JP2002294560A - ポリリジン含有シート及び介護用シート - Google Patents

ポリリジン含有シート及び介護用シート

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JP2002294560A
JP2002294560A JP2001098832A JP2001098832A JP2002294560A JP 2002294560 A JP2002294560 A JP 2002294560A JP 2001098832 A JP2001098832 A JP 2001098832A JP 2001098832 A JP2001098832 A JP 2001098832A JP 2002294560 A JP2002294560 A JP 2002294560A
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polylysine
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Mitsuo Yoshida
光男 吉田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、充分な脱臭機能を有し、抗菌により
食品関連の抗菌、脱臭、並びに汗や排泄物等の分解を抑
え、分解によるガスの発生を防止する、シート全面で均
一な液体吸収性、脱臭抗菌特性を有するシートの提供を
可能ならしめたものである。 【解決手段】吸水性繊維を含有し高圧水流により三次元
交絡されてなり湿潤強度を有するウェブにポリリジンを
ウェブに対して0.01〜20質量%付与し、更にゼイ
ライト系吸着剤を含有されることにより生ものから発生
する臭気や、排泄物から発生する臭気の脱臭性にも優れ
たシートが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性繊維を含有
するシートであり、食品の包装用シート、果汁、肉汁、
鮮魚汁等の吸収用抗菌シート。並びに人や動物に使用さ
れるベッド用シーツ等に関するものである。さらに詳し
くは、脱臭抗菌に効果が有るシートに関し、特に触感が
よく、強度に優れた介護用シートに有用なものである。
【0002】
【従来の技術】食料品店、デパート、スーパーマーケッ
トで販売されている鮮魚や肉類の多くは発泡スチロール
のトレイに入れて販売されている。陳列されている商品
の中にはトレイの中に魚や肉から出た汁が溜まっている
ことがあり、顧客に対して見た目が悪かったり、鮮度を
落とす原因となっているのが現状である。対策としてス
ポンジをトレイに敷いたものが上市されているが吸水性
は十分でないものが多く、汁が溢れている場合があっ
た。また、該スポンジは食品に付着した細菌の増殖防止
がされていないため、臭いの発生元となることもあっ
た。
【0003】また、人あるいは動物が発汗や尿等を排泄
した場合には、不快な臭気の発生原因となるばかりかベ
ッド、床等を汚染し、菌類の繁殖を促す源となってい
る。特に犬、猫等の排泄物の臭気は大であり、床等に飛
散しやすい。従来の動物用シートや介護用シートは、粉
末状の吸水ポリマー等を不織布、紙、フィルム等の支持
基体上に、層状に散布したもの、バインダーで支持基体
に固定化したもの、支持基体間に封入したもの等が知ら
れている。従来のシートの問題点としては、粉末状の吸
水性ポリマーを基材に散布したものは運搬中や取り扱い
時に吸水性ポリマーが偏在化しやすい。バインダーで固
定したものは排泄物の吸収能が低下する場合が有る。エ
ンボス等で固定化したものは裁断時に脱落しやすい等が
有った。
【0004】又、従来のシートは脱臭機能が不十分なも
のが多く、排泄物の菌類による分解で発生するガスによ
る臭気が経時で周囲に充満する事が多々ある。例えば、
特開平6−253966号公報には水分移動上部布層、
水分分散中間部層、漏れ防止布層の下部布層を接合して
一体化したものが開示されているが、脱臭性、抗菌性は
考慮されていない。特開平9−187482号公報に
は、吸水加工された、抗菌性を有する熱可塑性繊維層と
防水層が積層された複合シートが開示されている。しか
しながら、抗菌性を有する熱可塑性繊維のみで吸着剤を
使用していないので初期の脱臭性に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、充分な脱臭
機能を有し、抗菌により食品関連の抗菌、脱臭、並びに
汗や排泄物等の分解を抑え、分解によるガスの発生を防
止する、シート全面で均一な液体吸収性、脱臭抗菌特性
を有するシートの提供を可能ならしめたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題解決につき鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した
ものである。即ち、本発明は、 1、吸水性繊維を含有し高圧水流により三次元交絡され
てなり湿潤強度を有するシートにポリリジンをシートに
対して0.01〜20質量%付与してなることを特徴と
するポリリジン含有シートである。 2、上記吸水性繊維がパルプ、レーヨン、コットンのい
ずれか一種以上であるポリリジン含有シートである。 3、さらに、吸着剤を含有するポリリジン含有シートで
ある。 4、上記吸着剤がゼオライト系化合物であるポリリジン
含有シートである。 5、吸水性繊維を含有し高圧水流により三次元交絡され
てなり湿潤強度を有するシートにポリリジンをシートに
対して0.01〜20質量%付与してなる介護用シート
である。 6、吸水性繊維を含有する少なくとも1層以上のウェブ
に布帛を積層し双方が高圧水流により三次元交絡により
接着されてなり湿潤強度を有するシートにポリリジンを
シートに対して0.01〜20質量%付与してなる介護
用シートである。 7、さらに、吸着剤を含有する介護用シートである。 8、上記吸着剤がゼオライト系化合物である介護用シー
トである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリリジン含有シ
ートは吸水性繊維を含有し高圧水流により三次元交絡さ
れてなり湿潤強度を有するウェブにポリリジンをウェブ
に対して0.01〜20質量%付与するものである。吸
水性繊維とは繊維を水中に浸し取り出した後の質量が浸
す前の質量の1.1倍以上である繊維であって、菌が繁
殖しやすい生の肉から発生する肉汁や魚から発生する魚
汁の吸液性に富んでいること、さらに抗菌剤であるポリ
リジンの抗菌性を有効に引き出す為に必要な水分を吸
収、保持する為のものである。例えば針葉樹パルプ、広
葉樹パルプなどの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケ
ナフパルプなどの木本類、草本類を含む。また、植物繊
維としては、コットン、麻(亜麻、ラミー)が、動物繊
維としては、絹、羊毛などの繊維が挙げられ、再生繊維
としては、レーヨン、キュプラ、コラーゲン、アルギン
酸、キチン質等が挙げられる。また、吸水性ポリマーを
含有した有機繊維等も含まれる。繊維の交絡性、柔軟
性、均質性等を考慮するとパルプ、レーヨン、コットン
等が好ましい。吸水性繊維を含有し高圧水流により三次
元交絡されてなるウェブの目付は特に制限は無いが、1
0〜500g/m2が一般的であり、好ましくは50〜
300g/m2である。
【0008】高圧水流により三次元交絡について説明す
る。湿式抄紙法やカーディング法、エアーレイド法等で
吸水性繊維を含有したウェブを作製した後、該ウェブに
搬送する多孔質支持体上で高圧水流を噴射し、繊維を三
次元交絡する。多孔質支持体とは平織り、綾織り等の織
り方でステンレス、ブロンズ等の金属、あるいは強化ポ
リエステル、ポリアミド等のプラスチック等からなる材
質のワイヤーで、10〜250メッシュ程度のものが好
ましい。高圧水流とは、5×105〜2×107Paの水
圧で、直径50〜300μm程度の細孔が単列あるいは
多列に配置されたノズルからウェブの表面に噴射するも
のであり、柱状の形状のものが好ましい。細孔の間隔は
0.2〜3mm程度が好ましく、より好ましくは0.4
〜2mmである。高圧水流により三次元交絡することに
より得られたウェブは熱融着性繊維等のバインダー繊維
やラテックス、デンプン、カチオン系ポリアクリルアミ
ド等のバインダーを付与することなく強度を得られるも
のであり、繊維以外の物質を基本的に含んでいないばか
りでなく、水流により繊維表面が洗浄されていることか
ら微細な繊維クズ等も除去されており、食品等に接する
部材や人体、動物の皮膚に直接接する部材に使用するの
に好適である。同時にウェブの触感(風合い)が柔らか
く、介護用シートには好適となる。
【0009】次いでポリリジンについて説明する。ポリ
リジンは例えば特開昭59−20359号公報に記載の
ε−L−ポリリジン生産菌であるストレプトマイセス族
に属するポリリジン生産菌であるストレプトマイセス・
アルブラスサブスピーシーズ・リジノポリメラスを培地
に培養し、得られた培養物からε−L−ポリリジンを分
離・採取することによって得られる。リジンは1分子中
に2つのアミノ基を有するアミノ酸であり、これから構
成されるポリリジンは一般にα位のアミノ基とカルボキ
シル基とが縮合したα−ポリリジンとε位のアミノ基と
カルボキシル基とが縮合したε−ポリリジンとの2種類
が存在するが、ε−ポリリジンが安全性の面で好まし
い。更に、ε−ポリリジンは厚生省がまとめた化学的合
成以外食品添加物のリストにも記載されている物質であ
り、食品保存剤などに利用されていることから、食品の
容器、包装材への抗菌性付与に適している。ポリリジン
は遊離の形で用いることが出来るが塩酸、硫酸、リン酸
などの無機酸もしくは酢酸、プロピオン酸、フマル酸、
リンゴ酸、クエン酸などの有機酸の塩の形で用いること
もできる。ε−ポリリジンは遊離の形であれ、上述の無
機酸、有機酸との塩の形であれ、その抗菌効果は本質的
に差がない。
【0010】吸水性繊維を含有し高圧水流により三次元
交絡されてなるウェブにポリリジンを付与する方法とし
ては、ポリリジンをアルコールやアルコール含有水溶液
に溶解したり、界面活性剤を含有した水に溶解した後、
製紙メーカー等が一般に使用しいるサイズプレス、タブ
サイズ等の含浸装置やエアナイフコーター、グラビアコ
ーター並びに噴霧スプレー等の装置を用いて付与するこ
とが出来る。ポリリジンの付与量はウェブに対して固形
分で0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは
0.05〜5質量%である。0.01質量%未満では抗
菌性が不十分であり、20質量%を超えても抗菌効果は
飽和状態にあることから経済的に好ましくない。
【0011】本発明で使用する吸着剤は、ポリリジンの
抗菌効果では解決できない悪臭を除去するものであり、
例えば粘土系、ゼオライト系、酸性白土系、活性白土
系、ベントナイト系、活性炭系等の無機化合物系や酸性
基や塩基性基を有する高分子化合物等が利用出来る。好
ましいのは、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水
素、エチルメルカプタン等の吸着に有効である粘土系の
アルミノケイ酸亜鉛系である。具体的には水沢化学工業
社製のミズカナイトAP、ミズカナイトAG、ミズカナ
イトHP、ミズカナイトHG、ミズカナイトMPが挙げ
られる。本発明のシートへの吸着剤の含有量はウェブの
質量に対して3〜50質量%が適量であり、好ましくは
10〜30質量%である。
【0012】本発明における介護用シートは、単独で使
用してもよいし、液体透過性部材と液体不透過性部材の
間に挟んで積層した状態で使用することもできる。特に
液体透過性部材の表面を疎水性の繊維等とするほうが患
者との接触面の水分を出来るだけ少なくして不快感を防
止するのに効果的である。動物の場合でも同様に疎水性
にすることで足や体の表面に尿等が付着して周囲を汚染
するのを防止する効果が有る。
【0013】また、介護用シートは、ポリリジンを含浸
したウェブ同士の貼り合わせでウェブ間に吸着剤をポリ
エチレンやポリ酢酸ビニル等のバインダー粒子と併用し
て熱圧処理で封入したり、ポリリジンを溶解した水溶液
をウェブに含浸等で含有させたシートと他の不織布の間
に吸着剤とバインダー粒子を封入したものが使用出来
る。
【0014】布帛について説明する。本発明で述べる布
帛とは、ウェブ単独では達成困難な強固な引張強度、引
裂強度の付与を可能とするものであり、織物、編物等を
指し、織り方、編み方は特に限定されない。織物として
は、平織り、綾織り、朱子織り等の織り地の織物、編み
物としては平編み、ゴム編み、パール編み、両面編み等
の横編み、シングルトリコット編み、シングルコード編
み、ハーフトリッコト編み、プレーントリコット編み、
クイーンズコード編み等の縦編み編み地が使用できる。
これらの布帛には、ナイロン、アクリル、ビニロン、ビ
ニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ベンゾエート、ポリクラール、フ
ェノール系などの繊維を用途に応じて単独或いは適宜組
み合わたものが使用できる。高圧水流により三次元交絡
する際に、ウェブと多孔質支持体の間に強固な布帛を挟
んで交絡させることによりウェブ中の繊維がが布帛に対
して三次元交絡する事から双方を強固に貼り合わせする
ことができ、ウェブの吸水性と布帛の強度を併せ持つウ
ェブにする事が可能となり、介護用シート等の用途で摩
擦や動きによるテンションに耐えうるシート化を可能に
する。
【0015】本発明における吸水性繊維と併用される有
機繊維や無機繊維は、有機繊維としては、植物繊維、動
物繊維、再生繊維、半合成繊維および合成繊維から選ば
れる繊維を単独あるいは混合したものが使用され、無機
繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維
およびウイスカーから選ばれる繊維を単独あるいは混合
したものが使用される。植物繊維としては、綿、麻(亜
麻、ラミー)が、動物繊維としては、絹、羊毛などの繊
維が挙げられる。再生繊維としては、レーヨン、キュプ
ラが、半合成繊維としては、アセテート、トリアセテー
ト、プロミックスが、合成繊維としては、ナイロン、ア
クリル、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾエー
ト、ポリクラール、フェノール系などの繊維が挙げられ
る。なお、本発明においては、上記の繊維の他に、性能
を阻害しない範囲内であれば古紙、損紙などから得られ
るパルプ繊維も含まれる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「質量
部」および「質量%」を示す。
【0017】実施例1 レーヨン繊維(0.8デシテックス×5mm:ダイワボ
ウレーヨン社製)、NBKP(三菱製紙社製)を各々7
0:30の比率で配合し、分散濃度0.2%で10分間
分散した後、乾燥重量で100g/m2 になるように円網
抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダードライ
ヤーで乾燥した後、水流交絡装置を用いて水圧5×10
6Pa、加工速度20m/分で三次元交絡を表面と裏面
を各1回行いウェブを得た。該ウェブにポリリジン溶液
(チッソ社製)をウェブに対して固形分で0.01%に
なるように含浸装置で付与し、80℃の熱風乾燥機を用
いて乾燥させポリリジン含有シートを作製した。
【0018】実施例2〜7 ウェブに対するポリリジンの含有量を変えた以外は実施
例1と同様にしてポリリジン含有シートを作製した。
【0019】比較例1 ウェブにポリリジンを含有しなかった以外は実施例1と
同様にしてポリリジン含有シートを作製した。
【0020】比較例2 レーヨン繊維(0.8デシテックス×5mm:ダイワボ
ウレーヨン社製)、NBKP(三菱製紙社製)を各々7
0:30の比率で配合し、分散濃度0.2%で10分間
分散した後、乾燥重量で100g/m2 になるように円網
抄紙機で抄紙後、表面温度130℃のシリンダードライ
ヤーで乾燥した後、水流交絡することなくウェブにポリ
リジン溶液(チッソ社製)をウェブに対して固形分で
0.01%になるように含浸装置で付与し、80℃の熱
風乾燥機を用いて乾燥させポリリジン含有シートを作製
した。
【0021】実施例8 コットン繊維を乾燥重量50g/m2になるようにカード
マシンを用いて加工した後、水流交絡装置を用いて水圧
5×106Pa、加工速度20m/分で三次元交絡を表
面と裏面を各1回行いウェブを得た。該ウェブにポリリ
ジン溶液(チッソ社製)をウェブに対して固形分で0.
1%になるように含浸装置で付与し、80℃の熱風乾燥
機を用いて乾燥させたシート2枚の間に、水沢化学工業
社製の吸着剤(ミズカナイトM)とポリエチレン−酢酸
ビニル系バインダー粒子(平均粒子経20μm)の質量
比10:20の混合物を30g/m2散布、赤外線ヒー
ターで120℃に加熱後、加圧してポリリジン含有シー
トを作製した。
【0022】実施例9 レーヨン繊維(0.8デシテックス×5mm:ダイワボ
ウレーヨン社製)を分散濃度0.2%で10分間分散し
た後、乾燥重量で50g/m2になるように円網抄紙機で
抄紙後、表面温度130℃のシリンダードライヤーで乾
燥した後、乾燥したウェブ2枚の間に繊維径80デシテ
ックのポリエステル繊維を経糸密度50本/インチ、緯
糸密度50本/インチで平織りで作製した50g/m2
布帛を挟み水流交絡装置を用いて水圧1×106Pa、
加工速度20m/分で三次元交絡を表面と裏面を各1回
行いウェブを得た。該ウェブにポリリジン溶液(チッソ
社製)をウェブに対して固形分で0.1%になるように
含浸装置で付与し、80℃の熱風乾燥機を用いて乾燥さ
せ介護用シートを作製した。
【0023】実施例10 表面用の通気性、通液性が優れたポリプロピレン製乾式
不織布(目付15g/m2)と裏面用の液体不透過性ポ
リエチレン製フィルム(目付20g/m2)の縦42c
m×横62cmの長方形シートを重ねて、その3辺をヒ
ートシールして内寸が40cm×60cmの袋を作製し
た。得られた袋の中に実施例8で作製したポリリジン含
有シートを1枚入れて介護用シートを作製した。
【0024】このようにして得られた実施例1〜13、
比較例1ついて、抗菌性、脱臭性を評価した。得られた
結果を表1に示す。
【0025】<抗菌性>大腸菌(E−coli IF0
3301)を液体培地(ペプトン・イースト)で24時
間前培養し、希釈して2×108セル/mlの試験液を
調整した。上記実施例および比較例で使用する不織布の
試験片2cm×2cmを用意し、水道水で流水水洗後、
それぞれをペトリ皿上に配置し、上記試験液を5滴(約
0.1ml)滴下し、乾燥しないようにカバーをして3
8℃で24時間経時した。経時後、試験片のそれぞれを
Nutrient Broth寒天培地上に押し当て、
試験片上の菌を転写させて剥離し、38℃で24時間培
養し、観察した。評価は、次のとおりとした。 評価グレード −− ほぼ完全に殺菌し、菌の成育がない。 − 2cm×2cm転写面に5コロニー以下の成育
はあるが、殆ど完全に殺菌。 + 2cm×2cm転写面に100コロニー以下で良
好な抗・殺菌作用。 ++ 2cm×2cm転写面に効果は認められるが、
弱いか、少ない。 +++ 2cm×2cm転写面に実質的効果なし。
【0026】<人尿での脱臭性>実施例1〜10、比較
例1で得られたポリリジン含有シート、介護用シートに
ついて、各々40cm×30cmに切断して2枚の試験
シートを作成した。一方の試験シートの中心部に人の尿
を各20mlしみ込ませ、ポリエチレン製ビニール袋に
入れて38℃、24時間静置した(処理シート)。各試
験シートについて20名が下記の評価グレードで脱臭性
を評価し、その平均を最終評価とした。 評価グレード ◎ 全く臭い無し ○ 殆ど臭い無し ○〜△ やや臭い有り △ 臭い有り × 臭い多い
【0027】<触感>シートの触感は、シート表面を指
先の感触で評価した。各試験シートについて20名が下
記の評価グレードで触感を評価し、その平均を最終評価
とした。 ◎ 柔らかくたいへん良い ○ 良い △ やや良い × 悪い
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、次のことが解る。実施例
1〜10のシートは良好な抗菌性を有しており、大腸菌
に対しては対ウェブで0.1質量%以上ポリリジンを付
与することで菌の繁殖を抑制出来ることが分かる。脱臭
性に関しては、ポリリジンを対ウェブで5.0質量%以
上付与することで概ね良好となる。更に吸着剤を含有す
るする事で脱臭性が非常に良くなることが実施例8〜1
0で明らかとなる。また、実施例1〜7のシートに使用
している吸水性繊維がレーヨンとパルプの混合のため、
触感が良かった。実施例8のシートは、吸水性繊維がコ
ットンのため触感が非常に優れていた。実施例9のシー
トは布帛を挟んでいるため優れた引張強度、引裂強度を
持ち、且つ、吸水性繊維がレーヨンのため触感が非常に
優れていた事から、介護用のベッドに敷くシーツや病院
用ベットのシーツに使用するのに好適である。実施例1
0のシートは、表面に疎水性のポリプロピレン製不織布
を使用していることから排泄者への排泄物の逆戻りが少
ない。また、裏面に液体不透過性のポリエチレンフィル
ムを積層していることから介護用シートに使用した場
合、介護用シートの下に敷いてある布団等に排泄物が漏
れなかった。比較例1のシートはポリリジンを付与して
いないため抗菌性が無く、脱臭性も悪い。比較例2はポ
リリジンを0.01質量%付与しているが水流交絡をし
ていないことからシートの触感が堅く、介護シートには
不向きである。また、ポリリジンの付与工程で繊維同士
の接着が不十分であり繊維の脱落が多く発生した事か
ら、食品等から発生する汁等を吸収は出来ても繊維が食
品等に付着してしまうことから使用することは出来な
い。
【0030】
【発明の効果】本発明のε−ポリリジンは厚生省がまと
めた化学的合成以外食品添加物のリストにも記載されて
いる物質であり、食品保存剤などに利用されていること
から、食品の容器、包装材への抗菌性付与に適してい
る。更に高圧水流で三次元交絡された吸水性ウェブを用
いることにより触感がよく吸水性に富んだシートを得る
ことが出来る。更に吸着剤を含有させることにより、生
ものから発生する臭気や、排泄物から発生する臭気の脱
臭性にも優れたシートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D21H 13/08 D21H 21/36 4L047 21/36 D06M 11/12 4L055 B65D 81/26 J Fターム(参考) 3E067 AA01 AA11 AB03 AB04 AB99 BA15A BA19A BB22A BC04A CA09 CA30 EE21 GB09 GB15 GC05 GD01 GD02 4C058 AA21 AA30 BB07 CC02 CC08 JJ04 4G066 AA61B AC02B BA03 BA16 CA02 CA43 DA07 FA12 FA28 4L031 AA02 AB34 BA20 BA34 DA12 DA13 DA19 4L033 AA02 AB07 AC10 AC15 CA08 4L047 AA07 AA12 AB06 AB10 BA04 CA04 CA05 DA00 4L055 AA02 AA08 AC06 AF09 AF10 AG28 AG54 AH21 AH50 AJ01 BE10 BE14 BE20 EA14 FA13 FA20 FA30 GA26 GA27 GA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性繊維を含有し高圧水流により三次
    元交絡されてなり湿潤強度を有するウェブにポリリジン
    をウェブに対して0.01〜20質量%付与してなるこ
    とを特徴とするポリリジン含有シート。
  2. 【請求項2】 吸水性繊維がパルプ、レーヨン、コット
    ンのいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1
    記載のポリリジン含有シート。
  3. 【請求項3】 吸着剤を含有することを特徴とする請求
    項1又は2に記載のポリリジン含有シート。
  4. 【請求項4】 吸着剤がゼオライト系化合物であること
    を特徴とする請求項1、2又は3に記載のポリリジン含
    有シート。
  5. 【請求項5】 吸水性繊維を含有し高圧水流により三次
    元交絡されてなり湿潤強度を有するウェブにポリリジン
    をウェブに対して0.01〜20質量%付与してなるこ
    とを特徴とする介護用シート。
  6. 【請求項6】 吸水性繊維を含有する少なくとも1層以
    上のウェブに布帛を積層し双方が高圧水流により三次元
    交絡により接着されてなり引裂強度と引張強度を有する
    ウェブにポリリジンをウェブに対して0.01〜20質
    量%付与してなることを特徴とする請求項5に記載の介
    護用シート。
  7. 【請求項7】 吸着剤を含有することを特徴とする請求
    項5又は6に記載の介護用シート。
  8. 【請求項8】 吸着剤がゼオライト系化合物であること
    を特徴とする請求項5、6又は7に記載の介護用シー
    ト。
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