が挙げられる。第1級アミノ基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ケトンとしては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
水性アミン樹脂(A3)は、アミノ基を酸で中和して得られるものであってもよい。このような酸による中和は、例えば、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂をアミン変性して得られるアミン樹脂が水性でない場合において、これを水性化する場合などに適用することができる。
酸の種類及び中和率は、所望とする水性アミン樹脂(A3)の状態(水溶性〜水分散型)に応じて、任意の適切な酸の種類及び中和率を採用し得る。上記酸としては、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸、リン酸等が挙げられる。「中和率」とは、エポキシ系アミン樹脂が有するアミノ基の全モル数に対する酸で中和されるアミノ基のモル数の割合を百分率で示したものである。中和率は、例えば10〜80%であり、好ましくは20〜70%であり、より好ましくは20〜60%である。中和率を上記範囲とすることにより、水性、とりわけ水分散型の水性アミン樹脂(A3)が得られやすくなる。
<エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルション(B)>
本発明に係る水性塗料組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう。)のエマルション(B)を含む。本発明に係る水性塗料組成物が2液型である場合においてEVAのエマルション(B)は、第1剤に含まれていてもよいし、第2剤に含まれていてもよい。本発明に係る水性塗料組成物が2液型である場合においてEVAのエマルション(B)は、第1剤と第2剤とを混合する前の第1剤又は第2剤に加えてもよいし、第1剤と第2剤とを混合した後に加えてもよい。EVAのエマルション(B)を含有させることにより、旧塗膜に対する付着性を向上させることができる。旧塗膜に対する付着性の向上は、塗膜の防食性を向上させる。また、EVAのエマルション(B)を含有させることにより、塗膜の可撓性、ひいては耐衝撃性を高め得る。
EVAのエマルション(B)は、エチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーとを、乳化剤及びラジカル重合開始剤の存在下に乳化重合させることにより得ることができる。EVAのエマルション(B)として市販品を用いることもできる。
旧塗膜に対する付着性の観点から、EVAにおけるエチレン比率は、5〜50質量%であり、5〜40質量%(例えば10〜30質量%)であることが好ましい。従って、EVAにおける酢酸ビニル比率は、50〜95質量%であり、60〜95質量%(例えば70〜90質量%)であることが好ましい。EVAのエマルション(B)における固形分濃度は、例えば20〜60質量%である。EVAのエマルション(B)は、エチレン比率の異なる2種以上のEVAを含んでいてもよい。
旧塗膜に対する付着性の観点から、水性塗料組成物におけるEVAの含有量は、水性塗料組成物の樹脂固形分中、5〜50質量%であり、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜35質量%である。EVAの含有量とは、エマルション(B)の固形分としての含有量を意味する。
<硬化剤(C)>
本発明に係る水性塗料組成物は、2液型である場合において硬化剤(C)を含有することができる。この場合、本発明に係る水性塗料組成物は、水性樹脂(A)を含む第1剤と、硬化剤(C)を含む第2剤とからなることができる。本発明に係る水性塗料組成物は、硬化剤(C)を2種以上含んでいてもよい。
硬化剤(C)は、第1剤に含まれる水性樹脂(A)が有する官能基(第1官能基)に対して反応性を示す官能基(第2官能基)を有する化合物である。硬化剤(C)は、水性、すなわち水溶性又は水分散型の硬化剤であることが好ましい。水性樹脂(A)が有する第1官能基に対して反応性を示す第2官能基の具体例は、エポキシ基(例えばグリシジル基)、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基を含む。硬化剤(C)は、第2官能基を分子内に1以上有し、好ましくは2以上(例えば2〜4個)有する。硬化剤(C)は、好ましくは(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びアミノ基からなる群より選択される官能基(第2官能基)を有する化合物を含む。
例えば水性樹脂(A)が、上述のカルボキシル基含有アクリル樹脂エマルション又はシリコーン基含有アクリル樹脂エマルションを含む場合、硬化剤(C)は、第2官能基としてエポキシ基を有する硬化剤であることができる。
上記エポキシ基を有する硬化剤は、好ましくはエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ樹脂であり、従来公知の硬化剤を用いてもよいが、好ましくは、上述の水性エポキシ樹脂(A2)が用いられる。硬化剤としての水性エポキシ樹脂(A2)の具体的な説明については、水性樹脂(A)としての上の記述が引用される。
例えば水性樹脂(A)が、上述のアミノ基含有アクリル樹脂エマルションを含む場合、硬化剤(C)は、第2官能基としてエポキシ基を有する硬化剤、(メタ)アクリロイル基を有する硬化剤、及び/又はイソシアネート基を有する硬化剤であることができる。エポキシ基を有する硬化剤は、好ましくはエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ樹脂であり、従来公知の硬化剤を用いてもよいが、好ましくは、上述の水性エポキシ樹脂(A2)が用いられる。(メタ)アクリロイル基を有する硬化剤は、好ましくは(メタ)アクリロイル基を分子内に2以上有する化合物〔(メタ)アクリロイル基含有化合物〕である。この場合、硬化剤(C)は、(メタ)アクリロイル基含有化合物の水分散体又は水溶液であることが好ましい。硬化剤としての水性エポキシ樹脂(A2)の具体的な説明については、水性樹脂(A)としての上の記述が引用される。
(メタ)アクリロイル基含有化合物の分子量は、好ましくは150〜2000であり、より好ましくは200〜1700、さらに好ましくは250〜1300である。(メタ)アクリロイル基含有化合物が有する(メタ)アクリロイル基の数は1以上であり、好ましくは2〜4である。(メタ)アクリロイル基含有化合物の25℃における粘度は、例えば3000mPa・s以下であり、好ましくは50〜3000mPa・sである。
(メタ)アクリロイル基含有化合物の具体例は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリロキシジメタアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸との反応物等のエポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとカルボキシル基含有エチレン性不飽和基モノマーとの付加物;エチレンジアミンジ(メタ)アクリレート等の多価アミンの重合性不飽和モノカルボン酸アミド化合物等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリロイル基含有化合物は、水溶性、自己乳化性、又は非水溶性であり得る。室温下において、(メタ)アクリロイル基含有化合物5gを100gの水に加えて3分間撹拌し、5分間静置した後の状態を目視で観察して、沈殿が生じていれば「非水溶性」、沈殿がなく透明であれば「水溶性」、沈殿がなく濁りがあれば「自己乳化性」と判断することができる。
(メタ)アクリロイル基含有化合物が水溶性である場合、その水分散体又は水溶液は、(メタ)アクリロイル基含有化合物の水溶液であることができる。(メタ)アクリロイル基含有化合物が自己乳化性又は非水溶性である場合、その水分散体又は水溶液は、(メタ)アクリロイル基含有化合物の水分散体、例えばエマルションであることができる。水分散体の調製において、乳化剤、分散剤、水性樹脂等を用いてもよい。水分散体の調製において、有機溶剤で(メタ)アクリロイル基含有化合物を希釈する処理を行ってもよい。
(メタ)アクリロイル基含有化合物の水分散体(エマルション)を調製する際に用いることのできる乳化剤の具体例は、ノニオン系乳化剤、アニオン系乳化剤を含む。ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。アニオン系乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基含有化合物の水分散体を調製する際に用いることのできる分散剤の具体例は、ポリアクリル酸ソーダ塩、スチレンマレイン酸共重合体のハーフエステルのアンモニウム塩、スチレンマレイン酸共重合体のハーフエステルのポリエチレンオキサイド付加物を含む。(メタ)アクリロイル基含有化合物の水分散体を調製する際に用いることのできる水性樹脂の具体例は、ポリアクリル酸エステルのソーダ塩を含む。なお、水性塗料組成物が2液型の場合、第2剤(硬化剤)に、上記分散剤、乳化剤又は水性樹脂を含有させてもよい。
(メタ)アクリロイル基含有化合物を有機溶剤で希釈する際に用いることのできる有機溶剤の具体例は、エチレングリコールモノブチエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを含む。
(メタ)アクリロイル基含有化合物は、例えば、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイドによって変性し、そのポリアルキレンオキサイド付加モル数を増やすことで親水性を高めることにより、水溶性又は自己乳化性の樹脂とすることができる。
水溶性の(メタ)アクリロイル基含有化合物の具体例は、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO30mol)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EO20mol)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EO30mol)、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(EO35mol)、エトキシ化グリセリントリアクリレート(EO20mol)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EO30mol)を含む。水溶性の(メタ)アクリロイル基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本明細書において、例えば「EO30mol」の表記は、分子中に30個のエチレンオキサイドを有していることを表す。「PO」はプロピレンオキサイドを表す。
自己乳化性を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物の具体例は、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(EO9mol)、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート(EO14mol)、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート(EO23mol)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO10mol)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO20mol)、エトキシ化グリセリントリアクリレート(EO9mol)、ポリエチレングリコール#1000ジメタクリレート(EO23mol)を含む。自己乳化性を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶性の(メタ)アクリロイル基含有化合物の具体例は、ポリエチレングリコール#200グリコールジアクリレート(EO4mol)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO3mol)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO4mol)、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート(PO3mol)、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート(EO2mol)、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート(PO2mol)、トリプロピレングリコールジアクリレート(PO3mol)、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート(PO7mol)、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート(PO12mol)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EO3mol)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EO9mol)、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(PO3mol)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(EO4mol)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PO4mol)、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート(PO4mol)、エチレングリコールジメタクリレート(EO1mol)、ジエチレングリコールジメタクリレート(EO2mol)、トリエチレングリコールジメタクリレート(EO3mol)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(EO4mol)、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート(EO9mol)、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート(EO14mol)、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EO2.6mol)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EO4mol)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EO6mol)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EO10mol)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(EO17mol)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート(PO12mol、EO6mol)、グリセリンジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート(PO3mol)、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート(PO7mol)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート(EO9mol)を含む。非水溶性の(メタ)アクリロイル基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
例えば水性樹脂(A)が、水性エポキシ樹脂(A2)を含む場合、硬化剤(C)は、第2官能基としてアミノ基を有する硬化剤、イソシアネート基を有する硬化剤、及び/又はカルボキシル基を有する硬化剤であることができる。(メタ)アクリロイル基を有する硬化剤については上述のとおりである。
アミノ基を有する硬化剤は、好ましくはアミノ基を分子内に2以上有するポリアミン樹脂であり、より好ましくは当該ポリアミン樹脂のエマルションである。ポリアミン樹脂の具体例は、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、トリアミノプロパン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ジアミノジフエニルメタン等の芳香族ポリアミン;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、トリエチレングリコールジアミン、トリプロピレングリコールジアミン等のその他のポリアミン化合物を含む。
アミノ基を有する硬化剤は、上述の水性アミン樹脂(A3)であってもよい。水性アミン樹脂(A3)を硬化剤として用いることにより、旧塗膜に対する付着性、塗膜の耐水性、防食性を向上させ得る。水性樹脂(A3)の中でも、水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)が好ましく用いられる。硬化剤としての水性アミン樹脂(A3)の具体的な説明については、水性樹脂(A)としての上の記述が引用される。
例えば水性樹脂(A)が、水性アミン樹脂(A3)を含む場合、硬化剤(C)は、第2官能基としてエポキシ基を有する硬化剤、(メタ)アクリロイル基を有する硬化剤、及び/又はイソシアネート基を有する硬化剤であることができる。これらの硬化剤については上述のとおりである。
水性樹脂(A)の第1官能基と硬化剤(C)の第2官能基との当量比(第2官能基/第1官能基)は、好ましくは0.7〜2.5であり、より好ましくは0.8〜2.0である。当該当量比が0.7未満の場合、水性塗料組成物の硬化性が低下するおそれがある。当該当量比が2.5を超える場合、得られる塗膜の旧塗膜に対する付着性や耐水性が低下するおそれがある。
<アルコキシシラン化合物(D)>
本発明に係る水性塗料組成物は、アルコキシシラン化合物(D)をさらに含むことができる。本発明に係る水性塗料組成物が2液型である場合においてアルコキシシラン化合物(D)は、第1剤に含まれていてもよいし、第2剤に含まれていてもよい。本発明に係る水性塗料組成物が2液型である場合においてアルコキシシラン化合物(D)は、第1剤と第2剤とを混合する前の第1剤又は第2剤に加えてもよいし、第1剤と第2剤とを混合した後に加えてもよい。アルコキシシラン化合物(D)を含有させることにより、旧塗膜や被塗物の素地表面等の下地に対する付着性をさらに向上させることができる。下地に対する付着性の向上は、塗膜の防食性を向上させる。
アルコキシシラン化合物(D)は、有機物に対して反応性又は親和性を示す官能基と、無機物に対して反応性又は親和性を示す官能基とを有する。有機物に対して反応性又は親和性を示す官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。一方、無機物に対して反応性又は親和性を示す官能基は、例えば、メトキシシラン基、エトキシシラン基、プロポキシシラン基等のアルコキシシラン基である。アルコキシシラン化合物(D)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコキシシラン化合物(D)の具体例は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロポキシトリメトキシシラン等のγ−グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロポキシトリメトキシシラン等のγ−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリプロポキシシラン等のγ−アミノプロピルトリアルコキシシラン;N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリプロポキシシラン等のN−フェニル−γ−アミノアルキルトリアルコキシシランを含む。中でも好ましくは、γ−グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−フェニル−γ−アミノアルキルトリアルコキシシランであり、より好ましくはγ−グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシランであり、さらに好ましくはγ−グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランである。
アルコキシシラン化合物(D)は、上記アルコキシシラン化合物のアルコキシシラン基の一部が加水分解したもの、及び/又はアルコキシシラン基の一部が加水分解脱水縮合したものであってよい。
アルコキシシラン化合物(D)の含有量は、水性塗料組成物の樹脂固形分を100質量%とするとき、好ましくは0.2〜12質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%(例えば1〜6質量%)である。アルコキシシラン化合物(D)の含有量が上記範囲であることにより、下地との付着性に優れ、その結果、優れた防食性を示す塗膜を形成し得る水性塗料組成物を得ることができる。アルコキシシラン化合物(D)の含有量が過度に大きいと、塗膜の硬化性が低下するおそれがある。
<その他の配合成分(E)>
本発明に係る水性塗料組成物は、上記以外のその他の配合成分を必要に応じて含有することができる。その他の配合成分としては、顔料、添加剤、水、有機溶剤を挙げることができる。本発明に係る水性塗料組成物が2液型である場合においてその他の配合成分は、第1剤に含まれていてもよいし、第2剤に含まれていてもよい。本発明に係る水性塗料組成物が2液型である場合においてその他の配合成分は、第1剤と第2剤とを混合する前の第1剤又は第2剤に加えてもよいし、第1剤と第2剤とを混合した後に加えてもよい。
顔料の具体例は、酸化チタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アゾレッド、キナクリドンレッド、ベンズイミダゾロンイエロー等の着色顔料;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、アルミナ、ミョウバン等の体質顔料;トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等の防錆顔料を含む。顔料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性塗料組成物中の顔料体積濃度は、好ましくは20〜50%であり、より好ましくは25〜45%であり、さらに好ましくは30〜40%である。顔料体積濃度が20%未満の場合、顔料を含有させることの効果(防食性(防錆性)、塗膜強度の向上など)、が十分に得られないおそれがあり、50%より大きい場合、塗膜外観が低下するおそれがある。なお、顔料体積濃度は、顔料の配合量及び塗料中の各成分の比重から計算により求めることができる。
添加剤の具体例は、分散剤、粘性調整剤、硬化触媒、表面調整剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、沈降防止剤、防腐剤、反応性希釈剤、非反応性希釈剤等が挙げられる。添加剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶剤の具体例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコール系溶剤;キシレン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ソルベッソ200等の芳香族系溶剤;ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、ジエチルアジペート、ジイソブチルアジペート等のエステル系溶剤等が挙げられる。
<水性塗料組成物の塗装>
本発明に係る水性塗料組成物は、被塗物に塗装される。2液型である場合においては第1剤と第2剤とを混合した後、被塗物に塗装される。塗装される被塗物表面の材質は、例えば、金属(合金を含む。)、木材、プラスチック、ゴム、石材、スレート、コンクリート、モルタル、繊維、紙、ガラス、磁器、陶器、フィルム、及びこれらの複合体等であり得る。例えば、被塗物表面がスレート、コンクリート等の無機系材料からなる場合、予めその表面にシーラーが塗装されていてもよい。また、塗装される被塗物表面は旧塗膜を有していてもよい。本発明に係る水性塗料組成物は、好ましくは、金属表面若しくは旧塗膜上、又は金属表面及び旧塗膜上の双方に適用される。金属としては、例えば、鉄、銅、錫、亜鉛、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
塗装される表面が金属又は旧塗膜である被塗物としては、例えば、建築物(例えば、土木構築物)、船舶、車両(例えば、鉄道車両、大型車両)、航空機、橋梁、海上構築物、プラント、タンク(例えば、石油タンク)、パイプ、鋼管、鋳鉄管等が挙げられる。
水性塗料組成物を被塗装物に塗布し、乾燥させることによって塗膜を形成することができる。塗布方法は、被塗装物(基材)の種類等に応じて、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、刷毛、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、コテ等による塗布や浸漬等が挙げられる。
水性塗料組成物の塗布量は、用途や被塗物の種類等にもよるが、例えば10〜350g/m2である。乾燥塗膜の膜厚は、例えば10〜300μmであり、10〜250μm又は15〜200μmであってもよい。水性塗料組成物を複数回塗り重ねて所望の膜厚を有する乾燥塗膜を形成してもよい。この場合、ウェット塗膜を複数層塗り重ねて形成した後、乾燥を行って所望の膜厚を有する乾燥塗膜を得てもよいし、乾燥塗膜を複数層形成することによって所望の膜厚を有する乾燥塗膜を得てもよい。
塗膜の乾燥は、自然乾燥によって行うことができる。自然乾燥は、常温(25℃若しくはその近傍)又はそれ以下の温度で行うことができる。自然乾燥の場合、完全硬化塗膜を得るための乾燥時間は、好ましくは2時間以上、より好ましくは24時間以上、さらに好ましくは1週間以上である。本発明に係る水性塗料組成物によれば、常温又はそれ以下の温度で自然乾燥させても、旧塗膜に対する付着性、耐水性及び防食性に優れる塗膜を形成することができる。
本発明に係る水性塗料組成物を塗装して塗膜を形成する前及び/又は後に、別の塗膜を形成することができる。一つの実施形態においては、本発明に係る水性塗料組成物を塗装して塗膜を形成した後、当該塗膜上に上塗り塗料を塗装して上塗り層を形成する。上塗り層を形成することにより、外観、防食性及び耐水性をさらに向上させることができる。
上塗り塗料としては、例えば、エポキシ/アミン系塗料、2液型ウレタン硬化系塗料、1液型ウレタン硬化系塗料、カルボジイミド硬化系塗料、アクリル樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料等が挙げられる。上塗り塗料は、溶剤型であってもよく、水性であってもよいが、環境負荷低減の観点から、好ましくは水性である。上塗り塗料は、より好ましくは、水性2液型ウレタン硬化系塗料、水性1液型ウレタン硬化系塗料、水性シリコン樹脂系塗料、水性カルボジイミド硬化系塗料である。このような水性塗料であれば、優れた耐候性を有し、長期の美観保護が達成できる。
上塗り層は、上塗り塗料を塗布し、乾燥させることにより形成できる。塗布方法は、上塗り塗料の種類等に応じて、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、刷毛、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、コテ等による塗布や浸漬等が挙げられる。
上塗り塗料の塗布量は、塗料の種類及び塗装の目的等にもよるが、例えば30〜400g/m2である。乾燥後の上塗り層の膜厚は、例えば10〜500μmであり、10〜300μm又は10〜150μmであってもよい。上塗り塗料からなる塗膜の乾燥は、自然乾燥、強制乾燥、焼き付け等によって行うことができる。
本発明に係る水性塗料組成物により塗膜を形成する前に、被塗物表面に下塗り塗料を塗装して下塗り層を形成してもよい。下塗り層を形成することで防食性及び耐水性により優れ、例えば、橋梁、プラント、タンク等の高い防食性が要求される場合にも充分に対応することができる。
下塗り塗料としては、例えば、有機又は無機のジンクリッチ塗料が挙げられる。下塗り塗料は、溶剤型であってもよく、水性であってもよいが、環境負荷低減の観点から、好ましくは水性である。
下塗り層の形成には、上記上塗り層と同様の方法が採用され得る。下塗り塗料の塗布量は、塗料の種類及び塗装の目的等にもよるが、例えば80〜1200g/m2である。乾燥後の下塗り層の膜厚は、例えば20〜300μmであり、20〜200μmであってもよい。下塗り塗料からなる塗膜の乾燥は、自然乾燥、強制乾燥、焼き付け等によって行うことができる。
本発明に係る水性塗料組成物を塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜上に中塗り塗料を塗装して中塗り層を形成してもよい。中塗り層を形成することにより、防食性及び耐水性により優れる塗膜が得られ得る。好ましくは、中塗り層の上に、上記上塗り層が形成される。
中塗り塗料としては、例えば、エポキシ/アミン系塗料、2液型ウレタン硬化系塗料、1液型ウレタン硬化系塗料等が挙げられる。中塗り塗料は、溶剤型であってもよく、水性であってもよいが、環境負荷低減の観点から、好ましくは水性である。中塗り塗料は、より好ましくは、水性エポキシ/アミン系塗料、水性2液型ウレタン硬化系塗料である。このような水性塗料であれば、上塗り層との密着性がよく、強固な複層塗膜を形成することができる。
中塗り層の形成には、上記上塗り層と同様の方法が採用され得る。中塗り塗料の塗布量は、塗料の種類及び塗装の目的等にもよるが、例えば20〜400g/m2である。乾燥後の中塗り層の膜厚は、例えば10〜200μmであり、10〜100μmであってもよい。
上塗り塗料、中塗り塗料及び下塗り塗料は、それぞれ独立して、顔料、添加剤等を含有し得る。顔料及び添加剤等の具体例については、本発明に係る水性塗料組成物について上で記述した内容が引用される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、実施例における部及び%は質量基準である。
〔1〕水性塗料組成物の製造
(製造例1:水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)Iの調製)
撹拌機、冷却器、窒素導入管及び温度計を備えた反応槽に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから合成したエポキシ当量188g/当量の原料樹脂742部、ビスフェノールA 336部、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。)190部を仕込み、ベンジルジメチルアミン1部の存在下、エポキシ当量が1079g/当量になるまで117℃で反応させてエポキシ樹脂を得た。その後、ジエチレントリアミンのケチミン化合物(73質量%MIBK溶液)360部を加え、117℃で1時間反応させた。その後、イオン交換水27部、ネオデカン酸グリシジルエステル(ヘキシオン・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「カージュラE10−P」)188部を仕込み、100℃で2時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分75%になるまで希釈し、アミン当量が1095のエポキシ系アミン樹脂を得た。次いでここに、上で定義した中和率が35%となるように酢酸を加えた後、イオン交換水を加えて希釈した。その後、固形分が40質量%となるまで減圧下でMIBK及び水の混合物を除去して、乳白色の水性(水分散型)エポキシ系アミン樹脂(A3−1)Iを得た。水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)Iのアミン当量は、原料配合量から算出した。
(製造例2:水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)IIの調製)
撹拌機、冷却器、窒素導入管及び温度計を備えた反応槽に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから合成したエポキシ当量188g/当量の原料樹脂1940部、ビスフェノールA 1060部、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。)1000部を仕込み、ベンジルジメチルアミン8部の存在下、エポキシ当量が3000g/当量になるまで117℃で反応させてエポキシ樹脂を得た。その後、ジエチレントリアミンのケチミン化合物(73質量%MIBK溶液)360部を加え、117℃で1時間反応させた。その後、MIBKで不揮発分60%になるまで希釈し、アミン当量が1550のエポキシ系アミン樹脂を得た。次いでここに、上で定義した中和率が40%となるように酢酸を加えた後、イオン交換水を加えて希釈した。その後、固形分が40質量%となるまで減圧下でMIBK及び水の混合物を除去して、乳白色の水性(水分散型)エポキシ系アミン樹脂(A3−1)IIを得た。水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)IIのアミン当量は、原料配合量から算出した。
製造例1及び2で得られた水性エポキシ系アミン樹脂(A3−1)のアミン当量、GPCを用いた標準ポリスチレン換算による数平均分子量、及び状態、並びに水性エポキシ系アミン樹脂(A)を形成するエポキシ樹脂のエポキシ当量などを表1にまとめた。
Figure 2016222901
(製造例3:水性アクリル樹脂(A1)IVの調製)
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水200.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。アクリル酸2−エチルヘキシル236.3部、メタクリル酸メチル538.0部、スチレン200.0部、アクリル酸25.7部、及び乳化剤としての「ラテムルPD−104」(花王社製、20%水溶液)100部を脱イオン水579.4部に加えて乳化させたプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水150部に溶解した開始剤水溶液とともに2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続した後、冷却して、N、N−ジメチルアミノエタール8.2部を加え(中和率100%)、樹脂固形分50質量%のアニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−1)である水性アクリル樹脂(A1)IVを得た。モノマー組成から計算される、この水性アクリル樹脂(A1)IVの樹脂固形分酸価は20mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは40℃であった。
(製造例4:水性アクリル樹脂(A1)Vの調製)
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、2−メトキシ−1−プロパノール259.0部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら120℃に昇温した。スチレン35.0部、メタクリル酸メチル19.8部、アクリル酸n−ブチル155.2部、アクリル酸エチル19.0部、アクリル酸2−エチルヘキシル137.2部、メタクリル酸33.8部のモノマー混合物を、「カヤエステルO」(化薬アクゾ社製のt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート)16.0部を2−メトキシ−1−プロパノール25.0部に溶解した開始剤溶液とともに3時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃で0.5時間保持し、次いで、「カヤエステルO」1.6部を2−メトキシ−1−プロパノール16.0部に溶解した開始剤溶液を0.5時間かけて滴下し、さらに120℃で1時間攪拌した。次いで60℃まで冷却し、N,N−ジメチルエタノールアミン35.0部で中和した後(中和率100%)、脱イオン水287.4部を加え水溶化し、樹脂固形分40質量%のアニオン性アクリル樹脂水溶液である水性アクリル樹脂(A1)Vを得た。モノマー組成から計算される、この水性アクリル樹脂(A1)Vの樹脂固形分酸価は55mgKOH/g、Tgは−35℃であった。
(製造例5:水性アクリル樹脂(A1)VIの調製)
撹拌器、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた四ツ口フラスコに、イオン交換水150部と反応性乳化剤としてのジアリルアルキルエタノールアンモニウムクロライド(アデカ社製「アデカノールSDX−236」)4部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に75℃まで昇温した。その後、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩の10%水溶液4部を添加し、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部、ブチルアクリレート47部、メチルメタクリレート10部、及びスチレン30部からなる単量体混合物を上記フラスコ中に3時間かけて滴下し、75℃のままでさらに3時間反応を続けた。次いで酢酸を加え、中和率100%とし、樹脂固形分40質量%のカチオン性アクリル樹脂エマルション(A1−2)である水性アクリル樹脂(A1)VIを得た。これに含まれる樹脂のアミン化は20であった。
(製造例6:水性アクリル樹脂(A1)VIIの調製)
撹拌機、冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えた反応容器に、MIBK670部を仕込み110℃に昇温した。この反応容器に、滴下ロートを用いてスチレン500部、アクリル酸n−ブチル400部、ジメチルアミノエチルメタアクリレート180部、MIBK100部及び「カヤエステルO」(化薬アクゾ社製のt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート)20部とからなる溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり110℃で保持した後、t−ブチルパーオクトエート2部とMIBK50部とからなる溶液を30分間で滴下した。この滴下終了後、さらに1時間、110℃にて反応を継続させ、数平均分子量10000、アミン当量940(アミン価60)の樹脂を得た。次いで酢酸を加え、中和率100%(樹脂のアミン基に対する中和率)となるようにし、イオン交換水を加え希釈した。その後、樹脂固形分が40質量%となるまで減圧下でMIBK及び水の混合物を除去し、カチオン性アクリル樹脂水溶液である水性アクリル樹脂(A1)VIIを得た。
(製造例7:水性アクリル樹脂(A1)VIIIの調製)
撹拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に、脱イオン水200.0部と乳化剤としての「ニューコール740(60)」(日本乳化剤社製、60%水溶液)70部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に昇温した。アクリル酸2−エチルヘキシル236.3部、メタクリル酸メチル538.0部、スチレン225.7部、及びニューコール740(60)100部を脱イオン水579.4部に加えて乳化させたプレエマルションを、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水150部に溶解した開始剤水溶液とともに2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で1時間反応を継続し、樹脂固形分50質量%のノニオン性アクリル樹脂エマルション(A1−3)である水性アクリル樹脂(A1)VIIIを得た。モノマー組成から計算される、この水性アクリル樹脂(A1)VIIIのガラス転移温度Tgは40℃であった。
製造例3〜7で得られた水性アクリル樹脂(A1)の状態、重合方法、酸価、アミン価、中和率などを表2にまとめた。
Figure 2016222901
(製造例8:(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有するエマルションXIVの調製)
水35部、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル10部、ノニオン系乳化剤〔日本乳化剤社製、商品名「ニューコール740」〕5部、及びプロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(PO3mol)〔粘度(25℃):85mPa・s、分子量:470、官能基数:3、アクリロイル基当量:157〕50部を混合し、ホモジナイザーで10分間撹拌して、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有するエマルションXIVを得た。「PO3mol」とは、分子内にプロピレンオキサイドを3個有することを意味する。エマルションXIVは、硬化剤として用いた。
<実施例1〜13、比較例1〜4>
水80部、顔料分散剤(ビックケミー社製、商品名「Disperbyk−190」)25部、タルク75部、炭酸カルシウム40部、酸化チタン170部、リン酸系防錆顔料20部を混合し、ディスパーで30分間攪拌することによって、顔料分散ペーストを製造した。次に、表3又は表4に示される第1剤(主剤)の配合成分(表3又は表4に示される配合量)と、上記顔料分散ペースト410部とをディスパーを用いて混合した。その後、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルを50部、会合型増粘剤(ADEKA社製、商品名「アデカノールUH−420」を5部加えて混合し、第1剤(主剤)を調製した。
またいくつかの実施例においては、第2剤として表3又は表4に示される硬化剤(表3又は表4に示される配合量)を用意した。これにより、1液型又は2液型の水性塗料組成物を得た。
<実施例14〜18、比較例5〜12>
表3又は表4に示される第1剤(主剤)の配合成分(表3又は表4に示される配合量)をディスパーを用いて混合した(配合成分が1種のみの場合はそのまま用いた)。その後、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルを50部加えて混合し、第1剤(主剤)を調製した。
表3及び表4に示される配合量の単位は「質量部」である。また、表3及び表4に示される配合量は、固形分換算量ではなく、有姿量である。表3及び表4に示される配合成分の略号の詳細は下記のとおりである。
a)水性エポキシ樹脂(A2)III:ADEKA社製の「アデカレジン EM−101−50」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエマルション、固形分:47質量%、エポキシ当量:500g/当量、数平均分子量:1000)、
b)EVAのエマルション(B)IX:昭和電工(株)製の「ポリゾール EVA AD−92」(固形分:56質量%、エチレン比率:5質量%)、
c)EVAのエマルション(B)X:昭和電工(株)製の「ポリゾール EVA AD−2」(固形分:56質量%、エチレン比率:14質量%)、
d)EVAのエマルション(B)XI:昭和電工(株)製の「ポリゾール EVA AD−20」(固形分:56質量%、エチレン比率:30質量%)、
e)アルコキシシラン化合物(D)XII:EVONIK INDUSTRIES社製の「Dynasylan MEMO」(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、固形分:100質量%)、
f)エポキシ基含有硬化剤XIII:ADEKA社製の「アデカレジン EM−101−50」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエマルション、固形分:47質量%、エポキシ当量:500g/当量、数平均分子量:1000)、
g)アミノ基含有硬化剤XV:T&K TOKA社製の「フジキュアーFXS−918−FA」(エポキシアダクトタイプの変性ポリアミン樹脂、固形分:60質量%、アミン当量:387)。
〔2〕水性塗料組成物の評価
得られた水性塗料組成物を下記の方法で評価した。結果を表3及び表4に示す。
(塗膜の旧塗膜に対する付着性)
基材として磨き鋼板を用い、その上に錆止め塗料として日本ペイント社製「ハイポンファインプライマーII」をエアスプレーを用いて乾燥膜厚50μmで塗装し、1日間乾燥させた。その上に日本ペイント社製「ファインウレタンU100」を刷毛を用いて乾燥膜厚60μmで塗装した。その後、JIS K 5600−7−7に従う促進耐候性(キセノンアークランプ法)により3000時間劣化させ旧塗膜を作製した。次いで、得られた2液型の水性塗料組成物の第1剤と第2剤とをディスパーを用いて混合した後、旧塗膜上に刷毛を用いて塗布量200g/m2で塗装し、23℃の環境下で168時間乾燥させて、上記水性塗料組成物から形成された塗膜を有する試験板を得た。この試験板について、JIS K 5600−5−6に準拠したクロスカット法により付着性試験を行い、下記基準に基づき評価した。
0:カットのふちが完全に滑らかで、どの格子の目にもハガレがない、
1:カットの交差点における塗膜の小さなハガレがあり、剥離部分の面積が5%未満である、
2:剥離部分の面積が、5%以上15%未満である、
3:剥離部分の面積が15%以上35%未満である、
4:剥離部分の面積が35%以上65%未満である、
5:剥離部分の面積が65%以上である。
(塗膜の防食性)
水性塗料組成物を、2液型の水性塗料組成物については第1剤と第2剤とをディスパーを用いて混合した後、磨き鋼板に刷毛を用いて塗布量200g/m2で塗装し、23℃の環境下で168時間乾燥させて、上記水性塗料組成物から形成された塗膜を有する試験板を得た。この試験板について、JIS K 5600−7−9のサイクルDに準拠してサイクル腐食性試験(120サイクル:720時間)を行い、下記基準に基づき評価した。
AA:錆が認められない、
A :0.05%未満の面積で錆が認められる、
B :0.05%以上の面積で錆が認められる。
(塗膜の耐水性)
水性塗料組成物を、2液型の水性塗料組成物については第1剤と第2剤とをディスパーを用いて混合した後、繊維強化セメント板に刷毛を用いて塗布量120g/m2で塗装し、23℃の環境下で168時間乾燥させて、上記水性塗料組成物から形成された塗膜を有する試験板を得た。この試験板について、JIS K 5600−6−1の7.に準拠して耐水性試験(96時間の水浸漬)を行い、下記基準に基づき評価した。
A:試験前後で、喫水部における色・艶に変化が認められない、
B:試験前後で、喫水部における色・艶に変化が認められる。
(塗膜の上塗り塗膜に対する付着性)
水性塗料組成物を、2液型の水性塗料組成物については第1剤と第2剤とをディスパーを用いて混合した後、磨き鋼板に刷毛を用いて塗布量140g/m2で塗装し、23℃の環境下で24時間乾燥させて、上記水性塗料組成物から形成された塗膜を有する試験板を得た。次いで、この塗膜の上に上塗り塗料として水性シリコン系塗料(日本ペイント社製「オーデフレッシュSi100III」)を刷毛を用いて塗布量140g/m2で塗装し、23℃の環境下で168時間乾燥させて、上塗り塗膜を形成した。この試験板について、JIS K 5600−5−6に準拠したクロスカット法により付着性試験を行い、下記基準に基づき、上塗り塗膜に対する付着性を評価した。
0:カットのふちが完全に滑らかで、どの格子の目にもハガレがない、
1:カットの交差点における塗膜の小さなハガレがあり、剥離部分の面積が5%未満である、
2:剥離部分の面積が、5%以上15%未満である、
3:剥離部分の面積が15%以上35%未満である、
4:剥離部分の面積が35%以上65%未満である、
5:剥離部分の面積が65%以上である。
Figure 2016222901
Figure 2016222901

Claims (8)

  1. 自然乾燥型水性塗料組成物であって、
    水性樹脂(A)と、
    エチレン比率が5〜50質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルション(B)と、
    を含み、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は、前記自然乾燥型水性塗料組成物の樹脂固形分中、5〜50質量%である、自然乾燥型水性塗料組成物。
  2. 前記水性樹脂(A)は、水性アクリル樹脂(A1)、水性エポキシ樹脂(A2)及び水性アミン樹脂(A3)からなる群より選択される水性樹脂を含む、請求項1に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
  3. 前記水性アミン樹脂(A3)は、エポキシ樹脂をアミン変性して得られる水性エポキシ系アミン樹脂である、請求項2に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂の分子量が2000以上である、請求項3に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
  5. 前記水性樹脂(A)を含む第1剤と、硬化剤(C)を含む第2剤とからなる2液型の水性塗料組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
  6. 前記硬化剤(C)は、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びアミノ基からなる群より選択される官能基を有する化合物を含む、請求項5に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
  7. 前記硬化剤(C)が水性硬化剤である、請求項5又は6に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
  8. アルコキシシラン化合物(D)をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の自然乾燥型水性塗料組成物。
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