JPH1121254A - 徐放シート - Google Patents

徐放シート

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JPH1121254A
JPH1121254A JP17841597A JP17841597A JPH1121254A JP H1121254 A JPH1121254 A JP H1121254A JP 17841597 A JP17841597 A JP 17841597A JP 17841597 A JP17841597 A JP 17841597A JP H1121254 A JPH1121254 A JP H1121254A
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JP
Japan
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release sheet
paper
synthetic polymer
sustained
sustained release
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JP17841597A
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Inventor
Yukiko Suzuki
由紀子 鈴木
Hiroyuki Furukawa
博之 古川
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目的に応じた徐放能力を持つ徐放シートを、簡
便な方法で提供するものである。 【解決手段】外部に効果を及ぼす材料を含む支持体を、
金属ロールと金属ロールとからなるニップ部に線圧10
0〜3500kg/cmの加圧条件で通した徐放シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部に効果を及ぼ
す材料の作用を制御するシートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、医薬品、農薬、除草剤、防錆剤、
防虫剤、殺菌剤、防黴剤、香料、乾燥剤等の分野におい
ては、これらの材料の持つ効果を出来るだけ長く維持さ
せたり、ある期間だけ効果を発現させたりするために、
いろいろの方法が取られている。
【0003】これらの材料のもつ効果を長く維持する方
法として、例えば、農薬等では、これらをカプセル化す
ることで、農薬等を徐々に放出し長期間効果を持続させ
ている。また、乾燥剤等は同じようにカプセル化するこ
とで吸着力、吸収力を調整し、効果の持続をはかったり
している。このカプセル化による材料の放出や、吸着、
吸収の期間の長さの調節は、カプセル壁膜の緻密さ、膜
厚等を変えることによって行われている。
【0004】また、他の方法としては、上述の放出を制
御する物質をシートに含浸させたり、これらの物質を紙
に含浸した後、合成高分子フィルム等を貼り合わせるこ
とで、有効成分を徐々に放出させたり、外気中の物質を
長期間に渡って吸着させたりしている。
【0005】例えば、金属類の保管や輸送に使用されて
いる防錆シートは一般に、支持体としてクラフト紙、
フィルム、クラフト紙にポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系フィルムを溶融ラミネートし
て得られるラミネート紙や、不織布とポリオレフィン
系フィルムを貼り合わせたシート等が使用されている。
【0006】それぞれの支持体に防錆剤を含有せしめる
には、の場合は、クラフト紙に防錆剤を塗布、あるい
は含浸させる。の場合は、フィルムに防錆剤を練り込
むあるいは表面に塗布する。の場合は、クラフト紙に
防錆剤を塗布あるいは含浸させた後に溶融ラミネートを
する。の場合は、貼り合わせたシートに防錆剤を塗布
する、というような方法で行われている。
【0007】また、防虫剤の封入紙としてはセロハ
ン、紙にポリエチレンを溶融ラミネートしたもの、
紙にポリエチレン及びポリエステルを溶融ラミネート
し、孔をあけたもの、ポリエチレンとポリエステルを
ラミネートしたフィルムに孔をあけこのラミネトーフィ
ルムにポリエチレン層を介して紙に溶融ラミネートした
もの、ポリエチレンを溶融ラミネートした紙とポリエ
チレンをラミネートしたポリエステルフィルムとを継ぎ
合わせた材料が作られている。また、脱酸素材用の封入
紙、化学カイロの発熱剤組成物封入用の袋などのガス
(酸素)の透過量を制御しなければならない包装材料も
前記〜の材料が使用されている。
【0008】香料の場合は香料をプラスチック容器に収
納したり、プラスチックに直接練り込んだもの、珪酸カ
ルシウム等の無機物に吸着させたもの、あるいはシクロ
デキストリンのような包接化合物に包含させたものをカ
ード状あるいはシート状に成形し、室温下で徐放させる
方法などがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】外部に効果を及ぼす材
料を徐放させるための方法としては、これらの材料をカ
プセル化する方法があるが、これは材料を溶解する溶媒
の選択、カプセル膜材の選択等が難しいことや、カプセ
ル化の工程等が複雑であるという問題がある。また、支
持体中に上述の物質を含浸させたりして徐放させる場
合、支持体がクラフト紙のときは紙自体が水透過性や吸
湿性を有するので、例えば防錆シートの場合、この防錆
シートで包んだ金属類が高温高湿下に置かれたときは発
錆しやすくなる。また、支持体がラミネート紙や不織布
とフィルムを貼り合せた場合には、十分な防湿性を有す
るが、接着剤を使用したり、ラミネートを行わねばなら
ず煩雑である。
【0010】防虫剤に使用されているの包装材料は実
質的にガス不透過性のものであり、使用時に包装の一部
を切り取り、ガスの出口をつくらねばならず、また切り
取られ方によって防虫剤の昇華速度が大きく左右され昇
華速度の制御が困難である。また、の材料ではガス透
過速度が大きすぎるため、短期間に防虫剤が昇華拡散し
てしまう。これらの欠点を改善したものが、〜の材
料であり、〜の様に孔の面積を調節したり、の様
にガス透過性の部分の面積を調節したりしてガス透過率
を制御している。〜の包装材料は、孔あけ工程や継
ぎ合わせ工程が必要となりコストを上昇させる。
【0011】本発明は、目的に応じた徐放能力を持つ徐
放シートを、簡便な方法で提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部に効果を
及ぼす材料を含む支持体を、金属ロールと金属ロールと
からなるニップ部に線圧100〜3500kg/cmの
加圧条件で通したことを特徴とする徐放シートである。
本発明は、支持体に紙を使うことによって徐放性に優
れ、且つ自然環境において微生物によって分解する徐放
シートが得られる。
【0013】本発明は、支持体を積層体にすることで、
様々な目的に応じた徐放シートが得られる。本発明は、
支持体を積層体とし、その積層体を紙と、合成高分子お
よび半合成高分子の少なくとも一種とから構成すること
で、様々な目的に応じた徐放シートが得られる。
【0014】本発明は、支持体を積層体とし、その積層
体を紙と、天然パルプを含む合成高分子および半合成高
分子の少なくとも一種とから構成される繊維シートとす
ることで、様々な目的に応じた徐放シートが得られる。
本発明は、支持体の合成高分子および半合成高分子の形
態を、フィルムまたは繊維シートにすることで、更に様
々な目的に応じた徐放シートが得られる。
【0015】本発明は、合成高分子として、生分解性高
分子を使用することで、自然環境において微生物で分解
する徐放シートが得られる。本発明は、積層体の構造を
もつ徐放シートを得るため、金属ロールと金属ロールと
からなるニップ部の線圧を500〜3500kg/cm
にすると、強固に一体化した積層体が得られる。
【0016】本発明は、外部に効果を及ぼす材料が蒸
発、昇華、流出、溶解、吸着、吸収の内のすくなくとも
一つの作用で外部に効果を及ぼす徐放シートである。本
発明は、外部に効果を及ぼす材料が医薬品、農薬、除草
剤、香料、防虫剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、肥料の内
の少なくとも一種である徐放シートである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、外部に効果を及ぼ
す材料を含む支持体を、金属ロールと金属ロールとから
なるニップ部に線圧100〜3500kg/cmの加圧
条件で通すことにより、外部に効果を及ぼす材料の持つ
効果を長く維持できることを見出した。
【0018】本発明の外部に効果を及ぼす材料は、主と
して蒸発、昇華、流出、溶解、吸着、吸収の内のすくな
くとも一つの作用で外部に効果を及ぼす徐放シートであ
る。また、本発明の材料としては、例えば医薬品、農
薬、除草剤、香料、防虫剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、
肥料等が挙げられる。本発明に使用される支持体として
は、例えば上質紙等があり、使用されているパルプとし
ては通常用いられる針葉樹晒クラフトパルプ(以下NB
KP)等や広葉樹晒クラフトパルプ(以下LBKP)等
の化学パルプ、GP、BCTMP、MP等の機械パルプ
が使用される。また、ケナフ等の非木材原料から得られ
るパルプ、DIP等のパルプ等を含む中質紙あるいは中
性抄紙された紙も使用できる。さらに、顔料を含む塗工
層を有する塗工紙も使用できる。
【0019】本発明における、外部に効果を及ぼす徐放
シートの構成はいろいろ有り、例えば、支持体の中に、
外部に効果を及ぼす材料を含ませたり、支持体と支持体
の間に、外部に効果を及ぼす材料を塗布し積層体にした
り、粉体を直接支持体と支持体の間に挟んで積層体にし
てもよい。さらに、本発明の徐放シートは、例えば2層
の場合、外部に効果を及ぼす材料を一方側の支持体に含
ませてもよいし、両方の支持体に含ませてもよい。ま
た、外部に効果を及ぼす材料を支持体の中に入れ両側か
ら他の支持体で挟んでサンドイッチ構造としてもよい。
積層は何層でもよく、また、外部に効果を及ぼす材料は
どの層に含まれていてもよく、あらゆる組み合わせが可
能である。
【0020】本発明は、このように支持体の種類や構成
を変えたり、高圧処理の処理条件を変えることで、徐放
シートの緻密さを制御できるため、外部に効果を及ぼす
材料の作用を目的に応じ自由に制御することが可能であ
る。また、簡単に徐放シートが得られるため、コスト的
メリットも大きい。本発明の徐放シートは支持体を積層
する際接着剤を使用してもよいが、実質的に接着剤を塗
布しないでも、高圧処理を行うことにより一体化された
徐放シートが得られる。
【0021】実質的に接着剤を塗布しないということ
は、積層一体化するための接着剤を塗布しないことを意
味するものである。即ち、塗工紙等の塗工層には顔料類
を接着する接着剤を通常含んでいるが、基紙と塗工紙の
塗布層面を対向させ高圧処理するばあいは、塗布層面の
接着剤は基紙と塗工紙を接着するものではないので、実
質的に接着剤を塗布したものではない。
【0022】本発明の徐放シートは紙と紙との組み合わ
せ以外に、紙と、合成高分子または半合成高分子の組み
合わせがある。合成高分子および半合成高分子の形態
は、フィルムまたは繊維シートがある。本発明に使用さ
れる合成高分子としては例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリスチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合体、ポリヒド
ロキシブチレート・ヴァリレート共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチ
レン・ビニルアルコール共重合体などがあげられる。こ
れらの合成高分子をフィルム化もしくは繊維形態にして
基紙に積層される。
【0023】また合成高分子の繊維としては、低融点成
分(80〜140℃)と高融点成分(170〜250
℃)がそれぞれ偏心もしくは同心円上の鞘芯型、両成分
が背腹状のサイドバイサイド型、両成分が交互に配列さ
れた風車型もしくは積層型、繊維成形成分を芯成分とす
る多芯型、および両成分が単に混合されて溶融紡糸され
た混合紡糸型等の複合繊維などもあげられる。低融点成
分と高融点成分の組み合わせはポリエチレン/ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート変性物/ポ
リエチレンテレフタレート等があげられる。
【0024】これらの中でもポリオレフィン繊維、生分
解性のある脂肪族ポリエステル繊維、芳香族ポリエステ
ル繊維、またこれらの繊維から構成された低融点成分と
高融点成分から構成される複合繊維は特に好ましく用い
られる。またこれらの合成繊維は2種以上を併用して用
いることもできる。
【0025】さらに、本発明の支持体として、合成繊維
または合成パルプを配合した紙も使用される。本発明に
使用される合成繊維または合成パルプの繊維長は50m
m以下の長さのものが好ましい。50mmを超えると抄
紙原料として水懸濁液に分散し難く、フロックを形成し
て均一な地合いの紙が得られない。
【0026】本発明に使用される、生分解性フィルムと
してはポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクト
ン、ポリ乳酸、酢酸セルロース等のフィルムがあげられ
る。また、本発明で使用される合成繊維の生分解性繊維
は先にあげた生分解性フィルムの材料を繊維化したもの
が使用できる。本発明の半合成高分子とは、レーヨン
(人絹)等をさし、原料は天然であるが、溶剤で溶かし
て紡糸したり、フィルム化したもの等を半合成高分子を
さす。
【0027】本発明の効果を阻害しない限りにおいて支
持体にバインダーもしくは内添サイズ剤、外添サイズ剤
は特に制限されずに使用できる。バインダーとしては、
例えば酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エ
ステル澱粉、エーテル澱粉等の澱粉類、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース、完全(ま
たは部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール
等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エ
ステル共重合体、アクリル酸アミドアクリル酸エステル
・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共
重合体のアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共
重合体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・
ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテッ
クス等があげられる。また、サイズ剤としては、ロジン
系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物等適宜使用する
ことができる。
【0028】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて有機及び無機の填料が使用可能である。例えば、カ
オリン、タルク、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレ
ー、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白
土、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、二酸化珪素、コロイダル
シリカ等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂フィラー、ナ
イロンパウダー、ポリエチレンパウダー等の有機顔料が
あげられる。
【0029】本発明の支持体に含ませる医薬品、農薬、
除草剤、香料、防虫剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、肥料
等は特に限定されず、各種公知のものが適用できる。医
薬品としては、例えばインドメタシンファルネシル、ザ
ルトプロフェン、フェルビナク等が挙げられる。農薬と
しては、例えばMEP、エチオフェンカルブ、エトフェ
ンプロックス等が挙げられる。除草剤としては、例えば
クロロIPC、アトラジン、イマザキンアンモニウム塩
等が挙げられる。香料では、例えば白檀、沈香などの香
木や麝香などの香料、また、脂肪族、芳香族、脂1族ま
たはテルペン系の各種ケトン類;大環状ケトン類;脂肪
族、芳香族またはテルペン系の各種アルデヒド類;脂肪
族酸または芳香族酸のエステル類;テルペン系炭化水素
類;アルコール類;フェノールおよびその誘導体;環状
エーテル類;合成ムスク類などがあげられる。これらの
香料は2種以上を混合して使用することもできる。ま
た、防虫剤としては、アレスリンおよびその幾何又は光
学異性体、ピレトリン、シネリン、マラソン等が挙げら
れる。これらは併用しても良い。殺菌剤としてはシナミ
ックアルデヒド、ペリルアルデヒド、等の不飽和アルデ
ヒド、オイゲノール、チモールなどのフェノール類、ア
リルスルフィド類、イソチオシアネート類等があげら
れ、さらに、ラウリル酸、ミリスチン酸等の脂肪酸とそ
のグリセリンモノエステル等があげられる。防錆剤とし
ては、例えば亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、カ
プリル酸ジシクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロ
ヘキシルアンモニウム、亜硝酸ジイソプロピルアンモニ
ウム、安息香酸モノエタノールアンモニウム、安息香酸
ソーダ、安息香酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸
イソプロピル、安息香酸ブチル、桂皮酸ブチル、カルバ
ミン酸アンモニウム、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モルホリン、メチルモルホリン、エ
チルモルホリン、ヘキサメチレンテトラアミン、ベンゾ
トリアゾール、トリルトリアゾール、尿素、チオ尿素、
亜硝酸ソーダ等があげられる。肥料としては、例えば尿
素、硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0030】これらの医薬品、農薬、除草剤、香料、防
虫剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、肥料等は2種以上を併
用させても良い。これら医薬品、農薬、除草剤、香料、
防虫剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、肥料等を支持体に含
有させる方法として特に限定されず、公知の方法が可能
である。例えば、医薬品、農薬、除草剤、香料、防虫
剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、肥料等を、ケイ酸カルシ
ウムのような無機物に吸着させたもの、シクロデキスト
リンのような包接化合物に包含させたもの、パラジクロ
ルベンゼン、アマンダンなどの担体に保持させたもの、
もしくは樹脂に含有させたもの、を適宜塗料に調整し、
支持体に含浸塗工させることにより含有させることがで
きる。含浸塗工で浸透しない場合は、抄紙の時に紙中に
含ませてもよい。またこれらの物質を溶剤に溶かし、同
じく溶剤に溶解した合成高分子溶液に加えた後、溶剤を
蒸発させシートをつくって積層させてもよい。
【0031】本発明で処理される金属ロール温度は、2
0℃〜300℃が好ましい。ロール温度が20℃未満で
あると、外気温度の影響もあるが、概してロールの表面
が結露し、操業上問題が起きやすい。また、ロール温度
の最適温度域は加圧速度により、基紙へ伝えられる熱量
が変化するので、300℃以下の温度でも、加圧速度が
遅ければ、ブリスターが発生することもある。しかしな
がら、概して300℃を越えると、支持体中の水分が一
気に気体となり、支持体中で急激に体積が膨れることに
より支持体の一部が部分的に剥離し、表面が膨れるブリ
スター現象を起こしたり、外部に効果を及ぼす材料が気
化する場合がある。
【0032】本発明における加圧速度は、上述のごとく
温度との関連が大きく、厳密には決定できないが、1〜
500m/分が望ましい。ちなみに500m/分を超え
ると積層体に伝わる温度と圧力が十分でなく、所望する
効果が得られにくい。
【0033】加圧時の支持体の水分は2〜15%が好ま
しく、より好ましくは5〜10%の範囲のときに効果的
に積層体が得られる。ちなみに、2%未満であると繊維
と繊維の絡まりが悪く、効果が得られず、15%を超え
ると繊維が膨潤し過ぎ、一部分が伸ばされるような現象
がおきる。
【0034】本発明の加圧条件のニップ線圧が100k
g/cm未満の場合は本発明の所望する効果は得られ
ず、3500kg/cmを越えると、効果が飽和する。
さらに積層体を得るため、加圧条件をニップ部の圧力を
500〜3500kg/cmとすると、より強固に一体
化した積層体が得られる。
【0035】この金属ロールと金属ロールによって形成
されるニップ部を通した徐放シートは表面が平滑で、透
気度が高く、剛弾性、張力も優れているので、印刷層や
保護層等が問題無く形成することができる。
【0036】本発明の合成高分子フィルムを挟み込み、
片側に防虫剤を含有させた徐放シートを、例えば、たと
う紙等の包装用形態にすると、一度に防虫剤が袋の外に
昇華拡散することがなく、中の衣類が良好に保存され
る。また、高分子合成フィルムが生分解性である場合に
は、廃棄処理したとき、環境に対する悪影響もない。ま
た、本発明の合成繊維を含有したシートを挟み込み、防
錆剤を含有させた徐放シートの場合、支持体の強度があ
がるので、金属類を包装、取り扱い中に包装紙が破れ、
中の金属が錆びることも無い。更に、支持体と挟み込む
シートの間に中間層を設け、前述したような医薬品、農
薬、除草剤、香料、防虫剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、
肥料等を含有させてもよい。
【0037】本発明の中間層には、本発明の効果を阻害
しない限りにおいて、顔料など必要に応じ種々の物質が
添加される。使用される顔料としては、例えばポリスチ
レンフイラー、ポリスチレン・アクリル共重合体フィラ
ー、ポリウレタン、シリコーン、セルロースパウダー等
の有機顔料、カオリン、無定形シリカ、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料
があげられ、平均粒径が2.0μm以下であるのが望ま
しい。
【0038】また中間層中には、通常顔料類を接着させ
るバインダー類を含有させるが、バインダー類として
は、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラ
チン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコー
ル、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、カル
ボキシル基変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリ
ビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共
重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチ
レン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共
重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョ
ン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等が挙げられ
る。バインダー類は上記顔料100重量部に対し好まし
くは5〜500重量部より好ましくは10〜300重量
部程度含有される。中間層の塗布量は通常0.1〜10
g/mで、好ましくは1.0〜8g/mの範囲である。
【0039】また、抜き模様や凹凸模様のある支持体
に、外部に効果を及ぼす材料を含有させて積層させた徐
放シートは、部分的に徐放性が異なる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、特に断らないかぎり実施例中の「部」及び「%」
は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0041】実施例1 原料パルプとしてNBKP/LBKPが2/8の配合パ
ルプをCSF500mlに調製し、パルプに対してロジ
ン系サイズ剤を0.3%、硫酸バンドを1.8%添加
し、さらに紙灰分で9.7%になるようタルクを添加し
て紙料を調製し、長網多筒抄紙機で抄紙した。なお、抄
紙の工程で澱粉(商品名;エースA 王子コーンスター
チ社製)6.5%液を固形分で両面あわせて2g/m2
となるようにサイズプレスした。得られた紙の紙水分は
5.5%、米坪は140g/m2 で紙厚は175μmで
あった。この紙に水60部に亜硝酸ソーダ20部、安息
香酸11部、トリエチルアミン9部を溶解して調製した
防錆塗液をコート量が乾燥重量で7g/m2 となるよう
に塗工した。塗工面に、生分解性ポリエステルフィルム
25μm(商品名;PLACCEL HB−02 ダイ
セル化学工業社製)を積層させ、その上に実施例で抄紙
した紙を更に積層させ、金属ロールと金属ロールとで形
成されるニップにロール温度100℃、線圧1000k
g/cm、通紙速度5m/分の条件で加圧し、徐放シー
トを得た。得られた徐放シートは鉄に対して、高湿下で
良好な防錆能を示していた。また、得られた徐放シート
は生分解性を示した。
【0042】比較例1 実施例1の加圧条件を50kg/cmとした以外は実施
例1と同様な方法で作成した。得られた徐放シートは生
分解生ポリエステルフィルムが一体化せず、鉄に対し
て、短期間で防錆能が低下した。
【0043】(発明の効果)外部に効果を及ぼす材料を
含む支持体を、金属ロールと金属ロールとからなるニッ
プ部によって高圧処理することにより、外部に効果を及
ぼす材料の作用を制御したシートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 5/22 C D Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部に効果を及ぼす材料を含む支持体を、
    金属ロールと金属ロールとからなるニップ部に線圧10
    0〜3500kg/cmの加圧条件で通したことを特徴
    とする徐放シート。
  2. 【請求項2】材料が蒸発、昇華、流出、溶解、吸着、吸
    収の内のすくなくとも一つの作用で外部に効果を及ぼす
    請求項1記載の徐放シート。
  3. 【請求項3】材料が医薬品、農薬、除草剤、香料、防虫
    剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、肥料の内の少なくとも一
    種である請求項2記載の徐放シート。
  4. 【請求項4】支持体が紙である請求項1〜3の少なくと
    も一項記載の徐放シート。
  5. 【請求項5】支持体が積層体である請求項1〜4の少な
    くとも一項記載の徐放シート。
  6. 【請求項6】積層体が紙と、合成高分子および半合成高
    分子の少なくとも一種とから構成される請求項5記載の
    徐放シート。
  7. 【請求項7】積層体が紙と、天然パルプを含む合成高分
    子および半合成高分子の少なくとも一種とから構成され
    る繊維シートである請求項5記載の徐放シート。
  8. 【請求項8】合成高分子および半合成高分子の形態が、
    フィルムまたは繊維シートである請求項6記載の徐放シ
    ート。
  9. 【請求項9】合成高分子が生分解性である請求項6また
    は7記載の徐放シート。
  10. 【請求項10】金属ロールと金属ロールとからなるニッ
    プ部の線圧が500〜3500kg/cmである請求項
    5〜9の少なくとも一項記載の徐放シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115522202A (zh) * 2022-08-01 2022-12-27 杭州巨星科技股份有限公司 一种防锈材料及其在金属制品包装盒中的应用

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