JPH11211945A - 自己支持型光ケーブルの製造方法及び製造装置 - Google Patents

自己支持型光ケーブルの製造方法及び製造装置

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JPH11211945A
JPH11211945A JP10012519A JP1251998A JPH11211945A JP H11211945 A JPH11211945 A JP H11211945A JP 10012519 A JP10012519 A JP 10012519A JP 1251998 A JP1251998 A JP 1251998A JP H11211945 A JPH11211945 A JP H11211945A
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optical cable
cable
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JP10012519A
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English (en)
Inventor
Takeshi Otowa
武 音羽
Kazuo Ando
和夫 安藤
Seiji Asano
誠司 浅野
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Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
Original Assignee
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な設備を用いることなく、しかも安全に
光ケーブル本体にたるみを持たせた自己支持型光ケーブ
ルを製造し得る製造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 光ケーブル本体と支持線とをシースによ
り一体に被覆してなる自己支持型光ケーブルの製造方法
及び製造装置において、光ケーブル本体を支持線の繰り
出し速度よりも大きい速度で繰り出し、その外周にシー
スを押し出して一体に被覆した被覆ケーブルを冷却する
に際し、前記光ケーブル本体の繰り出し速度V1 と支持
線の繰り出し速度V2 との差によって生じる前記被覆ケ
ーブルの曲がりに沿って前記被覆ケーブルを案内しつつ
冷却することにより、高価な設備を用いることなく、且
つ品質を損なうことなく光ケーブル本体にたるみを与え
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架線後に支持線に
加わる張力によって支持線が伸びても、光ケーブル本体
には伸び歪みが生じないよう予め全長にわたって均等な
たるみを与えた自己支持型光ケーブルの製造方法及び製
造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4、図5は、自己支持型光ケーブルの
一例の説明図であり、図4は、その側面図、図5は、そ
のX−X断面図である。光ケーブル本体1と支持線2と
を並行に配置してシース3により一体に被覆した自己支
持型光ケーブルの架線は、支持線2の両端を電柱に固定
することにより行われ、光ケーブル本体1はシース3に
より支持線2と一体に懸架される。シース3は、光ケー
ブル本体1及び支持線2のそれぞれを覆う部分3a,3
bとそれらを連結する接続部3Cからなり、図示例で
は、接続部3Cの長手方向に断続的に窓5が形成されて
いる。自己支持型光ケーブルが架線されたとき、支持線
2には数百kgfの張力がかかり、その伸び率は0.2
%程度になる。そこで、支持線2が伸びたとき光ケーブ
ル本体に伸び歪みを生じないようにするためには、支持
線2よりも光ケーブル本体1をやや長くし、余長を与え
ておく必要がある。
【0003】そこで、あらかじめ支持線2のみに、所定
の張力を与え、且つヒーターで加熱した状態で光ケーブ
ル本体2と一体にシース3を施したのち冷却槽(水槽)
を通して冷却する製造方法がある。そのための製造装置
の一例を図6に示す。図6において、光ケーブル本体1
はサプライドラム50から繰り出され、ターンローラ5
2を介して押出機57に送られる。そして、支持線2
は、サプライドラム53から繰り出され、ブレーキ5
4、ヒーター55,56を介して押出機57に送られ
る。この両者の上に、押出機57によって一体にシース
3が被覆され、押出機57内に設けられた自動窓開け装
置によって、接続部3cに窓5が断続的に設けられる。
シース3が被覆された被覆ケーブル6は、案内ローラ5
8を内在させた第1の水槽59及び第2の水槽60でシ
ース内部まで完全に冷却・硬化され、引取機61(又は
キャプスタン)によって引き取られつつ図示しない巻取
機によって、巻き取りドラムに巻き取られる。
【0004】上記において、ブレーキ54は、例えば2
個のドラム54a及び54bからなり、上記引取機61
(又はキャプスタン)より若干低速で回転するように構
成される。支持線2は、このブレーキ54によって張力
が加えられる。このように張力2を加えられた状態で、
支持線2はヒーター55,56によって加熱されて線膨
張した状態で押出機57に入る。そして、光ケーブル本
体1と伸びを与えられた支持線2とがシース3によって
連結され一体的に被覆される。一体的に被覆された被覆
ケーブル6は、第1の水槽59に入る。第1水槽59の
案内ローラ58は、シース材が硬化する迄にケーブル部
分が自重で垂れたり浮力で浮いたりするのを防止するた
めのものである。被覆ケーブル6は、第2の水槽におい
て完全に冷却され硬化され、引取機61によって引き取
られる。引き取り機61を出ると、被覆ケーブル6は、
支持線2に加わっていた張力及び熱から解放され、支持
線2が収縮するので、光ケーブル本体1より短くなる。
そのため、光ケーブル本体1には、長さ方向に分布する
たるみが生じ、自己支持型光ケーブル10として完成さ
れて、図示しない巻き取りドラムに巻き取られる。
【0005】また、光ケーブル本体1に余長を与える方
法として光ケーブル本体1の繰り出し速度を支持線の繰
り出し速度よりも速くする方法もある。この場合は、ヒ
ータやブレーキなどの加熱装置を必要としないため、安
全ではあるが、シース3が硬化するまでの間、光ケーブ
ル本体1の余長分(又はたるみ)を制限する矯正手段が
必要である。そして、この矯正手段は前記の案内ローラ
58よりもが大型化し、それを水槽内に設ける場合は水
槽も大型化するという問題がある。また、この矯正手段
として、例えば図2に示すように回転軸330共有した
光ケーブル本体用ホィール31と支持線用ホィール32
からなる一体型のホィールを用いる場合、ケーブルサイ
ズに応じたホィールを個別に作製する必要があり、製造
装置がより高価になるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するためになされたもので、高価な設備を用いるこ
となく、しかも安全に自己支持型光ケーブルを製造し得
る製造方法及び製造装置の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するため手段】上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、光ケーブル本体と支持線とをシ
ースにより一体に被覆してなる自己支持型光ケーブルの
製造方法において、光ケーブル本体を支持線の繰り出し
速度よりも大きい速度で繰り出し、その外周にシースを
押し出して一体に被覆した被覆ケーブルを冷却するに際
し、前記光ケーブル本体の繰り出し速度V1 と支持線の
繰り出し速度V2 との差によって生じる前記被覆ケーブ
ルの曲がりに沿って前記被覆ケーブルを案内しつつ冷却
することを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の自
己支持型光ケーブルの製造方法において、自己支持型光
ケーブルの支持線の架線時における伸び率をε%とする
とき、前記光ケーブル本体と支持線の繰り出し速度の比
2 /V1 を、1+(ε/100)以上となるように選
定することを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、光ケーブル本体繰
り出し手段と、支持線繰り出し手段と、前記光ケーブル
本体と支持線とを一体に押し出し被覆するシースの被覆
手段と、被覆手段により押し出し被覆されたシースを冷
却して硬化する冷却手段と、冷却された被覆ケーブルを
引き取る引取手段と、引取手段から繰り出される被覆ケ
ーブルを巻き取る巻き取り手段とを有する自己支持型光
ケーブルの製造装置において、前記冷却手段は、前記光
ケーブル本体の繰り出し速度V1 と支持線の繰り出し速
度V2 との差によって生じる前記被覆ケーブルの曲がり
に沿って被覆ケーブルを案内する案内手段を有する湾曲
した水槽であることを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3記載の自
己支持型光ケーブルの製造装置において、前記被覆手段
は、前記被覆ケーブルをその長径がほぼ水平となるよう
に押し出し被覆する方向に配設され、前記冷却手段は、
水平面内で湾曲し、前記被覆手段から押し出された被覆
ケーブルを、その長径の両端に沿って案内する複数の案
内手段を有し、前記案内手段は、冷却手段の幅方向に移
動自在で、かつ水平面内で回転自在なガイドローラであ
ることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の自己支持型光ケーブルの製造装置において、前記被
覆ケーブルが、被覆された支持線である支持線部と被覆
された光ケーブル本体である光ケーブル本体部と両者を
接続する接続部とからなり、その光ケーブル本体部の直
径をD1 ,支持線部の直径をD2 ,接続部の高さをHと
し、冷却中の被覆ケーブルの光ケーブル本体部及び支持
線部の中心軸が、それぞれ曲率半径r1 及びr2 の円弧
を描くものとするとき、前記複数の案内手段は、前記被
覆ケーブルの長径の両端との接触部が、それぞれ下記の
式(1) 及び(2) を満足する曲率半径R1 及びR2 の円弧
を描くように配設してなることを特徴とする。 記 R1 =R10〜R10+α (1) R2 =R20−α〜R20 (2) 但し、 R10=〔r1 +(D1 /2)〕 =〔(2D1 +D2 +2H)×V1 −D1 2 〕/〔2×(V1 −V2 )〕 (3) R20=〔r2 −(D2 /2)〕 =〔(D1 +2D2 +2H)×V2 −D2 1 〕/〔2×(V2 −V1 )〕 (4) α=0.05×(D1 +H+D2 ) (5)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の製造装置の一例を示す
説明図である。以下、図1に基づいて本発明の製造方法
及び製造装置の一例について説明する。先ず、光ケーブ
ル本体1、支持線2、被覆ケーブル6は、図4、図5で
説明したものと同じであり、サプライドラム20、サプ
ライドラム23、ターンローラ21、被覆手段(押出
機)27、引取手段(引取機)30はそれぞれサプライ
ドラム50、サプライドラム53、ターンローラ51、
押出機57、引取機61と同じである。支持線2として
は通常鋼撚線が用いられ、光ケーブル本体1は光ファイ
バを収納している。シースには普通ポリエチレンが用い
られる。また24は単なるガイドローラ群、25は送り
込み装置、28は案内手段(ガイドローラ)、29は冷
却手段(冷却槽)である。
【0013】送り込み装置25は、例えば光ケーブル本
体1及び支持線2をそれぞれ異なる速度で送り込む光ケ
ーブル用ホィール及び支持線用ホィールとそれぞれの駆
動装置からなるものとする。このホィールは、光ケーブ
ル本体用ホィールと支持線用ホィールを別体のものと
し、光ケーブル本体用ホィールの光ケーブル本体巻付け
部の直径と支持線用ホィールの支持線巻付け部の直径は
等しいものとして、そのかわり光ケーブル本体用ホィー
ルと支持線用ホィールとをそれぞれ別の駆動装置により
回転させることにより、支持線用ホィールの回転速度を
光ケーブル本体用ホィールのそれよりも大きくする。ま
た、同じ駆動装置からの回転を変速機を用い、所定の回
転比を有する光ケーブル本体用ホィールの回転速度と支
持線用ホィールの回転速度にすることもできる。また、
図2に示す一体型のホィールであって、光ケーブル本体
用ホィール31の巻き付け部31aの直径を支持線用ホ
ィール32の巻き付け部32aの直線よりも大きくした
ものとしてもよいが、別体型の方がケーブルサイズに自
由に対応できるので好ましい。
【0014】押出機27は、平行に送り込まれる光ケー
ブル本体1と支持線2上に例えばポリエチレンを一体に
被覆するものであり、この押出機27により光ケーブル
本体上にシースが施された光ケーブル本体部7、支持線
2上にシースが施された支持線部8及びそれらをつなぐ
接続部3cとが形成される。そして、この押出機27に
内蔵される公知の自動窓あけ装置により、窓5が形成さ
れ、冷却前の被覆ケーブル6が押し出される。押出機を
出る被覆ケーブル6の向きは、そのあとに続く冷却槽と
の関係上、長径が水平面内にあるように押し出されるの
が好ましい。
【0015】押し出された被覆ケーブル6は、支持線部
8よりも光ケーブル本体部7の方が長いため自然に支持
線部8側の方に湾曲する。そして、冷却手段である冷却
槽29は、被覆ケーブル6をその自然の曲がりに沿って
案内するように配置されたガイドローラ28を備えてお
り、したがって、冷却槽29もそのガイドローラ28を
配置しうる形状に湾曲させたものとなっている。被覆ケ
ーブル6の長径が水平面内にある場合、押し出された被
覆ケーブル6は水平面内に円弧を描くように湾曲するの
で、冷却槽29もその経路に沿って水平面内に湾曲する
ものとするのが好ましい。冷却によってシースが硬化し
完成された自己支持型光ケーブル10は、前述のとお
り、引取手段(引取機)30によって、支持線2が送り
込まれる速度に等しい速度で引き取られ、図示しない巻
取り機に巻き取られる。
【0016】以上に述べたとおり、光ケーブル本体1を
支持線の繰り出し速度V2 よりも大きい速度V1 で繰り
出し、その外周にシース3を押し出して一体に被覆し、
これを冷却するに際して、光ケーブル本体の繰り出し速
度V1 と支持線の繰り出し速度V2 との差によって生じ
る被覆ケーブルの曲がりに沿って被覆ケーブル6を案内
しつつ冷却するので、ブレーキや加熱装置を必要とせ
ず、また大型の矯正手段も必要としない。ガイドローラ
28は被覆ケーブル6の自然の曲がりに沿って配置する
だけで、振動等の何らかの外的要因による経路のずれを
防止するだけであるから、小型のものでよい。
【0017】次に、光ケーブル本体1の繰り出し速度V
1 と支持線2の繰り出し速度V2 と被覆ケーブルの曲が
り方との関係及び完成された自己支持型光ケーブル10
において光ケーブル本体1に生じる余長xとの関係につ
いて述べる。図4,図5に示すように、光ケーブル本体
部7の外径をD1 ,長さをL1 ,支持線部8の外径をD
2 ,長さをL2 ,接続部3cの高さをHとする。また、
図3は、押出機27から冷却槽28内に入った被覆ケー
ブル6が光ケーブル本体1の繰り出し速度V1 と支持線
2の繰り出し速度V2 との差によって生じる曲がりの説
明図である。
【0018】図3において、光ケーブル本体部7の中心
軸C1 及び支持線部8の中心軸C2が描く円弧の曲率半
径をそれぞれr1 及びr2 とし、光ケーブル本体部7の
外縁7out 及び支持線部8の内縁8inの曲率半径をそれ
ぞれR10及びR20とする。光ケーブル本体部7の長さL
1 と支持線部8の長さL2 との比は、光ケーブル本体1
の繰り出し速度V1 と支持線2の繰り出し速度V2 との
比に等しく、且つ曲率半径r1 と曲率半径r2 との比に
も等しいから次の式が成り立つ。 L1 /L2 =V1 /V2 =r1 /r2 (6) また、 r1 =r2 +(D1 /2)+(D2 /2)+H =r2 +〔(D1 +D2 +2H)/2〕 r1 /r2 =1+〔(D1 +D2 +2H)/2r2 〕 (7) (6) 式及び(7) 式から、 V1 /V2 =1+(D1 +D2 +2H)/2r2 (V1 /V2 )−1=(D1 +D2 +2H)/2r2 依って、 r2 =〔(D1 +D2 +2H)×V2 〕/〔2×(V1 −V2 )〕 (8) r1 =〔(D1 +D2 +2H)×V1 〕/〔2×(V1 −V2 )〕 (9) しかるに、 R10=〔r1 +(D1 /2)〕 (10) R20= 〔r2 −(D2 /2)〕 (11) であるから、(8) 式、(9) 式及び(10)式、(11)式から、
前述の下記(3) 式及び(4) 式が得られる。 R10=〔(2D1 +D2 +2H)×V1 −D1 2 〕/〔2(V1 −V2 )〕 (3) R20=〔(D1 +2D2 +2H)×V2 −D2 1 〕/〔2(V1 −V2 )〕 (4)
【0019】したがって、被覆ケーブル6の長径の両縁
out 及びと8inは、理論的には上記(3) 式及び(4) 式
の曲率半径R10及びR20の円弧を描くことが推定され、
ガイドローラ28の自己支持型光ケーブルとの接触部を
押出機27の出口から上記曲率半径R10及びR20の円弧
に沿って被覆ケーブル6の経路の両側に配置しておけ
ば、被覆ケーブル6の自然の曲がりに正確に沿って案内
することになる。ガイドローラ28は、前述のように振
動等の何らかの外的要因による経路のずれを防止するだ
けであるから、ガイドローラ28は簡単なものでよい。
また、前記ガイドローラ28の自己支持型光ケーブルと
の接触部は、曲率半径R10及びR20の円弧に正確に一致
させる必要はなく、それから大きく逸れないように配置
すればよいが、下記(1) 式、(2) 式の範囲内に入る曲率
半径R1 及びR2 の円弧を描くように配設するのが好ま
しい。また、ガイドローラ28は被覆ケーブル6が接触
したとき水平面内で回転するものとすれば、被覆ケーブ
ルの硬化前のシースに摩擦力が加わらないので好まし
い。 R1 =R10〜R10+α (1) R2 =R20−α〜R20 (2) 但し、 α=0.05×(D1 +H+D2 ) (5) 被覆ケーブル6の長径の両側に設けるガイドローラ28
は、冷却槽29の幅方向に移動自在に設けておくと、被
覆ケーブル6の長径の長さに応じて調節できるので便利
である。また、この幅方向の位置を自動調節する制御手
段を設けることもできる。なお、ガイドローラは被覆ケ
ーブルの長径の両側だけでなく、下から支えるガイドロ
ーラも設けておくのが好ましい。
【0020】また、自己支持型光ケーブルの支持線の架
線時における伸び率をε%、光ケーブル本体1に与える
余長率をx%とすると、架線時に光ファイバに伸び歪み
が生じるのを防止するためには、x>=εとする必要が
ある。したがって、(6) 式より、 L1 /L2 =V1 /V2 =1+(x/100)>=1+(ε/100) (12) となる。依って、光ケーブル本体と支持線の繰り出し速
度の比V1 /V2 を、1+(ε/100)以上となるよ
うに選定すれば、架線時に光ファイバに伸び歪みを生じ
るのを防止することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明のうち、請求項1記載の発明は、
光ケーブル本体を支持線の繰り出し速度よりも大きい速
度で繰り出し、その外周にシースを押し出して一体に被
覆した被覆ケーブルを冷却するに際し、前記光ケーブル
本体の繰り出し速度V1 と支持線の繰り出し速度V2
の差によって生じる前記被覆ケーブルの曲がりに沿って
前記被覆ケーブルを案内しつつ冷却するので、ブレーキ
や加熱装置、矯正手段などを必要とせず、また、被覆ケ
ーブルに無理な外力を加えることがないので、外力によ
って接続部が切れるなど、品質低下のおそれのない自己
支持型光ケーブルを安価に提供することができる。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の効果に加えて、支持線の架線時における伸び率をε
%とするとき、光ケーブル本体と支持線の繰り出し速度
の比V2 /V1 が、1+(ε/100)以上となるよう
選定されているので、光ケーブル本体に収納された光フ
ァイバに伸び歪みを生じることがなく、安心して使える
自己支持型光ケーブルをより安価に提供することができ
る。
【0023】請求項3記載の発明は、冷却手段が、支持
線の繰り出し速度V1 と光ケーブル本体の繰り出し速度
2との差によって生じる被覆ケーブルの曲がりに沿っ
て被覆ケーブルを案内する案内手段を有する湾曲した冷
却槽であり、案内手段には大きい力が加わることがない
から、小型のものでよく、したがって冷却槽の幅も小さ
くすることができるとともに、押し出されたシースが冷
却槽内で硬化するまで被覆ケーブルに矯正のための外力
が加わることがないので、品質の良い自己支持型光ケー
ブルをより安価に提供することができる。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明の効果に加えて、被覆手段は、被覆ケーブルをその長
径がほぼ水平となるように押し出し被覆する方向に配設
されるので、被覆ケーブルは水平面内で湾曲し、同様に
水平面内で湾曲する冷却手段中の冷媒によって有効に冷
却され、冷却手段に設けられた複数の案内手段は、冷却
手段の幅方向に移動自在で、水平面内で回転自在なガイ
ドローラからなるので、前記水平面内で湾曲する被覆ケ
ーブルの長径の両端に接するように設けることが容易で
あり、被覆ケーブルに接ると回転しつつ案内するので、
被覆ケーブル表面に外力がくわわるおそれがなく、した
がって、多様なサイズの自己支持型光ケーブルを無理な
く、より安価に製造することができる。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の発明の効果に加えて、光ケーブル本体部と支持線部
と両者を接続する接続部とからなる被覆ケーブルが、被
覆手段から押し出されたときに、その長径の両端が描く
円弧を計算によって求め、複数の案内手段を、その円弧
と所定の許容差の範囲内の位置に配設してなるので、被
覆ケーブルの長径の両端に沿ってより正確に案内するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自己支持型光ケーブルの製造装置の説
明図である。
【図2】本発明の自己支持型光ケーブル製造装置の送り
込み装置の一例の説明図である。
【図3】光ケーブル本体と支持線の繰り出し速度の差に
よって生じる被覆ケーブルの曲がりの説明図である。
【図4】自己支持型光ケーブルの側面図である。
【図5】自己支持型光ケーブルの横断面図である。
【図6】従来の自己支持型光ケーブルの製造装置の説明
図である。
【符号の説明】
1 自己支持型光ケーブルの光ケーブル本体 2 自己支持型光ケーブルの支持線 3 自己支持型光ケーブルのシース 4 自己支持型光ケーブルの接続部 5 接続部に設けられた窓 6 被覆ケーブル 10 自己支持型光ケーブル 25 送り込み装置 27 押し出し機 28 案内手段(ガイドローラ) 29 冷却手段(冷却槽) 30 引取手段(引取機)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ケーブル本体と支持線とをシースによ
    り一体に被覆してなる自己支持型光ケーブルの製造方法
    において、 光ケーブル本体を支持線の繰り出し速度よりも大きい速
    度で繰り出し、その外周にシースを押し出して一体に被
    覆した被覆ケーブルを冷却するに際し、 前記光ケーブル本体の繰り出し速度V1 と支持線の繰り
    出し速度V2 との差によって生じる前記被覆ケーブルの
    曲がりに沿って前記被覆ケーブルを案内しつつ冷却する
    ことを特徴とする自己支持型光ケーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自己支持型光ケーブルの
    製造方法において、 自己支持型光ケーブルの支持線の架線時における伸び率
    をε%とするとき、 前記光ケーブル本体と支持線の繰り出し速度の比V1
    2 を、1+(ε/100)以上となるように選定する
    ことを特徴とする自己支持型光ケーブルの製造方法。
  3. 【請求項3】 光ケーブル本体繰り出し手段と、支持線
    繰り出し手段と、前記光ケーブル本体と支持線とを一体
    に押し出し被覆するシースの被覆手段と、被覆手段によ
    り押し出し被覆されたシースを冷却して硬化する冷却手
    段と、冷却された被覆ケーブルを引き取る引取手段と、
    引取手段から繰り出される被覆ケーブルを巻き取る巻き
    取り手段とを有する自己支持型光ケーブルの製造装置に
    おいて、 前記冷却手段は、前記光ケーブル本体の繰り出し速度V
    1 と支持線の繰り出し速度V2 との差によって生じる前
    記被覆ケーブルの曲がりに沿って被覆ケーブルを案内す
    る案内手段を有する湾曲した冷却槽であることを特徴と
    する自己支持型光ケーブルの製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自己支持型光ケーブルの
    製造装置において、 前記被覆手段は、前記被覆ケーブルをその長径がほぼ水
    平となるように押し出し被覆する方向に配設され、 前記冷却手段は、水平面内で湾曲し、前記被覆手段から
    押し出された被覆ケーブルを、その長径の両端に沿って
    案内する複数の案内手段を有し、 前記案内手段は、冷却手段の幅方向に移動自在で、かつ
    水平面内で回転自在なガイドローラであることを特徴と
    する自己支持型光ケーブルの製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の自己支持型光ケー
    ブルの製造装置において、 前記被覆ケーブルが、光ケーブル本体部と支持線部と両
    者を接続する接続部とからなり、その光ケーブル本体部
    の直径をD1 ,支持線部の直径をD2 ,接続部の高さを
    Hとし、冷却中の被覆ケーブルの光ケーブル本体部及び
    支持線部の中心軸が、それぞれ曲率半径r1 及びr2
    円弧を描くものとするとき、 前記複数の案内手段は、前記被覆ケーブルの長径の両端
    との接触部が、それぞれ下記の式(1) 及び(2) を満足す
    る曲率半径R1 及びR2 の円弧を描くように配設してな
    ることを特徴とする自己支持型光ケーブルの製造装置。 記 R1 =R10〜R10+α (1) R2 =R20−α〜R20 (2) 但し、 R10=〔r1 +(D1 /2)〕 =〔(2D1 +D2 +2H)×V1 −D1 2 〕/〔2(V1 −V2 )〕 (3) R20= 〔r2 −(D2 /2)〕 =〔(D1 +2D2 +2H)×V2 −D2 1 〕/〔2(V1 −V2 )〕 (4) α=0.05×(D1 +H+D2 ) (5)
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