JPH11216542A - 連続鋳造用浸漬ノズルとそれを用いた注湯法 - Google Patents

連続鋳造用浸漬ノズルとそれを用いた注湯法

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JPH11216542A
JPH11216542A JP1884498A JP1884498A JPH11216542A JP H11216542 A JPH11216542 A JP H11216542A JP 1884498 A JP1884498 A JP 1884498A JP 1884498 A JP1884498 A JP 1884498A JP H11216542 A JPH11216542 A JP H11216542A
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Yuichi Tsukaguchi
友一 塚口
Osamu Kondo
修 近藤
Yutaka Nogami
裕 野上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小断面鋳型を用いた連続鋳造に使用される浸
漬ノズルの、吐出孔形状を各種規定することにより、吐
出流による凝固シェルの再溶解を防止し、鋳片の品質向
上を図る連続鋳造用浸漬ノズルとそれを用いた注湯法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、ノズ
ル底面から側面に回り込む吐出孔を対向して2孔有し、
これら吐出孔の各々の内壁上部(角度α)及び下部(角
度β)に、水平なノズル底面に対して下方に40゜以上
75゜以下の勾配を設けたものであり、また、本発明の
注湯法は、上記浸漬ノズルを用いて丸断面モールドへ鋳
込み、該モールド内に水平回転流を形成する電磁撹拌を
実施するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に小断面鋳型を
用いた連続鋳造に使用される浸漬ノズルの、吐出孔形状
を各種規定することにより、吐出流による凝固シェルの
再溶解を防止し、鋳片の品質向上を図ることができる連
続鋳造用浸漬ノズルとそれを用いた注湯法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】小断面鋳片連続鋳造機(以下、連鋳機と
略す。)のように浸漬ノズルとモールド壁との間隔が小
さい場合には、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流による凝固
シェルの再溶解を防止するため、浸漬ノズルとしては円
筒状の単孔ノズルを使用するのが一般的であった。
【0003】ところが、単孔の浸漬ノズルから吐出した
溶鋼は、鋳片下方に深くにまで達するので、非金属介在
物やモールド内での気泡の浮上分離が不十分となり、清
浄な鋼を得ることが困難である。加えて単孔浸漬ノズル
からの吐出流はメニスカスに熱供給する作用が弱いので
メニスカス上の潤滑保温剤であるモールドパウダーの溶
融及び滓化が遅れ、焼付き性ブレークアウトやパウダー
性欠陥などの問題を生じ易いといった問題がある。
【0004】さらに、単孔浸漬ノズルからの前記吐出流
は、最終凝固に至るまでの間の鋳片内部温度を高めるた
め、等軸晶の減少や中心部のポロシティ拡大などの内部
品質欠陥を生じ易い。これら単孔浸漬ノズルの問題点を
改善すべく、従来、例えば特公平6−16930号公報
には、浸漬ノズルの底面に形成した単孔吐出孔において
下方に拡がるテーパを設け、このテーパ角度を規定し
て、吐出流速を低下させる浸漬ノズルが、また、特開昭
58−47545号公報には、浸漬ノズルの側面部と底
面部とに吐出孔が形成された浸漬ノズルによって吐出流
を分散させる浸漬ノズルが、また、実開昭59−140
055号公報には、吐出孔部に障壁を設ける浸漬ノズル
が、各々開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−16930号公報に開示された浸漬ノズルでは、ノ
ズル内径拡大部すなわち吐出流速減少部でのノズル内壁
へのAl2O3 等の介在物の付着が著しく多連鋳には適して
いないといった問題が生じ、また、特開昭58−475
45号公報に開示された浸漬ノズルでは、溶鋼吐出流量
が少ない条件下においては側面の吐出孔上部からの吸込
流が生じ易く、モールドパウダーの吸込みの虞がある。
また、実開昭59−140055号公報に開示された浸
漬ノズルでは、障壁の耐久性やノズル製造工程の複雑さ
に問題がある。このように、以上説明した従来の方法
は、いずれも実用化には困難であった。
【0006】また、矩形断面モールドへの注湯は、モー
ルド断面長辺方向へ溶鋼が吐出するように浸漬ノズルの
例えばモールド断面長辺方向に対応する側部に吐出孔を
設けてモールド断面長辺方向へ吐出流量が多くなるよう
にすることが考えられるが、丸断面モールドでの注湯
は、モールド断面において面一に吐出流が注湯しにくい
といった問題がある。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、浸漬ノズルとモールド壁間隔が小さい
場合にも、吐出流が凝固シェルを再溶解することを防止
することができ、かつ、吐出流が鋳片下方深くにまで侵
入することを防ぐことができるので清浄で等軸晶率が高
くポロシティの小さい鋳片を得ることができ、加えて吐
出流の一部がメニスカスへの上昇流を形成することによ
り、メニスカスにおけるモールドパウダーの溶融及び滓
化を安定させることができる。さらに、現状のノズルと
同工程で製造可能でしかも十分な耐久性を呈し、吐出孔
部にAl2O3 等の介在物の付着が少ない連続鋳造用浸漬ノ
ズルを提供することを目的とする。
【0008】また、本発明の注湯法は、上記した本発明
の浸漬ノズルを用いることにより、丸断面モールド及び
矩形断面モールドへ注湯した際にも、モールド断面にお
ける溶鋼の状態を面一でかつ安定して供給することがで
きる注湯法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、ノズル底面
から側面に回り込む吐出孔を対向して2孔設け、これら
吐出孔の各々の内壁上部及び下部に、水平なノズル底面
に対して下方に40゜以上75゜以下の勾配を設けたの
である。このようにすることにより、浸漬ノズルとモー
ルド壁間隔が小さい場合にも、吐出流により凝固シェル
が再溶解することを防ぐことができる。
【0010】また、本発明の注湯法は、本発明の連続鋳
造用浸漬ノズルを用いて、丸断面モールドへ注湯し、ま
た、丸断面モールドへの注湯時に電磁撹拌を実施し、ま
た、矩形断面モールドへの注湯時に電磁撹拌を実施する
のである。こうすることにより、モールド断面における
溶鋼の状態を面一にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図4に示す従来の単孔の浸漬ノズ
ルによる溶鋼吐出時の流動パターンは、図5のコンピュ
ータシュミレーション結果に示すように、ほとんど全て
の吐出流が鋳片下方へ深く侵入するために、以下(1)
〜(3)の操業上及び品質上の問題が生じていた。
(1)メニスカス温度の低下によるモールドパウダー溶
融・滓化不良が発生する。(2)非金属介在物や気泡の
浮上分離が阻害され、鋳片清浄性が悪化する。(3)凝
固時に鋳片内部温度が高くなるために、表皮との間の温
度勾配が大きくなり等軸晶が生成されにくい。
【0012】一方、上記(1)〜(3)の問題点を解消
するためになされた図6に示す従来の浸漬ノズルは、側
面に3孔、底面に1孔を形成したものである。この浸漬
ノズルによる溶鋼吐出時の流動パターンは、図7のコン
ピュータシュミレーション結果に示すように、側面3孔
からの吐出流の流速が大きく、以下(4)〜(7)の問
題が生じる。(4)側面3孔からの吐出流による凝固シ
ェルへの衝突速度が大きく、シェル再溶解性ブレークア
ウトの発生率が高くなる。(5)メニスカス流動が激し
く湯面変動が大きい。(6)側面上部に顕著な吸込流が
生じノズル内へモールドパウダーを吸い込み易い。
(7)底面の吐出孔が小さいために閉塞し易い。
【0013】そこで本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、
図2に示すように、ノズル底面から側面に回り込む吐出
孔を対向して2孔設け、これら吐出孔の各々の内壁上部
(角度α)及び下部(角度β)に、水平なノズル底面に
対して下方に40゜以上75゜以下の勾配を設けたもの
である。
【0014】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルにおける上
記限定は以下の理由に基づく。すなわち、角度αが40
゜未満のときは、吐出流の水平速度成分が増加し、凝固
シェルが再溶解する危険性が高くなる。角度αが75゜
を超えると、吐出孔出口上端近傍の壁厚が薄くなりノズ
ルの耐久性が低下する。角度βが40゜未満のときは吐
出流の水平速度成分が増加することに加え、ノズル底部
の肉厚が薄くなり、ノズルの耐久性が低下する。角度β
が75゜を超えると、吐出孔下部壁近傍の溶鋼流動に淀
みが生じ易くなり、従ってその部位にAl2O3 等の非金属
介在物が多く付着し、介在物性品質欠陥やノズル詰まり
の原因となる。
【0015】また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、
上記構成において、図2に示すように、各々の吐出孔
の、ノズル底面外縁からの回り込み開口長さdを、該ノ
ズル底面外径寸法aに対して(d/a)15%以上30
%以下とし、かつ各々の吐出孔の開口上端からノズル底
面までの長さcと、ノズル底面外縁からの回り込み開口
長さdとの和(c+d)を50mm以上で、吐出孔の開口
幅eを30mm以上としたものである。
【0016】上記構成における限定理由は以下の通りで
ある。すなわち、d/aが15%未満のときは、ノズル
底面へ形成される吐出孔出口の面積が少ないために、吐
出流の水平速度成分が増大し、凝固シェル再溶解の危険
性が高くなり、d/aが30を超えるときは、逆にノズ
ル底面へ形成される吐出孔出口の面積が過大となり、ノ
ズル底面の耐久性が低下する。また、長さc+dが50
mm未満、及び吐出孔の開口幅eが30mm未満であると、
吐出孔出口面積が過小なためにノズル詰まりが発生しや
すくなる。
【0017】本発明の浸漬ノズルによれば、図3のコン
ピュータシュミレーション結果に示すように、吐出流が
鋳片下方へ深く侵入することがなく、また側面吐出流の
流速を適度に抑えることができ、以下の表1に示すよう
に、従来の図4及び図6に示した浸漬ノズルにおける問
題点(1)〜(7)を解消することができた。
【0018】
【表1】
【0019】また、本発明の注湯法は、上記構成の連続
鋳造用浸漬ノズルを用いて矩形断面モールドへ注湯する
際、モールド内に水平回転流を形成する電磁撹拌を実施
するものであり、このようにすれば、鋳片中心のポロシ
ティ発生を抑制することができ、鋳片性状を良好にする
ことができる。また、本発明の注湯法は、連続鋳造用浸
漬ノズルを用いて丸断面モールドへ注湯するものであ
り、こうすることで、鋳片の性状を良好にすることがで
きる。また、本発明の注湯法は、連続鋳造用浸漬ノズル
を用いて丸断面モールドへ注湯する際、モールド内に水
平回転流を形成する電磁撹拌を実施するものであり、こ
のようにすれば、より一層鋳片の性状を良好にすること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの効果
について説明する。図1は、連続鋳造用浸漬ノズル(以
下、ノズルと略す)を示し、図1においてaはノズルの
外径(mm)、bはノズル内径(mm)、cはノズル側面に
おける吐出孔の高さ(mm)、dはノズル底面における吐
出孔の外縁からの回り込み開口長さ(mm)、eは吐出孔
の幅(mm)、αは吐出孔の内壁上部の勾配(゜)、βは
吐出孔の内壁下部の勾配(゜)、である。
【0021】そして、表2は、本発明の効果を確認する
ために、図1中の、a〜eの各部の寸法、α,βの角
度、ノズル底面における吐出孔の開口割合(d/a)、
ノズル側面における吐出孔の高さcとノズル底面におけ
る吐出孔の外縁からの回り込み開口長さdとの和(c+
d)、を各々変更し、かつモールド内溶鋼を水平回転さ
せる電磁撹拌の有無、及びモールドサイズを変更して、
本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを用いた実施例(1)〜
(8)を示している。また、表3は、本発明の規定条件
から外れた浸漬ノズルを用いた比較例(9)〜(11)
による結果を各々示している。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】実施例(1)〜(6)は、本発明の請求項
1及び2の全てを満たす条件のノズルを用いており、表
2に示すように、これらは、電磁撹拌の実施の有無、及
びモールド断面形状や寸法に拘わらず、ノズル耐久性、
ノズル詰まり、ノズル内流動の滑らかさ、ブレークアウ
ト発生率、のいずれの評価も良好(○)であった。
【0025】また、実施例(7)は、本発明の請求項1
を満たす条件のノズルを用い、電磁撹拌を行わず、径3
60mmの丸断面鋳片鋳造用モールドでノズルを使用した
結果、表2に示すように、ノズル耐久性、ノズル内流動
の滑らかさ、ブレークアウト発生率、のいずれの評価も
良好(○)であり、ノズル詰まりについては、吐出孔幅
が狭いためにノズル詰まりの発生頻度がやや高いという
理由から評価が可(△)であった。
【0026】また、実施例(8)は、本発明の請求項1
を満たす条件のノズルを用い、電磁撹拌を行い、径36
0mmの丸断面鋳片鋳造用モールドでノズルを使用した結
果、表2に示すように、ノズル耐久性、ノズル詰まり、
ノズル内流動の滑らかさ、のいずれの評価も良好(○)
であり、ブレークアウト発生率については、(d/a)
×100の値が小さいため吐出流の水平方向速度成分が
大きく凝固シェルの再溶解の危険性がやや高いという理
由から評価が可(△)であった。
【0027】一方、表3の比較例(9)〜(11)は、
本発明の必須条件である請求項1の条件を欠くノズルを
使用し、電磁撹拌の実施の有無に分けて、丸断面鋳片を
鋳造し、又は矩形断面鋳片を鋳造した場合について示し
ている。このうち比較例(9)は、角度αが80゜で規
定値を超えているため、電磁撹拌を実施の有無、丸断面
鋳片、矩形断面鋳片の区別なく全てにおいて、吐出孔内
壁上部が薄くなり耐久性に問題が生じた(×)。
【0028】また、比較例(10)は、角度βが80゜
で規定値を超えている例であり、この場合は、ノズル内
流動に乱れが生じ(×)、この結果、電磁撹拌の実施の
有無、丸断面鋳片、矩形断面鋳片の区別なく全てにおい
て、流動淀み部にAl2O3 等の非金属介在物が付着し易く
なり、ノズル詰まり発生率が高くなった(△)。
【0029】また、比較例(11)は、角度α,β共に
規定値より小さく設定され、かつd/aの割合も規定値
より小さく設定されたノズルを使用した例であり、この
場合は、電磁撹拌の実施の有無、丸断面鋳片、矩形断面
鋳片の区別なく全てにおいて、角度βが小さいために浸
漬ノズル底部が薄くなり、耐久性に問題が生じた
(×)。また、吐出孔のノズル底面への開口量が少な
い、すなわちdが小さく、角度βが小さいために、吐出
流の水平速度成分が増大し、凝固シェル衝突速度が上昇
した結果、シェル再溶解によるブレークアウト発生率が
高くなった(×)。
【0030】表2,表3の結果から、ノズルの耐久性を
向上させるには、ノズル底面における吐出孔の外縁から
の開口長さd、吐出孔の内壁上部の勾配αの上限値及び
吐出孔の内壁下部の勾配βの下限値を調整すればよく、
また、吐出流動を滑らかに保つには、吐出孔の内壁下部
の勾配βの上限値を調整すればよいことがわかる。
【0031】また、凝固シェルの再溶解性ブレークアウ
ト防止するには、ノズル底面における吐出孔の外縁から
の開口長さdの下限値を調整すればよく、同じく凝固シ
ェルの再溶解性ブレークアウト防止及びノズルの耐久性
を改善するには、角度βの下限値を調整すればよく、さ
らに、ノズル詰まりの改善を図るには、ノズル側面にお
ける吐出孔の高さcとノズル底面における吐出孔の外縁
からの開口長さdとの和(c+d)、及び吐出孔の幅e
を調整すればよいことがわかる。
【0032】そして、これらをそれぞれ最適に調整し
た、つまり本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの規定条件を
満たす実施例(1)〜(8)は、規定条件を満たさない
比較例(9)〜(11)に比べて高品質鋳片の安定鋳造
に寄与することができた。
【0033】次に、上記で良好な結果を得た本発明の連
続鋳造用浸漬ノズルを用い、電磁撹拌の有無、及び丸又
は矩形断面モールドへ注湯した場合とそうでない場合に
ついての鋳片の性状を各々調査した。この結果を次の表
4に示す。なお、表4中実施例(1)〜(8)において
使用された浸漬ノズルは、表2中の実施例(1)〜
(8)として表された浸漬ノズルと実施例No. ごとにそ
れぞれ一致する。表中◎は、非常に良好、○は良好、△
は若干の手入れが必要、の旨の評価を各々示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4に示すように、本発明の連続鋳造用浸
漬ノズルを用いて矩形断面モールドへ注湯した際には、
電磁撹拌を併用すれば、電磁撹拌を実施しない場合に比
べ、等軸晶、ポロシティ、介在物といった内部品質が向
上し、さらに鋳片の性状を良好にすることができた。
【0036】また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズルを用
い、電磁撹拌を実施して丸断面鋳片を連続鋳造した場合
には、電磁撹拌を実施しないで丸断面鋳片を連続鋳造し
た場合に比べ、等軸晶、ポロシティ、介在物といった内
部品質の向上に加え、丸断面モールド内に均一な回転流
が生じた結果、表皮下介在物が減少し、さらに、矩形断
面モールドのようにコーナー部における回転流の盛り上
がりや下降流形成がないためパウダー巻込も発生せず、
より一層、鋳片の品質の向上が図れた。
【0037】
【発明の効果】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルは、ノズ
ル底面から側面に回り込んだ吐出孔を対向して2孔設
け、これら吐出孔の各々の内壁上部及び下部に、水平な
ノズル底面に対して下方に40゜以上75゜以下の勾配
を設け、また、この構成において、各々の吐出孔の、ノ
ズル底面外縁からの回り込み開口長さを、該ノズル底面
外径寸法に対して15%以上30%以下とし、かつ各々
の吐出孔の開口上端からノズル底面までの長さと、ノズ
ル底面外縁からの回り込み開口長さとの和を50mm以上
で、開口幅を30mm以上としたので、浸漬ノズルとモー
ルド壁間隔が小さい場合にも、吐出流が凝固シェルを再
溶解することが防止できると共に吐出流が鋳片下方深く
にまで侵入することを防ぐことができ、さらにノズル詰
まりも軽微であるうえ、現状のノズルと同工程で製造で
きてしかも耐久性を向上させることができる。
【0038】また、本発明の注湯法は、本発明の連続鋳
造用浸漬ノズルを用い、モールド内に水平回転流を形成
する電磁撹拌を実施する、又は、本発明の連続鋳造用浸
漬ノズルを用い、丸断面鋳片を連続鋳造することで鋳片
性状の向上が図れ、また、本発明の連続鋳造用浸漬ノズ
ルを用い、モールド内に水平回転流を形成する電磁撹拌
を実施して、丸断面鋳片を連続鋳造すれば、一層性状の
良好な鋳片を鋳造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの構成を示し、
(a)は縦断面図、(b)は下部の横断面図である。
【図2】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルの構成を示し、
(a)は縦断面図、(b)は(a)の直交する方向から
見た正面図である。
【図3】本発明の連続鋳造用浸漬ノズルによる溶鋼吐出
時の流動パターンを示す図である。
【図4】従来の浸漬ノズルを示す縦断面図である。
【図5】従来の浸漬ノズルによる溶鋼吐出時の流動パタ
ーンを示す図である。
【図6】従来の他の浸漬ノズルを示し、(a)は縦断面
図、(b)は下部の横断面図である。
【図7】従来の他の浸漬ノズルによる溶鋼吐出時の流動
パターンを示す図である。
【符号の説明】
a ノズル外径 b ノズル内径 c ノズル側面における吐出孔の高さ d ノズル底面における吐出孔の回り込み量 e 吐出孔の開口幅 α 吐出孔の内壁上部の勾配 β 吐出孔の内壁下部の勾配

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面円筒状の連続鋳造用浸漬ノズルであ
    って、ノズル底面から側面に回り込む吐出孔を対向して
    2孔有し、これら吐出孔の各々の内壁上部及び下部に、
    水平なノズル底面に対して下方に40゜以上75゜以下
    の勾配を設けたことを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 ノズル底面における外縁からの回り込み
    開口長さを、該ノズル底面外径寸法に対して15%以上
    30%以下とし、かつ各々の吐出孔の開口上端からノズ
    ル底面までの長さと、ノズル底面における外縁からの回
    り込み開口長さとの和が50mm以上で、開口幅を30mm
    以上としたことを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造
    用浸漬ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の連続鋳造用浸漬
    ノズルを用いて矩形断面モールドへ鋳込み、該モールド
    内に水平回転流を形成する電磁撹拌を実施することを特
    徴とする注湯法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の連続鋳造用浸漬
    ノズルを用いて丸断面モールドへ鋳込むことを特徴とす
    る注湯法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の連続鋳造用浸漬
    ノズルを用いて丸断面モールドへ鋳込み、該モールド内
    に水平回転流を形成する電磁撹拌を実施することを特徴
    とする注湯法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016508448A (ja) * 2013-02-25 2016-03-22 リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー 浸漬型入口ノズル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016508448A (ja) * 2013-02-25 2016-03-22 リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コ・カーゲー 浸漬型入口ノズル

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