JPH11216000A - Hla−a対立遺伝子型の判別方法 - Google Patents

Hla−a対立遺伝子型の判別方法

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JPH11216000A
JPH11216000A JP10305892A JP30589298A JPH11216000A JP H11216000 A JPH11216000 A JP H11216000A JP 10305892 A JP10305892 A JP 10305892A JP 30589298 A JP30589298 A JP 30589298A JP H11216000 A JPH11216000 A JP H11216000A
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seq
group
specific
hla
pcr
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Toyoteru Moribe
豊輝 森部
Toshihiko Kaneshige
俊彦 兼重
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Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】HLA−A対立遺伝子型の判別方法、およびキ
ット、試薬を提供する。 【解決手段】少なくとも1つの特定のHLA−A対立遺
伝子の塩基配列に特異的なプライマー対を用いて、およ
び特定のHLA−A対立遺伝子群からなる少なくとも1
つの特定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基配列に特
異的な各グループに対応するプライマー対のセットを用
いてPCR法を行い、選択的増幅より得られた産物を電
気泳動により展開し検出する方法(A'法)および各特
定のグループ内のHLA−A対立遺伝子群の増幅産物
を、特異的な切断部位を与える制限酵素または全く切断
部位を与えない制限酵素により処理しそれを電気泳動に
より展開し検出する方法(B法)を組み合わせて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ヒトの主要組織適合抗原であるH
LA(Human Leukocyte Antigen)は、免疫担当細胞の
膜表面に発現し、抗原処理(antigen processing)され
た外因性および内因性抗原由来のぺプチドをTリンパ球
に提示すると共に、自己・非自己の識別マーカーとして
機能している。本発明は、HLA−A対立遺伝子型の判
別方法、その試薬およびキットに関するものであり、特
に臨床医学領域の臓器移植の際のドナー・レシピエント
間の適合性の判定や各種疾病との相関性解析などにおい
て有用である。
【0002】
【従来の技術】HLA抗原は、従来より、主にヒト同種
抗体を用いた血清学的方法により、型判別が行われてき
た。すなわち臍帯血や頻回輸血者の血清中に含まれる各
HLA抗原型に対する特異抗体を用いて抗原抗体反応を
行い、補体依存性の細胞障害を惹起させることで、陽性
細胞は細胞膜の透過性に変化を来しエオジン色素などの
取り込みにより、顕微鏡下で着色され膨化した形態とし
て識別できる。この方法により、HLAクラスI抗原で
あるHLA−A、B、C抗原および同クラスII抗原で
あるDR,DQ抗原の型を識別することが可能である
が、これらの方法は特異抗体の採取と品質維持、および
供給面に問題があった。また方法論的には細胞の生存を
指標として判定するため、被検試料の状態の悪化、例え
ば疾病や採血後の経時的影響に起因する細胞生存率の低
下などが検査成績の信頼性の低下の誘因になるという問
題があった。
【0003】近年分子生物学的技術の発展により、HL
A抗原をコードする遺伝子領域の解析に伴い各種のHL
A抗原型と遺伝子の塩基配列の対応性について知られる
ようになった。すなわちHLA遺伝子の特定の遺伝子配
列を調べることで、被検試料のHLA抗原型を決定する
(遺伝子タイピング)ことが可能となった。特に微細な
塩基配列の変化を高感度に検出可能な技術であるPCR
(Polymerase Chain Reaction)法はHLAクラスII
抗原遺伝子である、DR、DQ、DP遺伝子のタイピン
グに利用されている。これらのPCR法を基盤としたH
LAクラスII遺伝子タイピングの技法として、PCR
−SSOP(Sequence-Specific Oligonucleotide Prob
e)法、PCR−RFLP(Restriction Fragment Leng
th Polymorphism)法、PCR−SSP(Sequence-Spec
ific Primer)法、PCR−SSCP(Single Strand C
onformation Polymorphism)法などが開発されている。
これらの技法は何れも解析の対象となる遺伝子領域をP
CR法で増幅し、その増幅産物を必要に応じてさらに別
の技法を用いることにより、塩基配列の可変部位を解析
して、遺伝子型を判別するものである。このHLAクラ
スII遺伝子タイピングでは、従来のヒト同種血清を用
いた血清学的方法による型分類に留まらず、遺伝子レベ
ルの型分類を可能にしている。すなわち、従来の血清学
的方法では同一と考えられていた抗原が、遺伝子配列の
違いによりさらに細分化され、本検査の臨床的意義の拡
大をもたらしている。
【0004】HLAクラスII遺伝子タイピングに比
べ、PCR法を利用したクラスI遺伝子タイピングの実
用化は著しく遅れている。これは、(1)クラスII遺
伝子では、抗原特異性を反映したものを含め遺伝子変異
(遺伝子置換)の多くが第2エクソン(exon)に集
中しているのに対し、クラスI遺伝子では第2〜3エク
ソン、また一部は第4エクソンに散在している、(2)
非古典的遺伝子(HLA−E、F、G)および疑偽遺伝
子(HLA−H、J、K、L)を含めHLAクラスI遺
伝子間の相同性が高い、などが理由である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の血清学的方法によるHLA−Aローカス抗原タイピン
グの測定上の問題を解決し、従来法では識別分類が不可
能であったA抗原のサブタイプを遺伝子レベルで分類
(アリルタイピング)可能にする方法およびそれに用い
るキットや試薬を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
に鑑み、鋭意研究した結果、染色体DNA中に存在する
少なくとも1つの特定のHLA−A対立遺伝子の塩基配
列に特異的なPCR増幅用プライマー、または特定のH
LA−A対立遺伝子群からなる少なくとも1つの特定の
グループ内の各遺伝子に共通の塩基配列に特異的な各グ
ループに対応するPCR増幅用プライマーを、創意工夫
して設定することができた。さらにHLA−A対立遺伝
子の特定グループ由来のPCR増幅産物に対しては、各
グループ毎に必要に応じた一連の制限酵素の処理により
得られるDNA断片サイズから、1種類の対立遺伝子を
判別することが可能であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち本発明は以下のA法およびB法を
組み合わせて行うHLA−A対立遺伝子型の判別方法を
主旨としたものである。 A法: (1)特定のHLA−A対立遺伝子群からなる少なくと
も1つの特定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基配列
に特異的な各グループに対応するプライマー対のセット
を用いてPCR法を行い、各特定のグループ内のHLA
−A対立遺伝子群をグループとして選択的に増幅する、
(2)前記PCR法により得られた増幅産物を電気泳動
により展開し、特定のサイズの増幅されたDNAバンド
の存在の有無を確認することにより、各特定のグループ
内のHLA−A対立遺伝子群の特定の型をグループとし
て判別する。 B法: HLA−A対立遺伝子群の特定の型がグループ
として判別された場合に、RFLP法、PCR−RFL
P法、SSOP法、PCR−SSOP法、PCR−SS
P法またはPCR−SSCP法をさらに行う。
【0008】ここで上記特定のグループは特定のHLA
−A対立遺伝子群からなる。例えば本発明の1つの態様
として、以下の遺伝子群からなるA3-1グループ、A3-2グ
ループ、A3-3グループ、A3-4グループを例示することが
できる。すなわち、A3-2グループはA*0201〜A*0221、A*
6901の遺伝子群からなり、A3-3グループはA*0217、A*23
01、A*2402〜A*2408、A*2410、A*2413、A*2414の遺伝子
群からなり、A3-4グループはA*0202、A*0205、A*0208、
A*0214の遺伝子群からなり、A3-1グループはその他の遺
伝子群からなる。ここで各グループに対応するPCRプ
ライマーは、これら複数のグループのうちの特定のグル
ープを増幅するために、該特定のグループに含まれる全
ての各遺伝子に共通な塩基配列に特異的であるように設
定する。例えば、A3-1グループではA3-12Aであり、A3-2
グループではA3-12Gであり、A3-3グループではA3-25Tで
あり、A3-4グループではA3-59Gである。該特定のグルー
プを選択的に増幅する場合、各グループに対応するプラ
イマー対としてセンス(Sense)、アンチセンス
(Antisense)の両方に必ずしもあるグループ
に特異的な前記で設定するプライマーを用いる必要はな
く、一方にあるグループに特異的なプライマーを用い、
もう一方に全てのグループに特異的なプライマー、例え
ばA3-273Tを用いてもよい。
【0009】さらに本発明は以下のA'法およびB法を
組み合わせて行うHLA−A対立遺伝子型の判別方法を
主旨としたものでもある。 A'法: (1)少なくとも1つの特定のHLA−A対立遺伝子の
塩基配列に特異的なプライマー対を用いて、および特定
のHLA−A対立遺伝子群からなる少なくとも1つの特
定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基配列に特異的な
各グループに対応するプライマー対のセットを用いてP
CR法を行い、各特定のHLA−A対立遺伝子および各
特定のグループ内のHLA−A対立遺伝子群をグループ
として選択的に増幅する、(2)前記PCR法により得
られた増幅産物を電気泳動により展開し、特定のサイズ
の増幅されたDNAバンドの存在の有無を確認すること
により、対応する各特定のHLA−A対立遺伝子の型お
よび/または各特定のグループ内のHLA−A対立遺伝
子群の特定の型をグループとして判別する。 B法: HLA−A対立遺伝子群の特定の型がグループ
として判別された場合に、RFLP法、PCR−RFL
P法、SSOP法、PCR−SSOP法、PCR−SS
P法またはPCR−SSCP法をさらに行う。
【0010】本発明の判別方法は、白血球等の被検試料
より得られる染色体(ゲノム)DNAに対して行う。本
発明の判別方法におけるA'法は2つに分類することが
でき、1つは少なくとも1つの特定のHLA−A対立遺
伝子の塩基配列に特異的なプライマー対を用いてPCR
法を行い、各特定のHLA−A対立遺伝子を選択的に増
幅する工程、および他の1つは特定のHLA−A対立遺
伝子群からなる少なくとも1つの特定のグループ内の各
遺伝子に共通の塩基配列に特異的な各グループに対応す
るプライマー対のセットを用いてPCR法を行い、各特
定のグループ内のHLA−A対立遺伝子群をグループと
して選択的に増幅する工程である。前者の工程では以
後、増幅産物の電気泳動を行い、特定のDNAバンドを
確認することで各特定のHLA−A対立遺伝子の型が判
別できる。後者の工程では同じく増幅産物の電気泳動を
行うが、ここでは各特定のグループ内のHLA−A対立
遺伝子群の特定の型がグループとして判別されるのみで
あり、この段階では各グループ内のHLA−A対立遺伝
子それぞれの型は判別できない。従って後者の場合は、
本発明方法におけるB法を以後適用する。
【0011】上記A法若しくはA'法におけるDNAバ
ンドの確認は、例えばゲル電気泳動後の臭化エチジウム
染色の紫外線照射などにより行う。このA法若しくは
A'法では1検体について、1または2のバンドが確認
されるが、それは各被検試料がHLA−A対立遺伝子の
特定の型をホモ接合体またはヘテロ接合体で保有するか
らである。
【0012】B法ではHLA−A対立遺伝子群の特定の
型がグループとして判別された場合に、RFLP法、P
CR−RFLP法、SSOP法、PCR−SSOP法、
PCR−SSP法またはPCR−SSCP法をさらに行
う。
【0013】本発明は1つの態様として、上記A法若し
くはA'法を行った後に、以下のB法を適用する方法を
提供する。すなわちRFLP法として、以下の(1)お
よび(2)の工程を行う。 (1)各特定のグループ内のHLA−A対立遺伝子群の
増幅産物を、特異的な切断部位を与える制限酵素または
全く切断部位を与えない制限酵素により処理する、
(2)前記制限酵素により処理した増幅産物を電気泳動
により展開し、制限酵素切断の存在の有無を反映するD
NA断片サイズを判読し、既知のHLA−A対立遺伝子
型のDNA断片サイズを記載した判定表に照らして該H
LA−A対立遺伝子群の各型を判別する。ここで前記判
定表は、あらかじめHLA−A対立遺伝子型が既知であ
る試料の増幅産物を前記制限酵素により処理し、得られ
たDNA断片サイズを整理・記載して作成する。当業者
ならば、このような判定表は容易に作成できる。
【0014】ここに、判定表としては例えば図1〜3を
参考にすればよい。本明細書にて使用している制限酵素
以外の制限酵素を使用する場合には別の判定表を使用す
ればよい。該別の判定表は、HLA−A対立遺伝子型が
既知の試料の増幅産物を新たな制限酵素により処理し、
得られたDNA断片サイズから作成すればよい。当業者
ならば、このような判定表は作成できる。またこのB法
においても、各被検試料がHLA−A対立遺伝子の特定
の型をホモ接合体またはヘテロ接合体で保有することに
留意する。
【0015】なお上記A法、A'法およびB法におい
て、増幅産物は電気泳動により展開しているが、一般的
にはポリアクリルアミドゲル電気泳動、アガロースゲル
電気泳動、キャピラリー電気泳動などのゲル電気泳動の
技法が利用される。
【0016】上記以外にもB法として、各特定のグルー
プ内のHLA−A対立遺伝子群の増幅産物をナイロンや
ニトロセルロースなどの膜にブロッティングし、HLA
−A対立遺伝子の多型性を示す領域に相補的なオリゴヌ
クレオチドプローブを該膜に対してハイブリダイズさせ
ることにより該HLA−A対立遺伝子群の各型を判別す
るSSOP法が挙げられる。なお前記SSOP法はその
変法である逆ドットブロット(reverse dot blot)法も
含むものである。またB法として、HLA−A対立遺伝
子群の特定の型がグループとして判別された後に被検試
料より得られる染色体DNA若しくは前記増幅産物に対
してさらにPCR法を行い、その増幅産物を必要に応じ
てさらに別の技法を用いて解析するPCR−RFLP
法、PCR−SSOP法、PCR−SSP法またはPC
R−SSCP法なども挙げることができる。これらの方
法は多くの成書に記載されているので、それらに従って
行うことができる。
【0017】本発明は前記方法に、さらにRFLP法、
PCR−RFLP法、SSOP法、PCR−SSOP
法、PCR−SSP法またはPCR−SSCP法から選
ばれる1または2の方法を行うことによって、HLA−
A対立遺伝子を判別することも含む。例えばPCR−S
SP法として、少なくとも1つの特定のHLA−A対立
遺伝子の塩基配列に特異的なプライマー対を用いてPC
R法を行い、各特定のHLA−A対立遺伝子を選択的に
増幅する。
【0018】本発明のA法若しくはA'法における、少
なくとも1つの特定のHLA−A対立遺伝子の塩基配列
に特異的なプライマー対としては、A1-67A(配列番号1
3)とA2-234C(配列番号4)、A1-67T(配列番号1
4)とA2-234C(配列番号4)、A2-87G(配列番号1
5)とA2-234C(配列番号4)、A2-87A(配列番号1
6)とA2-234C(配列番号4)、A2-226A(配列番号1
7)とA3-68G(配列番号23)、A2-226C(配列番号1
8)とA3-68G(配列番号23)、A2-5T(配列番号2)
とA2-197A(配列番号19)、A2-5T(配列番号2)とA2
-197T(配列番号20)、A3-25A(配列番号21)とA3-
273T(配列番号10)、A3-25G(配列番号22)とA3-2
73T(配列番号10)、A3-159A(配列番号24)とA3-2
73T(配列番号10)、A3-159C(配列番号25)とA3-2
73T(配列番号10)、A4-8C(配列番号11)とA4-224
G(配列番号26)、A4-8C(配列番号11)とA4-224T
(配列番号27)、A2-29A(配列番号28)とA2-197A
(配列番号19)、A2-29A(配列番号28)とA2-197T
(配列番号20)、A2-29T(配列番号29)とA2-234C
(配列番号4)、A2-81C(配列番号3)とA2-229C(配
列番号30)、A3-71G(配列番号31)とA3-240G(配
列番号32)から選ぶことができ、また特定のHLA−
A対立遺伝子群からなる少なくとも1つの特定のグルー
プ内の各遺伝子に共通の塩基配列に特異的な各グループ
に対応するプライマー対としては、A2-5C(配列番号
1)とA2-234C(配列番号4)、A2-5T(配列番号2)と
A2-234C(配列番号4)、A2-81C(配列番号3)とA2-23
8A(配列番号5)、A3-12A(配列番号6)とA3-273T
(配列番号10)、A3-12G(配列番号7)とA3-273T
(配列番号10)、A3-25T(配列番号8)とA3-273T
(配列番号10)、A3-59G(配列番号9)とA3-273T
(配列番号10)、A4-8C(配列番号11)とA4-254G
(配列番号12)から選ぶことができる。これらのプラ
イマー対およびそのPCR増幅産物のDNA断片サイズ
を記載した表は図4に示す。なお本発明は、上記HLA
−A遺伝子タイピングに使用するための、少なくとも1
つの特定のHLA−A対立遺伝子の塩基配列に特異的な
プライマー、または特定のHLA−A対立遺伝子群から
なる少なくとも1つの特定のグループ内の各遺伝子に共
通の塩基配列に特異的な各グループに対応するプライマ
ー(配列番号1〜配列番号32)自身も含むものであ
る。
【0019】またB法における、各特定のグループ内の
HLA−A対立遺伝子群の増幅産物に特異的な切断部位
を与える制限酵素または全く切断部位を与えない制限酵
素は、Fok I、Bsr I、Hinf I、Msp I、Sac II、Bst N
I、Mnl I、Hae III、Hga I、Bsp1286 I、Fnu4H I、TspR
I、Nla III、Nla IV、Ava II、BsaJ I、BsaH I、PmaC
I、MspA1 Iから選ぶことができる。
【0020】HLA−A対立遺伝子は新規なものが次々
と発見され、WHO(世界保健機構)のHLA命名委員
会の報告書では1997月3月時点で82種類の対立遺
伝子の存在が知られている。本発明はこれらの全ての対
立遺伝子を識別することが可能であるが、今後さらに発
見・登録される対立遺伝子の識別についても本発明で示
した方法若しくはそれに対する上記以外のプライマーや
制限酵素の追加などの容易な改変により、対応すること
は可能である。
【0021】また本発明は、本明細書記載のHLA−A
対立遺伝子型の判別方法に使用するためのキット、試薬
も提供することが可能である。さらに本発明は、本明細
書記載のプライマーを含むキット、試薬も提供すること
が可能である。該キットは、例えば本発明で開示されて
いるプライマー(配列番号1〜配列番号32)を含む溶
液、PCR緩衝液(濃縮溶液でもよい)、耐熱性DNA
ポリメラーゼおよび該キットの説明書(上記判定表を含
む)により構成される。前記プライマーは、プライマー
対若しくはプライマーセットの形で構成されていてもよ
く、該プライマーを含む溶液は凍結乾燥状態でもよい。
B法にRFLP法を適用する場合、必要に応じて本発明
で開示されている制限酵素およびその制限酵素切断用緩
衝液を構成に加えてもよい。またB法にSSOP法を適
用する場合、適当なオリゴヌクレオチドプローブ(標識
していても標識していなくてもよい)、変性液、ハイブ
リダイゼーション緩衝液、洗浄液および発色試薬(非標
識の場合)などを構成に加えてもよい。さらにゲノムD
NAを単離するためのグアニジンチオシアネートバッフ
ァーなど、キットの構成は本発明の実施を促進する程度
で任意に追加することができる。
【0022】本発明の実用法の手順の1つとしては、表
1に示したプライマー群の内、第2エクソンについては
A2-5CとA2-234C(A2-1グループ)、A2-5TとA2-234C(A2
-2グループ)、A2-81CとA2-238A(A2-3グループ)の3組
のプライマー対のセット、第3エクソンについてはA3-1
2AとA3-273T(A3-1グループ)、A3-12GとA3-273T(A3-2
グループ)、A3-25TとA2-273T(A3-3グループ)、A3-59
GとA3-273T(A3-4グループ)の4組のプライマー対のセ
ット、第4エクソンについてはA4-8CとA4-254G(A4-1グ
ループ)のプライマー対を用いて、被検DNA試料より
PCR増幅を行い、増幅したグループを特定する。この
とき1反応チューブに1プライマー対を用いて増幅を行
えばよい。次にそのグループ内の対立遺伝子を区別可能
な一連の制限酵素による処理を行い、DNA断片サイズ
を判読し、判定表のサイズを参考にして、A対立遺伝子
を特定する。なお、以上の操作で、1つの被検試料から
2種類以下のA対立遺伝子が特定できない場合には、必
要に応じて特定のA対立遺伝子またはA対立遺伝子群の
特定のグループに特異的なプライマー対によりPCR法
を施行し、増幅の有無を元にして特定する。
【0023】
【表1】
【0024】次に、前記本発明の実用法の手順の1つを
さらに詳細に説明する。
【0025】以下にゲノムDNAの調製方法の一例を説
明する。採取した血液より常法に従い白血球を分離し、
これにグアニジンチオシアネートバッファーなどを加え
て溶解させた後、フェノール抽出によりタンパク質を除
去する。これに酢酸ナトリウム(pH 5.2)を添加し攪拌
後、冷エタノールを添加してゲノムDNAを得る。この
DNAを用いて、以下のようにしてHLA−A遺伝子の
型判定を行う。
【0026】先ず、前記DNAを用いて上記表1に示し
たようなプライマーを用いたPCR法によりHLA−A
遺伝子の第2、3、4エクソン領域の増幅を行う。
【0027】例えば、第2エクソンについてはA2-5CとA
2-234C(A2-1グループ)、A2-5TとA2-234C(A2-2グルー
プ)、A2-81CとA2-238A(A2-3グループ)の3組のプライ
マー対のセットを用いる。増幅反応に用いる試薬は市販
のものを使用することができ、添付の説明書の指示に従
って行えばよいが、必要に応じ反応温度、時間、サイク
ル数などの条件を変えてもよい。増幅産物は常法に従
い、10%程度のポリアクリルアミドゲルで電気泳動後、
エチジウムブロマイド染色してグループ特異的に増幅し
たバンドを検出することができる。また、ゲルはアガロ
ースなども用いることができ、ゲル濃度は必要に応じ変
えてもよい。
【0028】例えば、第3エクソンについてはA3-12Aと
A3-273T(A3-1グループ)、A3-12GとA3-273T(A3-2グル
ープ)、A3-25TとA2-273T(A3-3グループ)、A3-59GとA
3-273T(A3-4グループ)の4組のプライマー対のセット
を用いる。以下第2エクソンと同様の工程で、PCR法
によるDNA増幅を行い、電気泳動により増幅産物(グ
ループ特異的に増幅したバンド)を検出する。
【0029】例えば、第4エクソンについてはA4-8CとA
4-254G(A4-1グループ)のプライマー対(セット)を用
いる。以下第2、3エクソンの検出と同様の工程で、D
NA増幅、増幅産物(グループ特異的に増幅したバン
ド)の検出を行う。
【0030】次に、グループとして判別された遺伝子群
に対してはPCR増幅産物をそれぞれのグループに特異
的な制限酵素を用いて切断する。例えば、あるグループ
はFok I、Bsr I、Hinf I、Msp I、Sac II、Bst N I、あ
るグループはFok I、 Hinf I、Msp I、あるグループはB
sr I、Bst N I、Mnl I、あるグループはFok I、Msp I、
Mnl I、Hae III、Hga I、あるグループはFok I、Bsr
I、Bsp1286 I、Fnu4H I、あるグループはBsp1286 I、Fn
u4H I、あるグループはTspR I、あるグループはPst Iあ
るいはBst N Iで切断する。また、必要に応じてNla II
I、Nla IV、Ava II、BsaJ I、Mnl I、BsaH I、PmaC I、
MspA1 I、TspR I、Bsp1286 I、Bsr Iのうちから制限酵
素を選択し、補助的な切断を行う。切断した増幅産物は
常法に従い、10%程度のポリアクリルアミドゲルで電気
泳動後、エチジウムブロマイド染色してバンドを検出
し、そのRFLPバンドパターンから判定表などに従っ
てHLA−A遺伝子型を判定することができる。また前
記同様、ゲルはアガロースなども用いることができ、ゲ
ル濃度は必要に応じ変えてもよい。なお、制限酵素は市
販のものを使用することができ、添付の説明書の指示に
従って切断反応を行えばよい。
【0031】PCR−RFLP法によって判別できない
アリルの組み合わせ、例えば、A*0201=0207=0215N=022
0、A*0205=0208、A*0206=0221、A*0207=0215N、A*2402=
2405、A*2601=2605、A*7401=7402については、表1に示
したシークエンス特異的プライマーの対、A3-25AとA3-2
73T(A*0201特異的)、A3-25GとA-273T(A*0207特異
的)、A2-5TとA2-197T(A0201、A0205特異的)、A2-5T
とA2-197A(A*0208、A*0220特異的)、A2-87GとA2-234C
(A*0206特異的)、A2-87AとA2-234C(A*0221特異
的)、A4-8CとA4-224G(A*0207特異的)、A4-8CとA4-22
4T(A*0215N特異的)、A3-159AとA3-273T(A*2402特異
的)、A3-159CとA3-273T(A*2405特異的)、A2-226CとA
3-68G(A*2601特異的)、A2-226AとA3-68G(A*2605特異
的)、A1-67AとA2-234C(A*7401特異的)、A1-67TとA2-
234C(A*7402特異的)を用いてPCR−SSP解析を行
い判別する。これらは、PCR増幅の有無によってHL
A−A遺伝子型を判定する。このとき1反応チューブに
1プライマー対を用いて増幅を行うが、該反応チューブ
に複数のプライマー対を入れて増幅させてもよい。実際
の検査・キットでは、例えばA*02アリル関連の3種類の
PCR−SSP解析、すなわちA*0201=0207、A*0201=02
20、A*0207=0215N用のPCR−SSP反応を1チューブ
で行い、操作タスクや経費の削減を実現することができ
る。
【0032】また、PCR−RFLPとPCR−SSP
解析によって判別できないヘテロ接合体の組み合わせ、
例えば、A*0201/0208=0205/0220、A*0201/0205=0202/02
06、A*2402/2502=2407/2501、A*6602/6803=6603/68012
については、表1に示したプライマーの対、A2-29AとA2
-197A(A*0220特異的)、A2-29AとA2-197T(A*0201、A*
0202特異的)、A2-81CとA2-229C(A*2501、A*2502特異
的)、A2-29TとA2-234C(A*68012、A*6803特異的)を用
いてDNA増幅を行う。増幅産物は常法に従い、ポリア
クリルアミドゲル電気泳動またはアガロース電気泳動
後、エチジウムブロマイド染色してバンドを検出するこ
とができる。
【0033】そしてPCR増幅産物は制限酵素、例え
ば、Msp IあるいはBsr Iで切断し、前記同様ゲル電気泳
動などによりバンドを検出する。そして、そのRFLP
バンドパターンからHLA−A遺伝子型を判定する。
【0034】
【実施例】次に、実際の既知試料を用いた実施例によっ
て本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこ
れらのみに限定されるものではない。
【0035】実施例11.ゲノムDNAの単離 正常人より採取した血液(約10ml)より常法に従い分離
した白血球(試料1〜7)あるいはホモ接合体の培養細
胞株(試料8〜10)に500μlのグアニジンチオシアネー
トバッファー(4Mグアニジンチオシアネート、25mMク
エン酸ナトリウム(pH 7.0)、0.5% N−ラウロイルサ
ルコシルナトリウム、1%メルカプトエタノール)を加
えて溶解させた後、2回のフェノール抽出によりタンパ
ク質を除去した。これに3M酢酸ナトリウム(pH 5.2)
を添加し攪拌後、2倍量の冷エタノールを添加してゲノ
ムDNAを得た。このDNAを用いて、以下のようにし
てHLA−A遺伝子の型判定を行った。
【0036】2.PCR法による選択的増幅 上記DNAを用いて、表1に示したアリルグループ特異
的プライマーを用いたPCR法によりHLA−A遺伝子
の第2および第3エクソン領域の増幅を行った。
【0037】第2エクソンについてはA2-5CとA2-234C
(A2-1グループ)、A2-5TとA2-234C(A2-2グループ)、
A2-81CとA2-238A(A2-3グループ)の3組のプライマー対
のセットを用いた。反応溶液はゲノムDNAを100ng、
あらかじめ等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反
応させた耐熱性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最
終濃度がTris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2
は1.5mM、TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライ
マー対は0.2或いは2μMになるように添加した組成液
で、全量を50μlとして反応を行った。PCR増幅装置
はGeneAmp PCR system9600を用いた。DNA増幅は変性
(94℃)を2分行った後、変性30秒、アニーリング(62
或いは67℃)45秒、DNA伸長(72℃)30秒の反応を33
サイクル繰り返すことにより行った。増幅産物は常法に
従い、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、エチジ
ウムブロマイド染色してグループ特異的に増幅したバン
ドを検出した。
【0038】図5に示したように試料6、8、9ではA2
-1グループ特異的な増幅が認められ、試料1、2、10で
はA2-2グループ特異的な増幅が認められた。また、試料
3、4、5、7、9、10ではA2-3グループ特異的な増幅
が認められた。
【0039】第3エクソンについてはA3-12AとA3-273T
(A3-1グループ)、A3-12GとA3-273T(A3-2グルー
プ)、A3-25TとA2-273T(A3-3グループ)、A3-59GとA3-
273T(A3−4グループ)の4組のプライマー対のセッ
トを用いた。反応溶液は、ゲノムDNAを100ng、
あらかじめ等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反
応させた耐熱性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最
終濃度がTris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2
は1.5mM、TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライ
マー対は0.2μMになるように添加した組成液で、全量を
50μlとして反応を行った。以下第2エクソンと同様
に、PCR増幅装置はGeneAmp PCR system 9600を用
い、DNA増幅は変性(94℃)を2分行った後、変性30
秒、アニーリング(62或いは67℃)45秒、DNA伸長
(72℃)30秒の反応を33サイクル繰り返すことにより行
った。増幅産物は10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動
後、エチジウムブロマイド染色してグループ特異的に増
幅したバンドを検出した。
【0040】図6に示したように試料5、6、7、8、
9ではA3-1グループ特異的な増幅が認められ、試料1、
2ではA3-2グループ特異的な増幅が認められた。また、
試料3、4、9、10ではA3-3グループ特異的な増幅が認
められ、試料10ではA3-4グループ特異的な増幅が認めら
れた。
【0041】3.増幅産物の制限酵素処理 第2および第3エクソンに対するPCR増幅産物はそれ
ぞれのグループに特異的な制限酵素を用いて切断した。
すなわち、A2-1グループはFok I、Bsr I、HinfI、Msp
I、Sac II、Bst N I、A2-2グループはFok I、 Hinf I、
Msp I、A2-3グループはBsr I、Bst N I、Mnl I、A3-1グ
ループはFok I、Msp I、Mnl I、Hae III、Hga I、A3-2
グループはFok I、Bsr I、Bsp1286 I、Fnu4H I、A3-3グ
ループはBsp1286 I、Fnu4H I、A3-4グループはTspR Iで
切断した。また、必要に応じてNla III、Nla IV、Ava I
I、BsaJ I、Mnl I、BsaH I、PmaC I、MspA1 I、TspR
I、Bsp1286 I、Bsr Iのうちから制限酵素を選択し、補
助的な切断を行った。
【0042】図7〜10に試料2、3、6、8の実際の
RFLPパターンを示した。試料2ではA2-2とA3-2グル
ープのRFLP解析を行い、試料3ではA2-3とA3-3グル
ープのRFLP解析を行った。また、試料6、8ではA2
-1とA3-1グループのRFLP解析を行った。判定表(図
1〜図3)を用いて、それぞれのRFLPパターンから
HLA−A遺伝子の型判定を行った。同様にして他の試
料についても判定表を用いてRFLPパターンからHL
A−A遺伝子の型判定を行った。
【0043】さらに、試料1については第4エキソンの
PCR−RFLP解析、すなわち第4エキソンに対する
PCR増幅産物はPst IあるいはBst N Iで切断した。
【0044】4.PCR−SSPによる解析 試料1、4、9、10については必要に応じたPCR−S
SP解析を行った。すなわち、PCR−RFLP法によ
って判別できないアリルの組み合わせ、A*0201=0207=02
15N=0220、A*0205=0208、A*0206=0221、A*0207=0215N、
A*2402=2405、A*2601=2605、A*7401=7402については、
表1に示したシークエンス特異的プライマーの対、A3-2
5AとA3-273T(A*0201特異的)、A3-25GとA-273T(A*020
7特異的)、A2-5TとA2-197T(A0201、A0205特異的)、A
2-5TとA2-197A(A*0208、A*0220特異的)、A2-87GとA2-
234C(A*0206特異的)、A2-87AとA2-234C(A*0221特異
的)、A4-8CとA4-224G(A*0207特異的)、A4-8CとA4-22
4T(A*0215N特異的)、A3-159AとA3-273T(A*2402特異
的)、A3-159CとA3-273T(A*2405特異的)、A2-226CとA
3-68G(A*2601特異的)、A2-226AとA3-68G(A*2605特異
的)、A1-67AとA2-234C(A*7401特異的)、A1-67TとA2-
234C(A*7402特異的)を用いたPCR−SSP解析によ
り判別を行った。反応液は、ゲノムDNAを100ng、あ
らかじめ等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反応
させた耐熱性DNAポリメラーゼを1unit、そして最終
濃度がTris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2
1.5mM、TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライマ
ー対は0.2或いは0.4μMになるように添加した組成液
で、全量を50μlとして反応を行った。DNA増幅はGen
eAmpPCR system 9600などのPCR増幅装置を用い、変
性(94℃)を2分行った後、変性30秒、アニーリング
(62或いは67℃)45秒、DNA伸長(72℃)30秒の反応
を33サイクル繰り返すことにより行った。増幅産物は常
法に従い、10%程度のポリアクリルアミドゲルで電気泳
動後、エチジウムブロマイド染色してバンドを検出し
た。
【0045】5.ヘテロ接合体の組み合わせの解析 また、PCR−RFLPとPCR−SSP解析によって
判別できないヘテロ接合体の組み合わせ、A*0201/0208=
0205/0220、A*0201/0205=0202/0206、A*2402/2502=2407
/2501、A*6602/6803=6603/68012については、表1に示
したプライマーの対、A2-29AとA2-197A(A*0220特異
的)、A2-29AとA2-197T(A*0201、A*0202特異的)、A2-
81CとA2-229C(A*2501、A*2502特異的)、A2-29TとA2-2
34C(A*68012、A*6803特異的)を用いてDNA増幅を行
った。反応液は、ゲノムDNAを100ng、あらかじめ等
量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反応させた耐熱
性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最終濃度がTris
-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2は1.5mM、Trit
onX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライマー対は0.2或
いは0.4μMになるように添加した組成液で、全量を50μ
lとして反応を行った。DNA増幅はGeneAmp PCR syste
m 9600などのPCR増幅装置を用い、変性(94℃)を2
分行った後、変性30秒、アニーリング(59或いは62℃)
45秒、DNA伸長(72℃)30秒の反応を33サイクル繰り
返すことにより行った。増幅産物は常法に従い、10%程
度のポリアクリルアミドゲル電気泳動後、エチジウムブ
ロマイド染色してバンドを検出した。
【0046】そしてPCR増幅産物は制限酵素Msp Iあ
るいはBsr Iで切断した。切断した増幅産物は前記と同
様、常法に従い、10%程度のポリアクリルアミドゲル電
気泳動後、エチジウムブロマイド染色してバンドを検出
し、そのRFLPバンドパターンからHLA−A遺伝子
型を判定した。
【0047】このようにして判定されたHLA−A遺伝
子型を表2に示す。
【表2】
【0048】実施例2 正常人より採取した血液(約10ml)より常法に従い分離
した白血球に500μlのグアニジンチオシアネートバッフ
ァー(4Mグアニジンチオシアネート、25mMクエン酸ナ
トリウム(pH 7.0)、0.5% N−ラウロイルサルコシル
ナトリウム、1%メルカプトエタノール)を加えて溶解
させた後、2回のフェノール抽出によりタンパク質を除
去した。これに3M酢酸ナトリウム(pH 5.2)を添加し
攪拌後、2倍量の冷エタノールを添加してゲノムDNA
を得た。
【0049】上記DNAを用いて、表1に示したアリル
グループ特異的プライマーを用いたPCR法によりHL
A−A遺伝子の第2および第3エクソン領域の増幅を行
った。
【0050】第2エクソンについてはA2-5CとA2-234C
(A2-1グループ)、A2-5TとA2-234C(A2-2グループ)、
A2-81CとA2-238A(A2-3グループ)の3組のプライマー対
のセットを用いた。反応溶液はゲノムDNAを100ng、
あらかじめ等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反
応させた耐熱性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最
終濃度がTris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2
は1.5mM、TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライ
マー対は0.2或いは2μMになるように添加した組成液
で、全量を50μlとして反応を行った。PCR増幅装置
はGeneAmp PCR system9600を用いた。DNA増幅は変性
(94℃)を2分行った後、変性30秒、アニーリング(62
或いは67℃)45秒、DNA伸長(72℃)30秒の反応を33
サイクル繰り返すことにより行った。増幅産物を常法に
従い、10%程度のポリアクリルアミドゲル電気泳動後、
エチジウムブロマイド染色した結果、A2-1及びA2-2グル
ープ特異的に増幅したバンドを検出した。
【0051】第3エクソンについてはA3-12AとA3-273T
(A3-1グループ)、A3-12GとA3-273T(A3-2グルー
プ)、A3-25TとA2-273T(A3-3グループ)、A3-59GとA3-
273T(A3-4グループ)の4組のプライマー対のセットを
用いた。反応溶液は、ゲノムDNAを100ng、あらかじ
め等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反応させた
耐熱性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最終濃度が
Tris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2は1.5mM、
TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライマー対は
0.2μMになるように添加した組成液で、全量を50μlと
して反応を行った。以下第2エクソンと同様に、PCR
増幅装置はGeneAmp PCR system 9600を用い、DNA増
幅は変性(94℃)を2分行った後、変性30秒、アニーリ
ング(62或いは67℃)45秒、DNA伸長(72℃)30秒の
反応を33サイクル繰り返すことにより行った。増幅産物
を10%程度のポリアクリルアミドゲル電気泳動後、エチ
ジウムブロマイド染色した結果、A3-1及びA3-2グループ
特異的に増幅したバンドを検出した。
【0052】第2および第3エクソンに対するPCR増
幅産物はそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用い
て切断した。すなわち、A2-1グループはFok I、Bsr I、
HinfI、Msp I、Sac II、Bst N I、A2-2グループはFok
I、 Hinf I、Msp I、A3-1グループはFok I、Msp I、Mnl
I、Hae III、Hga I、A3-2グループはFok I、Bsr I、Bs
p1286 I、Fnu4H Iで切断した。切断したPCR増幅産物
は10%程度のポリアクリルアミドゲル電気泳動後、エチ
ジウムブロマイド染色した。
【0053】A2-1、A2-2、A3-1、A3-2グループのRFL
P解析後、判定表(図1〜図3)を用いて、それぞれの
RFLPパターンからHLA−A遺伝子の型判定を行っ
た。A2-1グループのRFLP解析からはA*1101=1102=11
03-1104と判定された。A2-2グループのRFLP解析か
らはA*0201=0203=0204=0207=0209=0212=0213=0215N=021
6=0217=0218=0219=0220と判定された。A3-1グループの
RFLP解析からはA*1101=1102=1103と判定された。A3-
2グループのRFLP解析からはA*0201=0206=0207=0209
=0211=0215N=0220=0221=6901と判定された。さらに、A2-
1グループはNlaIVによって補助的に切断することによっ
てA*1101=1103=1104、A3-1グループはNla IIIで補助的
に切断することによってA*1101=1102と判定された。こ
れら第2および第3エキソンの判定結果を合せることに
よって、HLA−A遺伝子型はA*1101とA*0201=0207=02
09=0215N=0220と判定された。
【0054】さらに、第2および第3エキソンのRFL
P解析によって判別できないアリルの組み合せ、A*0201
=0207=0209=0215N=0220については第4エキソンのPC
R−RFLP解析、すなわち第4エキソンに対するPCR
増幅産物をPst Iで切断することによって、A*0201=0207
=0215N=0220と判定された。
【0055】上記PCR−RFLP法によっても判別で
きないアリルの組み合わせ、A*0201=0207=0215N=0220に
ついては、表1に示したシークエンス特異的プライマー
の対、A3-25AとA3-273T(A*0201特異的)、A3-25GとA-2
73T(A*0207特異的)、A2-5TとA2-197T(A0201、A0205
特異的)、A2-5TとA2-197A(A*0208、A*0220特異的)、
A4-8CとA4-224G(A*0207特異的)、A4-8CとA4-224T(A*
0215N特異的)を用いたPCR−SSP解析により判別
を行った。反応液は、ゲノムDNAを100ng、あらかじ
め等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反応させた
耐熱性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最終濃度が
Tris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2は1.5mM、
TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライマー対は
0.2或いは0.4μMになるように添加した組成液で、全量
を50μlとして反応を行った。DNA増幅はGeneAmp PCR
system 9600などのPCR増幅装置を用い、変性(94
℃)を2分行った後、変性30秒、アニーリング(62℃)
45秒、DNA伸長(72℃)30秒の反応を33サイクル繰り
返すことにより行った。増幅産物は常法に従い、10%程
度のポリアクリルアミドゲルで電気泳動後、エチジウム
ブロマイド染色してバンドを検出した。こうしたPCR
−SSP解析によってA*0201=0207=0215N=0220はA*0201
と判別された。
【0056】このようにしてHLA−A遺伝子型はA*02
01/1101と判別された。
【0057】実施例3 正常人より採取した血液(約10ml)より常法に従い分離
した白血球に500μlのグアニジンチオシアネートバッフ
ァー(4Mグアニジンチオシアネート、25mMクエン酸ナ
トリウム(pH 7.0)、0.5% N−ラウロイルサルコシル
ナトリウム、1%メルカプトエタノール)を加えて溶解
させた後、2回のフェノール抽出によりタンパク質を除
去した。これに3M酢酸ナトリウム(pH 5.2)を添加し
攪拌後、2倍量の冷エタノールを添加してゲノムDNA
(試料11、12)を得た。
【0058】上記DNA試料11、12を用いて、表1に示
したHLA−A対立遺伝子A*3301の塩基配列に特異的プ
ライマー(シークエンス特異的プライマー)、およびア
リルグループ特異的プライマーを用いてPCR法を行
い、HLA−A対立遺伝子A*3301およびHLA−A遺伝
子の第2および第3エクソン領域の増幅を行った。
【0059】HLA−A対立遺伝子A*3301塩基配列特異
的PCR増幅についてはA3-71GとA3-240Gの1組のプラ
イマー対を用いた。第2エクソンについてはA2-5CとA2-
234C(A2-1グループ)、A2-5TとA2-234C(A2-2グルー
プ)、A2-81CとA2-238A(A2-3グループ)の3組のプライ
マー対のセットを用いた。第3エクソンについてはA3-1
2AとA3-273T(A3-1グループ)、A3-12GとA3-273T(A3-2
グループ)、A3-25TとA2-273T(A3-3グループ)、A3-59
GとA3-273T(A3-4グループ)の4組のプライマー対のセ
ットを用いた。反応溶液は、ゲノムDNAを100ng、あ
らかじめ等量のTaq StartTMAntibodyと室温で5分間反応
させた耐熱性DNAポリメラーゼを1 unit、そして最終
濃度がTris-HCl(pH8.3)は10mM、KClは50mM、MgCl2
1.5mM、TritonX-100は0.1%、dNTPsは200μM、プライマ
ー対は0.2μMになるように添加した組成液で、全量を50
μlとして反応を行った。PCR増幅装置はGeneAmp PCR
system 9600を用い、DNA増幅は変性(94℃)を2分
行った後、変性30秒、アニーリング(62或いは67℃)45
秒、DNA伸長(72℃)30秒の反応を33サイクル繰り返
すことにより行った。増幅産物を10%程度のポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動後、エチジウムブロマイド染色し
た結果、図11に示したように試料11ではA*3301、A2-1
およびA3-1グループ特異的な増幅が認められ、試料11の
HLA−A対立遺伝子の一方はA*3301と判別された。試
料12ではA2-1およびA3-1グループ特異的な増幅が認めら
れた。しかし、A*3301特異的な増幅が認められなかった
ので試料12はA*3301を持たないことが分かった。
【0060】第2および第3エクソンに対するPCR増
幅産物はそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用い
て切断した。すなわち、A2-1グループはFok I、Bsr I、
HinfI、Msp I、Sac II、Bst N I、A3-1グループはFok
I、Msp I、Mnl I、Hae III、Hga Iで切断した。また、
試料11のA3-1グループについてはPmaC Iで補助的な切断
を行った。切断したPCR増幅産物は10%程度のポリア
クリルアミドゲル電気泳動後、エチジウムブロマイド染
色した。
【0061】図12、13に試料11、12の実際のRFL
Pパターンを示した。A2-1、A3-1、グループのRFLP
解析後、判定表(図1〜図3)を用いて、それぞれのR
FLPパターンからHLA−A遺伝子の型判定を行っ
た。試料11については、A2-1グループのRFLP解析か
らA*3301=3303/3401=3402=6601=6602=68011=6901=6801
2=6802と判定された。またA3-1グループのRFLP解析
からA*31012=3301=3303/6602=6603と判定された。これ
ら第2および第3エキソンの判定結果を合せることによ
ってA*3301=3303/6602と判定された。すでにA*3301塩
基配列に特異的な増幅が認められているので、試料11の
HLA−A遺伝子型はA*3301とA*6602と判定された。試
料12についてはA2-1グループのRFLP解析からA*3301
=3303/31012と判定された。A3-1グループのRFLP解
析からA*31012=3301=3303/A*31012=3301=3303と判定さ
れた。これら第2および第3エキソンの判定結果を合せ
ることによって、A*31012/3301=3303と判定された。す
でにA*3301塩基配列特異的な増幅が認められていないの
で、試料12のHLA−A遺伝子型はA*31012とA*3303と
判定された。
【0062】
【発明の効果】
【0063】本発明によれば、少なくとも1つの特定の
HLA−A対立遺伝子の塩基配列に特異的なプライマー
対、および特定のHLA−A対立遺伝子群からなる少な
くとも1つの特定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基
配列に特異的な各グループに対応するプライマー対のセ
ットによるPCR増幅と、さらに各特定のグループ内の
HLA−A対立遺伝子群の増幅産物の特異的な制限酵素
処理(RFLP法)等により、1種類の対立遺伝子を判
別することができるので、従来の血清学的方法によるH
LA−Aローカス抗原タイピングの測定上の問題を解決
し、従来法では識別分類が不可能であったA抗原のサブ
タイプを遺伝子レベルで分類(アリルタイピング)する
ことが可能になる。そして本発明はその方法およびそれ
に用いるキット、試薬を提供するものであり、これらは
臨床医学領域の臓器移植の際のドナー・レシピエント間
の適合性の判定や各種疾病との相関性解析などにおいて
有用となる。
【配列表】<110> Shionogi & Co.,LTD. <120> Methods for HLA-A DNA typing <130> A005941 <150> JP 297145/1997 <151> 1997-10-29 <160> 32 <210> 1 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-5C <400> 1 SCTCGTCCCC AGGCTCC 17 <210> 2 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-5T <400> 2 TCCTCGTCCC CAGGCTCT 18 <210> 3 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-81C <400> 3 AGCCCCGCTT CATCGCC 17 <210> 4 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-234C <400> 4 TAGCCGCGCA GGGTCCC 17 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-238A <400> 5 TTGTAGTAGC GGAGCGCGA 19 <210> 6 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-12A <400> 6 GGCCAGGTTC TCACACCA 18 <210> 7 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-12G <400> 7 GGCCAGGTTC TCACACCG 18 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-25T <400> 8 CACACCCTCC AGATGATGTT 20 <210> 9 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-59G <400> 9 TCGGACTGGC GCTTCCTG 18 <210> 10 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-273T <400> 10 TGGCCCCTGG TACCCGT 17 <210> 11 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A4-8C <400> 11 TCCYGWCAGA CSCCCCC 17 <210> 12 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A4-254G <400> 12 CTCAGGGTGA GGGGCTTG 18 <210> 13 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A1-67A <400> 13 GGCCCTGACC CAGACCA 17 <210> 14 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A1-67T <400> 14 GGCCCTGACC CAGACCT 17 <210> 15 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-87G <400> 15 CAGTGGGCTA CGTGGACG 18 <210> 16 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-87A <400> 16 CAGTGGGCTA CGTGGACA 18 <210> 17 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-226A <400> 17 ACTCACAGAC TGACCGAGA 19 <210> 18 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-226C <400> 18 ACTCACAGAC TGACCGAGC 19 <210> 19 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-197A <400> 19 CTGTGASTGG GCCTTCACA 19 <210> 20 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-197T <400> 20 CTGTGASTGG GCCTTCACT 19 <210> 21 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-25A <400> 21 ACACCGTCCA GAGGATGTA 19 <210> 22 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-25G <400> 22 ACACCGTCCA GAGGATGTG 19 <210> 23 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-68G <400> 23 TCGTAAGCGT CCTGCTGG 18 <210> 24 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220><223> PCR primer A3-159A <400> 24 ATGGCGGCTC AGATCACCA 19 <210> 25 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-159C <400> 25 TGGCGGCTCA GATCACCC 18 <210> 26 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A4-224G <400> 26 ATGCTGCACA TGGCAGGTG 19 <210> 27 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A4-224T <400> 27 ATGCTGCACA TGGCAGGTT 19 <210> 28 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-29A <400> 28 TCCATGAGGT ATTTCTACAC A 21 <210> 29 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-29T <400> 29 TCCATGAGGT ATTTCTACAC T 21 <210> 30 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A2-229C <400> 30 GAGCGCGATC CGCAGGC 17 <210> 31 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-71G <400> 31 TCCTCCGCGG GTACCAG 17 <210> 32 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> PCR primer A3-240G <400> 32 CTTCCCGTTC TCCAGGTG 18
【図面の簡単な説明】
【図1】 既知のHLA−A対立遺伝子型(HLA−A
アリルの第2エクソン)のDNA断片サイズ(RFLP
バンドパターン)を記載した判定表を示す図である。
【図2】 既知のHLA−A対立遺伝子型(HLA−A
アリルの第3エクソン)のDNA断片サイズ(RFLP
バンドパターン)を記載した判定表を示す図である。
【図3】 既知のHLA−A対立遺伝子型(HLA−A
アリルの第3,4エクソン)のDNA断片サイズ(RF
LPバンドパターン)を記載した判定表を示す図であ
る。
【図4】 少なくとも1つの特定のHLA−A対立遺伝
子の塩基配列に特異的なプライマー対、または特定のH
LA−A対立遺伝子群からなる少なくとも1つの特定の
グループ内の各遺伝子に共通の塩基配列に特異的な各グ
ループに対応するプライマー対、およびそのPCR増幅
産物のDNA断片サイズ記載した表を示す図である。
【図5】 表1に示したアリルグループ特異的プライマ
ーを用いたPCR法によりHLA−A遺伝子の第2エク
ソン領域の増幅を行った結果を示す。
【図6】 表1に示したアリルグループ特異的プライマ
ーを用いたPCR法によりHLA−A遺伝子の第3エク
ソン領域の増幅を行った結果を示す。なお、試料ナンバ
ーは図5に記載のものと同じである。
【図7】 第2および第3エクソンに対するPCR増幅
産物をそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用いて
切断した結果のRFLPパターンを示す(試料2)。
【図8】 第2および第3エクソンに対するPCR増幅
産物をそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用いて
切断した結果のRFLPパターンを示す(試料6)。
【図9】 第2および第3エクソンに対するPCR増幅
産物をそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用いて
切断した結果のRFLPパターンを示す(試料3)。
【図10】 第2および第3エクソンに対するPCR増
幅産物をそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用い
て切断した結果のRFLPパターンを示す(試料8)。
【図11】 試料11および12に対し、表1に示したアリ
ルグループあるいはシークエンス特異的プライマーを用
いたPCR法により、HLA−A対立遺伝子のA*3301塩
基配列特異的増幅、第2および第3エクソン領域の増幅
を行った結果を示す。
【図12】 第2および第3エクソンに対するPCR増
幅産物をそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用い
て切断した結果のRFLPパターンを示す(試料11)。
【図13】 第2および第3エクソンに対するPCR増
幅産物をそれぞれのグループに特異的な制限酵素を用い
て切断した結果のRFLPパターンを示す(試料12)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のA法およびB法を組み合わせて行
    う、HLA−A対立遺伝子型の判別方法: A法: (1)特定のHLA−A対立遺伝子群からなる少なくと
    も1つの特定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基配列
    に特異的な各グループに対応するプライマー対のセット
    を用いてPCR法を行い、各特定のグループ内のHLA
    −A対立遺伝子群をグループとして選択的に増幅する、
    (2)前記PCR法により得られた増幅産物を電気泳動
    により展開し、特定のサイズの増幅されたDNAバンド
    の存在の有無を確認することにより、各特定のグループ
    内のHLA−A対立遺伝子群の特定の型をグループとし
    て判別する。 B法: HLA−A対立遺伝子群の特定の型がグループ
    として判別された場合に、RFLP法、PCR−RFL
    P法、SSOP法、PCR−SSOP法、PCR−SS
    P法またはPCR−SSCP法をさらに行う。
  2. 【請求項2】 以下のA'法およびB法を組み合わせて
    行う、HLA−A対立遺伝子型の判別方法: A'法: (1)少なくとも1つの特定のHLA−A対立遺伝子の
    塩基配列に特異的なプライマー対を用いて、および特定
    のHLA−A対立遺伝子群からなる少なくとも1つの特
    定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基配列に特異的な
    各グループに対応するプライマー対のセットを用いてP
    CR法を行い、各特定のHLA−A対立遺伝子および各
    特定のグループ内のHLA−A対立遺伝子群をグループ
    として選択的に増幅する、(2)前記PCR法により得
    られた増幅産物を電気泳動により展開し、特定のサイズ
    の増幅されたDNAバンドの存在の有無を確認すること
    により、対応する各特定のHLA−A対立遺伝子の型お
    よび/または各特定のグループ内のHLA−A対立遺伝
    子群の特定の型をグループとして判別する。 B法: HLA−A対立遺伝子群の特定の型がグループ
    として判別された場合に、RFLP法、PCR−RFL
    P法、SSOP法、PCR−SSOP法、PCR−SS
    P法またはPCR−SSCP法をさらに行う。
  3. 【請求項3】 請求項1または2におけるB法として、
    以下の(1)および(2)の工程を行う、請求項1また
    は2に記載の方法: (1)各特定のグループ内のHLA−A対立遺伝子群の
    増幅産物を、特異的な切断部位を与える制限酵素または
    全く切断部位を与えない制限酵素により処理する、
    (2)前記制限酵素により処理した増幅産物を電気泳動
    により展開し、制限酵素切断の存在の有無を反映するD
    NA断片サイズを判読し、既知のHLA−A対立遺伝子
    型のDNA断片サイズを記載した判定表に照らして該H
    LA−A対立遺伝子群の各型を判別する。
  4. 【請求項4】 さらにRFLP法、PCR−RFLP
    法、SSOP法、PCR−SSOP法、PCR−SSP
    法およびPCR−SSCP法から選ばれる1または2の
    方法を行う、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの特定のHLA−A対立
    遺伝子の塩基配列に特異的なプライマー対が、A1-67A
    (配列番号13)とA2-234C(配列番号4)、A1-67T
    (配列番号14)とA2-234C(配列番号4)、A2-87G
    (配列番号15)とA2-234C(配列番号4)、A2-87A
    (配列番号16)とA2-234C(配列番号4)、A2-226A
    (配列番号17)とA3-68G(配列番号23)、A2-226C
    (配列番号18)とA3-68G(配列番号23)、A2-5T
    (配列番号2)とA2-197A(配列番号19)、A2-5T(配
    列番号2)とA2-197T(配列番号20)、A3-25A(配列
    番号21)とA3-273T(配列番号10)、A3-25G(配列
    番号22)とA3-273T(配列番号10)、A3-159A(配列
    番号24)とA3-273T(配列番号10)、A3-159C(配列
    番号25)とA3-273T(配列番号10)、A4-8C(配列番
    号11)とA4-224G(配列番号26)、A4-8C(配列番号
    11)とA4-224T(配列番号27)、A2-29A(配列番号
    28)とA2-197A(配列番号19)、A2-29A(配列番号
    28)とA2-197T(配列番号20)、A2-29T(配列番号
    29)とA2-234C(配列番号4)、A2-81C(配列番号
    3)とA2-229C(配列番号30)、A3-71G(配列番号3
    1)とA3-240G(配列番号32)から選ばれるものであ
    り、また特定のHLA−A対立遺伝子群からなる少なく
    とも1つの特定のグループ内の各遺伝子に共通の塩基配
    列に特異的な各グループに対応するプライマー対が、A2
    -5C(配列番号1)とA2-234C(配列番号4)、A2-5T
    (配列番号2)とA2-234C(配列番号4)、A2-81C(配
    列番号3)とA2-238A(配列番号5)、A3-12A(配列番
    号6)とA3-273T(配列番号10)、A3-12G(配列番号
    7)とA3-273T(配列番号10)、A3-25T(配列番号
    8)とA3-273T(配列番号10)、A3-59G(配列番号
    9)とA3-273T(配列番号10)、A4-8C(配列番号1
    1)とA4-254G(配列番号12)から選ばれるものであ
    る、請求項1から4のいずれかに記載のHLA−A対立
    遺伝子型の判別方法。
  6. 【請求項6】 各特定のグループ内のHLA−A対立遺
    伝子群の増幅産物に特異的な切断部位を与える制限酵素
    または全く切断部位を与えない制限酵素が、Fok I、Bsr
    I、Hinf I、Msp I、Sac II、Bst N I、Mnl I、Hae II
    I、Hga I、Bsp1286 I、Fnu4H I、TspR I、Nla III、Nla
    IV、Ava II、BsaJ I、BsaH I、PmaC I、MspA1 Iから選
    ばれるものである、請求項3から5のいずれかに記載の
    HLA−A対立遺伝子型の判別方法。
  7. 【請求項7】 A2-5C(配列番号1)、A2-5T(配列番号
    2)、A2-81C(配列番号3)、A2-234C(配列番号
    4)、A2-238A(配列番号5)、A3-12A(配列番号
    6)、A3-12G(配列番号7)、A3-25T(配列番号8)、
    A3-59G(配列番号9)、A3-273T(配列番号10)、A4-
    8C(配列番号11)、A4-254G(配列番号12)、A1-67
    A(配列番号13)、A1-67T(配列番号14)、A2-87G
    (配列番号15)、A2-87A(配列番号16)、A2-226A
    (配列番号17)、A2-226C(配列番号18) 、A2-197
    A(配列番号19)、A2-197T(配列番号20)、A3-25A
    (配列番号21) 、A3-25G(配列番号22)、A3-68G
    (配列番号23)、A3-159A(配列番号24)、A3-159C
    (配列番号25)、A4-224G(配列番号26)、A4-224T
    (配列番号27)、A2-29A(配列番号28)、A2-29T
    (配列番号29)、A2-229C(配列番号30)、A3-71G
    (配列番号31)、A3-240G(配列番号32)から選ば
    れる、HLA−A遺伝子タイピングに使用するためのプ
    ライマー。
  8. 【請求項8】 請求項1から6のいずれかに記載の方法
    に使用するための、HLA−A対立遺伝子型の判別のた
    めのキット。
  9. 【請求項9】 請求項1から6のいずれかに記載の方法
    に使用するための、HLA−A対立遺伝子型の判別のた
    めの試薬。
  10. 【請求項10】 請求項7記載のプライマーを含む、H
    LA−A対立遺伝子型の判別のためのキット。
  11. 【請求項11】 請求項7記載のプライマーを含む、H
    LA−A対立遺伝子型の判別のための試薬。
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