JPH07146092A - 熱交換器用伝熱管の製造方法 - Google Patents

熱交換器用伝熱管の製造方法

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JPH07146092A
JPH07146092A JP29285393A JP29285393A JPH07146092A JP H07146092 A JPH07146092 A JP H07146092A JP 29285393 A JP29285393 A JP 29285393A JP 29285393 A JP29285393 A JP 29285393A JP H07146092 A JPH07146092 A JP H07146092A
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JP
Japan
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alloy
heat
coating
coat
heat transfer
Prior art date
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Pending
Application number
JP29285393A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Yamada
勝弘 山田
Masahiro Koyama
正洋 小山
Takao Otsuka
隆夫 大塚
Morihiko Osawa
守彦 大澤
Junji Morimoto
純司 森本
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Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 管体9の外周に、Co−Cr−Al−Y合
金、Co−Ni−Cr−Al−Y合金、Co−Ni−C
r−Al−Ta−Y合金、Ni−Cr−Al−Y合金の
うちの一種からなる第一皮膜14を高速火炎溶射により
形成し、該第一皮膜14の外側に、Al2 3 −MgO
基セラミックスからなる第二皮膜15を高速火炎溶射に
より形成する。 【効果】 皮膜部が腐食性の高いClやSを管体に侵入
を防止することができ、また繰り返しの過熱冷却サイク
ルに充分に耐えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばごみ焼却炉に配
置される熱交換器用伝熱管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみは高カロリー化しており
その焼却温度も高温化しているのが現状である。そこ
で、都市ごみを焼却するごみ焼却炉などに配置される熱
交換器の伝熱管には、管体の表面にステンレスプロテク
ター、セラミックスプロテクター、あるいはセラミック
スキャスターの塗布や溶射を行い、伝熱管の腐食防止を
しているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の伝熱管にお
いて、ステンレスプロテクターは強度が低いため肉厚を
厚くする必要があり、このことにより熱交換率を悪くし
てしまう。
【0004】またセラミックスプロテクターやセラミッ
クスキャスターはそのものが熱伝導率が悪く、また伝熱
管の全面に設けることができないため、伝熱管の部分的
な腐食が激しくなってしまう。
【0005】なお近年、管体の表面にステンレスプロテ
クター、セラミックスプロテクター、あるいはセラミッ
クスキャスターの塗布や溶射を行う代わりに、管体に、
Ni−Cr系皮膜を溶射して、伝熱管の腐食防止をする
技術があるが、いまだ伝熱管の腐食防止は充分でない。
【0006】そこで本発明は、上記課題を解決し得る熱
交換器用伝熱管の製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における課題を解
決するための手段は、管体の外周に、Co−Cr−Al
−Y合金、Co−Ni−Cr−Al−Y合金、Co−N
i−Cr−Al−Ta−Y合金、Ni−Cr−Al−Y
合金のうちの一種からなる第一皮膜を高速火炎溶射によ
り形成し、該第一皮膜の外側に、Al2 3 −MgO基
セラミックスからなる第二皮膜を高速火炎溶射により形
成するものである。
【0008】
【作用】上記課題手段によると、管体の外周に、Co−
Cr−Al−Y合金、Co−Ni−Cr−Al−Y合
金、Co−Ni−Cr−Al−Ta−Y合金、Ni−C
r−Al−Y合金のうちの一種を第一皮膜として高速火
炎溶射により形成し、第一皮膜の外側に、Al2 3
MgO基セラミックスからなる第二皮膜を高速火炎溶射
により形成することにより、伝熱管の腐食を確実に防止
する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図7に基いて
説明する。図1に示すように、都市ごみなどを焼却する
焼却炉Aの内部の一側に、燃焼ガス1を上向きに案内す
る第一煙道2が配置され、前記ごみ焼却炉Aの内部の他
側に、燃焼ガス1を下向きに案内する第二煙道4が第一
煙道2に仕切り壁3を介して配置され、前記第一煙道2
および第二煙道4は互いの上端部で連通され、この連通
部分にスクリーン装置5が配置されている。
【0010】前記両煙道2,3を構成する水冷壁20
に、燃焼ガス1の熱回収用の伝熱管(水管)21が配置
され、図2に示すようにこの伝熱管21は、メンブレン
壁に周面の略半分だけ埋設された軟鋼製の管体9と、該
管体9の外周に固着された耐高熱性皮膜部13とから構
成され、該耐高熱性皮膜部13は、前記管体9の外周前
面(燃焼ガスと接触する面)に固着された内側の第一皮
膜14と、該第一皮膜14の外側に固着された第二皮膜
15とから構成され、前記第一皮膜14はCo−Cr−
Al−Y合金であり、第二皮膜15はAl2 3 −Mg
O基セラミックスである。
【0011】上記のように構成された両伝熱管16,2
1は、第一皮膜14および第二皮膜15をともに、管体
9に対して爆発溶射(高速火炎溶射の一例)することに
より形成する。
【0012】また前記第二煙道4の出口4aに、複数本
の伝熱管16から構成された熱交換器6が配置され、該
熱交換器6は出口4aの左壁7と右壁8の間を長さ方向
として前後方向に軟鋼製の管体9を複数並列することで
形成され、この熱交換器6の燃焼ガス1排出側に過熱用
伝熱管10が配置されている。なお、前記熱交換器6の
下方にはスートブロワ用蒸気供給管12が設けられてい
る。
【0013】そして図4に示すように、前記伝熱管16
は管体9と、該管体9の外周全面に固着された耐高熱性
皮膜部13とから構成され、該耐高熱性皮膜部13は、
前記水冷壁20に設けた熱回収用の伝熱管21と同様
に、前記管体9の外周全面内側に固着されたCo−Cr
−Al−Y合金製の第一皮膜14と、該第一皮膜14の
外側に固着されたAl2 3 −MgO基セラミックス製
の第二皮膜15とから形成されている。
【0014】また第一皮膜14および第二皮膜15は、
耐高温性、耐食性、耐摩耗性に優れており、従って高温
の燃焼ガス1が水冷壁20の伝熱管21の外周前面ある
いは熱交換器6の伝熱管16の外周を通過しても、第一
皮膜14および第二皮膜15で保護されて、管体9が腐
食により減肉するのを防止することができる。
【0015】以下に本発明による伝熱管と、従来例によ
る伝熱管の腐食状況の比較を試験結果を用いて説明す
る。まず本発明の2種類のテストピースと、従来例の4
種類のテストピースとを作成した。そしてそれぞれの形
状、成分、爆発溶射の内容は下記(表1)の通りであ
る。
【0016】
【表1】
【0017】なお本発明1,2のテストピースに使用し
たセラミックスは、71重量%Al 2 3 −29重量%
MgOである。そして試験方法は次の通りである。すな
わち、実際の使用状態に近付けるために、上記各テスト
ピースの表面に、実際に稼働しているごみ焼却炉から採
取した飛灰50%に対しアセトン50%(ともに重量
%)で攪拌して塗料状にしたものを5mg/m2の量だけ塗
布し、自然乾燥後に600℃に加熱した炉内に装入し
た。そして、実際に稼働しているごみ焼却炉の燃焼ガス
に準じた模擬燃焼ガスを600cc/min 、72hrにわた
って晒すことにより、各テストピースの腐食速度(減肉
量)を測定した。
【0018】なお採取した飛灰の成分は次の(表2)に
示す通りであり、模擬燃焼ガスの成分は次の(表3)に
示す通りである。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】このような試験によって得られた結果を図
5に示す。このグラフ図は横軸に模擬燃焼ガスの温度、
縦軸に腐食速度を示したものであり、従来例1,2,
3,4のテストピースに比べて本発明1,2によるテス
トピースは腐食速度が著しく低いことが証明された。
【0022】そして図6は、上記試験後の本発明のテス
トピースの腐食状態を、電子線マイクロアナライザーに
よって分析した結果である。このグラフ図において縦軸
は電子線マイクロアナライザーのカウント数、横軸は本
発明のテストピースに対しての侵食距離を示す。この図
6によれば、皮膜部に腐食性の高いClやSの侵入は見
られず、耐腐食性に優れていることが裏付けられてい
る。
【0023】さらに次のような実験を行った。すなわ
ち、STB340(JIS規格)相当の50mm×50mm
×5mmの板材に、50重量%Ni−50重量%Cr合金
をそれぞれ100,200,300μmの厚みで爆発溶
射し、各合金に71重量%Al 2 3 −29重量%Mg
O基セラミックスを同一の厚みで爆発溶射して従来のテ
ストピースとする。また同様の板材にCo−Cr−Al
−Y合金をそれぞれ100,200,300μmの厚み
で爆発溶射し、各合金に71重量%Al2 3 −29重
量%MgO基セラミックスを同一の厚みで爆発溶射して
本発明のテストピースとする。
【0024】そしてこれら6枚の板材を、1000℃雰
囲気の炉で20分間過熱し、空冷により常温に冷却する
といったことを繰り返すものである。この実験結果を図
7に示す。本発明によるもの、すなわちCo−Cr−A
l−Y合金にAl2 3 −MgO基セラミックスを爆発
溶射したものは、同図の縦軸である繰り返し数は高い値
を示し、このことから本発明によるものは、繰り返しの
過熱冷却サイクルに充分に耐え、耐剥離性に優れている
ことが証明された。
【0025】このように、Co−Cr−Al−Y合金製
の第一皮膜14の上に、Al2 3−MgO基セラミッ
クス製の第二皮膜15を爆発溶射することにより、管体
の腐食を防止することができるとともに皮膜部の剥離を
防止することができる。
【0026】また実際の焼却炉に使用した場合、第二皮
膜15に何らかの原因でひび割れが生じたり腐食が生じ
たりした場合、第二皮膜15の内側には、耐食性を有す
る第一皮膜14が爆発溶射されているので、これによっ
て管体の腐食を確実に防止することができる。
【0027】なお上記実施例では、第一皮膜をCo−C
r−Al−Y合金としたが、これに限定されるものでは
なく、Co−Ni−Cr−Al−Y合金、Co−Ni−
Cr−Al−Ta−Y合金あるいはNi−Cr−Al−
Y合金のいずれを用いてもよく、この場合も上記実施例
と同様の作用効果を奏する。
【0028】さらに、上記実施例ではごみ焼却炉の熱交
換器に適用した例を示したが、例えば発電用ボイラー設
備における熱交換器の伝熱管にも適用できる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よれば、管体の外周に、Co−Cr−Al−Y合金、C
o−Ni−Cr−Al−Y合金、Co−Ni−Cr−A
l−Ta−Y合金、Ni−Cr−Al−Y合金のうちの
一種を第一皮膜として高速火炎溶射により形成し、第一
皮膜の外側に、Al2 3 −MgO基セラミックスから
なる第二皮膜を高速火炎溶射により形成することによ
り、皮膜部に腐食性の高い例えばClやSが侵入を防止
することができるので、管体の耐腐食性を向上させるこ
とができる。
【0030】また繰り返しの過熱冷却サイクルに充分に
耐え得るので、長期使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すごみ焼却炉の内部構造図
である。
【図2】同じく水冷壁に設けた伝熱管の一部拡大断面図
である。
【図3】同じく熱交換器の拡大図である。
【図4】同じく熱交換器の拡大一部断面図である。
【図5】同じく本発明と従来例の試験結果の比較を示す
グラフ図である。
【図6】同じく本発明のテストピースの腐食状態を電子
線マイクロアナライザーによって分析した結果を示すグ
ラフ図である。
【図7】同じく本発明と従来例の試験結果の比較を示す
グラフ図である。
【符号の説明】
1 燃焼ガス 2 第一煙道 4 第二煙道 4a 出口 6 熱交換器 9 管体 13 耐高熱性皮膜部 14 第一皮膜 15 第二皮膜 16 伝熱管 20 水冷壁 21 伝熱管 A ごみ焼却炉
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】なお本発明1,2のテストピースに使用し
たセラミックスは、71重量%Al 2 3 −29重量%
MgOである。そして試験方法は次の通りである。すな
わち、実際の使用状態に近付けるために、上記各テスト
ピースの表面に、実際に稼働しているごみ焼却炉から採
取した飛灰50%に対しアセトン50%(ともに重量
%)で攪拌して塗料状にしたものを5mg/cm2 の量だけ
塗布し、自然乾燥後に600℃に加熱した炉内に装入し
た。そして、実際に稼働しているごみ焼却炉の燃焼ガス
に準じた模擬燃焼ガスを600cc/min 、72hrにわた
って晒すことにより、各テストピースの腐食速度(減肉
量)を測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大澤 守彦 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 森本 純司 兵庫県西宮市門戸荘7番17号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管体の外周に、Co−Cr−Al−Y合
    金、Co−Ni−Cr−Al−Y合金、Co−Ni−C
    r−Al−Ta−Y合金、Ni−Cr−Al−Y合金の
    うちの一種からなる第一皮膜を高速火炎溶射により形成
    し、該第一皮膜の外側に、Al2 3 −MgO基セラミ
    ックスからなる第二皮膜を高速火炎溶射により形成する
    ことを特徴とする熱交換器用伝熱管の製造方法。
JP29285393A 1993-11-24 1993-11-24 熱交換器用伝熱管の製造方法 Pending JPH07146092A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018189282A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ボイラおよびその製造方法、ならびに補修方法
CN110319432A (zh) * 2019-04-30 2019-10-11 舟山旺能环保能源有限公司 耐腐蚀的垃圾焚烧炉过热器及制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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