JP4102073B2 - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)は、直流(DC)型と交流(AC)型に大きく分けられるが、現在では大型化に適したAC型が主流となっている。
図16は、AC型PDPの一例を示す斜視図(一部断面図)である。
【0003】
図16に示すように、前面ガラス基板61の表面上には、複数の表示電極62がストライプ状に配設されている。表示電極62が配設された面の上には、全体を覆うように誘電体層63が形成されている。さらに、誘電体層63の面上には、誘電体保護膜64が形成されている。
一方、背面ガラス基板71の上記前面ガラス基板61と対向する面には、複数のアドレス電極72がストライプ状に配設されている。アドレス電極72の配設方向は、前面ガラス基板61と背面ガラス基板71とを対向配置する際に、表示電極62と交差する方向である。アドレス電極72が配設された面の上には、全体を覆うように誘電体層73が形成されている。さらに、誘電体層73の面上には、アドレス電極72と平行に、且つ前面ガラス基板61の方に向けて、複数の隔壁75が突設されている。
【0004】
隣り合う隔壁75と隔壁75および誘電体層73とで形成される溝部分の側面には、蛍光体層76が配設されている。蛍光体層76は、隔壁75で仕切られる溝部分毎に、赤色蛍光体層76R、緑色蛍光体層76G、青色蛍光体層76Bが配設されている。これら蛍光体層76は、スクリーン印刷法やインクジェット法、フォトレジストフィルム法などの厚膜形成法を用いて形成された蛍光体粒子群からなる層である。
【0005】
このような構造を有する前面ガラス基板61と背面ガラス基板71とを対向配置した際に、上記溝部分と誘電体保護膜64とで形成される放電空間77には、放電ガスが封入されている。
以上の構造を有するAC型PDPは、基本的に蛍光灯と同様の発光原理を有し、放電空間77の内部における放電に伴い放電ガスから放出された紫外線が蛍光体層76を励起発光させ、可視光に変換される。
【0006】
ただし、上記AC型PDPに用いる各色の蛍光体層76R、76G、76Bには、それぞれに異なる可視光への変換効率を有する蛍光体材料が用いられている。そのため、パネルにおいて画像を表示させる際には、一般に各蛍光体層76R、76G、76Bの輝度を調整することによって、色バランスの調整がなされている。具体的には、輝度の最も低い色の蛍光体層を基準にして、他の蛍光体層の輝度を色毎に決められた比率で低下させている。
【0007】
ところで、高品位ディスプレイへの要求が高まるのに伴い、PDPにおいても、セルの微細化が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のPDPでは、セルを微細化した場合、放電空間77の体積の減少に伴って紫外線の放射効率が低下してしまう。
これに対して、微細なセル構造を有するPDPを実現するためには、従来よりもさらにセル単位での発光効率を向上させる必要がある。
【0009】
例えば、従来のNTSCでは、セル数が640×480であり、40インチクラスではセルピッチが0.43mm×1.29mm、1セル当りの面積が0.55mm2で輝度が約250cd/m2である(例えば、機能材料1996年2月号Vol.16、No.2、ページ7)。
これに対して、フルスペックのハイビジョンテレビの画素レベルでは、画素数が1920×1125となり、42インチクラスでのセルピッチは0.15mm×0.48mmで、1セル当りの面積が0.072mm2となる。このようなスペックのハイビジョンテレビ用のPDPを従来の構造で作製した場合、1セル当りの面積の減少に伴い、紫外線の放射効率が、NTSCの場合に比べて1/7〜1/8程度の0.15lm/W〜0.17lm/W程度まで低下する。よって、パネルの発光効率も、低くなる。
【0010】
本発明は、以上のような課題を解決しようとなされたものであって、微細なセル構造を有する場合にも高い発光効率で動作させることが出来るプラズマディスプレイパネルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、対向配置された前面パネルと背面パネルとの間隙に、複数の発光セルが形成されてなるPDPにおいて、少なくとも一部領域に結晶性の薄膜である結晶蛍光体膜を備えることを特徴とする。
【0012】
上記結晶蛍光体膜が形成される領域は、前面パネルにおける少なくとも一部の発光セル相当部位であることが望ましい。
従来のPDPでは、前面パネルに蛍光体層が形成されていなかったため、紫外線の一部が利用されずに前面パネルに吸収されていた。
これに対して、上記PDPでは、結晶性の薄膜である結晶蛍光体膜が前面パネルの少なくとも一部の発光セル相当部位に形成されているので、この発光セル内で生じた紫外線の一部がそのまま前面パネルに吸収されることなく、可視光に変換されてパネル外部に放出される。
【0013】
また、従来の蛍光体粒子群からなる蛍光体層は、可視光透過率が低いので、これを前面パネル側に形成すると、発光セル内で生じた可視光の多くを遮ってしまうのに対して、上記結晶蛍光体膜では、高い可視光透過率を有する結晶性の薄膜で形成されているので、これを前面パネル側に形成しても、発光セル内で生じた可視光をほとんど遮ることがない。
【0014】
従って、上記PDPでは、従来のPDPに比べて発光効率に優れ、微細なセル構造を採用する際にも適している。
なお、一般に薄膜という用語を用いる場合、結晶性の薄膜以外にもアモルファスや粒子群からなる薄膜を含むが、ここで云う薄膜結晶とは、単一固溶体の薄膜であって、透過型電子顕微鏡(TEM)で結晶格子像が確認出来るとともに、X線回折法による測定で鋭いピークが得られるような結晶性の薄膜を指している。
【0015】
上記PDPでは、結晶蛍光体膜の可視光透過率が少なくとも85%となるような材料を選択したり、膜厚を設定したりすることが望ましい。これは、前面パネルに結晶蛍光体膜を形成する場合であっても、可視光透過率が85%未満であると、結晶蛍光体膜によって遮られてしまう可視光が大きくなってしまい、総合的に見てパネルの発光効率が低下するためである。
【0016】
なお、この可視光透過率とは、前面パネルに形成された結晶蛍光体膜(結晶性の薄膜)の可視光の透過率を指している。具体的には、当該蛍光体自身の発光波長における透過率である。また、蛍光体自身の透過率を指し、その他基板や誘電体層の透過率は含めない。
また、上記PDPでは、必ずしも前面パネルの全域に結晶蛍光体膜を形成する必要はない。例えば、本発明は、結晶蛍光体膜を、赤色および緑色および青色の発光セル群の内の一つまたは二つの発光セル群、具体的には、青色発光セル群および緑色発光セル群の内の少なくとも一方の相当部位に形成すれば、十分効果が得られる。これは、通常、パネルの色バランスをとる際にこれらの色に合わせて赤色の輝度を低下させることが必要であり、上記2色の輝度が向上できれば、パネル全体としての発光効率を向上させることが出来るためである。特に、青色の発光セル群の相当箇所に結晶蛍光体膜を形成することが効果的である。
【0017】
また、特定の色の発光セル群を選択して形成するほか、形成する領域を発光セル群の輝度に応じて制限することなどによっても効果が得られる。
上記結晶蛍光体膜を形成するのに用いる蛍光体材料と、蛍光体粒子群からなる蛍光体層を形成するのに用いる蛍光体材料とは、同じ材料であっても良いし、異なる材料であっても良い。PDPにおいて、表示電極間での放電は、前面パネルの表面近傍で生じ、数μmの領域である。ここでは、多量の電離気体が存在し、前面パネル表面は電子やイオンの衝撃を多く受ける。従来のPDPでは、放電領域から離れた背面パネルのみに蛍光体層が形成されるため、紫外線励起型の蛍光体材料が用いられてきた。
【0018】
これに対して、上記のように、放電領域の近傍である前面パネルの最表面に蛍光体膜が形成される場合には、紫外線励起型のみでなく、電子やイオンが衝突する際の衝突エネルギーによって蛍光体が励起されて発光する衝突励起型の蛍光体材料を用いることが出来る。
前面パネルにおいて、上記結晶蛍光体膜を形成する前面パネルの部位は、保護膜の面上であることが好ましい。この内、結晶蛍光体膜を保護膜の面上に形成する場合には、表示電極の相当部位に切欠部を設けておくことが望ましい。これによって、上記PDPでは、パネル駆動時の放電において、保護膜の二次電子放出係数が高い性質が有効に利用できる。
【0019】
また、上記PDPでは、保護膜の表面に設けた蛍光体膜に切欠部を設けたが、保護膜の表面全体に蛍光体膜を形成しても同様の効果が得られる。ただし、蛍光体膜により放電が妨げられるために、放電電圧が多少高くなる。これを防ぐためには、前面パネルに形成する蛍光体膜を誘電体層と保護膜との間に形成することが有効である。このようにすれば、放電が妨げられない上に、蛍光体膜の表面積を大きくとることが可能となり、より輝度の高いPDPを得ることが出来る。ただし、この場合には、結晶蛍光体膜が放電空間に直接面しないため、この材料としては従来と同様の紫外線励起型の蛍光体材料を用いることが必要である。
【0020】
また、上記PDPでは、背面パネルおよび隔壁の少なくとも一方に蛍光体粒子群からなる蛍光体層を備えていても良い。たとえ、背面パネルおよび隔壁の一方に蛍光体粒子群からなる蛍光体層を備えない場合にも、上記PDPでは、従来のPDPに比べて、優れた発光効率を有する。背面パネルに蛍光体層を形成しない場合には、背面パネルの誘電体層の面上に、可視光を前面パネルの側に反射する機能を有する領域を形成しておくことが、発光効率の向上という面から望ましい。
【0021】
上記結晶蛍光体膜と蛍光体粒子群からなる蛍光体層とは、異なる組成の蛍光体材料から形成されていることが望ましい。特に、結晶蛍光体膜が衝突励起型の蛍光体材料から形成されていることが、望ましい。また、この場合には、背面パネルや隔壁に蛍光体層を形成しなくても良いので、製造段階における工程数を減らすことができ、コスト面で優れる。
【0022】
また、上記PDPでは、背面パネルが、背面基板上に複数の電極と、誘電体層とが形成されてなり、誘電体層が、間に結晶蛍光体膜あるいは蛍光体粒子群からなる蛍光体層の何れも介することなく、発光セルの内部空間に面することが望ましい。同様に、背面パネル上に形成されている隔壁において、その表面が発光セルの内部空間に面していても良いし、隔壁の発光セル相当部位に蛍光体粒子群からなる蛍光体層あるいは結晶蛍光体膜(結晶性の薄膜)が形成されていても良い。
【0023】
背面パネルにおける発光セル相当部位に蛍光体層が形成されていない場合には、背面パネルが少なくとも85%以上の可視光反射率を有するように、可視光を反射する機能を有することが望ましい。背面パネルにおける上記可視光反射率を有する領域を形成する箇所は、誘電体層の面上であっても良いし、その層内であっても良い。
【0024】
また、上記PDPでは、前面パネルにアドレス電極を有するとともに、背面パネルに表示電極を有するものも望ましい。
さらに、本発明は、対向配置された前面パネルと背面パネルとの間隙に、複数の発光セルが形成されてなるPDPにおいて、背面パネルが電極を有しており、背面パネルにおける前記電極上に、可視光を前記前面パネル側に反射する機能を有する領域を介して、結晶性の薄膜である結晶蛍光体膜を備えていることを特徴とする。
【0025】
上記PDPでは、背面パネルの可視光反射層の面上に結晶蛍光体膜(結晶性の薄膜)を形成しているので、より発光効率が向上する。この場合、上記可視光を反射する機能を有する領域における結晶蛍光体膜の側に凹凸を設けておけば、結晶蛍光体膜の実効表面積を広くすることができ、効果的である。この凹凸は、例えば表面を階段状、複数の突起を有する構造などが好ましい。この凹凸による実効表面積は、その平滑面の面積の5倍以上であることがより好ましい。
【0026】
本発明に係るPDPの製造方法は、前面パネルおよび背面パネルの内の少なくとも一方に、結晶性の薄膜である蛍光体膜を形成する蛍光体膜形成ステップを有し、蛍光体膜形成ステップでの蛍光体膜の形成に、減圧雰囲気下における真空製膜プロセスを用いることを特徴とする。また、本発明に係る製造方法では、蛍光体膜形成ステップの真空製膜プロセスにおいて、少なくとも蛍光体膜を形成しようとする領域を加熱することを特徴とする
この製造方法では、前面パネルおよび背面パネルの内の少なくとも一方に結晶性の薄膜である蛍光体膜を容易に形成することが出来るので、従来のPDPに比べて、発光効率の高いPDPを製造することが出来る。
【0027】
具体的な真空製膜プロセスとしては、真空蒸着法やスパッタリング法やCVD法などに代表される気相成長法があげられる。この真空製膜プロセスでの減圧雰囲気には、形成する蛍光体の材料組成によって、酸素を注入したり、還元性を有するようにしたりすることが望ましい。
上記PDPの製造方法では、前面パネルを形成するステップを有し、前面パネルを形成するステップが保護膜を形成するサブステップを有し、保護膜を形成するサブステップと蛍光体膜形成ステップとが、そのステップ間に他の工程を介することなく連続して実施されることが望ましい。このような製造方法では、基板の温度を低下させることなく両方の膜を一貫形成出来るので、放電空間に面する最表面側の膜の結晶性が良好なものとすることが出来る。
【0028】
特に、上記製造方法では、ステップ間で前面パネルを大気に曝すことがないような状態を維持することが結晶性を良好に膜を形成できるという点から望ましい。
また、上記製造方法では、真空装置を個別に備えずに済むので、設備費用を抑えることが出来る。
【0029】
上記蛍光体膜形成ステップでは、基板の蛍光体膜を形成しようとする領域を加熱しておくことが望ましい。
さらに、本発明は、前面パネルに第1の蛍光体層を形成する第1のステップと、背面パネルに第2の蛍光体層を形成する第2のステップとを備えるPDPの製造方法において、第1のステップおよび第2のステップの内、一方のステップが、結晶性の薄膜である結晶蛍光体膜を形成するステップであり、他方のステップが、蛍光体粒子群からなる蛍光体層を形成するステップであることを特徴とする。
【0030】
この方法では、従来のPDPに比べて、色バランスを崩すことなく、発光効率に優れたPDPを製造することが出来る。
本発明は、上記製造方法を用いて製造されたPDPや、PDPにこれを駆動するための駆動回路を備えるPDP表示装置も、その範囲に含むものである。
なお、本願明細書に添付の図面ならびに以下に記載の実施の形態は、本発明の一例として挙げたに過ぎない。本発明は、これら図面および実施の形態に限定されることを意図しない。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
1.パネルの全体構成
実施の形態1に係るAC型PDPの全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、AC型PDP1の一部分を抜き出して示した図である。
【0032】
図1に示すように、AC型PDP1は、前面パネル10と背面パネル20とが間隔をあけて対向配置され、パネル間の空間が隔壁30によって複数の放電空間40に仕切られた構造を有する。
前面パネル10は、前面ガラス基板11の一方の主表面上(図では下側)に複数の表示電極12がストライプ状に配設され、その表面に第1の誘電体層13および誘電体保護膜14が順に積層された構造を有している。
【0033】
背面パネル20は、上記前面パネル10と対向する側の背面ガラス基板21の面上に、複数のアドレス電極22がストライプ状に配設され、その表面を覆うように第2の誘電体層23が形成されてなる。
また、隔壁30は、実際には背面パネル20の第2の誘電体層23の上に突設されているものであって、アドレス電極22と平行に、且つ、隣り合うアドレス電極22とアドレス電極22との間の領域に配置されている。
【0034】
前面パネル10と背面パネル20とは、それぞれに配設された表示電極12とアドレス電極22とが交差して対向するように配置され、パネル周囲が気密シール層で封着されている。
放電空間40の内部には、放電ガス(Ne−Xe系ガス、He−Xe系ガスなど)が封入されている。
【0035】
上記AC型PDP1では、両ガラス基板11、21間における表示電極12とアドレス電極22とが交差する各々の部分が、発光セルに相当することになる。
誘電体保護膜14の面上における発光セルの相当部位には、第1の蛍光体膜31が形成されており、隔壁30および第2の誘電体層23の面上には、第2の蛍光体層32が形成されている。
【0036】
これら蛍光体層31、32の内、第2の蛍光体層32は、スクリーン印刷法を用いて形成された蛍光体層であって、単結晶粉末の蛍光体粒子群からなる厚膜蛍光体層である。この層は、蛍光体粒子が概ね10層程度積層された厚さとなっている。
一方、前面パネル10に形成されている第1の蛍光体膜31は、後述する電子ビーム(以下、「EB」という)蒸着法を用いて形成された、薄膜結晶からなる蛍光体層である。ただし、一般に薄膜には、アモルファスや粒子状からなるものも含むことがあるが、ここで云う薄膜結晶とは、透過型電子顕微鏡(TEM)で結晶格子像が確認出来るとともに、X線回折法による測定で鋭いピーク(θ−2θ法で半値幅が数度以下のピーク)が得られるような、単一固溶体からなる結晶質の薄膜を示す。
【0037】
また、第1の蛍光体膜31の膜厚は、当該第1の蛍光体膜31に紫外線を照射した際に十分な発光輝度が得られることと可視光透過率を確保することが両立可能な範囲に設定されている。具体的に、膜厚は、1〜6μmの範囲内であり、望ましくは2μm付近である。この点については、後で説明する。
第2の蛍光体層32を構成する蛍光体材料の組成は、以下に示すような紫外線励起型のものである。
【0038】
赤色蛍光体:(Y,Gd)BO3:Eu
緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn
青色蛍光体:BaMgAl1017:Eu
一方、第1の蛍光体膜31を構成する蛍光体材料は、衝突励起型のものであって、例えば以下に示すようなものである。
【0039】
赤色蛍光体:SnO2:Eu
緑色蛍光体:ZnO:Zn
青色蛍光体:ZnS:Ag
2.第1の蛍光体膜31の形状
次に、第1の蛍光体膜31の形状について、図2を用いて説明する。図2は、上記図1におけるX−X矢視断面図である。
【0040】
図2に示すように、第1の蛍光体膜31は、誘電体保護膜14の面上における隔壁30と隔壁30との間の全面に形成されているのではない。誘電体保護膜14の面上における表示電極12に対応した領域では、第1の蛍光体膜31は、切り欠かれている。この切り欠かれた部分(切欠部31a)は、表示電極12が形成された領域の誘電体保護膜14を放電空間40に対して露出させるために設けられているものであり、パネル駆動時の放電において、誘電体保護膜14の二次電子放出係数が高い性質が有効に利用できる。
3.パネルと駆動回路との接続
上記AC型PDP1と駆動回路との接続について、図3を用いて説明する。
【0041】
図3に示すように、AC型PDP1には、各ドライバ141、142、143および駆動回路140が接続されている。
AC型PDP1に形成された複数の表示電極12の内、一本おきに配されている半数の電極(以下、「走査電極12a」という)は、スキャンドライバ141に接続されている。スキャンドライバ141に接続されていない残りの表示電極12(以下、「維持電極12b」という)は、サスティンドライバ142に接続されている。
【0042】
また、全てのアドレス電極22は、データドライバ143に接続されている。
駆動回路140は、上記3つのドライバ141、142、143に接続されている。このようにして、AC型PDP1を備えるPDP表示装置が構成されている。
このPDP表示装置では、点灯させようとするセルに対応する走査電極12aとアドレス電極22の間に電圧が印加されて、アドレス放電を生じる。アドレス放電の後に、走査電極12aと維持電極12bとの間には、パルス電圧が印加されることによって、維持放電が発生する。そして、この放電に伴って放電ガスから紫外線が放出され、放出された紫外線は、上記第1の蛍光体膜31および第2の蛍光体層32で可視光に変換される。このようにして、AC型PDP1では、セルが点灯し、画像が表示される。
4.AC型PDP1の製造方法
次に、上記構造のAC型PDP1の製造方法について説明する。
【0043】
4−1.前面パネル10の製造方法
表示電極12は、上述のように、前面ガラス基板11の主表面上にAgを含む電極用ペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布し、焼結することによって形成される。表示電極12の形成パターンは、互いに平行なストライプ状とする。
第1の誘電体層13は、表示電極12が形成された前面ガラス基板11の面全体に誘電体ガラス粒子を含むペーストをスクリーン印刷法を用いて塗布し、焼結することにより形成される。第1の誘電体層13の厚みは、20μm程度である。
【0044】
誘電体保護膜14は、スパッタリング法などを用いて、第1の誘電体層13の表面上をMgOの薄膜で覆うことにより形成される。
第1の蛍光体膜31は、EB蒸着法を用いて形成されるが、詳細な形成方法については、後述する。
4−2.背面パネル20の製造方法
背面パネル20におけるアドレス電極22および第2の誘電体層23の形成方法は、基本的に上述の前面パネル10の場合と同様である。
【0045】
隔壁30は、第2の誘電体層23の面上に隔壁用のガラスペーストをスクリーン印刷法で塗布した後に、焼成することにより形成される。隔壁30と第2の誘電体層23とで形成される溝部分には、上記組成を有する各蛍光体ペーストがスクリーン印刷法により塗布され,焼成されることにより第2の蛍光体層32が形成される。第2の蛍光体層32の形成領域は,溝部分の底面、つまり第2の誘電体層23の面上だけではなく、隔壁30の壁面にも形成されている。
【0046】
4−3.前面パネル10と背面パネル20との封着
以上のように製造された前面パネル10と背面パネル20とは、接合しようとする部分に封着用のガラス(フリットガラス)を塗布し、仮焼成して封着ガラス層を形成して後、表示電極12とアドレス電極22とが直交して対向するように重ね合わせて、両パネル10、20を加熱して封着ガラス層を軟化させて封着がなされる。
【0047】
封着によって形成された放電空間40は、高真空状態(例えば、1.0×10-4Pa)まで排気がなされた後、放電ガスが所定圧力で封入される。そして、放電ガスの封入孔が塞がれることによって、AC型PDP1が完成する。
4−4.第1の蛍光体膜31の形成方法
AC型PDP1の特徴部分である第1の蛍光体膜31の形成方法について、図4および図5を用いて説明する。
【0048】
第1の蛍光体膜31の形成には、上述の第2の蛍光体層32を形成する場合とは異なり、図4に示すようなEB蒸着装置が用いられる。
図4に示すように、EB蒸着装置90は、内部を真空状態にする真空チャンバー91の中に、蒸着原料92を収容するハース93と、電子ビーム94を出射する電子銃95と、出射された電子ビーム94を集束・偏向する集束コイル96と偏向コイル97とを備えている。
【0049】
これら主要構成部の上方には、第1の蛍光体膜31の形成対象となるガラス基板98が搬送される搬送路(不図示)が備えられており、図中の矢印の方向に一定速度で通過するガラス基板98の下側表面に薄膜結晶の蛍光体が被着される構造となっている。また、搬送路の上方には、ヒータ(不図示)が取り付けられており、この熱輻射によってガラス基板98が加熱できるようになっている。
【0050】
このEB蒸着装置90の構成要素の中で、電子銃95は、図5に示すような構造を有している。
図5に示すように、電子銃95は、熱発生源であるフィラメント101と、一対の電極であるカソード102およびアノード103とを備える。電子ビーム94は、加熱されたフィラメント101から出射され、カソード102およびアノード103で加速されて集束コイル96に向けて放出される。
【0051】
図4において、装置内には、蛍光体材料92の蒸気99が搬送路の機器などに被着しないように防着板100が設けられている。
第1の蛍光体膜31の形成は、上記EB蒸着装置90を用いて以下のようにして行う。
先ず、形成しようとする色の上記組成を有する蛍光体材料92をハース93にセットする。蛍光体材料は、前もってペレット状に加工されている。
【0052】
次に、このハース93に向けて電子ビーム94を照射し、蛍光体材料92を約2000℃程度まで加熱して蒸発させる。ハース93から上がった蒸気99は、装置の上方に上昇してゆき、搬送路中のガラス基板98の露出された面に被着する。ガラス基板98には、予め第1の蛍光体膜31を形成しない領域にマスクが設けられている。
【0053】
照射する電子ビーム94の強度およびガラス基板98の搬送速度は、第1の蛍光体膜31の成長レートが約2.0(nm/s)になるように設定する。電子ビーム94の強度は、カソード102とアノード103との間の電圧値を一定に保った状態で、電流値により設定される。
なお、上記第1の蛍光体膜31の形成にあっては、EB蒸着法を用いたが、例えば真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法などの気相成長法を用いてもよい。ただし、誘電体保護膜14の面上に第1の蛍光体膜31を形成するに当っては、誘電体保護膜を形成した後、前面パネル10を大気に曝さないような状態を維持して蛍光体層を形成することが望ましい。さらに、ガラス基板の温度も保ったまま、誘電体保護膜14および第1の蛍光体膜31を形成するようにすれば、良好な結晶性を有する第1の蛍光体膜31を形成することが出来る。
【0054】
また、上述の形成方法では、第1の蛍光体膜31を形成する際に、用いる材料毎に雰囲気を最適化することが望ましい。例えば、例えば、SnO2:Euなどの材料を用いて蛍光体層を形成する際には、成長段階における酸素欠陥の発生を抑制するために、酸素を含む雰囲気とすることが必要である。ZnO:Znなどの材料を用いる際には、還元性の雰囲気とすることが望ましい。
【0055】
また、ZnS:Agでは、酸化性も還元性も示さない減圧雰囲気とすることが望ましい。
ここで、第1の蛍光体膜31の形成に衝突励起型の蛍光体材料を用いたのは、上述のように放電領域の近傍である前面パネル10の最表面に蛍光体膜を形成する場合に、電子やイオンが衝突する際のエネルギーによって発光するという特性から、放電領域近傍である前面パネル10の最表面に第1の蛍光体膜31を形成する場合、従来の紫外線励起型の蛍光体材料よりも適しているためである。ただし、第1の蛍光体膜31の形成には、紫外線励起型の蛍光体材料を用いてもかまわない。
【0056】
4−5.基板温度と蛍光体膜の結晶性
上記第1の蛍光体膜31を形成する際に、ガラス基板を加熱する理由について、図6を用いて説明する。図6は、第1の蛍光体層を形成する際のガラス基板の温度とX線回折による(111)配向のピーク強度との関係を示すグラフである。
【0057】
図6に示すように、回折強度は、基板温度の上昇に伴い上昇していく。これは、蛍光体を形成する際に、基板の温度が高いほど得られる蛍光体膜の結晶性が高いことを示している。よって、結晶性の高い蛍光体膜を形成するには、ガラス基板やその上に形成されている構成要素に悪影響を及ぼさない範囲で、ガラス基板を加熱しておくことが望ましい。
5.第1の蛍光体膜31についての考察
5−1.薄膜結晶からなることの優位性
以上のような第1の蛍光体膜31は、薄膜結晶からなるので、優れた可視光透過率を有し、且つ紫外線から可視光への変換効率も高い。以下では、これら第1の蛍光体膜31の優位性について、図7、8の両図を用いて説明する。図7は、厚膜形成法を用いて形成された蛍光体粒子群からなる蛍光体層の表面に入射する紫外線の進行経路を示す図であり、図8は、真空製膜プロセスを経て形成された薄膜結晶からなる蛍光体膜の表面に入射する紫外線の進行経路を示す図である。
【0058】
図7に示すように、厚膜形成法を用いて形成された蛍光体層では、蛍光体粒子の最表面にデッドレイヤーが形成される。このデッドレイヤーの部位では、紫外線を吸収しても発光中心にそのエネルギーを伝搬する効率が低い。そのため、可視光への変換効率が低い。中でも、デッドレイヤーの厚い部分に入射された紫外線は、ほとんど発光に寄与しない。
【0059】
これに対して、図8に示すように、薄膜結晶からなる第1の蛍光体膜31では、成長初期の層にデッドレイヤーが形成されることがあるものの、膜の最表面には形成されにくい。よって、薄膜結晶からなる第1の蛍光体膜31は、上記蛍光体粒子群からなる第2の蛍光体層32に比べて可視光への変換効率が高い。
また、薄膜結晶は、単一固溶体であり、散乱され難いため、可視光透過率が非常に高い。
【0060】
5−2.第1の蛍光体膜31の膜厚についての考察
次に、上述の第1の蛍光体膜31の厚みの設定について図9、10を用いて説明する。図9は、第1の蛍光体膜31の膜厚と発光輝度との関係を調べるために作製した評価用のサンプルであり、図10は、このサンプルに147nmのエキシマランプを照射した際に得られる発光輝度を測定した結果を示すグラフである。ここで云う相対輝度とは、従来の蛍光体粒子群からなる蛍光体層の発光輝度を100として相対的に示すものである。
【0061】
図9に示すように、用いるサンプルは、ガラス基板113の面上に可視光反射層112を形成し、その上に薄膜結晶からなる蛍光体膜111を形成したものである。
図10に示すように、蛍光体膜111の相対輝度は、膜厚が2μmまでの範囲では膜厚に比例して高くなるが、2μm以上では飽和状態となる。飽和状態における蛍光体膜111の相対輝度は、約120であり、蛍光体粒子群からなる蛍光体層よりも輝度が約20%優れることが分かる。
【0062】
従って、蛍光体膜111の膜厚は、当該第1の蛍光体膜31に紫外線を照射した際に十分な発光輝度が得られることと可視光透過率を確保することが両立可能な2μm付近が最適である。例えば、上記組成の蛍光体材料で薄膜結晶からなる青色の蛍光体膜を形成すると、膜厚が2μmのときに、97%と非常に高い可視光透過率を有する。
【0063】
5−3.AC型PDP1において発光効率が向上するメカニズム
次に、上記AC型PDP1において発光効率が向上するメカニズムについて、図11を用いて説明する。
AC型PDP1において、放電ガスから放出された紫外線は、放電空間40の全方向に向けて進行する。図11では、便宜上、第1の蛍光体膜31の方に向かって進行するものを矢印U1、第2の蛍光体層32の方に向かって進行するものを矢印U2で示している。
【0064】
図11おいて、矢印V1は、第1の蛍光体膜31で矢印U1の紫外線が変換されて前面パネル10を通過する可視光を示し、矢印V2は、第2の蛍光体層32で矢印U2の紫外線が変換されて前面パネル10を通過する可視光を示している。この矢印V1と矢印V2の可視光が、実際にAC型PDP1の発光効率に寄与するものである。
【0065】
上記従来のAC型PDPでは、矢印U1で示す紫外線が蛍光体層によって可視光に変換されることなく前面パネルに吸収されてしまう。
これに対して,AC型PDP1では、矢印U1の紫外線が第1の蛍光体膜31によって、矢印V1の可視光に変換されて後、パネルの外部に放出される。
さらに、第1の蛍光体膜31は、上述のように、可視光透過率が高いので、矢印U2の紫外線による発光が矢印V2として無駄なく外部に放出でき、高い発光効率を有する。
【0066】
以上のように、AC型PDP1では、前面パネル10に第1の蛍光体膜31を形成することによって、放電によって生じた紫外線を効率よく可視光に変換できるとともに、変換された可視光を効率よく外部に放出することが出来る。よって、このAC型PDP1は、従来のAC型PDPに比べて発光効率が高い。
5−4.青色蛍光体層の一例
AC型PDP1における発光効率が、従来のAC型PDPに対して優位性を示す具体例について、図12を用いて説明する。図12は、青色の蛍光体膜において、前面パネルに形成する第1の蛍光体膜31の膜厚と、パネルの相対輝度との関係を示すグラフである。図中において、相対輝度とは、蛍光体粒子群からなる蛍光体層を背面パネルのみに備える従来のAC型PDPの輝度を100としたときの相対値である。
【0067】
図12に示すように、前面パネル(第1の蛍光体膜)の可視光透過率は、膜厚が増していくのに従って、低下してくる。例えば、膜厚が2μmのときに約97%である可視光透過率は、膜厚が6μmのときには約85%まで低下する。
この可視光透過率と第1の蛍光体膜31の相対輝度とから算出されるパネル全体としての相対輝度は、図中の丸印で示されている。図12からも分かるように、パネル全体としての相対輝度は、膜厚が約2μmのときにピーク値を有し、膜厚が増すに従って徐々に低下している。膜厚が2μmのときの相対輝度は、以下の通りとなる。
【0068】
第1の蛍光体膜31を前面パネルに備えるAC型PDP1では、前面パネルの可視光透過率が97%、U1/(U1+U2)が30%であると仮定すれば、可視光放出率が、97%×70%+30%=97.9%となる。
なお、可視光放出率とは、紫外線から変換されうる可視光の内、実際に前面パネルから外部に放出される可視光の比率である。
【0069】
これに対して、前面パネルに蛍光体層を備えない従来のAC型PDPでは、前面パネルの可視光透過率が100%、U2が70%であると仮定すれば、可視光放出率が、100%×70%=70%となる。
従って、前面パネル10に膜厚2μmの第1の蛍光体膜31を備えるAC型PDP1は、従来のAC型PDPに比べて、可視光放出率が約40%高く、発光効率も同様に約40%高い。
6.実施の形態1の変形例
上記AC型PDP1では、赤色、緑色、青色の全てのセルにおいて、前面パネル10に第1の蛍光体膜31を有するものとしたが、必ずしも全色のセルついて第1の蛍光体膜31を形成する必要はない。例えば、上記AC型PDP1では、特定の色の発光セルの前面パネル10側に第1の蛍光体膜31を設けることによって、その色の輝度を向上させ、パネルを白表示させるときの色温度を高くすることも出来る。
【0070】
例えば、前面パネルにおいて第1の蛍光体膜31を形成するのは、一般的に可視光変換率の低い蛍光体を用いる青色のセルだけであっても良い。図には示していないが,これについて本発明者がAC型PDPに各色の発光セルを同一条件で点灯させた際の白色の色温度を確認したところ、10000Kであった。これは、同一の条件で点灯させた上記従来のAC型PDPでは、6000Kであったが、パネル特性として最適な色温度11000Kに近く、色温度補正による輝度低下を抑えることが可能となった。
【0071】
ただし、第1の蛍光体膜31の形成にあっては、各色の蛍光体膜に用いる蛍光体の組成および特性を考慮した上で、パネルの輝度および全体として適当な色温度となるように設定することが必要である。
また、上記では、AC型PDPを一例に、薄膜結晶からなる蛍光体膜の形成方法およびこれを有するPDPの優位性について説明してきたが、DC型PDPにも適用可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るAC型PDP2について、図13を用いて説明する。図13は、1つの発光セルに相当する部分のみを示すAC型PDP2の断面図である。
【0072】
図13に示すように、AC型PDP2において形成されている蛍光体膜(層)は、前面パネル10の表面上に形成された第1の蛍光体膜31だけである。つまり、背面パネル20および隔壁30には、蛍光体膜(層)が形成されていない。
AC型PDP2は、この点を除いて、上記AC型PDP1と同様の構造を有し、同様の方法を用いて製造される。
【0073】
なお、図示はしていないが、第1の蛍光体膜31が切欠部31aを有している点も上記AC型PDP1と同様である。
このAC型PDP2は、従来の蛍光体粒子群からなる第2の蛍光体層32を背面パネル20や隔壁30の面上に形成しなくても、十分に高い輝度が得られる。これは、上述のように、薄膜結晶からなる蛍光体膜が、蛍光体粒子群からなる蛍光体層に比べて高い発光効率を有することから実現出来るものである。
【0074】
また、このAC型PDP2は、表面上に隔壁30を突設した後の背面パネル20に蛍光体の塗布や焼成をすることなくパネルを製造出来るので、製造コスト面で優位性を有する。
なお、上記実施の形態1、2では、第1の蛍光体膜31を前面パネル10の最表面、つまり放電空間40に面する誘電体保護膜14の面上に形成したが、図14に示すように、第1の蛍光体膜31を第1の誘電体層13と誘電体保護膜14の間に挿設しても良い。
【0075】
このようにすれば、二次電子放出特性に優れた誘電体保護膜14が放電空間40に露出されるので、第1の蛍光体膜31には、表示電極12に対応する部分に切欠部31aを形成しなくても放電が妨げられることがない。
従って、第1の蛍光体膜31に切欠部31aを形成する必要がなくなり、第1の蛍光体膜31の表面積が増大される。これによって、AC型PDPでは、より高輝度が実現される。
【0076】
なお、上記AC型PDP2では、背面パネル20の第2の誘電体層23の面上に何も形成しなかったが、面上に可視光を前面パネル10の方に反射するような可視光反射層を形成するか、あるいは第2の誘電体層23にTiO2を混入するなどにより、可視光を反射させる機能を持たせることで、前面パネル10での発光が背面パネル20側に無駄に放出されることなく前面パネル10側に取り出すことが可能となるので、パネルの発光輝度がその分向上する。可視光反射層が形成された背面パネル20では、可視光反射率(背面パネルに入力された可視光の内、反射される可視光の割合)が85%以上となっている。
【0077】
さらに、上記可視光反射層の面上および隔壁30の面上に第1の蛍光体膜31を形成しておけば、パネルの発光効率は、一層向上する。この場合、可視光反射層における第1の蛍光体膜31の側に凹凸を設けておけば、第1の蛍光体膜31の実効表面積を広くすることが出来るので、効果的である。この凹凸は、例えば可視光反射層の表面を階段状、複数の突起などにすることにより形成される。
【0078】
なお、この場合には、実効表面積が平滑面の5倍以上となるように凹凸を形成することがパネルの発光効率の向上という点から望ましい。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るAC型PDP3について、図15を用いて説明する。
図15に示すように、AC型PDP3と上記AC型PDP2とは、第1の蛍光体膜31が前面パネル10のみに形成されている点では同様であるが,前面パネル10にアドレス電極22および第2の誘電体層23が形成され、背面パネル20に表示電極12、第1の誘電体層13および誘電体保護膜14が形成されている点で異なる。
【0079】
この構造を採用するにあたって、アドレス電極22および第2の誘電体層23は、可視光の透過を妨げないように可視光透過率の高い材料から形成されている。具体的に、アドレス電極22には、ITO(Indium Tin Oxide)やSnO2などの透明電極を用い、第2の誘電体層23には、酸化鉛を主成分とする鉛ガラスを用いる。ここで、アドレス電極22は、パネルの短辺方向に形成されているとともに、表示電極12に比べて小さな電流しか流されることがないので、電気抵抗が大きくても上記データドライバ143に接続された側とは反対側の電極端部における電圧降下が小さい。従って、アドレス電極22をITOだけで形成しても、実質的にアドレス放電が影響を受けることがない。
【0080】
また、第2の誘電体層23の表面上に形成されている第1の蛍光体膜31は、前面パネル10の内部に表示電極12を有していないので、上述のような切欠部31aが形成されていない。つまり、第1の蛍光体膜31は、可視光が透過する全域に形成されている。
従来、前面パネル10に形成されている表示電極12は、電気抵抗を小さくするために透明電極上に金属材料からなるバス電極を併設している。これにより、発光セル内で発生した可視光の一部が遮られていた。
【0081】
これに対して、上記AC型PDP3では、表示電極12が背面パネル20に形成されているので、前面パネルからパネル外部に出て行く可視光が表示電極12によって遮られない。よって、AC型PDP3は、輝度向上および発光効率の向上に有利である。
また、上記AC型PDP3では、表示電極12および誘電体保護膜14が第1の蛍光体膜31と別のガラス基板に形成されているため、第1の蛍光体膜31に切欠部を設ける必要がないので大きな表面積を確保出来る上、誘電体保護膜14が直接放電空間40に面するように形成されているので、放電特性が犠牲にならずに、且つ輝度が高い。例えば、42インチクラスのNTSCパネルでは、全セル面積に対して70%近い面積を表示電極が占めている。これより、このパネルに上記AC型PDP3の構造を採用した場合には、上述のAC型PDP1、2のように前面パネルに表示電極を構成する場合に比べて、切欠部がないため約3倍の発光輝度が得られることになる。
【0082】
また、上述のAC型PDP1、2で、前面パネル10の蛍光体膜31を第1の誘電体層13と誘電体保護膜14との間に形成し、切欠部31aを設けない構造の場合と比較しても、本実施の形態におけるAC型PDPでは、前面パネル10に可視光を遮る金属材料の電極が形成されないので、有利である。
よって、このAC型PDP3では、パネル全体としての発光効率が向上可能であるとともに、上述と同様に、高い発光輝度が確保可能である。
【0083】
なお、背面パネル20の面上および隔壁30の面上に第1の蛍光体膜31を形成しておけば、パネルの発光効率は、一層向上する。ただし、背面パネル20に第1の蛍光体膜31を形成する場合には、上記切欠部31aを形成しておくことが望ましい。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るAC型PDP4について、説明する。
【0084】
なお、AC型PDP4は、従来のAC型PDPと類似の構造を有するので、図示を省略し、その相違点のみを説明する。
AC型PDP4が従来のAC型PDPと異なる点は、従来蛍光体粒子群からなる蛍光体層が形成されていた背面パネルに、薄膜結晶の蛍光体膜で構成されている点である。
【0085】
このような構造を有するAC型PDP4では、発光効率の高い蛍光体膜の形成されている領域が上記AC型PDP2、3より広いため、パネルの発光効率の点で優れる。
さらに、可視光反射層における第1の蛍光体膜31の内側に凹凸を設けておけば、第1の蛍光体膜31の実効表面積を広くすることが出来るので効果的である。
【0086】
なお、可視光反射層は、上記実施の形態2のものと同様のものである。
このように、可視光を反射させる機能を持つAC型PDP4では、前面パネル10での発光が背面パネル20側に無駄に放出されることなく前面パネル10側に取り出すことが可能となるので、パネルの発光輝度がその分向上する。可視光反射層が形成された背面パネル20では、可視光反射率(背面パネルに入力された可視光の内、反射される可視光の割合)が85%以上となる。
【0087】
この凹凸は、例えば可視光反射層の表面を階段状にしたり、複数の突起などを形成したりすることで、平滑面の面積より広くすることが可能である。
なお、AC型PDP4の背面パネル20と、上記AC型PDP1の前面パネル10との組み合わせにより得られるAC型PDPは、さらなる輝度向上が得られ、優れたパネル特性を示す。
【0088】
また、表示電極12の形成箇所については、前面パネル10のみに限定されるものではなく、上記実施の形態3のように背面パネル20側に形成されているものであっても良い。
以上の実施の形態1〜4では、AC型PDPを一例に説明をしてきたが、AC型PDPに限らずDC型PDPに上記構造を適用した場合にも、同様の効果を得ることが出来る。
【0089】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明は、対向配置された前面パネルと背面パネルとの間隙に、複数の発光セルが形成されてなるPDPにおいて、少なくとも一部領域に薄膜結晶からなる結晶蛍光体膜を備えることを特徴とする。
このPDPでは、結晶蛍光体膜が蛍光体粒子群からなる蛍光体層よりも可視光変換率で優れるので、高い発光効率で動作可能である。
【0090】
上記結晶蛍光体膜が形成される領域は、前面パネルにおける少なくとも一部の発光セル相当部位であることが望ましい。
このPDPでは、薄膜結晶からなる結晶蛍光体膜が前面パネルの少なくとも一部の発光セル相当部位に形成されているので、この発光セル内で生じた紫外線の一部がそのまま前面パネルに吸収されることなく、可視光に変換されてパネル外部に放出される。
【0091】
また、従来の蛍光体粒子群からなる蛍光体層は、可視光透過率が低いので、これを前面パネル側に形成すると、発光セル内で生じた可視光の多くを遮ってしまうのに対して、上記結晶蛍光体膜では、高い可視光透過率を有する薄膜結晶から形成されているので、これを前面パネル側に形成しても、発光セル内で生じた可視光をほとんど遮ることがない。
【0092】
従って、上記PDPでは、従来のPDPに比べて発光効率に優れ、微細なセル構造を採用する際にも適している。
上記PDPでは、結晶蛍光体膜の可視光透過率が少なくとも85%となるように膜厚を設定することが望ましい。これは、前面パネルに結晶蛍光体膜を形成する場合であっても、可視光透過率が85%未満となるような膜厚に設定すると、結晶蛍光体膜によって遮られてしまう可視光が大きくなってしまい、総合的に見てパネルの発光効率が低下するためである。
【0093】
なお、この可視光透過率とは、前面パネルに形成された薄膜結晶からなる蛍光体膜の可視光の透過率を指している。具体的には、当該蛍光体自身の発光波長における透過率である。また、蛍光体自身の透過率を指し、その他基板や誘電体層の透過率は含めない。
また、本発明は、前面パネルおよび背面パネルの内の少なくとも一方に、薄膜結晶からなる蛍光体膜を形成する蛍光体膜形成ステップを有するPDPの製造方法において、蛍光体膜形成ステップでの蛍光体膜の形成に、減圧雰囲気下における真空製膜プロセスを用いることを特徴とする。
【0094】
この製造方法では、前面パネルおよび背面パネルの内の少なくとも一方に薄膜結晶からなる蛍光体膜を容易に形成することが出来るので、従来のPDPに比べて、発光効率の高いPDPを製造することが出来る。
具体的な真空製膜プロセスとしては、真空蒸着法やスパッタリング法やCVD法などに代表される気相成長法があげられる。この真空製膜プロセスでの減圧雰囲気には、形成する蛍光体の材料組成によって、酸素を注入したり、還元性を有するようにしたりすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るAC型PDPを示す斜視図(一部断面図)である。
【図2】 図1におけるX−X矢視断面図である。
【図3】 図1のPDPと駆動回路とからなるPDP表示装置を示す構成図である。
【図4】 第1の蛍光体膜を形成するためのEB蒸着装置を示す構成図である。
【図5】 図4における電子銃を示す構成図である。
【図6】 X線回折による基板温度と回折強度との関係を示すグラフである。
【図7】 蛍光体粒子群からなる蛍光体層に入射する紫外線の経路を示す模式図である。
【図8】 薄膜結晶の蛍光体膜に入射する紫外線の経路を示す模式図である。
【図9】 蛍光体評価用のサンプルを示す概略図である。
【図10】 薄膜結晶からなる蛍光体膜の膜厚と輝度との関係を示すグラフである。
【図11】 図1におけるY−Y矢視断面図である。
【図12】 膜厚と相対輝度の関係図である。
【図13】 実施の形態2に係るAC型PDPの一部分を示す断面図である。
【図14】 誘電体層と誘電体保護膜との間に第1の蛍光体膜が挿設された前面パネルを示す断面図である。
【図15】 実施の形態3に係るAC型PDPの一部分を示す断面図である。
【図16】 従来のAC型PDPを示す斜視図(一部断面図)である。
【符号の説明】
1、2、3. プラズマディスプレイパネル
10. 前面パネル
12. 表示電極
13. 第1の誘電体層
14. 誘電体保護膜
20. 背面パネル
22. アドレス電極
23. 第2の誘電体層
30. 隔壁
31. 第1の蛍光体膜
32. 第2の蛍光体層
40. 放電空間
90. EB蒸着装置
140. 駆動回路

Claims (31)

  1. 対向配置された前面パネルと背面パネルとの間隙に、複数の発光セルが形成されてなるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    少なくとも一部領域には、結晶性の薄膜である結晶蛍光体膜が形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記結晶蛍光体膜が形成されているのは、前記前面パネルにおける少なくとも一部の発光セル相当部位であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記結晶蛍光体膜は、可視光透過率が少なくとも85%となるような膜厚を有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記複数の発光セルは、赤色発光セル群および緑色発光セル群および青色発光セル群から構成されており、
    前記結晶蛍光体膜は、前記三つの発光セル群の内、一つまたは二つの発光セル群相当部位に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記結晶蛍光体膜が形成されている前面パネル部位は、緑色発光セル群と青色発光セル群の相当部位であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記結晶蛍光体膜が形成されている前面パネル部位は、青色発光セル群の相当部位であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記前面パネルは、前面基板上に複数の電極が配され、前記電極が配された前面基板上に誘電体層と保護膜とが積層されてなり、
    前記結晶蛍光体膜は、前記保護膜の面上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記結晶蛍光体膜は、前記保護膜の面上に形成されており、前記電極の相当部位に切欠部を有することを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記背面パネル上に形成された隔壁および背面パネルの少なくとも一方における前記発光セル相当部位には、蛍光体粒子群からなる蛍光体層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記結晶蛍光体膜と蛍光体粒子群からなる蛍光体層とは、異なる組成の蛍光体材料から形成されていることを特徴とする請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記結晶蛍光体膜の形成に用いる材料は、衝突励起型の蛍光体材料であることを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 前記背面パネルは、背面基板上に複数の電極が配され、前記電極が配された背面基板上に誘電体層が形成されてなり、
    前記誘電体層は、その表面が前記発光セルの内部空間に直に面することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  13. 前記背面パネル上に形成された隔壁は、その表面が前記発光セルの内部空間に直に面することを特徴とする請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル。
  14. 前記背面パネル上に形成された隔壁の前記発光セル相当部位には、蛍光体粒子群からなる蛍光体層あるいは薄膜結晶からなる蛍光体膜が形成されていることを特徴とする請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル。
  15. 前記背面パネルは、少なくとも85%の可視光反射率を有することを特徴とする請求項12から14の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  16. 前記誘電体層の面上、あるいは、層内には、可視光反射の機能を有する領域が形成されていることを特徴とする請求項12から15の何れかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  17. 前記前面パネルがアドレス電極を有し、且つ前記背面パネルが表示電極を有していることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  18. 対向配置された前面パネルと背面パネルとの間隙に、複数の発光セルが形成されてなるプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記背面パネルは、電極を有しており、
    前記背面パネルにおける前記電極上には、可視光を前記前面パネル側に反射する機能を有する領域を介して、結晶性の薄膜である結晶蛍光体膜が形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  19. 前記可視光反射層における前記結晶蛍光体膜が形成されている側の面には、実効表面積を広げるように凹凸が形成されていることを特徴とする請求項18に記載のプラズマディスプレイパネル。
  20. 減圧雰囲気下での真空製膜プロセスを用い、前面パネルおよび背面パネルの内の少なくとも一方に、結晶性の薄膜である蛍光体膜を形成する蛍光体膜形成ステップを有し、
    前記蛍光体膜形成ステップの前記真空製膜プロセスにおいて、少なくとも蛍光体膜を形成しようとする領域を加熱することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  21. 前記蛍光体膜形成ステップにおいて、前記蛍光体膜を形成するのは、前記前面パネルであることを特徴とする請求項20に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  22. 前記蛍光体膜形成ステップでは、気相成長法を用いて前記薄膜結晶を成長させ、前記蛍光体膜を形成することを特徴とする請求項21に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  23. 前記蛍光体膜形成ステップで用いられるのは、真空蒸着法およびスパッタリング法およびCVD法の中から選ばれる1の方法であることを特徴とする請求項22に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  24. 前記蛍光体膜形成ステップは、酸素を含む減圧雰囲気下で実施されることを特徴とする請求項22に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  25. 前記蛍光体膜形成ステップは、還元性の減圧雰囲気下で実施されることを特徴とする請求項22に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  26. 当該プラズマディスプレイパネルの製造方法は、前面パネルを形成するステップを有し、
    前記前面パネルを形成するステップは、保護膜を形成するサブステップを有し、
    前記保護膜を形成するサブステップと蛍光体膜形成ステップとは、ステップ間に他の工程を介することなく連続して実施されることを特徴とする請求項20に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  27. 前記蛍光体膜形成ステップと前記保護膜を形成するサブステップとは、前記前面パネルを大気に曝すことがないような状態を維持して実施されることを特徴とする請求項26に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  28. 前記蛍光体膜形成ステップと前記保護膜を形成するサブステップとは、前面パネルの温度も保った状態で実施されることを特徴とする請求項27に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  29. 請求項1から19の何れかに記載のプラズマディスプレイパネルと、これを駆動するための駆動回路とを備えるプラズマディスプレイパネル表示装置。
  30. 前記前面パネルは、前面基板上に複数の電極が配され、前記電極が配された前面基板上に誘電体層と保護膜とが積層されてなり、前記結晶蛍光体膜が前記誘電体層と保護膜との層間に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  31. 前記結晶蛍光体膜の形成に用いる材料は、衝突励起型の蛍光体材料であることを特徴とする請求項30に記載のプラズマディスプレイパネル。
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