JPH11211677A - X線透過式内部判定装置 - Google Patents

X線透過式内部判定装置

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JPH11211677A
JPH11211677A JP10026421A JP2642198A JPH11211677A JP H11211677 A JPH11211677 A JP H11211677A JP 10026421 A JP10026421 A JP 10026421A JP 2642198 A JP2642198 A JP 2642198A JP H11211677 A JPH11211677 A JP H11211677A
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JP
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ray
image
dimensional transmission
measurement object
dimensional
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JP10026421A
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Masahiro Ito
雅宏 伊東
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流のX線源の適用や搬送速度を遅くする
ことなく測定対象物の内部情報を高い精度で判定可能な
X線透過式内部判定装置を提供する。 【解決手段】 青果物aを搬送させる搬送手段10と、搬
送路近傍に配置され略円錐状に広がるX線を青果物へ向
け照射するX線源2と、開口30を有しX線の外周縁部を
カットして断面略長方形状に広がるX線照射領域4を形
成するX線用窓3と、搬送路を挟んでX線源の反対側に
配置され青果物を透過したX線が入射されるX線用蛍光
板5と、X線用蛍光板からの可視光が入射される位置に
配置され青果物の二次元透過画像を撮像するCCDカメ
ラ6と、このCCDカメラにより撮像された二次元透過
画像を順次記録し記録されたN枚の二次元透過画像から
撮像位置のずれに伴う位置ずれを順次ずらしながら積分
画像を合成する判定手段とでその主要部が構成されるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンベア等の搬送
手段により搬送される食品、医療品、青果物等測定対象
物についてその内部における金属物等の存在の有無や空
洞等欠陥の有無をX線により判定するX線透過式内部判
定装置に係り、特に、大電流のX線源を適用することな
くしかも搬送速度を遅くすることなく測定対象物の内部
情報を高い精度で判定可能なX線透過式内部判定装置の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のX線透過式内部判定装置として
は、従来、測定対象物の搬送路を挟んでX線源の反対側
に撮像管(映像倍増管とも称する)を配置しこの撮像管
により測定対象物の二次元透過画像を求めて測定対象物
の内部情報を判定するもの、あるいは、上記搬送路を挟
んでX線源の反対側に複数の検出器群より成るラインセ
ンサを配置しこのラインセンサにより各瞬間の一次元透
過画像を得ると共に各一次元透過画像をつなげて二次元
透過画像を求めこの二次元透過画像から測定対象物の内
部情報を判定するもの等が知られている。
【0003】そして、従来のX線透過式内部判定装置に
おいては、X線の透過量が十分にあり上記二次元透過画
像が鮮明な場合、この二次元透過画像をそのまま見るこ
とで測定対象物の内部情報をリアルタイムで監視するこ
とが可能であった。
【0004】しかし、測定対象物に対するX線の透過量
が不十分の場合には得られる二次元透過画像が不鮮明に
なるため、測定対象物の内部情報を判定することが困難
となることがあった。
【0005】そこで、従来のX線透過式内部判定装置に
おいては、これ等の弊害を解消するため大電流のX線源
を適用したり、測定対象物の搬送速度を遅くしたり、あ
るいは搬送を一旦停止し測定対象物を静止状態にして内
部情報を判定する等の手法が採られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大電流のX
線源が適用された場合には、その分、X線透過式内部判
定装置の製造コストが割高となる問題があり、また、測
定対象物の搬送速度を遅くしたり搬送を一旦停止する方
法を採った場合には、その分、X線透過式内部判定装置
における測定対象物の処理量が低下する問題点を有して
いた。
【0007】この様な技術的背景の下、大電流のX線源
を適用することなく測定対象物の内部判定を可能とする
X線透過式内部判定装置が開発されている。すなわち、
このX線透過式内部判定装置は、測定対象物についてそ
の二次元透過画像を複数枚撮像し、かつ、撮像された複
数枚の二次元透過画像を重ね合わせて測定対象物の積分
画像を合成すると共に、合成された測定対象物の積分画
像から測定対象物の内部判定を行う装置であった。
【0008】そして、このX線透過式内部判定装置によ
れば、測定対象物に対するX線の透過量が不十分で撮像
された各二次元透過画像が不鮮明な場合でも、撮像され
た複数枚の二次元透過画像を重ね合わせて合成される測
定対象物の積分画像は画像の平均化がなされて鮮明にな
るため、大電流のX線源を適用することなく測定対象物
の内部判定が可能となる装置であった。
【0009】しかし、このX線透過式内部判定装置を用
いて搬送されている測定対象物の内部判定を行おうとし
た場合、撮像された測定対象物の各二次元透過画像間に
は1枚当りの撮像時間中に測定対象物が移動した分の測
定対象物の撮像位置ずれを有しているため依然として上
記内部判定を行うことは困難であった。例えば、CCD
カメラにより二次元透過画像を求める場合、CCDカメ
ラでは1枚の二次元透過画像を形成するのに、通常、1
/30秒の撮像時間が必要になるため、前に撮った測定
対象物の二次元透過画像とその直後に撮った後の二次元
透過画像間には1/30秒間に搬送された分の撮像位置
ずれを有している。従って、撮像された複数枚の二次元
透過画像を重ね合わせて測定対象物の積分画像を合成し
ても、各二次元透過画像間には撮像位置ずれがあること
から画像の平均化がなされず、上記積分画像が鮮明にな
ることはないため、依然として測定対象物の内部判定を
行うことは困難であった。
【0010】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、大電流のX線源を
適用することなくしかも搬送速度を遅くすることなく測
定対象物の内部情報を高い精度で判定可能なX線透過式
内部判定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、搬送される測定対象物の内部情報をX線の透
過画像から判定するX線透過式内部判定装置を前提と
し、測定対象物の搬送路近傍に設けられ出射点を中心に
して略円錐状に広がるX線をX線用窓を介し上記測定対
象物へ向けて照射するX線源と、測定対象物が搬送路の
X線照射領域を通過している間、測定対象物におけるX
線の二次元透過画像を連続的に撮像し、撮像された各二
次元透過画像間において1枚当りの撮像時間中に測定対
象物が搬送された分の測定対象物の位置ずれを有するN
枚の二次元透過画像を得る撮像手段と、撮像されたN枚
の二次元透過画像を記録し、かつ、各二次元透過画像間
における上記測定対象物の位置ずれがなくなるようにN
枚の上記二次元透過画像を互いに順次ずらしながら重ね
合わせて測定対象物の積分画像を合成しこの積分画像か
ら測定対象物の内部情報を判定する判定手段、とを具備
していることを特徴とするものである。
【0012】そして、この請求項1記載の発明に係るX
線透過式内部判定装置によれば、撮像されたN枚の二次
元透過画像を記録し、かつ、各二次元透過画像間におけ
る測定対象物の位置ずれがなくなるようにN枚の上記二
次元透過画像を互いに順次ずらしながら重ね合わせて測
定対象物の積分画像を合成しこの積分画像から測定対象
物の内部情報を判定する判定手段を備えていることか
ら、搬送されている測定対象物から撮ったN枚の二次元
透過画像を順次重ねて合成された積分画像には測定対象
物の撮像位置ずれがなく、これにより画像の平均化がな
されて積分画像が鮮明になるため、大電流のX線源を適
用することなくしかも搬送速度を遅くすることなく測定
対象物の内部情報を高い精度で判定することが可能とな
る。
【0013】尚、請求項1記載の発明に係るX線透過式
内部判定装置の測定対象としては、スイカ、メロン、カ
ボチャ、大根等の青果物や、医療品、食品等が例示さ
れ、また、その内部情報としては青果物を例に挙げて説
明すると、青果物内部における空洞部、種子部等の物理
的形態若しくは水分の存在状態等があり、また、食品や
医療品等に混入された金属物等が例示される。
【0014】次に、請求項2に係る発明は、請求項1記
載の発明に係るX線透過式内部判定装置において上記撮
像手段の構成を特定した発明に関する。
【0015】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係るX線透過式内部判定装置を前提と
し、上記搬送路を挟んでX線源の反対側に配置されかつ
上記測定対象物を透過したX線が入射されるX線用蛍光
板と、このX線用蛍光板からの蛍光線が入射される固体
撮像素子とで上記撮像手段の主要部が構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0016】そして、この請求項2に係る発明において
測定対象物を透過したX線が入射されるX線用蛍光板と
してはタングステン酸カルシウムから成る板が例示さ
れ、また、このX線用蛍光板からの蛍光線が入射される
上記固体撮像素子(光映像信号を電気信号に変換する半
導体素子)としてはCCD(Charge Coupled Device)
を用いたものやMOS(金属酸化膜半導体)トランジス
タを用いたもの等が例示される。
【0017】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2記載の発明に係るX線透過式内部判定装置におい
てX線用窓における開口長さ寸法の設定条件を特定した
発明に関し、請求項4に係る発明は、請求項1、2また
は3記載の発明に係るX線透過式内部判定装置において
測定対象物を特定した発明に関する。
【0018】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1または2記載の発明に係るX線透過式内部判定装置を
前提とし、1枚当りの上記撮像時間中に測定対象物が搬
送される距離をL、撮像される二次元透過画像の枚数を
Nとした場合、搬送路のX線照射領域を通過する測定対
象物に対する上記X線照射領域のX線源側搬送方向の長
さ寸法Mが、M≧N×Lの式を満たすように上記X線用
窓における搬送方向の開口長さ寸法が設定されているこ
とを特徴とし、また、請求項4に係る発明は、請求項
1、2または3記載の発明に係るX線透過式内部判定装
置を前提とし、上記測定対象物が青果物であることを特
徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の実施の形態に係るX線透
過式内部判定装置の概略構成を示す説明図である。
【0021】すなわち、このX線透過式内部判定装置1
は、スイカ等青果物aを特定方向(矢印参照)へ搬送さ
せるベルトコンベア等の搬送手段10と、この搬送路近
傍に配置されその出射点を中心にして略円錐状に広がる
X線を搬送手段10上の青果物aへ向けて照射するX線
源2と、このX線源2近傍に配置されかつ長方形状の開
口30を有すると共に略円錐状に広がる上記X線の外周
縁部をカットして断面略長方形状に広がるX線照射領域
4を形成するX線用窓3と、上記搬送路を挟んでX線源
2の反対側に配置されかつ上記青果物aを透過したX線
が入射されると共にタングステン酸カルシウムにより形
成されたX線用蛍光板5と、このX線用蛍光板5からの
蛍光線(可視光)が入射される位置に配置されかつX線
用蛍光板5上に形成された青果物aの二次元透過画像を
撮像するCCDカメラ6と、このCCDカメラ6により
撮像された上記二次元透過画像を順次記録しかつ記録さ
れたN枚の二次元透過画像から積分画像を合成すると共
にこの積分画像から青果物aの内部情報を判定する判定
手段(図示せず)とでその主要部が構成されており、か
つ、上記判定手段はこのX線透過式内部判定装置全体を
制御する制御系の一部を構成している。
【0022】また、上記CCDカメラ6の二次元透過画
像1枚当りにおける撮像時間(スキャン時間)をt、上
記搬送手段10の搬送速度をVとした場合(二次元透過
画像1枚の撮像時間中に青果物aが搬送路上を搬送され
る距離LはV×tとなる)、搬送路のX線照射領域4を
通過する青果物aに対するX線照射領域40のX線源2
側搬送方向の長さ寸法Mが、M≧L×N=V×t×Nの
式を満たすように上記X線用窓3における搬送方向の開
口長さ寸法mが設定されており、搬送路の上記X線照射
領域4を青果物aが通過するときに各二次元透過画像間
においてL(=V×t)に対応するL’(上記Lの値は
1枚の撮像時間中に青果物aが搬送路上を搬送される距
離、すなわち搬送路上における青果物aの撮像位置ずれ
量である。これに対しX線源2よりさらに離れた位置に
存在するX線用蛍光板5上での青果物aのX線投影像の
位置ずれは拡大されてLより大きなL”となっており、
また、CCDカメラ6で撮像された二次元透過画像間の
位置ずれは撮像時の撮像倍率によりLに対応した別の値
L’になっている)の位置ずれを互いに有するN枚の二
次元透過画像100が順次撮像されかつ記録されるよう
になっている(図1及び図2参照)。
【0023】また、X線透過式内部判定装置全体を制御
する上記制御系200は、図3に示すようなコンピュー
タシステムからなっており、CCDカメラ6、キーボー
ド11、マウス等ポインティングデバイス12等からの
信号が入力インターフェース201を介して制御部20
2にデータとして入力される。そして、制御部202
は、システム全体を総括的に処理するCPU203と、
このCPU203との間で処理上でのデータの授受を行
うRAM204及び上記CPU203に処理手順を与え
るプログラム等を格納するROM205から成ってお
り、上記ROM205には、X線源2の照射・停止タイ
ミングやパワー等を制御するプログラム、搬送手段10
の開始・停止と速度等を制御するプログラム、及び、C
CDカメラ6で撮像されたN枚の二次元透過画像を順次
記録しかつ各二次元透過画像間における青果物aの位置
ずれがなくなるようにN枚の二次元透過画像を互いに順
次ずらしながら重ね合わせて青果物aの積分画像を合成
したりこの積分画像から青果物aの内部情報を判定した
りこの判定結果や二次元透過画像、積分画像等を画像モ
ニター13へ出力したりする判定手段用制御プログラム
等が予め格納されており、上記CPU203は、入力イ
ンターフェース201を介して与えられたデータに基づ
いてこれ等のプログラムを実行し、出力インターフェー
ス206を介してX線源2、搬送手段10、画像モニタ
ー13等に制御用の信号を送出しこれ等を制御するよう
になっている。
【0024】尚、上記判定手段におけるN枚の二次元透
過画像100を記録する手法と記録されたN枚の二次元
透過画像100から積分画像を合成する手法は以下のよ
うになっている。すなわち、二次元透過画像を撮像する
CCDカメラ6の出力端子は上記コンピュータシステム
の一部を構成し例えば512×512の画像メモリーを
装備する画像解析ボードに接続されており、上記画像メ
モリーのX軸とY軸で指定される各座標(画像アドレ
ス)にCCDカメラ6で撮像された二次元透過画像の対
応する各画素における撮像濃度が順次記録されて1枚の
二次元透過画像100が記録されるようになっており、
かつ、2枚目以降の二次元透過画像も別の画像メモリー
に順次記録されてN枚の二次元透過画像100が画像解
析ボードに記録されるようになっている。そして、記録
されたN枚の二次元透過画像100(すなわち、各画像
メモリーに記録された二次元透過画像の画像データ)か
ら積分画像を合成する際、上記L(=V×t)の撮像位
置ずれ分に対応するL’の量だけ各画像メモリーに記録
された画像データの座標位置を平行移動しながら各画像
データを重ね合わせて上記積分画像を合成するようにな
っている。
【0025】そして、この実施の形態に係るX線透過式
内部判定装置1においては、図1及び図2に示すように
搬送路上の断面略長方形状に広がるX線照射領域4を青
果物aが通過するとき、各二次元透過画像100間にお
いてL(=V×t)の位置ずれ分に対応するL’のずれ
量を互いに有するN枚の二次元透過画像100が上記X
線用蛍光板5とCCDカメラ6により順次撮像され、か
つ、これ等N枚の二次元透過画像100が上記判定手段
により順次記録されると共に、この判定手段により各二
次元透過画像100間における青果物aの上記位置ずれ
L’がなくなるようにN枚の二次元透過画像100を互
いに順次ずらしながら重ね合わせて青果物aの積分画像
を合成するようになっている。
【0026】従って、搬送されている青果物aから撮っ
たN枚の二次元透過画像100を順次重ねて合成した積
分画像には青果物aの上記位置ずれL’がなく、これに
より画像の平均化がなされて積分画像が鮮明になるた
め、大電流のX線源を適用することなくしかも搬送速度
を遅くすることなく上記積分画像に基づいて青果物aの
内部情報を高精度で判定することが可能となる。
【0027】ところで、この実施の形態に係るX線透過
式内部判定装置1を適用することにより、青果物、食
品、医療品等測定対象物の内部情報を高速かつ高精度で
判定することが可能となったが、測定対象物の種類如何
によってはこの測定対象物内をX線が通過する際、その
一部のX線が散乱されてしまうことがある。この場合、
測定対象物内をまっすぐ透過してきたX線と散乱されて
きたX線とが重なり合った状態で上記X線用蛍光板5に
入射されることから、このX線用蛍光板5を介しCCD
カメラ6により撮像された二次元透過画像が不鮮明とな
ることがある。この様な場合には、上記測定対象物とX
線用蛍光板5との間に散乱されてくるX線をカットする
ためのグリッドを設けることが望ましい。更に、測定対
象物に対するX線の照射領域を狭くした場合(すなわ
ち、測定対象物に対するX線照射領域のX線源側搬送方
向の長さ寸法Mが狭くなるように上記X線用窓3の開口
長さ寸法mを適宜設定した場合)、その分、散乱される
X線が減少するため二次元透過画像の画質をより鮮明に
することが可能となる。但し、照射領域が狭くなること
から測定対象物の広い範囲を監視するためには、その
分、測定対象物の内部判定に要する時間が若干長くなる
ことになる。
【0028】次に、この実施の形態に係るX線透過式内
部判定装置1においては、搬送路上の上記X線照射領域
を測定対象物が搬送されながらその二次元透過画像が順
次撮像されるとき、各二次元透過画像の撮像位置がずれ
るだけでなくX線照射の角度もずれるため、二次元透過
画像が変形しかつ測定対象物が回転しているのと同じ作
用が重なることとなる。以下、この点について図面を用
いて検討する。
【0029】すなわち、図5に示すようにX線源2の出
射点から測定対象物である青果物aの搬送方向(青果物
aの中心の軌跡)ω1に対して下ろした垂線ω2との交
わる点をωとし、点ωからγだけずれた位置に青果物a
の中心があるとき、X線用蛍光板5への青果物aにおけ
る二次元透過画像(以下、図面による説明の簡便化のた
め投影像と略称する)の外周縁形状における変形度を以
下検討する。一例として、図5に示した条件で青果物a
に対しX線が照射されたとき、青果物aにおける投影像
の外周縁形状とは、青果物aとこの青果物aに接する円
錐状の投影面(すなわち略円錐状に広がるX線が形成す
るX線照射領域の投影面)との交線が形成する形状を意
味する。
【0030】そして、青果物aが移動したとき、図4に
示すように青果物aにおける投影像の内、赤道面の高さ
に相当する点(最も進行方向の点Aと最も後ろの点Bの
2個が存在する)の投影位置を考える。
【0031】尚、このX線透過式内部判定装置1におい
ては、搬送手段10の搬送速度が30cm/秒、CCD
カメラ6における1枚当たりの撮像時間が1/30秒、
青果物aに対するX線照射領域40のX線源2側搬送方
向の長さ寸法M(図2参照)が10cm、青果物aの中
心の軌跡ω1とX線源2までの距離αが30cm、上記
軌跡ω1とX線用蛍光板5までの距離βが30cm(図
4、図5参照)に設定されており、また青果物aである
スイカの直径は30cmである。
【0032】そして、図6のグラフ図は、このX線透過
式内部判定装置1において青果物aがY軸方向へ搬送さ
れたときの上記点Aと点BのZ軸からの距離(絶対値)
を示したものである。
【0033】すなわち、図4に示すように青果物aにお
ける投影像の中心がZ軸上に存在するとき(図4と図6
でY軸方向における青果物の中心位置の移動が0のと
き)点Aと点BのZ軸からの距離(絶対値)は図6に示
すように同一となっている(点AとB点の絶対値は共に
略23cmとなっている。尚、これ等の値は青果物aに
おける投影像の値のため青果物aであるスイカの直径3
0cmより大きくなっている)が、青果物aにおける投
影像の中心がY軸方向に移動(すなわち図4において点
AとB点が点A’と点B’に移動)するにつれて点Aと
点BのZ軸からの距離(絶対値)は図6に示すように変
化する。但し、図6のグラフ図から、進行方向の点(す
なわち点A)と後ろの点(すなわち点B)の変化はほと
んど直線状になっていることから、搬送方向へ10cm
程度青果物aが移動しても、青果物aにおける投影像の
形はさほど変形していないことが確認される。すなわ
ち、搬送中の青果物aに対するX線照射の角度がずれこ
れに伴う上記投影像の変形が考慮されるが、図6のグラ
フ図から歪み等の変形はそれ程大きくないため、上記投
影像における外周縁先端側を搬送方向へ縮める等の画像
処理は必ずしも要しないことが確認される。
【0034】但し、内部判定が高精度で求められるX線
透過式内部判定装置については、必要に応じて測定対象
物の搬送方向に対し二次元透過画像の外周縁先端若しく
は後端を圧縮、伸張等の変形処理を施す制御プログラム
を格納させればよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。
【0036】図1に示されたX線透過式内部判定装置と
同一構造の装置を用い、内部に空洞部が存在することを
事前に確認したスイカ(直径=約28cm)についてそ
の内部判定を行った。すなわち、搬送手段により速度V
=30cm/秒でスイカを搬送させながら、X線用窓を
介してX線を水平方向へ照射し、かつ、照射方向側に配
置されたX線用蛍光板にスイカを透過したX線を入射さ
せると共に、このX線用蛍光板にて変換された可視光を
CCDカメラに入射させてスイカの二次元透過画像を撮
像した。尚、X線源とX線用蛍光板との距離(α+β)
は60cmに設定され、CCDカメラは1画面形成にt
=1/30秒を要する。
【0037】そして、搬送されるスイカを上記CCDカ
メラで順次撮像し、撮像された各二次元透過画像につい
て2値化データに画像処理した後、この画像データを上
述した画像解析ボードの各画像メモリーに記録した。次
に、上記L(=V×t)、すなわち、搬送路上でのL=
1cmの位置ずれ分に対応するL’量(撮像倍率により
変化するがLとは比例関係にある値)だけ各画像メモリ
ーに記録された画像データの座標位置を平行移動しなが
ら各画像データを重ねて積分画像を求め、再度、得られ
た積分画像についてエッジ部分をカットする等の画像処
理を施して内部判定用の積分画像を得た。そして、この
積分画像を用いて上記スイカの内部判定(すなわち空洞
部の有無を判定する)を行った。尚、重ねるべき二次元
透過画像の枚数が10枚以上必要となるため、上記X線
源からX線用窓を介し断面略長方形状に照射される搬送
路上でのスイカに対するX線照射領域Mの搬送方向の長
さ寸法が12cm幅となるように、上記X線用窓におけ
る搬送方向の開口長さ寸法を適宜設定した。
【0038】なお、上述したように1枚当たりの撮像時
間中にスイカは搬送路上を約1cm(L)移動するの
で、各二次元透過画像を撮像された倍率に応じて設定さ
れる上記L’ずつ順次ずらして重ね合わせて積分画像を
求めた。この積分画像により空洞部(スイカの中央に約
2cm×3cm×0.5cmの空洞がある)の判定が可
能であった。
【0039】但し、各二次元透過画像のスイカの高さは
不変であるが、横方向に対しては撮像位置によって長さ
が異なる。すなわち、図5に示すようにX線源との距離
が離れた場合(図5中上側のスイカの配置)と上記距離
が最短の場合(図5中下側のスイカの配置)とでは、距
離が離れている場合(図5中上側のスイカの配置)の方
が搬送方向に対して伸びた形となっており、真球に近い
スイカの形状が楕円形状になっている。
【0040】しかし、図6に示したグラフ図の結果から
明らかなように上記変形の度合いは小さいため、撮像し
た各二次元透過画像については画像変形等の処理を行わ
ずに総計28枚の二次元透過画像をLに対応したL’ず
つ順次ずらしながら重ね合わせて積分画像を得た。な
お、スイカの同一箇所はスイカ両端を除きそれぞれ10
枚の画像が重ねられている。その10枚の平均化を行
い、空洞部の有無を確認したところ、先に述べたように
空洞部の存在を確実に判定できた。
【0041】
【発明の効果】請求項1〜4記載の発明に係るX線透過
式内部判定装置によれば、撮像されたN枚の二次元透過
画像を記録し、かつ、各二次元透過画像間における測定
対象物の位置ずれがなくなるようにN枚の上記二次元透
過画像を互いに順次ずらしながら重ね合わせて測定対象
物の積分画像を合成しこの積分画像から測定対象物の内
部情報を判定する判定手段を備えていることから、搬送
されている測定対象物から撮ったN枚の二次元透過画像
を順次重ねて合成された積分画像には測定対象物の撮像
位置ずれがなく、これにより画像の平均化がなされて積
分画像が鮮明になるため、大電流のX線源を適用するこ
となくしかも搬送速度を遅くすることなく測定対象物の
内部情報を高い精度で判定することが可能となる効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るX線透過式内部判定装置の構
成説明図。
【図2】図1の概略平面図。
【図3】実施の形態に係るX線透過式内部判定装置にお
ける装置全体の制御系を示すブロック図。
【図4】実施の形態に係るX線透過式内部判定装置にお
ける測定対象物のX線源との位置関係の違いに基づく撮
像された二次元透過画像の歪みの有無等を説明するため
の説明図。
【図5】図4の概略平面図。
【図6】上記二次元透過画像の歪みの有無を確認するた
めになされた計測結果に基づき作成され、スイカの中心
位置の移動(Y軸方向)とA・B両点のZ軸との距離
(絶対値)との関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1 X線透過式内部判定装置 2 X線源 3 X線用窓 4 X線照射領域 5 X線用蛍光板 6 CCDカメラ 10 搬送手段 30 開口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送される測定対象物の内部情報をX線の
    透過画像から判定するX線透過式内部判定装置におい
    て、 測定対象物の搬送路近傍に設けられ出射点を中心にして
    略円錐状に広がるX線をX線用窓を介し上記測定対象物
    へ向けて照射するX線源と、 測定対象物が搬送路のX線照射領域を通過している間、
    測定対象物におけるX線の二次元透過画像を連続的に撮
    像し、撮像された各二次元透過画像間において1枚当り
    の撮像時間中に測定対象物が搬送された分の測定対象物
    の位置ずれを有するN枚の二次元透過画像を得る撮像手
    段と、 撮像されたN枚の二次元透過画像を記録し、かつ、各二
    次元透過画像間における上記測定対象物の位置ずれがな
    くなるようにN枚の上記二次元透過画像を互いに順次ず
    らしながら重ね合わせて測定対象物の積分画像を合成し
    この積分画像から測定対象物の内部情報を判定する判定
    手段、とを具備していることを特徴とするX線透過式内
    部判定装置。
  2. 【請求項2】上記搬送路を挟んでX線源の反対側に配置
    されかつ上記測定対象物を透過したX線が入射されるX
    線用蛍光板と、このX線用蛍光板からの蛍光線が入射さ
    れる固体撮像素子とで上記撮像手段の主要部が構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のX線透過式内部
    判定装置。
  3. 【請求項3】1枚当りの上記撮像時間中に測定対象物が
    搬送される距離をL、撮像される二次元透過画像の枚数
    をNとした場合、搬送路のX線照射領域を通過する測定
    対象物に対する上記X線照射領域のX線源側搬送方向の
    長さ寸法Mが、M≧N×Lの式を満たすように上記X線
    用窓における搬送方向の開口長さ寸法が設定されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のX線透過式内
    部判定装置。
  4. 【請求項4】上記測定対象物が青果物であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載のX線透過式内部判定
    装置。
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