JPH09212175A - 消音装置 - Google Patents

消音装置

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JPH09212175A
JPH09212175A JP8014430A JP1443096A JPH09212175A JP H09212175 A JPH09212175 A JP H09212175A JP 8014430 A JP8014430 A JP 8014430A JP 1443096 A JP1443096 A JP 1443096A JP H09212175 A JPH09212175 A JP H09212175A
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JP
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noise
sound
silencer
sound wave
propagation path
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JP8014430A
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Osamu Takehira
竹平  修
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音の位相と逆位相の音を別個に生成するよ
うな複雑・高価な構成によらず、簡単な構成で逆位相の
音による干渉作用で騒音を減衰して消音できるようにす
る。 【解決手段】 音波伝搬経路のある位置を通過する騒音
と、この位置に反射して到達する騒音との位相差により
これらの騒音を干渉させてその騒音を減衰させる構造を
備える。一例として、球表面の一部により形成された曲
面4を内部閉空間の一部として有する構造体2と、この
構造体2における球の中心位置P0 に終端6を位置させ
た1つの騒音入力部3とを備えることで、反射を利用す
るだけの簡単な構造の逆位相の音波同士の干渉による消
音構造が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種機器、例えば
情報機器のファンの空気流入出口などの開口部、室内空
調機の吹出口等に取り付けられて使用される消音装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、殆どの機器は、種々の構造・形
態を有するものの、騒音源を内部に有しこれを外装材で
覆った構成物である点では共通している。ここに、外装
材が密閉されている場合には、十分に減衰された騒音が
透過音となって外部に放射される。しかし、実際の機器
では、内部の温度上昇を避けるために外部と内部とを通
ずる通気口(開口部)が設けられている場合が殆どであ
り、外装材は完全なる密閉構造ではなくこの通気口を経
て漏れ音が発生する。一般に、このような漏れ音は透過
音よりも大きな騒音レベルにある。また、このような通
気口には通気を促すファンが設けられている場合も多
く、このようなケースでは騒音がより大きなものとな
る。さらに、空調機や掃除機などのように通気口を必須
とする機器もある。
【0003】このようにして発生する騒音に関する消音
装置として、例えば、特開平5−158486号公報に
よれば、発生する騒音を検出し、検出された騒音に対し
て逆位相となる音を制御音源により生成出力し、元の騒
音と生成出力される制御音とを干渉させることで消音さ
せることが提案されている。
【0004】また、例えば、特開昭60−162680
号公報によれば、事務機器の用紙出入口に複数の屈折通
路からなる干渉型防音装置の入口を開口させ、両者の開
口部から放射される騒音を事務機器外部の自由空間にお
いて干渉させることで防音させることが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の特開
平5−158486号公報による場合、逆位相の干渉波
を発生させるためには、騒音検出機、フィルタ、積分回
路、スピーカ等を必要とし、高価・複雑な装置となって
しまう。
【0006】また、後者の特開昭60−162680号
公報による場合、機器外部の自由空間で干渉させている
ため、聞く場所によって効果があったりなかったりする
ので、安定した消音効果を期待できない。
【0007】そこで、本発明は、各種機器の通気口等か
らの漏れ音を簡単な構造で減衰させ得る消音装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、音波伝搬経路のある位置を通過する騒音と、この位
置に反射して到達する騒音との位相差によりこれらの騒
音を干渉させてその騒音を減衰させる構造を有してい
る。従って、逆位相の音を別個に生成することなく、反
射を利用することで逆位相の音を得ることができ、両者
の干渉により騒音は打ち消し合って減衰する。
【0009】このような構造を実現するために、請求項
2記載の発明では、球表面の一部により形成された曲面
を内部閉空間の一部として有する構造体と、この構造体
における前記球の中心位置に終端を位置させた1つの騒
音入力部とを備え、前記構造体の一部に外部に通ずる開
口部を有しており、請求項3記載の発明では、円柱側面
の一部により形成された曲面を内部閉空間の一部として
有する構造体と、この構造体における前記円柱の中心軸
上の何れかの位置に終端を位置させた1つの騒音入力部
とを備え、前記構造体の一部に外部に通ずる開口部を有
している。
【0010】従って、騒音入力部を通りその終端に到達
した音波に比べ、同時刻に構造体の曲面で反射してこの
終端に到達する音波は、曲面が終端から等距離にあるた
め、曲面の半径をrとすると、2rで示される位相分だ
け進んでいるので、この時の位相差2rは、f=(2N
−1)c/4r(ただし、c:音速、N:自然数)で表
される周波数fに対して、2r=(2N−1)c/2f
=(2N−1)λ/2となり、半波長の奇数倍、即ち、
逆位相となる。よって、騒音入力部の終点において2つ
の音波は逆位相で干渉するために打ち消し合って減衰す
る。このため、騒音入力部の終端部(この終端部が音波
伝搬経路のある位置となる)で騒音は減衰され、消音効
果が生ずる。この際、曲面が球表面の一部又は円柱側面
の一部にて形成されているので、音波を効率よく終端に
向けて反射させることができる構造でもある。このよう
にして、周波数fの騒音に対して消音効果のある簡単な
構造の消音装置が実現できる。
【0011】請求項4記載の発明では、請求項2又は3
記載の消音装置において、構造体は、ファンを備えた機
器の通風口に取り付けられて、nを前記ファンの羽数、
mをその回転周波数、cを音速、M,Nを自然数とした
とき、曲面の半径rが r=(2N−1)c/4nmM に設定されている。従って、ファンの騒音はnmで表さ
れる周波数を基本波成分とし、nmMを高調波成分とす
る周波数特性を示すので、これらの周波数の何れかと請
求項2又は3の発明による場合に消音効果のある周波数
fとを一致させると、r=(2N−1)c/4nmMな
る関係が成立すればよく、よって、曲面の半径rをこの
ような値に設定することにより、ファン騒音に対して消
音効果のある消音装置が実現できる。
【0012】請求項5記載の発明では、請求項2,3又
は4記載の消音装置において、構造体は、複数個の開口
部を有している。従って、構造体内において流体渦の発
生が抑制されるので、流体の流入出機能が損なわれず、
消音効果に悪影響を及ぼす流体溜りの発生が防止され
る。
【0013】請求項6記載の発明では、請求項2,3,
4又は5記載の消音装置において、開口部の総断面積を
1 、騒音入力部の終端断面積をS2 、騒音入力部の始
端断面積をS3 としたとき、 S3 ≦S2 ≦S1 なる関係に設定されている。従って、流体通路の断面積
が下流になるほど小さくなると流速の増大により新たな
2次騒音が発生する等の弊害があるが、騒音入力部始端
から終端、さらには開口部、と下流になるほど断面積が
大きくなり又は等しくなるようにされているので、この
ような不都合を生ずることなく、消音効果が発揮され
る。
【0014】請求項7記載の発明では、請求項2ないし
6の何れか一記載の消音装置を1つの消音ユニットと
し、1つの消音ユニットの開口部に他の1つの消音ユニ
ットの騒音入力部を接続することにより複数の消音ユニ
ットを縦列接続した。従って、各消音ユニットの消音効
果のある周波数を全て一致させればその周波数の騒音に
対する消音効果を倍増させることができ、各消音ユニッ
トの消音効果のある周波数を個々に異ならせれば広帯域
の周波数の騒音に対して消音効果のある消音装置を実現
できる。
【0015】請求項8記載の発明では、請求項2,3,
4,5,6又は7記載の消音装置において、音波伝搬経
路に非平面構造物を有している。従って、非平面構造物
の表面では主として高周波帯域の音波が反射されるの
で、この反射により高周波帯域成分の騒音の減衰が生ず
ることになり、前述したような基本的に消音効果のある
周波数以外の周波数の騒音に対しても消音効果が発揮さ
れる。
【0016】請求項9記載の発明では、請求項2,3,
4,5,6又は7記載の消音装置において、音波伝搬経
路に吸音材を有している。従って、吸音材により高周波
帯域の音波が吸収されるので、高周波帯域成分の騒音も
減衰することになり、前述したような基本的に消音効果
のある周波数以外の周波数の騒音に対しても消音効果が
発揮される。
【0017】請求項10記載の発明では、請求項2,
3,4,5,6又は7記載の消音装置において、音波伝
搬経路に穴を有し、この穴を経て前記音波伝搬経路に通
ずる空間を有する共鳴管を接続した。従って、例えば、
長さLの共鳴管は、L′=(2N−1)c/4f(ただ
し、L′は共鳴管の断面積により長さLを開口端補正し
た長さ)の関係にある周波数fの音波が共鳴管内で共鳴
しエネルギーが閉じこめられる。これにより、周波数f
の騒音に対して消音効果があるので、この周波数fを前
述したような基本的に消音効果のある周波数に一致させ
れば消音効果が倍増し、異ならせれば異なる周波数の騒
音に対する消音効果を発揮させることができる。
【0018】請求項11記載の発明では、請求項10記
載の消音装置において、共鳴管の長さが可変自在であ
る。従って、共鳴管が消音効果を発揮する周波数が可変
となり、機器の騒音周波数の変化に対応した消音効果を
発揮させることができる。
【0019】請求項12記載の発明では、請求項11記
載の消音装置に加えて、音波伝搬経路内の騒音レベルを
測定する騒音計と、共鳴管の長さを変化させる駆動部
と、前記騒音計により検出された騒音レベルに合わせて
前記駆動部の駆動量を制御する制御部とを有している。
従って、音波伝搬経路内を通過する騒音の騒音レベルを
騒音計により検出し、その騒音レベルが最小となるよう
に制御部が駆動部の駆動量を制御して共鳴管の長さを変
化させるので、騒音の発生状況に適したより高性能な消
音効果が得られる。
【0020】請求項13記載の発明では、請求項2,
3,4,5,6又は7記載の消音装置において、音波伝
搬経路に穴を有し、この穴を経て前記音波伝搬経路に通
ずる空間を有する空洞共鳴器をこの空洞共鳴器の断面積
より小さな断面積の短管を介して接続した。従って、短
管の長さをL2 、その断面積をS4 とし、空洞共鳴器の
空洞容積をVとすると、この空洞共鳴器は、f=(c/
2π)√(S4 /L2 V)で示される周波数fの騒音に
対して消音効果があるので、この周波数fを前述したよ
うな基本的に消音効果のある周波数に一致させれば消音
効果が倍増し、異ならせれば異なる周波数の騒音に対す
る消音効果を発揮させることができる。
【0021】請求項14記載の発明では、請求項13記
載の消音装置において、空洞共鳴器の空洞容積、短管の
長さ、前記短管の断面積の内の少なくとも一つの要素を
可変自在とした。従って、空洞共鳴器が消音効果を発揮
する周波数が可変となり、機器の騒音周波数の変化に対
応した消音効果を発揮させることができる。
【0022】請求項15記載の発明では、請求項14記
載の消音装置に加えて、音波伝搬経路内の騒音レベルを
測定する騒音計と、可変自在な要素を変化させる駆動部
と、前記騒音計により検出された騒音レベルに合わせて
前記駆動部の駆動量を制御する制御部とを有している。
従って、音波伝搬経路内を通過する騒音の騒音レベルを
騒音計により検出し、その騒音レベルが最小となるよう
に制御部が駆動部の駆動量を制御して短管の長さ、その
断面積、或いは、空洞共鳴器の空洞容積なる可変要素を
変化させるので、騒音の発生状況に適したより高性能な
消音効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態の消音装
置1は、請求項2記載の発明に対応するものであり、構
造体2と騒音入力部3とを構成要素として構成されてい
る。前記構造体2は球表面の一部をなす半球により形成
された半径rの曲面4を内部閉空間に有している。図1
はこの構造体2の内部閉空間のみを示している。また、
前記騒音入力部3は前記構造体2の平面5上に位置する
が、より具体的には、終端6が半球の中心位置P0 に位
置するようにして接続されている。また、前記構造体2
の一部、ここでは曲面4の一部であって前記終端6に対
向する位置に位置させて開口部7が形成されている。
【0024】このような消音装置1は、例えば、図2に
示すように外装材8の一部に矩形状の開口部9があり、
この開口部9から騒音10が漏れ音として放射する、と
いったある種の機器11において、前記開口部9に取り
付けられて使用される。図3はこのような開口部9に取
り付けられた状態の消音装置1を示す。
【0025】このような構成において、開口部9に発生
した騒音10は騒音入力部3を通り、その終端6から構
造体2の内部閉空間に放射される。ここに、終端6は半
球状の曲面4から等距離にある半球の中心位置P0 に位
置しているので、終端6で放射され曲面4で反射される
騒音10は等距離を伝搬した上で効率よくこの終端6に
集まる。このとき、曲面4で反射して終端6に戻った騒
音10と同時刻に騒音入力部3を通りその終端6に達し
た騒音10との位相差は、半径rの2倍、即ち、2rに
相当する。
【0026】従って、騒音10の周波数成分fが、 f=(2N−1)c/4r(ただし、c:音速、N:自然数)……(1) で示す関係にあるとき、この位相差2rは、 2r=(2N−1)c/2f =(2N−1)λ/2(ただし、λ:波長) …………(2) で示され、これは、半波長の奇数倍であって、逆位相で
あることを意味する。もっとも、終端6の断面積は曲面
4から見て有限であるために、正確には(1)(2)式とは
一致しないが、終端6において同時刻における騒音同士
が逆位相で干渉して打ち消し合うので、騒音10は減衰
される。即ち、この終端6が請求項1記載の発明にいう
「音波伝搬経路のある位置」に相当し、開口部9からの
騒音10はこの終端6で減衰されて消音する。よって、
本実施の形態によれば、逆位相の音波を別個に生成する
ようなことなく、曲面4による反射を利用するだけの簡
単な構造にして干渉作用を示す逆位相の音波を得ること
ができ、周波数fの騒音10に対して消音効果の高い消
音装置1を容易に実現できる。
【0027】本発明の実施の第二の形態を図4ないし図
6に基づいて説明する。前述した実施の形態で示した部
分と同一部分は同一符号を用いて示す(以下の実施の形
態でも同様とする)。本実施の形態の消音装置21は、
請求項3記載の発明に対応するものであり、構造体22
と騒音入力部23とを構成要素として構成されている。
前記構造体22は円柱側面の一部をなす半円柱により形
成された半径rの円弧状の曲面24を内部閉空間に有し
ている。図4はこの構造体22の内部閉空間のみを示し
ている。また、前記騒音入力部23は前記構造体22の
平面25上に位置するが、より具体的には、終端26が
半円柱の中心軸φ0 上の何れかの位置(ここでは、全長
に渡っている)に位置するようにして接続されている。
また、前記構造体22の一部、ここでは曲面24の一部
であって前記終端26に対向する位置に位置させて開口
部27が形成されている。
【0028】このような消音装置21は、例えば、図5
に示すように外装材8の一部に形成された開口部28の
形状が長方形状の場合の機器11に適用され、前記開口
部28に取り付けられて使用される。図6はこのような
開口部28に取り付けられた状態の消音装置21を示
す。
【0029】このような構成において、開口部28に発
生した騒音10は騒音入力部23を通り、その終端26
から構造体22の内部閉空間に放射される。ここに、終
端26は中心軸φ0 に対して垂直な断面では円弧状をな
す曲面24から等距離にある中心軸φ0 上に位置してい
るので、終端26で放射され曲面24で反射される騒音
10は等距離を伝搬した上で効率よくこの終端26に集
まる。このとき、曲面24で反射して終端26に戻った
騒音10と同時刻に騒音入力部23を通りその終端26
に達した騒音10との位相差は、円弧の半径rの2倍、
即ち、2rに相当する。
【0030】従って、騒音10の周波数成分fが、
(1)式で示した関係にあるとき、この位相差2rは、
(2)式で示され、これは、半波長の奇数倍であって、逆
位相であることを意味する。よって、終端26において
同時刻における騒音同士が逆位相で干渉して打ち消し合
うので、騒音10は減衰される。即ち、この終端26が
請求項1記載の発明にいう「音波伝搬経路のある位置」
に相当し、開口部28からの騒音10はこの終端26で
減衰されて消音する。よって、本実施の形態によれば、
逆位相の音波を別個に生成するようなことなく、曲面2
4による反射を利用するだけの簡単な構造にして干渉作
用を示す逆位相の音波を得ることができ、周波数fの騒
音10に対して消音効果の高い消音装置21を容易に実
現できる。
【0031】本発明の実施の第三の形態を図7に基づい
て説明する。本実施の形態は、開口部9(又は、28)
の内部に通風用のファン29を備えた機器11に適用さ
れてファン29が発生する騒音10を消音させるための
消音装置に関するもので、請求項4記載の発明に対応す
る。
【0032】このようなファン29が発生する騒音10
の周波数特性は、ファン29の羽数をn、ファン29の
回転周波数をmとすると、nmを基本周波数とし、その
高調波成分nmM(ただし、Mは自然数)をピークに持
つことが知られている。よって、この周波数を(2)式の
周波数fに一致させるためには、 r=(2N−1)c/4nmM ……………………………………(3) なる条件が必要となる。
【0033】そこで、消音装置1又は21に関して、そ
の構造体2又は22の曲面4又は24を形成する半径r
がこの(3)式の条件を満たす値として形成して、騒音入
力部3又は23を介して構造体2又は22を開口部9又
は28に取り付ければ、ファン29の発生する騒音10
を効果的に消音させることができる。
【0034】なお、本実施の形態では、開口部9又は2
8を通風口としてファン29のすぐ傍に消音装置1又は
21を取り付ける例で説明したが、この場合のファン2
9の通風口としてはダクトを介して通風される場合のダ
クト通風口も含む意味であり、ファン29に対して必ず
しも直接的でなくてもよい。
【0035】本発明の実施の第四の形態を図8ないし図
10に基づいて説明する。本実施の形態は、請求項5記
載の発明に対応する。例えば、図1に示したような消音
装置1に適用されており、図9及び図10に示すように
構造体2において開口部が7a〜7dで示すように複数
個形成されている。
【0036】これは、図8に示すような開口部7が1個
だけの場合においては、騒音入力部3から入った流体の
流れ31に基づき構造体2の内部には渦32が発生しや
すく、これが熱溜りとなって放射機能に悪影響を及ぼす
ことがある点を考慮したものである。この点、例えば、
構造体2における平面5部分に複数個の開口部7a〜7
dを形成することで、流体の排出口が増えることにな
り、構造体2の内部における流体の流れ31が図10に
示すように円滑となり、渦32の発生が抑制される。よ
って、熱溜りが発生して放射機能に悪影響を及ぼすよう
な弊害が防止される。
【0037】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、消音装置21の場合にも同様
に適用し得ることはもちろんである。
【0038】本発明の実施の第五の形態を図11を参照
して説明する。本実施の形態は請求項6記載の発明に対
応する。例えば、消音装置1の場合を例に採り、構造体
2における開口部7の総断面積をS1 、騒音入力部3の
終端6の断面積をS2 、騒音入力部3の始端の断面積を
3 とすると、これらの各部を結ぶ経路33の概念的な
構成を示すと図11のようになる。ここに、ある流れが
騒音入力部3に流れ込む時、経路33の出口方向(下流
側)の断面積が図示の如く小さくなると(S3>S2
1 )、単位時間に通過する流体通過量が一定であると
仮定した場合、断面積の減少に伴い流速が速くなる(V
3 <V2 <V1 )必要がある。これに伴い、新たな騒音
(2次騒音)を生ずる可能性がある。さらには、流体の
上流側では流体速度を速くするための負荷が生ずる。よ
って、例えば、経路33の上流側に図7に示したような
ファン29が存在する場合を考えると、このファン29
には一定量の流体(風量)を流すための負荷が必要とな
り、ファン29が発生する騒音10が一層大きなものに
なってしまう。
【0039】従って、本実施の形態では、これらの各部
の断面積が、 S3 ≧S2 ≧S1 …………………………………………(4) なる関係(即ち、図11に示す面積関係とは逆の関係)
を満足するように設定されている。これにより、流体に
よる2次騒音の発生が抑制され、基本的な消音効果が十
分に発揮されることになる。
【0040】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。また、開口部7に関しても1個
だけのものに限らず、複数個形成されたもの(例えば、
開口部7a〜7d)にも同様に適用できる。この場合の
総断面積S3 としては、開口部7a〜7dの各断面積を
合計した面積を意味する。
【0041】本発明の実施の第六の形態を図12に基づ
いて説明する。本実施の形態は請求項7記載の発明に対
応する。例えば、消音装置1の場合を例に採ると、本実
施の形態では、このような消音装置を1つの消音ユニッ
トとし、2つの消音ユニット1A,1Bを縦列接続する
ことにより消音装置34が構成されている。ここに、縦
列接続は、一方の消音ユニット1Aの開口部7Aに他方
の消音ユニット1Bの騒音入力部3Aの始端を接続する
ことによりなされている。
【0042】このような構成において、消音ユニット1
Aにおける構造体2Aの曲面4Aの半径をrA 、消音ユ
ニット1Bにおける構造体2Bの曲面4Bの半径をrB
としたとき、rA =rB なる関係に構成すれば、2つの
消音ユニット1A,1Bが消音効果を発揮する周波数が
一致し、この特定の周波数の騒音10に対する消音効果
が倍増する。
【0043】また、rA ≠rB なる関係に構成すれば、
2つの消音ユニット1A,1Bが消音効果を発揮する周
波数が異なり、消音装置34としてはこれらの異なる周
波数の騒音10に対して消音効果を発揮するので、消音
周波数の広帯域化を図れる。
【0044】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。また、縦列接続する消音ユニッ
ト数は2個に限らず、適宜個数に設定すればよい。
【0045】本発明の実施の第七の形態を図13に基づ
いて説明する。本実施の形態は請求項8記載の発明に対
応する。例えば、消音装置1の場合を例に採ると、本実
施の形態では、音波伝搬経路の一部をなす騒音入力部3
中に非平面構造物35が挿入されている。この非平面構
造物35は、一例として、鋸刃状のものが用いられてい
る。
【0046】このような構成によれば、音波伝搬経路
中、ここでは騒音入力部3中を伝搬する音波の内、高周
波帯域の音波、より具体的には、非平面構造物35の鋸
刃の長さに比較して波長の短い音波成分が非平面構造物
35の表面で反射される。これにより、このような高周
波帯域成分の騒音が減衰する。即ち、消音装置1自身が
消音効果を発揮する特定の周波数の騒音に加えて、この
ような高周波帯域成分の騒音に対する消音効果も付加さ
れることになり、全体としての消音効果が上がる。
【0047】なお、騒音入力部3中に非平面構造物35
を挿入するのに代えて、図13中に併せて図示するよう
に、音波伝搬経路の一部をなす開口部7に取り付けられ
るダクト状開口部36の内壁を鋸刃状に形成することに
より、このダクト状開口部36を非平面構造物としても
よい。
【0048】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。
【0049】本発明の実施の第八の形態を図14に基づ
いて説明する。本実施の形態は請求項9記載の発明に対
応する。例えば、消音装置1の場合を例に採ると、本実
施の形態では、音波伝搬経路の一部をなす騒音入力部3
中に一般的な吸音材37が挿入されている。図示例で
は、音波伝搬経路の一部をなす開口部7に取り付けられ
るダクト状開口部38中にも一般的な吸音材37が挿入
されている。
【0050】このような構成によれば、吸音材37は主
に高い周波数に対して吸音効果を発揮するので、音波伝
搬経路中を伝搬する音波の内、高周波帯域の音波がこれ
らの吸音材37により吸音されて減衰する。即ち、消音
装置1自身が消音効果を発揮する特定の周波数の騒音に
加えて、このような高周波帯域成分の騒音に対する消音
効果も付加されることになり、全体としての消音効果が
上がる。
【0051】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。
【0052】本発明の実施の第九の形態を図15に基づ
いて説明する。本実施の形態は請求項10記載の発明に
対応する。例えば、消音装置1の場合を例に採ると、本
実施の形態では、音波伝搬経路の一部をなす騒音入力部
3の側面の一部に穴39が形成され、この穴39を介し
て前記騒音入力部3には共鳴管40が接続されている。
この共鳴管40は長さLのものであり、 f=(2N−1)c/4L′ …………………………………(5) (ただし、L′は共鳴管40の断面積により長さLを開
口端補正した長さ)の関係にある周波数fの音波が共鳴
管40内で共鳴しエネルギーが閉じこめられる。これに
より、周波数fの騒音に対して消音効果を持つ。
【0053】このような構成によれば、(5)式で表され
る周波数fと(1)式で表される周波数fとを一致させれ
ば、この特定の周波数fに対する消音効果が倍増する。
また、これらの周波数を異ならせて設定すれば、異なる
周波数の騒音10に対する消音効果を発揮させることが
でき、消音周波数の広帯域化を図ることができる。
【0054】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。また、穴39の形成個所は騒音
入力部3,23に限らず、例えば、構造体2,22の一
部であってもよい。さらには、このような穴39や共鳴
管40は、1個に限らず、複数個として消音効果をより
向上させるようにしてもよい。
【0055】本発明の実施の第十の形態を図16に基づ
いて説明する。本実施の形態は請求項11記載の発明に
対応する。例えば、図15に示した消音装置1の場合を
例に採ると、本実施の形態では、騒音入力部3の側面に
穴39を介して接続された共鳴管40がその長さLを可
変自在な構造とされている。図示例では、共鳴管40の
底面41が共鳴管40の長さ方向にスライド自在に構成
されている。
【0056】このような構成によれば、共鳴管40が消
音効果を発揮する周波数f、即ち、(5)式に示す周波数
fが底面41の位置を変えることにより可変自在とな
る。よって、この消音装置1が取り付けられる機器の騒
音周波数の変化に対応した消音効果を発揮させることが
できる。
【0057】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。
【0058】本発明の実施の第十一の形態を図17に基
づいて説明する。本実施の形態は請求項12記載の発明
に対応する。本実施の形態は、図16に示した構成の消
音装置1をベースとして構成されている。まず、共鳴管
40の長さLを可変させるためにその底面41をスライ
ド変位させる駆動部42が設けられている。また、音波
伝搬経路の一部をなす開口部7外の出口部43の騒音レ
ベルを測定するように騒音検出部44が配設された騒音
計45が設けられている。さらに、この騒音計45によ
り検出された騒音レベルに応じて前記駆動部42による
駆動量を制御するための制御部46が設けられている。
【0059】このような構成において、音波伝搬経路中
の騒音レベルは騒音検出部44による検出の下、騒音計
45によって常時的に測定される。この測定結果は制御
部46に出力されて駆動部42による共鳴管40の長さ
Lの可変量が制御される。ここに、駆動部42により底
面41がスライド変位されて共鳴管40の長さLが変化
すると、この共鳴管40の消音特性が変化するので、騒
音計45によって測定される騒音レベルも変化する。よ
って、この騒音計45により測定される騒音レベルが最
小となるように制御部46を介して駆動部42を制御す
ることにより消音効果の最も高い状態が得られる。即
ち、機器の稼働状態や経時的な騒音の変化に応じて常に
最適な消音効果を発揮させることができる。
【0060】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。
【0061】本発明の実施の第十二の形態を図18に基
づいて説明する。本実施の形態は請求項13記載の発明
に対応する。例えば、消音装置1の場合を例に採ると、
本実施の形態では、音波伝搬経路の一部をなす騒音入力
部3の側面の一部に穴47が形成され、この穴47に対
して短管48を介して空洞共鳴器49が接続されてい
る。前記空洞共鳴器49は空洞容積がVとされている。
また、前記短管48は前記空洞共鳴器49の断面積より
も小さな断面積S4 を持つ長さL2 ものである。このよ
うな空洞共鳴器49は、 f=(c/2π)√(S4 /L2 V) …………………………(6) の関係にある周波数fの騒音に対して消音効果を持つ。
【0062】このような構成によれば、(6)式で表され
る周波数fと(1)式で表される周波数fとを一致させれ
ば、この特定の周波数fに対する消音効果が倍増する。
また、これらの周波数を異ならせて設定すれば、異なる
周波数の騒音10に対する消音効果を発揮させることが
でき、消音周波数の広帯域化を図ることができる。
【0063】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。また、穴47の形成個所は騒音
入力部3,23に限らず、例えば、構造体2,22の一
部であってもよい。さらには、このような穴47、短管
48及び空洞共鳴器49は、1個に限らず、複数個とし
て消音効果をより向上させるようにしてもよい。
【0064】本発明の実施の第十三の形態を図19に基
づいて説明する。本実施の形態は請求項14記載の発明
に対応する。例えば、図18に示した消音装置1の場合
を例に採ると、本実施の形態の一例では、図19(a)
に示すように、騒音入力部3の側面に穴47及び短管4
8を介して接続された空洞共鳴器49がその空洞容積V
を可変自在な構造とされている。図示例では、空洞共鳴
器49の底面50がスライド自在に構成されている。本
実施の形態の他例では、図19(b)に示すように、短
管48がスライド自在な2重構造部51を有しており、
この2重構造部51をスライドさせることにより短管4
8の長さL2 が可変自在とされている。併せて、短管4
8の有効断面積(断面積S4 )も可変自在とされてい
る。
【0065】このような構成によれば、空洞共鳴器49
が消音効果を発揮する周波数f、即ち、(5)式に示す周
波数fが、底面50の位置を変えて空洞容積Vを変える
ことにより、或いは2重構造部51をスライドさせて短
管48の長さL4 及び断面積S2 を変えることにより可
変自在となる。よって、この消音装置1が取り付けられ
る機器の騒音周波数の変化に対応した消音効果を発揮さ
せることができる。
【0066】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。
【0067】本発明の実施の第十四の形態を図20に基
づいて説明する。本実施の形態は請求項15記載の発明
に対応する。本実施の形態は、図18及び図19(a)
(b)に示した構成の消音装置1をベースとして構成され
ている。まず、空洞共鳴器49の空洞容積Vを可変させ
るためにその底面50をスライド変位させる駆動部52
が設けられている。また、短管48の長さL4 及び断面
積S2 を可変させるために2重構造部51をスライド変
位させる駆動部53が設けられている。また、音波伝搬
経路の一部をなす開口部7外の出口部54の騒音レベル
を測定するように騒音検出部55が配設された騒音計5
6が設けられている。さらに、この騒音計56により検
出された騒音レベルに応じて前記駆動部52,53によ
る駆動量を制御するための制御部57が設けられてい
る。
【0068】このような構成において、音波伝搬経路中
の騒音レベルは騒音検出部55による検出の下、騒音計
56によって常時的に測定される。この測定結果は制御
部57に出力されて駆動部52,53による空洞共鳴器
49の空洞容積V、長さL2、断面積S4 の可変量が制
御される。ここに、駆動部52により底面50がスライ
ド変位されて空洞共鳴器49の空洞容積V、又は、駆動
部53により2重構造部51をスライド変位されて短管
48の長さL4 及び断面積S2 が変化すると、この空洞
共鳴器49の消音特性が変化するので、騒音計56によ
って測定される騒音レベルも変化する。よって、この騒
音計56により測定される騒音レベルが最小となるよう
に制御部57を介して駆動部52,53を制御すること
により消音効果の最も高い状態が得られる。即ち、機器
の稼働状態や経時的な騒音の変化に応じて常に最適な消
音効果を発揮させることができる。
【0069】なお、本実施の形態では、消音装置1への
適用例として説明したが、例えば、消音装置21であっ
ても同様に適用できる。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、音波伝搬
経路のある位置を通過する騒音と、この位置に反射して
到達する騒音との位相差によりこれらの騒音を干渉させ
てその騒音を減衰させる構造を有しているので、逆位相
の音を別個に生成することなく、反射を利用するだけの
簡単な構造で逆位相の音を得ることができ、両者の干渉
により騒音を打ち消し減衰させることで消音させること
ができる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、球表面の一
部により形成された曲面を内部閉空間の一部として有す
る構造体と、この構造体における前記球の中心位置に終
端を位置させた1つの騒音入力部とを備え、前記構造体
の一部に外部に通ずる開口部を有しており、請求項3記
載の発明によれば、円柱側面の一部により形成された曲
面を内部閉空間の一部として有する構造体と、この構造
体における前記円柱の中心軸上の何れかの位置に終端を
位置させた1つの騒音入力部とを備え、前記構造体の一
部に外部に通ずる開口部を有しているので、請求項1記
載の発明における構造を簡単に実現できる。
【0072】請求項4記載の発明によれば、請求項2又
は3記載の消音装置において、構造体は、ファンを備え
た機器の通風口に取り付けられて、nを前記ファンの羽
数、mをその回転周波数、cを音速、M,Nを自然数と
したとき、曲面の半径rが r=(2N−1)c/4nmM に設定されているので、ファン騒音に対して消音効果の
ある消音装置を簡単に実現できる。
【0073】請求項5記載の発明によれば、請求項2,
3又は4記載の消音装置において、構造体は、複数個の
開口部を有しているので、開口部に流体の流れが存在す
る環境下であっても、構造体内における流体渦の発生を
抑制でき、よって、流体の流入出機能が損なわれず、消
音効果に悪影響を及ぼす流体溜りの発生を防止すること
ができる。
【0074】請求項6記載の発明によれば、請求項2,
3,4又は5記載の消音装置において、開口部の総断面
積をS1 、騒音入力部の終端断面積をS2 、騒音入力部
の始端断面積をS3 としたとき、S3 ≦S2 ≦S1なる
関係に設定したので、経路中に流体の流れが存在するよ
うな環境下であっても、流速の増大により新たな2次騒
音が発生する等の弊害を生ずることがなく、所期の消音
効果を発揮させることができる。
【0075】請求項7記載の発明によれば、請求項2な
いし6の何れか一記載の消音装置を1つの消音ユニット
とし、1つの消音ユニットの開口部に他の1つの消音ユ
ニットの騒音入力部を接続することにより複数の消音ユ
ニットを縦列接続したので、各消音ユニットの消音効果
のある周波数を全て一致させればその周波数の騒音に対
する消音効果を倍増させることができ、また、各消音ユ
ニットの消音効果のある周波数を個々に異ならせれば広
帯域の周波数の騒音に対して消音効果のある消音装置を
実現することができる。
【0076】請求項8記載の発明によれば、請求項2,
3,4,5,6又は7記載の消音装置において、音波伝
搬経路に非平面構造物を有しているので、非平面構造物
の表面では主として高周波帯域の音波を反射させること
ができ、よって、この反射により高周波帯域成分の騒音
を減衰させることができ、前述したような基本的に消音
効果のある周波数以外の周波数の騒音に対しても消音効
果を発揮させることができる。
【0077】請求項9記載の発明によれば、請求項2,
3,4,5,6又は7記載の消音装置において、音波伝
搬経路に吸音材を有しているので、吸音材により高周波
帯域の音波を吸収することができ、よって、高周波帯域
成分の騒音も減衰させることができ、前述したような基
本的に消音効果のある周波数以外の周波数の騒音に対し
ても消音効果を発揮させることができる。
【0078】請求項10記載の発明によれば、請求項
2,3,4,5,6又は7記載の消音装置において、音
波伝搬経路に穴を有し、この穴を経て前記音波伝搬経路
に通ずる空間を有する共鳴管を接続したので、共鳴管が
消音効果を発揮する周波数を前述したような基本的に消
音効果のある周波数に一致させれば消音効果を倍増させ
ることができ、異ならせれば異なる周波数の騒音に対す
る消音効果を発揮させることができる。
【0079】請求項11記載の発明によれば、請求項1
0記載の消音装置において、共鳴管の長さを可変自在と
したので、共鳴管が消音効果を発揮する周波数が可変と
なり、機器の騒音周波数の変化に対応した消音効果を発
揮させることができる。
【0080】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の消音装置に加えて、音波伝搬経路内の騒音レベ
ルを測定する騒音計と、共鳴管の長さを変化させる駆動
部と、前記騒音計により検出された騒音レベルに合わせ
て前記駆動部の駆動量を制御する制御部とを有している
ので、音波伝搬経路内を通過する騒音の騒音レベルを騒
音計により検出し、その騒音レベルが最小となるように
制御部が駆動部の駆動量を制御して共鳴管の長さを変化
させることで、騒音の発生状況に適したより高性能な消
音効果を発揮させることができる。
【0081】請求項13記載の発明によれば、請求項
2,3,4,5,6又は7記載の消音装置において、音
波伝搬経路に穴を有し、この穴を経て前記音波伝搬経路
に通ずる空間を有する空洞共鳴器をこの空洞共鳴器の断
面積より小さな断面積の短管を介して接続したので、空
洞共鳴器が消音効果を発揮する周波数を前述したような
基本的に消音効果のある周波数に一致させれば消音効果
を倍増させることができ、異ならせれば異なる周波数の
騒音に対する消音効果を発揮させることができる。
【0082】請求項14記載の発明によれば、請求項1
3記載の消音装置において、空洞共鳴器の空洞容積、短
管の長さ、前記短管の断面積の内の少なくとも一つの要
素を可変自在としたので、空洞共鳴器が消音効果を発揮
する周波数が可変となり、機器の騒音周波数の変化に対
応した消音効果を発揮させることができる。
【0083】請求項15記載の発明によれば、請求項1
4記載の消音装置に加えて、音波伝搬経路内の騒音レベ
ルを測定する騒音計と、可変自在な要素を変化させる駆
動部と、前記騒音計により検出された騒音レベルに合わ
せて前記駆動部の駆動量を制御する制御部とを有してい
るので、音波伝搬経路内を通過する騒音の騒音レベルを
騒音計により検出し、その騒音レベルが最小となるよう
に制御部が駆動部の駆動量を制御して短管の長さ、その
断面積、或いは、空洞共鳴器の空洞容積なる可変要素を
変化させることで、騒音の発生状況に適したより高性能
な消音効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態を示す消音装置の概
略斜視図である。
【図2】適用される機器を示す概略斜視図である。
【図3】機器に取り付けられた消音装置を示す概略斜視
図である。
【図4】本発明の実施の第二の形態を示す消音装置の概
略斜視図である。
【図5】適用される機器を示す概略斜視図である。
【図6】機器に取り付けられた消音装置を示す概略斜視
図である。
【図7】本発明の実施の第三の形態を説明するために適
用される機器を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施の第四の形態を説明するための消
音装置を示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施の第四の形態を示す消音装置の概
略斜視図である。
【図10】その概略断面図である。
【図11】本発明の実施の第五の形態を説明するための
経路を概念的に示す概略斜視図である。
【図12】本発明の実施の第六の形態を示す消音装置の
概略断面図である。
【図13】本発明の実施の第七の形態を示す消音装置の
概略正面図である。
【図14】本発明の実施の第八の形態を示す消音装置の
一部断面した概略正面図である。
【図15】本発明の実施の第九の形態を示す消音装置の
概略斜視図である。
【図16】本発明の実施の第十の形態を示す消音装置の
一部の概略斜視図である。
【図17】本発明の実施の第十一の形態を示す制御系を
含む消音装置の概略正面図である。
【図18】本発明の実施の第十二の形態を示す消音装置
の一部の概略断面図である。
【図19】本発明の実施の第十三の形態を示す消音装置
の一部の概略断面図である。
【図20】本発明の実施の第十四の形態を示す制御系を
含む消音装置の概略正面図である。
【符号の説明】
1A,1B 消音ユニット 2 構造体 3 騒音入力部 4 曲面 6 終端 7 開口部 9 通風口 10 騒音 11 機器 22 構造体 23 騒音入力部 24 曲面 26 終端 27 開口部 28 通風口 29 ファン 35,36 非平面構造物 37 吸音材 39 穴 40 共鳴管 42 駆動部 45 騒音計 46 制御部 47 穴 48 短管 49 空洞共鳴器 52,53 駆動部 56 騒音計 57 制御部 P0 中心位置 φ0 中心軸

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音波伝搬経路のある位置を通過する騒音
    と、この位置に反射して到達する騒音との位相差により
    これらの騒音を干渉させてその騒音を減衰させる構造を
    有することを特徴とする消音装置。
  2. 【請求項2】 球表面の一部により形成された曲面を内
    部閉空間の一部として有する構造体と、この構造体にお
    ける前記球の中心位置に終端を位置させた1つの騒音入
    力部とを備え、前記構造体の一部に外部に通ずる開口部
    を有することを特徴とする消音装置。
  3. 【請求項3】 円柱側面の一部により形成された曲面を
    内部閉空間の一部として有する構造体と、この構造体に
    おける前記円柱の中心軸上の何れかの位置に終端を位置
    させた1つの騒音入力部とを備え、前記構造体の一部に
    外部に通ずる開口部を有することを特徴とする消音装
    置。
  4. 【請求項4】 構造体は、ファンを備えた機器の通風口
    に取り付けられて、nを前記ファンの羽数、mをその回
    転周波数、cを音速、M,Nを自然数としたとき、曲面
    の半径rが r=(2N−1)c/4nmM に設定されていることを特徴とする請求項2又は3記載
    の消音装置。
  5. 【請求項5】 構造体は、複数個の開口部を有すること
    を特徴とする請求項2,3又は4記載の消音装置。
  6. 【請求項6】 開口部の総断面積をS1 、騒音入力部の
    終端断面積をS2 、騒音入力部の始端断面積をS3 とし
    たとき、 S3 ≦S2 ≦S1 なる関係に設定されていることを特徴とする請求項2,
    3,4又は5記載の消音装置。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6の何れか一記載の消音
    装置を1つの消音ユニットとし、1つの消音ユニットの
    開口部に他の1つの消音ユニットの騒音入力部を接続す
    ることにより複数の消音ユニットを縦列接続したことを
    特徴とする消音装置。
  8. 【請求項8】 音波伝搬経路に非平面構造物を有するこ
    とを特徴とする請求項2,3,4,5,6又は7記載の
    消音装置。
  9. 【請求項9】 音波伝搬経路に吸音材を有することを特
    徴とする請求項2,3,4,5,6又は7記載の消音装
    置。
  10. 【請求項10】 音波伝搬経路に穴を有し、この穴を経
    て前記音波伝搬経路に通ずる空間を有する共鳴管を接続
    したことを特徴とする請求項2,3,4,5,6又は7
    記載の消音装置。
  11. 【請求項11】 共鳴管の長さが可変自在であることを
    特徴とする請求項10記載の消音装置。
  12. 【請求項12】 音波伝搬経路内の騒音レベルを測定す
    る騒音計と、共鳴管の長さを変化させる駆動部と、前記
    騒音計により検出された騒音レベルに合わせて前記駆動
    部の駆動量を制御する制御部とを有することを特徴とす
    る請求項11記載の消音装置。
  13. 【請求項13】 音波伝搬経路に穴を有し、この穴を経
    て前記音波伝搬経路に通ずる空間を有する空洞共鳴器を
    この空洞共鳴器の断面積より小さな断面積の短管を介し
    て接続したことを特徴とする請求項2,3,4,5,6
    又は7記載の消音装置。
  14. 【請求項14】 空洞共鳴器の空洞容積、短管の長さ、
    前記短管の断面積の内の少なくとも一つの要素が可変自
    在であることを特徴とする請求項13記載の消音装置。
  15. 【請求項15】 音波伝搬経路内の騒音レベルを測定す
    る騒音計と、可変自在な要素を変化させる駆動部と、前
    記騒音計により検出された騒音レベルに合わせて前記駆
    動部の駆動量を制御する制御部とを有することを特徴と
    する請求項14記載の消音装置。
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