JP3715528B2 - X線異物検出装置及び該装置における被検査物の移動停止検出方法 - Google Patents

X線異物検出装置及び該装置における被検査物の移動停止検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物に対し、X線を曝射したときのX線の透過量から被検査物中の異物を検出するX線異物検出装置に関し、特に被検査物の移動状態を正確に検出できるX線異物検出装置及び該装置における被検査物の移動停止検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線異物検出装置は、搬送ライン上を順次搬送されてくる各品種の被検査物(生肉、魚、加工食品、医薬など)にX線を曝射し、この曝射したX線の透過量から被検査物中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入しているか否かを検出する装置である。
【0003】
図5はこの種の従来のX線異物検出装置を示す斜視図である。図示のようにコンベア50上を被検査物Wが搬送されて行く途中位置にX線発生器51と、X線検出器52が対向配置される。X線発生器51は搬送中の被検査物WにX線を曝射し、X線検出器52は被検査物Wを透過したX線の透過量に応じた電気信号を出力する。図示しない処理手段はこのX線の透過量に基づき、異物の混入の有無を判断する。
【0004】
また、コンベア50上における被検査物Wの存在の有無は検出センサ55によって検出される。この検出センサ55は、一対の発光部55aと受光部55bを有し、X線の曝射位置における被検査物Wの存在を検出する。処理手段は、この検出センサ55の検出信号に基づき、被検査物Wに対するX線の照射量が規定値を越えないよう監視し、被検査物WがこのX線の曝射位置で予め定めた設定時間以上検出されたときにはX線発生器51からのX線の曝射を停止させる制御を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、X線の曝射位置において被検査物Wが停止しているかどうか判断できない場合があった。上記の検出センサ55を用いた構成では、受光部55bにおいて被検査物Wにより投受光が遮られ(OFF)、再度、受光(ON)するまでの期間が被検査物Wであると判断する。
したがって、被検査物Wがこの検出センサ55の投受光位置を通過する迄の期間は被検査物Wの存在しか検出できず、この被検査物Wが移動しているか、あるいは停止しているかは判断できなかった。
【0006】
検出センサ55は、被検査物Wの先端を検出してから後端を検出するまでの期間(遮断期間)を搬送方向に対する被検査物Wの長さと検出する。被検査物Wの先端を検出後に被検査物Wの搬送が停止した場合には、X線停止の為の設定時間に達するまでは被検査物Wの同一箇所にX線が曝射され続けることとなりX線の曝射を停止制御する。
【0007】
しかし、被検査物Wの長さが長い場合などには、遮断期間自体が長くなることによって被検査物Wが移動しているもののX線曝射が停止する場合もある。例えば、処理手段側で検出センサ55での設定時間を固定(例えば1秒)に設定した場合、コンベア50の搬送状態の変動等によって被検査物Wの遮断期間が設定時間に達すると直ちにX線の曝射が停止し、これに伴い全体の生産ラインが停止することがある。
この場合、被検査物Wが搬送駆動により移動していて被検査物WにおけるX線の曝射位置が1カ所ではなく移動しているものの(正常ではないが異常とはいえない)ラインが停止して稼働効率が低下する問題が生じる。
この各問題は、検出センサ55を用いる構成上、被検査物Wの実際の移動状態を検出できないことによって生じる。
【0008】
また、検出センサ55の投受光位置は、被検査物Wに対して搬送方向の側部で所定高さの1点のみである。このため、被検査物Wの種別、例えば、形状が異なる場合等には、突起部だけを検出する等、必ずしも被検査物Wの前端から後端までの間の全てを正確に検出できないこともあり得る。加えて、被検査物Wの種別毎に、例えば高さが異なったり、中空形状や、トレイ等によって上げ底形状の被計量物Wの検査時には検出センサ55の投受光位置を高さ方向に調整しなければならないこともある。
【0009】
また、X線曝射は下記の各事象発生時においても直ちに停止させねばならない。コンベア50の搬送駆動が停止状態で搬送後方の被検査物Wによって被検査物WがX線照射位置に押し出された状態のままの場合や、コンベア50が搬送駆動されているものの被検査物Wが内部で詰まったままの場合、搬送前方の被検査物が詰まった事に基づき被検査物Wが内部で詰まった場合等。従来はこれら各状態における被検査物Wの停止状態を判断できないことがあった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被検査物の実際の移動状態を検出でき、被検査物に対するX線曝射を的確に制御できるX線異物検出装置及び該装置における被検査物の移動停止検出方法の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のX線異物検出装置は、被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量から前記被検査物中の異物の有無を検出するX線異物検出装置(1)において、 前記被検査物に対してX線を曝射するX線発生器(8)と、
前記被検査物を透過したX線の強さに対応したデータを出力するX線検出器(9)と、 前記X線検出器(9)が出力するデータが示すX線透過量の値の変動に基づき被検査物の移動状態を判断するものであり、前記X線透過量が所定の値を有し、且つ予めの設定期間(T)の間前記X線透過量に変動がない状態が継続した場合に前記被検査物が停止状態と判断する移動検出部(17)と、
前記移動検出部により前記被検査物が停止状態と判断された場合には、前記X線発生器からのX線の曝射を停止させる処理手段(13)と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、前記X線検出器(9)は、アレイ状に配置された複数個のフォトダイオード(9a)を備え、
前記移動検出部(17)は、前記複数個のフォトダイオード(9a)のうち任意の複数個(9a1〜9an)が出力するデータを取り込み、該複数個のフォトダイオードが出力するX線透過量の値について、いずれか1つが前記設定期間の間変動がある場合には前記被検査物(W)が移動していると判断し、全てが前記設定期間(T)の間所定の値を有して前記X線透過量に変動がない状態が継続した場合には前記被検査物が停止状態と判断する構成にもできる。
【0013】
本発明のX線異物検出装置における被検査物の移動停止検出方法は、被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量から前記被検査物中の異物の有無を検出するX線異物検出方法において、
前記被検査物に対してX線発生器(8)からX線を曝射させ、これをX線検出器(9)で受け、
該X線検出器で検出されたX線透過量が所定の値を有し、且つ予めの設定期間(T)の間前記X線透過量に変動がない状態が継続した場合に前記被検査物が停止状態と判断し、 該停止判断時には、前記X線発生器からのX線の曝射を停止させることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、移動検出部17は、X線検出器9を構成するアレイ状の複数個のフォトダイオード9aのうち任意の複数個9a1〜9anが出力するデータを取り込む。移動検出部17は、この複数個のフォトダイオード9a1〜9anが出力するX線透過量の値について、いずれか1つが設定期間Tの間変動がある場合には被検査物Wが移動していると判断する。一方、全てが設定期間Tの間所定の値を有してほぼ一定な状態が継続した場合には被検査物Wが停止状態と判断し、X線発生器8からのX線の曝射を停止させる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1はX線異物検出装置の外観を示す斜視図である。
X線異物検出装置1は、搬送ラインの一部に設けられ、所定間隔をおいて順次搬送されてくる被検査物W中(表面も含む)に混入される異物の有無を検出するものである。このX線異物検出装置1は、搬送部3と異物検出部4とが装置本体1a内部に設けられ、表示器7が装置本体1aの前面上部に設けられている。
【0016】
搬送部3は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物Wを搬送するもので、例えば装置本体1aに対して水平に配置されたベルトコンベアで構成される。搬送部3は、駆動モータ6の駆動により予め設定された所定の搬送速度で搬入口3aから搬入された被検査物Wを搬出口3b側(図中搬送方向X)に向けて搬送させる。
【0017】
異物検出部4は、搬送される被検査物Wを搬送路途中において異物を検出するもので、搬送部3の上方に所定高さ離れて設けられるX線発生器8と、搬送部3内にX線発生器8と対向して設けられるX線検出器9を備えて構成される。
【0018】
X線発生器8は、金属製の箱体11内部に設けられる円筒状のX線管12を不図示の絶縁油により浸漬した構成であり、X線管12の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成している。X線管12は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向Xと直交する方向(Y方向)に設けられている。X線管12により生成されたX線は、下方のX線検出器9に向けて、長手方向に沿った不図示のスリットにより略三角形状のスクリーン状にして曝射するようになっている。
【0019】
X線検出器9は、被検査物Wに対してX線が曝射されたときに、被検査物Wを透過してくるX線を検出し、この検出したX線の透過量に応じた電気信号を出力している。
【0020】
図2は、X線曝射位置の平面図である。X線検出器9は、搬送部3上を搬送される被検査物Wの搬送方向Xと直交するY方向に沿って設けられる。このX線検出器9には、ライン状に配列された複数のフォトダイオード9aと、フォトダイオード9a上に設けられたシンチレータとを備えたアレイ状のラインセンサが用いられる。
【0021】
このような構成によるX線検出器9では、被検査物Wに対してX線発生器8からX線が曝射されたときに、被検査物Wを透過してくるX線をシンチレータで受けて光に変換する。さらにシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるフォトダイオード9aによって受光される。そして、各フォトダイオード9aは、受光した光を電気信号に変換して出力する。このX線検出器9は、受けたX線の強さに対応したレベルを有した電気信号を処理手段13に出力する。
例えば上記フォトダイオード9aは、1ラインで構成されライン方向(Y方向)に0.4mmピッチで640個配置されてなる。
【0022】
図3は同装置の電気的構成を示すブロック図である。
処理手段13は、CPU等及びメモリ等で構成され、X線検出器9から入力される電気信号は図示しないA/D変換部でA/D変換された後、データメモリ14に格納される。
データメモリ14には、1ライン(Y方向)あたり上記640個のX線透過のデータが、少なくとも搬送される被検査物Wの搬送方向Xの長さ(前端Wa〜後端Wbまでの検出期間)に対応した所定ライン数(例えば480ライン)が格納される。処理手段13は、このデータに基づき被検査物Wに対する異物混入を検査処理する。
【0023】
検査処理内容としては、被検査物Wを透過したX線の透過レベルに応じた電気信号に基づいて被検査物W中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入されているか否かの判別を行う。基本原理としては、異物によりX線が透過しない状態が生じた場合、即ち、X線透過レベルの値が低い場合に異物混入と判別できる。
さらに、この判別結果から被検査物Wの良否を判断し、被検査物Wが良品又は不良品であるかを示す選別信号等を外部出力する。また、入力データを直接画像展開した画像データを画像処理部16を介して表示器7の表示部15に出力する。
【0024】
また、この処理手段13には、搬送部3上における被検査物Wの移動状態を検出する移動検出部17が設けられる。この移動検出部17は、画像処理部16における画像処理に関する1機能である。
【0025】
この移動検出部17は、入力される1ライン(Y方向)あたり640個のフォトダイオード9aの被検査物WのX線透過データから所定個数分だけ間引いて取り込む。例えば、図2に概略を記載するが、1ライン640個のフォトダイオード9aを所定ピッチ数間隔(例えば20)毎の等間隔な32個のフォトダイオード9a1〜9anのX線透過データを、被検査物Wの検出期間に相当する上記所定ライン数(X方向)分取り込む。
取り込んだ複数の各X線透過データは、それぞれY方向に向き配置されたラインセンサ上における所定位置のフォトダイオード9aが検出した被検査物WのX線透過量を示す画像データである。
【0026】
図4は、ある1個のフォトダイオード9aにおける画像データの時系列な変化を示す図である。X線透過量は縦軸方向がX線透過量が低い値である。また、曝射されたX線部分を被検査物Wの前端Waが時期taに通過し、後端Wbが時期tbに抜けた場合を示す。時期ta〜tbの期間が被検査物Wの搬送方向Xに対する長さに相当する。
【0027】
図4(a)に示すように、このフォトダイオード9a部分における被検査物WのX線透過量は、一般的に被検査物WのX方向への搬送移動に伴って所定の透過量を有し、かつこの値は一定ではなく経時的に変化する。また、図示の状態は、被検査物W内部に異物が混入されていない状態のものであるが、被検査物Wが搬送されていればこの被検査物Wの厚さの変化等でX線透過量が経時的に変化することが示されている。異物混入時には、この異物によりX線透過量が極端に低下する。図4記載の画像データは、便宜上1個のフォトダイオードについてのみ記載したが、実際には上記フォトダイオード9a1〜9anの個数分だけ複数有り、これらが移動検出部17に取り込まれる。
【0028】
そして、移動検出部17は、取り込んだ複数個の画像データに基づきX線透過量の変動状態を監視し、このX線透過量の変動状態に基づき被検査物Wの移動の有無を判断する。まず、複数個のフォトダイオード9a1〜9anから出力される画像データのうち、1つでもX線透過量が低くなるよう変動すれば、被検査物Wの前端Waであると認識する(時期ta)。なお、この前端Waの検出時期は、画像処理部16の異物混入判断のための被検査物Wの前端Waの検出情報等、を用いる構成としてもよい。
【0029】
被検査物Wの前端Wa検出時以降、複数の画像データのうちいずれかX線透過量が変動していれば被検査物Wが移動中であり正常と判断する。一方、複数の画像データ全てにおいてX線透過量の変動が無いときには、被検査物WがX線曝射状態のまま停止している異常と判断する。この異常時には、X線発生器8に対し駆動用の電源を供給するX線発生用電源部18に対し、X線発生を停止させるための制御信号を出力する。なお判断処理の詳細は後述する。
【0030】
次に、X線異物検出の動作について説明する。
上記のように構成されるX線異物検出装置1では、被検査物Wが搬送部3の搬入口3aより搬入されると、その搬送過程において被検査物WにX線発生器8からX線が曝射される。このX線の曝射に伴って被検査物Wを透過してくるX線はX線検出器9によって検出される。そして、処理手段13は、X線検出器9によって検出されたX線の透過量に応じた電気信号に基づいて被検査物W中に異物が混入している否かを判別し、この判別結果から良品又は不良品を示す選別信号などを外部出力する。そして、上記検査を終えた被検査物Wは、処理手段13から出力される選別信号に応じて良品と不良品とに選別される。
【0031】
また、処理手段13の画像処理部16は、X線検出器9が出力したX線透過量を示す画像データを表示部15に表示出力する。被検査物Wの平面で見た外形の状態と、この被検査物W内でのX線の透過具合を確認することができ、異物部分の表示濃度が他と異なり(濃く、あるいは周囲と他の色)で表示でき異物の混入位置を把握できるようになる。
また、「OK」,「NG」の良否判定結果や、総検査数、良品数、NG総数の検査結果を表示する。
【0032】
ここで、処理手段13は、このデータメモリ14に格納したデータを基準値と比較し、基準値を超えたデータがいずれか1つのラインに含まれている場合にNGと判断する。厳密には、基準値よりX線透過レベルが低い場合(異物によりX線が透過しない場合)にNGであると判断し、基準値よりX線透過レベルが高い場合にOKであると判断して、「NG」、あるいは「OK」の表示を行う。
【0033】
そして、装置の動作中、移動検出部17は被検査物Wの移動状態を監視する。移動検出部17に入力される複数個の画像データは、X線検出部9を構成するラインセンサ上で等間隔な複数個のフォトダイオード9a1〜9anが検出した被検査物WのX線透過量を示す。これにより、搬送部3により搬送移動中における被検査物Wの幅方向Yにおける複数箇所におけるX線透過量を監視することになる。
【0034】
したがって、被検査物Wが移動中であれば、複数の画像データのうちいずれか1つの画像データは被検査物Wの通過後、X線透過量が変動することになる。移動検出部17は、複数の画像データが示すX線透過量のうち1つでも変動があれば、被検査物Wが移動中であり正常と判断する。図4(a)に示す如く、被検査物Wが搬送されていればX線曝射位置上における被検査物Wの厚さが連続的に変化すること等でX線透過量が経時的に変化することは前述した。この正常判断時に、移動検出部17は、X線発生器8に対しX線の曝射を継続させる。
【0035】
一方、複数の画像データ全てにおいてX線透過量の変動が無いときには、被検査物WがX線曝射状態のまま停止している状態(異常)と判断する。
図4(b)が同停止状態を示す図である。X線発生器8から曝射されたX線は、被検査物Wを透過してX線検出部9で検出される。曝射されたX線部分を被検査物Wの前端Waが時期taに通過したとする。この後、被検査物Wが正常に移動すれば時期tbに曝射されたX線部分を被検査物Wの後端Wbが通過する。
【0036】
しかし、被検査物Wの後端WbがX線曝射部分を通過する前に被検査物Wの移動が停止したとすると、対応して画像データが示すX線透過量は、停止直後(時期t1)から一定となり変動しなくなる。即ち、被検査物Wが搬送停止状態になると、被検査物Wに対してある1点(Y軸方向でみてライン状)のみX線が曝射され続けることになり、この際、被検査物Wは停止している為、時期t1以降は、この1点におけるX線透過量は所定値を有して一定となり変動しなくなる。
【0037】
移動検出部17は、複数の画像データ全てにおいてX線透過量の変動が無い期間が予め設定した設定期間T(例えば1秒)を越えた場合、被検査物Wはある1点がX線曝射を受け続けて停止している異常状態と判断する。この際、設定期間T経過中におけるX線透過量の多少の変動を考慮して検出されたX線透過量の値の上下に所定の閾値を設けておき、設定期間Tのあいだ、X線透過量が上下閾値の範囲内であればX線透過量に変動が無く、上下閾値の範囲を超えればX線透過量に変動が生じたと判断する。
【0038】
そして、X線透過量が変動無く設定期間Tが満了すると(時期t2)、X線発生器8に対し駆動用の電源を供給するX線発生用電源部18に対し、X線発生を停止させるための制御信号を出力する。これにより、X線発生用電源部18は、制御信号に基づきX線発生器8への電源供給を遮断する。
また、移動検出部17の異常判断を受けて処理手段13は、図示しない警報装置(パトライト等)に対してX線発生器8からのX線曝射が停止中である旨を表示させたり、警報等の音声出力でX線停止の状態を外部報知する。
【0039】
なお、図2記載のように、被検査物Wは、搬送部3を構成するベルトコンベアのY方向の幅より一般的に幅L1が狭い。また、搬送部3上で被検査物WはY方向に偏倚して搬送されることもある。このため、X線検出部9を構成するフォトダイオード9a1〜9anのうち、被検査物Wが情報に位置していない複数個(例えば9a1や9an等)が生じる。これら複数個のフォトダイオード9aについては、直接X線発生器8からのX線の曝射を受けるため、被検査物Wの移動を当初から検知することはできず、図4に示すX線透過量が高い一定値のままの状態になる。
【0040】
しかしながら、移動検出部17は、X線検出部9を構成するフォトダイオード9aから複数個9a1〜9an分の画像データを受けて、いずれか1つの画像データのX線透過量に変動があれば被検査物Wが移動していると判断し、逆に全ての画像データのX線透過量に変動がなければ被検査物Wが停止していると判断する構成であるため、被検査物Wの実際の移動状態を検出できるようになる。
【0041】
加えて、移動検出部17は、被検査物Wを透過したX線の画像データに基づき被検査物Wそのものの移動を判断する構成であるため、従来の検出センサが不要であり、また、X線の曝射位置における被検査物Wの実際の移動状態をより詳細に検出できるようになる。
したがって、搬送部3を構成するベルトコンベアの駆動状態や、ベルトコンベア上での被検査物Wの載置状態、被検査物Wの搬送方向Xの長さ、被検査物Wの形状に影響されずに被検査物Wの移動を検出できるようになる。
【0042】
例えば、搬送部3の搬送駆動が停止して被検査物Wが規定値以上のX線照射を受ける状態になったとき被計量物Wの停止状態を検出できる。
また、搬送部3が搬送停止状態となり、搬送後方の被検査物Wによって被検査物WがX線照射位置に押し出された場合にも被計量物Wの停止状態を検出できる。
さらに、搬送部3が搬送駆動されているが、被検査物Wが内部で詰まったとき、及び搬送前方の被検査物が搬出されず被計量物Wが内部で詰まったときにもX線照射位置における被計量物Wの停止状態を検出できる。
【0043】
上記実施形態では、移動検出部17は、被検査物Wの前端Waを検出後のX線透過量が一定になったときに被検査物Wの移動が停止と判断する構成について説明した。これに限らず、被検査物Wの停止の判断は、X線透過量のみに基づき判断する構成としてもよい。
図4記載のように、X線曝射位置に被検査物Wが存在しない状態においては、X線検出部9は曝射されたX線を直接受けるためX線透過量が高い値であり、被検査物W存在時のX線透過量と明らかに値の差が生じる。
このことから、X線透過量自体に閾値を設けておき、所定値以下のX線透過量を検出している期間は、被検査物Wが存在しこの被検査物WにX線が曝射中であると判断する構成としてもよい。そして、この期間中においてX線透過量の値が一定となる期間が上記設定期間Tを越えた場合、停止と判断する。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、X線検出部が出力するデータに基づき被検査物の移動状態を検出する構成であり、データが示すX線透過量の変動により被検査物の停止状態を正確に判断できX線の曝射を適切に制御して停止時には直ちにX線曝射を停止できるようになる。
また、X線検出部が出力するデータを用いるため、特別なセンサを設ける必要がなく、X線の曝射位置における被検査物の実際の移動状態を検出できるようになる。これにより、搬送部の駆動状態、搬送部上での被検査物の移動状態、被検査物の搬送方向の長さ、被検査物の形状等に影響されることなく被検査物Wの移動を検出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線異物検出装置の外観を示す斜視図。
【図2】X線曝射位置の平面図。
【図3】本発明によるX線異物検出装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】被検査物の移動時のX線透過量の変動を示す図。
【図5】従来のX線異物検出装置の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1…X線異物検出装置、3…搬送部、8…X線発生器、9…X線検出部、9aフォトダイオード、13…処理手段、16…画像処理部、17…移動検出部、18…X線発生用電源部、W…被検査物。

Claims (3)

  1. 被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量から前記被検査物中の異物の有無を検出するX線異物検出装置(1)において、
    前記被検査物に対してX線を曝射するX線発生器(8)と、
    前記被検査物を透過したX線の強さに対応したデータを出力するX線検出器(9)と、 前記X線検出器(9)が出力するデータが示すX線透過量の値の変動に基づき被検査物の移動状態を判断するものであり、前記X線透過量が所定の値を有し、且つ予めの設定期間(T)の間前記X線透過量に変動がない状態が継続した場合に前記被検査物が停止状態と判断する移動検出部(17)と、
    前記移動検出部により前記被検査物が停止状態と判断された場合には、前記X線発生器からのX線の曝射を停止させる処理手段(13)と、
    を備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
  2. 前記X線検出器(9)は、アレイ状に配置された複数個のフォトダイオード(9a)を備え、
    前記移動検出部(17)は、前記複数個のフォトダイオード(9a)のうち任意の複数個(9a1〜9an)が出力するデータを取り込み、該複数個のフォトダイオードが出力するX線透過量の値について、いずれか1つが前記設定期間(T)の間変動がある場合には前記被検査物(W)が移動していると判断し、全てが前記設定期間の間所定の値を有して前記X線透過量に変動がない状態が継続した場合には前記被検査物が停止状態と判断する請求項1記載のX線異物検出装置。
  3. 被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量から前記被検査物中の異物の有無を検出するX線異物検出装置における被検査物の移動停止検出方法であって、
    前記被検査物に対してX線発生器(8)からX線を曝射させ、これをX線検出器(9)で受けて、
    該X線検出器で検出されたX線透過量が所定の値を有し、且つ予めの設定期間(T)の間前記X線透過量に変動がない状態が継続した場合に前記被検査物が停止状態と判断し、 該停止判断時には、前記X線発生器からのX線の曝射を停止させることを特徴とするX線異物検出装置における被検査物の移動停止検出方法。
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