JP2002310946A - 放射線検査装置 - Google Patents
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Abstract
うに大がかりな画像処理を必要とすることなく、画像処
理のためのハードウエア並びにソフトウエアを比較的簡
単なものとすることができ、低コストのもとに光を透さ
ない材料等ににより包装された物品の割れ並びに欠けを
確実に判定することのできる放射線検査装置を提供す
る。 【解決手段】 放射線検出手段3からの各画素データに
ついて、それぞれ周辺の画素データとの差分を演算し、
その差分後の濃度データがあらかじめ設定されている濃
度範囲XL〜XH内にある画素数を積算することによ
り、検査対象物品WAの周囲長の合計を得て、その値か
ら割れ・欠けの有無を判定することで、放射線透視像の
パターン認識等を行うことなく、簡単なデータ処理によ
って検査対象物品WAの割れや欠けの有無を正確に判定
することを可能とする。
Description
被破壊検査装置に関し、更に詳しくは、包装材料等の事
情により内部が可視光で観察できない対象物の割れ・欠
けの有無を検査するのに適した放射線検査装置に関す
る。
を検査する装置として、従来、可視光ないしは赤外線を
用いる検査装置が知られている。この可視光または赤外
線を用いる検査装置においては、一般に、可視光または
赤外線を被検査物に対して照射し、その反射光もしくは
透過光をCCDカメラなどで受光して包装内部の画像情
報を得て、その形状に基づいて包装内部の検査対象物品
の割れや欠けなどの異常の有無を判別している。
や医薬品等の包装形態として、アルミホイルや光を透過
させない箱などを用いたものが多く採用されており、こ
のような包装形態の商品については、光を用いた検査装
置は無力であった。
を透過させる材料からなる包装材を用いていても、その
表面の着色等によって検査結果に大きな影響を受けると
いう問題があった。
況を透視するには、X線をはじめとする放射線を用いた
検査装置を用いればよいのであるが、従来の放射線検査
装置においては、被検査物を透過した放射線を1次元も
しくは2次元の放射線検出器によって検出し、その画素
情報を用いた画像処理により包装内部の透視2次元像の
パターンを認識して、割れなどの異常の有無を判定する
ものであり、高速インライン化に対応するには大がかり
な画像処理を必要とし、ハードウエア並びにソフトウエ
アの双方ともに高価なものとなるという問題があった。
もので、放射線を用いた検査装置で、しかも従来のよう
な大がかりな画像処理を必要とすることなく、画像処理
のためのハードウエア荒美にソフトウエアを比較的簡単
なものとすることができ、もって低コストの装置構成の
もとに、光を透さない材料等によって包装された物品の
割れや欠けの有無を確実に検査することのできる放射線
検査装置の提供を目的としている。
め、本発明の放射線検査装置は、放射線発生手段と、そ
の放射線発生手段に対して対向配置された放射線検出手
段と、その放射線発生手段および放射線検出手段の間で
被検査物を搬送する搬送手段と、上記放射線検出手段か
らの画素データを用いてデータ処理を行うデータ処理手
段を備えた放射線検査装置において、上記データ処理手
段は、上記放射線検出手段からの各画素データについ
て、それぞれ周辺の画素データとの差分を演算し、その
差分後の濃度データがあらかじめ設定されている濃度範
囲内にある画素数を積算し、その積算結果から検査対象
物品の周囲長の合計を得て割れ・欠けの有無を判定する
ように構成されていることによって特徴づけられる。
データについて、それぞれの周辺の画素データとの差分
を求めることにより、被写体の輪郭に相当する部分の画
素濃度が他部とは異なる濃度で構成された画像が得られ
ることを利用するとともに、その輪郭に相当する画像情
報からパターンを認識するのではなく、その輪郭に相当
する部分の画素濃度が他部とは異なる濃度を有すること
を更に利用して、あらかじめ設定されている濃度範囲内
にある画素数を積算して、その結果から割れ・欠けの判
定を行うことにより、所期の目的を達成しようとするも
のである。
線透視像の構成する各画素データについて、それぞれの
周囲の画素データとの差分をとることで、検査対象物品
の輪郭に相当する部分の画素濃度が他の部分と異なる濃
度範囲、通常は他の部分よりも濃い(暗い)値となる。
そこで、この輪郭部分を構成する画素の濃度が入るであ
ろう濃度範囲をあらかじめ設定しておき、差分演算後の
各画素の濃度データのうち、その濃度範囲内に入ってい
る画素数を積算することにより、検査対象物品の周囲長
の合計が得られる。割れや欠けが存在している場合に
は、これらが存在しない場合に比して、その周囲長の合
計が長くなるため、その存在を確実かつ容易に判定する
ことができる。そして、このようなデータ処理は、放射
線透過像の画像処理によるパターン認識等に比してその
ソフトウエアが簡単であり、比較的小容量で低速のハー
ドウエアを用いて高速に実現することができる。
実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形
態の構成図であり、要部の機械的構成を表す模式図と、
電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図であ
る。
ベルト11上に載せられて一定の速度で搬送される。コ
ンベアシステム1の上方には、X線管2がそのX線光軸
を鉛直下方に向けた姿勢で配置されているとともに、X
線管2に対向してその鉛直下方には、コンベアシステム
1のループベルト11を介在させた状態で1次元X線検
出器3が配置されている。
と、そのループベルト11が掛け回される駆動ローラ1
2並びに複数の従動ローラ13を含み、駆動ローラ12
は、操作パネル4に設けられているスイッチの操作によ
り駆動回路14から供給される駆動信号によって回転駆
動するモータ(図示せず)により回転が与えられ、この
駆動ローラ12の回転によりループベルト11が各ロー
ラに案内されて移動し、被検査物Wを図中矢印の方向に
一定の速度で搬送する。
2b間に、X線制御器21により制御される高電圧発生
回路22からの高電圧が印加されることによってX線を
発生する。X線管2とコンベアシステム1との間には、
当該コンベアシステム1による搬送方向に直交する方向
に沿ったスリット23aが形成されてなる鉛製のスリッ
ト部材23が設けられており、X線管2から出力された
X線は、このスリット23aを通過することにより、コ
ンベアシステム1の幅方向に広がりを持つ扇状のX線ビ
ームとなる。
数の素子がライン状に並べられたMOS型イメージセン
サによって構成されたものであり、入射したX線はシン
チレータにより光に変換されたうえでMOS型イメージ
センサの各素子によって一定の微小時間ごとに検出さ
れ、各素子ごとに刻々のX線の入射量に応じた検出信号
を出力する。
号はデータ処理装置5に取り込まれる。データ処理装置
5は、その各素子からの検出信号を画素の濃淡情報とす
るX線透過像をモニタ51に表示するとともに、後述す
るルーチンのもとに1次元X線検出器3の各素子からの
刻々のデータを用いて検査対象物品の割れ並びに欠けの
有無を判定する。そして、その判定結果に基づき、割れ
もしくは欠け有りと判定した場合には、その旨の出力を
発生して、後述するようにブザー54を鳴らしたり、あ
るいは排除装置55を駆動する。また、その結果をデー
タプリンタ52に出力するとともに、その画像をビデオ
プリンタ53に出力する。
賭けの有無の判定動作の説明をする前に、画素データの
差分処理について説明する。この差分処理自体は公知の
技術であり、1つの画像を構成する各画素について、そ
の濃度データと周辺の画素の濃度データとの差分を算出
する。1次元X線検出器3からの画素データをそのまま
用いた被検査物WのX線透過像が、図2(A)に示すよ
うに、包装内に1個の検査対象物品WAが収容されてい
るものであるとしたとき、1次元X線検出器3が図示の
位置にある状態では、その各画素(チャンネル)の濃度
データは図2(B)に示す通りとなる。また、同じ位置
に1次元X線検出器3があるとき、その各画素(チャン
ネル)からの濃度データについてその隣接するものどう
しの差分を求めると、図2(C)に示すように、検査対
象物品Wの境界部分における画素の濃度のみ濃く(暗
く)なる。このような差分処理後の画素データで画像を
構築すれば、図2(D)に示すように、検査対象物品W
Aの輪郭のみが濃くなった画像が得られる。後述する濃
度範囲XL〜XHは、図2(C)に例示するように、差
分後の画素データのうち、図2(D)における検査対象
物品WAの輪郭部分を構成する画素の濃度が入る濃度範
囲に設定される。
れている割れ並びに欠けの有無の判定用のプログラムの
内容を示すフローチャートであり、以下、この図3を参
照しつつ本発明の実施の形態における割れ・欠けの判定
動作について説明する。この例においては、被検査物W
として、前記した図2(A)に正規の状態でのX線透過
像を例示するように、包装内に1つの検査対象物品WA
が収容された商品を例にとり、その検査対象物品WAの
割れ並びに欠けの有無を検査するものとする。
微小時間ごとの1次元放射線検出器3による信号の出力
(イベント)の順序、換言すれば時間、を表し、jは1
次元放射線検出器3の各素子の番号(チャンネル)を表
すものとし、従って被検査物WのX線透過像を構成する
画素は、Rijで表される。
設けられているテンキー灯を操作して、カウントに供す
べき画素の濃度範囲の下限XLと上限XHを設定する
(図2(C)参照)。また、この濃度範囲XL〜XHに
入っている画素のカウント結果に従って割れ・欠けの有
無を判定する際の合格範囲の下限MLと上限MHを設定
する。
MAXは、1つの被検査物Wについての1次元X線検出
器3からの検出信号のデータ処理装置5への取り込み数
を表す。すなわち、データ処理装置5は、被検査物Wが
コンベアシステム1上を搬送されて、その先端がX線の
照射位置の直前に到来した時点で物品検出センサ(図示
せず)から出力される外部トリガ信号の反省により1次
元X線検出器3からの出力の取り込みを開始し(i=
1)、その取り込み回数が上記したiMAXに達した時
点で当該被検査物Wに関しての出力の取り込みを終了す
る。
ンベアシステム1上に供給して搬送を始めると、上記し
た物品検出センサの出力によりi=1,j=1,M=0
に初期化し、最初のイベントi=1における各画素情報
R1jを取り込む。i=1において取り込んだ1次元X線
検出器3のj個の画素情報について、j=1から最終チ
ャンネルまでに渡り、それぞれ差分を演算する。そし
て、その各差分値Sijがあらかじめ設定されている濃度
範囲XL〜XHに入るか否かを判別し、範囲XL〜XH
に入っている場合にはMを1カウントアップする。
了した後、次に取り込んだ画素情報(i=2)につい
て、上記と同様にして全チャンネルについての差分値S
ijを求めて、上記した濃度範囲に入っている差分値があ
るごとにMを1カウントずつアップしていく。やがてi
=iMAXに達した時点で、Mの値が先に設定した合格
範囲ML〜MHに入っているか否かを判別する。この判
別によって、包装WB内の検査対象物品WAの割れ並び
に欠けの有無を正確に知ることができる。
がない場合には、そのX線透視像を構成する各画素デー
タの差分値により構築した画像は、検査対象物品WAの
輪郭部分のみが濃くなった前記した図2(D)に示した
通りとなり、設定された濃度範囲XL〜XHに入る差分
値の積算数Mは、検査対象物品WAの周囲長に比例した
ものとなる。このMの値を例えば100程度とすると、
検査対象物品WAに割れや欠けが存在している場合に
は、Mの値は以下に示すようにより大きな値となる。
今、図4(A)にX線透視像を示すように、包装内で検
査対象物品WAが割れていた場合を想定すると、差分処
理により得られた差分値で構築した画像は図4(B)に
示す通りとなる。この場合、設定された濃度範囲XL〜
XHに入る差分値の積算数Mは、割れのない場合の検査
対象物品WAの周囲長に加えて、割れによる輪郭部分が
増加することになるため、例えば160程度となる。前
記した合格範囲ML〜MHを90〜110程度に設定し
ておくことにより、割れや欠けの有無を正確に判別する
ことができる。
分等における差分値の濃度が濃度範囲XL〜XHに入る
場合には、その部分の数の概略はあらかじめ判るため、
その数をMから減じたうえで合格範囲ML〜MHと比較
するか、あるいはその数を考慮した合格範囲ML〜MH
を設定すればよい。
合格の旨の処理をするとともに、収まっていなければ、
前記したブザー奏鳴や物品排除等の異常判定処理を行っ
た後、次の被検査物Wの判定に移行する。
点は、1次元X線検出器3からの画素データを用いた画
像処理により、検査対象物品WAのパターンを認識して
割れや欠けの有無を判定するのではなく、画像データの
差分処理を行い、その差分処理後の濃度データのうち、
あらかじめ設定されている濃度範囲内にあるデータ数を
積算し、その積算結果が合格範囲に収まっているか否か
によって割れや欠けの判定を行う点であり、このような
データ処理の採用により、パターン認識による判定に比
してそのソフトウエアが極めて簡単ですみ、それに伴っ
てデータ処理のためのハードウエアも比較的簡単なもの
を用いることができる。
物に放射線を照射してその透視像を得るとともに、その
透視像の各画素データについて、周辺の画素データとの
差分を演算し、その差分演算後の濃度データがあらかじ
め設定されている濃度範囲に入っている画素数を積算
し、その積算結果から包装内の検査対象物品の周囲長の
合計に相当する値を得て、その値があらかじめ設定され
ている範囲に収まっているか否かによって割れ並びに欠
けの判定を行うので、アルミホイル等の光を透さない包
装容器内に収容された商品等についても検査に供するこ
とができ、しかも、従来の放射線を用いた異物検査装置
等のように、放射線の透視像のパターンを認識して検査
する場合に比して、データ処理が簡単であり、ソフトウ
エアおよびハードウエアの双方ともに低コスト化するこ
とが可能であって、低コストの装置構成のもとに、光を
透さない材料等によって包装された物品の割れや欠けの
有無を確実に判別することができる。
表す模式図と、電気的構成を表すブロック図とを併記し
て示す図である。
説明図であり、(A)は1次元X線検出器3からの画素
データをそのまま用いた被検査物WのX線透過像を示
し、(B)は1次元X線検出器3が所定の位置にある状
態における当該1次元X線検出器3からの各画素(チャ
ンネル)の濃度を示すグラフで、(C)は(B)の状態
における各画素の差分処理後の濃度を示すグラフであ
り、更に、(D)は差分処理後の画素データで構築した
画像を示す図である。
まれている割れ・欠けの判定用プログラムの内容を示す
フローチャートである。
で、(A)は割れの存在する検査対象物品WAのX線透
視像を示し、(B)はその各画素を差分処理した後のデ
ータで構築した画像を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 放射線発生手段と、その放射線発生手段
に対して対向配置された放射線検出手段と、その放射線
発生手段および放射線検出手段の間で被検査物を搬送す
る搬送手段と、上記放射線検出手段からの画素データを
用いてデータ処理を行うデータ処理手段を備えた放射線
検査装置において、 上記データ処理手段は、上記放射線検出手段からの各画
素データについて、それぞれ周辺の画素データとの差分
を演算し、その差分後の濃度データがあらかじめ設定さ
れている濃度範囲内にある画素数を積算し、その積算結
果から検査対象物品の周囲長の合計を得て割れ・欠けの
有無を判定するように構成されていることを特徴とする
放射線検査装置。
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