JPH11211375A - 熱交換器用伝熱管 - Google Patents
熱交換器用伝熱管Info
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- JPH11211375A JPH11211375A JP10018791A JP1879198A JPH11211375A JP H11211375 A JPH11211375 A JP H11211375A JP 10018791 A JP10018791 A JP 10018791A JP 1879198 A JP1879198 A JP 1879198A JP H11211375 A JPH11211375 A JP H11211375A
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- JP
- Japan
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- heat
- heat exchanger
- heat transfer
- transfer tube
- tube
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D7/00—Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall
- F28D7/10—Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged one within the other, e.g. concentrically
- F28D7/12—Heat-exchange apparatus having stationary tubular conduit assemblies for both heat-exchange media, the media being in contact with different sides of a conduit wall the conduits being arranged one within the other, e.g. concentrically the surrounding tube being closed at one end, e.g. return type
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
- F28F21/00—Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
- F28F21/04—Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of ceramic; of concrete; of natural stone
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- Thermal Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】1000℃以上の高温環境でも破損や腐食をな
くして長期間使用でき、熱効率に優れたものとする。 【解決手段】一端が開口され他端が閉塞している筒状体
を成し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダクト7中に晒さ
れ、その内部で熱交換用の流体を流通させる熱交換器用
伝熱管1であって、1400℃における抗折強度が30
kg/mm2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率
が30W/mK以上である炭化珪素質焼結体から成る。
くして長期間使用でき、熱効率に優れたものとする。 【解決手段】一端が開口され他端が閉塞している筒状体
を成し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダクト7中に晒さ
れ、その内部で熱交換用の流体を流通させる熱交換器用
伝熱管1であって、1400℃における抗折強度が30
kg/mm2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率
が30W/mK以上である炭化珪素質焼結体から成る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉等の燃焼炉
から排出される1000℃以上の高温ガスから熱を回収
するのに適した熱交換器用伝熱管に関する。
から排出される1000℃以上の高温ガスから熱を回収
するのに適した熱交換器用伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭や会社から出されたゴミは地
方自治体の焼却炉で燃やされ、燃焼後の焼却灰及び排煙
中の飛灰には重金属成分やダイオキシン、フラン等の有
害物質が含まれている。
方自治体の焼却炉で燃やされ、燃焼後の焼却灰及び排煙
中の飛灰には重金属成分やダイオキシン、フラン等の有
害物質が含まれている。
【0003】また、上記焼却灰は最終処分場にそのまま
埋められていたが、最終処分場の立地条件は厳しく、場
所の確保も難しくなっており、加えてダイオキシンやフ
ラン等の有害物質の規制が法律や条令でかなり厳しくな
りつつあるため、焼却灰や飛灰を回収し、これを再溶融
することにより有害物質を無害化する大型の溶融炉の必
要性が年々高まっている。
埋められていたが、最終処分場の立地条件は厳しく、場
所の確保も難しくなっており、加えてダイオキシンやフ
ラン等の有害物質の規制が法律や条令でかなり厳しくな
りつつあるため、焼却灰や飛灰を回収し、これを再溶融
することにより有害物質を無害化する大型の溶融炉の必
要性が年々高まっている。
【0004】上記焼却灰は高温加熱処理でスラグ化すれ
ば、焼却灰の1/2から1/4程度にその体積を小さく
することができる。また、ダイオキシン等の有害物質を
高熱により分解し無害化できる。これらの理由により、
前記溶融炉での高温加熱処理が有望視されている。
ば、焼却灰の1/2から1/4程度にその体積を小さく
することができる。また、ダイオキシン等の有害物質を
高熱により分解し無害化できる。これらの理由により、
前記溶融炉での高温加熱処理が有望視されている。
【0005】一方、都市ゴミ用の焼却炉は、都市ゴミを
焼却して廃棄物の減容化を行うことを目的として設置さ
れるものであるが、エネルギーの有効利用の観点から焼
却時の排ガスのもつ熱エネルギーを回収し、発電、燃焼
用空気の予熱、暖房等に利用している。そして、前記熱
エネルギーを最大限回収するためには、まず熱交換器で
熱を回収することにより排ガス温度を可能な限りの低温
となるまで冷却することが重要である。従来の熱交換器
は、500〜600℃程度の温度環境で使用されていた
が、近年の焼却炉や溶融炉では1200〜1300℃で
運転される。
焼却して廃棄物の減容化を行うことを目的として設置さ
れるものであるが、エネルギーの有効利用の観点から焼
却時の排ガスのもつ熱エネルギーを回収し、発電、燃焼
用空気の予熱、暖房等に利用している。そして、前記熱
エネルギーを最大限回収するためには、まず熱交換器で
熱を回収することにより排ガス温度を可能な限りの低温
となるまで冷却することが重要である。従来の熱交換器
は、500〜600℃程度の温度環境で使用されていた
が、近年の焼却炉や溶融炉では1200〜1300℃で
運転される。
【0006】伝熱管は、このようなゴミ焼却炉や溶融炉
に設置される熱交換器に使用され、伝熱管内外を流通す
る雰囲気や媒体の熱エネルギーを交換する。例えば、排
ガス雰囲気中に伝熱管を設置し、伝熱管内には常温(2
0℃〜30℃)付近又は数100℃の空気、水等の熱交
換用の流体を通すことにより、前記流体を加熱し、かつ
排ガス温度を低下させる。そして、交換された熱エネル
ギーは、焼却炉や溶融炉内に導入される燃焼用の空気の
予熱や、発電用の蒸気発生のために使用される。
に設置される熱交換器に使用され、伝熱管内外を流通す
る雰囲気や媒体の熱エネルギーを交換する。例えば、排
ガス雰囲気中に伝熱管を設置し、伝熱管内には常温(2
0℃〜30℃)付近又は数100℃の空気、水等の熱交
換用の流体を通すことにより、前記流体を加熱し、かつ
排ガス温度を低下させる。そして、交換された熱エネル
ギーは、焼却炉や溶融炉内に導入される燃焼用の空気の
予熱や、発電用の蒸気発生のために使用される。
【0007】従来、このような1000℃を超える温度
環境で使用される熱交換器用の伝熱管は、ステンレス鋼
又はCr−Ni合金鋼からなる管体の外面若しくは内面
に、普通鋼製の被覆層を形成し、その被覆層の表面にA
lメッキ層を形成したものが提案されている(特開昭6
0−216192号参照)。
環境で使用される熱交換器用の伝熱管は、ステンレス鋼
又はCr−Ni合金鋼からなる管体の外面若しくは内面
に、普通鋼製の被覆層を形成し、その被覆層の表面にA
lメッキ層を形成したものが提案されている(特開昭6
0−216192号参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、120
0℃を超える高温で運転される近年の焼却炉では、腐食
性の強いダストやHClガスが発生し易く、そのため、
上記従来のステンレス鋼又はCr−Ni合金鋼からなる
管体の外面若しくは内面に、普通鋼製の被覆層を介して
Alメッキ層を形成したものの場合、熱や腐食性ガスに
より腐食し、実用に耐えるものではなかった。
0℃を超える高温で運転される近年の焼却炉では、腐食
性の強いダストやHClガスが発生し易く、そのため、
上記従来のステンレス鋼又はCr−Ni合金鋼からなる
管体の外面若しくは内面に、普通鋼製の被覆層を介して
Alメッキ層を形成したものの場合、熱や腐食性ガスに
より腐食し、実用に耐えるものではなかった。
【0009】また、高温強度に優れる炭化珪素質セラミ
ックを熱交換器に利用することが提案されているが(特
開昭59−466492号参照)、実際には、焼却炉の
ような大型の炉では、セラミックの伝熱管と金属製の熱
交換器本体との熱膨張差を考慮した設計が必要である。
従来の伝熱管はパイプ状であり、その両端を熱交換器本
体で保持した形状をしている。この場合、セラミック製
の伝熱管を使用すると、1200℃程度の高温では、伝
熱管の両端部分が熱交換器本体との熱膨張差で破損して
しまうおそれがあった。
ックを熱交換器に利用することが提案されているが(特
開昭59−466492号参照)、実際には、焼却炉の
ような大型の炉では、セラミックの伝熱管と金属製の熱
交換器本体との熱膨張差を考慮した設計が必要である。
従来の伝熱管はパイプ状であり、その両端を熱交換器本
体で保持した形状をしている。この場合、セラミック製
の伝熱管を使用すると、1200℃程度の高温では、伝
熱管の両端部分が熱交換器本体との熱膨張差で破損して
しまうおそれがあった。
【0010】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は1000℃以上の高温環境
でも破損や腐食をなくして長期間使用でき、熱効率に優
れる熱交換器用伝熱管とすることにある。
れたものであり、その目的は1000℃以上の高温環境
でも破損や腐食をなくして長期間使用でき、熱効率に優
れる熱交換器用伝熱管とすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の熱交換器用伝熱
管は、一端が開口され他端が閉塞している筒状体を成
し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダクト中に晒され、そ
の内部で熱交換用の流体を流通させる熱交換器用伝熱管
であって、1400℃における抗折強度が30kg/m
m2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率が30W
/mK以上である炭化珪素質焼結体から成ることを特徴
とする。
管は、一端が開口され他端が閉塞している筒状体を成
し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダクト中に晒され、そ
の内部で熱交換用の流体を流通させる熱交換器用伝熱管
であって、1400℃における抗折強度が30kg/m
m2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率が30W
/mK以上である炭化珪素質焼結体から成ることを特徴
とする。
【0012】このような構成により、熱交換器用伝熱管
の熱交換器本体に対する接続箇所が1ヵ所、若しくは接
続箇所が無くなり、その結果1200℃〜1300℃と
いう温度環境で、しかも腐食性の強いHClガス等が存
在する環境でも破損することなく長期間使用でき、なお
かつ熱効率に優れる熱交換器用伝熱管となる。
の熱交換器本体に対する接続箇所が1ヵ所、若しくは接
続箇所が無くなり、その結果1200℃〜1300℃と
いう温度環境で、しかも腐食性の強いHClガス等が存
在する環境でも破損することなく長期間使用でき、なお
かつ熱効率に優れる熱交換器用伝熱管となる。
【0013】本発明において、好ましくは、前記熱交換
器用伝熱管の閉塞部の形状が凸状曲面であり、前記開口
の周囲にフランジを有する。
器用伝熱管の閉塞部の形状が凸状曲面であり、前記開口
の周囲にフランジを有する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の熱交換器用伝熱管につい
て以下に説明する。図1及び図2は本発明を示し、図1
(a)、(b)は熱交換器用伝熱管の断面図、図2は熱
交換器を設けた焼却炉の概略を表すブロック図である。
て以下に説明する。図1及び図2は本発明を示し、図1
(a)、(b)は熱交換器用伝熱管の断面図、図2は熱
交換器を設けた焼却炉の概略を表すブロック図である。
【0015】図1において、1は熱交換器用伝熱管(以
下、伝熱管という)、2は伝熱管1の開口の周囲に設け
られたフランジである。図2で、3は燃焼用の圧送空気
を通すための空気管、4は熱交換器10で加熱された空
気を発電用のタービンへ送るための空気管、5は熱交換
器10で加熱された空気を分岐し焼却炉6へ予熱空気と
して送る空気管、7は焼却炉6からの排ガスを通す排気
ダクト、10は排気ダクト7の中途に挿入し、設置され
た熱交換器である。
下、伝熱管という)、2は伝熱管1の開口の周囲に設け
られたフランジである。図2で、3は燃焼用の圧送空気
を通すための空気管、4は熱交換器10で加熱された空
気を発電用のタービンへ送るための空気管、5は熱交換
器10で加熱された空気を分岐し焼却炉6へ予熱空気と
して送る空気管、7は焼却炉6からの排ガスを通す排気
ダクト、10は排気ダクト7の中途に挿入し、設置され
た熱交換器である。
【0016】このように、本発明の伝熱管1は、焼却炉
6等の燃焼炉の排気ダクト7中に設置され晒された状態
で使用されるものであり、一端が開口され他端が閉塞し
ている筒状体を成し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダク
ト7中に晒され、その内部を熱交換用の流体が流通する
伝熱管1であって、1400℃における抗折強度が30
kg/mm2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率
が30W/mK以上である炭化珪素質焼結体から成る。
伝熱管1の材質としては、他に炭化ホウ素(B4 C)質
等も良い。
6等の燃焼炉の排気ダクト7中に設置され晒された状態
で使用されるものであり、一端が開口され他端が閉塞し
ている筒状体を成し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダク
ト7中に晒され、その内部を熱交換用の流体が流通する
伝熱管1であって、1400℃における抗折強度が30
kg/mm2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率
が30W/mK以上である炭化珪素質焼結体から成る。
伝熱管1の材質としては、他に炭化ホウ素(B4 C)質
等も良い。
【0017】本発明の伝熱管1は、図2に示すように、
高温の排ガスが通る排気管や排気ダクト7中に挿入され
た形態で設置される。この場合、排気ダクト7の壁を貫
通して外部から伝熱管1の閉塞部を挿入し、排気ダクト
7の外壁に伝熱管1のフランジ2を係止させ固定する。
そして、伝熱管1の内部には空気管3の延長部が侵入し
ており、その開口から常温付近(20〜30℃程度)若
しくは数100℃の空気を伝熱管1内に流入させる。伝
熱管1内の空気は、外部の高温の排ガスによって加熱さ
れ、空気管4,5へ向かって流出する。
高温の排ガスが通る排気管や排気ダクト7中に挿入され
た形態で設置される。この場合、排気ダクト7の壁を貫
通して外部から伝熱管1の閉塞部を挿入し、排気ダクト
7の外壁に伝熱管1のフランジ2を係止させ固定する。
そして、伝熱管1の内部には空気管3の延長部が侵入し
ており、その開口から常温付近(20〜30℃程度)若
しくは数100℃の空気を伝熱管1内に流入させる。伝
熱管1内の空気は、外部の高温の排ガスによって加熱さ
れ、空気管4,5へ向かって流出する。
【0018】この場合、熱交換器10は、伝熱管1内の
空気の流量、流速、温度を調整するための温度センサ、
バルブ等を有していてもよい。
空気の流量、流速、温度を調整するための温度センサ、
バルブ等を有していてもよい。
【0019】また、図1に示すように、伝熱管1は閉塞
部の形状が凸状曲面であり、開口の周囲にフランジ2を
有するのが好ましい。この場合、内部の空気の流れがス
ムーズになり、熱効率を高めることができ、またフラン
ジ2により伝熱管1を排気ダクト7中に吊り下げる等し
て設置し易くなる。前記閉塞部の形状は、球状、回転楕
円体状、円錐形状等の外側に凸状の曲面とするのがよ
く、内部の空気の流れが澱みなく滑らかになる。前記フ
ランジ2は、図1(a)のように、炭化珪素質等焼結体
で伝熱管1に一体化したものや、(b)に示すように、
伝熱管1とは別体のフランジ2aでもよく、ステンレス
等の金属を機械的に固定したり、無機接着剤等で固定し
たものでも良い。
部の形状が凸状曲面であり、開口の周囲にフランジ2を
有するのが好ましい。この場合、内部の空気の流れがス
ムーズになり、熱効率を高めることができ、またフラン
ジ2により伝熱管1を排気ダクト7中に吊り下げる等し
て設置し易くなる。前記閉塞部の形状は、球状、回転楕
円体状、円錐形状等の外側に凸状の曲面とするのがよ
く、内部の空気の流れが澱みなく滑らかになる。前記フ
ランジ2は、図1(a)のように、炭化珪素質等焼結体
で伝熱管1に一体化したものや、(b)に示すように、
伝熱管1とは別体のフランジ2aでもよく、ステンレス
等の金属を機械的に固定したり、無機接着剤等で固定し
たものでも良い。
【0020】更に、本発明では、伝熱管1は1400℃
における抗折強度が30kg/mm2 以上であり、かつ
1200℃での熱伝導率が30W/mK以上である。1
400℃における抗折強度が30kg/mm2 未満の場
合、耐熱衝撃性が低下し、割れやクラックが入り易くな
り、機械的ストレスに対し弱くなる。また、1200℃
での熱伝導率が30W/mK未満の場合、効率良く熱交
換を行うことができない。
における抗折強度が30kg/mm2 以上であり、かつ
1200℃での熱伝導率が30W/mK以上である。1
400℃における抗折強度が30kg/mm2 未満の場
合、耐熱衝撃性が低下し、割れやクラックが入り易くな
り、機械的ストレスに対し弱くなる。また、1200℃
での熱伝導率が30W/mK未満の場合、効率良く熱交
換を行うことができない。
【0021】上記の特性を満足する炭化珪素質焼結体の
材質としては、自由炭素を1.1〜10重量%、ホウ素
を0.1〜5重量%含有した立方晶炭化珪素(以下、炭
化珪素Aとする)が好ましい。この炭化珪素Aは、14
00℃でも30Kg/mm2以上の強度を保持しており
本発明の材質として最適である。より好ましくは、ホウ
素の含有量を0.1〜0.5重量%とするのがよく、
0.1重量%未満ではセラミックとして焼結するのが難
しく、0.5重量%を超えると熱伝導率が高温(120
0℃程度)で劣化する。
材質としては、自由炭素を1.1〜10重量%、ホウ素
を0.1〜5重量%含有した立方晶炭化珪素(以下、炭
化珪素Aとする)が好ましい。この炭化珪素Aは、14
00℃でも30Kg/mm2以上の強度を保持しており
本発明の材質として最適である。より好ましくは、ホウ
素の含有量を0.1〜0.5重量%とするのがよく、
0.1重量%未満ではセラミックとして焼結するのが難
しく、0.5重量%を超えると熱伝導率が高温(120
0℃程度)で劣化する。
【0022】また、炭化珪素Aの製造方法は、平均粒径
1μm以下の炭化珪素粉末に対し、C(炭素)、B(ホ
ウ素)等を焼結助剤として添加し、これを成形後、Ar
等の不活性雰囲気下で2000〜2050゜Cで焼成す
るといったものである。
1μm以下の炭化珪素粉末に対し、C(炭素)、B(ホ
ウ素)等を焼結助剤として添加し、これを成形後、Ar
等の不活性雰囲気下で2000〜2050゜Cで焼成す
るといったものである。
【0023】上記の抗折強度は、4点曲げ法(JIS−
R1601)等により測定でき、1200℃での熱伝導
率は公知のレーザフラッシュ法等で測定可能である。
R1601)等により測定でき、1200℃での熱伝導
率は公知のレーザフラッシュ法等で測定可能である。
【0024】本発明の伝熱管1は、焼却炉、溶融炉等の
燃焼炉に設置されるものであり、特に1000℃以上の
高温の排ガスが排出される燃焼炉に適する。また、熱交
換用の流体は、空気の他に窒素ガス等の不活性ガス、水
等の常温で液状のものであってもよい。
燃焼炉に設置されるものであり、特に1000℃以上の
高温の排ガスが排出される燃焼炉に適する。また、熱交
換用の流体は、空気の他に窒素ガス等の不活性ガス、水
等の常温で液状のものであってもよい。
【0025】かくして、本発明は、1200℃〜130
0℃という高温の温度環境で、しかも腐食性の強いHC
lガス等が存在する環境でも長期間使用でき、なおかつ
熱効率に優れるという作用効果を有する。
0℃という高温の温度環境で、しかも腐食性の強いHC
lガス等が存在する環境でも長期間使用でき、なおかつ
熱効率に優れるという作用効果を有する。
【0026】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
ものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0027】
【実施例】本発明の実施例について以下に説明する。
【0028】耐熱性が良好な各種セラミック、即ち、ア
ルミナを主成分とするもの、ジルコニアを主成分とする
もの、炭化珪素A、炭化珪素B、窒化珪素A、窒化珪素
Bの高温強度を、200℃毎に温度を上げて測定した。
ルミナを主成分とするもの、ジルコニアを主成分とする
もの、炭化珪素A、炭化珪素B、窒化珪素A、窒化珪素
Bの高温強度を、200℃毎に温度を上げて測定した。
【0029】ここで、炭化珪素Aとは、上記の通り炭化
珪素を主成分とし、焼結助剤としてホウ素、炭素等を含
み固相焼結したもので、SiCを約99.0重量%含有
するものとした。
珪素を主成分とし、焼結助剤としてホウ素、炭素等を含
み固相焼結したもので、SiCを約99.0重量%含有
するものとした。
【0030】炭化珪素Bは、焼結助剤としてアルミナ、
イットリアを含み液相焼結したものであり、SiCを約
98.0重量%含有するものとした。
イットリアを含み液相焼結したものであり、SiCを約
98.0重量%含有するものとした。
【0031】窒化珪素Aは、窒化珪素を主成分とし、焼
結助剤としてアルミナ、イットリアを少量含み、ガス圧
下で焼結したものであり、Si3 N4 を90.0重量%
程度含有するものとした。
結助剤としてアルミナ、イットリアを少量含み、ガス圧
下で焼結したものであり、Si3 N4 を90.0重量%
程度含有するものとした。
【0032】窒化珪素Bは、窒化珪素を主成分とし、焼
結助剤としてアルミナ、イットリアを含むもので、Si
3 N4 を88.0重量%程度含有するものとした。
結助剤としてアルミナ、イットリアを含むもので、Si
3 N4 を88.0重量%程度含有するものとした。
【0033】測定の結果を図3に示す。同図に示すよう
に、アルミナやジルコニアを主成分とするセラミック、
窒化珪素A,B及び炭化珪素Bでは、高温での曲げ強度
が急激に劣化して、本発明用の材料としては不適であっ
た。また、HClに対する耐食性については、ステンレ
スに比べ炭化珪素は遥かに優れていた。
に、アルミナやジルコニアを主成分とするセラミック、
窒化珪素A,B及び炭化珪素Bでは、高温での曲げ強度
が急激に劣化して、本発明用の材料としては不適であっ
た。また、HClに対する耐食性については、ステンレ
スに比べ炭化珪素は遥かに優れていた。
【0034】次に、図1(a)の伝熱管1を、炭化珪素
Aから成り高温での熱伝導率が異なる5種の炭化珪素1
〜5で作製し、熱交換テストを行った。伝熱管1は、排
気ダクト7内に吊った状態で固定し易いように、フラン
ジ2を設けた。その伝熱管1内部にステンレス管を同軸
上にセットし、ステンレス管より300℃の空気を吹き
込み、伝熱管1内面に沿って空気が排出されるように構
成した。伝熱管1の外部の雰囲気温度を1200℃と
し、評価方法は、排出された空気の温度が600℃以上
のものを合格(丸印)、600℃未満のものを不合格
(バツ印)、700℃程度(700±10℃)以上のも
のを良好(2重丸印)とした。
Aから成り高温での熱伝導率が異なる5種の炭化珪素1
〜5で作製し、熱交換テストを行った。伝熱管1は、排
気ダクト7内に吊った状態で固定し易いように、フラン
ジ2を設けた。その伝熱管1内部にステンレス管を同軸
上にセットし、ステンレス管より300℃の空気を吹き
込み、伝熱管1内面に沿って空気が排出されるように構
成した。伝熱管1の外部の雰囲気温度を1200℃と
し、評価方法は、排出された空気の温度が600℃以上
のものを合格(丸印)、600℃未満のものを不合格
(バツ印)、700℃程度(700±10℃)以上のも
のを良好(2重丸印)とした。
【0035】尚、炭化珪素1〜5の熱伝導率は、φ(直
径)10mm×t(長さ)2mmの棒状のテストピース
を作成し、レーザーフラッシュ法により1200℃での
熱伝導率を測定した。結果は表1の通りである。
径)10mm×t(長さ)2mmの棒状のテストピース
を作成し、レーザーフラッシュ法により1200℃での
熱伝導率を測定した。結果は表1の通りである。
【0036】
【表1】
【0037】これにより、1200℃での熱伝導率が3
0W/mK以上、好ましくは40W/mK以上が有効で
あることがわかる。
0W/mK以上、好ましくは40W/mK以上が有効で
あることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、伝熱管が、1400℃におけ
る抗折強度が30kg/mm2 以上であり、かつ120
0℃での熱伝導率が30W/mK以上である炭化珪素質
焼結体から成ることにより、伝熱管の熱交換器本体に対
する接続箇所が1ヵ所、若しくは接続箇所が無くなり、
その結果1200℃〜1300℃という温度環境で、し
かも腐食性の強いHClガス等が存在する環境でも破損
することなく長期間使用でき、なおかつ熱効率に優れる
伝熱管となる。
る抗折強度が30kg/mm2 以上であり、かつ120
0℃での熱伝導率が30W/mK以上である炭化珪素質
焼結体から成ることにより、伝熱管の熱交換器本体に対
する接続箇所が1ヵ所、若しくは接続箇所が無くなり、
その結果1200℃〜1300℃という温度環境で、し
かも腐食性の強いHClガス等が存在する環境でも破損
することなく長期間使用でき、なおかつ熱効率に優れる
伝熱管となる。
【0039】また、伝熱管の閉塞部の形状が凸状曲面で
あり、その開口の周囲にフランジを有するよう構成する
ことで、排気ダクト内に吊り下げた状態で確実な固定が
可能となり、かつ閉塞部側において空気等の流体の流れ
をスムーズにして熱効率が高まる。
あり、その開口の周囲にフランジを有するよう構成する
ことで、排気ダクト内に吊り下げた状態で確実な固定が
可能となり、かつ閉塞部側において空気等の流体の流れ
をスムーズにして熱効率が高まる。
【図1】本発明の熱交換器用伝熱管を示し、(a)はフ
ランジが一体化されたものの断面図、(b)はフランジ
が別体であるものの断面図である。
ランジが一体化されたものの断面図、(b)はフランジ
が別体であるものの断面図である。
【図2】本発明の熱交換器用伝熱管を設けた焼却炉の概
略を示すブロック図である。
略を示すブロック図である。
【図3】各種セラミック材料の高温における曲げ強度を
示すグラフである。
示すグラフである。
1:伝熱管 2:フランジ 3:空気管 4:空気管 5:空気管 6:焼却炉 7:排気ダクト
Claims (1)
- 【請求項1】一端が開口され他端が閉塞している筒状体
を成し、前記閉塞部側が燃焼炉の排気ダクト中に晒さ
れ、その内部で熱交換用の流体を流通させる熱交換器用
伝熱管であって、1400℃における抗折強度が30k
g/mm2 以上であり、かつ1200℃での熱伝導率が
30W/mK以上である炭化珪素質焼結体から成ること
を特徴とする熱交換器用伝熱管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10018791A JPH11211375A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 熱交換器用伝熱管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10018791A JPH11211375A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 熱交換器用伝熱管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11211375A true JPH11211375A (ja) | 1999-08-06 |
Family
ID=11981438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10018791A Pending JPH11211375A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 熱交換器用伝熱管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11211375A (ja) |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP10018791A patent/JPH11211375A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |