JP2975966B2 - 音響コンダクタンス - Google Patents
音響コンダクタンスInfo
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Description
スに関する。更に詳述すると、本発明は、管路系騒音を
制御対象とする消音システムの管路に並列に組込む音響
コンダクタンスの構成に関する。
用した拡張室型などの受動型の消音器がこれまで多く用
いられてきた。更に、受動型消音器にはグラスウール等
の吸音材を併用することによりエネルギーの吸収を高め
る方法が取られてきた。この管路および拡張室に吸音材
を配置する要素は、管路系にとって、伝送路に直列な抵
抗と等価である。しかし、この受動形の要素では完全反
射となる帯域は狭く、しかも吸音が十分に行なえないの
で、反斜面の性質・配置と周波数の関係により、負の消
音効果(騒音の増大)を示す帯域が存在する。また、消
音効果を十分に得ようとすると、管路要素の構造が複雑
となり、圧力損失が大となる。
形消音器では得られない性質の能動消音システムが提案
されている。これは管路上流より伝播してきた音波を2
次音源の位置において完全に上流側に反射させることを
目指している。即ち、消音すべき音(一次音)に対し、
一次音と逆位相の音を2次音として重ね合せることによ
り消音する技術として提案されている(米国特許No.204
3416)。この方法が原理通りに動作すれば、騒音周波数
の広帯域にわたる完全反射面が形成され、完全な消音が
できる。
御法の多くは、上述の消音方法の管路への応用例を基礎
とし、2次音源上での一次音の音圧を、上流側の参照信
号からディジタル信号処理を用いて予測し、一次音と逆
位相の2次音を出力してこれを相殺するようにしたもの
である。この場合、理想的動作の目標として、2次音が
一次音と等振幅・逆位相となり、完全に相殺が行なわれ
ること、すなわち2次音源上に完全反射面が形成される
ことを想定している。これは、2次音源部に音響インピ
ーダンスの短絡面を形成することを意味している。この
ことから、このような働きをする要素を音響コンダクタ
ンスと呼んでいる。
成の容易な能動制御法としては、第1図に示すように、
参照信号集音用のマイクロフォン5と2次音源用スピー
カ6を同位置に配置した密結合モノポール(Tight−Cou
pled Monopole:以下TCMと略称する)が提案されてい
る。また、2次音源6で完全反射を目的とせず、簡単な
構成の能動要素を使った受動素子として管路に並列な音
響コンダクタンス(以下、単に音響コンダクタンスと表
現する)が提案されている。これは低ゲインのTCM能動
要素で構成されるものであるが、低ゲインの場合その音
響的な性質は完全に受動的であり、能動消音器とは違う
働きより、管路系の消音にこれまでの受動素子では得ら
れなかった効果的な役割を果たす。
用いられる音響コンダクタンスの構成は、理論的には2
次音源に密接した音響センサからの信号を2次音源に負
帰還することで実現されるものと考えられているが(第
1図に示すTCM基本構成参照)、実際には以下のような
問題により、十分な性能が得られていなかった。
切なものでないと、必要な音圧、体積速度が得られず、
十分な性能が実現されない。
の部分では平面波と見なすことができないため、音響セ
ンサで集音した音響信号が適切でなく発振やゲインが上
がらない等の問題が生じ十分な性能が得られない。
を伝播する音波に対して、2次音源から発生する逆位相
音波に遅れがあり、このため発振が生じゲインが大きく
取れず、また使用可能な周波数範囲が狭い等の問題があ
る。
因となる高周波成分の音が、騒音発生源に含まれている
場合、発振を励起しやすくなる。
音響センサが管路内の流体にさらされる構造のため、流
体の影響、即ち流れによる音響的なアークファクト、
熱、ダスト、ミスト等が問題であった。
期待される性能を実現するための適切な音響コンダクタ
ンスの配置、特に音響センサ及び2次音源の配置を提供
することを目的とする。
は拡張室に設けた管路に並列な振動面を含む音響コンダ
クタンスにおいて、前記管路または拡張室に直交する同
一円周上に配置された前記振動面の総面積が、前記管路
若しくは拡張室の断面積の約2倍以上であると共に、振
動面の前面に、前記管路または拡張室と前記音響コンダ
クタンスとの特性インピーダンスを適合させる大きさの
透孔を有するスリット状の要素が配置してあるようにし
ている。
されたことを特徴とし、更にそれらの振動面が互いに対
向して配置されていることを特徴とする。
のセンサで集音された音を信号処理して駆動させる2次
音源とから成る。
次音源の発生面中心よりやや上流側に配置している。
次音源の間の2点間距離を、2次音源の振動面の総面積
が管路断面積の2倍未満の場合の2点間距離よりも短く
している。
路内流体から隔離した位置に配置している。
室の内部または周囲に吸音材を配置している。
い音響ダンパであることを特徴としている。
下げるような位相で管路壁面に配置された2次音源が作
動することにより、管路を分布定数伝送線路と等価的に
みなした場合に線路に並列に挿入されたコンダクタンス
として動作する。
サを2次音源のスピーカー等に密接して配置し、増幅器
を介して負帰還すればよい。しかし、実際には前述した
ような問題がある。
の振動面積を有する2次音源を用いると、管路に必要な
音圧と体積速度を放射することができ、2次音源からみ
て管路の上流側と下流側の両側に音波を放射する。ま
た、2次音源の音圧発生面の前面に配置されるスリット
状の要素は、音圧・体積速度の関係を管路の特性インピ
ーダンスに適合させる。
置する場合、必要な音源の大きさ(体積速度、音圧)は
一定であることから、個々の2次音源の負担(振幅)を
減ずることができ、個々の2次音源の位相遅れが減るリ
ング音源の形成と複数の2次音源個々の負担の減少の相
乗効果により音響センサを2次音源に近く設置できる。
ることによって、位相遅れの修正と、2次音源より発生
された逆位相音が平面波になる領域を形成する。
材は、位相変化によって発振等の原因となる高周波成分
を減弱させ、共振を抑える。また、吸音材は等価的に伝
送路に直列な抵抗成分として機能する。
細に説明する。本実施例は音響コンダクタンスとしてTC
M及びLTCMを対象としたものである。
は、制御対象音が流れる主管路1に吸音材3を挿入した
受動的消音器である拡張室2と音響コンダクタンス4と
を組み合わせて配置している。
理回路・増幅器7を用いて音響コンダクタンス4が構成
されている。尚、音響センサ5としてはマイクロホンが
一般的であるが、特にこれに限定されるものではなく、
振動ピックアップ等の採用も可能である。また、2次音
源6としてはラウドスピーカが一般的であるが、特にこ
れに限定されるものではない。更に、スピーカでは第8
図(A)及び(B)に仮想線で示すように、スピーカボ
ックス9を必要とするが、図面は消音システムの概念を
示しているので他の図ではスピーカボックスの図示を省
略している。
れ音響センサを2次音源中心部よりやや上流側に配置し
ている。この場合音響コンダクタンスを構成する位置は
特に限定をうけるものではないが、拡張室2の長さの約
1/3の位置に配置するのが適している。この2次音源か
らみて管路は上流側と下流側の両側に音波の放射が必要
である。従って、管路に必要な音圧と体積速度を放射す
るためには、管路1の断面積の約2倍程度もしくはそれ
以上の面積を有する2次音源6を用いることが適切であ
る。偏平な管路を除き、この条件を満たすには複数の2
次音源6,6を管路の周囲に同一周面上に位置するように
分散配置することが必須となる。更に、必要な音源の大
きさ(体積速度、音圧)は一定であるため、個々の2次
音源6,6の負担(振幅)を減ずることができる。このた
め個々の2次音源6,6の位相遅れが減るリング音減の形
成と複数の2次音源個々の負担の減少の相乗効果により
音響センサ5を2次音源6の近くに設置できる。
2次音源6,6を対向して配置する構成が望ましい構成法
の一つである。この場合、音響センサ5を2つの2次音
源6,6の対称面内に置くことによって、1つのセンサ5
の信号を2つの2次音源6,6で利用できる。このこと
は、複数のセンサ5を用いる場合に比べ、位相の補正等
を必要とせず、簡略な構成となる利点を有し、管路壁面
に音響センサ5を配置することも容易となる。
ことにより、位相遅れの修正と、2次音源より発生され
た逆位相音が平面波になる領域を形成することができ
る。このため、2次音源6の位相遅れに起因して管路1
内を伝播する音波に対して生ずる2次音源6から発生す
る逆位相音波の遅れに対して、その遅れ時間に相当する
距離を得ることができる。また、2次音源6からの発生
音波が管路1内の2次音源6直近の部分では平面波と見
なすことができないが、それよりもやや上流側では2次
音源6直近の音響センサ5で集音した音波信号が適切で
なく発振やゲインが上がらないとしても、平面波を形成
することができる。
張室2と音響コンダクタンス4との特性インピーダンス
を適合させる大きさ透孔を有するスリット状の要素8を
配置し、2次音源6と管路1とのインピーダンスの適合
を図っている。この要素8のスリット形状や開口率には
特に限定を受けず消音システムによっては制御対象音の
流れ方向に長い楕円形のような形状の方が好適な場合も
ある。
(グラスウール等)3によって保護され管路内流体より
隔離されている。この場合、吸音材3による位相変化に
よって発振等の原因となる高周波成分を減弱させ、管路
1の共振を抑えることができる。即ち、ハウリングが起
こらずTCMの作動が安定する。
ール(Low gain Tight−Coupled Monopole)の略であ
り、参照信号集音用センサ例えばマイクロホン5の二次
音源例えばスピーカ6をほぼ同位置あるいは近傍に配置
し、利得を比較的低く例えば約20dB以下に制限し、発振
が起らない範囲で動作させるものをいう。これは従来の
密結合モノポールが完全反射面を目指すために不安定化
の問題を有するのに対し安定な動作が容易な不完全反斜
面として動作するものである。このLTCMは、音響センサ
(マイクロホン等)5において集音された信号を適当な
信号処理、例えば反転処理した後、増幅器7を経て二次
音源(ラウドスピーカ等)6より逆位相の音を放射す
る。
で、次の様に動作する。
張室2内に設置された音響コンダクタンス(音響センサ
5・2次音源6・処理回路・増幅器7により構成され
る)と吸音材3によって反射あるいは吸収され消音され
る。
の総面積が拡張室の断面積の約2倍以上であるとき、こ
の複数個の2次音源6,6から拡張室2内に放射される音
波は、2次音源6の前面の拡張室2内においてリング音
源を形成し、拡張室2の特性インピーダンスと適合した
逆位相音場を形成する。さらに2次音源6前面に配置さ
れたスリット8によりこのインピーダンス適合は増進さ
れる。
すくなり、また2次音源6を1ケで駆動させるより複数
個設置した場合は2次音源1ケ当りの振幅を減ずること
が出来るため、各々の位相遅れを減少でき音響センサ5
を2次音源6の中央位置に近づいて設置することが出来
る。
相変化によって発振等の原因となる高周波成分を減弱さ
せて共振を抑え、また、吸音・断熱材3は伝送路に直列
な抵抗成分として機能し、並列な音響コンダクタンスと
の併用により、さらに消音効果を高める働きをしてい
る。
2次音源6が、拡張室2内の流体に直接さらされない構
造となるため、流体の影響を受けにくく、流れによる音
響的なアーチファクト、熱、ダスト、ミスト等の問題を
解決している。
るがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱
しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、
拡張室2に本発明を適用するのみならず、主管路1に直
接適用することも可能である。(第9図参照) また、2次音源6、音響センサ5、吸音・断熱材3の
配置は様々考えられる。例えば幾つかの配置例を第10図
と第11図に示す。矩形断面の管路1の流れに対して同一
位置となる周面上に4個の2次音源6,…,6を2個ずつが
互いに対向するように配置されている(第10図(B)参
照)。また、円形管路1の同一円周上に均等な角度を設
定して3個の2次音源6,6,6が配置されたり(第10図
(A)参照)、4個の2次音源6,…,6が配置されている
(第10図(C)参照)。更に、音響センサ5の管路1あ
るいは拡張室2に対する配置は特に限定されるものでは
ないが、管路1の内壁を囲繞する吸音材3の中に埋設し
たり(第11図(A)参照)、管路1の中央に吸音材3を
包んで配置したり(第11図(B)参照)、矩形断面の管
路1の中央に吸音材3から成る仕切を設けてその中に配
置すること(第11図(C)参照)が可能である。2次音
源6、音響センサ5、吸音・断熱材3の種類及び材質は
これらに限られない。
た場合について詳細に説明したが、特に限定されず同様
の音響コンダクタンスや音響ダンパを用いることができ
る。ここで、音響ダンパとは、騒音に伴う音圧の変化に
よって自ら変形し該変形に伴う抵抗によりエネルギーを
吸収し得るものを意味し、例えば振動に対し等価的に粘
性を有するラウドスピーカのコーン部分や粘性を有する
ゴム膜またはピストンのようなものを含む。
較 但し、Rは2次音源の振動面積/管路の断面積であ
る。この実験において、Cの実験は拡張室(拡張比2)
を併用したものである。この場合、同一構成の拡張室だ
けの消音効果は最大で6dBであったことから本発明によ
る消音効果は拡張室併用による相乗効果を含めて実質的
には12dB以上と考えられる。この消音効果は管路断面積
が一定の場合において2次音源6の振動面の総面積を増
大した場合(モデルAとBの比較)、即ち管路の断面積
よりも2次音源の総面積(振動面積)を大きくした場合
に減衰効果が向上し、面積比Rが更に大きくなった(R
=2.5)場合には消音効果が顕著になることを示してい
る。具体的な実験モデルを製作して実験していないが、
2次音源の振動面の総面積が管路の断面積よりも大きく
なったとき、好ましくは管路の断面積の約2倍以上にな
ったときに減衰効果が著しく向上するものと推測され
る。
ほぼ同等な音圧発生面(口径)を持つスピーカを使用し
た実測例(消音特性の最も良好な位置を選定しスピーカ
とマイク間の最適距離とした) 但し、本実験は口径100mmのスピーカ(断面積7850m
m2)と75mmφダスト(断面積4415mm2)を使用して行な
われ、表中の()の数値は同一円周上に存在する2次音
源の振動面の総面積と管路の断面積との比である。これ
よりダスト形状、スピーカ等によってマイクロホンの最
適位置は異なるが、2次音源の総面積が管路断面積より
も小さい場合のセンサ位置と比較して最適距離は短くな
る傾向にあることが理解できる。
音させたときの音圧レベルの比較を第3及び第4図に示
す。
させて配置した時のスピーカ中心から上流側に6cm、10c
m移動した場合の音圧変化を示す。この結果、音響セン
サ5の位置は2次音源の直下の場合には点線で示すよう
になるが、6cm離した場合には鎖線で示すように、10cm
離した場合には一点鎖線で示すようになることがわかっ
た。TCMにおいて音響センサ5は2次音源6の真下に設
置することが理想である。音響センサ5を2次音源6に
近づけた方が伝達関係を複雑にせずに済むからである。
しかし、現実には2次音源6の真下では必ずしも良好な
結果は得られず、マイクロホン5の位置は近過ぎても好
ましくないことが分かる。
させて配置した時のスピーカ中心から上流側に5cm,10c
m,15cm移動した場合のスピーカ中心を0とした時の音圧
レベルの違いを示す(第3図で使用したスピーカ、増幅
器とは形式が違う)。このグラフは2次音源上にマイク
ロホンがある場合(マイク位置0mm)に対する改善量を
示すもので、ダクト形状、スピーカ等の種類によりマイ
ク最適位置は異なることが理解できる。そして、マイク
位置は2次音源6より僅かに上流(即ち、5cm上流のケ
ース)の方がより離れたケースよりも消音効果の悪化が
ほとんど認められず安定した改善効果が得られることが
理解できる。即ち、ダクト形状、スピーカの大きさ等に
よって異なるが、適当なマイク位置が2次音源6より僅
か上流に存在するものと思われる。そして、2次音源か
ら離間しなければならない音響センサの位置は第2表か
らも明らかなように、2次音源の振動面総面積が管路断
面積の約2倍よりも小さい場合より、約2倍以上の場合
の方がはるかに短くて済み、音響センサと2次音源との
間の伝達関数を複雑にしなくて済むという利点をもたら
す。
置した場合の消音効果の比較を第6図に示す。このグラ
フはスリットがない場合に対する改善量を示しており、
図中○で示すのが円形スリットでスピーカ面積の30%を
開口した場合で、△で示すのが管路軸方向に長い長方形
スリットで開口率は63%、×で示すのが軸と直角方向に
長い長方形スリットで開口率63%を配置した場合であ
る。
形状が消音効果の悪化(マイナス側への移行)が見られ
ずかつ最も改善された一番良い結果を示したが、他の実
験例では軸方向に長い楕円形の場合がよい結果を示すこ
ともある。
消音特性 第7図に吸音材がある場合と無い場合のTCM作動時の
消音量の比較を示す。図中、実線はグラスウールのある
場合で、点線はグラスウールの無い場合である。この場
合、吸音材の働きによってハウリングが起こらないた
め、音響コンダクタンス(TCM)の作動が安定する。
す。
ンスを2カ所配置した消音効果実施例を第13図に示す。
響コンダクタンスを使用した分析結果を示す。図中破線
は音響コンダクタンスの増幅器のスイッチを切断した状
態でスピーカは管路内部の音圧のみによって動かされて
いる状態を示している。このことより、音響コンダクタ
ンスを作動させたときには平均して約25dB程度消音で
き、特に500Hz付近では著しい消音効果を得ることが理
解できる。また、増幅器の電源を切った場合にも2次音
源(スピーカー)が音響ダンパとして作動するため消音
効果が得られる。
の後の管路に本発明の音響コンダクタンスを配置した消
音効果実測例を第15図に示す。図中点線は管路のみの周
波数分析結果、一点鎖線は拡張室のみを設けた場合で、
実線は音響コンダクタンスを併用した分析結果を示す。
このことより、音響コンダクタンスを作動させることに
よって消音効果が上がることが確認できる。
と管路にそれぞれ本発明の音響コンダクタンスを配置し
た消音効果実測例を第17図に示す。
張室を設けた場合で、実線は音響コンダクタンスを併用
した分析結果を示す。この場合、グラスウールを充填し
た拡張室だけの場合よりも1KHzより低域において特に消
音効果が上がることが確認できた。
または拡張室に設けた管路に並列な振動面を含む音響コ
ンダクタンスにおいて、前記管路または拡張室に直交す
る同一円周上に配置された前記振動面の総面積が、前記
管路若しくは拡張室の断面積の約2倍としたとき、2次
音源が管路の特性インピーダンスに対して適切なものと
なるので、必要な音圧、体積速度を得られる(第1表参
照)。
スリット状の要素を配置することによって、さらに2次
音源が管路の特性インピーダンスに対して適切なものと
なる(第5,6図参照)。
くは拡張室の同一周面上に複数個配置するようにしてい
るので、2次音源近傍がリング音源に近くなり管路内に
平面波が伝播しやすくなる。依って、個々の2次音源の
振幅が減ることによって位相遅れを減じ、音響センサと
2次音源間の距離を短くする事が出来、より理想に近い
TCMの構成となり、発振・ゲイン・周波数帯域の問題も
改善される(第2表、第2,3,4図参照)。
複数個配置する場合の特殊な例として、2次音源2ケを
管路に対向して置く場合、2次音源を同一周面上に多数
配置するものに比して効果は大きく変わらないが、音響
センサの設置位置には自由度が加わるし、経済的にも有
利である(第2表参照)。
上流側に設置する場合、音響センサと2次音源の位相遅
れを改善し、発振マージンを上げて、ゲインと周波数範
囲の改善を行なうことができる(第2表、第2,3,4図参
照)。
素の周りに吸音・断熱材を併用することによって、音響
伝送路に直列な抵抗成分として機能させるようにしてい
るので、伝送路に直列なコンダクタンス要素であり、管
路に並列な音響コンダクタンスとの併用は、消音効果を
高めるのに有効であり、発振の原因となる高周波成分の
音を低減させるため発振の防止となる(第7図参照)。
や2次音源が管路内の流体に直接さらされない構造とな
るため、流体の影響を受け難くなり、流れによる音響的
なアーチファクト熱、ダスト、ミスト等の問題が少なく
なる。
ンサと2次音源との間の伝播による影響が少なくなり、
システムが安定し、より理想的な音響コンダクタンスを
構成でき、消音量の増大も図れる。また、2次音源と音
響センサ間の距離が少なくなるためシステムの小型化が
図れる。
ムが構成できる。更に、従来の受動的手法による消音シ
ステムより消音効果が大きく、また拡張形等の消音器に
比べ本質的に流路の構造が単純で圧力損失を大幅に低減
できるため様々な用途に適用できる。
断して2次音源の駆動ができなくなった場合にも、騒音
発生源より伝播してくる管路内の音圧により2次音源は
引かれあるいは押されて音響的なダンパとして使用しあ
る程度の減衰効果を有する。このことは増幅器などの故
障の場合に対処出来ることを示している。
を示す説明図である。 第3図はセンサ位置の違いによる消音特性を示すグラフ
である。 第4図はセンサを上流側に移動して消音させたときの音
圧レベルの差を示すグラフである。 第5図(A)はスリット状要素の配置例を示し、第5図
(B)〜(D)は形状例を示す説明図である。 第6図はスリット形状の違いによる改善効果を示すグラ
フである。 第7図はTCM周りの吸音材の有無による消音特性の違い
を示すグラフである。 第8図は本発明の一実施例を示す原理図で、(A)は縦
断面図、(B)横断面図で示す。 第9図は本発明の他の実施例を示す原理図で、(A)は
縦断面図、(B)は横断面図で示す。 第10図(A)〜(C)は2次音源配置例を示す横断面図
である。 第11図(A)〜(C)はセンサ位置と吸音材配置例を示
す横断面図である。 第12図は管路に音響コンダクタンスを2ケ配置した場合
の説明図である。 第13図は第12図の実施例の消音したときの音圧レベルの
実測結果を示すグラフである。 第14図は拡張室の後に音響コンダクタンスを配置した場
合の説明図である。 第15図は第14図の実施例の消音したときの音圧レベルの
実測結果を示すグラフである。 第16図は拡張室と管路に音響コンダクタンスを配置した
実施例を示す説明図である。 第17図は第16図の実施例の消音したときの音圧レベルの
実測結果を示すグラフである。 1……管路、2……拡張室、3……吸音材、5……音響
センサ、6……2次音源、8……スリット状要素。
Claims (9)
- 【請求項1】管路途中または拡張室に設けた管路に並列
な振動面を含む音響コンダクタンスにおいて、前記管路
または拡張室に直交する同一円周上に配置された前記振
動面の総面積が前記管路若しくは拡張室の断面積の約2
倍以上であると共に、前記振動面の前面に、前記管路ま
たは拡張室と前記音響コンダクタンスとの特性インピー
ダンスを適合させる大きさの透孔を有するスリット状の
要素が配置してあることを特徴とする音響コンダクタン
ス。 - 【請求項2】前記音響コンダクタンスは複数設置された
ことを特徴とする請求項1記載の音響コンダクタンス。 - 【請求項3】前記音響コンダクタンスはそれらの振動面
が互いに対向して配置されたことを特徴とする請求項2
記載の音響コンダクタンス。 - 【請求項4】前記音響コンダクタンスは音響センサとこ
のセンサで集音された音を信号処理して駆動させる2次
音源とから成ることを特徴とする請求項1から3までの
いずれか記載の音響コンダクタンス。 - 【請求項5】前記音響センサを2次音源の発生面中心よ
りやや上流側に配置したことを特徴とする請求項4記載
の音響コンダクタンス。 - 【請求項6】前記音響センサと2次音源の間の2点間距
離を、2次音源の振動面の総面積が管路断面積の2倍未
満の場合の2点間距離よりも短くしたことを特徴とする
請求項5記載の音響コンダクタンス。 - 【請求項7】前記音響センサを管路内流体から隔離した
位置に配置したことを特徴とする請求項4から6までの
いずれか記載の音響コンダクタンス。 - 【請求項8】前記管路及び拡張室の内部または周囲に吸
音材を配置したことを特徴とする請求項1から7までの
いずれか記載の音響コンダクタンス。 - 【請求項9】前記音響コンダクタンスは自らは駆動しな
い音響ダンパであることを特徴とする請求項1から8ま
でのいずれかに記載の音響コンダクタンス。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2291892A JP2975966B2 (ja) | 1990-10-31 | 1990-10-31 | 音響コンダクタンス |
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