JPH11212709A - 表面特性検出装置 - Google Patents

表面特性検出装置

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JPH11212709A
JPH11212709A JP3033498A JP3033498A JPH11212709A JP H11212709 A JPH11212709 A JP H11212709A JP 3033498 A JP3033498 A JP 3033498A JP 3033498 A JP3033498 A JP 3033498A JP H11212709 A JPH11212709 A JP H11212709A
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JP
Japan
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pen
writing
type input
input device
writing surface
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Application number
JP3033498A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
Mitsuru Shingyouchi
充 新行内
Tomohiko Beppu
智彦 別府
Takao Inoue
隆夫 井上
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ペン型入力装置の特性を利用してバーコードを
読み取ったり、筆記面の表面特性や筆記領域を検出す
る。 【解決手段】ペン型入力装置1のペン先3を摩擦係数や
表面粗さの異なる複数の領域を有する筆記面8に接触さ
せて移動しているときに、加速度センサ4a〜4cの出
力信号を演算部5に送る。演算部5は送られた加速度セ
ンサ4a〜4cの出力信号から高周波成分を抽出して摩
擦信号成分を得る。この摩擦信号成分の振幅と周波数か
らペン先3が移動している筆記面8の摩擦係数や表面粗
さの違いを求め、その変化を検出してペン先3が筆記面
8のどの領域に存在するかを検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンピュータシ
ステムにおけるカーソル移動や図形,文字を入力するペ
ン型入力装置を利用した表面特性検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの入力装置としてはキーボ
ードやマウス,デジタイザ,ライトペン及びタブレット
等が用いられている。近年、コンピュータの小型化に伴
い携帯端末装置の需要が増大し、小型の入力装置が要望
されている。この小型化の要望に対してキーボードはヒ
ューマンインターフェースの点で限界があり、携帯端末
においては不利な点が多く実用性が低い。また、マウス
はポインティングデバイスとしては小型化が可能である
が、図形や文字の入力には適さない。このため携帯型端
末装置で図形や文字を入力する入力装置としては、タブ
レットとペンを組み合わせたペン型入力装置が多く採用
されている。このペン型入力装置のより小型化を図ると
きにタブレットの大きさが問題になる。これに対して、
例えば特開平6−67799号公報等にはタブレットレスの
ペン型入力装置として加速度センサとジャイロにより位
置検出する装置が開示されている。このペン型入力装置
はジャイロによりペン軸のローテーションを検出し、こ
のローテーションを考慮に入れ、ペン軸に互いに直交し
て設けられた一対の加速度センサから得られた加速度デ
ータをそれぞれ時間で2回積分して距離データに変換し
て座標化している。また、パソコン等へのカーソル位置
等の入力装置として、互いに直交して配置されたX,
Y,Z軸回りの回転角速度検出用の圧電振動ジャイロを
有し、移動方向と移動速度データを用いるものも特開平
7−84716号公報に提案されている。
【0003】また、特開平7−200127号公報に示された
入力装置は加速度センサからの検出信号を適宜処理し
て、筆記された文字のパターン情報や文字種情報等を得
るようにしている。さらに、特開平6−230886号公報や
特開平8−95697号公報には平面内の直交する2方向の
加速度を検出する加速度センサを異なる位置に設け、2
組の加速度センサの出力からペン先の移動量と移動方向
を検出する演算処理装置を有するペン型入力装置が提案
されている。
【0004】このペン型入力装置に使用している加速度
センサや角速度センサを設け、紙等に表示されたバーコ
ードを読み取るバーコードリーダが特開平5−24228号
公報や特開平8−114439号公報に示されている。特開平
5−24228号公報に示されたバーコードリーダは加速度
センサが検出する手ぶれ信号により電源のオン,オフを
行い省電力化を図っている。また、特開平8−114439号
公報に示されたバーコードリーダは複数個の加速度セン
サと角速度センサの出力により寸法を測定するようにし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記バーコードリーダ
は、ほとんど光学的手段により紙等の表面の状態を検出
しているが、ペン型入力装置を利用した接触方式でバー
コードを読み取ったり、筆記面の表面特性を検出する方
法は開発されていない。一方、ペン型入力装置に使用し
ている加速度センサの高周波成分は筆記面の表面粗さ等
の表面特性を検出している。そこで、この発明は、上記
ペン型入力装置の特性を利用してバーコードを読み取っ
たり、筆記面の表面特性や筆記領域を検出することがで
きる表面特性検出装置を得ることを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る表面特性
検出装置は、ペン本体の動きとその速度と姿勢及び位置
を検出するペン型入力装置で筆記する筆記面の筆記表面
に複数領域の摩擦係数又は表面粗さの異なる部位を設
け、ペン型入力装置の検出値より筆記中の筆記表面の領
域を特定することを特徴とする。
【0007】上記筆記面の筆記表面に、筆記表面の摩擦
係数又は表面粗さとは異なるコード化パタンを形成する
と良い。このコード化パタンを既知の線幅及び間隔で形
成し、ペン型入力装置で検出したコード化パタンのカウ
ント数より移動距離を算出すると良い。
【0008】また、ペン型入力装置の検出手段として1
又は複数の加速度センサを設けたり、ペン先に加わる力
に応じて変位する位置に1又は複数の応力検出手段を接
着して設けると良い。
【0009】さらに、上記ペン型入力装置の検出手段と
して複数の加速度センサ又は応力検出手段及び複数の角
速度センサを設け、加速度センサ又は応力検出手段と角
速度センサの検出結果から細部の座標検出演算を行い、
筆記表面に設けられた複数領域の摩擦係数又は表面粗さ
の異なる部位の検出結果より広範囲の座標検出演算を行
い、相互に補正処理を行うことが望ましい。このとき加
速度センサ又は応力検出手段の検出結果からコード化パ
タンを計数し、ペン本体の角速度によりペン先の移動距
離を算出すると良い。
【0010】また、筆記面を摩擦係数,表面粗さの異な
る領域を有する透明フィルムで形成し、透明フィルムを
表示装置の上に貼付しても良い。
【0011】さらに、上記ペン型入力装置のペン本体の
把持部に感圧素子や温度検出素子又は手ぶれ信号検出手
段を設け、これらのセンサの出力により電源をオン,オ
フ制御することが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の表面特性検査装置はペ
ン型入力装置とペン型入力装置のペン先を移動する筆記
面とを有する。ペン型入力装置のペン本体は一般の筆記
具と同様な形状をして先端にペン先を有し、内部に3個
の加速度センサと演算部と記憶部及び電源部を有する。
3個の加速度センサはペン本体の軸心方向をZ軸とした
各直交座標系の加速度を検出する。演算部はペン本体を
筆記面で移動したときの加速度センサの出力信号から高
周波成分を抽出した摩擦信号成分の振幅と周波数から筆
記面の特性を算出する。筆記面は例えばOHPの裏面等
で形成され、表面に摩擦係数や表面粗さの異なる複数の
領域を有する。
【0013】このペン型入力装置のペン先を摩擦係数や
表面粗さの異なる複数の領域を有する筆記面に接触させ
て移動しているときに、加速度センサの出力信号を演算
部に送る。演算部は送られた加速度センサの出力信号か
ら高周波成分を抽出して摩擦信号成分を得る。この摩擦
信号成分の振幅と周波数からペン先が移動している筆記
面の特性すなわち摩擦係数や表面粗さの違いを求め、そ
の変化を検出してペン先が筆記面のどの領域に存在する
かを検知する。このように筆記面の摩擦係数や表面粗さ
の相違を検出することにより、ペン先が筆記面のどの領
域を筆記しているかを認識することができる。また筆記
面の摩擦係数や表面粗さの相違を検出することにより、
ペン先が筆記面のどの領域を筆記しているかを認識する
ことにより、筆記面上に印刷したコード化パタンをペン
型入力手段で読み取ることもできる。
【0014】
【実施例】図1はこの発明の一実施例のペン型入力装置
の構成図である。図に示すように、ペン型入力装置1の
ペン本体2は一般の筆記具と同様な形状をして先端にペ
ン先3を有し、内部に3個の加速度センサ4a,4b,
4cと演算部5と記憶部6及び電源部7を有する。3個
の加速度センサ4a,4b,4cはペン本体2の軸心方
向をZ軸とした各直交座標系の加速度を検出する。この
加速度センサ4a,4b,4cの設置位置には制約が無
く、ペン本体1の動きを検出できる部位であればどこで
も良い。また、加速度センサ4a〜4cはピエゾ抵抗方
式や電圧方式あるいは静電容量方式のいずれの方式を使
用しても良い。演算部5は、図2のブロック図に示すよ
うに、ハイパスフィルタ51a,51b,51cと表面
特性算出部52を有する。ハイパスフィルタ51a〜5
1cは、ペン本体2を紙等の筆記面で移動したときの加
速度センサ4a〜4cの出力信号から高周波成分を抽出
して摩擦信号成分を得る。表面特性算出部52は摩擦信
号成分の振幅と周波数から筆記面の特性を算出する。こ
のペン型入力装置1のペン先3を移動する筆記面8は例
えばOHPの裏面等で形成され、図3の平面図に示すよ
うに、表面に摩擦係数や表面粗さの異なる領域81,8
2を有する。
【0015】上記のように構成されたペン型入力装置1
で筆記面8の表面特性を検出するときの動作原理を説明
する。ペン型入力装置1のペン先3を転写紙に接触させ
て移動したときに、加速度センサ4から出力する加速度
信号のパワスペクトルを図4に示す。図4の(a)はペ
ン先3を印刷部分がある転写紙に接触させて移動した場
合、(b)はペン先3を印刷していない転写紙に接触さ
せて移動した場合を示す。図4に示すように、ペン先3
を印刷部分がある転写紙に接触させて移動した場合は約
10Hz以下の転写紙表面成分と約100Hz以上の印刷部
分による摩擦信号成分が存在し、ペン先3を印刷してい
ない転写紙に接触させて移動した場合には約10Hz以下
の転写紙表面成分だけが存在する。これは印刷した部分
と印刷してない部分の表面の粗さ等の特性が異なるため
に生じる。この約100Hz以上の印刷部分による摩擦信
号成分は、印刷部分の濃度差すなわち表面特性に応じて
振幅と周波数が変化する。
【0016】そこで、ペン型入力装置1のペン先3を摩
擦係数や表面粗さの異なる領域81,82を有する筆記
面8に接触させて移動しているときに、加速度センサ4
a〜4cの出力信号を演算部5に送る。演算部5のハイ
パスフィルタ51a〜51cは送られた加速度センサ4
a〜4cの出力信号から高周波成分を抽出して摩擦信号
成分を得る。表面特性算出部52は摩擦信号成分の振幅
と周波数からペン先3が移動している筆記面8の特性す
なわち摩擦係数や表面粗さの違いを求め、その変化を検
出してペン先3が筆記面8が領域81に存在するか領域
82に存在するかを検知する。ここで筆記面8の摩擦係
数や表面粗さの異なる領域81,82は印刷や機械加工
あるいは表面処理により形成したり、摩擦係数や表面粗
さの異なる素材を張り合わせて形成しても良い。このよ
うに筆記面8の摩擦係数や表面粗さの相違を検出するこ
とにより、ペン先3が筆記面8のどの領域を筆記してい
るかを認識することができる。
【0017】上記実施例は加速度センサ4a〜4cの出
力信号から摩擦信号成分を抽出した場合について説明し
たが、図5に示すように、ペン先3の移動により応力変
化の生じる部位に応力検出手段、例えば歪みゲージ9を
貼り付け、歪みゲージ9の出力信号から摩擦信号成分を
抽出しての良い。この歪みゲージ9は金属箔ゲージやピ
エゾ抵抗式等の半導体式箔ゲージのいずれでも良く、温
度依存性が小さく感度の高いものを選択すると良い。ま
た歪みゲージ9を複数個設けて筆圧を検出する力センサ
として用いても良い。ペン先3が筆記面8に接触して移
動するときの筆圧Fnと動摩擦係数μは、図6の特性図
に示すように、筆圧Fnを大きくすると動摩擦係数μは
小さくなる。そこで複数個の歪みゲージ9で構成した力
センサで筆圧Fnを検出して動摩擦係数μを求めて摩擦
信号成分を補正することにより筆圧の影響を低減するこ
とができる。
【0018】上記のように筆記面8の摩擦係数や表面粗
さの相違を検出することにより、ペン先3が筆記面8の
どの領域を筆記しているかを認識することができるか
ら、筆記面8上に印刷したコード化パタンをペン型入力
手段1で読み取ることもできる。この筆記面8上に印刷
したコード化パタンをペン型入力手段1で読み取るとき
の処理を説明する。例えば図7(b)に示すようにバー
パタン83を有する筆記面8をペン先3が通過したとき
に加速度センサ4a〜4cから出力された信号の高周波
成分すなわち摩擦信号成分をカットオフ周波数100Hz
と300Hzの2次バタワースバンドパスフィルタにより
抽出した波形を図7(a)に示す。図7に示すように、
摩擦信号成分としてバーパタン83に対応したピークを
有する信号波形が得られた。そこでバーパタン83を通
過するペン先3の運動を等速運動とすると、図7に示す
摩擦信号成分のピークの幅とデューティーを計算するこ
とにより、バーパタン83の線幅aと線間隔bの相対値
を求めることができる。また、バーパタン83を有する
筆記面8の決められた場所に線幅と線間隔が既知のパタ
ーンを設けることによりバーパタン83の線幅aと線間
隔bの相対値を絶対値に変化することもできる。さら
に、図7に示す摩擦信号成分のピーク値の数を計数する
と、計数したピーク値の数とバーパタン83の線幅aと
線間隔bからペン先3の移動距離を検出することもでき
る。
【0019】上記各実施例はペン型入力装置1に設けた
加速度センサ4a〜4cや歪みゲージ9の出力から筆記
面8の表面特性の変化やコード化パタンを検出する場合
について説明したが、図8に示すように、ペン型入力装
置1にペン本体2の軸心方向をZ軸とした各直交座標系
の各座標軸毎にジャイロ10a,10b,10cを設け
て角速度も検出することにより、コード化パタンの数や
ベン先3の移動距離をより精度良く検出することができ
る。この場合の動作を説明する。図9の模式図に示すよ
うに、ペン先3の先端を原点Oとしてペン本体2の軸心
方向をZ軸とした直交座標系Xs,Ys,Zsの加速度
を検出するように加速度センサ4a,4b,4cを配置
し、各座標軸Xs,Ys,Zs周りの角速度を検出する
ようにジャイロ10a,10b,10cを配置する。こ
の加速度センサ4a,4b,4cとジャイロ10a,1
0b,10cの配置位置は各座標軸Xs,Ys,Zsの
運動を測定できる位置であれば任意に位置に設置して良
い。この加速度センサ4a,4b,4cは小型で高感度
で、かつ加速度に対する直線性が良好なものであれば良
く、ピエゾ抵抗方式や圧電方式,静電容量方式等いずれ
の方式でも良く、ジャイロ10a,10b,10cは回
転運動の正確さと出力オフセットの安定度が良好で、か
つ小型のものであれば良く、回転ジャイロや振動ジャイ
ロ,光学式ジャイロ等いずれの方式のものでも良い。
【0020】この加速度センサ4a,4b,4cはペン
先3の先端である原点から離れて設けられるため、ペン
先3の移動に伴う加速度のほかにペン先3の先端を中心
としてペン本体2の傾斜(回転)運動による遠心力や慣
性力から生じる加速度を拾ってしまう。このため検出し
た加速度(αXS,αYS,αZS)と角速度(ωXS,ωYS
ωZS)から重力座標系のペン先加速度(αXG,αYG,α
ZG)を求める。このペン先加速度(αXG,αYG,αZG
の求め方について説明する。この説明ではオイラー方式
による座標変換を用いるが、これに限ったものではな
く、いわゆるストラップダウン方式を用いても良い。
【0021】オイラー方式では、図9の模式図に示す重
力座標系(XG,YG,ZG)に対するペン座標系(X
s,Ys,Zs)の回転角度を傾斜角(φ,θ,ψ)と
して定義する。ここで、ψは図10に示すようにZG
を中心に重力座標系を回転してXG軸が(ZG−Xs)平
面を横切る角度、θはこの重力座標系の回転により新た
に形成されるY1軸を中心に回転してX1軸に対応するX
2軸がXs軸と一致する角度、φはX2軸を中心に回転し
てY2軸とZ2軸がYs軸とZs軸に一致する角度であ
る。まず、静止状態の加速度信号(αXS0,αYS0,α
ZS0)を基に、傾斜角の初期値(φ0,θ0,ψ0)を下記
(1)式から求める。
【0022】
【数1】
【0023】静止状態は加速度センサ4a,4b,4c
の出力とジャイロ10a,10b,10cの出力の時間
変化を監視して判別する。また、ψ0は初期値を0にリ
セットする。このときXG軸はXs方向を検出する加速
度センサ4aの傾斜方向にとる。ここで二つの未知数φ
0,θ0に対して、三つの方程式が立てられるので、重力
加速度gについても未知数として取り扱うことも可能で
ある。この式(1)を用いればgの値を定義しなくても
未知数φ0,θ0の絶対値を算出することができる。ま
た、重力加速度gの値を演算してモニタする機能を付与
し、この値の変動により演算の良否判定を行い、例え
ば、大きく値が変化した場合には警告を出すようにする
ことも可能である。
【0024】次にジャイロ10a,10b,10cで検
出した角速度(ωXS,ωYS,ωZS)より傾斜角変化(d
φ/dt,dθ/dt,dψ/dt)を下記(2)式で求
め、傾斜角の初期値(φ0,θ0,ψ0)と傾斜角変化
(dφ/dt,dθ/dt,dψ/dt)より傾斜角
(φ,θ,ψ)を下記(3)式で求める。
【0025】
【数2】
【0026】この求めた傾斜角(φ,θ,ψ)を基にペ
ン座標系(Xs,Ys,Zs)から重力座標系(XG
G,ZG)への座標変換行列E(φ,θ,ψ)を下記
(4)式で求める。この(4)式においては、XG
G,ZGの単位ベクトルをそれぞれiG,jG,kG
し、Xs,Ys,Zsの単位ベクトルをそれぞれis,
js,ksとし、ペン座標系の単位ベクトルを重力座標
系で表現したものを(is)G,(js)G,(ks)Gとして
いる。
【0027】
【数3】
【0028】この座標変換行列E(φ,θ,ψ)により
加速度センサ4a,4b,4cで検出したペン座標系の
加速度(αXS,αYS,αZS)を下記(5)式で重力座標
系のペン先加速度(αXG,αYG,αZG)に変換する。
【0029】
【数4】
【0030】(5)式において、A(Xas,Yas,Za
s),B(Xbs,Ybs,Zbs),C(Xcs,Ycs,Zcs)
はペン座標系におけるXs,Ys,Zs方向の加速度セ
ンサ取付座標を示す。この(5)式の第2項と第3項が
傾斜運動による加速度成分の補正、第4項が重力加速度
の除去である。
【0031】この処理により求めたペン先の加速度(α
XG,αYG,αZG)を2回積分すれば、各方向の距離を算
出することができ、座標入力を行うことができる。しか
し、2回積分を行なうと長時間入力や大面積入力を行う
場合には複雑な補正演算処理を行わなければならない。
そこで、図3に示したように、摩擦係数や表面粗さが異
なる複数の領域81,82を有する筆記面8と組み合わ
せて用い、加速度センサ4a,4b,4cの出力とジャ
イロ10a,10b,10cの出力結果から、細部のペ
ン先座標を求め、図2に示す表面特性算出部52により
筆記面8の領域を検出して筆記範囲の指定を行なうこと
により、長時間入力や大面積入力を行う場合に簡単な処
理で座標入力を行うことができる。さらに、図7に示す
ようなバーパターン83を読み取り加速度センサ4a,
4b,4cの出力とジャイロ10a,10b,10cの
出力から移動距離を算出することにより、より高い精度
でコード化パタンの読み取りを行うことができる。
【0032】また、加速度センサ4a,4b,4c又は
歪みゲージ9の出力からバーパターン83の数を検出
し、パン先3を筆記面8上で移動したときのペン型入力
装置1の角速度から移動距離を算出することにより、よ
り簡単にコード化パターンの読み取りを行うことができ
る。一般に、小面積の筆記面8上を筆記するとき、ペン
型入力装置1の運動は、図11に示すように、任意の回
転中心11を設けた回転運動に近似することができる。
ここで、Lをペン先3の先端から回転中心11までの距
離、Xを筆記面8上での移動距離とし、ジャイロ10
a,10b,10c等の角速度センサで検出した角速度
をω(rad/s)とすると、ある時間間隔△tにおけ
るペン先の移動距離XはX=2Lsin(ω△t/2)で求め
られる。この移動距離Xと加速度センサ4a,4b,4
c又は歪みゲージ9の出力から検出したバーパターン8
3の数からコード化パターンを簡単に認識することがで
きる。
【0033】次に筆記面8の代表的な構成を図12に示
す。図12(a)に示すように、筆記面8として折り曲
げ可能な例えばアクリル製の透明シート表面に摩擦係数
や表面粗さの異なる複数の領域81,82を形成する。
ここで筆記面8を構成する透明シートはアクリル製に限
らず加工性や柔軟性,板厚,透明性を考慮して任意に選
択すれば良い。この透明な筆記面8を図12(b)に示
すように携帯情報端末装置12のLCD等の表示装置1
3表面に貼り付けて使用する。この筆記面8の表面にペ
ン先3を接触させながら表示装置13に表示された文字
や図面に倣ってペン型入力装置1を移動し、加速度セン
サ4a,4b,4cから出力された摩擦信号成分を抽出
し、摩擦信号成分の振幅と周波数からペン先3が移動し
ている領域を検出することにより、文字や図面を簡単に
入力することができる。
【0034】さらに、図8に示すように、ペン本体2の
把持部の円周方向に複数個の圧力検出素子14を設け、
筆記するときに把持部に加えられる把持力を検出し、検
出した把持力があらかじめ定めた閾値を超えたときに、
電源部7から加速度センサ4a〜4cやジャイロ10a
〜10cと演算部5に電力を供給するようにすると良
い。このように筆記するときだけ加速度センサ4a〜4
c等に電力を供給することにより消費電力を低減するこ
とができる。ここで筆記するときに加えられる把持力は
円周方向に分散するから複数個の圧力検出素子15を設
けことが望ましいが、把持部全体に把持力が加えられる
ようにすると1個の圧力検出素子14を設けても良い。
【0035】上記実施例は筆記するときに把持部に加え
られる把持力を検出して加速度センサ4a〜4c等に供
給する電力を制御する場合について説明したが、ペン本
体2に温度検出素子を設け、ペン本体2を把持したとき
の指の温度による温度変化を検出して把持状態を検知し
たり、ペン本体2を把持したときの手ぶれによる振動速
度や振動加速度を加速度センサ等で検出して把持状態を
検知し、加速度センサ4a〜4c等に供給する電力を制
御しても良い。
【0036】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、筆記面
の摩擦係数や表面粗さの相違を検出することにより、ペ
ン先が筆記面のどの領域を筆記しているかを認識するこ
とができるから、入力する文字や図形を容易に認識する
ことができる。
【0037】また、筆記面の摩擦係数や表面粗さの相違
を検出することにより、ペン先が筆記面のどの領域を筆
記しているかを認識することができるから、筆記面上に
印刷したコード化パタンをペン型入力手段で読み取るこ
ともできる。さらに、読み取ったコード化パタンからペ
ン先の移動距離を検出することもできる。
【0038】また、筆記面の摩擦係数や表面粗さの相違
を加速度センサや歪みゲージ等の応力検出手段の検出値
から検出するから、簡単な処理でペン先が筆記面のどの
領域を筆記しているかを認識することができる。
【0039】さらに、ペン型入力装置に複数個の加速度
センサと複数個の角速度センサを設け、これらの検出結
果から筆記面上の細部の座標演算を行い、筆記面に設け
られた複数領域の摩擦係数や表面粗さの異なる部位の検
出結果より広範囲の座標演算を行い相互に補正処理を行
うことにより、座標入力を行うときの処理を簡略化する
ことができ、長時間や大面積の座標入力を安定して行う
ことができる。
【0040】さらに、筆記面として摩擦係数や表面粗さ
の異なる複数の領域を有する透明フィルムを用い、透明
フィルムを表示装置の上に貼付し、表示装置に表示され
た文字や図面に倣ってペン先を移動し、その移動してい
る領域を検出することにより、文字や図面を簡単に入力
することができる。
【0041】また、ペン本体に感圧素子や温度検出素子
あるいは手ぶれ信号検出手段を設け、これらの出力で筆
記することを検知したときに演算部等に電力を供給する
から、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例のペン型入力装置の構成図で
ある。
【図2】上記実施例の演算部の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】上記実施例の筆記面の構成を示す平面図であ
る。
【図4】加速度信号のパワスペクトルを示す周波数と強
度の特性図である。
【図5】第2の実施例のペン型入力装置の構成図であ
る。
【図6】筆圧に対する動摩擦係数の変化特性図である。
【図7】第3の実施例の動作を示す説明図である。
【図8】第4の実施例のペン型入力装置の構成図であ
る。
【図9】第4の実施例の動作を示す模式図である。
【図10】第4の実施例における座標変換を示す説明図
である。
【図11】第5の実施例の動作を示す説明図である。
【図12】第6の実施例の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ペン型入力装置 2 ペン本体 3 ペン先 4 加速度センサ 5 演算部 6 記憶部 7 電源部 8 筆記面 51 ハイパスフィルタ 52 表面特性算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 隆夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコ−内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペン本体の動きとその速度と姿勢及び位
    置を検出するペン型入力装置で筆記する筆記面の筆記表
    面に複数領域の摩擦係数又は表面粗さの異なる部位を設
    け、ペン型入力装置の検出値より筆記中の筆記表面の領
    域を特定することを特徴とする表面特性検出装置。
  2. 【請求項2】 上記筆記面の筆記表面に、筆記表面の摩
    擦係数又は表面粗さとは異なるコード化パタンを形成し
    た請求項1記載の表面特性検出装置。
  3. 【請求項3】 上記コード化パタンを既知の線幅及び間
    隔で形成し、ペン型入力装置で検出したコード化パタン
    のカウント数より移動距離を算出する請求項2記載の表
    面特性検出装置。
  4. 【請求項4】 上記ペン型入力装置の検出手段として1
    又は複数の加速度センサを設けた請求項1,2又は3記
    載の表面特性検出装置。
  5. 【請求項5】 上記ペン型入力装置の検出手段として、
    ペン先に加わる力に応じて変位する位置に1又は複数の
    応力検出手段を接着して設けた請求項1,2又は3記載
    の表面特性検出装置。
  6. 【請求項6】 上記ペン型入力装置の検出手段として複
    数の加速度センサ又は応力検出手段及び複数の角速度セ
    ンサを設け、加速度センサ又は応力検出手段と角速度セ
    ンサの検出結果から細部の座標検出演算を行い、筆記表
    面に設けられた複数領域の摩擦係数又は表面粗さの異な
    る部位の検出結果より広範囲の座標検出演算を行い、相
    互に補正処理を行う請求項1,2又は3記載の表面特性
    検出装置。
  7. 【請求項7】 上記加速度センサ又は応力検出手段の検
    出結果からコード化パタンを計数し、ペン本体の角速度
    センサによりペン先の移動距離を算出する請求項6記載
    の表面特性検出装置。
  8. 【請求項8】 上記筆記面を摩擦係数,表面粗さの異な
    る領域を有する透明フィルムで形成し、透明フィルムを
    表示装置の上に貼付した請求項1記載の表面特性検出装
    置。
  9. 【請求項9】 上記ペン型入力装置のペン本体の把持部
    に感圧素子を設け、感圧素子の出力により電源をオン,
    オフ制御する請求項1記載の表面特性検出装置。
  10. 【請求項10】 上記ペン型入力装置のペン本体に温度
    検出素子を設け、温度検出素子の出力により電源をオ
    ン,オフ制御する請求項1記載の表面特性検出装置。
  11. 【請求項11】 上記ペン型入力装置のペン本体に手ぶ
    れ信号検出手段を設け、手ぶれ信号検出手段の出力によ
    り電源をオン,オフ制御する請求項1記載の表面特性検
    出装置。
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