JP2007308442A - 防カビ・カビ取りシート - Google Patents

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Abstract

【課題】防カビ効果とかび取り効果を併せ持ち、かつ安全性の高い実用的な防カビ・カビ取りシートの提供。
【課題の解決手段】(a)防カビ・殺カビ成分と、(b)撥水性被膜形成成分としての炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有する防カビ・殺カビ組成物を、長繊維不織布シートに含浸した防カビ・カビ取りシート。長繊維不織布シートとしては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びナイロンから選ばれた1種又は2種の合成繊維が好適に用いられ、かつ、パルプ及び/又はレーヨンの親水性繊維との複合繊維であることが好ましい。また、防カビ・殺カビ組成物に配合される(a)防カビ・殺カビ成分としては、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウム塩及びモノラウリルトリメチルアンモニウム塩から選ばれた1種又は2種以上が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、防カビ効果とかび取り効果を併せ持ち、かつ安全性の高い防カビ・カビ取りシートに関する。
元来、高温多湿の我が国では、カビの被害が多い。近年更に、密閉性の高い住居が多くなり、その被害は増大している。しかしながら、高温多湿な条件下でカビの発生を防御することは困難で、最も被害の多い浴室では、タイル目地等にカビが発生し黒ずんでから、次亜塩素酸製剤で酸化漂白しているのが現状である。次亜塩素酸製剤は、酸性タイプの漂白剤等と混用すると、危険な塩素ガスを発生することから、本来的には、使用を制限すべき製品であるが、他に置き換える製品がないため広く使用されている。危険な次亜塩素酸製品が使用されていることは、防カビ処理の困難さを示しているものとも言える。また、浴室以外においても、押入れ等通気の悪い場所では、カビの発生が見られ、安全な防カビ剤、カビ取り剤の要望は高い。
安全な防カビ方法として、防カビ剤及び撥水剤を配合した塩化ビニル系樹脂フィルムを用いたカーテン(特公平7−28797)等も提案されているが、あらかじめ、浴室を構成する資材として使用する必要があり、既存の浴室に応用できるものではない。
また、洗浄剤に殺菌剤を配合することによって、洗浄するだけで浴室の壁面や浴槽等に発生するカビやバクテリアを抑制し、且つその効果が長期間持続するとともに人体,環境に影響を与えることのない住宅用防カビ洗浄液組成物(特開2001−152189)の提案もあるが、洗浄剤に殺菌剤を組み合わせただけであり、防カビ効果が持続しない。
そこで、防カビ効果を持続させる試みとして、撥水性のアルキルアルコキシシランを用いた水系浸透性吸水防止剤に、防カビ剤を配合したタイル目地の防カビ処理材(特開平11−158418号公報)、抗菌・防カビ剤を配合したワックス、コーティング剤(特開2000−230153号公報、特開平11−172157号公報)、あるいは、分子量100〜5,000の低分子シロキサンに防菌剤10,10’−オキシビスフェノキシアルシンを添加した撥水性を有する浸透性防汚・防かび剤組成物(特開平6−312909号公報)、ゲルコート樹脂に銀含有リン酸亜鉛カルシウムからなる抗菌剤及び/又は層状の無機化合物の層間に有機系の防かび剤が担持された防かび剤を配合したゲルコート組成物(特開2000−281941号公報)などの提案がある。
更に、防カビ剤と浸透性防水剤の混合物をラッカーシンナーで希釈し塗布する方法(特公昭62−59082号公報)や、防カビ性化合物に非水溶性ポリビニル化合物を配合する方法(特公平6−88882号公報)、防カビ剤とフッ素系および/またはシリコーン系撥水剤とを含有させる方法(特許第2600343号)等の方法も示されているが、いずれの製剤、方法も、現在のところ、一般家庭で使用できるものはない。
一般的に、防カビ剤の効果を持続させるためには、防カビ剤に撥水性の化合物を混合して用いるが、浴室では衣類を脱いで裸になり、化合物との接触がより直接的となるため、より安全性の高い製剤が望まれる。従来から撥水剤として多用されているフッ素系やシリコーン系撥水剤は、中毒症状を引き起こすことが問題となり、現在では、密閉空間で使用しないように注意表示がなされている。また、非水溶性ポリビニル樹脂は、親水性であるタイル目地との相容性が悪く、相容性を改善するために界面活性剤を添加すると、持続性が低下する欠点がある。また、撥水性の基材が使用されるために乳化等の処理が必要となり、製造方法が煩雑となる。
そこで、本発明者らは先に、製造が簡便で、かつ安全性を考慮した防カビ剤として、防カビ成分と、撥水性被膜形成成分としての炭素鎖長10〜14のジアルキルジメチルアンモニウム塩とを含むアルコール製剤(特開平11−286405号公報)を提案したが、この提案による防カビ剤は、アルコール製剤のため、特に密閉性の高い浴室内で使用した場合、アルコール臭が避けられないという欠点を有した。
ところで、カビ取りの方法として、スポンジ等で擦り取るといった、物理的方法を採用することが考えられる。この方法は、擦るという作業、労力を必要とするものの、次亜塩素酸製剤等の化学薬品を使用しないため、一見安全なように見える。しかし、単にスポンジ等で擦り取る方法では、カビは生存したままであり、擦り洗いの際にかえってカビが拡散してしまう惧れがある。
また、スポンジに殺カビ剤を含浸して使用しても、カビ汚れがスポンジに付着して汚れ、不衛生に感じられることから、再使用しづらい。
このため、スポンジの替わりに安価な使い捨ての不織布を用い、これに殺カビ剤を含浸して使用する提案がある。例えば、『拭き取り面を構成する面において面積率20%以上が単繊維径0.2〜5μmの繊維である布帛に、可溶性キトサン及び界面活性剤が含浸されている除カビ・防カビ用ウェットワイパー(特開2004−8317)』や、『セルロース繊維を30質量%以上含む不織布からなり、不織布表面に多数の平均面積0.05〜20mmの凹部および/または貫通孔を有し、かつ、不織布に可溶性キトサンおよび界面活性剤が含浸されているウェットワイパー(特開2004−141255)』が知られている。
しかしながら、例示のような構成の場合、一般的に、短繊維布帛は、繊維としての強度が小さく、一方、不織布表面に多数の凹部および/または貫通孔を設けても、住居の壁や、床、タイル目地を擦ると繊維が離脱したり、破れたり、強度的に問題を有する。また、キトサンは、カニの甲羅などに含まれるキチンを脱アセチル化したもので、高い安全性と抗菌性を有するものの、カビに対する効果が低く実用性は乏しい。
元来、カビ汚れは、生きているカビを一度取り除けばすぐには発生せず、更に、防カビ効果を付与しておけば、条件次第では数ヶ月間、カビ汚れは発生しない。従って、防カビ・殺カビ剤の開発は、有効な防カビ・殺カビ組成物の検討が前提であり、その上でこれに適合した物理的方法を組み合わせることによって一層有用性を高め得るというのが、これまでの技術認識である。
かかる現状を鑑み、本発明者らは、先に検討したアルコール製剤(特開平11−286405号公報)につき更に研究を重ね、撥水性被膜形成成分として炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩を用いると共に、アルコールの使用を極力低減させ得る水系防カビ剤を見出し、特許出願を行った(特願2005−2410)。
しかしながら、このものは噴霧処理を意図していたために、施用面で改善の余地を残していた。
特公平7−28797号公報 特開2001−152189号公報 特開平11−158418号公報 特開2000−230153号公報 特開平11−172157号公報 特開平6−312909号公報 特開2000−281941号公報 特公昭62−59082号公報 特公平6−88882号公報 特許第2600343号公報 特開平11−286405号公報 特開2004−8317号公報 特開2004−141255号公報 特願2005−2410号公報
本発明は、防カビ効果とかび取り効果を併せ持ち、かつ安全性の高い防カビ・カビ取り組成物に、施用面の改善を組み合わせた実用的な防カビ・カビ取りシートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)(a)防カビ・殺カビ成分と、(b)撥水性被膜形成成分としての炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有する防カビ・殺カビ組成物を、長繊維不織布シートに含浸した防カビ・カビ取りシート。
(2)(a)防カビ・殺カビ成分が、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウム塩及びモノラウリルトリメチルアンモニウム塩から選ばれた1種又は2種以上であって、その防カビ・殺カビ組成物全体量に対する含有量が0.5〜5.0重量%である(1)記載の防カビ・カビ取りシート。
(3)(b)撥水性被膜形成成分の防カビ・殺カビ組成物全体量に対する含有量が0.2〜5.0重量%である(1)又は(2)記載の防カビ・カビ取りシート。
(4)長繊維不織布シートが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びナイロンから選ばれた1種又は2種の合成繊維と、パルプ及び/又はレーヨンの親水性繊維とから構成される複合繊維である(1)ないし(3)のいずれか記載の防カビ・カビ取りシート。
(5)複合繊維が3層で構成され、その上層及び下層が合成繊維で、中間層が親水性繊維である(4)記載の防カビ・カビ取りシート。
本発明の防カビ・カビ取りシートは、製造が簡便なうえ、カビ取り効果に加えて、防カビ効果が持続し、かつ安全性が高いので、その実用性は極めて高い。
本発明は、防カビ・カビ取りシートを製するにあたり、床や壁などのタイル目地を擦っても繊維の脱落や破損の生じにくい、高い強度を有する長繊維不織布を使用する。そして、該不織布に、(a)防カビ・殺カビ成分を含浸することで、カビ汚れ除去作業中にカビが拡散するのを防ぎ、更に、(b)撥水性被膜形成成分として、浴室の中でも特に使用される頻度の高いタイル目地等で有効な撥水効果を示す炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩を含浸させることによって、防カビ効果を長期間持続せしめ、経済性にも優れた防カビ・カビ取りシートを提供する。
本発明の防カビ・カビ取りシートに含浸される防カビ・カビ取り組成物は、少なくとも(a)防カビ・殺カビ成分と、(b)撥水性被膜形成成分としての炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有する。
(a)防カビ・殺カビ成分としては、特に限定されるものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウム塩、モノラウリルトリメチルアンモニウム塩、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合剤、4−イソプロピル−3−メチルフェノール等があげられる。特に、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウム塩、及びモノラウリルトリメチルアンモニウム塩は、(b)撥水性被膜形成成分として配合される炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩と類似性の高い構造を有し、互いに相溶性がよく、かつ、カビに対する効果も高いため、好適に使用される。なかんずく、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、モノラウリルトリメチルアンモニウム塩は、いずれも化粧品原料基準等に記載されている安全性の高い防カビ・殺カビ成分であり、一層好ましい。
前記防カビ・殺カビ組成物中の(a)防カビ・殺カビ成分の配合量は、0.5〜5.0重量%が適当である。0.5重量%未満であると当然のことながら防カビ効果が不足し、一方、5.0重量%を越えても実用的効果は変わらない。そして、本発明の防カビ・カビ取りシートを製するにあたっては、前記防カビ・殺カビ組成物を長繊維不織布シート重量に対して、50〜300重量%程度含浸させればよい。
一方、(b)撥水性被膜形成成分である炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩の具体例としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムや塩化パルミチルトリメチルアンモニウム等があげられるが、これらに限定されない。アルキル基の炭素鎖数が14未満では疎水基が短いため撥水性が弱く、一方、18を越えた長鎖アルキルの場合、水に対する溶解性が悪くなるので好ましくない。なお、ここで、炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩とは、主たる成分がこの炭素鎖長の範囲内であればよく、例えば、天然原料由来の脂肪酸を用いて製造され、一部上記範囲外の成分を包含するモノアルキルトリメチルアンモニウム塩であっても構わない。
炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩は、前記防カビ・殺カビ組成物全体量に対して0.2〜5.0重量%配合されるのが適当である。0.2重量%未満では撥水性が劣る傾向を生じ、一方5.0重量%を越えると水に対する溶解性が悪くなるきらいがある。好ましくは、0.5〜3.0重量%の範囲に設定するのがよい。
本発明で用いられる防カビ・カビ取り組成物は、更に水とともに、必要に応じ低級アルコールを含有することができる。ここで、低級アルコールは(b)撥水性被膜形成成分の溶解助剤となり、また、殺カビ剤としての効果も有する。低級アルコールとしては、施用後処理面に残存しない揮発性の高いエタノールやイソプロピルアルコールが好適に用いられ、前記防カビ・殺カビ組成物全体量に対して最小必要量の0−10%程度配合するのが適当である。
また、前記防カビ・カビ取り組成物には、更に、抗菌効果、防藻効果、あるいは防錆効果、洗浄効果等を付与するために、銀系、銅系等の無機抗菌剤やポリリジン、キトサン等の有機抗菌剤、防藻剤、防錆剤、界面活性剤、溶剤等を適宜配合、あるいは、香料等を配合して芳香性を付与するようにしてもよい。
本発明は、前記防カビ・カビ取り組成物と長繊維不織布シートとを組み合わせて防カビ・カビ取りシートを構成したことを特徴とする。
長繊維不織布シートとしては、ポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ナイロン(PA)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル等の化学合成繊維があげられるが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びナイロンから選ばれた1種又は2種が好ましい。
家庭でカビが最も発生しやすい浴室の壁材として使用頻度の高いタイル目地は、凹凸が激しく、カビを擦り落とすには、強く擦る必要があり、強く擦っても、繊維の脱離や破れ等の損傷の少ない長繊維の化学合成繊維不織布が好ましい。例えば、セルロースやパルプなどの短繊維を使用すると、不織布の強度が小さいため、繊維の脱離が起こり、また、破損が生じるので、カビ汚れを落とせず、かえって、汚れが付着したり、カビの付着した繊維によって、カビの拡散を招く恐れがある。
本発明で使用される長繊維不織布としては、長繊維ウェッブをニードルパンチまたはウォーターパンチによる処理を施したスパンボンド不織布、メルトブローにより布帛形成されたものなど、如何なる方法による不織布も使用することができ、部分的に熱融着又はニードルパンチ加工や、さらにカレンダー加工又はエンボス加工されていてもよい。
強度、使用性の点から、好ましくは50〜300g/m、より好ましくは100〜240g/m、特に好ましくは200g/m±10〜15g/mの目付を有するものがよく、平均繊維径は10〜80μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。カビの掻き取り効果を高めるために、一部、極細繊維、超極細繊維を複合しても良い。
本発明では、水系の防かび・殺カビ組成物を含浸させるため、親水性の不織布繊維を複合あるいは、積層したものが好適に使用される。
親水性不織布の繊維素材としては、パルプ系、レーヨン系繊維が上げられ、複合、積層する手段としては、抄紙機の網上に長繊維の不織布シートを載置した後、親水性繊維を抄紙することにより、複合層を形成して積層体とする方法やドライラミネーション法により積層する方法、バインダーをウェブ形成中に散布して溶融接合する方法、ニードルパンチ、水流等で繊維を交絡する等の方法などがある。
なかんずく、複合繊維が3層で構成され、その上層及び下層が合成繊維で、中間層が親水性繊維である構成が、本発明で用いる防かび・殺カビ組成物との組み合わせの上で好適である。
こうして得られた本発明の防カビ・カビ取りシートは、浴室の壁や床などのタイル目地等を擦っても、繊維の脱落や破れ等がないのでの簡便にカビ汚れを擦り取ることができ、また、その際、防かび・殺カビ成分の作用で、カビが拡散する惧れもない。更に、配合された撥水性被膜形成成分によって、防かび・殺カビ効果が長く保持され、長期にわたって、防かび効果を発揮するので、極めて実用性が高いものである。
つぎに、具体的実施例に基づいて、本発明の防カビ・カビ取りシートをさらに詳細に説明する。
塩化ベンザルコニウム3.0g及び塩化ステアリルトリメチルアンモニウム1.0gを水96.0gに溶解した防カビ・殺カビ組成物25gを、20cm×30cmに裁断した目付け150g/mのポリプロピレン/レーヨン/ポリプロピレンの3層からなる不織布に含浸して、実施例1の防カビ・カビ取りシートを作製した。
塩化ベンザルコニウム2.0g及び塩化パルミチルトリメチルアンモニウム2.0gを水96.0gに溶解した防カビ・殺カビ組成物25gを、20cm×30cmに裁断した目付け150g/mのポリエステル/レーヨン/ポリエステルの3層からなる不織布に含浸して、実施例2の防カビ・カビ取りシートを作製した。
以下同様にして、表1に示す組成の実施例及び比較例を調製し、カビ除去試験及び防カビ試験を行った。
1.カビ除去試験
市販タイル(11×11cm)の裏面に、C.herbarum及びA.niger胞子混合液とグルコースペプトン培地を同量混ぜた液を散布し、25℃で7日間培養し、カビ汚れを作製した。このカビ汚れを実施例及び比較例の各種防カビ・カビ取りシートで擦り取り、汚れ落ちの程度と不織布の破損を調べた。また、防カビ効果を確認するため、処理後のタイルサンプルを25℃にて2週間加湿下で保存し、カビ汚れが再発生するかについても調べた。結果を表2に示す。
実施例1ないし7の本発明防カビ・カビ取りシートは、強く擦っても、不織布の繊維の脱落や破損は見られず、カビ汚れ除去作用は高かった。更に、本シートで擦った処理面は、25℃で2週間保存した後も、カビ汚れの再発生は認めらなかった(実施例7については、再発生が僅かに認められ、(b)撥水性被膜形成成分の配合量は、0.2%以上が好ましかった)。
一方、パルプ素材の不織布を用いて作製した比較例1では、タイル裏面を擦ると、繊維が脱落し、破れが生じ、カビ取りシートとして不適であった。また、(a)防カビ、殺カビ成分を含有していない比較例2のカビ取りシートでは、カビは一旦除去されたものの、25℃、2週間後には、カビ汚れの再発生が認められた。
2.防カビ試験
実施例及び比較例の各種防カビ・カビ取りシートで、市販タイル(11×11cm)の裏面を擦り、含浸液を塗布した。室温で乾燥後、塗布面を上にして約45度傾斜させて水道水100mlを流し、水洗した。この水洗を20回あるいは50回繰り返し、水洗後、室温にて乾燥後、処理面に、C.herbarum及びA.niger胞子混合液とグルコースペプトン培地を同量混ぜた液を散布した。30℃で培養し、カビの成育を観察した。なお、対照区として、未処理のタイル裏面を用いた。結果を表3に示す。
実施例1ないし6の本発明防カビ・カビ取りシートは、水洗後にカビ胞子を付着させてもカビ汚れは発生せず、本シートで処理すると、水洗しても高い防カビ効果を保持し、防カビ効果の持続性に優れることが明らかとなった。
これに対し、(b)撥水性被膜形成成分を配合していない比較例3や、配合していてもその炭素鎖数が14未満の比較例4では、防カビ効果の持続性が乏しく、水洗処理によって、防カビ効果が失われた。
3.実用試験
本発明に係る実施例1ならびに5の防カビ・カビ取りシート、及び比較例1ないし4の防カビ・カビ取りシートを用いて、浴室のカビ汚れを擦り取った後、長期間にわたり観察を行った。結果を表4に示す。
本発明の防カビ・カビ取りシートを使用すると、容易に浴室目地のカビ汚れを落とすことが可能であった。また、使用した目地では、3ヶ月後においても目地の黒ずみが見られず、持続性を有する防カビ効果が確認された。一方、比較例1のシートでは、目地を擦ると、シートが破損し、カビ汚れを落とすことができなかった。比較例2のシートを使用した場合には、強度的に問題はなく、カビ汚れを落とすことが可能であったが不十分で、2週間後には、カビ汚れの再発生が見られた。比較例3、4のシートを使用した場合も、同様にカビ汚れを落とすことが可能であったが、2週間後には、カビ汚れの再発生が見られた。
本発明の防カビ・カビ取りシートは、家庭のカビ汚れ除去、防かびに使用されるだけでなく、例えば食品工場などのカビ汚れ除去、防かびにも利用できる可能性がある。

Claims (5)

  1. (a)防カビ・殺カビ成分と、(b)撥水性被膜形成成分としての炭素鎖長14〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩を含有する防カビ・殺カビ組成物を、長繊維不織布シートに含浸したことを特徴とする防カビ・カビ取りシート。
  2. (a)防カビ・殺カビ成分が、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウム塩及びモノラウリルトリメチルアンモニウム塩から選ばれた1種又は2種以上であって、その防カビ・殺カビ組成物全体量に対する含有量が0.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の防カビ・カビ取りシート。
  3. (b)撥水性被膜形成成分の防カビ・殺カビ組成物全体量に対する含有量が0.2〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の防カビ・カビ取りシート。
  4. 長繊維不織布シートが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及びナイロンから選ばれた1種又は2種の合成繊維と、パルプ及び/又はレーヨンの親水性繊維とから構成される複合繊維であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の防カビ・カビ取りシート。
  5. 複合繊維が3層で構成され、その上層及び下層が合成繊維で、中間層が親水性繊維であることを特徴とする請求項4記載の防カビ・カビ取りシート。
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