JPH11213892A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JPH11213892A
JPH11213892A JP899698A JP899698A JPH11213892A JP H11213892 A JPH11213892 A JP H11213892A JP 899698 A JP899698 A JP 899698A JP 899698 A JP899698 A JP 899698A JP H11213892 A JPH11213892 A JP H11213892A
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phosphor
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cover plate
layer
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Hiroyuki Kado
博行 加道
Mitsuhiro Otani
光弘 大谷
Masaki Aoki
正樹 青木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率を従来より高めることによって、微
細なセル構造の場合にも高い発光効率で作動させること
ができるプラズマディスプレイパネルを提供する。 【解決手段】 各セル内において、第1の蛍光体層31
は、前面パネル10上の保護層14上のほぼ全面に均一
的に形成されている。ただし、表示電極12の表面上の
箇所では切り欠かれている。一方、第2の蛍光体層32
は、背面パネル20上の隔壁30と隔壁30の間におい
て、可視光反射層23の表面上と隔壁30の側面上にわ
たって形成されている。第1の蛍光体層31の充填率d
1は、第2の蛍光体層32の充填率d2よりも小さく設
定してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字あるいは画像
表示用のカラーテレビジョン受像機やディスプレイ等に
使用するプラズマディスプレイパネル(Plasma Display
Panel、以下「PDP」と記載する。)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョンを始めとする高品位
で大画面のテレビに対する期待が高まっている中で、C
RT,液晶ディスプレイパネル(以下、LCDと記載す
る)といった各分野において、これに適したディスプレ
イに開発が進められている。
【0003】まず、従来からテレビのディスプレイパネ
ルとして広く用いられているCRTが考えられるわけで
あるが、CRTは解像度・画質の点でPDPや液晶に対
して優れているものの、奥行きと重量の点で40インチ
以上の大画面にはあまり向いていない。また、液晶は消
費電力が少なく、駆動電圧も低いという優れた性能を有
しているが、画面の大きさや視野角に限界がある。
【0004】これに対して、PDPは、小さい奥行きで
大画面を実現することが可能であって、既に40インチ
クラスの製品も開発されている。
【0005】このPDPは、駆動方式によって直流型
(DC型)と交流型(AC型)とに大別され、DC型で
は、一般的に電極が放電空間に露出し隔壁が井桁状に形
成されているのに対して、AC型では、電極上に誘電体
ガラス層が配設され隔壁がストライプ状に形成されてお
り、微細なセル構造を形成するのに適した構造となって
いる。
【0006】図9は、交流型(AC型)のPDPの一例
を示す概略断面図である。
【0007】図9において61は、前面ガラス基板であ
り、この前面ガラス基板61上に表示電極62が配設さ
れ、その上から誘電体ガラス層63及び酸化マグネシウ
ム(MgO)からなる誘電体保護層64で覆われている
(例えば、特開平5−342991号公報参照)。
【0008】また、65は、背面ガラス基板であり、こ
の背面ガラス基板65上には、アドレス電極66・・・
及び隔壁67・・・がストライプ状に設けられ、隔壁6
7と隔壁67との間の凹部には、蛍光体68が配設され
ている。蛍光体68は、カラー表示するために、赤色蛍
光体層68R、緑色蛍光体層68G、青色蛍光体層68
Bの3色が順に配置された構成である。また、この凹部
には放電ガスが封入されて、放電空間69が形成されて
いる。
【0009】PDPの発光原理は、基本的に蛍光灯と同
様であって、放電に伴って放電ガスから紫外線が放出さ
れ、蛍光体層の蛍光体粒子(赤、緑、青)がこの紫外線
を受けて励起発光するが、放電エネルギーが紫外線へ変
換する効率や、蛍光体における可視光への変換効率が低
いので、蛍光灯のように高い輝度を得ることは難しい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高品位ディ
スプレイに対する要求が高まるに伴い、PDPにおいて
も微細なセル構造の実用化が望まれるが、紫外線の放射
効率は放電空間が小さくなるに従って悪くなるので、詳
細なセル構造のPDPを実用化するためには、従来より
も更に発光効率を高める必要がある。
【0011】例えば、従来のNTSCではセル数が64
0×480で、40インチクラスではセルピッチが0.
43mm×1.29mm、1セル面積が約0.55mm
2でパネルの輝度は約250cd/m2である(例えば、
機能材料1996年2月号Vol.16,No.2,ペ
ージ7)。
【0012】これに対して、フルスペックのハイビジョ
ンテレビの画素レベルでは、画素数が1960×112
5となり、42インチクラスでのセルピッチは0.15
mm×0.48mm、1セルの面積は0.072mm2
の細かさになる。そして、42インチのハイビジョンテ
レビ用のPDPを従来どうりのセル構成で作製した場
合、パネル発光効率が、NTSCの場合に比べて1/7
〜1/8程度になり、0.15〜0.17lm/W程度
に低下する。
【0013】本発明は、このような背景の下でなされた
ものであって、発光効率を従来より高めることによっ
て、微細なセル構造の場合にも高い発光効率で作動させ
ることのできるPDPを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の電極が表面に配設されたフロントカバープレ
ートと、第2の電極が表面に配設されたバックプレート
とが、当該第1及び第2の電極を対向させた状態で間隔
をおいて配されると共に、上記両プレートの間隙が隔壁
で仕切られ、当該隔壁で仕切られた空間内には、蛍光体
層が配設されていると共に残余の空間に放電可能なガス
媒体が封入されているプラズマディスプレイパネルにお
いて、上記蛍光体層は、上記バックプレートの表面上と
上記隔壁の壁面と上記フロントカバープレートの表面上
とにわたって配設されると共に、フロントカバープレー
トにおける蛍光体層の空隙率(充填率)は、バックプレ
ート及び隔壁における蛍光体層の空隙率(充填率)より
も大きい(小さい)ことを特徴とする。
【0015】また、平均粒径をA、所定の分布範囲での
最大粒径をdmax、最小粒径をdminとしx=100・A
/(A+dmax−dmin)で表されるxを粒径集中度
(%)と定義した場合に、上記フロントカバープレート
側の蛍光体層の形成に用いる蛍光体粒子の粒径集中度
は、上記バックプレート及び隔壁における蛍光体層の形
成に用いる蛍光体粒子の粒径集中度よりも大きいことを
特徴とする。
【0016】ここで、フロントカバープレートにおける
蛍光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度x
を50%以上とすることが望ましい。
【0017】また、フロントカバープレートにおける蛍
光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度xを
80%以上とすることがより望ましい
【0018】更に、バックプレート及び隔壁における蛍
光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度xを
50%未満とすることが望ましい。
【0019】また、蛍光体粒子の中心点から粒子表面の
最も遠い点までの距離をa、最も近い点までの距離をc
とし、c/aを粒子の球状度と定義した場合に、上記フ
ロントカバープレートにおける蛍光体層の形成に用いる
蛍光体粒子の球状度は、上記バックプレート及び隔壁に
おける蛍光体層の形成に用いる蛍光体粒子の球状度より
も大きいPDPによっても上記目的を達成することがで
きる。
【0020】ここで、上記フロントカバープレートにお
ける蛍光体層を、第一の電極に対応する領域を除いて形
成してある構成がより望ましい。
【0021】加えて、上記ガス媒体の封入圧を760〜
4000Torrに設定すればより望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態に係るP
DPについて図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】図1は、本実施の形態の交流面放電型PD
Pの概略を示す斜視図である。
【0024】また、図2は、図1のX−X線矢視断面
図、図3は、図1のY−Y線矢視断面図である。
【0025】このPDPは、前面ガラス基板11上に表
示電極(放電電極)12と誘電体ガラス層13、保護層
14とが配された前面パネル(フロントカバープレー
ト)10と、背面ガラス基板21上にアドレス電極2
2、可視光反射層23が配された背面パネル(バックプ
レート)20とが、表示電極12とアドレス電極22と
を対向させた状態で間隔をおいて互いに平行に配され、
前面パネル10と背面パネル20との間隙は、隔壁30
・・・で仕切られてセル空間40・・・が形成され、当
該空間40内に放電ガスが封入されている。また、この
セル空間40内において、前面パネル10側に第1の蛍
光体層31、背面パネル20側に第2の蛍光体層32が
配設された構成となっている。
【0026】表示電極12及びアドレス電極22は、共
にストライプ状の銀電極であって、直交マトリックスを
組む方向に配設されている。
【0027】誘電体ガラス層13は、前面ガラス基板1
1の表示電極12が配された表面全体を覆い、20μm
程度の厚さを有する鉛ガラスなどからなる層である。
【0028】保護層14は、酸化マグネシウム(Mg
O)からなる薄膜であって、誘電体ガラス層13の表面
を覆っている。
【0029】可視光反射層23は、背面ガラス基板21
のアドレス電極22が配されている表面全体を覆い、酸
化チタンを含む誘電体ガラス(鉛ガラス)からなる層で
あって、可視光反射機能と誘電体層としての機能を合わ
せ持つものである。
【0030】隔壁30は、背面パネル20の可視光反射
層23の表面上に突設されており、アドレス電極22に
沿ってストライプ状に形成されている。
【0031】〔蛍光体層の形状並びに発光機能〕各セル
内において、第1の蛍光体層31は、前面パネル10上
の保護層14上の略全面に均一的に形成されている。た
だし、図3に示されるように、表示電極12の表面上の
箇所では切り欠かれている(図3中14a)。
【0032】このように切り欠き14aを設ければ、こ
の場所において保護層14の表面が放電空間に対して露
出するので、PDP駆動時において表示電極12による
放電空間に対する放電が蛍光体層によって妨げられるこ
となく行われる。
【0033】また、放電空間で放電中に発生するイオン
は、表示電極12に向かって移動するので、切り欠き1
4a以外の部分では、放電時に蛍光体層に加わるイオン
衝撃は大きくないけれども、この切り欠き14aのとこ
ろに蛍光体層があると、その部分がイオン衝撃によって
経時的に劣化しやすいことになる。従って、上記のよう
に切り欠き14aを設ければ、蛍光体層の経時的な劣化
を抑え、発光効率の経時的な低下を抑えることができ
る。
【0034】一方、図2に示されるように、第2の蛍光
体層32は、背面パネル20上の隔壁30と隔壁30と
の間において、可視光反射層23の表面上と隔壁30の
側面上にわたって形成されている。
【0035】詳しくは、蛍光体層の表面積が大きく且つ
放電空間の容積が大きく確保されるように、第2の蛍光
体層32には、背面ガラス基板21の表面に沿って形成
された背面部32aと隔壁30の表面(壁面)に沿って
形成された側面部32bとを有する形状となっている。
【0036】次に、本実施の形態のPDPにおいては、
図9のような従来例と比べて発光効率を向上できる理由
について、図2を参照しながら説明する。
【0037】PDPの駆動時には、表示電極12間の放
電に伴って放電空間では紫外光が発生する。この紫外光
には、第1の蛍光体層31の方へ向かうもの(図2中の
白抜き矢印U1)と、第2の蛍光体層32の方へ向かう
もの(図2中の白抜き矢印U2)とが含まれている。そ
して、第1の蛍光体層31が、前者の紫外光U1を可視
光に変換する働きをなし、第2の蛍光体層32は、後者
の紫外光U2を可視光に変換する働きをなす。
【0038】第2の蛍光体層32で変換された可視光の
中で第1の蛍光体層31及び前面パネル10を通過する
もの(図2中の太線矢印V2)と、第1の蛍光体層31
で変換された可視光の中で前面パネル10を通過するも
の(図2中の太線矢印V1)との2つが、主としてパネ
ルの輝度に寄与するものと考えられる。
【0039】即ち、図9の従来例のように、前面ガラス
基板61側に蛍光体層が配設されていない場合には、放
電により発生した紫外線U1は前面パネル側に逃げてし
まうが、本実施の形態のように第1の蛍光体層31が存
在する場合には、この紫外線U1が変換されて可視光V
1が発生するので、それだけ発光効率が向上する。
【0040】ただし、第1の蛍光体層31の可視光透過
率が小さいとセル内で発生した可視光V2が有効に取り
出せなくなるので、発光効率を向上させるためには、第
1の蛍光体層31の可視光透過率を適当な範囲に設定す
る必要がある。
【0041】発光効率を向上させるのに好ましい条件に
ついては、次のように考えられる。先ず、第1の蛍光体
層31と第2の蛍光体層32とを比べると、上記のよう
に第1の蛍光体層31は可視光を透過させる必要がある
のに対して、第2の蛍光体層32は可視光を透過させる
必要がないので、第1の蛍光体層31の平均可視光透過
率は、第2の蛍光体層32の平均可視光透過率よりも大
きくなるよう設定することが好ましい。
【0042】上記のような可視光透過率の関係に設定す
るためには、第1の蛍光体層31の蛍光体粒子の充填率
d1(単位空間当たりの蛍光体粒子が占める体積比率)
は、第2の蛍光体層32の充填率d2よりも小さく(即
ち、d1<d2,)設定すればよい。これは、充填率と
可視光透過率との間には相関関係があって、充填率が小
さい程、即ち、蛍光体粒子の粒子間の空隙率が大きい
程、可視光透過率は大きくなるといった知見に基づいて
いる。特に、第1の蛍光体層31の充填率d1は、その
可視光透過率が50%以上となるように設定することが
好ましい。なお、側面部32bにおいてはその部分の可
視光反射率をより高くする方が第1の蛍光体層への入射
光量を増加させられるので、その部分の充填率は、背面
部32aよりも大きく設定することが望ましい。
【0043】また、第2の蛍光体層32については次の
ように考察される。
【0044】第2の蛍光体層32では、発生した可視光
を前面パネル側に反射させるために第1の蛍光体層31
よりも蛍光体粒子の充填率が大きくなるように設定する
ことが望ましいが、ここで第1の蛍光体層31への可視
光の入射光量を増加させてパネル輝度の向上を図ろうと
すれば可視光透過率を50%よりも小さく設定すること
が好ましい。更に、第2の蛍光体層32について詳細に
論及すれば、背面部32aでは、下に可視光反射層23
が形成されているので、可視光透過率が比較的高くても
可視光V2の発光量を確保し易いのに対して、側面部3
2bでは、下に可視光反射層23がないので、可視光透
過率が低くなければ可視光V2の発生量を確保しにく
い。従って、側面部32bは、背面部32aよりも若干
可視光透過率が低くなるように充填率は同じであっても
厚みを背面部32aよりも厚く設定するのが好ましい。
【0045】なお、本実施の形態では、可視光反射層2
3を設けているが、可視光反射層23が配設されていな
いような構成の場合(例えば、可視光反射層23の代わ
りに通常の誘電体ガラス層が配設されているような場合
や第2の蛍光体層が背面ガラス基板21上に直接配設さ
れている場合)には、背面ガラス基板21に沿った部分
の厚みも上記側面部と同じように厚めに設定することが
好ましい。
【0046】〔放電ガスの組成及び封入圧力について〕
放電ガスは、従来から用いられているヘリウム−キセノ
ン系やネオン−キセノン系といったガス組成のものを用
いることもできるが、本実施の形態では、ヘリウム(H
e),ネオン(Ne),キセノン(Xe),アルゴン
(Ar)を含む希ガスの混合物を用いることとする。こ
のような組成の放電ガスを用いることによって、発光効
率の向上と放電電圧の低下を図ることができる。
【0047】ここで、キセノンの含有量は5体積%以
下、アルゴンの含有量は0.5体積%以下、ヘリウムの
含有量は55体積%未満とすることが好ましい。
【0048】また、放電ガスの封入圧力は、従来の一般
的な封入圧力よりも高い500〜4000Torrに設
定するが、このように高い封入圧力とすることも、発光
効率の向上に寄与する。特に、大気圧以上の760〜4
000Torrの範囲に設定することが、高い発光効率
を得るのに好ましい。
【0049】ただし、封入ガス圧の増加に伴って放電開
始電圧が増加するので、1000〜2000Torr付
近の封入圧力とすることが、パネル特性にとって最も良
好と考えられる。
【0050】なお、上記のように封入圧力を高く設定す
ると、放電中に発生するイオンのエネルギーが低くなる
ので、第1の蛍光体層31の経時的な劣化を防止し、パ
ネル輝度の低下を抑える効果も奏する。
【0051】〔PDPの製造方法について〕上記構成の
PDPは、次のようにして作製することができる。
【0052】前面パネル;前面ガラス基板11上に、ま
ず、銀電極用のペーストをスクリーン印刷で塗布した後
に焼成する方法で表示電極12をストライプ状に形成す
る。
【0053】そして、表示電極12を形成した前面ガラ
ス基板11の表面全体に、スクリーン印刷法で鉛ガラス
を塗布し、焼成することによって、誘電体ガラス層13
を形成する。
【0054】次に、誘電体ガラス層13の表面全体に、
CVD法(化学蒸着法)を用いて、酸化マグネシウムの
保護層14を形成することによって、前面パネルを作製
する。
【0055】CVD法による保護層の形成においては、
CVDの装置内にガラス基板をセットし、これにソース
としてのマグネシウム化合物及び酸素を送り込んで反応
させることによって、基板上に酸化マグネシウムの層を
形成する。ここで用いるソースの具体例としては、アセ
チルアセトンマグネシウム[Mg(C5722],シ
クロペンタジエニルマグネシウム[Mg(C552
を挙げることができる。
【0056】背面パネルの作製;背面ガラス基板21の
上に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷し、その後
焼成する方法によってアドレス電極22をストライプ状
に形成する。
【0057】そして、アドレス電極22を形成した背面
ガラス基板21の表面上に、スクリーン印刷法で、酸化
チタン粒子を含む誘電体ガラスを塗布し、焼成すること
によって、可視光反射層23を形成して、背面パネル2
0を作製する。
【0058】なお、可視光反射層23の形成方法として
は、背面ガラス基板の表面上に先ず隔壁を設置した後
に、隔壁の間に酸化チタンを含むインキを塗布して形成
することもできる。
【0059】隔壁及び蛍光体層の形成;背面パネル20
の可視光反射層23の上に、ガラス製の隔壁材料をスク
リーン印刷法で所定間隔のストライプ状に繰り返し塗布
した後、焼成することによって、隔壁30を形成する。
【0060】前面パネル10の保護層14の上の所定領
域に、赤,緑,青の蛍光体を塗布し、焼成を行うことに
よって、第1の蛍光体層31を形成する。
【0061】各色の蛍光体としては、一般的にPDPで
用いられている蛍光体を用いることができるが、ここで
は、赤色蛍光体としては(YxGd1-x)BO3:E
3+、緑蛍光体としてはZn2SiO4:Mn、青色蛍光
体としてBaMgAl1017:Eu2+を用いることとす
る。
【0062】この蛍光体の塗布方法としては、スクリー
ン印刷法で蛍光体インキを塗布する方法以外に、半導体
の製造において通常用いられているフォトリソグラフィ
技術を用いる方法もある。
【0063】即ち、感光性樹脂に蛍光体を練り込んだ蛍
光体ペーストを全面に塗布した後、フォトリソグラフィ
法でパターンニングを行うという工程を、色ごとに順に
行うことによって、3色の蛍光体層を形成することもで
きる。
【0064】高精細のパネル構造の場合、スクリーン印
刷法では十分な精度が得られにくく混色などが発生する
こともあるが、このフォトリソグラフィ法を用いれば高
精細のパネル構造でも精度よく蛍光体層を形成すること
ができる。
【0065】一方、背面パネル20上の隔壁30と隔壁
30との間に形成されている凹部に、赤、緑、青の蛍光
体を含むインキ或はペーストを塗布し、焼成することに
よって第2の蛍光体層32を形成する。ここで用いる蛍
光体は、第1の蛍光体層31に用いるものと同様のもの
である。
【0066】この隔壁30間の凹部への蛍光体の塗布に
際し、凹部の底面上(即ち、可視光反射層23の表面
上)と、凹部の側面上(即ち隔壁30の側面上)との各
々に、適度な膜厚で蛍光体が付着するように塗布を行
う。
【0067】そのような蛍光体の塗布は、蛍光体ペース
トを用いてスクリーン印刷法で行える場合もあるが、ス
クリーン印刷法の場合は、凹部の側壁に蛍光体ペースト
を付着させるのが難しく、特に詳細なセル構造の場合に
は困難である。
【0068】これに対して、図4に示すようなインキ充
填装置を用いて、以下のように、ノズルから蛍光体イン
キを突出させて蛍光体インキを架橋させながらノズルを
隔壁に沿って走査する方法によって塗布を行えば、比較
的容易に凹部の側壁にも蛍光体インキを付着させること
ができる。
【0069】図4のインキ充填装置50では、加圧ポン
プ(不図示)からヘッダ51に蛍光体インキが送り込ま
れ、ノズル52から突出されるようになっている。
【0070】このインキ充填装置50を用いて、ノズル
52から蛍光体インキを突出しながら、ノズル52を隔
壁30の側面との距離を、蛍光体インキが表面張力で架
橋される程度に十分近づけた状態に保ち、ヘッダ51を
隔壁30に沿って走査することによって、蛍光体インキ
を隔壁30間の凹部に塗布する。
【0071】この方法によれば、蛍光体インキを凹部の
底面だけでなく、隔壁30の側面にも容易に付着させる
ことができる。
【0072】また、形成される蛍光体層の形状(凹部の
底面上と側面上との厚さの比率)は、凹部の底面(可視
光反射層23の表面)と隔壁30の表面との蛍光体イン
キに対する吸着力によっても大きく左右されるので、こ
の表面状態を調整することによって、形成する蛍光体層
の形状を調整することができる。
【0073】図5は、隔壁30間の凹部に充填された蛍
光体インキが乾燥する様子の一例を示すものであって、
(a)は蛍光体インキ塗布直後、(b)は乾燥途中、
(c)は乾燥後の状態を示す。
【0074】例えば、隔壁30を形成する際に、蛍光体
インキの隔壁30の側面に対する接触角が、蛍光体イン
キの可視光反射層23に対する接触角よりも小さくなる
ように、隔壁の材料を選択しておけば、本図に示される
ように、隔壁30間の凹部に塗布された蛍光体インキが
乾燥するときに、凹部の側面に多く付着して残るので、
凹部の側面上の厚みを厚く、底面上の厚みを薄くするこ
とができる。
【0075】上記したように第1の蛍光体層31の充填
率が第2の蛍光体層32の充填率よりも小さくなるよう
に蛍光体層を敷設するわけであるが、本実施の形態で
は、粒度分布の異なる蛍光体を用いたり、或は異なる粒
子形状の蛍光体を用いることによって各蛍光体層を形成
してある。
【0076】即ち、粒度分布の指標としては幾つか挙げ
られるであろうが、ここでは、下記式1で表される粒径
集中度xを用い、この値の大きい蛍光体粒子を第1の蛍
光体層31に、小さい値の蛍光体粒子を蛍光体層32に
用いる。なお、本実施の形態ではこの粒径の測定には、
コールターカウンタ粒度分析計(コールター株式会社製
の粒度測定装置)を用いている。
【0077】 (式1) x=100・A/(A+dmax−dmin) 但 A ; 平均粒径(通過率(重量比率)50
%の時の粒径) dmax ; 最大粒径(通過率(重量比率)90%の時
の粒径) dmin ; 最小粒径(通過率(重量比率)10%の時
の粒径)
【0078】図6は、粒径集中度x(%)の異なる蛍光
体粒子群を用いて蛍光体層を形成した場合の粒子の配列
状態を2次元的に表した模式図であり、(a)は、粒径
集中度x(%)が大きい粒子群を用いた場合(第1の蛍
光体層31)、(b)は、粒径集中度(%)が小さい粒
子群を用いた場合(第2の蛍光体層32)の粒子の配列
状態を表している。なお、実際には、蛍光体層は上記し
たように焼成により形成するので、粒子は原形を失って
いて、焼成前の粒子の配列状態とは若干異なると考えら
れるが、図示したような配列状態をとっていることは電
子顕微鏡観察によって確認している。
【0079】まず、粒径集中度x(%)の大きい粒子群
を用いた場合には、図(a)に示すように、所定の空間
当たり(図中点線枠内)の空隙率が大きい、これに対し
て、粒径集中度x(%)の小さい粒子群を用いた場合に
は、図(b)に示すように、所定の空間当たり(図中点
線枠内)の空隙率が小さい。つまり、粒径集中度x
(%)の大きい粒子群を用いた場合の充填率d1は、粒
径集中度x(%)の小さい粒子群を用いた場合の充填率
d2よりも小さい状態で粒子が配列することになる。粒
径集中度x(%)の小さい粒子群の方が、粒径集中度x
(%)の大きい粒子群を用いた場合に比べて小径の粒子
の数の占める比率が多くなるため、大粒子間の間隙にそ
の小粒子が入り込み、空隙が減少し充填率が大きくなる
のである。また、このような粒径集中度x(%)の違い
による充填率の低減に基づくパネルの輝度向上にとって
有効な粒径集中度x(%)は、50%以上であることが
であることが好ましく、この範囲でも更に輝度を安定化
させるといった観点からは80%以上であることがより
好ましいことを実験的に確認してある。
【0080】また、下記式2で表されるy値(球状度)
を指標とし、粒子形状の異なる蛍光体を用いて各蛍光体
層を形成することもできる。
【0081】(式2) y=c/a 但 c ; 蛍光体粒子の中心点から粒子表面の最も近
い点までの距離 a ; 蛍光体粒子の中心点から粒子表面の最も遠い点
までの距離
【0082】即ち、この球状度yが大きいもの、即ち粒
子形状が球状のものを第1の蛍光体層31に、この球状
度yが小さいもの、即ち粒子形状が球状から変形した板
状ものもを第2の蛍光体層32の形成に用いた。なお、
この球状度の測定は、本実施の形態では電子顕微鏡を用
いた画像処理装置により行い、その結果に基づいて上記
した球状度y値が0.8≦y≦1.0の範囲に分布する
蛍光体を「球状」と、球状度y値がy<0.8の範囲に
分布する蛍光体を「板状」と定義している。
【0083】図7は、上記球状度の異なる蛍光体粒子群
を用いて蛍光体層を形成した場合の粒子の配列状態を2
次元的に表した模式図であり、(a)は、球状度yが大
きい粒子群を用いた場合(第1の蛍光体層31)、
(b)は、球状度yが小さい粒子群を用いた場合(第2
の蛍光体層32)の粒子の配列状態を表している。な
お、ここでも実際には、蛍光体層は上記したように焼成
により形成するので、粒子は原形を失っていて、焼成前
の粒子の配列状態とは若干異なると考えられるが、図示
したような配列状態をとっていることは電子顕微鏡観察
によって確認している。
【0084】まず、球状度yの大きい球状の粒子群を用
いた場合には、図(a)に示すように、所定の空間当た
り(図中点線枠内)の空隙率が大きい、これに対して球
状度yの小さい板状の粒子群を用いた場合には、図
(b)に示すように、所定の空間当たり(図中点線枠
内)の空隙率が小さい。つまり、球状の粒子群を用いた
場合の充填率d1は、板状の粒子群を用いた場合の充填
率d2よりも小さい状態で粒子が配列することになる。
板状の粒子群の方が、球状の粒子群を用いた場合に比べ
て、各粒子が密に配列するので空隙が減少し充填率が大
きくなるのである。なお、このような球状度が大きいな
特殊な蛍光体は、例えば、特開平62−201989号
公報や特開平7−268319号公報に記載されている
ような方法を適用することによって製造することができ
る。
【0085】更に、粒径集中度x(%)が大きく且つ球
状度が大きい粒子群を用いれば、何れか一方を満足する
粒子群を用いる場合と比べて、いっそう空隙率を大き
く、つまり充填率を小さくすることができる。
【0086】なお、蛍光体層の充填率を小さく設定する
のに、用いる蛍光体ペーストの蛍光体濃度を低く設定す
ることによって行うこともできるが、この場合には有機
バインダ量が増すためこれが焼成後も不純物として残り
パネル輝度を劣化させる可能性があるので、その点でも
上記したような粒度分布を変えたり、粒子形状を変えた
りすることにより充填率を設定する方法は有効である。
また、このように可視光透過率の向上を図るのに蛍光体
層の空隙率(充填率)を大きく(小さく)設定する以外
に、膜厚を単に薄くする方法も考えられるが、同じ可視
光変換率に設定した場合に、空隙率(充填率)が大きく
(小さく)なるように形成してある方が、可視光の透過
率は大きくなると思われるのでパネル輝度の向上を図る
には望ましいと思われる。
【0087】パネル貼り合わせによるPDPの作製:上
記のように作製した前面パネル10と、隔壁30付きの
背面パネルとを、表示電極12とアドレス電極22とが
直交するように対向させて、封着用ガラスを用いて貼り
合わせると共に、隔壁30で仕切られた放電空間内を、
高真空(8×10-7Torr)に排気した後、所定の組
成の放電ガスを所定の圧力で封入することによってPD
Pを作製する。
【0088】
【実施例】〔実施例1〕42インチのハイビジョンテレ
ビ用のディスプレイに合わせて、隔壁30の高さを0.
1mm、隔壁30の間隔(セルピッチ)を0.15mm
に設定した上記実施の形態に基づいて幾つかの条件で蛍
光体を形成したPDPを作製し、上記効果について検証
した。
【0089】誘電体ガラス層13は、酸化鉛[PbO]
70重量%と酸化ホウ素[B23]15重量%と酸化ケ
イ素[SiO2]15重量%とを、有機バインダー(α
−ターピネオールに10%のエチルセルロースを溶解し
たもの)に混合してなる組成物を、スクリーン印刷法で
塗布した後、580℃で10分間焼成することによって
形成し、その膜厚は20μmに設定した。
【0090】保護層14は、プラズマCVD法により、
厚さ1μmに形成した。
【0091】可視光反射層23は、鉛ガラスに酸化チタ
ン粒子を混合する以外は誘電体ガラス層13と同様に形
成した。
【0092】第2の蛍光体層32に用いる蛍光体に粒径
集中度が40%のものを用い、第1の蛍光体層31に用
いる蛍光体には粒径集中度を30%,40%,50%,
60%,70%,80%,95%と異なるものを用いた
以外は、第1及び第2の蛍光体層31,32双方とも
に、平均粒径3μmの蛍光体を含有する各蛍光体インキ
を、スクリーン印刷法で塗布し、焼成を行うことによっ
て平均厚さ20に形成した。なお、例えば平均粒径3μ
mで粒径集中度(%)が50%の蛍光体は、10%通過
率(重量)のときの粒径が1.5μmで90%通過率
(重量)のときの粒径が4.5μmであり、粒径集中度
(%)が80%の蛍光体は、10%通過率(重量)のと
きの粒径が2.625μmで90%通過率(重量)のと
きの粒径が3.375μmである。
【0093】封入する放電ガスの組成は、5%キセノン
(Xe)ガスを含むヘリウム(He)ガスを放電ガスと
して500Torr封入した。
【0094】以上のようにして作製したPDPを80
V、周波数30KHzで駆動させた時のパネルの輝度を
測定し、フロントカバープレートの第1の蛍光体層31
に用いた粒径集中度(%)が輝度に与える影響を調べ
た。図8にこの結果を第1の蛍光体層31に用いた蛍光
体の粒径集中度(%)を横軸に、パネル輝度を縦軸にし
てプロットした。なお、この図においてパネル輝度は、
粒径集中度が30%の時の輝度を基準(100)とし、
それに対する相対値で表してある。
【0095】この特性図に示すように、第1の蛍光体層
31に用いる蛍光体の粒径集中度(%)が大きなものほ
どパネルの相対輝度は向上していることがわかる。これ
は上記したように粒径集中度(%)が大きいほど第1の
蛍光体層31の充填率が小さくなって蛍光体粒子間の空
隙率が高くなり、従って当該第1の蛍光体層31から透
過する可視光量が増すからである。
【0096】更に、詳細に第1の蛍光体層31に用いる
蛍光体の粒径集中度(%)と相対輝度との関係を考察す
ると、上記特性図から粒径集中度(%)が50%未満で
は、パネル輝度の向上効果は小さく、50%以上とすれ
ば高いパネル輝度向上効果が得られることが分かる。こ
のことから第1の蛍光体層31に用いる蛍光体の粒径集
中度(%)は、50%以上に設定することが望ましいと
言える。尤も、第1の蛍光体層31の可視光透過率が同
じであっても、バックプレート側での可視光の反射率を
更に高めることによって、具体的には例えば第2の蛍光
体層32を粒径集中度の更に小さい蛍光体を用いて充填
率を密に形成し、その側面部32bの可視光反射率を高
く設定することによって、第1の蛍光体層31に入射す
る可視光量を増し第1の蛍光体層31から透過する可視
光量を多くすることによりパネル輝度の向上を図ること
もできる。また、粒径集中度(%)が80(%)以上と
なると相対輝度は120%付近まで向上するものの、そ
の変化率が小さくなっている。このことから、第1の蛍
光体層31に用いる蛍光体の粒度分布の変動の影響を減
殺してより安定したしかも高いパネル輝度を得るには、
粒径集中度(%)が80(%)以上のを蛍光体を用いる
ことが好ましいことも分かる。
【0097】〔実施例2〕次に、上記同様にして表1に
示したようなパネル1〜4のPDPを作製し上記同様に
駆動させて粒子形状とパネル輝度(相対輝度)との関係
について考察した。
【0098】
【表1】
【0099】パネル1は、第1の蛍光体層31を板状の
蛍光体で第2の蛍光体層32を球状の蛍光体により形成
したものであり、パネル2は、第1の蛍光体層31を球
状の蛍光体で第2の蛍光体層32を球状の蛍光体により
形成したものであり、パネル3は、第1の蛍光体層31
を板状の蛍光体で第2の蛍光体層32を板状の蛍光体に
より形成したものであり、又パネル4は、第1の蛍光体
層31を球状の蛍光体で第2の蛍光体層32を板状の蛍
光体により形成したものである。
【0100】上記表1においてパネル1とパネル2、パ
ネル3とパネル4との比較から第1の蛍光体層に球状の
蛍光体を用いることによってパネル輝度の向上を図るこ
とができることが分かる。これは上記したように球状の
蛍光体で第1の蛍光体層31を形成すれば充填率を小さ
く蛍光体粒子間の空隙率を高くでき、従って当該第1の
蛍光体層31から透過する可視光量が増すからである。
しかも、同じように第1の蛍光体層31に球状の蛍光体
を用いた場合であっても第2の蛍光体層32に蛍光体に
板状のものを用いればよりその効果が顕著になることも
分かる。これは一方で、第1の蛍光体層31の可視光透
過率が同じであっても、バックプレート側での可視光の
反射率を更に高めることによって、第1の蛍光体層31
から透過する可視光量を多くしてパネル輝度の向上を図
ることをできることを意味している。
【0101】〔その他の事項〕本発明は、上記実施の形
態に限定されないのは言うまでもなく、発明の要旨を逸
脱しない範囲において次のような変形例や効果が考えら
れる。
【0102】(1) 例えば、青色蛍光体に関しての
み、上記したような第1及び第2の蛍光体層を形成し
て、それ以外は従来同様に第2の蛍光体層のみとするこ
とによっても、発光効率を従来よりある程度高めること
はできる。これは、従来のPDPにおいては、通常、青
色蛍光体が最も輝度が得られ難い実情から、赤色,緑色
蛍光体層の塗布量を少なくしたり、シリカなどの添加剤
を加えるなどして当該蛍光体層の輝度を低く設定し白バ
ランスを採っていたため、パネル輝度は、青色蛍光体の
輝度に制約されざるをえなかったが、この青色蛍光体の
輝度の向上が実現されることで、その制約が解除される
からである。
【0103】(2) 上記実施の形態では、交流型のP
DPを例に挙げて説明したが、これに限られず、直流型
のPDPであっても同様に実施することができる。
【0104】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、蛍光体層は、上記バックプレートの表面上と前記隔
壁の壁面と上記フロントカバープレートの表面上とにわ
たって配設されていると共に、フロントカバープレート
における蛍光体層の空隙率(充填率)は、バックプレー
ト及び隔壁における蛍光体層の空隙率(充填率)よりも
大きい(小さい)ので、又平均粒径をA、所定の分布範
囲での最大粒径をdmax、最小粒径をdminとしx=10
0・A/(A+dmax−dmin)で表されるxを粒径集中
度(%)と定義した場合に、上記フロントカバープレー
トにおける蛍光体層の形成に用いる蛍光体粒子の粒径集
中度は、上記バックプレート及び隔壁における蛍光体層
の形成に用いる蛍光体粒子の粒径集中度よりも大きいの
で、更には、蛍光体粒子の中心点から粒子表面の最も遠
い点までの距離をa、最も近い点までの距離をcとし、
c/aを粒子の球状度と定義した場合に、上記フロント
カバープレートにおける蛍光体層の形成に用いる蛍光体
粒子の球状度は、上記バックプレートにおける蛍光体層
の形成に用いる蛍光体粒子の球状度よりも大きいので、
発光効率を従来より高め、微細なセル構造の場合にも高
い発光効率で作動させることができる。
【0105】ここで、フロントカバープレートにおける
蛍光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度x
を50%以上とすることが望ましい。
【0106】また、フロントカバープレートにおける蛍
光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度xを
80%以上とすることがより望ましい。
【0107】更に、隔壁及びバックプレートにおける蛍
光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度xを
50%未満とすることが望ましい。
【0108】また、上記蛍光体層を第一の電極に対応す
る領域には形成されていない構成がより望ましい。
【0109】加えて、上記ガス媒体の封入圧を760〜
4000Torrに設定すればより望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の交流面放電型PDPの概略を示す
斜視図である。
【図2】図1のX−X線矢視断面図である。
【図3】図1のY−Y線矢視断面図である。
【図4】蛍光体層の形成に用いるインキ充填装置の概念
図である。
【図5】隔壁30間の凹部に充填された蛍光体インキが
乾燥する様子の一例を示すものであって、(a)は蛍光
体インキ塗布直後、(b)は乾燥途中、(c)は乾燥後
の状態を示す。
【図6】粒径集中度x(%)の異なる蛍光体粒子群を用
いて蛍光体層を形成した場合の粒子の配列状態を2次元
的に表した模式図であり、(a)は、粒径集中度x
(%)が大きい粒子群を用いた場合(第1の蛍光体層3
1)、(b)は、粒径集中度(%)が小さい粒子群を用
いた場合(第2の蛍光体層32)の粒子の配列状態を表
している。
【図7】球状度の異なる蛍光体粒子群を用いて蛍光体層
を形成した場合の粒子の配列状態を2次元的に表した模
式図であり、(a)は、球状度の大きい粒子群を用いた
場合(第1の蛍光体層31)、(b)は、球状度が小さ
い粒子群を用いた場合(第2の蛍光体層32)の粒子の
配列状態を表している。
【図8】第1の蛍光体層に用いる蛍光体の粒径集中度
(%)とパネル輝度との関係を表す特性図である。
【図9】従来の交流型(AC型)のPDPの一例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
10 前面パネル(フロントカバープレート) 11 前面ガラス基板 12 表示電極 13 誘電体ガラス層 14 保護層 14a 切り欠き 20 背面パネル(バックプレート) 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 可視光反射層 30 隔壁 31 第1の蛍光体層 32 第2の蛍光体層 32a 背面部 32b 側面部 40 セル空間 50 インキ充填装置 51 ヘッダ 52 ノズル 61 前面ガラス基板 62 表示電極 63 誘電体ガラス層 64 誘電体保護層 65 背面ガラス基板 66 アドレス電極 67 隔壁 68 蛍光体 68B 青色蛍光体層 68R 赤色蛍光体層 68G 緑色蛍光体層 69 放電空間

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極が表面に配設されたフロント
    カバープレートと、第2の電極が表面に配設されたバッ
    クプレートとが、当該第1及び第2の電極を対向させた
    状態で間隔をおいて配されると共に、上記両プレートの
    間隙が隔壁で仕切られ、当該隔壁で仕切られた空間内に
    は、蛍光体層が配設されていると共に残余の空間に放電
    可能なガス媒体が封入されているプラズマディスプレイ
    パネルにおいて、 上記蛍光体層は、上記バックプレートの表面上と上記隔
    壁の壁面と上記フロントカバープレートの表面上とにわ
    たって配設されると共に、フロントカバープレートにお
    ける蛍光体層の空隙率は、バックプレート及び隔壁にお
    ける蛍光体層の空隙率よりも大きいことを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 第1の電極が表面に配設されたフロント
    カバープレートと、第2の電極が表面に配設されたバッ
    クプレートとが、当該第1及び第2の電極を対向させた
    状態で間隔をおいて配されると共に、上記両プレートの
    間隙が隔壁で仕切られ、当該隔壁で仕切られた空間内に
    は、蛍光体層が配設されていると共に残余の空間に放電
    可能なガス媒体が封入されているプラズマディスプレイ
    パネルにおいて、 上記蛍光体層は、上記バックプレートの表面上と上記隔
    壁の壁面と上記フロントカバープレートの表面上とにわ
    たって配設されると共に、フロントカバープレートにお
    ける蛍光体層の充填率は、バックプレート及び隔壁にお
    ける蛍光体層の充填率よりも小さいことを特徴とするプ
    ラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 第1の電極が表面に配設されたフロント
    カバープレートと、第2の電極が表面に配設されたバッ
    クプレートとが、当該第1及び第2の電極を対向させた
    状態で間隔をおいて配されると共に、上記両プレートの
    間隙が隔壁で仕切られ、当該隔壁で仕切られた空間内に
    は、蛍光体層が配設されていると共に残余の空間に放電
    可能なガス媒体が封入されているプラズマディスプレイ
    パネルにおいて、 上記蛍光体層は、上記バックプレートの表面上と上記隔
    壁の壁面と上記フロントカバープレートの表面上とにわ
    たって配設されると共に、平均粒径をA、所定の分布範
    囲での最大粒径をdmax、最小粒径をdminとしx=10
    0・A/(A+dmax−dmin)で表されるxを粒径集中
    度(%)と定義した場合に、上記フロントカバープレー
    トにおける蛍光体層は、それの形成に用いる蛍光体粒子
    の粒径集中度が、上記バックプレート及び隔壁における
    蛍光体層の形成に用いる蛍光体粒子の粒径集中度よりも
    大きいことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 フロントカバープレートにおける蛍光体
    層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度xは、5
    0%以上であることを特徴とする請求項3記載のプラズ
    マディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 フロントカバープレートにおける蛍光体
    層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度xは、8
    0%以上であることを特徴とする請求項3記載のプラズ
    マディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】 上記バックプレート及び隔壁における蛍
    光体層の形成に用いる蛍光体粒子の上記粒径集中度x
    は、50%未満であることを特徴とする請求項3記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 第1の電極が表面に配設されたフロント
    カバープレートと、第2の電極が表面に配設されたバッ
    クプレートとが、当該第1及び第2の電極を対向させた
    状態で間隔をおいて配されると共に、上記両プレートの
    間隙が隔壁で仕切られ、当該隔壁で仕切られた空間内に
    は、蛍光体層が配設されていると共に残余の空間に放電
    可能なガス媒体が封入されているプラズマディスプレイ
    パネルにおいて、 上記蛍光体層は、上記バックプレートの表面上と上記隔
    壁の壁面と上記フロントカバープレートの表面上とにわ
    たって配設されていると共に、蛍光体粒子の中心点から
    粒子表面の最も遠い点までの距離をa、最も近い点まで
    の距離をcとし、c/aを粒子の球状度と定義した場合
    に、上記フロントカバープレートにおける蛍光体層は、
    それの形成に用いる蛍光体粒子の球状度が、上記バック
    プレート及び隔壁における蛍光体層の形成に用いる蛍光
    体粒子の球状度よりも大きいことを特徴とするプラズマ
    ディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 上記フロントカバープレートにおける蛍
    光体層は、第一の電極に対応する領域を除いて形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  9. 【請求項9】 電極が表面に配設されたフロントカバー
    プレートの当該表面に、第1の蛍光体層を形成する第1
    ステップと、表面に隔壁が形成されると共に当該隔壁間
    に凹部が形成されているバックプレートの当該凹部に、
    第2の蛍光体層を形成する第2ステップと、フロントカ
    バープレートとバックプレートとを、上記第1の蛍光体
    層と第2の蛍光体層を対向させた状態で平行に配すると
    共に、上記凹部に放電可能なガス媒体を封入する第3ス
    テップとを備えるプラズマディスプレイパネルの製造方
    法であって、 平均粒径をA、所定の分布範囲での最大粒径をdmax、
    最小粒径をdminとしx=100・A/(A+dmax−d
    min)で表されるxを粒径集中度(%)と定義した場合
    に、第1ステップにおける第1の蛍光体層の形成には、
    第2ステップにおける第2の蛍光体層の形成に用いる蛍
    光体の粒径集中度よりも大きい蛍光体を用いていること
    を特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 電極が表面に配設されたフロントカバ
    ープレートの当該表面に、第1の蛍光体層を形成する第
    1ステップと、表面に隔壁が形成されると共に当該隔壁
    間に凹部が形成されているバックプレートの当該凹部
    に、第2の蛍光体層を形成する第2ステップと、フロン
    トカバープレートとバックプレートとを、上記第1の蛍
    光体層と第2の蛍光体層を対向させた状態で平行に配す
    ると共に、上記凹部に放電可能なガス媒体を封入する第
    3ステップとを備えるプラズマディスプレイパネルの製
    造方法であって、 蛍光体粒子の中心点から粒子表面の最も遠い点までの距
    離をa、最も近い点までの距離をcとし、c/aを粒子
    の球状度と定義した場合に、第1ステップにおける第1
    の蛍光体層の形成には、第2ステップにおける第2の蛍
    光体層の形成に用いる蛍光体の球状度よりも大きい蛍光
    体を用いていることを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  11. 【請求項11】 フロントカバープレートにおける蛍光
    体層の形成には、上記粒径集中度xが50%以上の蛍光
    体を用いることを特徴とする請求項9記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  12. 【請求項12】 フロントカバープレートにおける蛍光
    体層の形成には、上記粒径集中度xが80%以上の蛍光
    体を用いることを特徴とする請求項9記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 上記バックプレート及び隔壁における
    蛍光体層の形成には、上記粒径集中度xが50%未満の
    蛍光体を用いることを特徴とする請求項9記載のプラズ
    マディスプレイパネルの製造方法。
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