JP2016508448A - 浸漬型入口ノズル - Google Patents

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Abstract

本発明は、金属学における使用のため、特に、例えば鉄溶融物及び非鉄溶融物の連続鋳造におけるスラブの製造中に、第1の金属学的ユニットから第2の金属学的ユニットへ金属溶融物を搬送するための、浸漬型入口ノズル(SEN)に関する。

Description

本発明は、金属学における使用のための、特に、例えば鉄溶融物及び非鉄溶融物の連続鋳造におけるスラブの製造中に第1の金属学的ユニットから第2の金属学的ユニットへ溶融金属を搬送するための浸漬型入口ノズル(SEN:submerged entry nozzle)に関する。SENは、以下ではノズルと称される。
このような浸漬型入口ノズル(SEN)が以下に記載され、そこではノズルの使用位置(鋳込み位置)が参照され、液体金属の流れは、略鉛直かつ下方に向かう方向にノズルを通過する。
一般的なタイプの浸漬型入口ノズルは、特許文献1から既知であり、溶融金属をタンディッシュからインゴットの鋳型へ搬送するのに役立つ。
その一般的な設計は以下の如くである。
・ノズルは長手方向中心軸を有する筒状本体を備える。この筒状本体は、以下の3つの区画によって画定することができる。
a)入口開口部(入口ポート)を備える上部区画;
b)溶融物のための通路を備える中央区画であって、この通路が入口ポートから出口ポートへ延在する、中央区画;この通路は、ノズルの壁の内面によって円周方向に境界が定められている。このノズルの壁は、対向する(水平方向における)側部に2つの出口開口部を備える。出口開口部は、出口ポートを形成しており、ノズルの壁の内面からノズルの壁の外面まで延在する。出口開口部は、中央区画の壁部に沿って配置され、ノズルの長手方向中心軸又は通路の垂直部に対してそれぞれ略半径方向に延在する。
c)下部ノズル区画であって、通路及び/又は出口開口部を備えないことを特徴とする下部ノズル区画;下部ノズル区画は中実であり、耐火セラミック材料からなる。典型的には、この底部区画は、平坦(平面)であって、したがって長手方向中心軸にほとんど垂直であるか、又は、例えばその最も低い部分において(下から見たときに)凸状であるように湾曲している。湾曲している場合には、この底部区画は、隣接する上の部分のノズルの水平断面より小さな水平断面を有するノズルのその部分を同様に画定することができる。
湾曲した底部の設計は、横方向/半径方向出口開口部の下端の下の所定の距離におけるノズルの部分のような、特許文献1に規定されているいわゆる「ノーズ部分(nose portion)」を提供する。
耐火セラミック材料からなる上部区画及び中央区画の両方は、円柱状の形状を有することができる。その使用によって、少なくとも中央区画の下部、及び対応して下部ノズル区画は、他の区画のように円柱状の形状を有するか、又は別様に、例えば楕円、長方形、若しくはその種の非円形の断面を有するように設計することができる。この設計は、とりわけ薄いスラブの鋳造プロセスに使用され、同様に特許文献1によって説明されている。
このタイプのノズルによって、金属の流れは前記入口開口部(入口ポート)を介して前記通路中に流れ、この通路を2つの出口開口部(出口ポート)を通じて半径(横)方向(言い換えると、ノズルの長手方向中心軸に垂直な方向)へ出る。
特許文献1に記載されているように、この半径方向の流出は、ノズルの出口ポートを出た後の金属の流れがインゴットの鋳型の隣接する壁に衝突し、それによってストランドの薄い凝固した外側シェルの望ましくない損耗を生じさせるので、問題を生じる場合がある。
そのような衝撃による損耗を避けるために、特許文献1は、出口開口部それぞれと、鋳型の内面と、の間の籠状の中間遮蔽システムを開示している。したがって、鋳型及び/又はストランドの外側シェル上への金属の流れのすべての直接的な衝撃は回避することができるが、ノズルの出口ポートを出る際の、又はその直後の関連する(鋳型のような)金属学的容器中への流れに沿った、金属溶融物の乱流を効果的に減少させることはできない。逆に、金属溶融物の乱流は、このシステムによって増加しさえし、さらなる問題及び鋳型の上部部分(入り口区画)における溶融物の不定の凝固を引き起こす。
溶融物の均一性と、その凝固とを改善するため、特に、鋳造中の(金属)ストランドの外側シェルの不定な凝固を回避するために、ノズルの底から所定の距離だけ下における金属流れの周りに電磁的な撹拌子を設置することが経験的に知られており、この撹拌子はストランドに所定の角運動量(ねじれ角)を付与する。
このシステムは、たいていは適当に作用するが、対応した設備と投資を必要とする。撹拌領域において、逆のねじれを有して到着する金属流れの場合には、実際の利点は達成されない。
独国特許出願公開第2442915号明細書
1つの金属学的ユニットから別の金属学的ユニットへの、特にノズルを介した後続のインゴットの鋳型の中への連続的な金属の流れ(粘度のような一定の物理的特徴)を可能にする、代替的なシステムを提供することが、本発明の目的である。
従来技術の装置の上述の欠点を回避するために、本発明は以下の考察に基づいている:
‐改良のための最も重要な要因は、ノズルを出る際、及び出た後の溶融物の方向である。ノズルの中の、すなわち上述した中央通路に沿った下方への金属溶融物の流れは、それが出口開口部に達するまでは主に鉛直である。次いで、溶融物の流れは上述のように、多かれ少なかれ水平方向(ノズルの長手方向中心軸に対して半径方向)に方向を変えられ、下部ノズル区画の周り及び下に配置された鋳型の上部部分に入る際及び/又は後に、溶融物の流れが主に鉛直な方向に戻る前に出口開口部を貫通する。言い換えると、溶融物の流れは、2つの略直角な方向の変化(偏向)によって特徴づけられている。
‐本発明の第1の、かつ重要な特徴は、金属の流れにおける「軟化された(soften)」これらの不連続性である。これは、徹底的な研究及び水のモデリング試験によれば、出口ポート(出口開口部)をノズルの(中央)区画から、底部又はノズルの「底部区画」中に延在させることによって達成することができる。言い換えると、出口ポート(出口開口部)は、ノズル全体の長手方向において、下部ノズル区画中に拡張され、その底部区画中に下方に向かって開口する。
特許文献1のノズルとは対照的に、出口開口部は、ノーズ部分の(平坦な/平板状の、又は湾曲した)形状とは無関係に、ノズルの底部区画(ノーズ部分)中に延在する。新しいノズルの設計の底部は、少なくとも1つの出口開口部の下端を備えることを特徴とする。
この設計の特徴によって、対応する(又はそれぞれの)出口開口部は、金属溶融物が、多かれ少なかれ水平な(半径方向であることが多い)方向だけでなく、鉛直な方向にも流出することを可能にする。
言い換えると、金属流れがベクトルによって特徴づけられる場合には、それはかなり大きなベクトルの鉛直成分V(加えて従来のベクトルの水平成分V)を提供する。金属流れの流れ方向を規定するベクトルの鉛直成分と水平成分との間の関係(V/V)は、ノズルの中央区画及び底部区画に沿った出口開口部(出口スリット)の長さ及び幅それぞれによって設定することができる。
出口開口部のノズルの底部区画中への拡張は、金属の流れの、ノズルから関連する金属学的ユニット中への途中の金属の流れのいずれかの方向転換の「急激さ(sharpness)」を減少させる。
溶融物の主な容積は、依然として、ノズルの中央区画の下部に沿って配置された出口開口部の部分を介して横方向に逃げることができるが、隣接する(拡張された)出口開口部の最も低い部分は、溶融物流れを鉛直な下方に向かう動き(方向)へ曲げるように付勢し、対応する下方へ向かう方向とねじれとを有して流出させる。
ノズルの底部内の出口開口部が、溶融物の流れの対応する角運動量に関与することが見いだされた。
出口開口部は様々な断面パターンを有することができるが、好ましいパターンは水平方向よりも鉛直方向に長い長さを有するスリット様のパターンであり、その関係は、>2:1、>3:1、 >4:1、 >5:1、>6:1、 >7:1である。
典型的には、出口開口部の上部及び下部の両方の幅(周方向に)はほぼ同じである。
‐本発明の第2の特徴は、出口開口部の半径方向/横方向の方向付けである。長手方向中心軸を備える平面に平行な平面に対して傾斜したスリット状の開口部は、金属の流れ内の大きな角運動量を達成する/実行するのに好ましい。
‐開口部(特にスリット)の数及び配置に依存して、並びに中央ノズル区画の下部の設計に依存して、>5°、 >8°、 >12°、 >20°、>30°の角度αを有する傾斜が最も好適である。ノズルの長手方向中心軸を含む平面に対する5度〜45度の角度は、金属流れに、ほとんどの用途において好ましい10度〜30度の角度を有する所定の接戦方向の流れ方向を与える。
‐開口部それぞれの対向する鉛直方向の境界表面は、必要とされる角運動量に依存して、平坦である(平面)又は湾曲している、互いに対して平行である又は異なる傾斜/曲率を有することができる。
‐出口開口部の数は、変形され、改良された流出パターンを達成するためのさらなる特徴である。従来技術の装置は、2つの対向する出口開口部を特徴とする。互いに対して120度だけオフセットした3つの出口開口部、好ましくはこれもまた互いに対して同じ角度だけオフセットした4つの、5つの、6つ又はそれ以上の出口開口部が、溶融物流れとその角度的ねじれに影響を与えるための任意の特徴である。
この知識に基づいて、本発明は、その最も一般的な実施形態において、以下の特徴を備える浸漬型入口ノズルによって説明することができる。
‐長手方向中心軸を有する略円筒状の本体、及び使用位置においてノズルの上端であるノズルの第1の端部における入口ポートから、使用位置においてノズルの下端であるノズルの第2の端部に向かって延びる通路
‐ノズルの第2の端部は、平坦であるか、又は外側から見たときに凸状であるかのいずれかである底部を提供する
‐前記通路は少なくとも1つの出口ポートに合流し、出口ポートは長いスリットとして設計され、このスリットは、底部まで所定の距離を有する所定の位置から、前記底部の中に連続的に伸びる
言い換えると、従来技術のノズルは、閉塞された底部によって特徴づけられ、いずれの出口開口部も単にノズルの中央区画の下部の円柱状の壁に沿って配置されているにすぎないが、新しい設計は出口開口部を提供し、この出口開口部の下部はノズルの底部中に延在して、金属溶融物が少なくとも部分的に鉛直な流れ方向に流出することを可能とし、この拡張された出口開口部は、所定のねじれを有して流出する金属流れを提供することを可能にする。
スリットは、長手方向中心軸を備える平面に平行な平面に延在する長い側壁を有することができる。
代替的な実施形態において、スリットは、長手方向中心軸を備える平面に対して<45度の角度で配置された平面内に延在する長い側壁を有して、流出する金属流れに所定のねじれを付与する。
スリットは、鉛直であるか、又は鉛直に対して所定の角度を有するかのいずれかの線形の延長部を有することができる。
一の実施形態によれば、スリットはスパイラル状又はヘリックス状の延長部を有し、この延長部は流出する金属流れ中にさらなる角運動量を生じさせる。
スリットの長さ及び幅は、ノズル及び鋳造条件によって変化させることができる。上述の利点は、ノズル底部の表面の(合計で)5〜50%(通常は10〜30%)に亘って延在する1つ以上のスリット、及び/又はその幅の3倍以上の長さを有する1つのスリットによって、最高の状態で達成することができる。
多くのさらなる改良を、ノズルの外周面に沿って、互いに同一の角度で、好ましくは回転対称の態様で配置された、いくつかのスリットによって達成することができる。
本発明のさらなる特徴を、従属請求項及び他の出願書類から得ることができる。
本発明は、図的な説明を示す添付の図面を参照して以下に記載される。
新しいノズルの第1の実施形態の側面図である。 図1のノズルのノーズ部分の拡大図である。 図2によるノーズ部分を下から見た斜視図である。 新しいノズルの第2の実施形態の側面図である。 図4のノズルのノーズ部分の拡大図である。 図5によるノーズ部分を下から見た斜視図である。 新しいノズルの第3の実施形態の下部中央区画及び底部の、下から見た斜視図である。
図面において、同一の符号は同一の部品又は同様の機能(技術用語において)を有する部品を特定するために使用されている。
図1は、
‐入口ポート12を有する上部区画10と、
‐通路16を備える中央区画14であって、この通路16は前記入口ポート12から出口ポート18まで延在する中央区画14において、通路16は、耐火性セラミックのノズル壁22(筒状本体)の内壁20によって区切られている、中央区画14と、
‐ドーム状(外側から見たときに凸状)に形成され、ノズルの外径が縮径する(線Aによって特徴づけられている)ノズルの部分からノズルの最も下部(線Bによって特徴づけられている)まで延在する、下部部分22と、を備える、
‐筒状本体
を有するロッドとして形成された、浸漬型入口ノズルを示している。
出口ポート18は、ノズルの外壁22の周りに、互いに対して同一の距離に配置された4つのスリット状の出口開口部18.1〜18.4(図3)に分割されている。
スリット18.1〜18.4のそれぞれは、
‐ノズルの中央区画14の下部領域に配置された上端(線Cによって特徴づけられている)から底部22中に、そしてさらに線Dによって特徴づけられた領域へとさらに下方に向かって延在し、
‐その幅の約10倍の長さを有し、
‐上端と下端との間にらせん形/スパイラル形/へリックス形の形状を有し、
‐ノズルの長手方向中心軸LAを備える平面に平行な側壁18wを有する。
したがって、金属はノズルに12を介して入り、通路16を通じて前記ノズルの下端に向かって流れ、4つのスリット状の出口開口部18.1〜18.4によってノズルから出る。
これらスリット18.1〜18.4の形状と配置の故に、ノズルから出る金属流れは、鉛直な(下方に向かう)流れ成分(底部区画22におけるスリットの下部によって主に引き起こされる)及び角運動量(主にスリット18.1〜18.4のへリックス形状と底部区画22におけるスリットの下部とによって引き起こされる)を有し、角運動量は、乱流及び対応する鋳型の隣接する壁との衝突を減少させる。
図4〜6の実施形態は、軸LAに垂直なこの実施形態においては底部22が平坦であるので、図1〜3の実施形態と異なり、底部区画22の上端及び下端は、図1〜3に従って線A、Bによってこれもまた表されている底部22の上部及び下部の平坦な表面によって画定される。
出口スリット18.1〜18.4の下部は、前記水平な底部18(図6)に沿って延在し、すなわち前記底部18を貫通し、したがってこれら底部開口部を出るときに、溶融物に大きな鉛直かつねじれた成分を与える。
図7は、以下の相違点を有する、図4〜6の実施形態に類似する実施形態を開示している。
‐1つのスリット18.1しか有さない
‐このスリット18.1は、線形の延長部を有する
‐このスリット18.1とその側壁とは、鉛直に対して傾斜している
図7による実施形態は、とりわけ図1〜6による2つ以上のスリットの実施によって、又は別の方法で補正することができる。
12 入口ポート
16 通路
18 出口ポート
18w 側壁
22 底部
LA 長手方向中心軸

Claims (8)

  1. 浸漬型入口ノズルであって、長手方向中心軸(LA)を有する略円筒状の本体と、使用位置において前記ノズルの上端である前記ノズルの第1端部における入口ポート(12)から使用位置において前記ノズルの下端である前記ノズルの第2端部に向かって延びる通路(16)と、を有する浸漬型入口ノズルにおいて、
    前記ノズルの前記第2端部は底部(22)を提供し、該底部は平坦であるか、又は外側から見たときに凸状であるかのいずれかであり、
    前記通路(16)は少なくとも1つの出口ポート(18)に合流し、該出口ポートは長いスリットとして設計され、該スリットは、前記底部(22)まで所定の距離を有する所定の位置から、前記底部(22)の中に連続的に伸びていることを特徴とする浸漬型入口ノズル。
  2. 前記スリットは、前記長手方向中心軸(LA)を備える平面に平行な平面内に延在する長い側壁(18w)を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
  3. 前記スリットは、長手方向中心軸(LA)を備える平面に対して<45度の角度で配置された平面内に延在する長い側壁(18w)を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
  4. 前記スリットが線形の延長部を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
  5. 前記スリットがスパイラル状又はヘリックス状の延長部を有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
  6. 前記スリットの長さの5〜30%が、前記ノズルの底部(22)内に延在することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
  7. 前記スリットは、その幅の3倍以上の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
  8. 前記ノズルの外周面に沿って互いに対して同一の角度で配置された、いくつかのスリットを有することを特徴とする請求項1に記載の浸漬型入口ノズル。
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