JPWO2002035151A1 - 耐高温腐食合金を用いた焼却またはガス化装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、廃棄物あるいは石炭等の固体燃料を焼却またはガス化する装置において、該焼却またはガス化装置を構成する部材あるいは機器等において、高温化と共に塩化腐食や硫化腐食が同時に生じるような強い腐食を受ける部位が、耐高温腐食性の優れた合金を用いて構成されていることを特徴とする焼却またはガス化装置に関する。
背景技術
廃棄物あるいは石炭等の固体燃料を焼却またはガス化する装置においては、焼却またはガス化によって発生した高温ガス中に、廃棄物あるいは燃料に含まれる塩素分及び硫黄分を起源とする塩化水素や硫黄酸化物、あるいは硫化水素等の腐食性ガスが含まれる。
このような環境では、特に塩素の作用により、金属材料は著しい腐食を起こす。図1は、高温腐食性ガス環境中における金属材料の腐食速度の温度依存性を示している。150℃以下の腐食は、酸露点以下で生じる電気化学的腐食である。酸露点以上の150〜320℃の領域では、腐食は比較的少ない。320℃を超えると、腐食は温度上昇に従って次第に激しくなる。特に、廃棄物焼却炉のボイラの内部等のように、高温腐食性ガスにダスト分が同伴されている場合は、ダスト中の塩類が300〜700℃で溶融して腐食を促進させる、いわゆる高温溶融塩腐食が生じるため、図1において実線Aで表わされているように、材料の腐食速度は極めて大きくなる。またダスト分が含まれない場合でも、320℃以上の領域では、図1において破線Bで示されているように、温度が高いほど腐食が顕著になる。これらの腐食挙動は、ガス中に塩素分や硫黄分が含まれる場合、腐食によって発生する金属の塩化物が低融点であり揮発性が非常に高いため、腐食に対して保護的な皮膜を形成することができないことに基づいている。
従って、従来は上記のような高温腐食性ガスに接する環境、特に高温溶融塩腐食を生じるような環境に使用される部材には、金属材料をそのまま用いることはできるだけ回避していた。やむをえず金属材料を使用せざるを得ない場合には冷却によって金属材料の延命化を図ったり、金属が高温腐食性ガスに接触しないように耐火物等によって金属表面を保護するなどの対策がとられていた。
しかし、例えば熱交換器の伝熱管など、部材を冷却することにより本来装置に求められる機能が低下もしくは失われる場合は、冷却することはできない。また、耐火物の使用は装置の重量を増大させる上、金属と耐火物の熱膨張差による耐火物の損傷及び脱落等の問題を内在しており、装置の定期的な点検と耐火物の補修作業を必要とするという問題があった。
もちろん、金属の組成を調整することにより、材料の耐食性を向上させる試みもなされている。例えば、Alloy625等の高級材料は、塩化水素を含有する腐食性ガス環境において、比較的よい耐食性を示す。けれどもこうした材料は、非常に高価である上に、その耐食性は必ずしも十分とは言えず、装置の各部に大量に使用する上では問題があった。
一方で、近年廃棄物処理の分野においては、環境負荷の低減やエネルギー効率の向上を図った新しいシステムが開発されている。その一つとしては、廃棄物のガス化溶融技術が既に実用化段階に達しており、今後の廃棄物の焼却処理技術の主流になると考えられている。
ガス化溶融炉における燃焼温度は約1200〜1500℃と、従来の焼却炉の800〜900℃に対して非常に高い。このため、従来よりも高温で使用される装置あるいは機器が多く存在するのみでなく、エネルギー有効利用の観点からは、1200〜1500℃の高温を有する排ガスから効果的に熱回収を行うシステムが必要とされている。こうした要求から、従来以上の高温、望ましくは1200℃程度までにおいて優れた高温強度と耐高温腐食性を示す金属材料の実用化が期待されている。
発明の開示
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、高温酸化に加えて塩化や硫化が同時に生じるような高温複合腐食環境においても、過度の冷却や表面保護などをする必要なしに、高温部材として十分な高温強度を有し、かつ耐高温腐食性に優れた合金を用いて、廃棄物あるいは石炭等の固体燃料の焼却あるいはガス化装置において、特に耐高温腐食性を要求される部位を、前記合金を用いて構成することで、装置の耐久性及び機能を従来よりも向上させた廃棄物あるいは石炭等の固体燃料の焼却あるいはガス化装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、市販のNi−33Cr−15W合金(以下「T合金」と略称する)を含め、それを基に材料組成を変えた合金をいくつか試作し、それによりサンプル部品を作成し、温度900℃、1000℃、1100℃でそれぞれ焼却装置(焼却炉)あるいはガス化装置(ガス炉)で腐食実験を行った。その結果、温度が上がるにつれて腐食量が減少する傾向がみられた。
即ち、市販のNi−33Cr−15W合金に耐食性を向上させるためAl(アルミニウム)あるいはSi(ケイ素)を添加した合金による部品を製作し、前記炉内で使用した時の腐食量を比較した。試作合金の詳細は第1、第2および第3表に示す。
AlあるいはSiの添加に伴う試作合金の腐食量の変動の傾向を図2に示す。すなわち、T合金に対し、Siを添加した合金では腐食量は900℃近傍で大きく、温度上昇と共に減少する傾向が見られる。しかし、900℃近傍で見られる激しい腐食はAlを添加することにより低減させることができ、更にAlとSiを同時に添加することにより一層の耐食性向上が図れることが明らかとなった。これらの温度領域で材料を使用する場合、800〜900℃での激しい腐食を抑えるためAlを合金に添加し、さらなる耐食性向上のためのSiと、高温強度向上のためのW(タングステン)を適量添加することにより付加的な特徴を示すことができる。
本発明は、前記した各実験に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記の手段により前記の課題を解決した。
廃棄物あるいは石炭等の固体材料を焼却又はガス化あるいはガス化溶融する装置のそれら装置を構成する装置自体又は機器に、Cr(クロム)とSiとWまたはMo(モリブデン)とAlを含有するNi合金を用いることによるものである。
なお、上記の合金は、機械的強度に優れているいるため、機械加工が困難である。このため、この合金を使用して機械部材を製作する場合には、鋳造法によることで製造コストを低減することができる。
また、パイプ形状の装置部材に上記の合金を適用するためには、遠心鋳造法を用いて製造することで製造コストを低減することができる。なお、この方法の場合外表面側が耐食性に優れた組成を形成することができるため、外表面側で耐食性が要求される装置部材に対して適している。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について、いくつかの実施例を挙げて説明する。以降に挙げた各実施例では、その実施例で用いる機器に金属材料組成を質量%でCrを23〜40%、好ましくは25〜40%、Alを1.5〜7%、Cを0.1〜0.5%、WとMoの合計量を15%以下、Mnを1.0%以下、Siを0.3〜6%、Feを5%以下含み、不可避的不純物を除いて残部をNi合金とすることで、充分な耐食性及び高温強度をもたらせることが可能である。各実施例中には更に好ましい金属の例を特記している。
尚、灰の付着しやすい条件については、WよりもむしろMoをWに代替した方が、強度向上防食に効果がある。なお、これらの実施例は本発明の範囲を限定する性格のものではないことをここに明記しておく。
図3は、流動床ガス化炉と旋回溶融炉の2炉からなる廃棄物のガス化溶融炉の全体フローを示している。廃棄物aはまず、供給装置108により流動床ガス化炉101に投入され、廃棄物の燃焼に必要な理論酸素量よりも低い酸素量の酸欠状態で500〜600℃に加熱され、ガス化される。なお、この流動床ガス化炉101によれば、流動層温度が低く、しかも還元雰囲気であるため、不燃物中の鉄、銅、アルミニウムなどの金属を未酸化の状態で回収可能である。
流動床ガス化炉101で生成された、チャー、タール等を含む熱分解ガスbは、旋回溶融炉102に送られ、補助燃料なしで1200〜1500℃の高温で燃焼する。旋回溶融炉102ではガス燃焼が主体となるため、1.3程度の低空気比燃焼が可能であり、これにより旋回溶融炉102からの排ガス量を低減できる。また、1200℃以上で燃焼するため、ダイオキシン類の完全分解が可能である。さらに、旋回溶融炉102において、旋回流を用いることで遠心力効果によりスラグを効率よく分離でき、これを冷却することでガラス上の固体スラグc中に重金属を封じ込めることができる。
旋回溶融炉102からの排ガスdは、1200〜1500℃の温度を有しており、旋回溶融炉102から排出された後、高温熱交換器103、廃熱ボイラ104、エコノマイザ105、空気予熱器106等を経由して減温される。排ガスdは、最終的にはバグフィルタ107で除塵された後、煙突より大気へ放出される。
この装置においては、流動床式ガス化炉101において廃棄物を熱分解した際に、廃棄物に含まれる塩素分、硫黄分を起源とする塩化水素、硫黄酸化物あるいは硫化水素等の腐食性ガス成分が発生する。それらの一部は、溶融炉、廃熱ボイラ等を経由する過程で分解、合成したりするが、大半はバグフィルタ107の手前で投入される消石灰eによって中和除去され、バグフィルタ灰fの一部として装置外に排出される。
したがって、流動床式ガス化炉101から、バグフィルタ107までの間の機器内部には、腐食性ガス成分が存在しており、この部分において特に耐食性が必要な部分を前記の耐高温腐食合金を用いて構成することで、装置の耐久性あるいは機能を従来よりも向上させることができる。図3においては、前記合金を用いることで、耐久性あるいは機能の向上が期待できる部位に丸印が付してある。以下、各々の部位について、詳細な実施例の説明を行う。
本発明の第1の実施例は、図3における流動床式ガス化炉101への供給装置108に前記の耐高温腐食合金を応用した例であり、図4にその詳細が示されている。なお、本実施例では、炉の型式を流動床式ガス化炉としているが、炉の型式は必ずしもこれに限定される性格のものではなく、例えば流動床式焼却炉、キルン式ガス化炉等、その他の型式の炉であっても構わない。
図4において、流動床式ガス化炉101に取り付けられたスクリューコンベア式の供給装置108のケーシング1、スクリュー軸2、スクリュー羽根3は、高温となる炉内と直接に接しており、廃棄物のガス化によって発生した500〜900℃程度の高温の腐食性ガスgに晒される。従来はケーシング1、スクリュー軸2、スクリュー羽根3の材料としては一般的なステンレス鋼等を用い、高温化による材料の劣化を防ぐ目的から、冷却水により冷却を行うことが一般的であった。この場合、回転するスクリュー軸の内側に冷却水hを通じるため、スクリュー軸及び冷却水配管との接続部の構造が複雑となる上、設備の規模によっては冷却水hの量が膨大となる問題があった。また、ケーシング1、スクリュー軸2、スクリュー羽根3の何れも廃棄物aに直接接触するため、廃棄物aとの摩擦を生じるが、極度な摩耗や腐食によりスクリュー軸3の破断が生じた場合に、冷却水hが漏洩し、炉の燃焼状態に悪影響を与える危険性もあった。
前記の耐高温腐食合金は、前記500〜900℃の高温腐食性ガスに対しても非常に優れた耐食性を示すので、本合金を用いてケーシング1、スクリュー軸2、スクリュー羽根3等を構成することにより、従来に比べて供給装置の耐久性を向上させることができるほか、従来必要であった冷却水hの量を大幅に削減したり、あるいは冷却水hそのものを不要とすることで、装置の構成を大幅に単純化することができる。
なお、具体的な合金の組成については、使用温度を勘案し、500〜900℃、特に800〜900℃における激しい腐食に対する耐食性を重視し、前記の合金の内、質量%でSiを2〜4%、Alを2%程度含有したものとすることで耐食性を向上させたものを使用することが望ましい。強度的な面からは、試験結果によれば上記組成の合金は900℃程度まで十分な機械的強度を有しているため、問題はない。
本発明の第2の実施例は、図3における流動床式ガス化炉101あるいは旋回溶融炉102の起動用・助燃用バーナ109の材料として、前記の耐高温腐食合金を用いた例であり、図5にその詳細が示されている。なお、本実施例では、バーナが使用される炉の型式を流動床式ガス化炉あるいは旋回溶融炉としているが、必ずしもそれに限定されるものではなく、例えば流動床式焼却炉、キルン式ガス化炉、シャフト式溶融炉等の、高温腐食性ガス環境を有する炉において使用されるバーナであれば構わない。
バーナ109の燃料jとしては、一般には軽油、重油、プロパンガス、天然ガス等の化石燃料が用いられており、その燃焼温度は、空燃比(空気iと燃料jの比率)にもよるが、通常2000℃の程度に達する。このため、特に高温になるノズルチップ11、保炎器12等の部材は、冷却により保護を図っているが、材料の耐久性をあげるために過度の冷却を行うと、燃焼温度すなわち燃焼状態に影響を与えるため好ましくない。したがって、これらの部材の材料としては、通常材料温度を1000℃程度まで冷却するように冷却水hを通じた上で、そのような温度において十分な機械的強度を有する材料を用いていた。しかし、従来の高温強度を重視した材料は一般に耐食性に劣るため、バーナを使用していない際は、空気、蒸気あるいは窒素等のパージガスkを通じたり、あるいは機械的なバーナ抜取装置によりバーナを炉内から抜き取る等の対策により、高温腐食性ガスgにバーナが晒されない様に工夫する必要があった。
本発明による耐高温腐食性材料は、1000℃程度においても優れた耐食性を示すのみならず、ある程度の高温強度も有しているため、これをバーナのノズルチップ11、保炎器12等の材料として用いることで、その寿命を大幅に伸ばすことが期待できる。また、パージガスkの投入量の削減により、パージガスkが炉の燃焼状態に悪影響を与えることを防ぐこともできる。さらに、バーナ抜取装置の省略により、装置の簡略化も期待できる。
なお、具体的な合金組成については、前記合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2〜7%、WとMoの合計が8〜15%含有したものとすることで、高温強度と耐食性を向上させることができる。
本発明の第3の実施例は、図3の流動床式ガス化炉101あるいは旋回溶融炉102において、空気・酸素・蒸気等の気体を炉内に吹き込むノズル部分110を前記の耐高温腐食合金を用いて構成した例であり、図6から図9にその詳細が示されている。なお、本実施例では、ノズルが設置される炉の型式を流動床式ガス化炉あるいは旋回溶融炉としているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば流動床式焼却炉、キルン式ガス化炉、シャフト式溶融炉等、高温腐食性ガスを有する環境中に空気・酸素・蒸気等の気体を吹き込むノズルであれば構わない。
図6及び図7は流動床式ガス化炉101の場合のように、炉内に灰分が溶融したスラグが存在しない場合に対する実施例を示している。空気等の気体l(Lの小文字、以下同様)は、ノズル110を経由して炉内に供給される。ここで、炉壁は鋼製の鉄皮または水管壁21の内面に耐火物22を取り付けて構成されている。ノズル110の材料としては、従来は炭素鋼あるいはステンレス鋼の一般的な金属材料が用いられていた。ノズル110の温度は、炉内より十分手前の部分では、内部の気体lの温度とほぼ等しいが、先端部110aでは炉内温度の影響を受け大幅に上昇する。
図6では、ノズル110の先端を、耐火物22の内面より引き込ませている。このような構造とした場合は、ノズル110の先端部110aが高温に晒されることによる強度低下と、炉内の高温腐食性ガスgとの接触による腐食をある程度避けることができる。しかし、耐火物22の角部22aにおいて、耐火物22が熱膨張により亀裂、脱落といった損傷を起こすという問題があった。
一方、図7は、ノズル110の先端を、耐火物22の内面と同一平面とした場合を示している。このような構造とした場合は、前記の耐火物22の損傷を防ぐことはできるが、ノズル110の先端部110aが高温化し、炉内の高温腐食性ガスgに接触するため、ノズル110の材料の高温強度と耐高温腐食性が十分でないと、ノズル110の損傷が容易に生じるという問題があった。
前記の耐高温腐食合金は、1000〜1200℃に及ぶ温度範囲においても、優れた機械的強度と耐食性を示すので、本合金を用いて図7の構造によりノズル110を構成した場合は、上記の問題点を全て解決することができる。即ち、耐火物22の損傷を防ぎ、かつノズル110自体の腐食損傷も低減することができる。
一方、図8及び図9は、旋回溶融炉102の場合のように、炉内に灰分が溶融したスラグが存在し、炉内壁を伝わって流下する場合に空気等の気体を炉内へ供給するノズルに前記の耐高温腐食合金を使用した実施例を示している。このような場合、一般に供給される気体lの温度は炉内温度よりも大幅に低いため、図7のように空気供給ノズル110の先端部110aを耐火物22の内面と同一平面にすると、ノズルの先端部110aにおいてスラグmが固化成長し、ノズルを閉塞してしまうおそれがある。
図8及び図9は、この問題を解決するための方法を示しており、ノズルの先端部110aを炉内に多少突き出させた構造とすることで、スラグの流れがノズル先端部110aから供給される気体lと接触しないようにしたものである。なお、スラグの流れに直接接触するスラグ接触部23は、図8に示すように耐火物22と一体の構造として構成してもよいが、図9に示すようにノズル先端部110aとスラグ接触部23を一体の構造とした部材24を前記の耐高温腐食合金を用いて構成し、これをノズル110の先端に取り付けた構造とすることもできる。スラグの浸食により、スラグ接触部23が劣化した場合、図8の構造の場合は炉内にて耐火物の補修を行う必要があるため、補修が非常に大がかりとなるが、図9の構造の場合は、部材24を消耗品として交換することにより対処することができ、補修が非常に簡便となるという効果がある。
図8及び図9のどちらの場合においても、ノズル110あるいは部材24の、高温腐食性ガスに接触する部分は前記の耐高温腐食合金によって構成することにより、従来材料を用いた場合に問題となる部材の耐久性を、大幅に向上させることができる。
なお、具体的な合金組成については、ノズル110あるいは部材24の温度に応じて成分を調整するのがよい。例えば温度500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2%、Wを8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度と耐食性を向上させることができる。
本発明の第4の実施例は図3における流動床式ガス化炉101あるいは旋回溶融炉102、廃熱ボイラ104等の装置内において、装置内の温度測定に用いられる熱電対の保護管あるいは、装置内のガス性状の測定に用いられるサンプリング装置のプローブを前記の耐高温腐食合金を用いて構成した例であり、図10から図12にその詳細が示されている。なお、炉の型式は流動床式ガス化炉または旋回溶融炉に限定されるものではなく、例えば流動床式焼却炉、キルン式ガス化炉、シャフト式溶融炉やその他の化学的合成・分解装置等、高温腐食性ガス環境における熱電対やサンプリング装置であっても構わない。
従来、このような環境で用いられる熱電対の保護管、サンプリング装置のプローブの材料としては、700℃程度まではステンレス鋼等の金属、700℃以上の温度環境ではアルミナ等のセラミック材料が一般的に用いられていた。しかし、セラミック材料は熱衝撃に弱いため、炉の温度変動によって材料が突発的に割れ破損することがあり、寿命が予測できないのが問題であった。
また、700〜1000℃程度の温度範囲では、Alloy625等の高級金属材料を用いる例も見られるが、こうした高級材料は非常に高価である上、塩化水素等の腐食性ガスを多く含む環境での耐食性は必ずしも十分ではなく、次第に腐食減肉を生じるために消耗品的に使用せざるを得ず、その交換コストが膨大なものであった。
図10は、熱電対の保護管31の材料として前記の耐高温腐食合金を用いた場合を示している。前記の耐高温腐食合金は、従来のステンレス鋼、Alloy625等の高級金属材料に比べ、特に700〜1000℃の温度領域で高い耐食性が期待できるため、これを用いて熱電対保護管31を構成することにより、交換コストの低減を図ることができる。また、1200℃の程度まで十分な高温強度を有しているため、従来セラミック材料を使用せざるを得なかった温度域においても金属材料を用いることが可能となり、セラミック材料を使用した場合の突発的な割れ破損による、熱電対線32の断線も回避することができる。
また図11及び図12は、焼却炉、ガス化炉、溶融炉等の装置において、炉内の高温腐食性ガスの性状を把握するために用いられるサンプリング装置のプローブとして、前記の耐高温腐食合金を使用した例を示している。炉内のガス性状を把握するための最も簡便な方法としては、図11に示すように、炉内にパイプ状のプローブ33を挿入し、炉内の高温腐食性ガスgを外部へ吸引する方法がよい。図11の構造の場合、プローブ33の温度は炉内ガスの温度とほぼ等しくなるため、炉内温度が非常に高くプローブ33の耐久性に問題がある場合は、図12のような構造として、プローブ33を冷却用の流体(例えば、冷却水)hによって冷却し、材料の耐久性を上げることが行われる。図12の構造において、セラミック材料を用いた場合、プローブ33が破損すると、高温腐食性ガスgが冷却用の流体hに漏れ出したり、またはその逆に冷却用の流体hが炉内に漏れ出すという問題があったが、前記の合金をプローブ33に使用した場合には、プローブ33の耐久性を大幅に向上させることができるため、そのような心配はない。
なお、具体的な合金組成については、炉内温度に応じて成分を調整するのがよい。例えば炉内温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2%、Wを8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度と耐食性を向上させることができる。
本発明の第5の実施例は、図3の溶融炉102の下部におけるスラグ排出部111を前記の耐高温腐食合金を用いて構成するものであり、図13にその詳細が示されている。なお、炉の型式は旋回溶融炉に限定されるものではなく、例えばシャフト式溶融炉、プラズマ式溶融炉や電気抵抗炉等の他の型式の溶融炉であっても構わない。
溶融炉内にて灰分を溶融して発生したスラグは、液状となって溶融炉下部のスラグ排出部から炉外に排出される。一般的には、スラグ排出部は炉内壁と一体構造として、不定形耐火物を用いて構成されるが、その場合、スラグ流下部において局所的に耐火物が浸食されるため、浸食状況を定期的に点検し、必要な場合は耐火物の補修を行う必要がある。耐火物の補修工事は、既設耐火材の撤去、耐火材支持金具の補修、耐火材の打設といった数々の工程が必要であるため、比較的長期に亘る工事となり、炉の長期間の操業停止が必要となるという問題があった。また、スラグを効果的に排出するためには、排出部にスラグの流路をあらかじめ形成しておく等の工夫が考えられるが、不定形耐火物を用いる場合は、そのような複雑な形状を構成することが困難であるという問題があった。
都市ごみのガス化溶融炉の場合、一般にスラグの融点は1200℃程度であるため、スラグ排出部には、少なくとも1200℃程度まで十分な機械的強度と、炉内の高温腐食性ガスに対する耐食性を有している材料を用いることが望ましい。前記の耐高温腐食合金は、1200℃程度までの温度範囲において十分な機械的強度と、優れた耐高温腐食性を示すため、従来耐火物を用いて構成することが一般的であったスラグ流出部を、本合金を用いて構成することで上記の問題を解決することができる。
図13に示した実施例は、前記の耐高温腐食合金を用いて、樋状の部材41を製作し、これを用いてスラグ排出部を構成した例を示している。樋状の部材41は支持金具42によって炉壁43に取り付けられており、スラグmは樋状の部材41の上面に形成された流路にそって炉外へ排出される。樋状の部材41は、鋳造によって製造するのが好ましく、安価かつ簡便に流路を形成することができる。また、材料の腐食・劣化にしたがってスラグ排出部を補修する必要が生じた場合でも、部材41のみを取り外し、新品と交換するだけでよいため、耐火物44の大がかりな補修工事は必要とせず、比較的短期間の補修工事にて対応することができる。
なお、具体的な合金組成については、使用温度が1200℃程度となるため、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温における強度及びスラグに対する耐食性を向上させることが望ましい。
本発明の第6の実施例は、スラグ排出部111から排出されたスラグの冷却及び造粒装置112を本発明による耐高温腐食性合金を用いて構成するものであり、図14及び図15にその詳細が示されている。なお、炉の型式は廃棄物のガス化溶融炉に限定されるものではなく、シャフト式溶融炉、プラズマ式溶融炉や電気抵抗等の他の型式の溶融炉であっても構わない。
溶融炉から排出されるスラグを冷却、造粒する方法としては、一般には図14に示すように、傾斜した金属板51の上に冷却水hを流し、これに直接に炉からのスラグmを接触させ、急冷させることにより造粒して粒状の水砕スラグnとして炉外へ排出する水砕方式が多く採用されている。しかし、この方法の場合、スラグmの冷却速度が非常に大きいため、スラグの組織が脆くなるため強度が低下し、路盤材や建設資材としてスラグを再利用する上で大きな障害となっていた。
本出願人らは以前に特開平11−029161号において、図15に示すように下側から冷却水hによって冷却した金属板51の上にスラグmを流下させるとともに、金属板51を振動装置52によって振動させることにより間接的にスラグを冷却、造粒して、粒状の間接冷却スラグoとして炉外へ排出する方法を提案している。この方法を用いれば、金属板51の下面の冷却水hの温度及び水量を変化させることにより、金属板51の温度ならびにスラグmの冷却速度を制御することができるが、水砕方式と比較して金属板51の上面の温度が高くなる上、金属板51の上側は炉内の高温腐食性ガスgが存在する雰囲気であるため、金属板51の耐久性に問題があった。この耐久性の点からは、ステンレス鋼によって金属板51を構成した場合は、金属板51の温度としては実用上は500℃程度を上限とせざるを得なかった。冷却速度はできるだけ遅くした方が、間接冷却スラグoの組織が緻密となり機械的強度が向上するため好ましいが、そのためには金属板51の温度をさらに高くする必要があり、そのような環境でも長期間の使用可能な優れた耐食性を有する材料が求められていた。
前記の耐高温腐食合金は、1200℃程度までの温度範囲においても優れた耐高温腐食性を示すため、この合金によって金属板51を構成することにより、従来のステンレス鋼を使用した場合に比べて金属板51の温度を大幅に上昇させ、なおかつ耐久性を向上させることができる。
また、この方法によると、次のような利点がある。スラグの冷却速度は、スラグmの温度と金属板51の温度差に比例する。例えば、スラグmの温度を1300℃、金属板51として耐熱温度500℃のステンレス鋼を用いた場合、両者の温度差は800℃であるが、金属板51に前記の合金を使用し、使用温度を900℃とした場合は、両者の温度差は400℃となり、従来に比べて2分の1の冷却速度を得ることができる。即ち、本合金を用いて金属板51を構成することにより、スラグmの冷却速度の制御範囲を大幅に広げることができる。
なお、具体的な合金組成については、必要とする冷却速度に応じて金属板51の使用温度を推定し、成分を調整するのがよい。例えば使用温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、WとMoの合計量を8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度とスラグに対する耐食性を向上させることができる。
本発明の第7の実施例は、図3における溶融炉102の出口の高温腐食性排ガス中に設置される高温熱交換器103に前記の耐高温腐食合金を使用した例であり、図16から図19にその詳細が示されている。なお、本実施例では流動床式ガス化溶融炉を対象として説明しているが、炉の型式は必ずしもこれに限定されるものではなく、キルン式ガス化溶融炉、シャフト式溶融炉等の他の型式のガス化溶融炉や、ストーカ式あるいは流動床式等の焼却炉など、他の型式のものであっても構わない。
廃棄物ガス化溶融炉において、炉出口からの排ガスは、一般的には溶融炉の燃焼温度と同等の1200〜1500℃という非常に高い温度を有している。したがって、この高温排ガスの有する高い熱エネルギーを、プロセスの上流側へ循環させたり、或いは発電用等に利用するために回収することにより、外部からの補助燃料の削減、発電効率の向上など、エネルギー収支上非常に多くのメリットが期待できる。
しかし、このような環境において直接に熱回収を行う装置については、これまで様々な工夫がなされてきたものの、高温の腐食性ガス環境下で生じる激しい腐食の問題から、実用化の域に達しているとは決して言えない状況である。
このような環境において直接に熱回収を行う装置の一例として、蓄熱式熱交換器がある。蓄熱式熱交換器は、セラミック等の蓄熱体を設置して、加熱側と被加熱側の流体を交互にこの蓄熱体に通すことにより熱交換を行う方法であるが、加熱側と被加熱側の流体の若干の混合が避けられないこと、排ガス流路の切り替えのために高温腐食性環境にバルブ等の機械的装置を設置する必要があり設備が複雑化する等、数多くの問題がある。
また他の例としては、金属製の伝熱管を排ガス流路中に配置し、その表面(腐食性ガスとの接触面)を耐火物で覆うことにより金属を保護する構造の熱交換装置も提案されている。しかし、金属製の伝熱管と耐火材との熱膨張の差を吸収して確実に耐火材を保持するためには、支持金具等の構造が非常に複雑なものとなるという問題がある。また、耐火物の熱伝導率は一般に金属材料に比べて著しく低く、熱交換装置の伝熱効率が大幅に低下するため、伝熱面積を非常に大きくせざるを得ない等の問題がある。
一方、前記の耐高温腐食合金は、このような高温腐食性ガスに対しても優れた耐食性を示すため、本合金を用いた場合はより簡便な構造で優れた耐久性を有する熱交換装置を構成することができる。
図16に、前記の耐高温腐食性材料を用いて構成される高温熱交換装置の一例として、バヨネット式高温熱交換器の構造を示す。バヨネット式熱交換器は、多数の二重管構造の熱交換部を具備しているが、図16では一個の二重管構造の熱交換部のみを示している。二重管構造の熱交換部は、一端が開口し他端が閉塞した略円筒容器状の外筒61と、両端が開口した円筒状の内筒62とからなっている。低温の空気等の被加熱気体pは、内筒62の一端から流入し、他端の開口から外筒61と内筒62の間の環状空間に流入し、外筒61の一端の開口より流出する。この間に、空気等の被加熱気体pは高温腐食性の燃焼排ガスgと熱交換を行い加熱される。
なお、後述の実施例においては、低温の被加熱側の流体pを空気等の気体としているが、もちろんこれに限定されるものではない。例えば、酸素、蒸気、窒素やこれらの混合気体等を、プロセスの必要性に応じて選択してもよい。あるいは、低温の燃焼排ガスを高温の燃焼排ガスによって加熱するような熱交換器であっても構わない。
このような高温で使用される熱交換器においては、燃焼排ガスgと空気等の被加熱気体pとの温度差が非常に大きいため、伝熱管を両端固定とすると、熱膨張対策を十分施さなければならないため構造が複雑となる。一方、図16に示したバヨネット方式の高温熱交換器は片持ち構造であり、一端が完全自由の構造となったいるため、熱膨張対策を考慮する必要がなく簡単である。
外筒61の外面には、高温腐食性の燃焼排ガスgが接触するため、外筒61を前記の耐高温腐食合金を用いて構成する。外筒の製作方法としては、遠心鋳造管として作成した直管部に、砂型鋳物または金型鋳物として作成したキャップ部を溶接するのが望ましいが、場合によっては全体を一体の鋳物として構成したり、鋳造によって製作した直管やキャップを用いてもよい。
内筒62の材質については、被加熱側の流体pが空気、酸素、蒸気、窒素やこれらの混合気体のように、腐食性のない気体である場合には、一般的な炭素鋼やステンレス鋼を用いて構成してもよいが、被加熱側の流体pが腐食性を有している場合、例えば燃焼排ガスなどである場合には、前記の耐高温腐食合金を用いて構成するのが望ましい。
外筒61あるいは内筒62に用いる本合金の具体的な合金組成については、それぞれの使用温度に従って、成分を調整するのがよい。使用温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、WとMoの合計量を8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Aiを2%、WとMoの合計を8〜15%含有したものとすることで耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度と耐食性を向上させることができる。
なお、本合金の使用条件としては1200℃程度までの温度範囲が適当である。ただし、仮に燃焼排ガスgの温度が1500℃であっても、外筒61は、被加熱流体pによって冷却を受けているため、被加熱流体pの温度をある程度低くすれば外筒61の温度を1200℃以下とすることは容易であり、本合金の使用条件上問題はない。
以上の高温熱交換装置への本合金の使用例において、図16に示したバヨネット式熱交換装置はあくまで一例であり、より一般的なシェルアンドチューブ式の熱交換器等であってもかまわない。但し、高温腐食性ガスに接触する部分は、前記の耐高温腐食性合金を用いて構成されている必要がある。
図16の高温熱交換装置で回収された熱量の利用方法としては、様々な用途先が考えられるが、いくつかの例について図17から図19に示す。
図17から図19は、ガス化炉と溶融炉の2炉から構成される廃棄物のガス化溶融炉に、前記の高温熱交換装置を使用した例を示している。図17から図19の実施例では、ガス化炉101の後段の溶融炉102の直後に本発明による高温熱交換器103が設置されており、溶融炉からの1200℃以上の高温腐食性排ガスgと、250℃程度の空気r1を熱交換することにより、400〜800℃の高温空気r2を得ている。なお、高温熱交換器103の設置装置位置については、かならずしも溶融炉102の直後に独立して設けられる必要はなく、溶融炉と一体構造として溶融炉内の出口付近に高温熱交換器103を設置したり、あるいは後段のボイラ104と一体構造としてボイラ内に高温熱交換器103を設置しても構わない。
図17に示した実施例は、高温熱交換器103で得られた高温空気r2を、溶融炉102における燃焼用空気として使用する場合を示している。溶融炉の燃焼用空気として、通常用いられる常温あるいは250℃程度の比較的低温の空気ではなく、このような高温の空気を用いることにより、廃棄物の発熱量が低い場合においても、補助燃料の投入が不要となるか、あるいは必要であるとしてもその量を大幅に削減できるという効果が期待できる。
また、図18に示した実施例は、本発明者らが特願平10−169286号において提案した廃棄物燃焼発電システムにおける高温空気加熱器として、本発明による高温熱交換器を適用した例である。高温熱交換器としての高温空気加熱器103で得られた約700℃の高温の空気r2は、後段のボイラ104で得られた約400℃の過熱蒸気s1を、蒸気過熱器113において再過熱するために用いられる。この方式により、500℃程度の高温の過熱蒸気s2が得られ、発電端効率30〜32%の高効率の廃棄物発電を行うことが可能となる。蒸気を過熱した後の空気r2は、400〜500℃程度に冷却されているが、一般に溶融炉の燃焼用の空気として用いられる常温あるいは250℃程度の比較的低温の空気と比較すると、十分高温を有しているため、これを溶融炉の燃焼用の空気として用いることにより、図17の実施例と同様に補助燃焼を削減する効果が期待できる。
また、図19に示した実施例は、ガス化炉101がキルン式ガス化炉である場合に、キルン式ガス化炉の内部を適切なガス化温度に保つための熱源として、高温空気加熱器103で得られた高温空気を用いる場合を示している。
ガス化炉におけるガス化温度は一般に400〜1000℃、好ましくは500〜600℃が適切であるが、この温度に炉内を保つためには、間接加熱用の空気はこれよりも十分高温である必要がある。また、加熱用の空気温度ができるだけ高い方が、ガス化炉内の雰囲気との温度差が大きくなり、伝熱効率が向上するため、伝熱面積を減少させることができる。
図19に示した方式によれば、この目的にふさわしい400〜800℃の高温の空気r2が容易に得られるため、効果的にガス化炉の加熱を行うことができる。なお、図19ではガス化炉を加熱した後の空気r3は溶融炉の燃焼用空気として使用するように示されているが、白煙防止のための排ガスの再加熱、ボイラ給水の加熱など他の用途に再利用してもよい。あるいは、図17に示した実施例と組み合わせて、高温空気加熱器で得られた高温の空気r2の一部をガス化炉の加熱用に、残りを溶融炉の燃焼用空気として使用するなどの方式としてもよい。
本発明の第8の実施例は、図3の廃熱ボイラ104を構成する、ボイラ伝熱管104a、蒸気過熱器伝熱管104b、伝熱管サポート、プロテクタ等の部材を、前記の耐高温腐食合金を用いて構成したものであり、図3及び図20にその詳細が示されている。なお、本実施例では流動床式ガス化溶融炉後段の廃熱ボイラを対象として説明しているが、炉の型式は必ずしもこれに限定されるものではなく、キルン式ガス化溶融炉、シャフト式溶融炉等の他の型式のガス化溶融炉や、ストーカ式あるいは流動床式等の焼却炉など、他の型式のものであっても構わない。
廃熱ボイラまたは蒸気過熱器の伝熱管材質としては、従来は炭素鋼が広く用いられていたが、廃棄物焼却炉のような高温の腐食性排ガスで使用される場合、図1を用いて説明したように溶融塩腐食による激しい腐食が問題となるため、伝熱管表面温度示約300℃以下における使用が限界であった。そして、ボイラ伝熱管の温度は、一般には内部の蒸気温度+30〜50℃程度となるため、廃棄物焼却炉ボイラにおける蒸気温度は350℃程度が上限とされていた。
近年では、Alloy625等に代表される高級金属を用いて伝熱管を構成することにより、伝熱管の耐食性を向上させて蒸気温度を400℃程度まで上げた廃棄物発電設備も見られるが、このような高級金属を用いる場合、伝熱管材料が非常に高コストであるという問題があった。
前記の耐高温腐食性材料は、こうした高級金属に比べると低コストであるのみでなく、耐高温腐食性にも優れているため、本材料によって廃熱ボイラまたは蒸気過熱器の伝熱管を構成することにより、従来に比べて低コストで耐久性の優れたボイラを構成することができる。
図3の廃熱ボイラ104において、前記の耐高温腐食合金を使用することが考えられる部位としては、ボイラ伝熱管104a、蒸気過熱器伝熱管104bへの使用がまず考えられる。これらの部位への、前記の耐高温腐食合金の使用により、従来以上の耐久性の向上あるいは伝熱管のコストダウンが期待できる。
なお、具体的な合金組成については、他の実施例と同様に、伝熱管104aあるいは104bの使用温度に合わせ、成分を調整するのがよい。過熱蒸気の温度としては、一般に500〜600℃程度が上限となるので、材料の使用温度としては、700℃程度を上限として想定すれば十分であるが、ボイラ及び蒸気過熱器管の場合、内部は高圧の飽和水または蒸気であるため、使用する合金は十分な耐圧強度を有している必要がある。したがって組成としては、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8〜15%含有したものとすることにより、800℃程度での激しい腐食領域における耐食性は低減する代わりに、高温強度を向上させることが望ましい。
また本合金については、ボイラ伝熱管104a、蒸気過熱器伝熱管104b等のサポート部材への適用も考えられる。サポート部材については、伝熱管104aあるいは104bの様に、内部が蒸気あるいは飽和水によって冷却されていないので、一般に温度が伝熱管104aあるいは104bに比べて高くなり、従来材料では耐食性の面で問題となる場合があった。前記の耐高温腐食性合金は、特に800〜1200℃といった高温領域で従来材料に比べて優れた耐食性を示すので、サポート部材に本合金を用いることにより、従来に比べて高い信頼性及び耐久性を期待することができる。
また、廃熱ボイラにおいては、燃焼排ガスに同伴される灰粒子の作用によるエロージョンにより、伝熱管のある特定の部位が摩耗減肉することがある。そのような場合、金属製のプロテクタを伝熱管の表面を保護するように取付ることで、伝熱管が摩耗しないようにする対策が行われる。プロテクタの材質としては、一般的にはステンレス鋼が用いられるが、ボイラ内の温度条件によっては、プロテクタは非常に激しく腐食減肉するため、頻繁に交換・補修が必要となるという問題がある。
図20に示した実施例は、これを解決するため、上記プロテクタを前記の耐高温腐食合金によって構成した例である。伝熱管65の表面を保護するように、前記の耐高温腐食合金で構成されるプロテクタ66が取付られている。なお、ここではプロテクタ66を半円筒形としているが、平板状として複数の伝熱管65を保護する構造としてもよい。
サポート及びプロテクタとして前記の耐高温腐食合金を使用する場合の具体的な合金組成については、特に耐圧強度は要求されないため、それぞれの使用温度と腐食環境に応じて成分を調整するのがよい。例えば使用温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、WとMoの合計量を8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、高温強度を向上させることができる。
以上、図3に示した廃棄物の流動床式ガス化溶融装置を対象として、本発明による耐高温腐食合金を応用した例を説明してきた。以下では、前記の耐高温腐食合金を、他の型式の焼却装置またはガス化装置に応用した例について説明する。
本発明の第9の実施例は、廃棄物のキルン式ガス化溶融装置におけるキルン式ガス化炉等のキルン炉の加熱用伝熱管を、前記の耐高温腐食性合金により構成したものであり、図21にその詳細が示されている。
廃棄物ガス化溶融炉におけるキルン式ガス化炉においては、投入された廃棄物aは、伝熱管71内を流れる高温流体uによって加熱され、熱分解ガス化される。熱分解ガス化によって発生した熱分解ガスbは、水蒸気の他、水素、一酸化炭素、炭化水素等を主成分とするが、そのほか、廃棄物aに含まれる塩素分及び硫黄分が、塩化水素ガス及び硫化水素ガス等として発生することによる腐食性を有するため、伝熱管71の材質には十分な耐食性が要求される。そのため、耐食性が不十分であると、伝熱管71の頻繁な交換が必要となる。キルン式ガス化炉は一般に非常に長大な装置であるため、伝熱管71の交換は大きな作業スペースと多大な作業時間を必要とし、炉の敷地面積、運転コスト等の面で問題があった。
廃棄物の熱分解ガス化に最適な温度は、廃棄物の性状にもよるが、一般には400〜1000℃、好ましくは500〜600℃が適当である。仮にガス化温度を500℃とし、伝熱管71内を流れる高温流体uの温度を700℃とすると、伝熱管71の温度は平均的に600℃前後になり、図1に示したように従来の炭素鋼、ステンレス鋼などでは非常に激しい高温腐食の領域に晒されることとなる。このため、従来は伝熱管表面を耐火物によって保護することで伝熱管表面が腐食性ガスに晒されることを防いだり、伝熱管表面にプロテクタを取り付ける等の対策がとられているが、耐火材あるいはプロテクタで保護することにより伝熱効率が低下するため、伝熱面積の増大を招き、装置全体が非常に大きなものとなってしまうという問題があった。
本発明による耐高温腐食合金は、このような600℃程度の高温腐食性ガス環境において従来材料に比較して非常に優れた耐食性を示すので、本合金を用いて伝熱管71を構成することにより耐火物やプロテクタを省略し、伝熱効率を向上させることができる。これにより、装置を小さくすることができ、設置スペースの低減が可能である。また、伝熱管71の耐久性が増すため、伝熱管71の交換作業が不要となるか、その回数を大幅に減らすことができる。
なお、具体的な合金組成については、伝熱管71には特に高い機械的強度は要求されないため、使用温度と腐食環境に応じて成分を調整するのがよい。例えば使用温度が500〜700℃程度であれば前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、WとMoの合計量を8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2%、Wを8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度及び耐食性を向上させることができる。
本発明の第10の実施例は、流動床式焼却炉またはガス化炉のフリーボード部材に設置して、木材等の有機性廃棄物を低酸素状態で加熱して炭化させ、炭化物として回収する装置に前記の耐高温腐食合金を応用したものであり、図22にその詳細が示されている。
本出願人らは、以前に特願平10−307687号において、流動床焼却炉またはガス化炉フリーボード部に設置して、木材等の有機性廃棄物を低酸素状態で加熱して炭化させ、炭化物として回収する装置を提案している。図22はその一例を示しており、木材等の有機性廃棄物である炭化原料vは、流動床式ガス化炉101のフリーボード部101aに設置された炭化ドラム72に投入され、ガス化炉内の熱分解ガスbによって加熱され、炭化される。熱分解ガスbは、廃棄物の燃焼によって発生したガスであるため、塩化水素等の腐食性の成分を多量に含んでいる。また、その温度は一般に600〜1000℃、好ましくは700〜900℃程度であるため、炭化ドラム72の材質にはこのような高温腐食性ガス雰囲気における十分な耐食性が要求される。さらに、炭化ドラム72の内部で炭化原料vが炭化する際には、熱分解ガスwが発生する。この熱分解ガスwを冷却水hにより間接冷却することによりその一部を凝縮し、凝縮させた液体より木酢液等を回収するために、炭化ドラム72の後流側に木酢液回収装置75が設けられている。熱分解ガスwの性状は炭化原料vの種類によって異なるが、塩素分や硫黄分などの腐食性成分が含まれていることが考えられるので、不適切な材質を用いた場合、炭化ドラム72は外部のみでなく内部からも腐食進行する。
前記の耐高温腐食合金は、このような高温腐食性ガス雰囲気での使用に適しており、炭化ドラム72をこの耐高温腐食合金によって構成することで、例えばステンレス鋼等の一般的な材料を用いた場合に比べて、炭化ドラム72の耐久性を大幅に向上させることができる。
なお、具体的な合金組成については、本装置では炭化ドラム72の内部でスクリュー軸73及びスクリュー羽根74が回転する構造となっており、炭化原料vと炭化ドラム72、スクリュー羽根74との摩耗が生じるため、ある程度耐摩耗性を有していることが要求される。また、ドラムの変形が生じると、スクリュー軸73及びスクリュー羽根74の回転に支障をきたすため、熱変形が生じないように、ある程度の高温強度を有している必要がある。また、使用温度としては700〜1000℃程度となるため、900℃前後での激しい腐食を低減できる合金組成である必要がある。以上から、本材料のうち、質量%でSiを1〜4%、Alを2%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることが望ましい。
本発明の第11の実施例は、ストーカ式焼却炉の火格子に前記の耐高温腐食合金を応用した例であり、図23にその詳細が示されている。
ストーカ式焼却炉は、階段状に構成された火格子81を火格子駆動用シリンダ82により機械的に運動させ、火格子81の上に投入された廃棄物aを乾燥、ガス化、燃焼の各工程に順次移動させて焼却する。ストーカ式焼却炉における燃焼温度は、平均的には約900℃程度であるが、火格子は空冷または水冷構造として400〜500℃程度に冷却することにより耐久性の向上が図られている。しかし、上記の温度は平均的なものであり、廃棄物の燃焼の不均一性などにより、局部的には火格子の温度は600〜700℃の高温に達することがある。
火格子81の材質としては、一般に耐熱鋳鋼あるいは耐熱合金が使用されているが、それらの材質には、最大600〜700℃の温度域まで十分な機械的強度を有している必要がある上、燃焼によって発生した高温腐食性ガスgに対する耐高温腐食性は勿論のこと、火格子上を直接廃棄物aが移動していくため、廃棄物aとの摩擦に対する耐摩耗性も要求される。このように、火格子81の使用環境は極めて過酷であるため、火格子81は消耗品として炉の定期点検時に損傷の激しい部位を交換するのが一般的である。以上の点から、火格子81の材質としてはできるだけ低コストで、優れた耐久性を示すことが望ましく、耐久性のわずかな低下が炉の運転コストの大幅な増大を招くという問題がある。
また、最近では火格子を下部から水冷する水冷構造のストーカ炉も見られるが、水冷のための冷却水を火格子に効果的に供給することと、火格子の交換を簡便にするための構造とがかならずしも合致せず、構造上複雑なものとならざるを得ない。
前記の耐高温腐食性合金は、最高800〜1200℃に及ぶ温度範囲において、従来の耐熱鋳鋼あるいは耐熱合金に比べて非常に優れた耐高温腐食性を有しているため、本合金を用いて火格子81を構成することにより、従来に比べて大幅に火格子81の耐久性を増大することができ、炉の運転コストの低減を図ることができる。
なお、具体的な合金組成については、火格子は可動部品であることや、廃棄物との摩耗等を考慮すると、ある程度の高温強度を有していることが要求される。使用温度としては最高600〜700℃程度であるため、本材料のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8%以下含有したものとすることで、Wの添加によるコストの軽減を図ることが望ましい。なお、上記の温度範囲ではMoの添加が耐腐食性及び高温強度の向上に特に有効であるため、Siを0.3〜1%、Alを2%、Moを8%以下含有したものとすることで、従来材料と比べて優れた耐食性及び高温強度を得ることができる。
本発明の第12の実施例は、より一般的な例として、高温腐食性ガスを取り扱う配管あるいはダクトの材料として前記の耐高温腐食合金を用いた例である。
従来、配管あるいはダクトの材質としては、300℃程度までは炭素鋼を、300〜700℃程度ではステンレス鋼を用いるのが一般的であり、それ以上の温度、例えば700〜1000℃の高温ガスに対しては金属材料で配管材として使用できる安価な材料がなく、配管あるいはダクトの内面に耐火物や断熱材を施工することにより、材料が高温化し強度低下を起こすことを防いでいた。
特に、取り扱い流体が塩化水素等を多量に含む高温腐食性ガスである場合には、ガスの温度が高いほど激しい腐食が生じることから、炭素鋼またはステンレス鋼で構成された配管の内面に耐火物や断熱材を施工することにより、配管部材が直接高温腐食性ガスに接触することを避けていた。このように、配管の内面に耐火物や断熱材を施工する場合、耐火物や断熱材の厚さ分だけ配管径が大きくなるため、配管の価格が上昇する他、配管の設置スペースが増大するという問題があった。また、耐火物を施工する場合、その重量が大きくなるため、配管を支持するサポート、架構等の強度を上げる必要があり、プラント全体の建設費が大きくなるという問題があった。
前記の耐高温腐食合金は、300〜700℃の温度範囲のみならず、700〜1200℃の高温腐食性ガスに対しても優れた耐食性及び高温強度を有しているので、本合金を用いた場合、内面に耐火物や断熱材を施工する必要なしに上記の高温腐食性ガスを取り扱う配管を構成することができる。なお、放熱による内部の高温腐食性ガスの温度低下を防ぐためには、断熱材を取り付けるのが望ましいが、従来と異なり断熱材は配管部材が高温化するのを防止する目的ではないので、配管の外部に断熱材を施工することができる。その場合、従来のように配管内部に断熱材を取り付ける場合に比べて、施工及び使用中の補修や交換が簡便であるという利点が得られる。
また、本合金の具体的な合金組成については、内部を流れる流体の温度と圧力、腐食成分の含有量に応じて成分を調整するのがよい。例えば使用温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コストを図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2〜7%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度及び耐食性を向上させることができる。
なお、配管の製作方法としては、遠心鋳造法によって製作するのが安価かつ簡便で、質のよい製品ができるのでよい。ただし、曲げ管、分岐管のような配管部品については、一般的な砂型鋳物あるいは金型鋳物によって製造するのが適当であり、機械加工によるコストの向上を避けることができる。
本発明の第13の実施例は、高温腐食性ガスを取り扱う管路における流量調整用のバルブあるいはダンパの材料として前記の耐高温腐食合金を用いた例である。
従来、バルブあるいはダンパの材質としては、300℃程度までは鋳鉄や黄銅を、300〜700℃程度ではステンレス鋳物等を用いるのが一般的であり、それ以上の温度、例えば700〜1200℃の高温ガスに対しては高級材料を使用する必要があった。
特に、取り扱う流体が塩化水素等を多量に含む高温腐食性ガスである場合には、ガスの温度が高いほど激しい腐食が生じることから、例えばAlloy625等の高級材料を用いても、長期間の耐用は非常に困難であった。
前記の耐高温腐食合金は、300〜700℃程度の温度域のみならず、700〜1200℃程度の高温腐食性ガスに対しても優れた耐食性を示すため、本合金を用いてバルブ・ダンパ等を構成することにより、従来不可能であった1200℃程度までの高温腐食性ガスの流量調整が可能なバルブあるいはダンパを提供することができる。
合金の具体的な組成については、前記配管の場合と同様、内部を流れる流体の温度と圧力、腐食成分の含有量に応じて成分を調整するのがよい。例えば使用温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2〜7%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度を向上させることができる。
また、バルブあるいはダンパの製作方法としては、バルブあるいはダンパ本体を鋳造により、内部の主要部品は鋳造からの機械加工か、鋳造等により製作するのが一般的と考えられるが、いずれにしても高温腐食性ガスと接する部分は本発明による耐高温腐食合金によって構成されている必要がある。
本発明の第14の実施例は、高温腐食性ガスを取り扱う管路における、ファンあるいはブロワの材料として前記の耐高温腐食合金を使用した例である。
従来、ファンあるいはブロワのケーシング、インペラ等、取り扱うガスに接する部分の材質としては、300℃程度までは鋳鉄等、300〜700℃程度ではステンレス鋳物等を用いるのが一般的であり、それ以上の温度、例えば700〜1200℃の高温ガスに対しては高級材料を使用する必要があった。
特に、取り扱う流体が塩化水素等を多量に含む高温腐食性ガスである場合には、ガスの温度が高いほど激しい腐食が生じることから、例えばAlloy625等の高級材料を用いても、長期間の耐用は非常に困難であった。
前記の耐高温腐食合金は、300〜700℃程度の温度域のみならず、700〜1200℃程度の高温腐食性ガスに対しても優れた耐食性を示すため、本合金を用いてファンあるいはブロワの部材を構成することにより、従来不可能であった1200℃程度までの高温腐食性ガスに対応したファンあるいはブロワを提供することができる。
合金の具体的な組成については、前記配管等の場合と同様、内部を流れる流体の温度と圧力、腐食成分の含有量に応じて成分を調整するのがよい。例えば使用温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2%、Wを8%以下含有したものとすることで、Wの添加量を低減して低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃で程度であれば、Siを1〜4%、Alを2〜7%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。さらに、1000〜1200℃程度であれば、Siを0.3〜1%、Alを2〜7%、Wを8〜15%含有したものとすることで、高温強度を向上させることができる。
以上、第12から第14の実施例は、従来取扱いが困難であった高温腐食性ガスを一般的に取り扱う配管についての実施例であり、これらを組み合わせることで従来は不可能であったプロセスが可能となる。以下、そのような実施例について図24から図26を用いて説明する。
図24に示した実施例は、ガス化炉と溶融炉から構成される廃棄物のガス化溶融炉において、ガス化炉101が2炉、旋回溶融炉102が1炉からなるシステムに本合金を用いて構成されるダンパを使用した例を示している。
廃棄物中に非常に多量の不燃物等の燃焼不適物が含まれる場合、燃焼不適物はガス化炉101において選別され、下部から排出されるため、溶融炉102の負荷が相対的にガス化炉101に対して小さくなる。この場合、溶融炉102の負荷が小さすぎると、燃焼によって発生する熱量に対して放熱損失の割合が大きくなり、安定な灰の溶融のためには助燃量が過大となるという問題がある。
また、燃焼不適物が金属ワイヤ等で、排出時に詰まるなどのトラブルが懸念される場合、ガス化炉101がトラブルのために停止した場合に溶融炉102も停止せざるを得ないという問題がある。
このような点に対しては、図24に示すように、ガス化炉2炉に対し溶融炉を1炉として、ガス化炉と溶融炉の負荷のバランスを適切なものにするとともに、万一トラブルによりガス化炉の1炉が停止した場合でも、他方のガス化炉によって廃棄物の処理を継続することができる。ところが、この方式の場合、2炉を同時使用する場合には2つのガス化炉101a及び101bの圧力差を吸収するために、溶融炉入口の手前に圧力調整用のダンパ85a、85bが必要となる。またこのダンパ85a、85bは、ガス化炉の一方を停止しながら他方を運転する際に、停止しているガス化炉と運転しているガス化炉及び溶融炉とを隔離するためにも必要である。
ガス化炉出口の熱分解ガスbは、400〜1000℃、好ましくは800〜900℃の温度を有している上、灰分を含有しているため、そのような環境で使用可能なダンパはこれまでは実用化困難であった。前記の耐高温腐食合金は、そのような環境においても優れた耐食性を示し、適度な高温強度も有しているため、本合金を用いて構成した前記ダンパを、図24におけるダンパ85a、85bとして用いることにより、上記のシステムを実現することができる。
また、図25に示した実施例は、廃棄物のガス化溶融炉において、溶融炉102以降において、高温排ガスの一部を分岐し、これをガス化炉の流動用ガスとして用いる例を示している。
流動床式ガス化炉において、廃棄物aの発熱量が極めて低い場合、流動床式ガス化炉101において適切な熱分解温度を維持するためには、ガス化炉101における空気比を大幅に高める必要がある。その場合、熱分解ガスbの発熱量が大幅に低下するため、旋回溶融炉102において、適切な燃焼温度を維持するためには、バーナによる助燃が必要となり、助燃量の増大に伴う運転コストの上昇が問題となる。
ところで、溶融炉における燃焼温度が1200℃であるとすると、燃焼排ガスも1200℃と非常に高温であるため、この熱量をプロセスの上流へ循環することで、助燃量を大幅に削減することができる他、排ガス量の低減も可能であり、エネルギー効率及び環境負荷の点から、従来より優れたガス化溶融システムが実現できる。
図25に示した実施例は、上記を実現するために考えられる簡便な方法の一例であり、溶融炉102の出口以降において、例えば800〜1200℃の高温の燃焼排ガスg1の一部を抜き出し、これを流動床ガス化炉の流動化ガスg2として使用している。
一般に、炉内は負圧であるため、溶融炉102の出口以降で抜き出した高温燃焼排ガスg1も負圧である。一方、流動化ガスg2は、流動砂による圧力損失に抵抗して炉内に吹き込むために十分な正圧を有している必要がある。このため、図25に示したプロセスを実現するためには、高温の燃焼排ガスg1をブロワ86によって昇圧する必要があるが、従来は例えば800〜1200℃の高温の燃焼排ガスg1に用いることのできる、十分な高温強度と耐食性を有したブロワは実用化困難であった。
さらに、流動化ガスg2の流量は、流動床式ガス化炉101の温度、流動状態等に応じて流量制御を行う必要があるため、流路中に流量調整用のダンパ85cが必要であるが、従来は例えば800〜1200℃の高温の燃焼排ガスg1に用いることのできる、十分な高温強度と耐食性を有したダンパは実用化困難であった。
ここで、前記実施例14における、本発明による耐高温腐食合金を用いたブロワを図25のブロワ86として、また前記実施例13における、本発明による耐高温腐食合金を用いたダンパを図25のダンパ85cとして用いることにより、上記の問題を解決し、図25に示したプロセスが実現可能となる。
図26に示した実施例は、廃棄物のガス化溶融炉において、スラグ排出部の冷却を防ぐために高温排ガスの一部をスラグ排出部に通じた例を示している。
溶融炉から排出されるスラグを水砕方式により冷却、造粒して系外へ排出する場合、スラグ冷却装置112において高温の溶融スラグが冷却水と接触することにより、冷却水が加熱蒸発して蒸気が発生する。図26に示したブロワ87がない場合、発生した低温の蒸気は排ガスに同伴して排出されるが、その際にスラグ排出部111を通過しこれを冷却するため、スラグ排出部においてスラグが冷却固化し、スラグの排出に悪影響を与える。
この問題を解決するためには、図26に示したようにブロワ87を設置し、溶融炉における燃焼排ガスdの一部d1をスラグ排出部111を経由してスラグ冷却装置112に導き、その燃焼排ガスdとスラグ冷却により発生した蒸気xをダンパ85dおよびブロワ87を経由して溶融炉102の下流部へ排出することにより、スラグ排出部111が冷却されることを防ぐことができる。しかし、ブロワ87及びその前後の配管は燃焼排ガスdと蒸気xの混合した高温の腐食性ガスd2に晒されるため、従来の金属材料を用いた場合は耐腐食性の面で問題があった。
前記の耐高温腐食性合金は、最高800〜1200℃に及ぶ温度範囲において、従来の耐熱鋳鋼あるいは耐熱合金に比べて非常に優れた耐高温腐食性を有しているため、ブロワ87及びその前後の配管を前記の耐高温腐食性合金により構成することにより、ブロワ87の耐久性を大幅に改善することができる。なお、ブロワ87を経由した高温腐食性ガスd2が溶融炉102に再投入されるノズル110については、前記第3の実施例における図17あるいは図18の構造とすることにより、ノズルの耐久性及びスラグの固化による閉塞等の問題を解決することができる。また、ダンパ85dも同様に前記の耐高温腐食性合金により構成されている。
高温腐食性ガスd2は高温の燃焼排ガスd1と低温の蒸気xが混合した気体であるため、蒸気xの発生量(すなわちスラグcの排出量)によりその温度が大きく変化する。このため、対象とする廃棄物の性状に応じて、スラグcの排出量、蒸気xの排出量を求め、それをもとに高温腐食性ガスd2の温度を求めることが望ましい。ブロワ87及び前後の配管、ノズル110等の具体的な材料組成は、その高温腐食性ガスd2の温度に応じて選定することとなる。ガス温度が500〜700℃程度であれば、前記の合金のうち、質量%でSiを0.3〜1%、Alを2〜7%、WとMoの合計量を8%以下含有したものとすることで、低コスト化を図ることができる。また、700〜1000℃程度であれば、Siを1〜4%、Alを2〜7%、WとMoの合計量を8〜15%含有したものとすることで、耐食性を向上させることができる。なお、ブロワ87のインペラは回転部品であり、遠心力に対する機械的強度が要求されるため、必要に応じてWまたはMoを増すことが望ましい。
本発明によれば、耐高温腐食性に優れており、特に塩素が多量に含まれるような激しい腐食環境中で優れた耐久性を示す合金を、廃棄物あるいは石炭等の固体燃料の焼却あるいはガス化装置において、該装置を構成する部材や機器のうち高温腐食性ガスに対する耐食性を要求される部位に用いることによって、該装置の耐久性、信頼性、コスト等を向上させることができる。あるいは、従来は不可能であったプロセスを可能とすることにより、装置の機能や性能を向上させることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、高温化と共に塩化腐食や硫化腐食が同時に生じるような強い腐食を受ける部位を、耐高温腐食性の優れた合金を用いて構成しており、本発明は廃棄物あるいは石炭等の固体燃料を焼却またはガス化する装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は腐食性ガス環境下における一般的な金属材料の腐食速度の温度依存性を説明した図を示す。
図2はT合金にAlあるいはSiを添加した試作合金の腐食量の変動の傾向を表すグラフを示す。
図3は流動床式ガス化溶融炉の全体フローの概要説明図を示す。
図4は廃棄物の供給装置に対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図5は炉の起動用あるいは助燃用バーナに対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図6は空気・酸素・蒸気等を炉内へ投入するノズルに対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図7は空気・酸素・蒸気等を炉内へ投入するノズルに対しての本発明の別の実施例の概要説明図を示す。
図8は空気・酸素・蒸気等を炉内へ投入するノズルに対しての本発明の部材23を設けた実施例の概要説明図を示す。
図9は空気・酸素・蒸気等を炉内へ投入するノズルに対しての本発明の交換可能な部材24を設けた実施例の概要説明図を示す。
図10は熱電対の保護管に対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図11はサンプリング装置のプローブに対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図12はサンプリング装置のプローブに対しての本発明の別の実施例の概要説明図を示す。
図13はスラグ排出部に対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図14は水砕方式によるスラグの冷却造粒装置の概要説明図を示す。
図15は間接冷却方式によるスラグの冷却装置に対しての本発明の実施例の概要説明図を示す。
図16は本発明を適用したバヨネット式熱交換装置の説明図を示す。
図17は高温熱交換装置を利用した廃棄物のガス化溶融装置に対する本発明の実施例の概要説明図を示す。
図18は高温熱交換装置を利用した廃棄物のガス化溶融装置に対する本発明の別の実施例の概要説明図を示す。
図19は高温熱交換装置を利用した廃棄物のガス化溶融装置に対する本発明の別の実施例の概要説明図を示す。
図20はボイラ伝熱管のプロテクタに対する本発明の実施例の概要説明図を示す。
図21はキルン式ガス化炉に対する本発明の実施例の概要説明図を示す。
図22は炭化装置に対する本発明の実施例の概要説明図を示す。
図23はストーカ式焼却炉の火格子に対する本発明の実施例の概要説明図を示す。
図24は本発明により新たに実現可能となる廃棄物のガス化溶融システムの実施例の概要説明図を示す。
図25は本発明により新たに実現可能となる廃棄物のガス化溶融システムの別の実施例の概要説明図を示す。
図26は廃棄物のガス化溶融炉において、スラグ排出部の冷却を防ぐために高温排ガスの一部をスラグ排出部に通じた場合に本発明を適用した概要説明図を示す。
Claims (2)
- 廃棄物あるいは石炭等の固体燃料を焼却またはガス化する装置を構成する部材あるいは機器に、Cr、Si、WまたはMo、Alを含有するNi合金を用いたことを特徴とする廃棄物あるいは石炭等の固体燃料の焼却またはガス化装置。
- 前記Ni合金は、質量%でCrを23〜40%、Alを1.5〜7%、Cを0.1〜0.5%、WとMoを合計量15%以下、Mnを1.0%以下、Siを0.3〜6%、Feを5%以下含み、不可避的不純物を除いて残部Niからなることを特徴とする請求項1に記載の焼却またはガス化装置。
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