JP2001087008A - 脱臭抗菌性靴中敷き - Google Patents

脱臭抗菌性靴中敷き

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JP2001087008A
JP2001087008A JP26878899A JP26878899A JP2001087008A JP 2001087008 A JP2001087008 A JP 2001087008A JP 26878899 A JP26878899 A JP 26878899A JP 26878899 A JP26878899 A JP 26878899A JP 2001087008 A JP2001087008 A JP 2001087008A
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Haruyoshi Funae
晴芳 船江
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】抗菌、防黴の双方に効果的で脱臭性が良好な、
靴下の臭気発生を防止するのに効果の有る靴中敷きを提
供することにある。 【解決手段】植物抽出成分を内包するマイクロカプセル
含有のシートを用いた靴中敷きであり、抗菌防黴剤を含
有する下層用シートと植物抽出成分を内包するマイクロ
カプセルと高分子バインダーを含有した上層用シートを
熱融着性粒子で貼り合わせた靴中敷きであり、吸着性粒
子を下層用シートか熱融着性粒子層の少なくとも一方に
含有する。植物抽出成分がヒノキチオール、1,8−シ
ネオール、α−ツヨン、アロエチン、アリルイソチオシ
アネート、シソニン、カテキン及びそれらの誘導体の少
なくとも1種類であれば好ましい。抗菌防黴剤が有機化
合物の金属塩で、特に有機化合物が含窒素複素環、硫黄
原子の少なくともいずれかを含有し、金属塩が銀塩、銅
塩、亜鉛塩が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱臭抗菌性靴中敷
きに関し、詳しくは、脱臭、抗菌の双方に極めて効果的
であって、靴下等からの臭気や汗等の水分や湿気を吸収
し、靴下や中敷きにしみ込んだ汗の菌類の繁殖を抑えて
臭気の発生を防止する、安全性の高い抗菌防黴剤を含有
する靴中敷きであり、耐久性と美装性を有し、長期間に
亘り優れた脱臭抗菌効果を有する抗菌防黴性靴中敷きに
関する。
【0002】
【従来の技術】靴の中は汗による湿気が多く、菌類が繁
殖しやすく臭気の発生原因となるが、近年、清潔志向が
高まっており、靴の中の臭い、抗菌と湿気の改良を望む
人が増えている。
【0003】このような目的で使用される靴中敷きに
は、臭いと湿気を取り、菌類の繁殖を抑えることが要求
されるが、安全性が高く、抗菌性の有る、脱臭除湿効果
の大きい靴中敷きが無いのが現状である。特に、脱臭に
関しては銅化合物、第4級アンモニウム塩化合物、金属
フタロシアニン化合物、椿や針葉樹抽出物質等での試み
がなされたが必ずしも充分な消臭効果が得られなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
に亘り靴の中の臭いと湿気を取り、充分な耐久性が有
り、快適な履き心地を提供する美装性の有る靴中敷きを
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明は、植物抽出成分を内包したマイク
ロカプセルを含有するシートをもちいた脱臭抗菌性靴中
敷きである。
【0007】本発明は、シートが下層用シートの片面に
設けた熱融着性粒子層により上層用シートと貼り合わせ
た構造であり、下層用シートか熱融着性粒子層の少なく
とも一方が吸着性粒子を含有し、上層用シートが植物抽
出成分を内包したマイクロカプセルを含有する脱臭抗菌
性靴中敷きである。
【0008】本発明は、抗菌防黴剤を含有する下層用シ
ートの片面に設けた熱融着性粒子層により植物抽出成分
を内包したマイクロカプセルと高分子ポリマーを塗布し
た上層用シートと貼り合わせた構造であり、下層用シー
トか熱融着性粒子層の少なくとも一方に吸着性粒子を含
有させた脱臭抗菌性靴中敷きである。
【0009】本発明は、マイクロカプセルに内包される
植物抽出成分が、ヒノキチオール、1,8−シネオー
ル、α−ツヨン、アロエチン、アリルイソチオシアネー
ト、シソニン、カテキン及びそれらの誘導体の少なくと
も1種類である脱臭抗菌性靴中敷きである。
【0010】本発明は、下層用シートに含有の抗菌防黴
剤が含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいずれかを含
む有機化合物の金属塩である脱臭抗菌性靴中敷きであ
る。
【0011】本発明は、下層用シートが含窒素複素環、
硫黄原子の少なくともいずれかを含む有機化合物の金属
塩である抗菌防黴剤を含有するイオン交換繊維を必須と
する湿式不織布である脱臭抗菌性靴中敷きである。
【0012】本発明は、抗菌某媒材を含有するイオン交
換繊維がカルボキシメチル変性セルロースである脱臭抗
菌性靴中敷きである。
【0013】本発明は、抗菌防黴剤の金属塩が銀塩、銅
塩、亜鉛塩の少なくともいずれか1種である脱臭抗菌性
靴中敷きである。
【0014】本発明は、下層用シートの湿式不織布が吸
着性粒子を内填している脱臭抗菌性靴中敷きである。
【0015】本発明は、下層用シートか熱融着性粒子層
に使用される吸着性粒子がアルミノケイ酸亜鉛である脱
臭抗菌性靴中敷きである。
【0016】本発明は、下層用シート上に熱融着性粒子
単独、又は吸着性粒子との混合粒子を散布し、熱融着性
粒子の融点以上の温度で処理した後で上層用シートを重
ね、7gf/cm2の加圧下での下層用シートと上層用
シートの厚さの合計の20〜100%のギャップのロー
ル間を通して貼り合わせた脱臭抗菌性靴中敷きである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明では、靴中敷きとして使用す
る場合に靴下や靴内部の菌類の繁殖を抑え、臭気の発生
を防止するためにマイクロカプセルに内包した植物抽出
成分が徐々に拡散するようになっている。本発明では、
上層用シートにマイクロカプセルに内包した植物抽出成
分を含有させるのに加えて、靴中敷きに抗菌性を付与し
て浸透してきた汗等の細菌の繁殖を防止するために下層
用シートに抗菌防黴剤を含有させ、過酷な使用に耐える
ために抗菌防黴剤を繊維構造内もしくは表面に形成させ
た繊維状物質を使用するか、本発明の抗菌防黴剤を下層
用シート内部または表面に強固に固定させた靴中敷きで
あり、高い脱臭性を持たせるために下層用シートか熱融
着層に吸着性粒子を使用する。
【0018】本発明のシート、下層用シートおよび上層
用シートとしては、スパンボンド、メルトブロー、エア
ーレイ、カード法等の乾式不織布、湿式不織布、織布等
が使用される。目付は50〜500g/m2が一般的に
使用されるが、100〜4002/m2が履き心地や強度
の点で好ましい。
【0019】本発明の織布は、麻や綿などの天然繊維、
羊毛等の動物性繊維、ナイロン、ビニロン、ポリエステ
ルやアクリルなどの合成繊維、レーヨンなどの再生繊維
を織り合わせた布であり、目付は50〜600g/m2
が一般的であり、100〜500g/m2が履き心地に
は好ましい。織布の繊維量と透湿性の関係は、繊維が疎
水性であれば湿気は繊維間を移行するので見かけ密度は
一般的には0.6以下が好ましいが、親水性繊維では湿
気は繊維内部を移行するので密になっても良好である。
通気性もほぼ同様であるが、厚さの影響も大きく、15
00μm以下が好ましい。
【0020】本発明の上層用シートとしては、孔開け加
工を施した合成皮革も使用出来る。例えば不織布又は織
布上にウレタン樹脂等の合成樹脂を塗布、又は水中でウ
レタン樹脂を凝固させ、表面加工した後で孔径0.1m
m程度以上で10mm以下、好ましくは1mm以上の孔
を1個/cm2以上開けて得られる。孔開け加工により
通気性を改良し、吸着性粒子の効果が充分に得られる。
又、孔により汗等の湿気を吸収する効果も有る。目付は
50〜600g/m2が一般的であるが、100〜40
0g/m2が履き心地からは好ましい。厚さは100〜
1500μmが好ましい。共和レザー社のカラベル、東
洋クロス社のセシーナ、デラクール、アキレス社のカブ
ロン等が有る。
【0021】本発明で使用する抗菌防黴剤としては、現
在市販されているビグアナイド系、アルコール系、フェ
ノール系、アニリド系、ヨウ素系、イミダゾール系、チ
アゾール系、イソチアゾロン系、トリアジン系、ニトリ
ル系、フッ素系、トロポリン系、有機金属系、無機金属
系のものはいずれも使用可能である。
【0022】本発明の抗菌防黴剤で好ましく使用される
金属塩は銀、銅、亜鉛、錫、マンガン、コバルト、鉄塩
等から選択される。効果の点で好ましくは銀、銅、亜鉛
塩から選択され、更に2種以上の複合塩で形成され、特
に銀、銅、亜鉛塩の3種が複合されたものがより好まし
い。理由としては、各々の金属塩の水溶解性が異なって
おり、亜鉛塩は早く溶解し、銀塩は遅いので抗菌防黴効
果を使用初期から継続して発揮させるためには亜鉛を含
む2種以上、特に銀、銅、亜鉛の3種の複合塩が好まし
い。
【0023】本発明の抗菌防黴剤で好ましく使用される
含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいずれかを含有す
る有機化合物としては、例えば、ピロール系、ピリジン
系、ピリミジン系、ピラゾール系、イミダゾール系、ベ
ンズイミダゾール系、1,3,5−トリアジン系、ヘキサ
ヒドロ−1,3,5−トリアジン系、トリアゾール系、イ
ソオキサゾール系、チアゾール系、ベンゾチアゾール
系、チアゾロン系、ベンゾチアゾロン系、イソチアゾロ
ン系、ベンゾイソチアゾロン系、テトラヒドロチアジア
ジンチオン系などを基本骨格とするものが挙げられ、さ
らに、それらのアルキルアリル誘導体、メルカプト誘導
体などが挙げられるが、なかでも、ベンズイミダゾール
化合物、メルカルトピリジン−N−オキシド化合物、イ
ソチアゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾ
チアゾロン化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物
が特に好ましい。 これらの具体例としては、例えば、
2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−
(カルボメトキシアミノ)−ベンズイミダゾール、2−
メルカルトピリジン−N−オキシド、1,2−ベンゾイ
ソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4
−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、1, 2−ベンゾチアゾロン、2−
(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどを
挙げることができる。
【0024】特に、ベンズイミダゾール化合物、メルカ
プトピリジン−N−オキシド化合物、イソチアゾロン化
合物、ベンゾチアゾール化合物もしくはベンゾチアゾロ
ン化合物のうちの少なくとも1種類が効果の点で好まし
い。
【0025】本発明の抗菌防黴剤を含有させるイオン交
換繊維は、例えばポリスチレン、ポリアクリル、ポリア
ミド、ポリエチレン、セルロース等のベースポリマーに
スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等を適度に
導入する事によって得られる。
【0026】また通常パルプと称せられる天然のセルロ
ース系繊維を部分的に化学変性することにより好ましく
利用出来る。化学変性処理としては、硫酸化、リン酸
化、硝酸化、カルボキシメチル化、カルボキシエチル
化、カルボキシプロピル化処理が挙げられる。中でも、
カルボキシメチル化処理はプロセスが容易で、経済性、
安全性も良く、かつ膨潤性、イオン浸透性等に優れてお
り本発明の実施に極めて好適であり、特に該セルロース
系繊維の部変性物の置換度が0.5以下のものが好まし
い。
【0027】本発明のイオン交換繊維としては、適度に
カルボキシメチル化された木材パルプ(針葉樹パルプ、
広葉樹パルプなど)が、本発明の実施に好適であるが、
この他、レーヨンなどの再生セルロースも同様に使用可
能である。さらには、前記主旨に沿って適度に変性され
たイオン交換能を有する合成繊維、アルギン酸繊維や可
溶性ポリマーの湿式紡糸繊維であっても良い。また、本
発明における抗菌・防黴能を有する有機金属複合塩を含
有するポリマー液から製造された湿式紡糸繊維であって
も良い。
【0028】本発明におけるマイクロカプセルに内包さ
れる植物抽出成分は、ヒノキ、ヒバ、ヨモギ、ユーカ
リ、アロエ、ワサビ、カラシ、シソ、茶の葉等から抽出
される抗菌性を有する成分が使用される。特に、揮散性
を有する液体、固体が好ましい。具体例としては、ヒノ
キチオール、1,8−シネオール、α−ツヨン、アロエ
チン、アリルイソチオシアネート、シソニン、カテキン
が挙げられる。
【0029】本発明のマイクロカプセルは、界面重合
法、in situ重合法、コアセルベーション法、噴
霧乾燥法等により作製される。壁膜のポリマーは、ポリ
ウレタン、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、
ポリウレア、ゼラチン等が使用されるが、特にポリウレ
タン、メラミン樹脂が徐放性を調整する場合に好まし
い。マイクロカプセルの平均径は1〜50μmが一般的
である。
【0030】本発明でマイクロカプセルと併用される高
分子バインダーは、水不溶性高分子化合物としては、ウ
レタン系高分子化合物、スチレン−ブタジェン系高分子
化合物、アクリル系高分子化合物、アクリロニトリル−
ブタジェン系高分子化合物、エステル系高分子化合物、
スチレン系高分子化合物、アミド系高分子化合物、塩化
ビニル系化合物、酢酸ビニル系化合物、フッソ系化合
物、シリコン系化合物、及びエチレン系高分子化合物や
プロピレン系高分子化合物等のオレフィン系高分子化合
物等が挙げられる。水溶性高分子化合物としては、ポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、澱粉、ポリエチレンオキサイ
ドなどが挙げらる。これらを単独、もしくは併用して使
用されるが、架橋剤、有機顔料、無機顔料、染料、起泡
剤等も併用できる。
【0031】マイクロカプセルの使用量は、高分子バイ
ンダーに対して1/10〜5/1程度が一般的である。
1/10より少ないと内包される植物抽出成分が周囲に
拡散しにくくなる。逆に5/1より多いとマイクロカプ
セルが剥がれやすくなり耐久性に劣る。
【0032】本発明における湿式不織布で抗菌防黴剤を
含有するイオン交換繊維と併用される有機繊維として
は、植物繊維、動物繊維、再成繊維、半合成繊維および
合成繊維から選ばれる繊維を単独あるいは混合したもの
が使用される。
【0033】植物繊維としては、綿、麻(亜麻、ラミ
ー)が、動物繊維としては、絹、羊毛などの繊維が挙げ
られる。
【0034】再成繊維としては、レーヨン、キュプラ
が、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテー
ト、プロミックスが、合成繊維としては、ナイロン、ア
クリル、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾエー
ト、ポリクラール、フェノール系などの繊維が挙げられ
る。
【0035】なお、本発明においては、上記の繊維の他
に、植物繊維として、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなど
の木材パルプや藁パルプなどの木本類、草本類を含むも
のとする。さらに、古紙、損紙などから得られるパルプ
繊維も含まれる。
【0036】本発明におけるイオン交換繊維を他の併用
される各種繊維と混抄して使用する場合、必要に応じ
て、各種のバインダー繊維を用いることができる。
【0037】本発明に用いられるバインダー繊維は、芯
鞘タイプ(コアシェルタイプ)、並列タイプ(サイドバ
イサイドタイプ)などの複合繊維が挙げられる。例え
ば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み
合わせ(商品名:ダイワボウNBF−H:大和紡績社
製)、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコー
ル(鞘)の組み合わせ(商品名:ダイワボウNBF−
E:大和紡績社製)、ポリプロピレン(芯)とポリエチ
レン(鞘)の組み合わせ(商品名:チッソESC:チッ
ソ社製)、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエス
テル(鞘)の組み合わせ(商品名:メルテイ4080:
ユニチカ社製)などが挙げられる。また、ビニロンバイ
ンダー繊維(VPB107×1:クラレ社製)などの熱
水溶融タイプなども使用できる。
【0038】湿式不織布は、各種短繊維を水中に分散し
た後、紙と同様の抄紙機で抄造、乾燥され、シート化さ
れるが、本発明の湿式不織布B及びEの製造は、丸網抄
紙機、長網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機等の単独か組
み合わせにより、単層か多層で抄造される。
【0039】本発明で使用する吸着性粒子は、粘土系、
ゼオライト系、酸性白土系、活性白土系、ベントナイト
系、活性炭系等の無機化合物系や酸性基や塩基性基を有
する高分子化合物等が利用出来る。好ましいのは靴や靴
下の汚れる心配の少ない白色系の無機化合物であり、特
に好ましいのは、アンモニア、トリメチルアミン、硫化
水素、エチルメルカプタン等の吸着に有効である粘土系
のアルミノケイ酸亜鉛系である。具体的には水沢化学工
業社製のミズカナイトAP、ミズカナイトAG、ミズカ
ナイトHP、ミズカナイトHG、ミズカナイトMPが挙
げられる。
【0040】下層用シートと上層用シートの貼り合わせ
で吸着性粒子を併用する場合の量はその種類により異な
るが、臭気物質の吸着効果からは不織布の単位面積当た
りで10g/m2以上の使用が好ましく、より好ましく
は30g/m2以上である。上限は特に無いが、履き心
地から200g/m2である。
【0041】湿式不織布に内填する場合の吸着性粒子の
量はその種類により異なるが、臭気物質の吸着効果から
は不織布の単位面積当たりで5g/m2以上の使用が好
ましく、より好ましくは10g/m2以上である。一般
的な充填比率は湿式不織布の3〜50重量%程度であ
る。
【0042】本発明で、下層用シートと上層用シートを
貼り合わせる場合に使用する熱融着性粒子は、ポリエチ
レン系、ポリプロピレン系等のポリオレフィン系粒子が
使用される。一般的な溶融温度は、80〜160℃であ
る。
【0043】本発明で、吸着性粒子と熱融着性粒子を併
用する場合には、吸着性粒子の平均粒子径d1と熱融着
性粒子の平均粒子径d2の比(d1/d2)が1/30
〜1/2であるのが好ましい。
【0044】比(d1/d2)が1/30より小さいと
不織布同士の充分な接着強度が得にくく、熱融着性粒子
を増やすと脱臭性に劣り、1/2より大きいと充分な脱
臭効果が得にくくなる。又、比(d1/d2)が小さす
ぎると接着性粒子と熱融着性粒子を均一に散布すること
が難しくなる。
【0045】好ましくはd1が3〜200μmであり、
d2が20〜300μmである。
【0046】d1が3μmより小さいとシート同士の充
分な接着性を得る為には熱融着性粒子の比率を上げる必
要が有り、通気性、脱臭性が低下する。d1が200μ
mより大きいと靴中敷き使用時の履き心地が悪くなる。
d2が20μmより小さいと接着性が低下傾向になる。
d2が300μmより大きいと通気性が低下しやすく脱
臭性が悪化傾向である。
【0047】下層用シート上に熱融着性粒子単独、又は
吸着性粒子との混合粒子を散布した後、熱融着性粒子の
溶融温度以上の温度で処理し、7gf/cm2の加圧下
での下層用シートと上層用シートの厚さの合計の20〜
100%のギャップのロール間を通すことで、マイクロ
カプセルの破壊が抑えられた、適度の通気性を有し、充
分な強度を有する靴中敷きが得られる。好ましい混合粒
子の量は不織布単位面積当たりで20〜200g/m2
である。
【0048】次に、本発明の抗菌防黴剤を含有したイオ
ン交換繊維作成の 一例として、置換度が0.4のNa
型カルボキシメチルセルロースを使った例を用いて説明
する。 1)上記パルプ固形分100g相当量に撹拌が可能な程
度に水を加える。 2)硝酸銀100mmol/相当量(17g)を添加す
る。 3)系のpHが5.5〜6.0となるようにアルカリを
添加する。 4)室温下で30分撹拌し、十分に置換(吸着)させ
る。 5)2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム
塩の0.1M/l液1000mlを撹拌しながら少しず
つ添加する。 銀電極もしくは白金電極を用いて、電位計測すると、反
応終了点を検知することができる。 6)添加終了後、30分間撹拌し、十分に反応させる。 7)0.1M/lの硫酸液を加えて、系のpHを約4ま
で下げた後、脱水プレスにて脱水する。
【0049】上記の手順により、メルカプトピリジン−
N−オキシド銀塩を含有するパルプが得られる。必要な
らば、再度水中に分散し、水洗することにより、脱落分
をあらかじめ除くことができる。実験結果によれば、一
部脱落はするが90%以上の高収率で繊維内および表面
固着の形で塩が形成されていることが認められた。
【0050】メルカプトピリジン−N−オキシド銀塩を
イオン交換繊維内もしくは表面に収率良く形成させるに
は、pHコントロール、撹拌、薬品添加濃度および速度
などの最適化が必要である。
【0051】本発明において、最も効果的に抗菌防黴機
能を発揮する有機化合物の複合塩のも同様にして作製出
来る。
【0052】本発明の抗菌防黴剤の単位面積当たりの靴
中敷きに対する含有量は、一般的には0.05g/m2
以上であるが、0.1g/m2以上が好ましい。
【0053】抗菌防黴剤が0.05g/m2より少ない
と使用の初期から充分な抗菌性、防黴性が得られにく
い。抗菌防黴性の必要持続期間により適宜含有量を選択
出来るが、数日以上の使用では0.1g/m2以上が必
要である。
【0054】本発明の抗菌防黴剤の製造例としてメルカ
プトピリジン−N−オキシド銀塩の組成物は、硝酸銀の
水溶液に等molの2−メルカプトピリジン−N−オキ
シドナトリウム塩の水溶液を撹拌しながら添加し、十分
に反応させた後で高分子バインダーとして水不溶性高分
子化合物や水溶性高分子化合物を添加する。
【0055】使用される水不溶性高分子化合物や水溶性
高分子化合物は本発明のマイクロカプセルと併用される
ものが使用出来る。
【0056】本発明の靴中敷きの脱臭効果は、靴を履く
前に靴下に既に存在する臭いは靴中敷きの吸着性粒子が
吸収し、靴を履いた後で靴下中に浸透してきた汗類の菌
類の繁殖はマイクロカプセル中の抗菌性を有する植物抽
出成分により防止されるので靴の中の臭いも防止され
る。特に靴中敷きにかかる人の体重やこすれによりマイ
クロカプセルが破損して植物抽出成分が拡散するのを促
進するので好ましい。靴中敷きに浸透してきた汗類は靴
中敷きの抗菌防黴剤により菌類の繁殖が抑えられる。
【0057】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「重量
部」および「重量%」を示す。
【0058】[実施例1で使用するためのシートの製造
例]7デニールのポリエステル繊維50重量%と10デ
ニールのポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維50重
量%からなる混合ウエブを熱処理した乾式不織布(目付
150g/m2、厚さ2000μm)の片面に壁膜とし
てウレタン樹脂を使用し、ヒノキチオールを内包した平
均径5μmのマイクロカプセル(大和化学社製、ヒノキ
カプセル)とウレタン系高分子化合物(ハイドランHW
325、大日本インキ化学工業社製)と発泡剤としてメ
ガファックF−1(大日本インキ化学工業社製)を固形
重量比1:10:1で混合し、体積が2〜3倍になるま
で攪拌により発泡させて塗布液を作製し、ロッドコータ
ーにより固形で50g/m2塗布し、120℃で乾燥し
て、実施例1で使用するためのシートを得た。
【0059】[実施例2で使用するための下層用シート
の製造例]2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系ア
ニオン性界面活性剤(日本アクリル化学社製、プライマ
ル850)を全繊維に対して1%になるように添加し、
NBKP(カナダ標準濾水度480ml)、PET繊維
(0.5デニール×5mm)、ポリエステルバインダー
繊維(メルティー4080;2デニール×5mm、ユニ
チカ社製)、高叩解NBKP(カナダ濾水度150m
l)を各々40:10:45:5の比率で配合し、内填
剤としてアルミノケイ酸亜鉛系脱臭剤(ミズカナイトA
P:平均粒子径2.3μm、水沢化学工業社製)を全繊
維の20%になるように添加し、分散濃度0.2%で3
0分間分散した後、乾燥重量で300g/m2 になるよう
に円網抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダー
ドライヤーで乾燥し、実施例2で使用するための下層用
シートを得た。
【0060】[実施例2で使用するためのシートの製造
例]7デニールのポリエステル繊維50重量%と10デ
ニールのポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維50重
量%からなる混合ウエブを熱処理した乾式不織布(目付
150g/m2、厚さ2000μm)の片面に壁膜とし
てウレタン樹脂を使用し、ヒノキチオールを内包した平
均径5μmのマイクロカプセル(大和化学社製、ヒノキ
カプセル)とウレタン系高分子化合物(ハイドランHW
325、大日本インキ化学工業社製)と発泡剤としてメ
ガファックF−1(大日本インキ化学工業社製)を固形
重量比1:10:1で混合し、体積が2〜3倍になるま
で攪拌により発泡させて塗布液を作製し、ロッドコータ
ーにより固形で50g/m2塗布し、120℃で乾燥し
て、実施例2で使用するための上層用シートを得た。上
記の製造例で得られた実施例2で使用するための下層用
シートの未処理面上に粒状ポリエチレン系接着剤(住友
精化社製、フローバックK2010:平均粒子径200
μm又はフローセンUF:平均粒子径25μm)を50
g/m2散布し、130℃で加熱直後に実施例2で使用
するための上層用シートを重ね、下層用シートと上層用
シートの合計の厚さの約50%のギャップの金属ロール
間を通して加圧、積層して実施例2で使用するためのシ
ートを得た。
【0061】実施例1,2で使用するためのシートを型
抜き機で足形に抜いて実施例1,2の靴中敷きを作成
し、耐久抗菌性、防黴性、脱臭性及び靴下防臭性を下記
の方法で測定した。得られた結果を表3に示す。
【0062】[抗菌防黴剤含有繊維状物質の製造例A]
前記の発明の実施の形態の記載に準じて、カルボキシメ
チル基置換度0.22(DS=0.22)の変性NBK
Pに、銀/2−メルカプトピリジン−N−オキシドを吸
着させた有機化合物の金属塩よりなる抗菌防黴剤を含有
する繊維状物質を作製した(以下、CP22AgMPと
略記する)。上記の変性NBKP分散液に硝酸銀を加
え、pHを5.5に調節してから、30分間撹拌する。
0.1M/lの2−メルカプトピリジン−N−オキシド
ナトリウム液を、変性NBKP分散液に加えられた硝酸
銀と等モル相当量を添加した。30分間撹拌してから、
硫酸でpHを4まで下げた後、脱水した。脱水パルプ
に、再び500mlの水を加え、撹拌水洗して脱水し
た。これを、銀/2−メルカプトピリジン−N−オキシ
ドを吸着させた有機化合物の金属塩よりなる抗菌防黴剤
を含有するカルボキシメチル基置換度0.22(DS=
0.22)の変性NBKPとした。
【0063】[実施例3、4で使用するための下層用シ
ートの製造例]実施例2のNBKPの40部の内2部
を、上記製造例Aで得られた本発明における繊維状物質
であるCP22AgMPに置き換えた外は、実施例2で
使用するための下層用シートの製造例と同様にして、実
施例3、4で使用するための靴中敷き下層用シートを得
た。
【0064】[抗菌防黴剤含有繊維状物質の製造例B]
製造例Aと同様であるが、前記の発明の実施の形態の記
載に準じて、CP22AgMPの代わりに、カルボキシ
メチル基置換度0.40(DS=0.40)の変性NB
KPに(銀、銅、亜鉛)/2−メルカプトピリジン−N
−オキシドを吸着させた有機化合物の3種の金属塩より
なる抗菌防黴剤を含有する繊維状物質を作製した(以
下、CP40Ag25Cu25Zn50MPと略記す
る)。なお、括弧内金属原子の次の数字は、モル%比を
表わす。
【0065】[実施例5、6で使用するための下層用シ
ートの製造例]実施例2で使用するための下層用シート
の製造例でNBKPの40部の内2部を、上記製造例B
で得られた本発明における繊維状物質であるCP40A
g25Cu25Zn50MPに置き換えた外は、実施例
2で使用するための下層用シートの製造例と同様にし
て、実施例5,6で使用するための靴中敷き下層用シー
トを得た。
【0066】[実施例7で使用するための下層用シート
の製造例]実施例5で使用するための下層用シートと同
様であるが、本発明における3金属塩併用系のCP40
Ag25Cu25Zn50MP含有繊維状物質の代わり
に、塩化ベンザルコニウム含有繊維状物質10%を使用
して、実施例7で使用するための靴中敷き下層用シート
を得た。なお、塩化ベンザルコニウム含有繊維状物質
は、製造例Cで用いたカルボキシメチル基置換度0.4
0(DS=0.40)の変性NBKP10グラムに対し
て、0.1M/lの塩化ベンザルコニウム液100mlを
加え、pH5.5に調整後、撹拌し、脱水、水洗した
後、再び脱水を行って作製した。
【0067】[表層用塗布液の作成]ウレタン系高分子
化合物(ハイドランHW325、大日本インキ化学工業
社製)と発泡剤としてメガファックF−1(大日本イン
キ化学工業社製)を固形重量比10:1で混合し、体積
が2〜3倍になるまで攪拌により発泡させて表層用塗布
液Xとした。
【0068】表層用塗布液Xに壁膜としてウレタン樹脂
を使用し、ヒノキチオールを内包した平均径5μmのマ
イクロカプセル(大和化学社製、ヒノキカプセル)をウ
レタン系高分子化合物に対して10重量%添加して表層
用塗布液を作製した。
【0069】7デニールのポリエステル繊維50重量%
と10デニールのポリエチレン−ポリプロピレン複合繊
維50重量%からなる混合ウエブを熱処理した乾式不織
布(目付150g/m2、厚さ2000μm)の片面に
上記表層用塗布液をロッドコーターにより固形で50g
/m2塗布し、120℃で乾燥して、靴中敷き上層用シ
ートを得た。
【0070】実施例3〜7 上記の製造例で得られた下層用シートの未処理面上に粒
状ポリエチレン系接着剤(住友精化社製、フローバック
K2010:平均粒子径200μm又はフローセンU
F:平均粒子径25μm)と吸着性粒子(水沢化学社
製、ミズカナイトMP:平均粒子径14.0μm又はミ
ズカナイトAP:平均粒子径3μm)の組み合わせと散
布量を表1に記載のように変えて均一に混合、散布し、
130℃で加熱直後に靴中敷き上層用シートを重ね、下
層用シートと上層用シートの合計の厚さの約50%のギ
ャップの金属ロール間を通して加圧し積層した。得られ
た積層シートを型抜き機で足形に抜いて実施例3〜7の
靴中敷きを作成し、耐久抗菌性、防黴性、脱臭性及び靴
下防臭性を下記の方法で測定した。得られた結果を表3
に示す。
【0071】実施例8 実施例5の上層用シートで用いる表層用塗布液Xに加え
るヒノキチオールを内包したマイクロカプセルに替えて
1,8−シネオールを内包した平均径5μmのウレタン
樹脂壁膜(平均膜厚1μm)のマイクロカプセルをウレ
タン系高分子化合物に対して10重量%添加して表層用
塗布液を作製し、同様に塗布、乾燥して上層用シートを
作製した。以降は実施例5と同様にして靴中敷き下層用
シートと積層して靴中敷きを作成した。評価結果を表3
に示す。
【0072】実施例9 実施例5で、積層する時にミズカナイトMPの代わりに
ゼオライト系脱臭剤(水沢化学工業社製、シルトンB:
平均粒子径2.8μm)を用いた以外は同様にして靴中
敷きを作成した。評価結果を表3に示す。
【0073】比較例1 実施例1で使用するためのシートのマイクロカプセルを
抜いた以外は同様にして靴中敷きを作成した。評価結果
を表3に示す。
【0074】比較例2 実施例5で使用する靴中敷き上層用シートのマイクロカ
プセルを抜いた以外は同様にして比較例2の靴中敷きを
作成した。評価結果を表3に示す。
【0075】[抗菌防黴剤の組成物製造例C]前記の発
明の実施の形態の記載に準じて、銀/2−メルカプトピ
リジン−N−オキシドを含有させた、有機化合物の金属
塩よりなる抗菌防黴剤とウレタン系高分子化合物とアク
リル系高分子化合物を含む抗菌防黴剤の組成物を作製し
た(以下、AgMP−UA0.3と略記する)。即ち、
水に硝酸銀0.1molを加え、攪拌する。0.1mo
l/lの2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリ
ウム液を、加えられた硝酸銀と等モル相当量を添加し、
30分間撹拌する。これに自己乳化型ウレタン系高分子
化合物(大日本インキ化学工業社製、ハイドランHW−
350)の水分散液を加え、5分間攪拌した後、同重量
の自己架橋型アクリル系高分子化合物(大日本インキ化
学工業社製、ボンコート3256)の水分散液を加え、
銀/2−メルカプトピリジン−N−オキシドの抗菌防黴
剤のウレタン系高分子化合物に対する重量比を0.3と
した。尚、括弧内金属原子の次の数字は、モル%比を表
わし、最後尾の数字は水不溶性高分子化合物に対する抗
菌防黴剤の重量比を表わす。
【0076】[抗菌防黴剤の組成物製造例D]抗菌防黴
剤の組成物の製造例Cと同様であるが、前記の発明の実
施の形態の記載に準じて、AgMP−UA0.3の代わ
りに、(銀、銅、亜鉛)/2−メルカプトピリジン−N
−オキシドの抗菌防黴剤を含有した自己乳化型ウレタン
系高分子化合物(ハイドランHW−350)と自己架橋
型アクリル系高分子化合物(ボンコート3256)の水
分散液を作製した。即ち、硝酸銀0.25mol、硫酸
銅0.25mol、硝酸亜鉛0.5mol及びそれらの
総モル相当量である1.75molの2−メルカプトピ
リジン−N−オキシドナトリウム水溶液を添加、攪拌
し、自己乳化型ウレタン系高分子化合物水分散液を添
加、攪拌後、自己架橋型アクリル系化合物水分散液を添
加、攪拌して、(銀、銅、亜鉛)/2−メルカプトピリ
ジン−N−オキシドの抗菌防黴剤と自己乳化型ウレタン
系高分子化合物と自己架橋型アクリル系高分子化合物と
の重量比を0.3とした(以下、Ag25Cu25Zn
50MP−UA0.3と略記する)。尚、括弧内金属原
子の次の数字は、モル%比を表わし、最後尾の数字は水
不溶性高分子化合物に対する抗菌防黴剤の重量比を表
す。
【0077】[実施例10、11で使用するための下層
用シートの製造例]7デニールのポリエステル繊維50
重量%と10デニールのポリエチレン−ポリプロピレン
複合繊維50重量%からなる混合ウエブを熱処理した乾
式不織布(目付150g/m2、厚さ2000μm)に
上記製造例C、Dで得られた本発明の抗菌防黴剤の組成
物を乾燥塗布量2g/m2になるようにロールコーター
で塗布し、110℃で乾燥して実施例10、11で使用
するための靴中敷き下層用シートを得た。尚、塗布適性
を向上させるために抗菌防黴剤の組成物にセルロースエ
ーテル(信越化学工業社製、メトローズSH3000
0)水溶液を適量添加して塗布した。以下の実施例、比
較例でも同様にしてセルロースエーテルを適量添加して
塗布した。
【0078】実施例10、11 実施例10、11で使用するための下層用シートの抗菌
防黴剤の組成物塗布面上に粒状ポリエチレン系接着剤
(住友精化社製、フローバックK2010:平均粒子径
200μm又はフローセンUF:平均粒子径25μm)
と吸着性粒子(水沢化学社製、ミズカナイトMP:平均
粒子径14.0μm又はミズカナイトAP:平均粒子径
3μm)の組み合わせと散布量を表2に記載のように変
えて均一に混合、散布し、130℃で加熱直後に実施例
5で使用した上層用シートを重ねてギャップが0.4m
mの金属ロール間を通して積層した。得られた積層シー
トを型抜き機で足形に抜いて実施例10,11の靴中敷
きを作成し、抗菌性、耐久抗菌性、防黴性、脱臭性及び
靴下防臭性を下記の方法で測定した。得られた結果を表
3に示す。
【0079】比較例3 実施例11で上層用シートのマイクロカプセルを抜いた
以外は同様にして靴中敷きを得た。評価結果を表3に示
す。
【0080】<耐久抗菌性>大腸菌(E−coli I
FO3301)を液体培地(ペプトン・イースト)で2
4時間前培養し、希釈して試験液を調整した。上記実施
例および比較例により得られた各靴中敷きを40℃、9
0%RHの環境条件で7日間放置する。取り出した靴中
敷きから試験片2cm×2cmを切り取り、それぞれを
ペトリ皿上に上層用シートが上になるように配置し、上
記試験液を5滴(約0.1ml)滴下し、乾燥しないよ
うにカバーして、25℃で24時間経時した。経時後、
試験片のそれぞれをNutrient Broth寒天
培地上に押し当て、試験片上の菌を転写させて剥離し、
38℃で24時間培養し、観察した。評価は、次のとお
りとした。 評価グレード −− 殆ど完全に殺菌し、菌の成育がない。 − 2cm×2cm転写面に5コロニー以下の成育はあるが、殆ど完全 に殺菌。 + 2cm×2cm転写面に100コロニー以下で良好な抗・殺菌作用。 ++ 2cm×2cm転写面に効果は認められるが、弱いか、少ない。 +++ 2cm×2cm転写面に実質的効果なし。
【0081】<防黴性>試験菌株として、黒カビ(As
pergillus niger)を用いた。斜面培地
から胞子を採り、少量の湿潤剤(スルホコハク酸ジオク
チルナトリウム液)を加え、激しく振って胞子を分散さ
せ、ガーゼで濾過し、全量を50mlに調整した。1.
5%の寒天を加えたGP培地(日本製薬社製)を作り、
上記菌液を均一に噴霧し、一旦、表面を乾燥させた。各
実施例、比較例で得られた靴中敷きから試験片2cm×
2cmに切り取ったものを乗せ、十分に圧着させ、再度
試験菌を全面に噴霧して、28℃で経時培養し、最高1
週間まで経時観察した。評価は、次のとおりとした。 評価グレード −− 黴の生育を完全に阻害。 − 黴の生育か否か判断がつきかねる。 + かなり良好な制御力を示すが表面積1/5以下にカビの生育を認める 。 ++ 表面積1/3位にカビの生育が認められる。 +++ 全面に黴が生育する。
【0082】<脱臭性>各実施例、比較例で得られた靴
中敷きを2cm×5cmに切り、10枚を1.8リット
ルのガラス瓶に入れて密閉し、アンモニアが250pp
mになるようにガスを注入し、1時間後と6時間後に瓶
内の気体を50ml取り出し、官能評価を行った。 評価グレード 4:強く臭う。 3:楽に感知される臭い。 2:何の臭いか判別可能な臭い。 1:やっと感知出来る臭い。 0:無臭。
【0083】<靴下防臭性>各実施例、比較例で得られ
た靴中敷きを10名が9時間/一日程度で10日試着
後、新しい靴下を履いて9時間試着後の靴下の臭気を官
能評価した。4段階で評価し、10名の平均を取った。 評価グレード 3:楽に感知される臭い。 2:何の臭いか判別可能な臭い。 1:やっと感知出来る臭い。 0:感知されない。
【0084】
【表1】 (註)表1中の散布量、量は靴中敷き下層用シート1m2に散布する重量gを表 す。 (注)表1中の実施例2〜9および比較例2は下層用シートにミス゛カナイトAPを内 填している。
【0085】
【表2】 (註)表2中の散布量、量は靴中敷き下層用シート1m2に散布する重量gを表 す。
【0086】
【表3】
【0087】表3の結果から、次のことが解る。
【0088】製造例A、Bで製造した本発明の抗菌防黴
剤を含有した繊維状物質を用いた実施例3〜6、8、9
の靴中敷きの耐久抗菌性、防黴性は良好であるが、同一
添加量で比較した場合は、銀塩単独の製造例Aよりも銀
塩、銅塩、亜鉛塩を用いた製造例Bを用いた場合が良好
である。実施例1,2は抗菌防黴剤を含有していないの
で特に防黴性が劣ったが、抗菌性も含めてヒノキチオー
ルの効果で比較例1よりは良好であった。実施例2は吸
着性粒子を内填しているので実施例1よりも脱臭性は良
好であった。実施例2〜9は吸着性粒子を内填と上層
用、下層用シートの間に封入しているので脱臭効果は大
きい。実施例9はアルミノケイ酸亜鉛に替えて酸性白土
を使用しているので脱臭性が低下した。実施例7は抗菌
防黴剤として塩化ベンザルコニウムを使用しているので
製造例A、Bで製造した抗菌防黴剤よりも特に耐久抗菌
性が劣った。ヒノキチオールを内包したマイクロカプセ
ルを使用した実施例1〜7、9は靴下防臭性が良好であ
る。マイクロカプセルに1,8シネオールを内包した実
施例8は実施例5と比較して脱臭性、靴下防臭性に若干
劣った。実施例12はマイクロカプセルに内包するヒノ
キチオールに替えて1,8−シネオールとしたものであ
るが、若干靴下臭気性が劣る傾向である。抗菌防黴剤を
使用していない比較例1、2は耐久抗菌性、防黴性が劣
る。実施例10,11は抗菌防黴剤を塗布したシートを
使用するが、耐久抗菌性、防黴性、脱臭性、靴下防臭性
共に良好である。特に製造例Dの抗菌防黴剤使用の場合
に高い効果が得られる。比較例3は実施例11でマイク
ロカプセルを抜いた場合であるが、靴下防臭性に劣る結
果であった。実施例11と実施例5、6と比較して湿式
不織布を使用した実施例5,6の方が特に耐久抗菌性が
良好であった。
【0089】
【発明の効果】本発明に使用される植物抽出成分内包マ
イクロカプセルを塗布したシートを用いた靴中敷きは靴
下防臭性に優れている。特に本発明に使用される抗菌防
黴剤を含有する下層用シートと植物抽出成分内包マイク
ロカプセルを塗布した上層用シートとを熱融着性粒子で
貼り合わせた脱臭抗菌性靴中敷きは、下層用シートか熱
融着性粒子層の何れかに吸着性粒子を含む場合は、長期
の抗菌、防黴の双方に効果が有り、脱臭効果、靴下防臭
性にも優れている。
【0090】マイクロカプセルに内包する植物抽出成分
は、ヒノキチオール、1,8−シネオール、α−ツヨ
ン、アロエチン、アリルイソチオシアネート、シソニ
ン、カテキン及びそれらの誘導体の少なくとも1種類で
あることが好ましい。特にヒノキチオールが良好であ
る。
【0091】特に効果的に機能を発揮するのは、吸着性
粒子がアルミノケイ酸亜鉛であれば長期に渡る効果が得
られる。
【0092】特に効果的に機能を発揮するのは、抗菌防
黴剤が含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいずれかを
含む有機化合物の金属塩の場合であり、金属塩が銀塩、
銅塩、亜鉛塩の少なくともいずれかの場合である。更に
は抗菌防黴剤を含有するイオン交換繊維を使用した湿式
不織布を下層用シートに用いた場合である。
【0093】本発明の下層用シートと上層用シートを貼
り合わせる前に下層用シート上に吸着性粒子を散布し、
熱融着性粒子の融点以上の温度で処理した後で上層用シ
ートを重ね、加圧により貼り合わせることにより特に耐
久抗菌性、防黴性と靴下防臭性が良好になる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物抽出成分を内包したマイクロカプセ
    ルを含有するシートを用いたことを特徴とする脱臭抗菌
    性靴中敷き。
  2. 【請求項2】 シートが下層用シートの片面に設けた熱
    融着性粒子層により上層用シートと貼り合わせた構造で
    あり、下層用シートか熱融着性粒子層の少なくとも一方
    が吸着性粒子を含有し、上層用シートが植物抽出成分を
    内包したマイクロカプセルを含有することを特徴とする
    請求項1記載の脱臭抗菌性靴中敷き。
  3. 【請求項3】 シートが抗菌防黴剤を含有する下層用シ
    ートの片面に設けた熱融着性粒子層により植物抽出成分
    を内包したマイクロカプセルと高分子バインダーを塗布
    した上層用シートと貼り合わせた構造であり、下層用シ
    ートか熱融着性粒子層の少なくとも一方が吸着性粒子を
    含有することを特徴とする請求項2記載の脱臭抗菌性靴
    中敷き。
  4. 【請求項4】 植物抽出成分が、ヒノキチオール、1,
    8−シネオール、α−ツヨン、アロエチン、アリルイソ
    チオシアネート、シソニン、カテキン及びそれらの誘導
    体の少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1
    記載の脱臭抗菌性靴中敷き。
  5. 【請求項5】 抗菌防黴剤が含窒素複素環、硫黄原子の
    少なくともいずれかを含む有機化合物の金属塩であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の脱臭抗菌性靴中敷き。
  6. 【請求項6】 下層用シートが含窒素複素環、硫黄原子
    の少なくともいずれかを含む有機化合物の金属塩である
    抗菌防黴剤を含有するイオン交換繊維を必須とする湿式
    不織布である請求項2記載の脱臭抗菌性靴中敷き。
  7. 【請求項7】 イオン交換繊維がカルボキシメチル変性
    セルロースであることを特徴とする請求項6記載の脱臭
    抗菌性靴中敷き。
  8. 【請求項8】 金属塩が銀塩、銅塩、亜鉛塩の少なくと
    もいずれか1種であることを特徴とする請求項5記載の
    脱臭抗菌性靴中敷き。
  9. 【請求項9】 湿式不織布が吸着性粒子を内填している
    ことを特徴とする請求項6記載の脱臭抗菌性靴中敷き。
  10. 【請求項10】 吸着性粒子がアルミノケイ酸亜鉛であ
    ることを特徴とする請求項2又は9記載の脱臭抗菌性靴
    中敷き。
  11. 【請求項11】 下層用シート上に熱融着性粒子単独、
    又は吸着性粒子との混合粒子を散布し、熱融着性粒子の
    融点以上の温度で処理した後で上層用シートを重ね、7
    gf/cm2の加圧下での下層用シートと上層用シート
    の厚さの合計の20〜100%のギャップのロール間を
    通して貼り合わせたことを特徴とする請求項2記載の脱
    臭抗菌性靴中敷き。
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