JP3560878B2 - アクティブ消音装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン排ガス管、給気ダクト、及び換気ダクト等の、一次元流れを有するダクトにおける騒音を消去するためのアクティブ消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジン排ガス管、給気ダクト、及び換気ダクト等の、一元流れを有するダクトにスピーカを設けて、該スピーカからダクト内の騒音とは逆位相の信号を出力して消音を行うアクティブ消音装置は知られている。
そして、このようなアクティブ消音装置においては、ダクトに設けられるスピーカは、管内での定在波の影響のために特定の位置に配置する必要があった。また、熱的保護の関係から、ダクトの出口側端に設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、従来のアクティブ消音装置においては、スピーカがダクト端部に配置されているため配置位置の自由度が小さく、該スピーカを効率良く消音を行うことができる位置に配置することが必ずしもできなかった。
これにより、必要な消音効果を得るためには多数のスピーカを必要とし、アクティブ消音装置の大型化や高コスト化を招いていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1においては、一元流れを有するダクトの騒音源側に配置される第一の検出手段、第一の検出手段にて検出した騒音信号に対して同振幅且つ逆位相の消音信号を生成するための出力信号を算出する演算手段、ダクトの第一の検出手段よりも下流側に配置され演算手段の出力信号を受けて消音信号を出力するスピーカ、及びダクトのスピーカよりも下流側に配置される第二の検出手段を有したアクティブ消音装置において、第一の検出手段と演算手段との間、及び第二の検出手段と演算手段との間の少なくとも何れか一方に、周波数が高くなるにつれて減衰量が小さくなるような減衰特性を具備した聴感補正フィルタを設けるとともに、スピーカをダクトの経路途中部に配置した。
【0005】
また、請求項2においては、前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を配設し、該パッシブ消音装置の上流側にスピーカを配置した。
【0006】
また、請求項3においては、前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を配設し、該パッシブ消音装置の下流側にスピーカを配置した。
【0007】
また、請求項4においては、前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を複数配設し、パッシブ消音装置とパッシブ消音装置との間にスピーカを配置した。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明のアクティブ消音装置を示す概略構成図、図2は同じくアクティブ消音装置の動作説明図、図3は図1におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図、図4は排気管のスピーカよりも下流側にパッシブ消音装置を設けたアクティブ消音装置を示す図、図5は図4におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図、図6は排気管のスピーカよりも上流側にパッシブ消音装置を設けたアクティブ消音装置を示す図、図7は図6におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図である。
【0009】
図8は排気管におけるスピーカの両側にパッシブ消音装置を設けたアクティブ消音装置を示す図、図9は図8におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図、図10はパッシブ消音装置内にスピーカを配置したアクティブ消音装置を示す図、図11はパッシブ消音装置の別実施例を示す図、図12はパッシブ消音装置の第三の実施例を示す図、図13はパッシブ消音装置の第四の実施例を示す図、図14はパッシブ消音装置の第五の実施例を示す図、図15はパッシブ消音装置の第六の実施例を示す図、図16はパッシブ消音装置の第七の実施例を示す図、図17はパッシブ消音装置の第八の実施例を示す図である。
【0010】
本発明のアクティブ消音装置について、エンジン排気音の消音を行うように構成したアクティブ消音装置の例を説明する。
図1には本アクティブ消音装置の概略構成を示している。
一元流れを有するダクトであるエンジンの排気管1の騒音源側、即ちエンジン側(図1における左側)には第一の検出手段である第一音波センサ4が設けられ、該排気管1の第一音波センサ4よりも下流側(図1における右側)には、第二の検出手段である第二音波センサ6が設けられている。
【0011】
排気管1の第一音波センサ4と第二音波センサ6との間には接続口1aが開口しており、該接続口1aには枝管9を介してスピーカ3が接続されている。
また、第一音波センサ4の検出信号が、聴感補正フィルタである第一フィルタ回路7を通じて入力されるとともに、第二音波センサ6の検出信号が、聴感補正フィルタである第二フィルタ回路8を通じて入力されるコントローラ5が設けられている。
【0012】
コントローラ5は、騒音源からの騒音に対して同振幅で逆位相の消音用音波をスピーカ3より出力するために、騒音源からの騒音を検出する第一音波センサ4の出力信号V01に基づき所定の波形の消音信号V3 を生成してスピーカ3に供給するためのものである。
聴感補正フィルタである第一フィルタ回路7は、第一音波センサ4の出力信号V01を周波数に応じて減衰させ、信号V1 としてコントローラ5へ入力させるものであり、出力信号V01の減衰特性は、周波数が高くなるにつれて減衰量が小さくなるような特性としてある。
【0013】
第二音波センサ6は消音作用の結果をモニターしてコントローラ5へフィードバックするものであり、排気管1から放出される騒音である排気音と、スピーカ3から出力される消音用音波の合成音を検出して出力信号V02を出力する。
聴感補正フィルタである第二フィルタ回路8は、第二音波センサ6の出力信号V 02 ’を周波数に応じて減衰させ、信号V2 としてコントローラ5へ入力させるものであり、出力信号V02の減衰特性は、周波数が高くなるにつれて減衰量が小さくなるような特性としてある。
【0014】
以上の如く構成されたアクティブ消音装置における動作について説明する。
即ち、エンジンが運転されて排気管1から排気ガスが排出されると、それに伴う排気音が第一音波センサ4で検出され、信号V1 がコントローラ5に入力されて消音信号V3 が生成される。この消音信号V3 によりスピーカ3が駆動されて消音用音波が出力されるが、上述のようにこの消音用音波が、排気管1から放出される排気音に対して逆位相で同振幅となるようにしてあるので、消音用音波で排気音が打ち消されて消音作用がなされることになる。
さらに排気音と消音用音波の合成音波が第二音波センサ6でモニタされて、消音作用の結果がコントローラ5にフィードバックされ、消音作用がより十分に行われるように消音信号V3 が補正されるのである。
【0015】
図2は前述の動作の説明図である。
本例ではエンジンの排気音に対する消音を行っているが、一般に排気音の成分は、そのほとんどがエンジンの回転数と気筒数とから決まる成分と、その高調波とで構成される比較的低い周波数成分であり、しかも排気管内でこれを検出すると周波数の低い成分ほど増強される度合いが強い。
このため、第一音波センサ4の出力信号V01は図2の(a)の実線のようなものとなる。従って、この出力信号V01をそのままコントローラ5に入力したのでは、周波数の低い成分に対する消音作用が大きくなる反面、感度が高くて耳ざわりになりやすい周波数領域の成分に対する消音作用は不十分となる。
【0016】
これに対して本例では、聴感補正フィルタである第一フィルタ回路7の減衰特性を図2の(c)の実線f1 のように周波数が高くなるにつれて減衰量が小さくなる特性としてあるので、出力信号V01は低い周波数ほど減衰量が大きくなり、図2の(a)に破線で示す信号V1 がコントローラ5に入力される。
【0017】
このため、仮に第二音波センサ6によるフイードバックが、聴感補正フィルタである第二フィルタ回路8を用いないで行われる場合を考えると、信号V1 に基づく消音信号V3 による消音作用の結果は図2の(b)に実線で示すように周波数に対してほぼフラットな出力信号V02’となる。
しかし、実際には図2の(c)の破線f2 のように周波数が高くなるにつれて減衰量が小さくなる特性の聴感補正フィルタである第二フィルタ回路8が用いられているので、図2の(b)に示すコントローラ5に入力される信号V2 は、低い周波数ほど減衰量が大きくなる。
【0018】
すなわち、実際にコントローラ5に入力される信号V1 ・V2 はいずれも高い周波数で出力レベルが高くなるように補正されたものとなり、周波数の高い領域ほど消音作用が精度よく行われることになる。
従って、消音作用の行われた後の音庄レベルは、図2の(b)に1点鎖線で示す出力信号V02のように目標レベルであるフレッチヤーの等感度曲線(2点領線で示す)に近いものとなり、比較的周波数が高くて耳ざわりになりやすい周波数領域の成分に対する消音作用を十分に行うことが可能となるのである。
【0019】
以上の如く、第一・第二音波センサ4・6の検出値を、聴感補正フィルタである第一・第二フィルタ回路7・8を通じてコントローラ5に入力することで、該第一・第二音波センサ4・6の検出信号に基づいて生成される消音信号V3 の出力レベルを、人間の聴感度が高くなる周波数帯域で高くなるようにして、人間にとって音に対する感度が高くて耳障りになりやすい周波数帯域の騒音を効果的に消音することができ、高い消音効果を得ることが可能となる。
また、消音信号V3 を出力するスピーカ3を排気管1の途中部に配置することで、該スピーカ3の配置位置の自由度が大きくなり、効率良く消音を行うことができる位置にスピーカ3を配置することが容易となる。
また、排気管1の管端部に配置した場合に比べて雨水対策や取付工事を容易に行うことができる。
【0020】
さらに、本例においては、スピーカ3は枝管9を介して排気管1に接続し、該排気管1とスピーカ3との間の間隔を離して、該スピーカ3が排気管1からの熱の影響を受けないようにしているが、スピーカ3に防熱対策を施している等、スピーカ3を排気管1に近づけて配置しても問題がない場合は、図3に示すように、スピーカ3を、排気管1の接続口1aに直接取り付けることも可能である。
【0021】
次に、図1に示したアクティブ消音装置において、排気管1の途中部に受動的音響制御により消音を行うパッシブ消音装置を付設した例について説明する。
図4においては、排気管1の途中部にパッシブ消音装置11を介装しており、該パッシブ消音装置11は、排気管1のスピーカ3が接続された部分よりも下流側に配置している。即ち、アクティブ消音装置のスピーカ3を、排気管1の途中部に配設したパッシブ消音装置11の上流側に配置している。
【0022】
パッシブ消音装置11は、例えば、略円筒形状に形成され、内周部に吸音部材21が設けられており、該吸音部材21により、パッシブ消音装置内を通過する騒音を消音するように構成されている。
また、内部に吸音部材21を設けたパッシブ消音装置11は、高周波域の騒音の消音効果が高くなるように、その内部容積等が設定されている。
【0023】
図4においては、前記第二音波センサ6をパッシブ消音装置11の下流側に配置して、アクティブ消音装置のスピーカ3から出力される消音用音波と、パッシブ消音装置11とにより消音された後の騒音を検出するようにしているが、図5に示すように、第二音波センサ6をパッシブ消音装置11の上流側に配置して、スピーカ3からの消音用音波により消音された後の騒音を検出するようにしてもよい。
また、本例においても、スピーカ3は、図4に示す如く枝管9を介して排気管1の接続口1aに接続するのみならず、図5に示すように、接続口1aに直接接続することができる。
【0024】
このように、アクティブ消音装置に、さらにパッシブ消音装置11を設けることで、通常低周波域での消音効果が高いアクティブ消音装置による消音に加えて、高周波域での消音効果が高いパッシブ消音装置11による消音により、全周波数域での消音効果を向上することができる。
また、別の例として、低周波数側においても消音効果を望むことができるパッシブ消音装置を用いれば、アクティブ消音装置のスピーカの個数を少なくして、効率良く消音することができる。
尚、本例のように、アクティブ消音装置に、聴感補正フィルタである第一・第二フィルタ回路7・8を設けて、アクティブ消音装置により比較的高周波域の消音を可能としたものについては、さらに高周波域の消音効果を向上することができる。
【0025】
また、アクティブ消音装置のスピーカ3をパッシブ消音装置11の上流側に配置しているので、該スピーカ3とパッシブ消音装置11との間の位置関係の自由度が大きくなり、排気管1の全長が変化する場合でも、スピーカ3とパッシブ消音装置11とを、それぞれ効率良く消音することができる位置に配置することが可能となる。
さらに、スピーカ3と排気管1との接合部にあたる接続口1aの部分では、排気流れの乱れにより高周波域の騒音である気流音が発生することがあるが、この気流音をパッシブ消音装置11により消音して低減することができる。
【0026】
また、図6においては、排気管1の途中部に介装した前記パッシブ消音装置11を、排気管1のスピーカ3が接続された部分よりも上流側に配置している。即ち、アクティブ消音装置のスピーカ3を、排気管1の途中部に配設したパッシブ消音装置11の下流側に配置している。
【0027】
図6においては、前記第一音波センサ4をパッシブ消音装置11の上流側に配置して、騒音源からの騒音を、パッシブ消音装置11により消音される前に検出するようにしているが、図7に示すように、該第一音波センサ4をパッシブ消音装置11の下流側に配置して、該パッシブ消音装置11により消音された後の騒音を検出するようにしてもよい。
また、本例においても、スピーカ3は、図6に示す如く枝管9を介して排気管1の接続口1aに接続するのみならず、図7に示すように、接続口1aに直接接続することができる。
【0028】
このように、アクティブ消音装置のスピーカ3を、排気管1の途中部に配設したパッシブ消音装置11の下流側に配置することにより、アクティブ消音装置での消音が困難な高周波側の騒音を予めパッシブ消音装置11により消音しておくことで、アクティブ消音装置による消音精度の確保・向上を図ることができる。また、パッシブ消音装置11により予め消音しておくことで、スピーカ3からの消音用音波の音圧が、消音対象周波数域において排気(騒音)音圧よりも大きくなるように排気(騒音)音圧を低減することができ、アクティブ消音装置により高い消音効果を得ることが可能となる。
【0029】
また、図8においては、排気管1の途中部に複数のパッシブ消音装置11を介装しており、該パッシブ消音装置11は、排気管1のスピーカ3が接続された部分よりも下流側と、スピーカ3が接続された部分よりも上流側とに配置している。即ち、アクティブ消音装置のスピーカ3を、パッシブ消音装置11とパッシブ消音装置11との間に配置している。
【0030】
図8においては、前記第一音波センサ4をパッシブ消音装置11の上流側に配置して、騒音源からの騒音を、パッシブ消音装置11により消音される前に検出するようにしているが、図9に示すように、該第一音波センサ4をパッシブ消音装置11の下流側に配置して、該パッシブ消音装置11により消音された後の騒音を検出するようにしてもよい。
また、図8においては、前記第二音波センサ6をパッシブ消音装置11の下流側に配置して、アクティブ消音装置のスピーカ3から出力される消音用音波と、両パッシブ消音装置11・11とにより消音された後の騒音を検出するようにしているが、図9に示すように、第二音波センサ6を下流側に配置されるパッシブ消音装置11の上流側に配置して、上流側のパッシブ消音装置11及びスピーカ3からの消音用音波により消音された後の騒音を検出するようにしてもよい。
また、本例においても、スピーカ3は、図8に示す如く枝管9を介して排気管1の接続口1aに接続するのみならず、図9に示すように、接続口1aに直接接続することができる。
【0031】
このように、パッシブ消音装置を複数設け、該パッシブ消音装置11とパッシブ消音装置11との間にアクティブ消音装置のスピーカ3を配置することにより、排気管1の全長に関係なく、スピーカ3の配置位置から排気通路(排気管1及びパッシブ消音装置11等)の断面積が変化するまでの間の距離、及び、スピーカ3の接続部分からの上流側及び下流側の排気管1の長さを、上流側及び下流側の両方で、該パッシブ消音装置11の配置位置により任意に規定することができ、スピーカ3と複数のパッシブ消音装置11とを、消音効率が高くなる位置に配置することが容易に可能となる。
【0032】
また、図10においては、排気管1の途中部にパッシブ消音装置11を介装し、該パッシブ消音装置11内に、アクティブ消音装置のスピーカ3を一体的に配置した例を示している。
該スピーカ3は吸音部材21が設けられるパッシブ消音装置11の内周部にとりつけられており、パッシブ消音装置11内部へ消音用音波を出力するようにしている。
また、前記第一音波センサ4は、例えばパッシブ消音装置11よりも上流側の排気管1内に配置され、第二音波センサ6は、例えばパッシブ消音装置11よりも下流側の排気管1内に配置されている。
【0033】
このように、パッシブ消音装置11内にスピーカ3を一体的に配置することにより、排気管1の全長に関係なく、スピーカ3の配置位置から排気通路(排気管1及びパッシブ消音装置11等)の断面積が変化するまでの間の距離を上流側及び下流側の両方で、該パッシブ消音装置11内でのスピーカ3の配置位置により任意に規定することができ、スピーカ3を、消音効率が高くなる位置に配置することが容易に可能となる。
【0034】
尚、受動的音響制御により消音を行う前記パッシブ消音装置11は、次に示すように、様々なバリエーションに構成することができる。
例えば、図11に示すパッシブ消音装置31の如く、管状部材31aの内周面に吸音材31bを貼設したり、図12に示すパッシブ消音装置32の如く、管状部材32a内部に、軸心方向に対して平行に吸音材32bを配設したり、図13に示すパッシブ消音装置33の如く、管状部材33a内部に、軸心方向に対して垂直に複数の吸音材33bを千鳥状に配設したりして、該パッシブ消音装置31・32・33内を通過する騒音を、吸音材31b・32b・33bにより吸収して消音するように構成することができる。
【0035】
また、図14に示すパッシブ消音装置34の如く、入口側管34aと出口側管34bとの間に、該入口側管34aの断面積及び出口側管34bの断面積よりも大きな断面積を有する膨張室34cを介装し、該パッシブ消音装置34内を通過する騒音を、膨張室34c内で膨張させることにより消音するように構成することができる。
この場合、膨張室34cの容積を変化させることにより、パッシブ消音装置34の減衰特性を調節することができる。
【0036】
また、図14に示すパッシブ消音装置34のような膨張型のパッシブ消音装置は、図15、図16に示すように構成することもできる。
即ち、図15に示すパッシブ消音装置35の如く、入口側管35aと出口側管35bとの間に介装される膨張室35c内に、出口側管35bの一端側を挿入したり、図16に示すパッシブ消音装置36の如く、膨張室36cに接続される出口側管36bを、入口側管36aの軸心方向と略垂直方向に配置したりすることもできる。
【0037】
また、パッシブ消音装置は、図17に示すパッシブ消音装置37の如く構成することもできる。即ち、管37aの外周部に、該管37aよりも断面積が大きな共鳴室37bを設け、管37aの共鳴室37b内に位置する部分に孔37cを形成して、管37a内を通過する騒音が孔37cを通じて共鳴室37b内で共鳴することにより消音されるように構成することができる。
この場合、共鳴室37bの容積や孔37cの数量・径等を変化させることで、パッシブ消音装置37の減衰特性を調節することが可能である。
【0038】
さらに、前記パッシブ消音装置11は、前述の如く様々なバリエーションに構成したパッシブ消音装置31・32・33・34・35・36・37等を、適宜組み合わせて構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く、第一の検出手段と演算手段との間、及び第二の検出手段と演算手段との間の少なくとも何れか一方に聴感補正フィルタを設けるとともに、スピーカをダクトの経路途中部に配置したので、第一の検出手段及び第二の検出手段の検出信号に基づいて演算手段により生成される消音信号の出力レベルを、人間の聴感度が高くなる周波数帯域で高くなるようにして、人間にとって音に対する感度が高くて耳障りになりやすい周波数帯域の騒音を効果的に消音することができ、高い消音効果を得ることが可能となる。
また、消音信号を出力するスピーカをダクトの途中部に配置することで、該スピーカの配置位置の自由度が大きくなり、効率良く消音を行うことができる位置にスピーカを配置することが容易となる。
また、排気管の管端部に配置した場合に比べて雨水対策や取付工事を容易に行うことができる。
【0040】
さらに、請求項2の如く、前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を配設し、該パッシブ消音装置の上流側にスピーカを配置したので、通常低周波域での消音効果が高いアクティブ消音装置による消音に加えて、高周波域での消音効果が高いパッシブ消音装置による消音により、全周波数域での消音効果を向上することができる。
また、アクティブ消音装置に聴感補正フィルタを設けて、アクティブ消音装置により比較的高周波域の消音を可能としたものについては、さらに高周波域の消音効果を向上することができる。
また、アクティブ消音装置のスピーカをパッシブ消音装置の上流側に配置しているので、該スピーカとパッシブ消音装置との間の位置関係の自由度が大きくなり、排気管の全長が変化する場合でも、スピーカとパッシブ消音装置とを、それぞれ効率良く消音することができる位置に配置することが可能となる。
さらに、スピーカと排気管との接合部にあたる部分では、排気流れの乱れにより高周波域の騒音である気流音が発生することがあるが、この気流音をパッシブ消音装置により消音して低減することができる。
【0041】
さらに、請求項3の如く、前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を配設し、該パッシブ消音装置の下流側にスピーカを配置したので、通常低周波域での消音効果が高いアクティブ消音装置による消音に加えて、高周波域での消音効果が高いパッシブ消音装置による消音により、全周波数域での消音効果を向上することができる。
また、アクティブ消音装置に聴感補正フィルタを設けて、アクティブ消音装置により比較的高周波域の消音を可能としたものについては、さらに高周波域の消音効果を向上することができる。
また、パッシブ消音装置の下流側にスピーカを配置しているので、アクティブ消音装置での消音が困難な高周波側の騒音を予めパッシブ消音装置により消音しておくことで、アクティブ消音装置による消音精度の確保・向上を図ることができる。
また、パッシブ消音装置により予め消音しておくことで、スピーカからの消音用音波の音圧が、消音対象周波数域において排気(騒音)音圧よりも大きくなるように排気(騒音)音圧を低減することができ、アクティブ消音装置により高い消音効果を得ることが可能となる。
【0042】
さらに、請求項4の如く、前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を複数配設し、パッシブ消音装置とパッシブ消音装置との間にスピーカを配置したので、通常低周波域での消音効果が高いアクティブ消音装置による消音に加えて、高周波域での消音効果が高いパッシブ消音装置による消音により、全周波数域での消音効果を向上することができる。
また、アクティブ消音装置に聴感補正フィルタを設けて、アクティブ消音装置により比較的高周波域の消音を可能としたものについては、さらに高周波域の消音効果を向上することができる。
また、パッシブ消音装置とパッシブ消音装置との間にスピーカを配置しているので、排気管の全長に関係なく、スピーカの配置位置から排気通路(ダクト及びパッシブ消音装置等)の断面積が変化するまでの間の距離、及び、スピーカの接続部分からの上流側及び下流側のダクトの長さを、上流側及び下流側の両方で、該パッシブ消音装置の配置位置により任意に規定することができ、スピーカと複数のパッシブ消音装置とを、消音効率が高くなるなる位置に配置することが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ消音装置を示す概略構成図である。
【図2】同じくアクティブ消音装置の動作説明図である。
【図3】図1におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図である。
【図4】排気管のスピーカよりも下流側にパッシブ消音装置を設けたアクティブ消音装置を示す図である。
【図5】図4におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図である。
【図6】排気管のスピーカよりも上流側にパッシブ消音装置を設けたアクティブ消音装置を示す図である。
【図7】図6におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図である。
【図8】排気管におけるスピーカの両側にパッシブ消音装置を設けたアクティブ消音装置を示す図である。
【図9】図8におけるアクティブ消音装置のスピーカを直接排気管に接続した状態を示す図である。
【図10】パッシブ消音装置内にスピーカを配置したアクティブ消音装置を示す図である。
【図11】パッシブ消音装置の別実施例を示す図である。
【図12】パッシブ消音装置の第三の実施例を示す図である。
【図13】パッシブ消音装置の第四の実施例を示す図である。
【図14】パッシブ消音装置の第五の実施例を示す図である。
【図15】パッシブ消音装置の第六の実施例を示す図である。
【図16】パッシブ消音装置の第七の実施例を示す図である。
【図17】パッシブ消音装置の第八の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 排気管
3 スピーカ
4 第一音波センサ
5 コントローラ
6 第二音波センサ
7 第一フィルタ回路
8 第二フィルタ回路
11 パッシブ消音装置
21 吸音部材
Claims (4)
- 一元流れを有するダクトの騒音源側に配置される第一の検出手段、第一の検出手段にて検出した騒音信号に対して同振幅且つ逆位相の消音信号を生成するための出力信号を算出する演算手段、ダクトの第一の検出手段よりも下流側に配置され演算手段の出力信号を受けて消音信号を出力するスピーカ、及びダクトのスピーカよりも下流側に配置される第二の検出手段を有したアクティブ消音装置において、第一の検出手段と演算手段との間、及び第二の検出手段と演算手段との間の少なくとも何れか一方に、周波数が高くなるにつれて減衰量が小さくなるような減衰特性を具備した聴感補正フィルタを設けるとともに、スピーカをダクトの経路途中部に配置したことを特徴とするアクティブ消音装置。
- 前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を配設し、該パッシブ消音装置の上流側にスピーカを配置したことを特徴とする請求項1に記載のアクティブ消音装置。
- 前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を配設し、該パッシブ消音装置の下流側にスピーカを配置したことを特徴とする請求項1に記載のアクティブ消音装置。
- 前記ダクトの途中部に、パッシブ消音装置を複数配設し、パッシブ消音装置とパッシブ消音装置との間にスピーカを配置したことを特徴とする請求項1に記載のアクティブ消音装置。
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