JPH1121127A - 酸化チタン膜の作製方法 - Google Patents
酸化チタン膜の作製方法Info
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Abstract
かつ迅速に作製する方法を提供する。 【解決手段】 基材に酸化チタンゾルをコーティングし
た後、そのままで、あるいは、乾燥してから、マイクロ
波を照射する。
Description
かつ迅速に作製する方法に関する。
作用を持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔が生成し、接
触する分子種をその酸化還元作用により分解することが
知られている。酸化チタンのこのような作用、すなわち
光触媒作用を利用することによって、水中に溶解してい
る有機溶剤や農薬、界面活性剤、合成染料、悪臭などの
環境汚染物質の分解除去が試みられている。この方法は
酸化チタンと光を利用するだけであり、微生物を用いる
分解方法などに比べて、温度、pH、ガス雰囲気、毒性
などの反応条件の制約が少なく、しかも、前記微生物を
用いる分解方法では処理しにくい有機ハロゲン化合物や
有機リン化合物のようなものでも容易に分解・除去でき
るという長所がある。これまで行われてきた光触媒によ
る有機物の分解除去の研究では、光触媒として酸化チタ
ンの粉末が用いられていた(例えば、A. L. Pruden and
D. F. Ollis, Journal of Catalysis, Vol.82, 404 (1
983)、H. Hidaka, H. Jou, K. Nohara, J. Zhao, Chemo
sphere, Vol.25, 1589 (1992) 、久永輝明、原田賢二、
田中啓一、工業用水、第379 号、12 (1990) )。しかし
ながら、前記粉末状の酸化チタンを水質の浄化作業に用
いた場合、使用後酸化チタンの粉末は処理水を濾過する
などして回収されるのが常であるが、微粉末であるた
め、濾材が目詰まりを起こすことがあり、前記酸化チタ
ン粉末の処理水からの分離回収が困難であった。そのた
め、水質浄化作業を連続して行うことができず、作業が
効率的でない問題がある。
チタンの作製方法が種々研究され、例えば、チタンのア
ルコキシドを加水分解して得られる酸化チタンを、基材
に塗布し加熱することにより基材表面に付着したゾル状
の酸化チタンを膜状に結晶化する方法が提案されてい
る。しかるに、この方法では、前記酸化チタンの加熱温
度が500〜600℃程度必要で、プラスチックス、木
竹材、紙、布、活性炭などの非耐熱性の材料を基材に用
いることができず、酸化チタン膜の作製が不可能であっ
た。
み、非耐熱性の材料の表面にも酸化チタン膜を簡単かつ
迅速に作製することのできる方法を提供しようとするも
のである。
達成するため、鋭意研究を重ねた結果、基材に酸化チタ
ンゾルをコーティングした後、そのままで、または乾燥
してからマイクロ波を照射することにより、低温のまま
で前記酸化チタンゾルを膜状にでき、非耐熱性の基材で
あってもその表面に酸化チタン膜を形成することができ
ることを見出した、遂に本発明に到達した。しかも形成
された酸化チタン膜は高い光触媒活性を有していること
も判明した。
は、ガラス、セラミックス、プラスチックス、木竹材、
活性炭など、酸化チタンのゾルが付着可能な表面形状を
有しているものなら有機材料・無機材料を問わずなんで
もよく、紙や布など耐熱性を有しない材料でもよい。ま
た、これらの材質を積層しまたは組み合わせた複合材料
であってもよい。また、プラスチックスとしては、マイ
クロ波吸収性が小さいポリエチレンやポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリ
エチレンテレフタレート、シリコン樹脂、ポリビニルア
ルコール、ビニルアセタール樹脂、ポリアセテート、A
BS樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロー
ス、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリウレタン、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、尿素樹脂、フッ素樹
脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイ
ド、キチン、デンプンシート、四弗化エチレンなど、い
ろいろな種類の有機繊維やプラスチックスあるいはそれ
らの共重合体に適用可能である。
板状、円筒状、角柱状、円錐状、球状、瓢箪型、ラグビ
ーボール型など、どのような形であっても良いが、鋭角
の部分を持たないものが好ましい。基材の鋭角部分に
は、酸化チタンゾルが均一な厚みで付着しにくくなるか
らである。
限定はなく、塗料や化粧品、歯磨き粉などに通常に使用
される酸化チタンが好適である。この酸化チタンは、チ
タンのアルコキシドを加水分解したものが好ましい。ま
た、酸化チタンのゲルを過酸化水素に溶解するなどして
用いられる。前記酸化チタンゾルのコーティング方法と
しても特に定めはなく、前記酸化チタンゾルに基材を浸
漬したり、適当な刷毛やスプレーなどで基材表面に塗布
したりしてもよい。
ガヘルツから30ギガヘルツ程度の電磁波で、好ましく
は一般に家庭用電子レンジとして利用されている245
0MHz程度である。この波長範囲は、酸化チタンゾル
によく吸収され、短時間で効率良く乾燥および結晶化を
促進して酸化チタンを膜状とする。前記マイクロ波の照
射時間は、基材の表面形状や大きさ、材質、コーティン
グされる酸化チタンの種類などによって適当に決定する
ことができる。
ングした後、そのままで、あるいは、少し乾燥してか
ら、マイクロ波を照射することにより、基材表面の酸化
チタンゾルが結晶化され、基材の表面に迅速に酸化チタ
ン膜が形成される。これは酸化チタンがマイクロ波によ
る加熱を可能にする双極性を有する金属酸化物であるこ
とによる。
ある場合、マイクロ波を照射する際には、前記基材をシ
ワなどのないピンと張った平面状とすることが望まし
い。基材にシワなどの凹凸があると、酸化チタンのゾル
が均一に付着せず膜の厚みが不均一となったり、またマ
イクロ波の照射に偏りを生じやすくなって、基材表面に
コーティングされた酸化チタンが部分的に過熱されるこ
ともあり、耐久性に優れた酸化チタン膜が得にくくな
る。
ン膜の結晶形は、光触媒として高性能のアナターゼであ
ることが好ましい。ルチルやブルッカイト、非晶質のも
のは光触媒としての活性が低いため、あまり好ましくな
い。
比表面積が大きいため、水中に溶解している有機溶剤や
農薬などの環境を汚染している有機化合物を効率良く吸
着し、太陽光や蛍光灯、白熱灯、ブラックライト、UV
ランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メ
タルハライドランプなどからの人工光の照射で表面の酸
化チタン薄膜に生成した電子や正孔と吸着されていた過
酸化水素、オゾン、酸素が反応して生成する活性酸素種
の極めて強い酸化力により、炭酸ガスなどに迅速かつ連
続的に分解して除去することができる。
が、本発明は当該実施例によって何ら限定されるもので
はない。
とトリエタノールアミンと水を添加して透明なゾル液を
調製し、125mm角のポリエチレン繊維の布の表面に
コーティングした後、2450MHzのマイクロ波を5
00Wで10分間照射した。形成された酸化チタン膜の
結晶構造をX線回折によって調べた結果、アナターゼ1
00%であった。得られた光触媒ポリエチレン繊維の布
を用いて、トリクロロエチレンの分解を行った。10p
pmの濃度のトリクロロエチレンの水溶液18mlをシ
ャーレに入れ、その中に前記ポリエチレン繊維の布を入
れた後、500Wの高圧水銀ランプの光を照射した。1
時間後、反応液に含まれるトリクロロエチレンの量をガ
スクロマトグラフを用いて測定した結果、トリクロロエ
チレンは分解されて、検出されなかった。
ドにイソプロパノール、ジエタノールアミンを添加して
透明なゾル液を調製し、150mm角のポリエステル繊
維の布の表面に酸化チタン膜をコーティングした後、6
0℃で乾燥し、2450MHzのマイクロ波を400W
で15分間照射した。形成された酸化チタン膜の結晶構
造をX線回折によって調べた結果、アナターゼ100%
であった。得られた光触媒ポリエステル繊維の布を用い
て、テトラクロロエチレンの分解を行った。10ppm
の濃度のテトラクロロエチレンの水溶液18mlを石英
ボックスに入れ、その中に前記ポリエステル繊維の布を
浸し、200Wの低圧水銀ランプの光を照射した。1時
間後、反応液に含まれるテトラクロロエチレンの濃度を
ガスクロマトグラフを用いて測定した結果、テトラクロ
ロエチレンの濃度が0ppmに減少していた。
ドに水と硝酸を添加して透明な酸化チタンゾルを調製
し、150mm角のポリエステル繊維の布の表面に酸化
チタン膜をコーティングした後、60℃で乾燥し、24
50MHzのマイクロ波を350Wで15分間照射し
た。得られた酸化チタン膜の結晶構造をX線回折によっ
て調べた結果、アナターゼ100%であった。これを花
瓶に水とともに20枚入れて蛍光灯下で2カ月放置した
ところ、その表面にぬめりは生じず、雑菌や藻も生えて
こなかった。
ドにイソプロパノール、ジエタノールアミンを添加して
透明なゾル液を調製し、直径3mmのガラスビーズにコー
ティングした後、2450MHzのマイクロ波照射を4
50Wで10分間行って、表面に酸化チタン膜が形成さ
れたガラスビーズを得た。得られた光触媒ガラスビーズ
を金魚の泳いでいる金魚鉢に80個入れて1カ月放置し
たが、その表面にぬめりは生じず、雑菌や藻も生えてこ
なかった。
ドに水と酢酸を添加して透明な酸化チタンゾルを調製
し、竹製の棒にディップコート法でコーティングした
後、2450MHzのマイクロ波照射を500Wで10
分間行うことにより、竹の棒の表面に膜状に結晶化させ
た。得られた竹の棒を太陽光の下、水の中に入れておい
たところ、水は透明のままで雑菌もほとんど検出されな
かった。
化チタンを125mm角のポリエチレン繊維の布の表面
にコーティングした後、2450MHzのマイクロ波を
300Wで10分間照射した。得られたポリエチレン繊
維の抗菌防カビ効果を調べた。この光触媒ポリエチレン
繊維の表面の2か所に、肉エキスブイヨン培地で培養し
た大腸菌の菌液1mlづつ滴下し、その上にメンブレン
フィルターを乗せ、20Wの蛍光灯の光を当てながら3
7℃で6時間静置培養した。そして、リン酸緩衝液を加
え、振とうした後、1ml取り出し、混釈平板培養法に
より、生残菌数を測定した。その結果、残菌率は99.
9%以上であった。
ドにイソプロパノール、ジエタノールアミンを添加して
透明なゾル液を調製し、直径3mmのガラスビーズにコー
ティングした後、2450MHzのマイクロ波照射を6
50Wで15分間行って、ガラスビーズ表面に酸化チタ
ン膜を結晶化させた。得られた光触媒ガラスビーズを用
いてテトラクロロエチレンの分解を行った。10ppm
の濃度のテトラクロロエチレンの水溶液18mlを石英
ガラス製試験管に入れ、その中に前記光触媒ガラスビー
ズ8gを浸し、200Wの低圧水銀ランプの光を照射し
た。1.5時間後、反応液に含まれるテトラクロロエチ
レンの濃度をガスクロマトグラフを用いて測定した結
果、テトラクロロエチレンの濃度が0ppmまで低下し
た。
ドにエタノールとN−エチルジエタノールアミンを添加
して透明なゾル液を調製し150mm角のポリエステル
繊維の布の表面に酸化チタン膜をコーティングした後、
50℃で乾燥し、2450MHzのマイクロ波を350
Wで10分間照射した。得られた光触媒ポリエステル繊
維を用いて酢酸の分解を行った。20ppmの濃度の酢
酸の水溶液10mlを石英容器に入れ、その中に前記光
触媒ポリエステル繊維を浸し、撹拌しながら500Wの
超高圧水銀ランプの光を照射した。1時間後、反応液中
に含まれる酢酸の濃度をガスクロマトグラフを用いて測
定した結果、酢酸の濃度が0ppmになっていた。
ドに水と酢酸を添加して透明な酸化チタンゾルを調製
し、木製の棒にディップコート法でコーティングした後
2450MHzのマイクロ波照射を450Wで12分間
行うことにより結晶化した。こうして得られた木の棒を
用いて、有機リン系の農薬である4−ニトロフェニルエ
チルフェニルホスフィナートの分解を行った。50pp
mの濃度の4−ニトロフェニルエチルフェニルホスフィ
ナートの水溶液18mlを硬質ガラス製試験管に入れ、
その中に得られた木の棒を入れ、500Wのキセノンラ
ンプの光を照射した。1時間後、反応液に含まれる4−
ニトロフェニルエチルフェニルホスフィナートの量をガ
スクロマトグラフを用いて測定した結果、4−ニトロフ
ェニルエチルフェニルホスフィナートの濃度は0ppm
に減少していた。
ドに水と硝酸を添加して透明な酸化チタンゾルを調製
し、粘土焼結体に浸漬法によりコーティングした後、2
450MHzのマイクロ波照射を750Wで8分間行う
ことにより、その表面に酸化チタン膜をコーティングし
た。得られた粘土焼結体を用いて、染色排液の脱色を行
った。メチルオレンジ200ppmの水溶液3mlを石
英セルに入れた後、光触媒粘土焼結体2gを入れ、50
0Wの超高圧水銀ランプを照射し、UV−可視吸収スペ
クトルを測定した。その結果、1時間後、前記水溶液は
完全に脱色されて無色透明になった。
の発泡アルミナ(比表面積8m2 /g)の表面にPVD
により酸化チタン膜をコーティングした。その後245
0MHzのマイクロ波を650Wで15分間照射するこ
とにより結晶化した。得られた光触媒発泡アルミナビー
ズを用いて、エタノールの分解を行った。300ppm
のエタノール水溶液15mlを硬質ガラス試験管に入れ
た後、光触媒発泡アルミナビーズ5gを入れ、500W
のキセノンランプを照射した。1時間後、反応液に含ま
れるエタノールの濃度をガスクロマトグラフを用いて測
定した結果、0%に減少していた。
エタノール、トリエタノールアミンを添加して透明なゾ
ル液を調製し、浸漬法により10cm角の多孔質ガラス
の表面に酸化チタン膜をコーティングした後2450M
Hzのマイクロ波照射を600Wで10分間行うことに
より結晶化した。得られた光触媒多孔質ガラスを用い
て、トリクロロエタンの分解を行った。15ppmの濃
度のトリクロロエタンの水溶液3mlを石英セルに入
れ、その中に前記光触媒多孔質ガラスを浸し、15Wの
ブラックライト5本の光を照射した。3時間後、反応液
に含まれるトリクロロエタンの濃度をガスクロマトグラ
フを用いて測定した結果、その濃度が0ppmに減少し
ていた。
シドにエタノール、ジエタノールアミンを添加して透明
なゾル液を調製し、フォームセラミックスの表面にディ
ップコーティング法により、酸化チタン膜をコーティン
グした後、2450MHzのマイクロ波照射を500W
で10分間行うことにより結晶化した。得られた光触媒
フォームセラミックスを用いて、有機リン系の農薬であ
るパラチオンの分解を行った。10ppmの濃度のパラ
チオンの水溶液50mlを硬質ガラス製ビーカーに入
れ、その中に光触媒フォームセラミックスを入れ、20
0Wの高圧水銀ランプ3本の光を三方から照射した。2
時間後、反応液に含まれるパラチオンの量を液体クロマ
トグラフを用いて測定した結果、0ppmになってい
た。
無水エタノールとトリエタノールアミンと水を添加して
透明なゾル液を調製し、滴下法により球状シリカゲルの
表面に酸化チタン膜をコーティングした後、2450M
Hzのマイクロ波照射450Wで10分間行うことによ
り結晶化した。得られた光触媒シリカゲルを用い、実施
例5と同様にして、抗かび効果を調べた。その結果、9
9.9%以上の菌が死んでいた。
シドにイソプロパノール、ジエタノールアミンを添加し
て透明なゾル液を調製し、10cm角のポリプロピレン
板にコーティングした後、2450MHzのマイクロ波
照射を650Wで10分間行って光触媒ポリプロピレン
板を製造した。得られた光触媒ポリプロピレン板を密閉
容器に入れ、悪臭物質であるイソ吉草酸40ppmを注
射器で導入し、6時間後の濃度をガスクロマトグラフで
調べた。その結果、イソ吉草酸の濃度は1ppm以下に
減少しており、アナターゼ型酸化チタン粒子を10cm
角に敷き詰めて接着剤で接着して使用した場合と同様の
防臭効果が得られた。これを繰り返して使用したとこ
ろ、アナターゼ型酸化チタン粒子を使用した場合に比
べ、耐久性が約2.5倍になった。
シドにエタノールとN−エチルジエタノールアミンを添
加して透明なゾル液を調製し150mm角のポリエステル
の板の表面に酸化チタン膜をコーティングした後、50
℃で乾燥し、2450MHzのマイクロ波を600Wで
12分間照射した。得られた光触媒ポリエステル板を用
いて実施例5と同様にして抗菌抗かび効果を調べた。そ
の結果、99.9%以上の菌が死滅しており、アナター
ゼ型酸化チタン粒子を150mm角に敷き詰めて接着剤で
接着して使用した場合と同様の抗菌抗かび効果が得られ
た。また、これを繰り返して耐久性を調べた結果、アナ
ターゼ型酸化チタン粒子を使用した場合に比べ、約15
倍になった。
シドに水と硝酸を添加して透明な酸化チタンゾルを調製
し、150mm角のシリコン樹脂板の表面に酸化チタン
膜をコーティングした後、60℃で乾燥し、2450M
Hzのマイクロ波を550Wで15分間照射した。得ら
れた光触媒シリコン板を用いて空気中のNOxの除去効
果を調べた。10cm角の光触媒シリコン樹脂板を密閉
容器に入れ、5ppmのNOxを注射器で導入し、6時
間後の濃度をガスクロマトグラフで調べたところ、NO
xの濃度はほぼ0に減少しており、アナターゼ型酸化チ
タン粒子を10cm角に敷き詰めて接着剤で接着して使
用した場合と同様のNOxの除去効果が得られた。これ
を繰り返して使用した結果、アナターゼ型酸化チタン粒
子を使用した場合に比べ、耐久性が約10倍に向上し
た。
シドに水と硝酸を添加して透明な酸化チタンゾルを調製
し、浸漬法によりフッ素樹脂板にコーティングして、6
0℃で乾燥し、2450MHzのマイクロ波を650W
で15分間照射した。得られた光触媒フッ素樹脂板を用
いて空気中のSOxの除去効果を調べた。10cm角の
光触媒フッ素樹脂板を密閉容器に入れ、5ppmのSO
xを注射器で導入し、6時間後の濃度をガスクロマトグ
ラフで調べたところ、SOxの濃度はほぼ0に減少して
おり、アナターゼ型酸化チタン粒子を10cm角に敷き
詰めて接着剤で接着して使用した場合と同様のSOxの
除去効果が得られた。これを繰り返して耐久性を調べた
結果、アナターゼ型酸化チタン粒子を使用した場合に比
べ、約8倍に向上した。
ン膜の作製方法によれば、基材に酸化チタンゾルをコー
ティングした後、そのままで、あるいは乾燥してから、
マイクロ波を照射するものであるから、基材表面への酸
化チタン膜の形成が簡単かつ確実である。しかも、加熱
温度が低いので、紙や布など従来製膜することのできな
かったものを基材に用いることができ用途が拡大する。
そして、形成された酸化チタン膜の耐久性は大幅に向上
した。また、本発明によって得られた酸化チタン膜は、
電灯や太陽光を受けて、膜の表面に生成された電子と正
孔の強力な酸化還元反応を生じるので、タバコの煙やN
OX やSOなどの空気中の有害物質、あるいは水中に溶
解している有機溶剤や農薬などの環境汚染物質も容易に
かつ確実に分解し除去する。そのため、自動車の車内や
住居の居間・台所・トイレなどの居住空間の浄化を効率
良く行うことができ、またMRSAなどによる院内感染
なども防止することができる。さらに高い抗菌防臭効果
も発揮する。さらに、酸化チタンは食品添加物としての
許可も得ているものであるから、極めて安全で、容器表
面などに製膜すれば食品の腐敗防止にも役立つ。加え
て、酸化チタンは安価である上、電灯などの日常光程度
の光を照射するだけで酸化還元反応を生じるので、低コ
スト・省エネルギーかつ安全でしかもメンテナンスフリ
ーで長期間安心して使用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 基材に酸化チタンゾルをコーティングし
た後、そのままで、あるいは、乾燥してから、マイクロ
波を照射することを特徴とする酸化チタン膜の作製方
法。 - 【請求項2】 基材がガラス、セラミックス、プラスチ
ックス、木竹材、紙、布、活性炭の内から選ばれた少な
くとも一種であるか、それらの複合材料であることを特
徴とする請求項1記載の酸化チタン膜の作製方法。 - 【請求項3】 酸化チタン膜の結晶形がアナターゼであ
ることを特徴とする請求項1記載の酸化チタン膜の作製
方法。 - 【請求項4】 酸化チタンゾルがチタンのアルコキシド
から加水分解により調製したものであることを特徴とす
る請求項1記載の酸化チタン膜の作製方法。 - 【請求項5】 マイクロ波を照射する際に基材が布など
の場合にはピンと張り基材に凹凸を作らないようにする
ことを特徴とする請求項1記載の酸化チタン膜の作製方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19051497A JP3521207B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 酸化チタン膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19051497A JP3521207B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 酸化チタン膜の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121127A true JPH1121127A (ja) | 1999-01-26 |
JP3521207B2 JP3521207B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=16259366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19051497A Expired - Lifetime JP3521207B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 酸化チタン膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3521207B2 (ja) |
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