JPH11210712A - ダクト内共鳴防止方法とその構造 - Google Patents

ダクト内共鳴防止方法とその構造

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JPH11210712A
JPH11210712A JP10009462A JP946298A JPH11210712A JP H11210712 A JPH11210712 A JP H11210712A JP 10009462 A JP10009462 A JP 10009462A JP 946298 A JP946298 A JP 946298A JP H11210712 A JPH11210712 A JP H11210712A
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Hidekazu Kobayashi
秀和 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体を搬送するダクトの長手方向に生じる共
鳴を効果的に防止できる手段がなく、また音圧を計測す
る管内においても共鳴を効果的に防止する手段がない。 【解決手段】 ダクト1内に螺旋板2を設け、この螺旋
板2に沿って流体を搬送することによって、ダクト1内
を進行する流体の内径側と外径側との経路の差によって
ダクト断面内で音の位相を異ならせて共鳴を生じないよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、気体
や液体等の搬送や音を通過させるために用いられるダク
ト内における共鳴を防止する方法とその構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、気体や液体等を搬送するため
や音を通過させるため(この明細書では気体や液体等に
音も含めて「流体」という)に様々なダクト系が採用さ
れているが、このようなダクト系ではダクト内で共鳴を
生じることが知られている。
【0003】この共鳴としては、ダクトの両壁面間に生
じる共鳴と長手方向に生じる共鳴とがあり、両壁面間に
生じる共鳴は、ダクト内を流れる流体が両壁面で反射
し、この両者の干渉によって生じ、長手方向に生じる共
鳴は、ダクト径の断面が急変する個所や開放端における
圧力変化部等で生じる後退波がダクト内の進行波と干渉
することによって生じるものであるといわれている。こ
の長手方向に生じる共鳴はダクト長さに応じた周波数の
共鳴であり、ダクト内の進行波と後退波の位相特性が同
一となり波形が重なり合った時に生じる。
【0004】この種のダクト内共鳴を防止する方法とし
て特開平4−213498号公報記載の発明があり、こ
の発明では、ダクト内壁面に吸音材を施工することによ
りダクト両壁面間で生じる共鳴を防止しようとしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、ダクトの両壁面間に生じる共鳴を防止する
効果はあるが、ダクト長手方向に共鳴を生じる要因とな
る開口端や断面変化部に吸音材の貼付ができず、吸音材
による効果的な後退波の吸収ができないので、ダクト長
手方向の共鳴の防止については効果を発揮することがで
きない。
【0006】そのため、ダクト系の端部に必ず存在する
開口端あるいは断面変化部からの後退波による共鳴を防
止する手段が切望されている。
【0007】一方、このようなダクト内の音を計測する
事例として、エンジン排気ダクト等の高温流体のダクト
系における騒音計測がある。しかし、この音圧を計測す
るマイクロホンの許容温度が通常のマイクロホンで約7
0℃と低いため、高温流体用のダクト内での計測には工
夫を施した治具を用いた計測となる。
【0008】その工夫の一つとして枝管を用いた計測が
あり、ダクトに枝管を設けて高温流体の熱を回避した枝
管端部で音を計測しようとする手段がある。しかしなが
ら、このような枝管を用いた場合、枝管内で共鳴が発生
してしまい、正確な音圧の計測ができなくなってしま
う。このように、音圧を計測する管内においても共鳴を
防止する必要があり、このような音を計測する点からも
共鳴を防止する手段が切望されている。
【0009】なお、高温に耐え得るマイクロフォンを使
用することも考えられるが、このようなダクトを設ける
設備には多くのマイクロフォンを必要とするため、設備
費用が増大して現実的ではない。
【0010】さらにまた、アクティブ消音[人工的に生
成した消音用音波をスピーカから放射し、音の干渉現象
により、消音するもの(Active Noise Control)]用
のダクト系においても、共鳴によって効果的な消音を妨
げられる場合がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、この出願に係る発明は、ダクト内に螺旋状
の流路形成体を設け、この流路形成体に沿って流体を搬
送することによって、ダクト内を進行する流体の内径側
と外径側との経路の差によってダクト断面内で音の位相
を異ならせて共鳴を生じないようにしている。
【0012】このような螺旋状の流路形成体を設けれ
ば、流体の流れを阻害することなく、進行波と後退波と
の干渉による共鳴を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この出願に係る発明は、ダクト内
を搬送する流体を螺旋状に進行させることにより、ダク
ト内を進行する流体の内径側と外径側との経路の差によ
ってダクト断面内で音の位相を異ならせて共鳴を生じな
いようにしている。このような螺旋状の流路形成体を設
ければ、流体の搬送を阻害することなく、進行波と後退
波との干渉によるダクト内の共鳴を防止することができ
る。
【0014】前記方法を実現する構造としては、流体搬
送用ダクト内に、このダクト内の流体を螺旋状に進行さ
せる流路形成体を設ければよい。
【0015】また、内部流体が高温である等、直接マイ
クロホンをダクトに取付けられない場合には、音を測定
する所定位置に測定用ダクトを設けることがある。この
時、測定用ダクト内に螺旋状の流路形成体を設ければ、
ダクト内の音を正確に測定することができる。
【0016】さらに、流体搬送用ダクト内に、このダク
ト内の流体を螺旋状に進行させる流路形成体を設けると
ともに、この流体搬送用ダクトの所定位置にダクト内音
を測定する測定用ダクトを設け、この測定用ダクト内に
螺旋状の流路形成体を設ければ、流体搬送用ダクト内の
音を正確に測定することができる。
【0017】また、ダクト内の音を測定する測定用ダク
トの測定位置と流体搬送用ダクト出口との差圧が大きい
ダクト系においては、差圧により内部流体がマイクロホ
ンに流れ込むことを防ぐために、この測定用ダクトの端
部を流体搬送用ダクトの出口位置まで延設する。これに
より測定用ダクトの測定位置での静圧を小さくすること
ができる。この時、測定用ダクト内に螺旋状の流路形成
体を設ければ、測定用ダクト内での共鳴を防止した正確
な音圧測定ができる。
【0018】その上、測定用ダクトの先端に、この測定
用ダクト内の流量を調節する流量調節手段を設ければ、
測定用ダクト内の測定位置での差圧を調節して、内部流
体をマイクロホンに流れ込ませることなく正確な音圧を
測定することができる。
【0019】さらに、騒音を低減するために付加音源か
らの音を騒音に付加して消音するアクティブ消音用ダク
ト系においても、このアクティブ消音用ダクト内に螺旋
状の流路形成体を設ければ、共鳴(ハウリング)を防止
して効果的なアクティブ消音を行うことができる。
【0020】このアクティブ消音用ダクトの所定位置に
付加音源用ダクトを設け、この付加音源用ダクト内に螺
旋状の流路形成体を設ければ、高温のダクト内に正確な
波形の音を放射して消音することができる。
【0021】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図1はこの出願に係る発明のダク
ト内共鳴防止構造の第1実施例を示す断面図であり、こ
の第1実施例では螺旋状の流路形成体として螺旋板を用
いた例を示している。
【0022】図示するように、流体搬送用ダクト1内に
螺旋板2を設けることにより、流体を螺旋状に進行させ
る流路3が形成されたダクト内共鳴防止構造Sが構成さ
れている。
【0023】この螺旋板2は、ダクト1の中心に所定径
の軸心部2aが形成されるとともに、この軸心部2aの
周囲に所定ピッチで螺旋部2bが形成されたものであ
り、ダクト1内を搬送する流体の進行を阻害することな
く円滑に搬送することができるとともに、ダクト1内の
音の進行も阻害することがない。この螺旋板2は、螺旋
状に流体が流れるような流路形成体であればよく、例え
ば、軸心部2aの無い構成でもよく、その他の構成であ
ってもよい。また、この螺旋板2の螺旋部2bは、流体
の種類や圧力,流速等によってピッチや傾斜角等を適宜
設定すればよい。
【0024】図2(a),(b) は、このようなダクト内共鳴
防止構造Sを形成するダクト1による消音効果の「実験
例」を示す図面であり、(a) は構造構成の該略断面図、
(b)は実験結果の線図である。この実験例は、長さ30c
m、直径10cm、のダクトに片側からスピーカ4でホワ
イトノイズ(ある周波数成分が同レベルの音)の音を入
れてマイク5で測定した例であり、ダクト1内に螺旋板
2(外形10cm、内径2cm、8ピッチ)を挿入した場合
と、挿入しない場合のダクト出口の音圧レベルを比較し
ている。
【0025】図2(b) の線図から、一点鎖線で示す螺旋
板がない場合には、約380Hz,約820Hz,約130
0Hzの共鳴が顕著に見られるが、螺旋板2を挿入する
と、これらの共鳴が抑制され、200Hz〜1.4KHz の
周波数帯域において音圧がほぼ均一化されていることが
わかる。つまり、200Hz〜1.4KHz の周波数帯域に
おいて有効に消音して共鳴の防止を図ることができる。
これにより、後述するようなダクト1内の音を計測する
ような場合、従来は約380Hzで共鳴を生じ、ダクト内
部音を正確に計測できなかったが、これらの共鳴を防止
できるので広い周波数帯域において計測することが可能
となる。
【0026】このような螺旋板2による共鳴防止の原理
は、螺旋内を伝播する音は螺旋の内径に沿って伝わるも
のと外径に沿って伝わるもので経路の差が大きくなり、
この経路の差によって、螺旋出口で反射される音は内径
側と外形側とで位相が少しずつ異なるため、この差が音
の波長の半波長以上となる周波数の音では、これらの音
を合成しても共鳴を生じるような大きなピークを作らな
いようにすることによって達成されている。
【0027】図3はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造Sの使用例を示す第2実施例の一部断面した側
面図であり、高温流体を搬送するダクト内の音を計測す
る第1例を示している。
【0028】この第2実施例では、ダクト1の所定位置
にフランジ6を設け、このフランジ6に断熱材6aを介
してダクト内音圧を測定するための測定器mが設けられ
ている。
【0029】この測定器mは、ダクト1に設けられたフ
ランジ6に断熱材6aを介して取り付けるフランジ8a
を具備した所定長さの測定用ダクト8と、この測定用ダ
クト8の反ダクト側に取り付けられる取付治具9aと、
この取付治具9aにOリング9bによりシールされた状
態で取り付けられたマイクロフォン9とから構成されて
いる。そして、この測定用ダクト8の内部には、所定ピ
ッチの螺旋板10が設けられており、この螺旋板10に
よって測定用ダクト8内での音の共鳴を防止している。
【0030】この測定用ダクト8の長さは、高温流体の
温度やマイクロフォン9の種類等に応じて決定すればよ
く、また、螺旋板10のピッチも好ましい寸法に設定す
ればよい。なお、測定用ダクト8のダクト側基部には外
気吸込み孔8bが設けられており、所定径の外気吸込み
孔8bを設けることにより、高温流体がマイクロホン9
に至ることを防止している。
【0031】このようなダクト内共鳴防止構造Sを使用
すれば、ダクト1からマイクロフォン9に達する音の共
鳴を防止して正確な音圧測定をすることが可能となる。
【0032】この第2実施例のダクト1内に前記第1実
施例の螺旋板2を設ければ、ダクト1内でも共鳴を生じ
ることもないので、正確なダクト内流体の騒音を測定す
ることができる。
【0033】図4はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造の使用例を示す第3実施例の一部断面した側面
図であり、高温流体を搬送するダクト内の音を計測する
第2例を示している。なお、前記第2実施例と同一の構
成には同一符号を付して説明する。
【0034】この第2実施例では、ほぼ90度に曲折さ
れた測定用ダクト11が採用されており、この測定用ダ
クト11の反ダクト側にマイクロフォン12を取り付け
た取付治具12aが設けられている。この実施例の場
合、測定用ダクト11が曲折されているので、両端部の
ほぼ直線部分のみに所定ピッチの螺旋板13が設けられ
ており、この螺旋板13によってダクト1からの音の共
鳴を防止している。
【0035】この実施例の場合も、測定用ダクト11の
長さは、高温流体の温度やマイクロフォン12の種類等
に応じて決定すればよく、また、螺旋板13のピッチも
好ましい寸法に設定すればよい。なお、測定用ダクト1
1のダクト側基部に設けられた外気吸込み孔11bによ
る作用効果も前記第2実施例と同様である。
【0036】したがって、この第3実施例によっても、
ダクト1からマイクロフォン12に達する音の共鳴を防
止して正確な音圧測定をすることが可能である。
【0037】図5はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造の使用例を示す第4実施例の一部断面した側面
図である。この実施例は、流体搬送用ダクト1の出口1
aと測定用ダクト14の測定位置14aとの間の差圧h
が大きいダクト系の実施例であり、この差圧hによって
測定位置での静圧が高い場合でも、静圧による影響をな
くして正確な音圧測定ができるようにしている。
【0038】すなわち、流体搬送用ダクト1の出口1a
から所定距離離れた位置に設けられた測定用ダクト14
の位置14aに静圧が作用している場合、この測定用ダ
クト14の端部がダクト1の出口1aに向けて延設され
て開放端14bがダクト1の出口1aとほぼ同レベルに
位置させられる。そして、この測定用ダクト14の測定
位置14aにマイクロフォン15が設けられ、このマイ
クロフォン15の取付け位置から開放端14bに向けて
螺旋板16が設けられる。なお、2は螺旋板であり、1
bは集塵器等の圧力損失を伴う装置である。
【0039】このように測定用ダクト14の開放端14
bを流体搬送用ダクト1の出口1a近傍に位置させるこ
とにより、測定位置14aでの静圧を小さく、動圧を大
きくし、マイクロフォン15位置への高温流体の到達を
阻害して正確な音圧の測定ができるようにしている。な
お、このように長い測定用ダクト14を設けるとともに
螺旋板16を設けることにより、測定用ダクト14の開
放端からの後退波による共振によって生じるマイクロフ
ォン15への悪影響も防止している。
【0040】なお、この測定用ダクト14内に設ける螺
旋板16も、流体の種類や圧力、流速等によってピッチ
や傾斜角等を適宜設定すればよい。
【0041】また、この実施例では測定用ダクト14の
先端に流量調節手段たる絞り17が設けられており、マ
イクロフォン15位置での動圧が静圧よりも大きくなる
ように測定用ダクト14内の流量を調節して正確な音圧
を測定できるように構成されている。なお、この絞り1
7は、流量を調節できる手段であればよく、他の流量調
節手段であってもよい。
【0042】図6はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造の使用例を示す第5実施例の一部断面した概略
側面図であり、流体を搬送するダクト内へ音を発するア
クティブ消音用ダクト系の一例を示しており、図7は図
6に示すアクティブ消音の付加音源の別例を示す一部断
面した側面図である。
【0043】図示するように、アクティブ消音用ダクト
系の一例としてエンジン18の給気ダクト19と排気ダ
クト20に共鳴防止構造Sが設けられており、エンジン
18で発生する音を消音するために給気ダクト19の上
流側と給気口部にマイクロフォン21,22が設けら
れ、給気口部マイクロフォン22で測定した音と、上流
側マイクロフォン21で測定した音とを図示しない制御
装置によって分析し、両マイクロフォン21,22で測
定した音に基づき、スピーカ23から所定波長の音を出
して給気ダクト19内の音を消音するように構成されて
いる。そして、このアクティブ消音用ダクト系の給気ダ
クト19内に螺旋板24を設けることにより、給気ダク
ト19内での共鳴(ハウリング)を防止して効果的な消
音を図ることができる。
【0044】また、排気ダクト20においても同様であ
り、排気口部に設けられたマイクロフォン25と下流側
マイクロフォン26との間に螺旋板27を設けることに
より、排気ダクト20内における共鳴(ハウリング)を
防止して効果的な消音を図ることことができる。
【0045】このような排気ダクト20の場合、図7に
示すように、スピーカ23の断熱を図るために排気ダク
ト20との間に断熱用の付加音源ダクト28が設けら
れ、この付加音源ダクト28を介して排気ダクト20に
向いてスピーカ23が設けられている。
【0046】この付加音源ダクト28は、排気ダクト2
0からの熱を効果的に断熱できる長さに設定されてお
り、一方のフランジ28aが断熱材20bを介して排気
ダクト20のフランジ20aと固定され、もう一方のフ
ランジ28bにスピーカ23が設けられている。
【0047】そして、この付加音源ダクト28内には、
このダクト28内での共鳴防止を図る螺旋板29が設け
られており、スピーカ23から発する原音が排気ダクト
20へ正確に発せられる。
【0048】このように給気ダクト19及び排気ダクト
20に螺旋板24,27を設ければ両ダクト19,20
内での共鳴を防止してマイクロフォン22で正確な計測
ができ、この計測結果に基づいてスピーカ23から適切
な音を出して、効果的なアクティブ消音を図ることが可
能となる。したがって、高温流体を搬送するダクトで
も、熱による影響を受けることなく効果的なアクティブ
消音が可能となる。
【0049】なお、この第5実施例では、エンジン18
のダクト19,20を例に説明したが、他の設備等にお
いても有効に共鳴防止を図ることができ、エンジンのダ
クトに限定されるものではない。
【0050】以上のように、ダクト1内に螺旋板2,1
0,13,16,24,27,29を設ければ効果的な
共鳴防止を図ることができるので、例えば、プラントの
様に多くのダクト1を有する設備において非常に有効な
ダクト内共鳴防止構造Sを構成することができる。
【0051】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
【0052】ダクト内を搬送する流体を螺旋状に進行さ
せることにより、ダクト内を進行する流体の内径側と外
径側との経路の差によってダクト断面内で音の位相が異
なるので、ダクト内での音の干渉による共鳴を防止した
流体の搬送が可能となる。
【0053】この共鳴を防止する構造としては、ダクト
内に螺旋状の流路形成体を設けて流体を螺旋状に進行さ
せることにより、流体の搬送を阻害することなく、進行
波と後退波との干渉によるダクト内の共鳴を防止するこ
とが可能となる。
【0054】また、音を測定する所定位置に測定用ダク
トを設け、この測定用ダクト内に螺旋状の流路形成体を
設ければ、測定用ダクト内での共鳴を防止した測定が可
能となる。
【0055】さらに、流体搬送用ダクト内に、このダク
ト内の流体を螺旋状に進行させる流路形成体を設けると
ともに、この流体搬送用ダクトの所定位置にダクト内音
を測定する測定用ダクトを設け、この測定用ダクト内に
螺旋状の流路形成体を設ければ、測定用ダクト内におけ
る共鳴も防止して共鳴防止を図った流体搬送用ダクト内
の音を正確に測定することが可能となる。
【0056】また、ダクト内の音を測定する測定用ダク
トの測定位置と流体搬送用ダクト出口との差圧が大きい
ダクト系においても、この測定用ダクトの端部を流体搬
送用ダクトの出口位置まで延設し、この測定用ダクト内
に螺旋状の流路形成体を設ければ、測定用マイクロホン
に熱流体などを到達させることなく、測定用ダクト内で
の共鳴を防止した正確な音圧測定が可能となる。その
上、測定用ダクトの先端に流量調節手段を設ければ、流
量変化による静圧と動圧を調節して内部流体がマイクロ
ホンに流れ込まないようにして正確な音圧を測定するこ
とが可能となる。
【0057】さらに、騒音を低減するために付加音源か
らの音を騒音に付加して消音するアクティブ消音用ダク
ト系においても、このアクティブ消音用ダクト内に螺旋
状の流路形成体を設ければ、共鳴(ハウリング)を防止
して効果的なアクティブ消音を図ることが可能となる。
【0058】このアクティブ消音用ダクトの所定位置に
螺旋状の流路形成体を内設した付加音源用ダクトを設け
れば、高温のダクト内でも正確な波形の音を放射して消
音することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
第1実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示すダクト内共鳴防止構造における消音
効果の「実験例」を示す図面であり、(a) は構造構成の
該略断面図、(b) は実験結果の線図である。
【図3】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第2実施例の一部断面した側面図であり、
高温流体を搬送するダクト内の音を計測する第1例を示
している。
【図4】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第3実施例の一部断面した側面図であり、
高温流体を搬送するダクト内の音を計測する第2例を示
している。
【図5】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第4実施例の一部断面した側面図である。
【図6】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第5実施例の一部断面した概略側面図であ
り、流体を搬送するダクト内へ音を発するアクティブ消
音用ダクト系の一例を示している。
【図7】図6に示すアクティブ消音の付加音源の別例を
示す一部断面した側面図である。
【符号の説明】
1 流体搬送用ダクト 1a 出口 2,10,13,16,24,27,29 螺旋板 2a 軸心部 2b 螺旋部 3 流路 7 断熱材 8,11 測定用ダクト 8b,11b 孔 9,12,15,21,22,25 マイクロフォン 9a,12a 取付治具 14 測定用ダクト 14a 測定位置 14b 開放端 17 絞り 18 エンジン 19 給気ダクト 20 排気ダクト 23 スピーカ 26 下流側マイクロフォン 28 付加音源ダクト m 測定器 S ダクト内共鳴防止構造
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ダクト内共鳴防止方法とその構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、気体
や液体等の搬送や音を通過させるために用いられるダク
ト内における共鳴を防止する方法とその構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、気体や液体等を搬送するため
や音を通過させるため(この明細書では気体や液体等に
音も含めて「流体」という)に様々なダクト系が採用さ
れているが、このようなダクト系ではダクト内で共鳴を
生じることが知られている。
【0003】この共鳴としては、ダクトの両壁面間に生
じる共鳴と長手方向に生じる共鳴とがあり、両壁面間に
生じる共鳴は、ダクト内を流れる流体が両壁面で反射
し、この両者の干渉によって生じ、長手方向に生じる共
鳴は、ダクト径の断面が急変する個所や開放端における
圧力変化部等で生じる後退波がダクト内の進行波と干渉
することによって生じるものであるといわれている。こ
の長手方向に生じる共鳴はダクト長さに応じた周波数の
共鳴であり、ダクト内の進行波と後退波の位相特性が同
一となり波形が重なり合った時に生じる。
【0004】この種のダクト内共鳴を防止する方法とし
て特開平4−213498号公報記載の発明があり、こ
の発明では、ダクト内壁面に吸音材を施工することによ
りダクト両壁面間で生じる共鳴を防止しようとしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、ダクトの両壁面間に生じる共鳴を防止する
効果はあるが、ダクト長手方向に共鳴を生じる要因とな
る開口端や断面変化部に吸音材の貼付ができず、吸音材
による効果的な後退波の吸収ができないので、ダクト長
手方向の共鳴の防止については効果を発揮することがで
きない。
【0006】そのため、ダクト系の端部に必ず存在する
開口端あるいは断面変化部からの後退波による共鳴を防
止する手段が切望されている。
【0007】一方、このようなダクト内の音を計測する
事例として、エンジン排気ダクト等の高温流体のダクト
系における騒音計測がある。しかし、この音圧を計測す
るマイクロホンの許容温度が通常のマイクロホンで約7
0℃と低いため、高温流体用のダクト内での計測には工
夫を施した治具を用いた計測となる。
【0008】その工夫の一つとして枝管を用いた計測が
あり、ダクトに枝管を設けて高温流体の熱を回避した枝
管端部で音を計測しようとする手段がある。しかしなが
ら、このような枝管を用いた場合、枝管内で共鳴が発生
してしまい、正確な音圧の計測ができなくなってしま
う。このように、音圧を計測する管内においても共鳴を
防止する必要があり、このような音を計測する点からも
共鳴を防止する手段が切望されている。
【0009】なお、高温に耐え得るマイクロフォンを使
用することも考えられるが、このようなダクトを設ける
設備には多くのマイクロフォンを必要とするため、設備
費用が増大して現実的ではない。
【0010】さらにまた、アクティブ消音[人工的に生
成した消音用音波をスピーカから放射し、音の干渉現象
により、消音するもの(Active Noise Control)]用
のダクト系においても、共鳴によって効果的な消音を妨
げられる場合がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、前記課題を解決
するために、この出願に係る発明は、ダクト内に、この
ダクト中心の周囲に螺旋部を形成した螺旋状の流路形成
体を設け、この流路形成体に沿って流体を搬送すること
によって、ダクト内を進行する流体の内径側と外径側と
の経路の差によってダクト断面内で音の位相を異ならせ
て共鳴を生じないようにしている。
【0012】このような螺旋状の流路形成体を設けれ
ば、流体の流れを阻害することなく、進行波と後退波と
の干渉による共鳴を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】この出願に係る発明は、ダクト内
を搬送する流体を、このダクト中心の周囲で螺旋状に進
行させることにより、ダクト内を進行する流体の内径側
と外径側との経路の差によってダクト断面内で音の位相
を異ならせて共鳴を生じないようにしている。このよう
な螺旋状の流路形成体を設ければ、流体の搬送を阻害す
ることなく、進行波と後退波との干渉によるダクト内の
共鳴を防止することができる。
【0014】前記方法を実現する構造としては、流体搬
送用ダクト内に、このダクト内の流体を、該ダクト中心
の周囲で螺旋状に進行させる流路形成体を設けて螺旋出
口で反射される音を内径側と外径側とで位相を異ならせ
ればよい。
【0015】また、内部流体が高温である等、直接マイ
クロホンをダクトに取付けられない場合には、音を測定
する所定位置に測定用ダクトを設けることがある。この
時、測定用ダクト内に、このダクト中心の周囲に螺旋部
を形成した流路形成体を設けて螺旋出口で反射される音
を内径側と外径側とで位相を異ならせれば、ダクト内の
音を正確に測定することができる。
【0016】さらに、流体搬送用ダクト内に、このダク
ト内の流体を螺旋状に進行させるダクト中心の周囲に螺
旋部を形成した流路形成体を設けるとともに、この流体
搬送用ダクトにダクト内音を測定する測定用ダクトを設
け、この測定用ダクト内にもダクト中心に軸心部を形成
した螺旋状の流路形成体を設ければ、螺旋出口で反射さ
れる音を内径側と外径側とで位相を異ならせて流体搬送
用ダクト内の音を正確に測定することができる。
【0017】また、ダクト内の音を測定する測定用ダク
トの測定位置と流体搬送用ダクト出口との差圧が大きい
ダクト系においては、差圧により内部流体がマイクロホ
ンに流れ込むことを防ぐために、この測定用ダクトの端
部を流体搬送用ダクトの出口位置まで延設する。これに
より測定用ダクトの測定位置での静圧を小さくすること
ができる。この時、測定用ダクト内に、このダクト中心
の周囲に螺旋部を形成した流路形成体を設けて螺旋出口
で反射される音を内径側と外径側とで位相を異ならせ
ば、測定用ダクト内での共鳴を防止した正確な音圧測定
ができる。
【0018】その上、測定用ダクトの先端に、この測定
用ダクト内の流量を調節する流量調節手段を設ければ、
測定用ダクト内の測定位置での差圧を調節して、内部流
体をマイクロホンに流れ込ませることなく正確な音圧を
測定することができる。
【0019】さらに、騒音を低減するために付加音源か
らの音を騒音に付加して消音するアクティブ消音用ダク
ト系においても、このアクティブ消音用ダクト内に、こ
のダクト中心の周囲に螺旋部を形成した流路形成体を設
て螺旋出口で反射される音を内径側と外径側とで位相
を異ならせれば、共鳴(ハウリング)を防止して効果的
なアクティブ消音を行うことができる。
【0020】このアクティブ消音用ダクトの所定位置に
付加音源用ダクトを設け、この付加音源用ダクト内に
このダクト中心の周囲に螺旋部を形成した流路形成体を
設けて螺旋出口で反射される音を内径側と外径側とで位
相を異ならせれば、高温のダクト内に正確な波形の音を
放射して消音することができる。
【0021】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図1はこの出願に係る発明のダク
ト内共鳴防止構造の第1実施例を示す断面図であり、こ
の第1実施例では螺旋状の流路形成体として螺旋板を用
いた例を示している。
【0022】図示するように、流体搬送用ダクト1内に
螺旋板2を設けることにより、流体を螺旋状に進行させ
る流路3が形成されたダクト内共鳴防止構造Sが構成さ
れている。
【0023】この螺旋板2は、ダクト1の中心に所定径
の軸心部2aが形成されるとともに、この軸心部2aの
周囲に所定ピッチで螺旋部2bが形成されたものであ
り、ダクト1内を搬送する流体の進行を阻害することな
く円滑に搬送することができるとともに、ダクト1内の
音の進行も阻害することがない。この螺旋板2は、螺旋
状に流体が流れるような流路形成体であればよく、例え
ば、軸心部2aの無い構成でもよく、その他の構成であ
ってもよい。また、この螺旋板2の螺旋部2bは、流体
の種類や圧力,流速等によってピッチや傾斜角等を適宜
設定すればよい。
【0024】図2(a),(b) は、このようなダクト内共鳴
防止構造Sを形成するダクト1による消音効果の「実験
例」を示す図面であり、(a) は構造構成の該略断面図、
(b)は実験結果の線図である。この実験例は、長さ30c
m、直径10cm、のダクトに片側からスピーカ4でホワ
イトノイズ(ある周波数成分が同レベルの音)の音を入
れてマイク5で測定した例であり、ダクト1内に螺旋板
2(外形10cm、内径2cm、8ピッチ)を挿入した場合
と、挿入しない場合のダクト出口の音圧レベルを比較し
ている。
【0025】図2(b) の線図から、一点鎖線で示す螺旋
板がない場合には、約380Hz,約820Hz,約130
0Hzの共鳴が顕著に見られるが、螺旋板2を挿入する
と、これらの共鳴が抑制され、200Hz〜1.4KHz の
周波数帯域において音圧がほぼ均一化されていることが
わかる。つまり、200Hz〜1.4KHz の周波数帯域に
おいて有効に消音して共鳴の防止を図ることができる。
これにより、後述するようなダクト1内の音を計測する
ような場合、従来は約380Hzで共鳴を生じ、ダクト内
部音を正確に計測できなかったが、これらの共鳴を防止
できるので広い周波数帯域において計測することが可能
となる。
【0026】このような螺旋板2による共鳴防止の原理
は、螺旋内を伝播する音は螺旋の内径に沿って伝わるも
のと外径に沿って伝わるもので経路の差が大きくなり、
この経路の差によって、螺旋出口で反射される音は内径
側と外形側とで位相が少しずつ異なるため、この差が音
の波長の半波長以上となる周波数の音では、これらの音
を合成しても共鳴を生じるような大きなピークを作らな
いようにすることによって達成されている。
【0027】図3はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造Sの使用例を示す第2実施例の一部断面した側
面図であり、高温流体を搬送するダクト内の音を計測す
る第1例を示している。
【0028】この第2実施例では、ダクト1の所定位置
にフランジ6を設け、このフランジ6に断熱材6aを介
してダクト内音圧を測定するための測定器mが設けられ
ている。
【0029】この測定器mは、ダクト1に設けられたフ
ランジ6に断熱材6aを介して取り付けるフランジ8a
を具備した所定長さの測定用ダクト8と、この測定用ダ
クト8の反ダクト側に取り付けられる取付治具9aと、
この取付治具9aにOリング9bによりシールされた状
態で取り付けられたマイクロフォン9とから構成されて
いる。そして、この測定用ダクト8の内部には、所定ピ
ッチの螺旋板10が設けられており、この螺旋板10に
よって測定用ダクト8内での音の共鳴を防止している。
【0030】この測定用ダクト8の長さは、高温流体の
温度やマイクロフォン9の種類等に応じて決定すればよ
く、また、螺旋板10のピッチも好ましい寸法に設定す
ればよい。なお、測定用ダクト8のダクト側基部には外
気吸込み孔8bが設けられており、所定径の外気吸込み
孔8bを設けることにより、高温流体がマイクロホン9
に至ることを防止している。
【0031】このようなダクト内共鳴防止構造Sを使用
すれば、ダクト1からマイクロフォン9に達する音の共
鳴を防止して正確な音圧測定をすることが可能となる。
【0032】この第2実施例のダクト1内に前記第1実
施例の螺旋板2を設ければ、ダクト1内でも共鳴を生じ
ることもないので、正確なダクト内流体の騒音を測定す
ることができる。
【0033】図4はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造の使用例を示す第3実施例の一部断面した側面
図であり、高温流体を搬送するダクト内の音を計測する
第2例を示している。なお、前記第2実施例と同一の構
成には同一符号を付して説明する。
【0034】この第2実施例では、ほぼ90度に曲折さ
れた測定用ダクト11が採用されており、この測定用ダ
クト11の反ダクト側にマイクロフォン12を取り付け
た取付治具12aが設けられている。この実施例の場
合、測定用ダクト11が曲折されているので、両端部の
ほぼ直線部分のみに所定ピッチの螺旋板13が設けられ
ており、この螺旋板13によってダクト1からの音の共
鳴を防止している。
【0035】この実施例の場合も、測定用ダクト11の
長さは、高温流体の温度やマイクロフォン12の種類等
に応じて決定すればよく、また、螺旋板13のピッチも
好ましい寸法に設定すればよい。なお、測定用ダクト1
1のダクト側基部に設けられた外気吸込み孔11bによ
る作用効果も前記第2実施例と同様である。
【0036】したがって、この第3実施例によっても、
ダクト1からマイクロフォン12に達する音の共鳴を防
止して正確な音圧測定をすることが可能である。
【0037】図5はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造の使用例を示す第4実施例の一部断面した側面
図である。この実施例は、流体搬送用ダクト1の出口1
aと測定用ダクト14の測定位置14aとの間の差圧h
が大きいダクト系の実施例であり、この差圧hによって
測定位置での静圧が高い場合でも、静圧による影響をな
くして正確な音圧測定ができるようにしている。
【0038】すなわち、流体搬送用ダクト1の出口1a
から所定距離離れた位置に設けられた測定用ダクト14
の位置14aに静圧が作用している場合、この測定用ダ
クト14の端部がダクト1の出口1aに向けて延設され
て開放端14bがダクト1の出口1aとほぼ同レベルに
位置させられる。そして、この測定用ダクト14の測定
位置14aにマイクロフォン15が設けられ、このマイ
クロフォン15の取付け位置から開放端14bに向けて
螺旋板16が設けられる。なお、2は螺旋板であり、1
bは集塵器等の圧力損失を伴う装置である。
【0039】このように測定用ダクト14の開放端14
bを流体搬送用ダクト1の出口1a近傍に位置させるこ
とにより、測定位置14aでの静圧を小さく、動圧を大
きくし、マイクロフォン15位置への高温流体の到達を
阻害して正確な音圧の測定ができるようにしている。な
お、このように長い測定用ダクト14を設けるとともに
螺旋板16を設けることにより、測定用ダクト14の開
放端からの後退波による共振によって生じるマイクロフ
ォン15への悪影響も防止している。
【0040】なお、この測定用ダクト14内に設ける螺
旋板16も、流体の種類や圧力、流速等によってピッチ
や傾斜角等を適宜設定すればよい。
【0041】また、この実施例では測定用ダクト14の
先端に流量調節手段たる絞り17が設けられており、マ
イクロフォン15位置での動圧が静圧よりも大きくなる
ように測定用ダクト14内の流量を調節して正確な音圧
を測定できるように構成されている。なお、この絞り1
7は、流量を調節できる手段であればよく、他の流量調
節手段であってもよい。
【0042】図6はこの出願に係る発明のダクト内共鳴
防止構造の使用例を示す第5実施例の一部断面した概略
側面図であり、流体を搬送するダクト内へ音を発するア
クティブ消音用ダクト系の一例を示しており、図7は図
6に示すアクティブ消音の付加音源の別例を示す一部断
面した側面図である。
【0043】図示するように、アクティブ消音用ダクト
系の一例としてエンジン18の給気ダクト19と排気ダ
クト20に共鳴防止構造Sが設けられており、エンジン
18で発生する音を消音するために給気ダクト19の上
流側と給気口部にマイクロフォン21,22が設けら
れ、給気口部マイクロフォン22で測定した音と、上流
側マイクロフォン21で測定した音とを図示しない制御
装置によって分析し、両マイクロフォン21,22で測
定した音に基づき、スピーカ23から所定波長の音を出
して給気ダクト19内の音を消音するように構成されて
いる。そして、このアクティブ消音用ダクト系の給気ダ
クト19内に螺旋板24を設けることにより、給気ダク
ト19内での共鳴(ハウリング)を防止して効果的な消
音を図ることができる。
【0044】また、排気ダクト20においても同様であ
り、排気口部に設けられたマイクロフォン25と下流側
マイクロフォン26との間に螺旋板27を設けることに
より、排気ダクト20内における共鳴(ハウリング)を
防止して効果的な消音を図ることことができる。
【0045】このような排気ダクト20の場合、図7に
示すように、スピーカ23の断熱を図るために排気ダク
ト20との間に断熱用の付加音源ダクト28が設けら
れ、この付加音源ダクト28を介して排気ダクト20に
向いてスピーカ23が設けられている。
【0046】この付加音源ダクト28は、排気ダクト2
0からの熱を効果的に断熱できる長さに設定されてお
り、一方のフランジ28aが断熱材20bを介して排気
ダクト20のフランジ20aと固定され、もう一方のフ
ランジ28bにスピーカ23が設けられている。
【0047】そして、この付加音源ダクト28内には、
このダクト28内での共鳴防止を図る螺旋板29が設け
られており、スピーカ23から発する原音が排気ダクト
20へ正確に発せられる。
【0048】このように給気ダクト19及び排気ダクト
20に螺旋板24,27を設ければ両ダクト19,20
内での共鳴を防止してマイクロフォン22で正確な計測
ができ、この計測結果に基づいてスピーカ23から適切
な音を出して、効果的なアクティブ消音を図ることが可
能となる。したがって、高温流体を搬送するダクトで
も、熱による影響を受けることなく効果的なアクティブ
消音が可能となる。
【0049】なお、この第5実施例では、エンジン18
のダクト19,20を例に説明したが、他の設備等にお
いても有効に共鳴防止を図ることができ、エンジンのダ
クトに限定されるものではない。
【0050】以上のように、ダクト1内に螺旋板2,1
0,13,16,24,27,29を設ければ効果的な
共鳴防止を図ることができるので、例えば、プラントの
様に多くのダクト1を有する設備において非常に有効な
ダクト内共鳴防止構造Sを構成することができる。
【0051】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うな形態で実施され、以下に記載するような効果を奏す
る。
【0052】ダクト内を搬送する流体を、このダクト中
心の周囲で螺旋状に進行させることにより、ダクト内を
進行する流体の内径側と外径側との経路の差によってダ
クト断面内で音の位相が異なるので、ダクト内での音の
干渉による共鳴を防止した流体の搬送が可能となる。
【0053】この共鳴を防止する構造としては、ダクト
内に螺旋状の流路形成体を設けて流体を、このダクト中
心の周囲で螺旋状に進行させることにより、流体の搬送
を阻害することなく、進行波と後退波との干渉によるダ
クト内の共鳴を防止することが可能となる。
【0054】また、音を測定する所定位置に測定用ダク
トを設け、この測定用ダクト内に、このダクト中心の周
囲に螺旋部を形成した流路形成体を設けて螺旋出口で反
射される音を内径側と外径側とで位相を異ならせれば、
測定用ダクト内での共鳴を防止した測定が可能となる。
【0055】さらに、流体搬送用ダクト内に、このダク
ト内の流体を螺旋状に進行させるダクト中心の周囲に螺
旋部を形成した流路形成体を設けるとともに、この流体
搬送用ダクトの音を測定する位置に測定用ダクトを設
け、この測定用ダクト内に、ダクト中心の周囲に螺旋部
を形成した流路形成体を設けてこれらの螺旋出口で反射
される音を内径側と外径側とで位相を異ならせれば、
定用ダクト内における共鳴も防止してダクト内の音を正
確に測定することが可能となる。
【0056】また、ダクト内の音を測定する測定用ダク
トの測定位置と流体搬送用ダクト出口との差圧が大きい
ダクト系においても、この測定用ダクトの端部を流体搬
送用ダクトの出口位置まで延設し、この測定用ダクト内
、ダクト中心の周囲に螺旋部を形成した流路形成体を
設けて螺旋出口で反射される音を内径側と外径側とで位
相を異ならせれば、測定用マイクロホンに熱流体などを
到達させることなく、測定用ダクト内での共鳴を防止し
た正確な音圧測定が可能となる。その上、測定用ダクト
の先端に流量調節手段を設ければ、流量変化による静圧
と動圧を調節して内部流体がマイクロホンに流れ込まな
いようにして正確な音圧を測定することが可能となる。
【0057】さらに、騒音を低減するために付加音源か
らの音を騒音に付加して消音するアクティブ消音用ダク
ト系においても、このアクティブ消音用ダクト内に、ダ
クト中心の周囲に螺旋部を形成した流路形成体を設け
螺旋出口で反射される音を内径側と外径側とで位相を異
ならせれば、共鳴(ハウリング)を防止して効果的なア
クティブ消音を図ることが可能となる。
【0058】このアクティブ消音用ダクトの所定位置
、ダクト中心の周囲に螺旋部を形成した流路形成体を
内設した付加音源用ダクトを設ければ、螺旋出口で反射
される音を内径側と外径側とで位相を異ならせて、高温
のダクト内でも正確な波形の音を放射して消音すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
第1実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示すダクト内共鳴防止構造における消音
効果の「実験例」を示す図面であり、(a) は構造構成の
該略断面図、(b) は実験結果の線図である。
【図3】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第2実施例の一部断面した側面図であり、
高温流体を搬送するダクト内の音を計測する第1例を示
している。
【図4】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第3実施例の一部断面した側面図であり、
高温流体を搬送するダクト内の音を計測する第2例を示
している。
【図5】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第4実施例の一部断面した側面図である。
【図6】この出願に係る発明のダクト内共鳴防止構造の
使用例を示す第5実施例の一部断面した概略側面図であ
り、流体を搬送するダクト内へ音を発するアクティブ消
音用ダクト系の一例を示している。
【図7】図6に示すアクティブ消音の付加音源の別例を
示す一部断面した側面図である。
【符号の説明】 1 流体搬送用ダクト 1a 出口 2,10,13,16,24,27,29 螺旋板 2a 軸心部 2b 螺旋部 3 流路 7 断熱材 8,11 測定用ダクト 8b,11b 孔 9,12,15,21,22,25 マイクロフォン 9a,12a 取付治具 14 測定用ダクト 14a 測定位置 14b 開放端 17 絞り 18 エンジン 19 給気ダクト 20 排気ダクト 23 スピーカ 26 下流側マイクロフォン 28 付加音源ダクト m 測定器 S ダクト内共鳴防止構造

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクト内を搬送する流体を螺旋状に進行
    させることにより、ダクト内を進行する流体の内径側と
    外径側との経路の差によってダクト断面内で音の位相を
    異ならせて共鳴を生じないようにすることを特徴とする
    ダクト内共鳴防止方法。
  2. 【請求項2】 流体搬送用ダクト内に、該ダクト内の流
    体を螺旋状に進行させる流路形成体を設けたことを特徴
    とするダクト内共鳴防止構造。
  3. 【請求項3】 音を測定する所定位置に測定用ダクトを
    設け、該測定用ダクト内に螺旋状の流路形成体を設けた
    ことを特徴とするダクト内共鳴防止構造。
  4. 【請求項4】 流体搬送用ダクト内に、該ダクト内の流
    体を螺旋状に進行させる流路形成体を設けるとともに、
    該流体搬送用ダクトの所定位置に測定用ダクトを設け、
    該測定用ダクト内に螺旋状の流路形成体を設けたことを
    特徴とするダクト内共鳴防止構造。
  5. 【請求項5】 測定用ダクトの測定位置で静圧が大きい
    ダクト系において、前記測定用ダクトの端部を該測定用
    ダクトの静圧を小さくするために前記流体搬送用ダクト
    の出口位置まで延設し、該測定用ダクト内に螺旋状の流
    路形成体を設けたことを特徴とするダクト内共鳴防止構
    造。
  6. 【請求項6】 測定用ダクトの先端に、該測定用ダクト
    内の流量を調節する流量調節手段を設けたことを特徴と
    する請求項5記載のダクト内共鳴防止構造。
  7. 【請求項7】 騒音を低減するために付加音源からの音
    を騒音に付加して消音するアクティブ消音用ダクト系に
    おいて、該アクティブ消音用ダクト内に螺旋状の流路形
    成体を設けたことを特徴とするダクト内共鳴防止構造。
  8. 【請求項8】 アクティブ消音用ダクトの所定位置に付
    加音源用ダクトを設け、該付加音源用ダクト内に螺旋状
    の流路形成体を設けたことを特徴とする請求項7記載の
    ダクト内共鳴防止構造。
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