JPH11210819A - 粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物 - Google Patents

粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物

Info

Publication number
JPH11210819A
JPH11210819A JP2781098A JP2781098A JPH11210819A JP H11210819 A JPH11210819 A JP H11210819A JP 2781098 A JP2781098 A JP 2781098A JP 2781098 A JP2781098 A JP 2781098A JP H11210819 A JPH11210819 A JP H11210819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
viscous
seismic isolation
resistance plate
container
viscous damper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2781098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4285796B2 (ja
Inventor
Kunio Hayakawa
邦夫 早川
Masayoshi Ikenaga
雅良 池永
Masaki Mochimaru
昌己 持丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oiles Industry Co Ltd
Okumura Corp
Original Assignee
Oiles Industry Co Ltd
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Industry Co Ltd, Okumura Corp filed Critical Oiles Industry Co Ltd
Priority to JP02781098A priority Critical patent/JP4285796B2/ja
Publication of JPH11210819A publication Critical patent/JPH11210819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4285796B2 publication Critical patent/JP4285796B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 上部構造体に相対的な縦移動が生じても粘性
剪断抵抗力の大きさを変化させないで、所望に地震の振
動エネルギを減衰させることができる免震構造物用粘性
ダンパ及びこのような免震構造物用粘性ダンパを具備し
た免震構造物を提供する。 【解決手段】 免震構造物用粘性ダンパ1は、粘性体2
を収容する収容体3と、収容体3内に、当該収容体3の
内壁面4と所定の隙間をもって且つ一部の部位5が粘性
体2内に没入されて配された抵抗板6とを具備し、地震
よる収容体3に対する抵抗板6の水平方向Hの相対移動
において、部位5による粘性体2の剪断により収容体3
に対する抵抗板6の水平方向Hの相対移動のエネルギを
減衰させるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下部構造体と上部
構造体との間に、下部構造体に対する上部構造体の相対
的な横方向の移動を許容すると共に、この横方向の移動
において下部構造体に対して上部構造体に相対的な縦移
動を生じさせる免震支承装置が配されている免震構造物
に用いて好適な粘性ダンパ及びこのような粘性ダンパを
具備した免震構造物に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えば美術館、博物
館、寺院等の建物内には、仏像、彫刻、陶磁器等の貴重
な美術品又は骨董品が展示台上に載置され又は展示ケー
ス内に収容されて展示されているが、展示台又は展示ケ
ースが直接に建物の床上に載置されていると、地震の発
生により転倒して美術品が破壊、損傷される虞がある。
【0003】このため特公昭62−32300号公報に
記載された免震支承装置を、展示台又は展示ケースと建
物の床と間に介在させて、地震の振動を展示台又は展示
ケースに伝達させないで、地震の振動エネルギを適宜に
吸収して、美術品の破壊、損傷を回避する免震台に用い
ることが提案されている。
【0004】上記の免震支承装置は、下耐圧板と、この
下耐圧板上に配された中間耐圧板と、この中間耐圧板上
に配される上耐圧板と、中間耐圧板を、水平面内の一の
方向に移動可能とするように下耐圧板上で支持して、下
耐圧板と中間耐圧板との間に介在されたローラベアリン
グと、上耐圧板を、水平面内の他の一の方向に移動可能
とするように中間耐圧板上で支持して、中間耐圧板と上
耐圧板との間に介在された他のローラベアリングとを具
備してなるものであるが、この免震支承装置では、振動
エネルギに対しての減衰量が必ずしも十分でなく、地震
が治まってからも展示台又は展示ケースが振動する虞が
あり、これを防ぐためにこの種の免震支承装置には粘性
ダンパが通常併設される。
【0005】ところで、粘性体を収容する収容体と、こ
の収容体内に、当該収容体の内壁面と所定の隙間をもっ
て粘性体内に配された抵抗板とを具備した粘性ダンパを
この種の免震支承装置に併設する場合、この免震支承装
置が相対的な横方向の移動を許容すると共に、この横方
向の移動において下部構造体(下耐圧板又は中間耐圧
板)に対して上部構造体(中間耐圧板又は上耐圧板)に
相対的な縦移動を生じさせるために、中間耐圧板又は上
部構造体に取り付けられた抵抗板に収容体に対して同じ
く相対的な縦移動を生じさせることになる。
【0006】上記の粘性ダンパによって生じる粘性剪断
抵抗力の大きさは、横方向に沿う収容体の内壁面に対面
する抵抗板の粘性体に接する面の面積と、当該収容体の
内壁面と抵抗板の面との隙間間隔(距離)と、隙間に配
された粘性体の粘性と、収容体と抵抗板との間の相対速
度とに関与する結果、上記のように収容体に対して抵抗
板に相対的な縦移動が生じると、抵抗板の粘性体への没
入量が変化して収容体の内壁面に対面する抵抗板の粘性
体に接する面積が変化することになる。このように粘性
体に接する抵抗板の面積が変化すると、これに基づいて
当該粘性ダンパによって生じる粘性剪断抵抗力の大きさ
が変化することとなり、地震の振動エネルギを所望に減
衰させることができなくなる虞がある。
【0007】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、下部構造体に対す
る上部構造体の相対的な横方向の移動を許容すると共
に、この横方向の移動において下部構造体に対して上部
構造体に相対的な縦移動を生じさせる免震支承装置に併
用して好適であって、上部構造体に相対的な縦移動が生
じて抵抗板の粘性体への没入量が変化しても、これによ
っては粘性剪断抵抗力の大きさを変化させないで、所望
に地震の振動エネルギを減衰させることができる粘性ダ
ンパ及びこのような粘性ダンパを具備した免震構造物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の粘性ダンパは、
粘性体を収容する収容体と、この収容体内に、当該収容
体の内壁面と所定の隙間をもって且つ一部の部位が粘性
体内に没入されて配された抵抗板とを具備しており、収
容体に対する抵抗板の相対移動において、抵抗板の粘性
体内に没入された部位により粘性体を剪断して、この剪
断により収容体に対する抵抗板の相対移動のエネルギを
減衰させるようにした粘性ダンパであって、抵抗板の粘
性体内に没入された部位の幅広平坦面に対面する収容体
の内壁面は、幅広平坦面に近接した近接面と、この近接
面の最下縁及び最上縁に隣接して位置していると共に、
当該近接面と比較して幅広平坦面からより多く離反した
離反面とを具備しており、近接面の最下縁は、収容体に
対する抵抗板の相対移動における抵抗板の粘性体内に没
入された部位の下縁の最大上昇位置よりも上方に配され
ており、近接面の最上縁は、粘性体の上面の最大下降位
置よりも下方に配されている。
【0009】本発明において、収容体は、下部で免震構
造物の下部構造体に固定されるようになっており、抵抗
板は、上部で免震構造物の上部構造体に固定されるよう
になっている。収容体は、好ましい例では、本体と、こ
の本体の対向する両内面の少なくとも一方に、より好ま
しくは両内面に溶接等により固着された矩形体とを具備
しており、幅広平坦面に対面する矩形体の側壁面が近接
面とされるが、これに代えて、収容体を、本体のみで構
成し、この本体の対向する両内面の少なくとも一方を、
好ましくは、両内面を適宜変形し若しくは肉厚にして、
これにより近接面と離反面とを具備した収容体の内壁面
としてもよい。
【0010】また、近接面は、必ずしも連続面である必
要はなく、複数の部分近接面の集合体であってもよい。
本体の対向する両内面の夫々に矩形体等を固着して近接
面とする場合、この近接面を互いに対面するように、同
位置に配する必要はなく、一方の近接面が他方の近接面
に対して縦方向及び横方向の少なくとも一方にずれてい
てもよい。粘性体としては、高粘性を有するシリコン製
のものを使用するのが好ましい。
【0011】本発明では、離反面は、近接面と比較し
て、抵抗板の幅広平坦面からより多く離反していればよ
いのであるが、具体的には、好ましくは、幅広平坦面と
近接面との距離d1と、幅広平坦面と離反面との距離d
2との比d1/d2が1/3以下であればよく、より好
ましくは、1/10以下であればよい。
【0012】上記の粘性ダンパを用いた本発明の免震構
造物では、免震構造物の下部構造体と上部構造体との間
に、下部構造体に対する上部構造体の相対的な横方向の
移動を許容すると共に、この横方向の移動において下部
構造体に対して上部構造体に相対的な縦移動を生じさせ
る免震支承装置が配されている。本発明の免震構造物
は、好ましい例では、展示物用の免震台であるが、本発
明は、これに必ずしも限定されず、例えば事業用の免震
ビル、免震集合住宅、免震戸建住宅等であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図に
示す好ましい実施例に基づいて更に詳細に説明する。な
お、本発明はこれら実施例に何等限定されないのであ
る。
【0014】
【実施例】図1及び図2において、本例の粘性ダンパ1
は、粘性体2を収容する収容体3と、収容体3内に、当
該収容体3の内壁面4と所定の隙間をもって且つ一部の
部位5が粘性体2内に没入されて配された抵抗板6とを
具備している。
【0015】収容体3は、底板11、一対の互いに対向
する側板12及び13並びに一対の互いに対向する横板
14及び15からなる本体16と、側板12及び13の
対向面17及び18に夫々溶接等により固着された矩形
体19及び20とを具備している。収容体3は、その下
部で溶接等により免震構造物の下部構造体21の上面2
2に固定される。なお、底板11を省いて、収容体3を
取り付ける下部構造物21の上面22を底板として用い
てもよい。
【0016】抵抗板6は、その上部で溶接等により免震
構造物の上部構造体25の下面26に固定される。
【0017】収容体3の内壁面4において、収容体3に
対する抵抗板6の横方向の相対移動方向、本例では水平
方向Hに沿う部位5の平坦面、すなわち幅広平坦面31
及び32に夫々対面する収容体3の内壁面33及び34
は、平坦面31及び32に近接する近接面35及び36
と、近接面35及び36の下縁37及び38に隣接して
位置しており、近接面35及び36と比較して平坦面3
1及び32からより多く離反した離反面39及び40と
を具備している。このように本例では、部位5の両平坦
面31及び32に夫々対面する矩形体19及び20の側
壁面が近接面35及び36とされており、離反面39及
び40と同様の離反面41及び42が、近接面35及び
36の上縁43及び44に隣接して位置して設けられて
いる。近接面35及び36の最上縁でもある上縁43及
び44は、収容体3に対する抵抗板6の相対移動、本例
では地震による収容体3に対する抵抗板6の縦方向であ
る垂直方向Vの相対移動における粘性体2の上面45の
最大下降位置よりも下方に配されている。
【0018】近接面35及び36の最下縁でもある下縁
37及び38は、収容体3に対する抵抗板6の垂直方向
Vの相対移動における部位5の下縁51の最大上昇位置
よりも上方に配されている。
【0019】部位5の平坦面31及び32と近接面35
及び36との距離d1と、部位5の平坦面31及び32
と離反面39及び40並びに41及び42との距離d2
との比d1/d2は、1/3以下であり、より好ましい
例では、1/10以下である。
【0020】以上の粘性ダンパ1では、収容体3に対す
る抵抗板6の水平方向Hの相対移動において、部位5に
より粘性体2を剪断してこの剪断により収容体3に対す
る抵抗板6の水平方向Hの相対移動のエネルギを減衰さ
せるようになっている。そして、粘性ダンパ1では、離
反面39及び40並びに41及び42に比較して近接面
35及び36が平坦面31及び32に十分に近接して位
置しているため、離反面39及び40並びに41及び4
2と平坦面31及び32との間で生じる粘性剪断抵抗に
比較して近接面35及び36と平坦面31及び32との
間で生じる粘性剪断抵抗が十分に大きくなり、離反面3
9及び40並びに41及び42と平坦面31及び32と
の間で生じる粘性剪断抵抗を無視できることになり、結
局、上記の剪断により生じる粘性剪断抵抗は、近接面3
5及び36と平坦面31及び32との間で生じる粘性剪
断抵抗に実質的に依存することになる。
【0021】したがって、粘性ダンパ1では、地震にお
いて収容体3に対して抵抗板6に水平方向Hの相対移動
に加えて垂直方向Vの相対移動が生じて抵抗板6の粘性
体2への没入量(部位5の粘性体2に接する面積)が変
化しても、その垂直方向Vの相対移動により、部位5の
下縁51が近接面35及び36の下縁37及び38を超
えて上昇せず、しかも、抵抗板6の粘性体2への没入量
の変化に起因する粘性体2の上面45の変動において粘
性体2の上面45が近接面35及び36の上縁43及び
44を超えて下降しない限り、近接面35及び36と平
坦面31及び32との粘性体2を介在した面積が一定で
あり、かつ部位5による粘性体2の剪断で生じる粘性剪
断抵抗が、主に、近接面35及び36と平坦面31及び
32との間で生じる粘性剪断抵抗に依存した値となる結
果、この値でもって収容体3に対する抵抗板6の水平方
向H及び垂直方向Vの相対移動のエネルギが減衰される
ようになっている。換言すれば、粘性ダンパ1では、収
容体3に対して抵抗板6の相対的な縦移動が生じて抵抗
板6の粘性体2への没入量が変化しても、これによって
は粘性剪断抵抗力の大きさを変化させないで、所望に地
震の振動エネルギを減衰させることができるのである。
【0022】次に、粘性ダンパ1を免震構造物としての
展示物用の免震台61に用いた例を図3及び図4に示
す。図3及び図4において、免震台61は、下部構造物
としての下部枠体62と、下部枠体62に対して上部構
造物(次の上部枠体64に対しては下部構造物となる)
としての中間枠体63と、下部構造物としての中間枠体
63に対して上部構造物としての上部枠体64と、下部
枠体62と中間枠体63との間及び中間枠体62と上部
枠体64との間に夫々配された複数の免震支承装置65
とを具備しており、粘性ダンパ1は、免震支承装置65
と同様に、下部枠体62と中間枠体63との間及び中間
枠体63と上部枠体64との間に夫々配されている。免
震台61の上部枠体64に固定して展示ケース66等が
載置される。
【0023】各免震支承装置65は、同様に構成されて
おり、下部枠体62と中間枠体63との間に配された免
震支承装置65の夫々は、円弧上面71を有して下部枠
体62に固着された下部ローラ受け72と、円弧下面7
3を有して中間枠体63に固着された上部ローラ受け7
4と、下部ローラ受け72及び上部ローラ受け74間に
配されたローラ75とを具備しており、中間枠体63と
上部枠体64との間に配された免震支承装置65の夫々
は、同じく円弧上面71を有して中間枠体63に固着さ
れた下部ローラ受け72と、円弧下面73を有して上部
枠体64に固着された上部ローラ受け74と、下部ロー
ラ受け72及び上部ローラ受け74間に配されたローラ
75とを具備している。
【0024】下部枠体62と中間枠体63との間に配さ
れて、下部枠体62に対して中間枠体63を免震支持す
る免震支承装置65は、ローラ75の下部ローラ受け7
2と上部ローラ受け74との間での転動により下部枠体
62に対する中間枠体63の水平方向HにおけるH1方
向の移動を許容し、H1方向の移動において下部枠体6
2に対して中間枠体63に縦移動、すなわちV方向の移
動を生じさせ、中間枠体63と上部枠体64との間に配
されて、中間枠体63に対して上部枠体64を免震支持
する免震支承装置65は、ローラ75の下部ローラ受け
72と上部ローラ受け74との間での転動により中間枠
体63に対する上部枠体64の水平方向HにおいてH1
方向に直交するH2方向の移動を許容し、H2方向の移
動において中間枠体63に対して上部枠体64に縦移
動、すなわちV方向の移動を生じさせる。
【0025】下部枠体62と中間枠体63との間に配さ
れた粘性ダンパ1においては、その収容体3は、下部で
溶接等により下部枠体62の上面に固定され、その抵抗
板6は、上部で溶接等により中間枠体63の下面に固定
されており、中間枠体63と上部枠体64との間に配さ
れた粘性ダンパ1においては、その収容体3は、下部で
溶接等により中間枠体63の上面に固定され、その抵抗
板6は、上部で溶接等により上部枠体64の下面に固定
されている。
【0026】以上の免震台61では、地震により床76
が水平方向H1又はH2に振動した場合、下部枠体62
に対して中間枠体63が水平方向H1に又は中間枠体6
3に対して上部枠体64が水平方向H2に相対的に移動
されると共に、下部枠体62に対して中間枠体63が又
は中間枠体63に対して上部枠体64が垂直方向Vに移
動されて、展示ケース66への床76からの水平方向H
1又はH2の振動の伝達を防止するようになっている。
そして、免震台61では、下部枠体62に対する中間枠
体63の水平方向H1及び垂直方向Vの相対移動におい
て又は中間枠体63に対する上部枠体64の水平方向H
2及び垂直方向Vの相対移動において、粘性ダンパ1に
より粘性剪断抵抗が生じて、当該相対移動のエネルギが
減衰される。しかも、免震台61では、下部枠体62に
対して中間枠体63が又は中間枠体63に対して上部枠
体64が垂直方向Vに移動されても、上記のように抵抗
板6の粘性体2への没入量の変化に影響されることなし
に、粘性ダンパ1により所望の粘性剪断抵抗が生じる結
果、地震による床76に対する展示ケース66の垂直方
向V及び水平方向H1又はH2の相対的な振動が可及的
速やかに減衰されることになる。
【0027】上記の粘性ダンパ1では、側板12及び1
3の対向面17及び18に夫々固着された矩形体19及
び20により近接面35及び36と離反面39及び40
並びに41及び42とを形成したが、これに代えて、図
5に示すように側板12及び13の中間部を断面コ字状
に曲折させて、近接面35及び36と離反面39及び4
0並びに41及び42とを形成してもよい。
【0028】また、図6に示すように、近接面35及び
36が垂直方向Vにおいて互いにずれて対面するよう
に、矩形体19及び20とを側板12及び13の対向面
17及び18に夫々溶接等により固着してもよく、この
場合には、近接面35及び36の最下縁は、下側の近接
面36の下縁38となり、近接面35及び36の最上縁
は、上側の近接面35の上縁43となり、下縁38を部
位5の下縁51の最大上昇位置よりも上方に配し、上縁
43を粘性体2の上面45の最大下降位置よりも下方に
配する。
【0029】更に、図7に示すように、近接面35及び
36の夫々が垂直方向Vにおいて断続されて配された複
数の部分近接面35a及び35b並びに36a及び36
bの集合体からなるように、夫々複数の部分矩形体19
a及び19b並びに20a及び20bからなる矩形体1
9及び20を側板12及び13の対向面17及び18に
夫々溶接等により固着してもよく、この場合には、近接
面35及び36の最下縁は、下側の部分近接面36bの
下縁38bとなり、近接面35及び36の最上縁は、上
側の部分近接面35aの上縁43aとなり、下縁38b
を部位5の下縁51の最大上昇位置よりも上方に配し、
上縁43aを粘性体2の上面45の最大下降位置よりも
下方に配する。
【0030】また、近接面35及び36を互いに同一の
面積をもって形成する必要はなく、図8に示すように、
近接面35の面積を近接面36の面積よりも小さくして
もよく、更に、図9に示すように、平坦面31に近接す
る近接面35を省いて、粘性ダンパ1を形成してもよ
い。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、下部構造体に対する上
部構造体の相対的な横方向の移動を許容すると共に、こ
の横方向の移動において下部構造体に対して上部構造体
に相対的な縦移動を生じさせる免震支承装置に併用して
好適であって、上部構造体に相対的な縦移動が生じて抵
抗板の粘性体への没入量が変化しても、これによっては
粘性剪断抵抗力の大きさを変化させないで、所望に地震
の振動エネルギを減衰させることができる粘性ダンパ及
びこのような粘性ダンパを具備した免震構造物を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施例の側面断面説明図で
ある。
【図2】図1の実施例の粘性ダンパの分解斜視図であ
る。
【図3】図1の実施例を免震台に用いた例の正面図であ
る。
【図4】図3の例の側面図である。
【図5】本発明の好ましい他の実施例の側面断面説明図
である。
【図6】本発明の好ましい更に他の実施例の側面断面説
明図である。
【図7】本発明の好ましい更に他の実施例の側面断面説
明図である。
【図8】本発明の好ましい更に他の実施例の側面断面説
明図である。
【図9】本発明の好ましい更に他の実施例の側面断面説
明図である。
【符号の説明】
1 粘性ダンパ 2 粘性体 3 収容体 4、33、34 内壁面 5 部位 6 抵抗板 31、32 平坦面 35、36 近接面 37、38 下縁 39、40 離反面 43、44 上縁 45 上面 51 下縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池永 雅良 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス工 業株式会社藤沢事業場内 (72)発明者 持丸 昌己 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス工 業株式会社藤沢事業場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘性体を収容する収容体と、この収容体
    内に、当該収容体の内壁面と所定の隙間をもって且つ一
    部の部位が粘性体内に没入されて配された抵抗板とを具
    備しており、収容体に対する抵抗板の相対移動におい
    て、抵抗板の粘性体内に没入された部位により粘性体を
    剪断して、この剪断により収容体に対する抵抗板の相対
    移動のエネルギを減衰させるようにした粘性ダンパであ
    って、抵抗板の粘性体内に没入された部位の幅広平坦面
    に対面する収容体の内壁面は、幅広平坦面に近接した近
    接面と、この近接面の最下縁及び最上縁に隣接して位置
    していると共に、当該近接面と比較して幅広平坦面から
    より多く離反した離反面とを具備しており、近接面の最
    下縁は、収容体に対する抵抗板の相対移動における抵抗
    板の粘性体内に没入された部位の下縁の最大上昇位置よ
    りも上方に配されており、近接面の最上縁は、粘性体の
    上面の最大下降位置よりも下方に配されている粘性ダン
    パ。
  2. 【請求項2】 収容体は、下部で免震構造物の下部構造
    体に固定されるようになっており、抵抗板は、上部で免
    震構造物の上部構造体に固定されるようになっている請
    求項1に記載の粘性ダンパ。
  3. 【請求項3】 収容体は、本体と、この本体の対向する
    両内面の少なくとも一方に固着された矩形体とを具備し
    ており、抵抗板の幅広平坦面に対面する矩形体の側壁面
    が近接面とされている請求項1又は2に記載の粘性ダン
    パ。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    粘性ダンパを用いた免震構造物であって、免震構造物の
    下部構造体と上部構造体との間には、下部構造体に対す
    る上部構造体の相対的な横方向の移動を許容すると共
    に、この横方向の移動において下部構造体に対して上部
    構造体に相対的な縦移動を生じさせる免震支承装置が配
    されている免震構造物。
  5. 【請求項5】 免震構造物が展示物用の免震台である請
    求項4に記載の免震構造物。
JP02781098A 1998-01-26 1998-01-26 粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物 Expired - Lifetime JP4285796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02781098A JP4285796B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02781098A JP4285796B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11210819A true JPH11210819A (ja) 1999-08-03
JP4285796B2 JP4285796B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=12231342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02781098A Expired - Lifetime JP4285796B2 (ja) 1998-01-26 1998-01-26 粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4285796B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190560A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 Takenaka Komuten Co Ltd 免震装置
JP2016023714A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 オイレス工業株式会社 免震装置
CN108316733A (zh) * 2018-03-23 2018-07-24 中铁大桥科学研究院有限公司 一种黏滞阻尼墙

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190560A (ja) * 2007-02-01 2008-08-21 Takenaka Komuten Co Ltd 免震装置
JP2016023714A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 オイレス工業株式会社 免震装置
CN108316733A (zh) * 2018-03-23 2018-07-24 中铁大桥科学研究院有限公司 一种黏滞阻尼墙
CN108316733B (zh) * 2018-03-23 2023-05-05 中铁大桥科学研究院有限公司 一种黏滞阻尼墙

Also Published As

Publication number Publication date
JP4285796B2 (ja) 2009-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09242819A (ja) 免震装置
JPH1172140A (ja) 免震装置
JPH11210819A (ja) 粘性ダンパ及びこれを用いた免震構造物
JPH1046869A (ja) 免震装置の多層式粘性ダンパー
JP3401441B2 (ja) 構造物の制震装置
JP3739145B2 (ja) 建物の制振装置
JP2510478B2 (ja) 建造物およびその振動抑制装置
JP3977343B2 (ja) 免震装置
JP2001107600A (ja) 振動減衰装置
JP2002021917A (ja) 免震装置
JPH11230253A (ja) ダンパー
JPH10110777A (ja) 橋梁の免震装置
JPH1130271A (ja) 免震装置
JPH02147739A (ja) 構造物の揺動ダンパ装置
JPH1046870A (ja) 免震装置の粘性ダンパー
JP2631901B2 (ja) 免震・制振装置
JP3250054B2 (ja) 制震装置
JPH0666044A (ja) 制振壁装置
JP2001159446A (ja) 制震装置
JP2024090144A (ja) 制振構造
JPH1113829A (ja) 免震装置
JPS60168875A (ja) 免震支持装置
JPH11256875A (ja) 免震構造体およびその制振方法
JPH08239805A (ja) 上下振動用制振装置
JPH11101020A (ja) 制震装置及びこれを用いた制震壁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071004

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071012

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090128

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090324

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120403

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130403

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140403

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term