JP2000319108A - 防塵マット - Google Patents

防塵マット

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JP2000319108A
JP2000319108A JP11132359A JP13235999A JP2000319108A JP 2000319108 A JP2000319108 A JP 2000319108A JP 11132359 A JP11132359 A JP 11132359A JP 13235999 A JP13235999 A JP 13235999A JP 2000319108 A JP2000319108 A JP 2000319108A
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antibacterial
dustproof mat
dustproof
sheet
compound
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JP11132359A
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English (en)
Inventor
Munetomo Nakamura
宗知 中村
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】病院やクリーンルーム等に用いられる抗菌、防
黴の双方に効果的で脱臭性が良好で且つ耐水性があり耐
久性のある防塵マットを提供する。 【解決手段】含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいず
れかを含有する有機化合物の金属塩である抗菌防黴剤含
有の繊維状物質を必須成分とするシート状物、または水
不溶性高分子化合物と該抗菌防黴剤を含有する組成物を
塗布または含浸した防塵マットである。片面に不織布を
貼り合わせ、貼り合わせの際に接着剤と吸着性物質を用
いる。耐水化するために床面側に樹脂層を設け、床面に
固定するために粘着剤層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防塵マットに関
し、詳しくは、抗菌、防黴の双方に極めて効果的な防塵
マットであって、病院や微生物を扱うクリーンルーム等
の出入口で履き物に付着して室内に持ち込まれる塵を遮
断し、更に、履き物の裏を抗菌防黴された状態にし、室
内の床面を防塵防黴性の状態にすることのできる、マッ
ト自体が菌黴類の培地とならない防塵マットに関する。
特に、安全性の高い抗菌防黴剤を含有する防塵マットで
あり、長期間、優れた抗菌防黴効果を持続して菌や黴に
起因する臭いも防止できる防塵マットに関する。また、
使用に際して強度において耐久性があり、所定の位置に
固定できる使い易い防塵マットに関する。
【0002】
【従来の技術】室内では、塵などが履き物の裏面と床と
の間で付着と脱離を繰り返し、作業者が歩くたびに室内
中に拡散していく。近年、病院の手術室や生体用のクリ
ーンルームなどでは、室外の床面から作業者の履き物に
付着した塵などが持ち込まれ、これらの塵を介して侵入
する菌黴類の遮断が強く望まれている。室内に塵等が持
ち込まれるのを遮断し、塵等に付着している菌黴類を遮
断する目的で、単に履き物の裏面を拭く防塵マットが使
われているが、塵等は拭き取られても履き物の裏面自体
は菌黴が付着している。また、防塵マットが菌や黴の繁
殖する温床になるので、菌黴の繁殖を防止する防塵マッ
トが望まれている。特に若干湿度の多い状態で恒湿管理
されている部屋では、菌黴類が繁殖しやすく、その結
果、臭気の発生原因ともなり、抗菌防黴が望まれてい
る。
【0003】このような目的で使用されるためには、履
き物の底から物理的に塵を取り除くとともに、履き物の
裏面を抗菌防黴の状態にし、且つ、マット自体を菌黴類
の繁殖を抑えるようにすることが必要であり、安全性が
高く、脱塵、抗菌防黴効果の大きい防塵マットが無いの
が現状である。更に、マット自体に耐久性がなかった
り、所定の位置からずれてしまったり、使う上で十分機
能しないものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塵な
どを取り除き、初期から長期に亘り、室内及び履き物の
裏面が抗菌防黴された状態に保つことができ、また、マ
ット自体が抗菌防黴性で菌黴類の培地とならず、しかも
充分な脱塵性、強度、耐水性及び保水性があり、所定の
位置からずれてしまったりしない、使いやすい防塵マッ
トを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】即ち、本発明は、以下の発明によって達成
される。請求項1の発明は、含窒素複素環、硫黄原子の
少なくともいずれかを含む有機化合物の金属塩である抗
菌防黴剤(A)を含有する繊維状物質を必須成分として
含むシート状物(B)からなる抗菌防黴作用のある防塵
マットである。請求項2の発明は、シート状物の少なく
とも片面に高分子化合物と含窒素複素環、硫黄原子の少
なくともいずれかを含む有機化合物の金属塩である抗菌
防黴剤(A)を含有する組成物(H)を塗布又は含浸加
工したことを特徴とする防塵マットである。請求項3の
発明は、少なくとも片面に不織布(C)を貼り合わせた
ことを特徴とする請求項1または2記載の防塵マットで
ある。請求項4の発明は、シート状物が吸着性物質を含
有しているか又はシート状物と不織布(C)とを貼り合
わせるときに接着剤と吸着性物質を含有させることを特
徴とする請求項3記載の防塵マットである。請求項5の
発明は、組成物(H)が抗菌防黴剤(A)と水不溶性高
分子化合物(D)を含有し、(A/D)の重量比が0.
05〜5である抗菌防黴剤組成物(G)を含むことを特
徴とする請求項2,3または4記載の防塵マットであ
る。請求項6の発明は、繊維状物質が、イオン交換繊維
であることを特徴とする請求項1,3または4記載の防
塵マットである。請求項7の発明は、イオン交換繊維
が、カルボキシメチル変性セルロースであるか、または
ポリスチレン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリエチレン、およびセルロースから選ばれる少な
くとも1種であり、スルホン酸基、ホスホン酸基、カル
ボン酸基の少なくとも1種を有する繊維であることを特
徴とする請求項6記載の防塵マットである。請求項8の
発明は、含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいずれか
を含有する有機化合物が、ベンズイミダゾール化合物、
メルカプトピリジン−N−オキシド化合物、イソチアゾ
ロン化合物、ベンゾチアゾール化合物もしくはベンゾチ
アゾロン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物で
あることを特徴とする請求項1または2記載の防塵マッ
トである。請求項9の発明は、金属塩が銀塩、銅塩、亜
鉛塩の少なくともいずれか1種であることを特徴とする
請求項1又は2記載の防塵マットである。請求項10の
発明は、床面と接する側が樹脂層で被覆され耐水性化さ
れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載の防塵マットである。請求項11の発明は、床面と接
する側の面に床面に固定するための粘着剤層が設けられ
ていることを特徴とする請求項1〜4及び10のいずれ
かに記載の防塵マットである。請求項12の発明は、粘
着剤層をトレイの底に貼着するようにトレイの中に敷い
て用いることを特徴とする請求項11記載の防塵マット
である。請求項13の発明は、湿潤状態で用いられるこ
とを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の防塵
マットである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明では、防塵マットとして過酷
な使用に耐えるために、本発明における抗菌防黴剤
(A)を繊維構造内に含有もしくは表面に固着させた繊
維状物質を成分として含むシート状物の形態、または、
少なくとも片面に高分子化合物と抗菌防黴剤(A)を含
有する組成物(H)を塗布又は含浸加工した形態をと
る。シート状物としては、編布、織布、紙、不織布ある
いは表面にタオルの様に撚り糸が起毛したシート状物、
短繊維が起毛したシート状物等の形態で用いられる。履
物が当たる面のシート状物は砂や塵が補集されるように
多孔性或いは表面に毛羽や凹凸のあるシート状物が好ま
しく、織布、撚り糸や単繊維が起毛したシート状物また
は不織布が好ましく、経済性を考慮すると不織布が好ま
しい。
【0008】本発明における抗菌防黴剤(A)で使用す
る金属塩としては、銀、銅、亜鉛、錫、マンガン、コバ
ルト、鉄塩等から選択される。効果の点で好ましくは
銀、銅、亜鉛塩から少なくとも選択され、更に2種以上
の複合塩で形成され、特に銀、銅、亜鉛塩の3種が複合
されたものが即効性及び永続性のある抗菌防黴性が得ら
れ、好ましい。理由としては、各々の金属塩の水溶解性
が異なっており、亜鉛塩は早く溶解し、銀塩は遅いので
抗菌防黴効果を使用初期から継続して長期間発揮させる
ことができ、特に銀、銅、亜鉛の3種の複合塩が好まし
い。
【0009】本発明における抗菌防黴剤(A)で使用す
る含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいずれかを含有
する有機化合物としては、例えば、ピロール系、ピリジ
ン系、ピリミジン系、ピラゾール系、イミダゾール系、
ベンズイミダゾール系、1,3,5−トリアジン系、ヘ
キサヒドロ−1,3,5−トリアジン系、トリアゾール
系、イソオキサゾール系、チアゾール系、ベンゾチアゾ
ール系、チアゾロン系、ベンゾチアゾロン系、イソチア
ゾロン系、ベンゾイソチアゾロン系、テトラヒドロチア
ジアジンチオン系などを基本骨格とするものが挙げら
れ、さらに、それらのアルキルアリル誘導体、メルカプ
ト誘導体などが挙げられるが、中でも、ベンズイミダゾ
ール化合物、メルカフ゜トピリジン−N−オキシド化合
物、イソチアゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物、
ベンゾチアゾロン化合物から選ばれる少なくとも一種の
化合物が特に好ましい。これらの具体例としては、例え
ば、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2
−(カルボメトキシアミノ)−ベンズイミダゾール、2
−メルカフ゜トピリジン−N−オキシド、1,2−ベンゾ
イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチ
アゾリン−3−オン、1,2−ベンゾチアゾロン、2−
(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどを
挙げることができる。
【0010】本発明の抗菌防黴剤(A)を含有させる繊
維状物質として、いわゆるイオン交換繊維が用いられ
る。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、セル
ロース等のベースポリマーにスルホン酸基、ホスホン酸
基、カルボン酸基等を適度に導入する事によって得られ
る。その中でも適度にカルボキシメチル化された木材パ
ルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプなど)が、材料の安
価さ、処理のし易さなどの点から発明の実施に好適であ
る。
【0011】この他、レーヨンなどの再生セルロースも
同様に使用可能である。さらには、前記趣旨に沿って適
度に変性されたイオン交換能を有する合成繊維、アルギ
ン酸繊維や可溶性ポリマーを湿式紡糸した繊維であって
も良い。また、本発明で使用する抗菌・防黴能を有する
有機金属複合塩を含有するポリマー液から製造された湿
式紡糸繊維であっても良い。天然のセルロース系繊維の
場合、硫酸化、リン酸化、硝酸化、カルボキシメチル
化、カルボキシエチル化、カルボキシプロピル化処理に
よる部分的に化学変性することにより好ましく利用出来
る。中でも、カルボキシメチル化処理はプロセスが容易
で、経済性、安全性も良く、かつ膨潤性、イオン浸透性
等に優れており本発明の実施に極めて好適である。
【0012】所望のカルボキシメチル基置換度を持つ繊
維状物質を得るには、基本的には、セルロース系繊維に
対するモノクロル酢酸ナトリウム量、アルカリ量および
水の量、その他反応条件を調整することによって可能で
ある。
【0013】一般的に、カルボキシメチル基置換度は、
グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度
(DS)で定義され、その置換度は、一旦、酸型カルボ
キシメチルセルロースに変換後、過剰量のアルカリを加
えて中和した後、酸で逆滴定することによって求められ
る。
【0014】本発明で用いられる各種のカルボキシメチ
ル基置換度を持つ繊維状物質は、置換度が大きくなるに
つれて、金属イオン捕獲能は高まり、したがって、本発
明における抗菌・防黴能を有する有機金属複合塩の充填
密度は高くなるが、高置換度では膨潤が過度に進み、繊
維強度の低下および、ひいては可溶化に至る。一般的
に、置換度はおよそ0.6で可溶性となる。強度低下は
あるが置換度はおよそ0.5が繊維形状が維持できる上
限レベルである。
【0015】本発明における抗菌防黴剤(A)を含有す
る繊維状物質と併用される有機繊維としては、植物繊
維、動物繊維、再生繊維、半合成繊維および合成繊維か
ら選ばれる繊維を単独あるいは混合したものが使用され
る。
【0016】植物繊維としては、綿、麻(亜麻、ラミ
ー)、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプや
藁パルプなどの木本類、草本類、古紙、損紙などから得
られるパルプ繊維も含まれる。動物繊維としては、絹、
羊毛などの繊維が挙げられる。
【0017】再生繊維としては、レーヨン、キュプラ
が、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテー
ト、プロミックスが、合成繊維としては、ナイロン、ア
クリル、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾエー
ト、ポリクラール、フェノール系などの繊維が挙げられ
る。
【0018】各種繊維と混抄して使用する場合、必要に
応じて、各種のバインダーを用いることができる。繊維
状のバインダーとしては、芯鞘タイプ(コアシェルタイ
プ)、並列タイプ(サイドバイサイドタイプ)などの複
合繊維が挙げられる。例えば、ポリプロピレン(芯)と
ポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品名「ダイワボウ
NBF−H」:大和紡績社製)、ポリプロピレン(芯)
とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ(商品
名「ダイワボウNBF−E」:大和紡績社製)、ポリプ
ロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商
品名「チッソESC」:チッソ社製)、高融点ポリエス
テル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ
(商品名「メルテイ4080」:ユニチカ社製)などが
挙げられる。また、ビニロンバインダー繊維(「VPB
107×1」:クラレ社製)などの熱水溶融タイプなど
も使用できる。繊維間で熱融着するタイプの複合繊維を
用いると、繊維がばらけないので、シートに耐水効果、
補強効果及び繊維脱落防止効果による耐久性が発現して
好ましい。
【0019】その他、ラテックス、水溶性樹脂、サイズ
剤或いは接着剤等バインダー効果のあるものについては
後述の通りである。
【0020】これらの材料を適宜組み合わせて、編織
物、紙、乾式或いは湿式不織布の形態でシート状物
(B)を作成し防塵マットとなす。かかる防塵マットで
は、抗菌防黴剤が高価であるため、経済上シート状物
(B)を厚くすることができないとき、不織布材強度が
出なかったり、保水性を持たせることができない場合は
不織布(C)を積層して用いることが好ましい。一般的
には、シート状物(B)を薄くする分、不織布(C)で
厚く補強して組み合わせて用いる方が経済上好ましい。
積層に際しては、接着剤、ホットメルト剤で等で貼着し
てもよいしニードリング、カーディング、縫合等で積層
一体化してもよい。
【0021】湿式不織布の場合は、各種短繊維を水中に
分散した後、紙と同様の抄紙機で抄造、乾燥し、シート
化するが、丸網抄紙機、長網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄
紙機等の単独か組み合わせにより、多層で抄造してもよ
い。
【0022】本発明のシート状物(B)及び不織布
(C)の目付は、30g/m2以上である。好ましくは
50〜600g/m2である。クッション性を得る目的
で600g/m2より多くしても問題はないが、厚い分
経済的でない。30g/m2より軽いと強度がなくなり
しわになりやすく、耐久性が低下したり定位置性がなく
使いにくくなる。
【0023】本発明のシート状物(B)に抗菌防黴剤
(A)を含む繊維状物質を含有せしめる方法は上記の他
に後処理の形でシート状物に含浸又は塗布することもで
きる。また、予め不織布をカード法、スパンボンド、メ
ルトブローン、湿式不織布、及びそれらのスパンレース
加工不織布を作成しておき繊維状物質を不織布の間隙に
埋め込でもよい。
【0024】本発明で、シート状物(B)と不織布
(C)とを貼り合わせる場合には、固形、水系、溶剤系
の各種接着剤が使用出来るが、好ましくはポリエチレン
系、ポリプロピレン系の固形粒子を不織布上にふりか
け、適度に加熱溶融した後重ね合わせて加圧する方法が
塵埃等を捕獲するために通気性の点から好ましい。
【0025】本発明の防塵マットは、シート状物(B)
に吸着性物質を含有するか又はシート状物(B)と不織
布(C)とを貼り合わせるときに接着剤と吸着性物質を
含有させて好ましく用いられる。本発明で使用する吸着
性物質は、粘土系、ゼオライト系、酸性白土系、活性白
土系、ベントナイト系、活性炭系等の無機化合物系や酸
性基や塩基性基を有する高分子化合物等が利用出来る。
好ましくは、無機化合物であり、特に好ましいのは、ア
ンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、エチルメルカ
プタン等の吸着に有効である粘土系のアルミノケイ酸亜
鉛系である。具体的には水沢化学工業社製のミズカナイ
トAP、ミズカナイトAG、ミズカナイトHP、ミズカ
ナイトHG、ミズカナイトMPが挙げられる。
【0026】シート状物(B)と不織布の貼り合わせで
封入する吸着性物質の量はその種類により異なるが、臭
気物質の吸着効果からは不織布の単位面積当たりで5g
/m2以上の使用が好ましく、より好ましくは30g/
2以上である。上限は特に無いが、粉落ちのないこと
が要求され、また、経済性や実用性から200g/m2
である。
【0027】吸着性物質を内填する場合は、内添の仕方
によっては貼り合わせの場合より若干多く入れられる。
シート状物(B)が湿式不織布の場合の充填比率は湿式
不織布の3〜50重量%程度である。
【0028】又、ポリエチレン系やポリプロピレン系等
の網目状のシートであるノリフを両不織布の間に入れて
加熱加圧して積層する方法も通気性からは好ましいが、
何れも加熱時に溶融して通気性を大きく下げない不織布
や処理温度の選択が必要である。
【0029】本発明の抗菌防黴剤組成物(G)で使用す
る水不溶性高分子化合物(D)としては、ウレタン系高
分子化合物、スチレン−ブタジェン系高分子化合物、ア
クリル系高分子化合物、アクリロニトリル−ブタジェン
系高分子化合物、エステル系高分子化合物、スチレン系
高分子化合物、アミド系高分子化合物、塩化ビニル系化
合物、酢酸ビニル系化合物、フッソ系化合物、シリコン
系化合物、エチレン系高分子化合物やプロピレン系高分
子化合物等のオレフィン系高分子化合物等が挙げられ
る。
【0030】水不溶性高分子化合物が好ましい理由は、
それを含有する抗菌防黴剤組成物を各種の材料に塗布ま
たは含浸し、最低造膜温度以上の温度で乾燥することに
より特に耐水性が良好な抗菌防黴性能を持った材料が得
られるからである。更に、水不溶性高分子化合物に自己
乳化性を付与したり、乳化剤で水に分散させたものを乾
燥した場合には膜の不連続部分が発生しやすく、抗菌防
黴剤のような異種のものを加えた場合には特に顕著であ
り、その不連続部分より抗菌防黴剤の成分が移動しやす
くなり、良好な抗菌防黴性が発現すると予想される。
【0031】本発明で水不溶性高分子化合物(D)に対
する抗菌防黴剤(A)の重量比A/Dが0.05〜5が
好ましい理由は、5より大きいと耐水性、耐久性に劣
り、0.05より小さいと抗菌防黴剤(A)を水不溶性
高分子化合物(D)が覆う為に内側の抗菌防黴効果が得
にくく、又、抗菌防黴剤の密度が低いので初期の抗菌防
黴効果も劣るためである。
【0032】本発明で抗菌防黴剤組成物が塗布または含
浸され、乾燥された後では水不溶性高分子化合物の膜は
耐水性が有り、水分が加えられても安定であり、抗菌防
黴剤成分が水分と共に適度に表面に移動、徐放すること
により継続した良好な抗菌性、防黴性の効果が得られる
と予想される。
【0033】耐水性を更に向上させる為には、水不溶性
高分子化合物に架橋剤を添加して適度に架橋させること
も可能である。
【0034】耐久性、耐光性、摩擦強度等の特性から、
好ましくは水不溶性高分子化合物としてウレタン系高分
子化合物、スチレン−ブタジェン系高分子化合物、アク
リル系高分子化合物が用いられる。
【0035】好ましくは水不溶性高分子化合物が自己乳
化型である。その理由は水に分散する場合に各種乳化剤
を添加する必要が無いので各物品に塗布または含浸、乾
燥された後の抗菌防黴剤と水不溶性高分子化合物との接
着性が良好となり、耐水性、耐久性に優れる為である。
耐久性、耐光性、摩擦強度等を加味すると、特に、自己
乳化型のウレタン系高分子化合物、スチレン−ブタジェ
ン系高分子化合物、アクリル系高分子化合物が好まし
い。
【0036】具体的には、カルボキシル基、アミノ基、
水酸基やエステル類等のアニオン、ノニオン、カ チオ
ン性の親水性の部分を有するものであり、それにより水
中で安定的に分散可能となるものである。大日本インキ
化学工業社製ハイドランHW350、ラックスターDS
−405、ラックスターDS−407、パテラコートS
B−301等が挙げられる。
【0037】また、好ましくは水不溶性高分子化合物が
自己架橋型である。その理由は、自己架橋により膜が強
固になり耐水性、耐久性が良好となるためである。自己
架橋型ではない水不溶性高分子化合物に架橋剤を添加す
る場合は抗菌防黴剤組成物の液安定性が劣り、抗菌防黴
剤同士が凝集しやすくなるために架橋剤の種類、及び量
の選択が難しい。
【0038】具体的にはウレタン系、スチレン−ブタジ
ェン系、アクリル系等の水不溶性高分子化合物がビニル
基、アルデヒド基、エポキシ基、等の反応性の高い部分
を有しており、縮合反応や付加反応、開環反応等により
自己架橋するものである。大日本インキ化学工業社製ボ
ンコート3256、ラックスターDS−407等が挙げ
られる。
【0039】本発明で抗菌防黴剤組成物(G)には必要
に応じて各種の接着剤、顔料、染料等を混合することが
出来る。
【0040】本発明の抗菌防黴剤組成物(G)は、作成
したものをそのままシート状物に塗布又は含浸しても良
いが、抗菌防黴剤組成物の安定性向上や接着性を高める
ために、塗布する前に各種接着剤を付与することや着色
のための少量の顔料や染料の付与も可能である。
【0041】接着剤としては、本発明の水不溶性高分子
化合物以外に各種水溶性高分子化合物と架橋剤と併用し
ても使用できる。
【0042】水溶性高分子化合物としては、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、澱粉類等
が挙げられる。それぞれに合った架橋剤、耐水化剤が適
宜利用される。
【0043】抗菌防黴剤組成物に付与する接着剤量は、
本発明における抗菌防黴剤組成物固形分に対して50重
量%未満が好ましい。50重量%を超えると、接着性は
強くなるものの抗菌防黴性が低下する。
【0044】靴と接触する面に高分子化合物と抗菌防黴
剤(A)を含有する組成物(H)の連続または不連続の
被膜が形成できるように組成物(H)を含浸又は塗布す
ることにより防塵マットの耐久性や、美装性が向上する
ので好ましい。
【0045】高分子化合物と抗菌防黴剤を含有する組成
物(H)で使用する高分子化合物は、本発明の抗菌防黴
剤組成物(G)で使用する水不溶性高分子化合物(D)
と同様のものが使用出来る。
【0046】本発明の高分子化合物と抗菌防黴剤(A)
を含有する組成物(H)には発泡剤を添加するほうが好
ましい。その理由は、防塵マット表面から内部へ塵や埃
が補集され易く、また、水分の保水効果を向上させるよ
うにすることである。添加量は、固形で組成物(H)の
0.5〜20重量%が好ましい。発泡は撹拌や空気吹き
込み等により行う。
【0047】発泡剤として使用されるものは、フッ素
系、脂肪酸塩系、スルホン酸塩系、硫酸エステル塩系、
アクリル系等の界面活性剤挙げられる。具体例として
は、大日本インキ化学工業社製、メガファックF−82
4、F−1、住友化学工業社製、ネオペレックスF−2
5、カネボウ・エヌエスシー社製、FR−20、LA−
93が挙げられる。また、加熱処理や化学的な処理によ
り発泡する発泡性微粒子をシート状物に入れても良い。
【0048】本発明の高分子化合物と抗菌防黴剤を含有
する組成物(H)をシート状物に塗布又は含浸する量
は、固形で5〜100g/m2、好ましくは10〜70
g/m2である。高分子化合物と抗菌防黴剤を含有する
組成物(H)が塗布又は含浸されるべきシート状物は、
塗布又は含浸加工可能であればよく、前記したシート状
物(B)を構成する材料と同様であってもよい。不織布
(C)と貼り合わせる場合も前記したシート状物(B)
のように行われる。
【0049】本発明の防塵マットは、湿潤状態で用いら
れることが好ましいので、保湿もしくは保水性が要求さ
れるので床に接する側が樹脂層で被覆され防水加工もし
くは耐水加工されることが好ましい。樹脂被覆層として
は、フィルム形成能のある高分子樹脂フィルムを接着剤
を介してあるいは接着剤なしでラミネート加工してもよ
いし、マットに熱可塑性樹脂を溶融押し出し被覆しても
よい。更には、厚みのあるプラスチック板、金属板など
を接着剤層を介して積層してもかまわない。また、不織
布(C)中に繊維、或いは粒子の形で高分子性バインダ
ーを含有せしめ加熱などして接着し積層体としてもよ
い。取り扱い性からは樹脂層をラミネート加工したもの
が丸めるなどして搬送できるので利便性があって好まし
い。
【0050】また、防塵マットは作業者が履物をマット
にこすりつけ、物理的に砂や塵芥を除去したり、歩行や
ドアーの開け閉め等により、所定の位置から動いてしま
うので、床面と接する側のマット面に床面に固定するた
めの粘着剤層が設けられることが好ましい。
【0051】本願発明の防塵マットは含水状態で用いら
れる場合があるので、作業者がマットを踏んだとき、水
が床に滲み出しスリップしないようマットの粘着剤層が
トレイの底に貼着する形でトレイに入れて用いるとよ
い。
【0052】本発明の防塵マットを湿潤状態にしておく
と、上記した抗菌防黴剤がマット中に広がり防塵マット
が、菌黴類の培地とならない。また、本発明の防塵マッ
トをトレイの底に貼付しておくと、履物から物理的に除
去された砂や塵埃がトレイから逃げず好ましい。更に、
本発明の防塵マットは水洗することで、砂や塵埃を除去
することにより抗菌防黴剤がなくなるまで、再生使用す
ることが可能である。
【0053】次に、本発明の抗菌防黴剤(A)作成の
一例として、置換度が0.4のNa型カルボキシメチル
セルロースを使った例を用いて説明する。 1)上記パルプ固形分100g相当量に攪拌が可能な程
度に水を加える。 2)硝酸銀100mmol/相当量(17g)を添加す
る。 3)系のpHが5.5〜6.0となるようにアルカリを
添加する。 4)室温下で30分攪拌し、十分に置換(吸着)させ
る。 5)2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム
塩の0.1M/l液1000mlを攪拌しながら少しず
つ添加する。銀電極もしくは白金電極を用いて、電位計
測すると、反応終了点を検知することができる。 6)添加終了後、30分間攪拌し、十分に反応させる。 7)0.1M/lの硫酸液を加えて、系のpHを約4ま
で下げた後、脱水プレスにて脱水する。
【0054】上記の手順により、メルカプトピリジン−
N−オキシド銀塩を含有するパルプが得られる。必要な
らば、再度水中に分散し、水洗することにより、脱落分
をあらかじめ除くことができる。実験結果によれば、一
部脱落はするが90%以上の高収率で繊維内および表面
固着の形で塩が形成されていることが認められた。
【0055】メルカプトピリジン−N−オキシド銀塩を
繊維内もしくは表面に収率良く形成させるには、pHコ
ントロール、攪拌、薬品添加濃度および速度などの最適
化が必要である。
【0056】本発明において、最も効果的に抗菌防黴機
能を発揮する有機化合物の複合塩の作製方法について述
べる。
【0057】基本的には、前記の単一金属塩の場合と同
様に、カルボキシメチルセルロースに対して添加する金
属塩組成を、計算量配合することによって達成できる
し、また、銀電極もしくは白金電極を用いた電位計測に
より、各イオンとの反応をモニターできる。
【0058】一例として、2−メルカプトピリジン−N
−オキシドの複合塩の作製方法を例示すれば、銀、銅、
亜鉛の複合系に2−メルカプトピリジン−N−オキシド
を添加することにより得られる。銀50モル%、銅25
モル%、亜鉛50モル%と2−メルカプトピリジン−N
−オキシドの複合塩を形成させるための具体例を挙げれ
ば、 Na型カルボキシメチルセルロース(DS=0.4)固形分 100g 水 5000g 硝酸銀 50mmol 硫酸銅 25mmol 硝酸亜鉛 50mmol 水 1000g 2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム0.
2mol/l溶液1000gとなる。
【0059】次に、本発明における抗菌防黴剤組成物
(G)の作成例として銀、銅、亜鉛の複合系の抗菌防黴
剤およびポリウレタン系高分子化合物について述べる。
一例として、自己乳化型ポリウレタン系高分子化合物を
使った例を用いて説明する。 1)水500gを用意する。 2)硝酸銀100mmol相当量を添加する。 3)硫酸銅50mmol相当量を添加する。 4)硝酸亜鉛100mmol相当量を添加する。 5)室温下で十分に攪拌する。 6)2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム
塩の400mmol/l液1000gを攪拌しながら少
しずつ添加する。 7)添加終了後、30分間攪拌し、十分に反応させる。 8)自己乳化型ポリウレタン系高分子化合物の40重量
%水分散液を200g添加する。
【0060】上記の手順により、本発明における抗菌防
黴剤組成物(G)であるメルカプトピリジン−N−オキ
シドの銀塩、銅塩および亜鉛塩と水不溶性高分子化合物
よりなる分散液が得られる。そのままの液状でも抗菌防
黴剤組成物塗料としてシート状物に含浸、塗布等が可能
である。
【0061】尚、最初に自己乳化型ポリウレタン系高分
子化合物水分散液中に硝酸銀、硫酸銅及び硝酸亜鉛を添
加し、2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウ
ム塩を添加してもメルカプトピリジン−N−オキシド銀
塩を合成することが可能で同様な抗菌防黴剤組成物が得
られるが、粒径が不均一になりやすい。
【0062】抗菌防黴剤の粒径は電子顕微鏡や光散乱法
により測定が可能であるが、好ましくは0.1μm以上
の粒子を50重量%以上含有するものである。微粒の粒
子が多いと塗料中で凝集する為にシート状物に塗布、含
浸した場合に均一に分布しにくい他、水洗処理等により
脱落しやすい。
【0063】本発明の抗菌防黴剤(A)の単位面積当た
りの防塵マットに対する含有量は、一般的には0.05
g/m2以上であるが、0.1g/m2以上が好ましい。
【0064】抗菌防黴剤(A)が0.05g/m2より
少ないと使用の初期から充分な抗菌性、防黴性が得られ
にくい。抗菌防黴性の必要持続期間により適宜含有量を
選択出来るが、数日以上の使用では0.1g/m2以上
が必要である。
【0065】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「重量
部」および「重量%」を示す。
【0066】抗菌防黴剤(A)を含有する繊維状物質の
製造例A 前記の発明の実施の形態の記載に準じて、カルボキシメ
チル基置換度0.22(DS=0.22)の変性NBK
Pを得、この変性NBKP分散液に硝酸銀を加え、pH
を5.5に調節してから、30分間攪拌する。0.1M
/lの2−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウ
ム液を、変性NBKP分散液に加えられた硝酸銀と等モ
ル相当量を添加した。30分間攪拌してから、硫酸でp
Hを4まで下げた後、脱水した。脱水パルプに、再び5
00mlの水を加え、攪拌水洗して脱水した。これを、
銀/2−メルカプトピリジン−N−オキシドを吸着させ
た有機化合物の金属塩よりなる抗菌防黴剤を含有する繊
維状物質を作製した(以下、CP22AgMPと略記す
る)。
【0067】比較例1で使用する防塵マット下層用シー
ト 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(商品名「プライマル850」:日本アクリル
化学社製)を全繊維に対して1%になるように添加し、
NBKP(カナダ標準濾水度480ml)、PET繊維
(2デニール×5mm)、ポリエステルバインダー繊維
(商品名「メルティー4080」:2デニール×5m
m、ユニチカ社製)を各々20:40:40の比率で配
合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾燥重
量で300g/m2 になるように円網抄紙機で抄紙後、表
面温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥し、比較
例1で使用する防塵マット下層用シートを得た。
【0068】実施例1〜4で使用する防塵マット下層用
シート 比較例1のNBKPの一部を、上記製造例Aで得られた
本発明における繊維状物質であるCP22AgMPに、
表1に記載の配合量となるように置き換えた外は、比較
例1と同様にして、実施例1〜4で使用する防塵マット
下層用シートを得た。
【0069】抗菌防黴剤(A)を含有する繊維状物質の
製造例B 製造例Aと同様であるが、前記の発明の実施の形態の記
載に準じて、CP22AgMPの代わりに、カルボキシ
メチル基置換度0.40(DS=0.40)の変性NB
KPに3種の金属よりなる(銀、銅、亜鉛)/2−メル
カプトピリジン−N−オキシドを吸着させた有機化合物
の金属塩よりなる抗菌防黴剤(A)を含有する繊維状物
質を作製した(以下、CP40Ag25Cu25Zn5
0MPと略記する)。なお、括弧内金属原子の次の数字
は、モル%比を表わす。
【0070】実施例5〜7で使用する防塵マット下層用
シート 比較例1のNBKPの一部を、上記製造例Bで得られた
本発明における繊維状物質(CP40Ag25Cu25
Zn50MP)に、表1に記載の配合量となるよう置き
換えた外は、比較例1と同様にして、実施例5〜7で使
用する防塵マット下層用シートを得た。
【0071】比較例2で使用する防塵マット下層用シー
ト 実施例6と同様であるが、本発明における3金属塩併用
系のCP40Ag25Cu25Zn50MP含有繊維状
物質の代わりに、塩化ベンザルコニウム含有繊維状物質
10%を使用して、比較例2で使用する防塵マット下層
用シートを得た。なお、塩化ベンザルコニウム含有繊維
状物質は、製造例Bで用いたカルボキシメチル基置換度
0.40(DS=0.40)の変性NBKP10gに対
して、0.1M/lの塩化ベンザルコニウム液100ml
を加え、pH5.5に調整後、攪拌し、脱水、水洗した
後、再び脱水を行って作製した。
【0072】抗菌防黴剤組成物(G)の製造例C 前記の発明の実施の形態の記載に準じて、銀/2−メル
カプトピリジン−N−オキシドを含有させた、有機化合
物の金属塩よりなる抗菌防黴剤とウレタン系高分子化合
物とアクリル系高分子化合物を含む抗菌防黴剤組成物
(G)を作製した(以下、AgMP−UA0.3と略記
する)。即ち、水に硝酸銀0.1molを加え、撹拌す
る。0.1mol/lの2−メルカプトピリジン−N−
オキシドナトリウム液を、加えられた硝酸銀と等モル相
当量を添加し、30分間攪拌する。これに自己乳化型ウ
レタン系高分子化合物(商品名「ハイドランHW−35
0」:大日本インキ化学工業社製)の水分散液を加え、
5分間撹拌した後、同重量の自己架橋型アクリル系高分
子化合物(商品名「ボンコート3256」:大日本イン
キ化学工業社製)の水分散液を加え、銀/2−メルカプ
トピリジン−N−オキシドの抗菌防黴剤のウレタン系と
アクリル系高分子化合物に対する重量比を0.3とし
た。尚、括弧内金属原子の次の数字は、モル%比を表わ
し、最後尾の数字は水不溶性高分子化合物に対する抗菌
防黴剤の重量比を表わす。
【0073】抗菌防黴剤組成物(G)の製造例D 製造例Cに準じて、(銀、銅、亜鉛)/2−メルカプト
ピリジン−N−オキシドの抗菌防黴剤を含有した自己乳
化型ウレタン系高分子化合物(ハイドランHW−35
0)と自己架橋型アクリル系高分子化合物(ボンコート
3256)の水分散液を作製した。即ち、硝酸銀0.2
5mol、硫酸銅0.25mol、硝酸亜鉛0.5mo
l及びそれらの総モル相当量である1.75molの2
−メルカプトピリジン−N−オキシドナトリウム水溶液
を添加、撹拌し、自己乳化型ウレタン系高分子化合物水
分散液を添加、撹拌後、同重量の自己架橋型アクリル系
化合物水分散液を添加、撹拌して、(銀、銅、亜鉛)/
2−メルカプトピリジン−N−オキシドの抗菌防黴剤と
自己乳化型ウレタン系高分子化合物と自己架橋型アクリ
ル系高分子化合物との重量比を0.3とした(以下、A
g25Cu25Zn50MP−UA0.3と略記す
る)。尚、括弧内金属原子の次の数字は、モル%比を表
わし、最後尾の数字は水不溶性高分子化合物に対する抗
菌防黴剤の重量比を表す。
【0074】抗菌防黴剤組成物(G)の製造例E〜I 製造例Dにおける(銀、銅、亜鉛)/2−メルカプトピ
リジン−N−オキシドの抗菌防黴剤と自己乳化型ウレタ
ン系高分子化合物と自己架橋型アクリル系高分子化合物
との重量比を表2に示すように変えた以外は製造例D同
様にして本発明の抗菌防黴剤組成物(G)を製造した。
【0075】実施例8〜16で使用する防塵マット上層
用シート 7デニールのポリエステル繊維50重量%と10デニー
ルのポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維50重量%
からなる混合ウエブを熱処理した乾式不織布(目付15
0g/m2、厚さ1800μm)に上記製造例C〜Iで
得られた本発明の抗菌防黴剤組成物を表2に記載の乾燥
塗布量になるようにロールコーターで塗布し、110℃
で乾燥して実施例8〜16で使用する防塵マット上層用
シートを得た。尚、塗布適性を向上させるために抗菌防
黴剤組成物にセルロースエーテル(商品名「メトローズ
SH30000」:信越化学工業社製)水溶液を適量添
加して塗布した。以下の実施例、比較例でも同様にして
セルロースエーテルを適量添加して塗布した。
【0076】比較例3で使用する防塵マット上層用シー
ト 実施例9で、Ag25Cu25Zn50MP−UA0.
3の代わりに、下記の製造例Jの塩化ベンザルコニウム
含有の抗菌防黴剤組成物を使用した以外は同様にして比
較例3で使用する防塵マット上層用シートを得た。
【0077】発明外の抗菌防黴剤組成物の製造例J 金属塩の代わりに塩化ベンザリコリウムを用いた以外は
製造例Dと同様にしておこなった。即ち、自己乳化型ウ
レタン系高分子化合物水分散液を添加、撹拌後、同重量
の自己架橋型アクリル系化合物水分散液を固形で10g
添加、撹拌後、0.1mol/lの塩化ベンザルコニウム
液120mlを加え、pH5.5に調整後、攪拌して塩
化ベンザルコニウム含有の抗菌防黴剤組成物を作製し
た。
【0078】〈表層用塗布液X〉ウレタン系高分子化合
物(商品名「ハイドランHW325」:大日本インキ化
学工業社製)及び発泡剤(商品名「メガファックF−
1」:大日本インキ化学工業社製)を固形重量比10:
1で混合し、体積が2〜3倍になるまで撹拌により発泡
させて表層用塗布液Xとした。
【0079】〈上層用シートY〉7デニールのポリエス
テル繊維50重量%と10デニールのポリエチレン−ポ
リプロピレン複合繊維50重量%からなる混合ウエブを
熱処理した乾式不織布(目付150g/m2、厚さ18
00μm)の片面に上記表層用塗布液Xをロッドコータ
ーにより固形で40g/m2塗布し、120℃で乾燥し
て、防塵マット上層用シートYを得た。同様にして実施
例8〜16及び比較例3で使用する防塵マット上層用シ
ートの抗菌防黴剤組成物未塗布面上に表層用塗布液Xを
固形で40g/m2塗布、乾燥した。
【0080】実施例1〜7及び比較例1、2 比較例1で使用する防塵マット下層用シートの片面上に
粒状ポリエチレン系接着剤(商品名「フローバックQH
4011N」:住友精化社製)とアルミノケイ酸亜鉛系
脱臭剤(商品名「ミズカナイトMP」:水沢化学工業社
製)を固形重量比1:1で40g/m2になるようにふ
りかけ、加熱後、実施例1〜7、比較例1、2で使用す
る防塵マット上層用シートYの表層用塗布液X未塗布面
を重ねて加圧し積層し、実施例1〜7及び比較例1,2
の防塵マットを得た。得られた防塵マットの抗菌性、防
黴性、防臭性及び耐久性を後記する方法で測定した。結
果を表3に示す。
【0081】実施例8〜16及び比較例3 比較例1で使用する防塵マット下層用シートの片面上に
粒状ポリエチレン系接着剤(住友精化社製、フローバッ
クQH4011N)とアルミノケイ酸亜鉛系脱臭剤(ミ
ズカナイトMP、水沢化学工業社製)を固形重量比1:
1で40g/m2になるようにふりかけ、加熱後、実施
例8〜16、比較例3で使用する防塵マット上層用シー
トYの表層用塗布液X未塗布面を重ねて加圧し積層して
実施例8〜16、比較例3の防塵マットを作成した。得
られた防塵マットの抗菌性、防黴性、防臭性及び耐久性
を下記の方法で測定した。得られた結果を表3に示す。
【0082】実施例17 比較例1で使用する防塵マット下層用シートの片面に製
造例Dで得られたAg25Cu25Zn50MP−UA
0.3を乾燥塗布量が3g/m2になるようにロールコ
ーターで塗布し、110℃で乾燥して実施例17で使用
する防塵マット下層用シートを得た。抗菌防黴剤組成物
を塗布した下層用シート面上に粒状ポリエチレン系接着
剤(商品名「フローバックQH4011N」住友精化社
製)とアルミノケイ酸亜鉛系脱臭剤(商品名「ミズカナ
イトMP」水沢化学工業社製)を固形重量比1:1で4
0g/m2になるようにりかけ、加熱後防塵マット上層
用シートYの未塗布面を重ねて加圧し積層し、実施例1
7の防塵マットを作成した。抗菌性、防黴性、防臭性及
び耐久性を下記の方法で測定した。得られた結果を表4
に示す。
【0083】実施例18 実施例8で使用する防塵マット上層用シートの抗菌防黴
剤組成物未塗布面上に表層用塗布液Xを固形で40g/
2塗布、乾燥したものを実施例18の防塵マットとし
て評価した。評価結果を表4に示す。
【0084】実施例19 実施例8で使用する防塵マット上層用シートの抗菌防黴
剤組成物未塗布面上に表層用塗布液として、ウレタン系
高分子化合物(商品名「ハイドランHW325」:大日
本インキ化学工業社製)、Ag25Cu25Zn50M
P−UA6.0及び発泡剤(商品名「メガファックF−
1」:大日本インキ化学工業社製)を固形重量比9:
1:1で混合し、体積が2〜3倍になるまで撹拌により
発泡させた塗布液を使用した以外は実施例8と同様にし
て実施例19の防塵マットを得た。評価結果を表4に示
す。
【0085】実施例20 実施例9で、防塵マット下層用シートの床面と接する面
に自己架橋型アクリリル系高分子化合物(商品名「ボン
コート3256」:大日本インキ化学工業社製)を乾燥
塗布量が40g/m2になるように塗布、120℃で乾
燥して耐水性の樹脂層を設けた以外は同様にして実施例
20の防塵マットを作成した。評価結果を表4に示す。
【0086】実施例21 実施例20で得られた防塵マットの耐水性の樹脂層上の
床に接する面に更に10g/m2のブチルゴム系粘着層
を設けた実施例21の防塵マットを作成した。評価結果
を表4に示す。
【0087】実施例22 実施例9で、表層用塗布液Xを塗布しなかった以外は同
様にして実施例22の防塵マットを作成した。評価結果
を表4に示す。
【0088】実施例23 実施例9で、比較例1で使用する防塵マット下層用シー
トの片面上に粒状ポリエチレン系接着剤(住友精化社
製、フローバックQH4011N)を20g/m2にな
るようにふりかけ、加熱後実施例9で得られた防塵マッ
ト上層用シートの表層用塗布液X未塗布面を重ねて加圧
し積層した以外は同様にして実施例23の防塵マットを
作成した。評価結果を表4に示す。
【0089】比較例4 比較例1で使用する防塵マット下層用シートの片面上に
粒状ポリエチレン系接着剤(住友精化社製、フローバッ
クQH4011N)を20g/m2になるようにりか
け、加熱後上層用シートYの表層用塗布液X未塗布面を
重ねて加圧し積層して比較例4の防塵マットを作成し
た。得られた防塵マットの抗菌性、防黴性、防臭性及び
耐久性を下記の方法で測定した。得られた結果を表4に
示す。
【0090】比較例5 実施例8で使用した7デニールのポリエステル繊維50
重量%と10デニールのポリエチレン−ポリプロピレン
複合繊維50重量%からなる混合ウエブを熱処理した乾
式不織布(目付150g/m2、厚さ1800μm)に
抗菌防黴剤組成物を塗布しないで表層用塗布液Xを固形
で40g/m2塗布、乾燥したものを比較例5の防塵マ
ットとして評価した。評価結果を表4に示す。
【0091】<抗菌性>大腸菌(E−coli IFO
3301)を液体培地(ペプトン・イースト)で24時
間前培養し、希釈して試験液を調整した。上記実施例お
よび比較例により得られた各防塵マットから試験片2c
m×2cmを切り取って用意し、それぞれをペトリ皿上
に上層用シートが上になるように配置し、上記試験液を
5滴(約0.1ml)滴下し、乾燥しないようにカバー
して、25℃で24時間経時した。経時後、試験片のそ
れぞれをNutrient Broth寒天培地上に押
し当て、試験片上の菌を転写させて剥離し、38℃で2
4時間培養し、観察した。評価は、次のとおりとした。 評価グレード −−− 殆ど完全に殺菌し、菌の成育がない。 −− 2cm×2cm転写面に5コロニー以下の成育はあるが、殆ど完全 に殺菌。 − 2cm×2cm転写面に100コロニー以下で良好な抗・殺菌作用。 + 2cm×2cm転写面に効果は認められるが、弱いか、少ない。 ++ 2cm×2cm転写面に実質的効果なし。
【0092】<耐久抗菌性>上記実施例および比較例に
より得られた各防塵マットを40℃、90%RHの環境
条件で7日間放置する。取り出した防塵マットから試験
片2cm×2cmを切り取り、抗菌性の評価と同様にし
て、それぞれをペトリ皿上に上層用シートが上になるよ
うに配置し、上記試験液を5滴(約0.1ml)滴下
し、乾燥しないようにカバーして、25℃で24時間経
時した。経時後、試験片のそれぞれをNutrient
Broth寒天培地上に押し当て、試験片上の菌を転
写させて剥離し、38℃で24時間培養し、観察した。
評価は、次のとおりとした。 評価グレード −−− 殆ど完全に殺菌し、菌の成育がない。 −− 2cm×2cm転写面に5コロニー以下の成育はあるが、殆ど完 全に殺菌。 − 2cm×2cm転写面に100コロニー以下で良好な抗・殺菌作用。 + 2cm×2cm転写面に効果は認められるが、弱いか、少ない。 ++ 2cm×2cm転写面に実質的効果なし。
【0093】<耐久防黴性>試験菌株として、黒カビ
(Aspergillus niger)を用いた。斜
面培地から胞子を採り、少量の湿潤剤(スルホコハク酸
ジオクチルナトリウム液)を加え、激しく振って胞子を
分散させ、ガーゼで濾過し、全量を50mlに調整し
た。1.5%の寒天を加えたGP培地(日本製薬社製)
を作り、上記菌液を均一に噴霧し、一旦、表面を乾燥さ
せた。各実施例、比較例で得られた防塵マットから試験
片2cm×2cmに切り取ったものを乗せ、十分に圧着
させ、再度試験菌を全面に噴霧して、28℃で経時培養
し、最高1週間まで経時観察した。評価は、次のとおり
とした。 評価グレード −−− 黴の生育を完全に阻害。 −− 黴の生育か否か判断がつきかねる。 − かなり良好な制御力を示すが表面積1/5以下にカビの生育を認める 。 + 表面積1/3位にカビの生育が認められる。 ++ 全面に黴が生育する。
【0094】<脱臭性>各実施例、比較例で得られた防
塵マットを2cm×5cmに切り、10枚を1.8リッ
トルのガラス瓶に入れて密閉し、アンモニアが250p
pmになるようにガスを注入し、6時間放置後瓶内の気
体を100ml取り出し、官能評価を行った。 評価グレード 3:楽に感知される臭い。 2:何の臭いか判別可能な臭い。 1:やっと感知出来る臭い。 0:無臭
【0095】<耐久性>各実施例、比較例で得られた防
塵マットの表面を200回踏んだ後の防塵マット表面の
摩耗、剥がれ及びしわの様子を観察した。摩耗、剥が
れ、しわを4段階で評価した。 評価グレード 1:摩耗、剥がれ又はしわが大きくもう使用できない状
態。 2:摩耗、剥がれ又はしわがやや大きいがまだ使用可能
の状態。 3:摩耗、剥がれ又はしわが分かる状態。 4:摩耗、剥がれ及びしわがほとんど無い状態。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】表3、表4の結果から、次のことが解る。
【0101】製造例A,Bで製造した本発明の抗菌防黴
剤を含有した繊維状物質を用いた実施例1〜7までの防
塵マットの抗菌性、耐久抗菌性、耐久防黴性は繊維状物
質の添加量が増すに従って向上するが、同一添加量で比
較した場合は、銀塩単独よりも銀塩、銅塩、亜鉛塩を用
いた製造例Bが最も良好である。不織布目付300g/
2での添加量は、効果の点では銀塩単独では1%が耐
久防黴性の効果の出る下限に近い。抗菌防黴剤を含まな
い比較例1では抗菌性、防黴性が非常に悪い。塩化ベン
ザルコニウムを使用した比較例2では耐久抗菌性が無く
なっている。
【0102】本発明の抗菌防黴剤組成物を塗布した実施
例8〜16の防塵マットは、抗菌性、耐久抗菌性、耐久
防黴性は良好である。同一塗布量で比較すると、実施例
8の銀塩を用いた場合、実施例9の銀塩、銅塩および亜
鉛塩を用いた場合の方が良くなる。実施例10は抗菌防
黴剤の水不溶性高分子化合物に対する重量比が0.06
であり耐久抗菌性、耐久防黴性は実用下限に近い水準で
ある。重量比が0.04の実施例15では特に耐久抗菌
性が下限であり劣る。逆に重量比が6.14と多すぎる
実施例16の場合も耐久抗菌性、耐久防黴性が下限で劣
る。
【0103】耐久性は表層用塗布液Xを塗布した実施例
1〜21及び比較例1〜5は良好であるが、塗布しなか
った実施例22では耐久性が下限である。比較例1の防
塵マット下層用シートのみで耐久性を評価したが1週間
で摩耗、剥がれ又はしわが大きく、使用できない状態に
なった。
【0104】実施例17で湿式不織布の片面の本発明の
抗菌防黴剤組成物を塗布した面と、防塵マット上層用シ
ートYの未塗布面とを重ねた防塵マットは、少量の抗菌
防黴剤で高い抗菌性、耐久防黴性を示した。実施例9の
防塵マットで床と接する面に高分子化合物を塗布した実
施例20の防塵マットは耐久性の評価で裏面の劣化が少
なかった。実施例20の防塵マットの床に接する高分子
化合物を塗布した面に粘着剤を塗布した実施例21の防
塵マットを床に固定したものはズレの無い使いやすいも
のであった。
【0105】実施例8で得られた防塵マット上層用シー
トの抗菌防黴剤組成物未塗布面上に表層用塗布液Xを塗
布した実施例18の防塵マットは、実施例8と同様の抗
菌性、防黴性であったが、足で踏んだ場合のクッション
性は実施例8の方が良好であった。
【0106】実施例9でアルミノケイ酸亜鉛系脱臭剤を
使用しなかった実施例23では防臭性は実施例9より劣
るが、その他、抗菌防黴性は良好であった。
【0107】尚、実施例8で防塵マット上層用シートに
使用した表層用塗布液Xに製造例Jで得られたAg25
Cu25Zn50MP−UA6.0を固形分で10%添
加した表層用塗布液Zを塗布して防塵マット上層用シー
トとして使用した以外は同様にして作成した実施例19
の防塵マットを評価した結果は抗菌性、耐久抗菌性、耐
久防黴性ともに実施例8よりも良好であり、耐久性は殆
ど差のないものであった。
【0108】
【発明の効果】本発明に使用される抗菌防黴剤を含有す
る繊維状物質、有機繊維及び吸着性物質を必須成分とす
る湿式不織布と不織布の貼り合わせた脱臭抗菌性防塵マ
ットは、長期の抗菌、防黴の双方に効果が有り、脱臭効
果にも優れている。
【0109】特に効果的に機能を発揮するのは、繊維状
物質がイオン交換繊維であり、吸着性物質がアルミノケ
イ酸亜鉛であれば長期に亘る効果が得られる。
【0110】本発明に使用される抗菌防黴剤と水不溶性
高分子物質の重量比が0.05〜5である抗菌防黴剤組
成物は、水不溶性高分子物質により抗菌防黴剤を覆うこ
とで耐水性を持たせる為、塗布または含浸等の加工によ
りシート状物に抗菌・防黴性を付与することができ、菌
捕捉性が良く、また、各種のイオン拡散性も良好であ
る。さらに、本発明で使用される抗菌防黴剤は、適度な
解離性を有しているために、水不溶性高分子化合物の膜
の間隙を通って徐放される。それ故、抗菌防黴効果が持
続されて、ポットライフが長く、耐水性、耐久性に優れ
ている。
【0111】また、本発明において、抗菌防黴剤を担持
して最も効果的に機能を発揮する高分子化合物は、ウレ
タン系高分子化合物、スチレン−ブタジェン系高分子化
合物、アクリル系高分子化合物である。このような水不
溶性高分子化合物を用いると、耐久性、耐水性が優れ、
抗菌防黴剤が過度に解離するのを押さえ、抗菌防黴効果
が持続する。
【0112】抗菌防黴剤の金属塩が銀塩、銅塩、亜鉛塩
の何れか1種であれば抗菌性から好ましく、特に3種が
複合されたものであれば、使用直後から長期にわたって
の抗菌、防黴性が得られるので好ましい。
【0113】しかも、本発明に使用される抗菌防黴剤が
含有された水不溶性高分子化合物は、シート状物に塗
布、含浸等で加工する場合でも、生産性は良好である。
【0114】防塵マットの表面層には高分子化合物主体
の組成物を塗布又は含浸することで耐久性と見た目の美
装性の改良になる。特に、発泡剤を添加することでクッ
ション性が上がり、通気性が良化するので水分が通過し
やすく、また、微細な塵芥を補足し易く好ましい。
【0115】更に、防塵マットで床と接する面に高分子
化合物を塗布し樹脂層を設けた防塵マットは耐久性が上
がり、保水性もあって好ましい。防塵マットの床に接す
る面に粘着剤層を設け、防塵マットを床に固定したもの
はズレが無く使いやすい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 59/16 A01N 59/16 A Z 59/20 59/20 Z A47G 27/02 A47G 27/02 B 101 101C B32B 5/00 B32B 5/00 C 23/02 23/02 23/08 23/08 27/02 27/02 27/18 27/18 F Fターム(参考) 3B120 AD18X AD18Y AD18Z BA21 EA12 EB03 EB14 EB21 EB25 EB30 4F100 AG00A AH03A AH03B AH04A AH04B AH07A AH07B AH08A AH08B AJ04A AJ06A AK01A AK01B AK01D AK04A AK12A AK25A AK41A AK46A AR00E BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E BA13 CA12A CA12B CA30A CA30B CB00 CB05E DG15C EH46B EJ82B GB81 GB90 JB06A JB06B JB06D JD14A JG10A JK01 JL13E 4H011 AA01 AA02 AA03 BA04 BB09 BB10 BB18 BC19 DA10 DC10 DD07 DE14 DF03 DH02 DH05 DH07 DH18 DH19 DH26

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含窒素複素環、硫黄原子の少なくともい
    ずれかを含む有機化合物の金属塩である抗菌防黴剤
    (A)を含有する繊維状物質を必須成分として含むシー
    ト状物(B)からなる抗菌防黴作用のある防塵マット。
  2. 【請求項2】 シート状物の少なくとも片面に高分子化
    合物と含窒素複素環、硫黄原子の少なくともいずれかを
    含む有機化合物の金属塩である抗菌防黴剤(A)を含有
    する組成物(H)を塗布又は含浸加工したことを特徴と
    する防塵マット。
  3. 【請求項3】 少なくとも片面に不織布(C)を貼り合
    わせたことを特徴とする請求項1または2記載の防塵マ
    ット。
  4. 【請求項4】 シート状物が吸着性物質を含有している
    か又はシート状物と不織布(C)とを貼り合わせるとき
    に接着剤と吸着性物質を含有させることを特徴とする請
    求項3記載の防塵マット。
  5. 【請求項5】 組成物(H)が抗菌防黴剤(A)と水不
    溶性高分子化合物(D)を含有し、(A/D)の重量比
    が0.05〜5である抗菌防黴剤組成物(G)を含むこ
    とを特徴とする請求項2,3または4記載の防塵マッ
    ト。
  6. 【請求項6】 繊維状物質が、イオン交換繊維であるこ
    とを特徴とする請求項1,3または4記載の防塵マッ
    ト。
  7. 【請求項7】 イオン交換繊維が、カルボキシメチル変
    性セルロースであるか、またはポリスチレン、ポリアク
    リル、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、およ
    びセルロースから選ばれる少なくとも1種であり、スル
    ホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基の少なくとも1
    種を有する繊維であることを特徴とする請求項6記載の
    防塵マット。
  8. 【請求項8】 含窒素複素環、硫黄原子の少なくともい
    ずれかを含有する有機化合物が、ベンズイミダゾール化
    合物、メルカプトピリジン−N−オキシド化合物、イソ
    チアゾロン化合物、ベンゾチアゾール化合物もしくはベ
    ンゾチアゾロン化合物から選ばれる少なくとも1種の化
    合物であることを特徴とする請求項1または2記載の防
    塵マット。
  9. 【請求項9】 金属塩が銀塩、銅塩、亜鉛塩の少なくと
    もいずれか1種であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の防塵マット。
  10. 【請求項10】 床面と接する側が樹脂層で被覆され耐
    水性化されていることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の防塵マット。
  11. 【請求項11】 床面と接する側の面に床面に固定する
    ための粘着剤層が設けられていることを特徴とする請求
    項1〜4及び10のいずれかに記載の防塵マット。
  12. 【請求項12】 粘着剤層をトレイの底に貼着するよう
    にトレイの中に敷いて用いることを特徴とする請求項1
    1記載の防塵マット。
  13. 【請求項13】 湿潤状態で用いられることを特徴とす
    る請求項1〜12のいずれかに記載の防塵マット。
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