JP2996128B2 - 耐高温腐食用空気加熱器 - Google Patents

耐高温腐食用空気加熱器

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JP2996128B2
JP2996128B2 JP7057402A JP5740295A JP2996128B2 JP 2996128 B2 JP2996128 B2 JP 2996128B2 JP 7057402 A JP7057402 A JP 7057402A JP 5740295 A JP5740295 A JP 5740295A JP 2996128 B2 JP2996128 B2 JP 2996128B2
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健蔵 三浦
純直 友保
英洋 木内
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐高温腐食用空気加熱器
に係り、特に、都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉にお
いて、ごみや廃棄物焼却処理で発生する高温の燃焼ガス
の熱エネルギーを低温空気と熱交換することにより回収
し、熱エネルギーの有効利用を図るための耐高温腐食用
空気加熱器に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉にお
いて、ごみや廃棄物の焼却処理で発生する高温の燃焼ガ
スの熱エネルギーを回収して有効利用するために、空気
加熱器が設けられている。
【0003】空気加熱器は、金属製伝熱管内に低温空気
を流通させて、高温の燃焼ガスとの熱交換でこれを高温
に加熱して熱回収するものであって、二酸化炭素の排出
など地球環境に悪影響を及ぼすことのない、高効率のエ
ネルギー資源回収システムである。しかして、回収され
た熱エネルギーは、ごみの熱分解、発電、その他の施設
に有効利用されている。
【0004】従来の空気加熱器の伝熱管は、焼却炉内に
直接挿入配置されている。
【0005】ところで、都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼
却炉で発生する燃焼ガスは、ごみや廃棄物に起因する塩
素や塩化水素などの、高温における金属との反応で生成
した生成物が短時間で蒸発損失してしまうような、著し
く腐食性の高い腐食性物質を含む高腐食性のガスであ
る。従って、これらの焼却炉内に設置され、高温、高腐
食性ガス雰囲気中にさらされる空気加熱器の伝熱管にあ
っては、その材質の面からも、構造の面からも、このよ
うな高温の腐食性ガスに対して十分な耐食性を有するこ
とが要求される。
【0006】従来、各種耐食性合金についての開発は進
められているが、このような焼却炉の高温、高腐食性ガ
スに対して十分な耐食性を示す耐食性合金は見出されて
いない。
【0007】このため、従来、空気加熱器の耐食性向上
のための手段として、 金属製伝熱管にスタッドピンを溶接し、その周囲に
不定形耐火物を設置する。 金属製伝熱管に直方体を基本とする耐火物れんがを
縦横の目地で繋いで設置する。 などの方式が考えられている。
【0008】これらの方式においては、耐火物が腐食性
ガス相における対流や相互拡散の物理的な障壁として働
き、酸素、塩素等の腐食性ガスの伝熱管表面への到達や
反応生成物のガス相内での輸送を抑止するといった作用
で、伝熱管の腐食をある程度は防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
,の耐火物配設方式においては、次のような問題が
あった。
【0010】即ち、前記の場合には、伝熱管端部や管
寄部において、スタッドピンの損傷、不定形耐火物の割
れや局所的な剥離、脱落がある。また、前記の場合に
も、耐火物れんがの局所的な剥離、脱落がある。また、
いずれの場合においても、金属製伝熱管の損傷などの深
刻な腐食現象があり、空気加熱器寿命が極めて短いとい
う問題がある。
【0011】これらは、耐火物と金属製伝熱管との熱膨
張差により、耐火物にクラックを生じ、耐火物を固定す
るための金具が腐食損傷し、また、耐火物の損傷・剥離
を起こし、耐火物の耐食効果が失われることが大きな要
因と考えられる。
【0012】本発明は上記従来の問題点を解決し、伝熱
管を耐火物で保護した空気加熱器において、耐火物の剥
離、損傷等の問題がなく、焼却炉の高温、高腐食性ガス
雰囲気における耐食性、耐久性に著しく優れた耐高温腐
食用空気加熱器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の耐高温腐食用
空気加熱器は、高温腐食性ガス雰囲気中に設けられ、該
高温腐食性ガスとの熱交換で伝熱管内を流通する空気を
加熱する耐高温腐食用空気加熱器において、該伝熱管
は、先端が開放された金属製伝熱内管と、該内管を覆う
ように該内管と同軸的に、かつ、該内管との間に間隙を
設けて配置された、先端が封止された金属製伝熱外管と
を備え、被加熱空気は内管を流通した後、内管の開放先
端から内管と外管との間の間隙を通過する間に高温腐食
性ガスにより加熱される耐高温腐食用空気加熱器であっ
て、該外管を覆う、先端が封止された耐火材製保護管
が、該外管と同軸的にかつ該外管との間に間隙を介して
設けられていることを特徴とする。
【0014】請求項2の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項1の加熱器において、前記保護管は、その内面に設
けられた凹部と、前記外管の外面に設けられた凸部との
係合により、該外管に支持されていることを特徴とす
る。
【0015】請求項3の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項2の加熱器において、該保護管の凹部は、該保護管
の封止端面内面に設けられたアリ穴であり、前記外管の
凸部は、該外管の封止端面外面に設けられた先太のアリ
状突起であることを特徴とする。
【0016】請求項4の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項1ないし3のいずれかの加熱器において、前記外管
には、その内部を流通する空気の一部を該外管と前記保
護管との間に流出させる微小な貫通孔が設けられている
ことを特徴とする。
【0017】請求項5の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項1ないし4のいずれかの加熱器において、前記外管
の外表面に耐食性被覆膜が形成されていることを特徴と
する。
【0018】請求項6の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項5の加熱器において、前記耐食性被覆膜が安定な酸
化物、例えば、アルミナ、シリカ、またはそれらを含む
ムライト、スピネル等の混合酸化物、であることを特徴
とする。
【0019】請求項7の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項3の加熱器において、前記突起は前記外管に螺着さ
れたボルトであり、該ボルトには、該伝熱管の内部に連
通した通気孔が設けられていることを特徴とする。
【0020】請求項8の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項1ないし7のいずれか1項の加熱器において、前記
耐火材製保護管は、耐火物の気孔を埋める封孔処理がな
されたものであることを特徴とする。
【0021】請求項9の耐高温腐食用空気加熱器は、請
求項1ないし8のいずれか1項の加熱器において、前記
耐火材製保護管の先端面に、付勢部材で付勢された押棒
を受け入れる凹陥部が設けられていることを特徴とす
る。
【0022】
【作用】請求項1の耐高温腐食用空気加熱器にあって
は、伝熱外管と耐火材製保護管との間に間隙が設けられ
ていることから、伝熱外管を構成する金属と、保護管を
構成する耐火材との熱膨張差が生じても、熱膨張による
変化が互いに伝播されにくいために、保護管の損傷、剥
離、脱落等が防止される。
【0023】請求項2,3の耐高温腐食用空気加熱器に
よれば、保護管は伝熱外管に対して比較的自由にスライ
ドできるため、熱膨張差に起因する保護管の損傷、剥
離、脱落等はより一層確実に防止される。また、保護管
と伝熱外管との支持構造が簡素化される上に、支持部が
極小化され、保護管の耐火材の目地部の比率が低減され
ることによっても、保護管や伝熱外管の損傷は防止され
るようになる。
【0024】請求項4の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、伝熱外管から伝熱外管と保護管との間の間隙に空気
が流出されることにより、保護管の外側から保護管を通
過して保護管内へ流れる腐食性ガス量の低減を図ること
ができ、これにより、伝熱外管の腐食をより一層確実に
防止することができる。
【0025】請求項5の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、伝熱外管の外表面に形成した耐食性被覆膜により、
伝熱外管を更に確実に腐食から保護することができる。
【0026】請求項6の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、特に優れた腐食防止効果を得ることができる。
【0027】請求項7の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、保護管が伝熱管に対ししっかりと保持されると共
に、この保持のためのボルト表面が空気層で保護され、
該ボルトの劣化が防止される。
【0028】請求項8の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、耐火材製保護管を拡散透過するガス量が低減され
る。
【0029】請求項9の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、耐火材製保護管をその管軸方向に押圧して保持する
ことができる。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の耐高温腐食用
空気加熱器の実施例について詳細に説明する。
【0031】図1〜3は本発明の実施例に係る耐高温腐
食用空気加熱器を示す縦断面図、図4は本発明の耐高温
腐食用空気加熱器の設置形態を示す横断面図である。
【0032】図1に示す耐高温腐食用空気加熱器10
は、先端が開放された金属製伝熱内管1と、この内管1
を覆うように内管1と同軸的に、かつ、内管1との間に
間隙2を設けて配置された、先端が封止された金属製伝
熱外管3とからなる伝熱管4を有し、この伝熱管4を覆
うように、先端が封止された耐火材製保護管5が、伝熱
管4と同軸的にかつ伝熱管4の外管3との間に間隙6を
設けて設けられたものである。
【0033】この耐高温腐食用空気加熱器10は、伝熱
管4及び保護管5が、その軸方向が鉛直方向となるよう
に配置されており、保護管5の下端の封止端面5Aの内
面にはアリ穴5a,5bが設けられ、一方、外管3下端
の封止端面3Aの外面には、保護管5のアリ穴5a,5
bと係合可能なアリ状の突起3a,3bが設けられてい
る。保護管5は、このアリ穴5a,5bと突起3a,3
bとの係合により、伝熱管4に対して支持されている。
本実施例において、保護管5は、このアリ穴5a,5b
と突起3a,3bとの係合によってのみ伝熱管4に対し
て支持されており、他の支持機能は設けられていない。
【0034】本実施例の耐高温腐食用空気加熱器10
は、焼却炉の高温、高腐食性ガス流(矢印B)内に配置
される。被加熱空気は、伝熱内管1内を下降した後、内
管1の開放先端1Aから内管と外管との間隙2を上昇し
(矢印A)、その間に、外部の高温、高腐食性ガス流B
により加熱される。
【0035】なお、伝熱管4の基端(上端)側には図示
しない被加熱空気の導入手段と加熱空気の取出手段が設
けられており、回収された熱エネルギーの有効利用を図
るように構成されている。
【0036】この耐高温腐食用空気加熱器10におい
て、伝熱管4は、外面が耐火材製保護管5で覆われてい
るため、高温、高腐食性ガスによる腐食から保護され
る。しかも、伝熱外管3と耐火材製保護管5との間に間
隙6が設けられているため、伝熱外管3を構成する金属
と、保護管5を構成する耐火材との間に熱膨張差が生じ
ても、熱膨張による寸法変化が互いに伝播されにくいた
めに、保護管5の損傷、剥離、脱落等が防止される。
【0037】その上、保護管5は、伝熱管4に対して下
端の係合部においてのみ支持され、保護管5は伝熱外管
3に対して自由にスライドできるため、熱膨張差に起因
する保護管5の損傷、剥離、脱落等はより一層確実に防
止される。
【0038】また、保護管5と伝熱外管3との支持構造
が簡素で、保護管5の耐火材の目地部の比率が低いこと
によっても、伝熱外管3の損傷は防止されるようにな
る。
【0039】図2に示す耐高温腐食用空気加熱器10A
は、伝熱外管3に微小な貫通孔7が設けられており、外
管3の内部を流通する空気の一部を外管3と保護管5と
の間の間隙6に流出させる(矢印C)ように構成されて
いる点が、図1に示す耐高温腐食用空気加熱器10と異
なる。この耐高温腐食用空気加熱器10Aの他の構成は
上記耐高温腐食用空気加熱器10と同様であり、同一機
能を奏する部材には同一符号を付してある。
【0040】この耐高温腐食用空気加熱器10Aであれ
ば、外管3から外管3と保護管5との間の間隙6に空気
が流出され、間隙6の圧力が外部雰囲気に対して正圧の
状態に保持される。これにより、保護管5の外側から保
護管5を通過して保護管5内へ到達する腐食性ガス量の
低減を図ることができ、従って、外管3の腐食をより一
層確実に防止することができる。
【0041】図3に示す耐高温腐食用空気加熱器10B
は、伝熱外管3の外表面に耐食性被覆膜8が形成されて
いる点が、図1に示す耐高温腐食用空気加熱器10と異
なる。耐高温腐食用空気加熱器10Bは、その他の構成
については耐高温腐食用空気加熱器10と同様であり、
同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。耐食
性被覆膜の材質としては、アルミナ、シリカ等の単独酸
化物またはそれらを含むムライト、スピネル等の複合酸
化物が好ましく、その膜厚は、耐食性、耐熱サイクル性
等の確保の面から必要な厚さが選ばれる。
【0042】この耐高温腐食用空気加熱器10Bであれ
ば、外管3の外表面に形成された耐食性被覆膜8によ
り、外管3を更に確実に腐食から保護することができ
る。なお、この図3の加熱器10Bにおいても、図2に
示す貫通孔7を伝熱外管3に設けても良い。
【0043】図5に示す耐高温腐食用空気加熱器10C
においては、伝熱外管3の先端に外管キャップ部11が
溶接等により固着されており、この外管キャップ部11
に雌螺子穴12が穿設されている。保護管5の先端には
耐火物モルタル13を介して保護管キャップ部14が設
けられている。この保護管キャップ部14の内面にはア
リ穴15が凹設されており、アリ状の頭部を有した支持
ボルト16の該頭部が該アリ穴15に埋込まれている。
この支持ボルト16のねじ棒部分が前記雌螺子穴12に
螺じ込まれている。
【0044】外管キャップ部11及び支持ボルト16に
は、伝熱管4内の空気を導入して支持ボルト16の表面
を保護するための空気孔17,18,19が穿設されて
いる。なお、空気孔17,18は一直線状に連なってお
り、空気孔19は空気孔18に対し直角に交わってい
る。その他の符号は図1〜3と同一部分を示している。
【0045】図6に示す耐高温腐食用空気加熱器10D
においては、伝熱外管3の先端面部分に雌螺子孔20が
穿設され、この雌螺子孔20に支持ボルト16のねじ棒
部分がねじ込まれている。この支持ボルト16にリング
状の耐火物受け金具21が外嵌され、この耐火物受け金
具21を介して保護管5が支持されている。支持ボルト
16には空気孔18から空気を隙間6に流出させるため
の孔22が設けられている。その他の符号は図5と同一
部分を示している。
【0046】この図5,図6の耐高温腐食用空気加熱器
にあっては、支持ボルト16によって保護管5がきわめ
てしっかりと保持される。また、支持ボルト16が空気
孔18,19を有し、この空気孔18,19内に伝熱管
4内の空気が流入するようになるため、支持ボルト16
の表面が保護され、その耐久性が高いものとなる。
【0047】図7は耐高温腐食用空気加熱器10Eの焼
却炉内における支持方式の一例を示す断面図であり、ガ
ス煙道25に耐高温腐食用空気加熱器10Eがガス流B
と直交方向に挿入されている。この耐高温腐食用空気加
熱器10Eの耐火材製保護管5の先端面に凹陥部26が
設けられ、該凹陥部26に押棒27の先端が挿入されて
いる。押棒27は、バネ28によって付勢され、耐高温
腐食用空気加熱器10Eを図の右方向に押圧している。
29は静止壁を示す。
【0048】耐高温腐食用空気加熱器10Eの保護管5
の後端部は、静止壁30に設けられた環状の受座31に
嵌合されている。この静止壁31には、耐高温腐食用空
気加熱器10Eの伝熱管4と保護管5との間の隙間6か
らの空気(ガスが混入した空気)を取り出すためのケー
ス32が設置されている。伝熱内管1内に空気が送り込
まれ、伝熱外管3と伝熱内管1との間から加熱された空
気が取り出される。
【0049】この図7の耐高温腐食用空気加熱器の設置
構造によると、保護管5に対しバネ28によって管軸心
方向の圧縮荷重が加えられるため、保護管5に曲げ応力
が全く又は殆どかからないようにすることができる。こ
れにより、耐火材製保護管5の耐久性が著しく高められ
る。
【0050】なお、耐高温腐食用空気加熱器が垂下方向
に設置された場合に同様のバネによって管軸心方向に上
向きに押圧すると、保護管5に引張応力が全く又は殆ど
かからないようになり、同様に保護管5の耐久性が高め
られる。
【0051】本発明の耐高温腐食用空気加熱器におい
て、伝熱管を構成する金属としては、耐熱性、耐食性に
優れたSUS310等が好ましい。また、伝熱管の内管
及び外管の肉厚は、強度や耐久性、重量等の面から4〜
6mm程度であることが好ましい。
【0052】空気の流通路となる内管の内径は30〜7
0mm、外管と内管との間隙の幅(外管の内径と内管の
外径との差の1/2)は10〜30mmであることが好
ましい。
【0053】耐火材製保護管を構成する耐火材として
は、ごみ焼却灰中の成分と反応しても低融点化合物を生
成させない耐火物が好適であり、例えば高アルミナ質耐
火物やクロミア質耐火物、炭化珪素耐火物などが好まし
い。
【0054】保護管の肉厚は、伝熱効率や耐腐食性の確
保の面から20〜35mm程度とするのが好ましい。ま
た、保護管と伝熱外管との間の間隙(保護管の内径と外
管の外径との差の1/2)は大き過ぎると伝熱効率が低
下し、また、空気加熱器が大型化し、逆に、小さ過ぎる
と熱膨張差による損傷を十分に防止し得ないため、1〜
2mm程度とするのが好ましい。
【0055】この耐火材に対し封孔処理を施すことによ
り、保護管を拡散透過するガス量を著しく少なくするこ
とができると共に、耐火材それ自体の耐食性を高めるこ
ともできる。封孔処理を行なうには、耐火材の気孔を閉
塞させるためのアルミナゾル、アルミナスラリーなどの
液中に該耐火材製保護管を浸漬し、その後乾燥、焼成す
れば良い。このような封孔処理を施すと、例えば処理前
の平均気孔径が10μm程度であったものを平均気孔径
が5μm以下にすることができる。
【0056】このような本発明の耐高温腐食用空気加熱
器の焼却炉内での配置形態としては特に制限はなく、一
般には、ダストが付着し難い場合には、伝熱有効面を大
きくとるために孤立設置とし、ダストが付着し易い場合
には、図4(a)(保護管5が円管の場合),(b)
(保護管5が角管の場合)に示す如く、複数集合設置と
するのが好ましい。
【0057】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の耐高温腐食
用空気加熱器によれば、伝熱管を耐火物で保護した空気
加熱器において、耐火物の剥離、損傷等の問題がなく、
従って、伝熱管の腐食が著しく低減され、焼却炉の高
温、高腐食性ガス雰囲気における耐食性、耐久性に著し
く優れた耐高温腐食用空気加熱器が提供される。
【0058】請求項2,3の耐高温腐食用空気加熱器に
よれば、保護管の損傷、剥離、脱落等はより一層確実に
防止される。
【0059】請求項4,5の耐高温腐食用空気加熱器に
よれば、伝熱管の腐食をより一層確実に防止することが
できる。
【0060】請求項6の耐高温腐食用空気加熱器によれ
ば、特に優れた腐食防止効果を得ることができる。
【0061】請求項7の耐高温腐食用空気加熱器は、保
護管が伝熱管に対し安定して支持されていると共に、耐
久性にも優れる。
【0062】請求項8の耐高温腐食用空気加熱器は、耐
火材製保護管を拡散透過して外管と保護管との間の隙間
に達するガス量がきわめて少なくなり、外管の耐食性が
高められると共に、耐火材製保護管それ自体の耐食性も
高いものとなる。
【0063】請求項9の耐高温腐食用空気加熱器による
と、耐火材製保護管に加えられる曲げ荷重や引張荷重を
著しく小さくすることができ、耐火材製保護管の耐久性
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る耐高温腐食用空気加熱器10を示
す縦断面図である。
【図2】実施例に係る耐高温腐食用空気加熱器10Aを
示す縦断面図である。
【図3】実施例に係る耐高温腐食用空気加熱器10Bを
示す縦断面図である。
【図4】本発明の耐高温腐食用空気加熱器の配置形態を
示す横断面図である。
【図5】実施例に係る耐高温腐食用空気加熱器10Cを
示す縦断面図である。
【図6】実施例に係る耐高温腐食用空気加熱器10Dを
示す縦断面図である。
【図7】実施例に係る耐高温腐食用空気加熱器の設置例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 伝熱内管 2,6 間隙 3 伝熱外管 3a,3b 突起 5 保護管 5a,5b アリ穴 7 貫通孔 8 耐食性被覆膜 10,10A,10B,10C,10D,10E 耐高
温腐食用空気加熱器 11 外管キャップ部 14 保護管キャップ部 16 支持ボルト 17,18,19 空気孔 26 凹陥部 27 押棒 28 バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木内 英洋 岡山県玉野市玉3丁目1番1号 三井造 船株式会社玉野事業所内 (56)参考文献 特開 平7−248110(JP,A) 特開 昭63−233201(JP,A) 実開 昭60−146248(JP,U) 実開 平6−40668(JP,U) 欧州特許出願公開47346(EP,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23G 5/46 ZAB F23G 5/48 ZAB

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温腐食性ガス雰囲気中に設けられ、該
    高温腐食性ガスとの熱交換で伝熱管内を流通する空気を
    加熱する耐高温腐食用空気加熱器において、 該伝熱管は、先端が開放された金属製伝熱内管と、該内
    管を覆うように該内管と同軸的に、かつ、該内管との間
    に間隙を設けて配置された、先端が封止された金属製伝
    熱外管とを備え、被加熱空気は内管を流通した後、内管
    の開放先端から内管と外管との間の間隙を通過する間に
    高温腐食性ガスにより加熱される耐高温腐食用空気加熱
    器であって、 該外管を覆う、先端が封止された耐火材製保護管が、該
    外管と同軸的にかつ該外管との間に間隙を介して設けら
    れていることを特徴とする耐高温腐食用空気加熱器。
  2. 【請求項2】 請求項1の加熱器において、前記保護管
    は、その内面に設けられた凹部と、前記外管の外面に設
    けられた凸部との係合により、該外管に支持されている
    ことを特徴とする耐高温腐食用空気加熱器。
  3. 【請求項3】 請求項2の加熱器において、該保護管の
    凹部は、該保護管の封止端面内面に設けられたアリ穴で
    あり、前記外管の凸部は、該外管の封止端面外面に設け
    られた先太のアリ状突起であることを特徴とする耐高温
    腐食用空気加熱器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの加熱器に
    おいて、前記外管には、その内部を流通する空気の一部
    を該外管と前記保護管との間に流出させる微小な貫通孔
    が設けられていることを特徴とする耐高温腐食用空気加
    熱器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの加熱器に
    おいて、前記外管の外表面に耐食性被覆膜が形成されて
    いることを特徴とする耐高温腐食用空気加熱器。
  6. 【請求項6】 請求項5の加熱器において、前記耐食性
    被覆膜が安定な酸化物、例えば、アルミナ、シリカ、ま
    たはそれらを含むムライト、スピネル等の混合酸化物、
    であることを特徴とする耐高温腐食用空気加熱器。
  7. 【請求項7】 請求項3の加熱器において、前記突起は
    前記外管に螺着されたボルトであり、該ボルトには、該
    伝熱管の内部に連通した通気孔が設けられていることを
    特徴とする耐高温腐食用空気加熱器。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項の加熱
    器において、前記耐火材製保護管は、耐火物の気孔を埋
    める封孔処理がなされたものであることを特徴とする耐
    高温腐食用空気加熱器。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項の加熱
    器において、前記耐火材製保護管の先端面に、付勢部材
    で付勢された押棒を受け入れる凹陥部が設けられている
    ことを特徴とする耐高温腐食用空気加熱器。
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