JPH11217299A - 超伝導薄膜の製造方法 - Google Patents
超伝導薄膜の製造方法Info
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- JPH11217299A JPH11217299A JP10033639A JP3363998A JPH11217299A JP H11217299 A JPH11217299 A JP H11217299A JP 10033639 A JP10033639 A JP 10033639A JP 3363998 A JP3363998 A JP 3363998A JP H11217299 A JPH11217299 A JP H11217299A
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱分解法によるY−Ba−Cu−O系超伝導
薄膜の製造において、原料の堆積順序を変えることによ
り、既存の高温の加熱工程においても、Baと基板の反
応を生起させず、良好な超伝導特性を保持する極薄の超
伝導薄膜を製造する方法を提供する。 【構成】 YとCuを含む原料溶液を基板に塗布し、加
熱させてY2 Cu2 O5膜を形成させ、次に、BaとC
uを含む原料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜に塗布し、加熱
させてBaCuO2 膜を形成させ、さらに高温で加熱し
て両膜を反応させることにより、YBa2 Cu3 OX 超
伝導薄膜を製造する。高温度の加熱処理においても、基
板と反応することのないY2 Cu2 O5 膜が、基板と激
しく反応するBaに対する拡散障壁として機能する。低
廉な装置と容易かつ短時間の工程で、各種電子デバイス
素子への応用に好適な、極薄で良質の超伝導薄膜を形成
する。
薄膜の製造において、原料の堆積順序を変えることによ
り、既存の高温の加熱工程においても、Baと基板の反
応を生起させず、良好な超伝導特性を保持する極薄の超
伝導薄膜を製造する方法を提供する。 【構成】 YとCuを含む原料溶液を基板に塗布し、加
熱させてY2 Cu2 O5膜を形成させ、次に、BaとC
uを含む原料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜に塗布し、加熱
させてBaCuO2 膜を形成させ、さらに高温で加熱し
て両膜を反応させることにより、YBa2 Cu3 OX 超
伝導薄膜を製造する。高温度の加熱処理においても、基
板と反応することのないY2 Cu2 O5 膜が、基板と激
しく反応するBaに対する拡散障壁として機能する。低
廉な装置と容易かつ短時間の工程で、各種電子デバイス
素子への応用に好適な、極薄で良質の超伝導薄膜を形成
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる熱分解法
を用いた超伝導薄膜の製造方法に関する。
を用いた超伝導薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超伝導を利用した素子としては、
例えば、電子回路用スイッチング素子、記憶素子、高感
度磁束計素子、高周波素子(発振素子、検波素子、フィ
ルタ等)などがあり、これらの素子は、高速、高感度、
低損失など、超伝導特有の優れた特性を保持し且つ、金
属や合金超伝導体に比べ高い温度で動作できるという経
済的な利点があるため、その基礎となる酸化物超伝導薄
膜に関する研究が活発に行われている。
例えば、電子回路用スイッチング素子、記憶素子、高感
度磁束計素子、高周波素子(発振素子、検波素子、フィ
ルタ等)などがあり、これらの素子は、高速、高感度、
低損失など、超伝導特有の優れた特性を保持し且つ、金
属や合金超伝導体に比べ高い温度で動作できるという経
済的な利点があるため、その基礎となる酸化物超伝導薄
膜に関する研究が活発に行われている。
【0003】従来、酸化物超伝導薄膜の製造方法につい
て、スパッタ法や真空蒸着法等の物理的蒸着法、または
CVD法等の化学的蒸着法が示唆されているが、スパッ
タ法ではガス圧、投入電力等の条件により原料組成物の
変動が大きく、組成の制御が極めて困難であるうえ、装
置コストが高い。また、真空蒸着法では、酸素との反応
制御がむずかしいとともに、真空装置等を必要とし、装
置コストが高い。さらに、CVD法では超伝導素材の分
解ガスの生成がむずかしく、さらに装置コストが高く、
しかも製造に時間がかかる等の問題があった。
て、スパッタ法や真空蒸着法等の物理的蒸着法、または
CVD法等の化学的蒸着法が示唆されているが、スパッ
タ法ではガス圧、投入電力等の条件により原料組成物の
変動が大きく、組成の制御が極めて困難であるうえ、装
置コストが高い。また、真空蒸着法では、酸素との反応
制御がむずかしいとともに、真空装置等を必要とし、装
置コストが高い。さらに、CVD法では超伝導素材の分
解ガスの生成がむずかしく、さらに装置コストが高く、
しかも製造に時間がかかる等の問題があった。
【0004】これに対し、比較的高温で超伝導特性を有
するY−Ba−Cu−O系超伝導体の薄膜について、こ
れを熱分解法により製造する方法が特開平1−1096
11号において提案されている。熱分解法は、金属成分
を含有する水溶液或いは、有機酸塩の混合溶液等の原料
溶液を、スプレーやスピンコート等により基板に均一に
塗布し、これを加熱することにより、不用元素の分解除
去及び、金属成分の固相反応及び焼成を引き起こすこと
により、金属酸化物薄膜を製造する方法である。そのた
め、熱分解法は薄膜の金属組成比を、原料の混合比率を
変えることにより容易に制御することができ、またすべ
ての工程が大気中で行えるため、薄膜を容易にかつ短時
間に製造できるのみならず、高価な装置も必要としない
という利点があり、近年注目されている薄膜製造方法で
ある。
するY−Ba−Cu−O系超伝導体の薄膜について、こ
れを熱分解法により製造する方法が特開平1−1096
11号において提案されている。熱分解法は、金属成分
を含有する水溶液或いは、有機酸塩の混合溶液等の原料
溶液を、スプレーやスピンコート等により基板に均一に
塗布し、これを加熱することにより、不用元素の分解除
去及び、金属成分の固相反応及び焼成を引き起こすこと
により、金属酸化物薄膜を製造する方法である。そのた
め、熱分解法は薄膜の金属組成比を、原料の混合比率を
変えることにより容易に制御することができ、またすべ
ての工程が大気中で行えるため、薄膜を容易にかつ短時
間に製造できるのみならず、高価な装置も必要としない
という利点があり、近年注目されている薄膜製造方法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Y−Ba−Cu−O系
超伝導体の薄膜を、熱分解法で製造する場合において
は、イットリウムY、バリウムBa、及び銅Cuの金属
成分を、所定モル比で含有する水溶液或いは有機酸塩の
混合溶液をセラミック基板に塗布し、加熱により熱分解
反応と超伝導生成反応を引き起こすことにより、超伝導
薄膜を製造している。しかしながら、超伝導生成反応
は、1000℃に近い高温加熱により生起されるので、
膜と基板との激しい反応も同時に生起され、超伝導膜が
破壊されたり、超伝導特性に悪影響を与える絶縁物が生
成され、特に電子デバイス用に好適な、1μm以下膜厚
程度の極薄で良質な超伝導薄膜を製造することは非常に
困難である。高温加熱を真空中で行なうことで、工程の
温度を下げ膜と基板の反応を抑制する試みなども行われ
ているが、加熱工程が複雑になり、高価で大がかりな装
置も必要になる等の問題が生じている。
超伝導体の薄膜を、熱分解法で製造する場合において
は、イットリウムY、バリウムBa、及び銅Cuの金属
成分を、所定モル比で含有する水溶液或いは有機酸塩の
混合溶液をセラミック基板に塗布し、加熱により熱分解
反応と超伝導生成反応を引き起こすことにより、超伝導
薄膜を製造している。しかしながら、超伝導生成反応
は、1000℃に近い高温加熱により生起されるので、
膜と基板との激しい反応も同時に生起され、超伝導膜が
破壊されたり、超伝導特性に悪影響を与える絶縁物が生
成され、特に電子デバイス用に好適な、1μm以下膜厚
程度の極薄で良質な超伝導薄膜を製造することは非常に
困難である。高温加熱を真空中で行なうことで、工程の
温度を下げ膜と基板の反応を抑制する試みなども行われ
ているが、加熱工程が複雑になり、高価で大がかりな装
置も必要になる等の問題が生じている。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、熱分解法によるY−Ba
−Cu−O系超伝導薄膜の製造において、原料の堆積順
序を変えることにより、既存の高温の加熱工程において
も、膜と基板の反応を生起させないことにより、極薄で
良好な超伝導特性を保持する超伝導薄膜を製造する方法
を提供することである。
れたものであり、その目的は、熱分解法によるY−Ba
−Cu−O系超伝導薄膜の製造において、原料の堆積順
序を変えることにより、既存の高温の加熱工程において
も、膜と基板の反応を生起させないことにより、極薄で
良好な超伝導特性を保持する超伝導薄膜を製造する方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】YBa2 Cu3 OX 超伝
導薄膜原料のうちで、基板と最も反応性の高い金属元素
はBaである。そこで本発明では、Baを含まず、Yと
Cuだけを含む原料溶液を基板に塗布し、加熱させてY
2 Cu2 O5 膜を形成させ、次に、BaとCuを含む原
料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜に塗布し、加熱させてBa
CuO2 膜を形成させ、さらに高温で加熱して両膜を反
応させることにより、YBa2 Cu3 OX 超伝導薄膜を
生成させる。
導薄膜原料のうちで、基板と最も反応性の高い金属元素
はBaである。そこで本発明では、Baを含まず、Yと
Cuだけを含む原料溶液を基板に塗布し、加熱させてY
2 Cu2 O5 膜を形成させ、次に、BaとCuを含む原
料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜に塗布し、加熱させてBa
CuO2 膜を形成させ、さらに高温で加熱して両膜を反
応させることにより、YBa2 Cu3 OX 超伝導薄膜を
生成させる。
【0008】すなわち、図1に示すようにまず、イット
リウムYと銅Cuを含む原料溶液を基板1に塗布し、加
熱により炭素、水素等の不用な成分を分解除去しさら
に、金属成分が反応する温度で加熱してY2 Cu2 O5
膜2を形成させる。次に、バリウムBaと銅Cuを含む
原料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜に塗布し、加熱により不
用な成分を分解除去しさらに、金属成分が反応する温度
で加熱してBaCuO2膜3を形成する。そして、この
Y2 Cu2 O5 膜2とBaCuO2 膜3からなる積層膜
を、両層が反応して超伝導体が生起されうる高温度で加
熱することにより、Y2 Cu2 O5 +4BaCuO2 →
2YBa2 Cu3 OX の反応により、超伝導薄膜4を生
成させる。
リウムYと銅Cuを含む原料溶液を基板1に塗布し、加
熱により炭素、水素等の不用な成分を分解除去しさら
に、金属成分が反応する温度で加熱してY2 Cu2 O5
膜2を形成させる。次に、バリウムBaと銅Cuを含む
原料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜に塗布し、加熱により不
用な成分を分解除去しさらに、金属成分が反応する温度
で加熱してBaCuO2膜3を形成する。そして、この
Y2 Cu2 O5 膜2とBaCuO2 膜3からなる積層膜
を、両層が反応して超伝導体が生起されうる高温度で加
熱することにより、Y2 Cu2 O5 +4BaCuO2 →
2YBa2 Cu3 OX の反応により、超伝導薄膜4を生
成させる。
【0009】超伝導薄膜を生成させる高温度の加熱工程
ではまず、Y2 Cu2 O5 膜2と、BaCuO2 膜3の
界面から超伝導生成反応が始まるが、Y2 Cu2 O5 膜
2と基板1とは反応することがないため、Y2 Cu2 O
5 膜2は、BaCuO2 膜3中のBaに対する拡散障壁
として機能し、Baと基板との反応を生起させることが
ない。これにより、高温度の加熱工程によっても、Ba
と基板との反応による絶縁物を生成させることなく、極
薄のYBa2 Cu3 OX 超伝導薄膜4を安定的に、かつ
確実に製造することが可能となる。しかも、製造にあた
っては、通常の熱分解法と同じ装置が利用でき、高価な
真空装置等を必要とせず、しかも製造工程は極めて容易
且つ短時間である。
ではまず、Y2 Cu2 O5 膜2と、BaCuO2 膜3の
界面から超伝導生成反応が始まるが、Y2 Cu2 O5 膜
2と基板1とは反応することがないため、Y2 Cu2 O
5 膜2は、BaCuO2 膜3中のBaに対する拡散障壁
として機能し、Baと基板との反応を生起させることが
ない。これにより、高温度の加熱工程によっても、Ba
と基板との反応による絶縁物を生成させることなく、極
薄のYBa2 Cu3 OX 超伝導薄膜4を安定的に、かつ
確実に製造することが可能となる。しかも、製造にあた
っては、通常の熱分解法と同じ装置が利用でき、高価な
真空装置等を必要とせず、しかも製造工程は極めて容易
且つ短時間である。
【0010】なお、Y2 Cu2 O5 膜形成における加熱
については、例えば900℃以上で加熱することにより
緻密なY2 Cu2 O5 膜が形成され、拡散障壁として好
適である。また、BaCuO2 膜形成において、先に堆
積したY2 Cu2 O5 膜と反応せず且つ、BaCuO2
生成反応が速やかに進行する温度で加熱することが好ま
しく、こうすることにより、無秩序な方向を向いたYB
a2 Cu3 OX 微結晶の生成が抑制され、超伝導を生成
させる高温加熱工程で、容易に超伝導薄膜の結晶軸を整
列させることができる。Y2 Cu2 O5 膜と、BaCu
O2 膜の厚さは、薄膜への不純物添加あるいは、基板空
隙への流入等により欠乏する成分の補償等を配慮した、
膜全体の金属成分比及び、目的とする超伝導薄膜の厚さ
から、最適な膜厚値を決定することが好適である。
については、例えば900℃以上で加熱することにより
緻密なY2 Cu2 O5 膜が形成され、拡散障壁として好
適である。また、BaCuO2 膜形成において、先に堆
積したY2 Cu2 O5 膜と反応せず且つ、BaCuO2
生成反応が速やかに進行する温度で加熱することが好ま
しく、こうすることにより、無秩序な方向を向いたYB
a2 Cu3 OX 微結晶の生成が抑制され、超伝導を生成
させる高温加熱工程で、容易に超伝導薄膜の結晶軸を整
列させることができる。Y2 Cu2 O5 膜と、BaCu
O2 膜の厚さは、薄膜への不純物添加あるいは、基板空
隙への流入等により欠乏する成分の補償等を配慮した、
膜全体の金属成分比及び、目的とする超伝導薄膜の厚さ
から、最適な膜厚値を決定することが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】[実施例]まず、金属成分比Y:
Cu=1:1のナフテン酸塩混合溶液を、多結晶YSZ
基板にスピンコータで塗布し、大気中約400℃で2分
間加熱して熱分解し、さらに大気中930℃で2分間加
熱するという、塗布及び加熱の工程を繰り返し、厚さ
0.16μmのY2 Cu2 O5 膜を形成した。次に、金
属成分比Ba:Cu=1:1のナフテン酸塩混合溶液
を、同Y2 Cu2 O5 膜にスピンコータで塗布し、大気
中約400℃で2分間加熱して熱分解し、さらに大気中
700℃で2分間加熱するという、塗布及び加熱の工程
を繰り返し、厚さ0.36μmのBaCuO2 膜を形成
した。最後に、このY2 Cu2 O5 膜とBaCuO2 膜
の2層からなる積層膜を、大気中960℃で3分間加熱
して、YBa2 Cu3 OX 超伝導薄膜を得た。
Cu=1:1のナフテン酸塩混合溶液を、多結晶YSZ
基板にスピンコータで塗布し、大気中約400℃で2分
間加熱して熱分解し、さらに大気中930℃で2分間加
熱するという、塗布及び加熱の工程を繰り返し、厚さ
0.16μmのY2 Cu2 O5 膜を形成した。次に、金
属成分比Ba:Cu=1:1のナフテン酸塩混合溶液
を、同Y2 Cu2 O5 膜にスピンコータで塗布し、大気
中約400℃で2分間加熱して熱分解し、さらに大気中
700℃で2分間加熱するという、塗布及び加熱の工程
を繰り返し、厚さ0.36μmのBaCuO2 膜を形成
した。最後に、このY2 Cu2 O5 膜とBaCuO2 膜
の2層からなる積層膜を、大気中960℃で3分間加熱
して、YBa2 Cu3 OX 超伝導薄膜を得た。
【0012】なお、本実施例では、目的とする超伝導膜
の厚さを0.48μmとした。また、多結晶基板では、
多結晶基板の空隙にBaとCuが主成分の液相が流入
し、超伝導生成反応に必要なBaとCu成分が不足する
ため、BaCuO2 膜を25%厚く堆積した。
の厚さを0.48μmとした。また、多結晶基板では、
多結晶基板の空隙にBaとCuが主成分の液相が流入
し、超伝導生成反応に必要なBaとCu成分が不足する
ため、BaCuO2 膜を25%厚く堆積した。
【0013】製造した薄膜は、超伝導体の色と同じ黒色
であった。X線回折によって、薄膜はほぼYBa2 Cu
3 OX 単相膜であり、さらに結晶軸のうちc軸が基板面
に対して垂直に整列している良質の膜であることが確認
された。また抵抗測定により、この超伝導薄膜の臨界温
度(Tc)は約90Kであることも確認された。これに
より、高温度の加熱工程を経たにもかかわらず、厚さ約
0.5μmの超伝導薄膜を、多結晶YSZ基板に形成で
きることが確認された。
であった。X線回折によって、薄膜はほぼYBa2 Cu
3 OX 単相膜であり、さらに結晶軸のうちc軸が基板面
に対して垂直に整列している良質の膜であることが確認
された。また抵抗測定により、この超伝導薄膜の臨界温
度(Tc)は約90Kであることも確認された。これに
より、高温度の加熱工程を経たにもかかわらず、厚さ約
0.5μmの超伝導薄膜を、多結晶YSZ基板に形成で
きることが確認された。
【0014】[比較例]上記実施例の比較例として従来
方式の熱分解法で、超伝導薄膜の形成を行なった。ま
ず、上記実施例と同じ条件にするため、超伝導膜の金属
元素比より、BaとCu成分を25%多く含有するY:
Ba:Cu=1:2.5:3.5のナフテン酸塩混合溶
液を調合し、この溶液を多結晶YSZ基板上にスピンコ
ータで塗布し、大気中約400℃で2分間加熱し、そし
て、大気中700℃で2分間加熱する工程を繰り返し、
金属成分が均一に混合した厚さ0.5μmの膜を形成し
た。次に、この膜を上記条件と同じ大気中960℃で3
分間加熱した。
方式の熱分解法で、超伝導薄膜の形成を行なった。ま
ず、上記実施例と同じ条件にするため、超伝導膜の金属
元素比より、BaとCu成分を25%多く含有するY:
Ba:Cu=1:2.5:3.5のナフテン酸塩混合溶
液を調合し、この溶液を多結晶YSZ基板上にスピンコ
ータで塗布し、大気中約400℃で2分間加熱し、そし
て、大気中700℃で2分間加熱する工程を繰り返し、
金属成分が均一に混合した厚さ0.5μmの膜を形成し
た。次に、この膜を上記条件と同じ大気中960℃で3
分間加熱した。
【0015】得られた膜の表面は緑色で、黒色の超伝導
体は認められなかった。X線回折によっても超伝導体の
存在は確認できず、代わりにBaの欠乏により生じた緑
色の絶縁体Y2 BaCuO5 と、Baと多結晶YSZ基
板との反応により生じたBaZrO3 の存在が認めら
れ、電気抵抗は0Kでも超伝導特性を示すことがないと
判断された。
体は認められなかった。X線回折によっても超伝導体の
存在は確認できず、代わりにBaの欠乏により生じた緑
色の絶縁体Y2 BaCuO5 と、Baと多結晶YSZ基
板との反応により生じたBaZrO3 の存在が認めら
れ、電気抵抗は0Kでも超伝導特性を示すことがないと
判断された。
【0016】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の方法によ
れば、熱分解法における高温度の加熱工程においても、
膜と基板との反応を抑制できることにより、各種電子デ
バイスへの応用に好適な、極薄で良質な超伝導薄膜を、
低廉な装置と、容易且つ短時間の工程で形成することが
可能である。
れば、熱分解法における高温度の加熱工程においても、
膜と基板との反応を抑制できることにより、各種電子デ
バイスへの応用に好適な、極薄で良質な超伝導薄膜を、
低廉な装置と、容易且つ短時間の工程で形成することが
可能である。
【図1】本発明の実施例に係る超伝導薄膜の製造方法を
用いた処理工程説明図である。
用いた処理工程説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 13/00 565 H01B 13/00 565D H01L 39/02 ZAA H01L 39/02 ZAAB 39/24 ZAA 39/24 ZAAB (72)発明者 久保田 弘 熊本市黒髪2−39−1 熊本大学内
Claims (1)
- 【請求項1】 YとCuを含む原料溶液を基板に塗布
し、加熱させてY2 Cu2 O5 膜を形成させ、 次に、BaとCuを含む原料溶液を同Y2 Cu2 O5 膜
に塗布し、加熱させてBaCuO2 膜を形成させ、 さらに高温で加熱して両膜を反応させることにより、Y
Ba2 Cu3 OX 超伝導薄膜を製造する超伝導薄膜の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10033639A JPH11217299A (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 超伝導薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10033639A JPH11217299A (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 超伝導薄膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217299A true JPH11217299A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12392032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10033639A Pending JPH11217299A (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 超伝導薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11217299A (ja) |
-
1998
- 1998-01-29 JP JP10033639A patent/JPH11217299A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20040706 |