JPH0944167A - アクティブ消音装置 - Google Patents

アクティブ消音装置

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Publication number
JPH0944167A
JPH0944167A JP7193488A JP19348895A JPH0944167A JP H0944167 A JPH0944167 A JP H0944167A JP 7193488 A JP7193488 A JP 7193488A JP 19348895 A JP19348895 A JP 19348895A JP H0944167 A JPH0944167 A JP H0944167A
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JP
Japan
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sound
pipe
noise
branch pipe
speaker
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Pending
Application number
JP7193488A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Okubo
稔 大久保
Shinichiro Ishida
慎一郎 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH0944167A publication Critical patent/JPH0944167A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N1/00Silencing apparatus characterised by method of silencing
    • F01N1/06Silencing apparatus characterised by method of silencing by using interference effect
    • F01N1/065Silencing apparatus characterised by method of silencing by using interference effect by using an active noise source, e.g. speakers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のアクティブ消音装置において、騒音中
にいくつか混じる音圧レベルの高い一定周波数音を消音
するには、消音用のスピーカー音中のそれに一致する周
波数音を、スピーカーから騒音とスピーカー音との干渉
部までの枝管長さを設定して増幅させて対処するが、こ
の方法では特定周波数の音について増幅できず、騒音中
のその周波数の音が消音しきれなかったという不具合を
解消する。 【解決手段】 本管1と分岐管2との間に一次整音管6
・二次整音管7を、スピーカーユニットSUと分岐管2
との間に枝管4を介設した構成において、本管1と一次
整音管6との間にヘルムホルツ共鳴器を具備する共鳴式
消音管5を介設するか、または枝管4のスピーカーSP
近傍に共鳴室4aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、騒音波形の逆位相
の波形を有する音によって騒音を消音する構成のアクテ
ィブ消音装置のうち、発電機駆動用エンジンの排気音
等、ある程度一定の音色で持続的に発せられる騒音を消
音する型式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブ消音装置は、騒音源より延設
する本管に騒音を通過させ、それにスピーカーより延設
した枝管を合流させ、スピーカーより騒音の逆位相の音
を発して、本管と枝管との合流部(以後「本枝管合流
部」とする。)にて、騒音を該逆位相音にて相殺する構
成である。この中で、種々の周波数の音が合成されて一
定の音色を現出する騒音のうち、高周波域の音は比較的
吸音しやすく、本管に高周波音を吸音できる吸音材(グ
ラスウール等)よりなる整音管を配設し、該整音管に騒
音を通過させることで、該本枝管合流部には、騒音中の
低周波域音のみを到達させるようにし、スピーカーから
は騒音と同一音量で逆位相の低周波域音を発し、また、
消音効果を高めるべく、スピーカー音の中で、本枝管合
流部に達する騒音中に含まれる音圧レベルの高い周波数
音と同一周波数の音を増幅すべく、枝管長さを調整する
構成が、例えば特願平6−115518において開示さ
れている。
【0003】エンジン排気音等の騒音を消音するものと
しては、他に、従来、グラスウール等の吸音材を用いた
吸音装置のみで消音する方法がある。これは、消音材中
の無数の孔内で騒音を反射させて、音のエネルギーを熱
エネルギーに変換するものである。しかし、この吸音作
用によって例えば船舶の機関室より発せられる排気音を
消音しようとすれば、騒音中に含まれる音の大部分を吸
収し、なおかつ、吸音によって高熱化する消音材を空気
冷却するため、図23の如く、大規模な消音装置18が
必要となる。この点で、アクティブ消音装置は、コンパ
クトで消音効果の高い装置であって、前記の図23の如
く大規模な消音装置18を設けなければ得られなかった
消音効果を、アクティブ消音装置ならば、図24図示の
ようにコンパクトなもので得られるのであり、ますます
の需要増が見込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアクテ
ィブ消音装置においては、騒音中に含まれる音圧レベル
の高い特定の周波数を消去しきるには、スピーカーを複
数個用いるため、大型化するという難点があった。図2
1に図示するのは、整音器通過後に枝管との合流部(本
枝管合流部)に達した騒音中に含まれる各周波数音の音
圧レベルを計測したものであるが、高周波域の音は、整
音管を通過することで充分に吸音されて、音圧レベル
は、もはやスピーカーによる消音効果を必要としない程
度に減衰されて、低周波域の音が高い音圧レベルで残っ
ている。スピーカーからはこの音域の音を発生させる。
【0005】スピーカー音は、周波数全域で音圧レベル
が一定している。これに対して、騒音内には、音圧レベ
ルの高い一定周波数の音が混じっている。図22図示の
本枝管合流部2aに達する騒音中においては、周波数f
1 の音(以後「一次周波数音」とする。)が最も音圧レ
ベルが高い。この最大音圧レベルを持つ一次周波数音の
周波数f1 は、エンジンの種類、回転数等や負荷によっ
て決定する。該本枝管合流部に達する騒音での中では、
周波数f2 (=f1 ×2)の音(以後「二次周波数音」
とする。)が、一次周波数音の次に音圧レベルが高く、
また、周波数f 3 (=f1 ×3)の音(以後「三次周波
数音」とする。)が、その次に音圧レベルが高い。それ
より高周波の音は、周波数がf1 ×nの音であっても、
音圧レベルはかなり低いので、スピーカーによる消音効
果は必要としない。従って、スピーカー音の中で、周波
数f1 ・f2 ・f3 の音を増幅すれば、騒音を略完全に
減衰できるのである。
【0006】そこで、小型な構造となるよう一個のスピ
ーカーにより消音するため、図22のように、スピーカ
ー音中の周波数f1 である一次周波数を増幅させるべ
く、枝管長さ(スピーカーから本枝管合流部までの長さ
+開口端補正量)Lを、λ×(2n−1)/4・・・
(λは一次周波数音の波長、nは整数)とする。枝管
は、スピーカー配設部が固定端となっていて、本枝管合
流部が開口端となっており、この枝管長さにすれば、開
口端である本枝管合流部と、音波の現出する縦波の腹が
一致するからである。このように枝管長さを設定すれ
ば、一次周波数音を増幅できるだけでなく、三次周波数
音も増幅できる。三次周波数音の波長はλ×1/3であ
り、片方を固定端とする管長さλ×(2n−1)/4の
開口端に、即ち本枝管合流部に、同じく音波の縦波の腹
が位置して増幅されるからである。
【0007】しかし、λ×1/2の波長を持つ二次周波
数音の音波の場合、同じスピーカーより発せられた波長
λである一次周波数音の音波の縦波の腹の位置に、二次
周波数音の縦波の節が一致するから、前記のように一次
周波数音の音波の腹の位置に設定した本枝管合流部は、
二次周波数音の音波の節の位置となるので、この枝管長
さLに設定した枝管では二次周波数音は増幅しない。よ
って、該本枝管合流部において、スピーカー及び枝管よ
り到達した二次周波数音の音圧レベルは、騒音中の二次
周波数音の音圧レベルより低く、騒音中の二次周波数音
は、充分な消音効果を得ずに本管の出口より放出されて
しまう。騒音中の二次周波数音は、騒音中の一次周波数
音よりは音圧レベルが低いとはいえ、かなり音圧レベル
は高く、騒音を充分に消音する効果が得られなかったの
である。
【0008】本発明は、このように、従来のアクティブ
消音装置におけるスピーカー音では消音しきれなかった
騒音をも消音できるようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決する手段】本発明は、従来のアクティブ消
音装置における以上のような不具合を解消し、充分な消
音効果を得るため、次のような手段を用いる。即ち、騒
音の通過する本管に、高周波音を吸収可能な整音管を介
設し、該整音管より下手側の本管に、騒音の逆位相音を
発するスピーカーより延設する枝管との合流部を設けた
構成のアクティブ消音装置において、該整音管より上手
側の本管に、ヘルムホルツ共鳴器を環設した。
【0010】また、この構成のアクティブ消音装置にお
いて、該共鳴器を、整音管の上手側に直結した。
【0011】また、騒音の通過伝播する本管に、高周波
音を吸収可能な二個の整音管を直列状に介設し、下手側
整音管の口径を上手側整音管の口径より小さくし、下手
側整音器より下手側の本管に、騒音の逆位相音を発する
スピーカーより延設する枝管との合流部を設けた構成の
アクティブ消音装置において、両整音管を直結し、ヘル
ムホルツ共鳴器を、下手側整音管に環設する状態で上手
側整音管の下手側に直結した。
【0012】また、騒音の通過伝播する本管に、高周波
音を吸収可能な整音管を介設し、該整音管より下手側の
本管に、騒音の逆位相音を発するスピーカーより延設す
る枝管との合流部を設けた構成のアクティブ消音装置に
おいて、該枝管のスピーカー近傍にヘルムホルツ共鳴器
を配設した。
【0013】また、この構成のアクティブ消音装置にお
いて、該ヘルムホルツ共鳴器の配設部分を、枝管のスピ
ーカー配設側端より枝管全長の中間までとした。
【0014】また、騒音源より延設される本管に、吸音
材にて形成する整音管を直結し、該整音管下手側に、騒
音の逆位相音を発するスピーカーより延設される枝管と
の合流部を設けた構成のアクティブ消音装置において、
該枝管内にて、スピーカーとの結合部より管長方向に、
該スピーカーの発生音の一部を取り込み、一定周波数音
を共鳴させる共鳴室を配設した。
【0015】また、この構成のアクティブ消音装置にお
いて、該共鳴室の配設部分を、枝管のスピーカー接合部
から枝管全長の中間点までとした。
【0016】また、騒音源より延設され騒音が通過伝播
する本管に、吸音材にて形成する整音管を直結し、該整
音管下手側に、騒音の逆位相音を発するスピーカーより
延設される枝管との合流部を設けた構成のアクティブ消
音装置において、該枝管内にて、スピーカーとの接合部
より管長方向に、該スピーカーの発生音の全部を取り込
み、一定周波数音を共鳴させる共鳴室を配設した。
【0017】また、この構成のアクティブ消音装置にお
いて、該共鳴室とその下手側の枝管内との連通路の開口
面積を、該枝管の管内断面積の30〜50%とした。
【0018】また、この構成のアクティブ消音装置にお
いて、該枝管内に該共鳴室を直列状に複数個配設した。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面に基づいて説明する。図1はアクティブ消音装置Aの
平面図、図2は同じく正面図、図3は共鳴式消音管5の
平面一部断面図、図4は同じく側面図、図5はアクティ
ブ消音装置A’の平面図、図6は同じく正面図、図7は
アクティブ消音装置A’における一次整音管8の正面一
部断面図、図8は同じく側面図、図9は図7中X−X線
断面図、図10は図7中Y−Y線断面図、図11はアク
ティブ消音装置A”の平面図、図12は同じく正面図、
図13はアクティブ消音装置A”における整音管9の正
面一部断面図、図14は同じく側面図、図15は図13
中X’−X’線断面図、図16は図13中Y’−Y’線
断面図、図17はアクティブ消音装置Bにおける枝管4
中の共鳴室4aの構成を示す斜視図、図18はアクティ
ブ消音装置Bの共鳴室4aの配設スペースと枝管長さL
との関係を示す略図、図19はアクティブ消音装置B’
における枝管4中の共鳴室4bの構成を示す斜視図、図
20はアクティブ消音装置B”における枝管4中の共鳴
室4b及び4cの構成を示す斜視図、図21は本管系統
においてヘルムホルツ共鳴器を配設しない場合に本枝管
合流部2aに達する騒音中の各周波数音の音圧レベルを
示すグラフ、図22は一次周波数音を増幅すべく枝管長
さLを設定したことを示す分岐管2及び枝管4中の音波
パターンを示す図、図23は船舶のファーナ部に配管し
た排気管に従来の吸音装置18を配設した図、図24は
船舶のファーナ部に配管した排気管にアクティブ消音装
置を配設した図、図25は船舶内部の各部構成図であ
る。
【0020】本発明は、例えば図24のように船舶機関
部よりファーナ部17(船舶全体に対するファーナ部1
7の位置は、図25参照。)内に配管した排気管に設け
た場合には、特に船舶停泊中の排気音の消音に用いる。
なお、該ファーナ部17内には、上端開口部より外気が
採り入れられて、排気冷却や、スピーカーユニットSU
の冷却に用いられる。また、発電機駆動用エンジンの排
気音等のように、主に低周波域の一定周波数音が持続的
に発せられるような騒音の消去に用いる。即ち一定回転
数で運転されるエンジンのように、騒音の周波数変動が
少ないものを対象とするものであり、スピーカーより発
する騒音消去用の音の周波数も、該騒音の周波数を前提
に設定してある。本実施例においては、エンジン排気音
の消音に用いるものとして、後記本管1は排気管と同義
となっている。なお、図24に図示したアクティブ消音
装置は、後記アクティブ消音装置A’であるが、後記の
アクティブ消音装置A・A’・A”・B・B’・B”の
どれを採用してもよい。
【0021】前記の如く、従来のアクティブ消音装置に
て消音しきれなかった騒音中の二次周波数音を消音する
方法としては、二通りの方法が考えられる。まず一つ
は、本管に通過する騒音中の二次周波数音の音圧レベル
を減衰して、本枝管合流部に送る方法、もう一つは、ス
ピーカーより発せられる音に含まれる二次周波数音を増
幅させて、枝管に通過させる方法である。前者の方法を
採用したのが、図1乃至図16図示のアクティブ消音装
置A・A’・A”であり、後者の方法を採用したのが、
図17乃至図20図示のアクティブ消音装置B・B’・
B”である。
【0022】まず、図1乃至図4図示のアクティブ消音
装置Aについて説明する。排気及び騒音通過経路に沿っ
て、騒音源(エンジン)より延設される本管1、共鳴式
消音管5、一次整音管6、二次整音管7、分岐管2、及
び出口管3が、フランジFを介して連設されている。そ
して、騒音消去用の音を排気音と干渉させるべく、スピ
ーカーユニットSUより本管1等と平行状に枝管4を延
設し、該枝管4と該分岐管2の枝管延長部2bとをフラ
ンジFにて連結している。このように、各管はフランジ
接合により容易に組み合わせることができる。
【0023】排気は、騒音を伴って、本管1を通過後、
共鳴式消音管5、一次整音管6、二次整音管7を通過
し、分岐管2の本枝管合流部2aにて、枝管からの音と
干渉して騒音が減衰され、出口管3の終端開口部より排
出されるものである。本管1には、本管1通過中の排気
音の音量を検出するセンサーマイクSMが付設されてお
り、また、出口管3には、出口管3を通過する排気音の
音量を検知するモニターマイクMMが付設されている。
スピーカーユニットSUは、内設するスピーカーから発
する消音用の音の音量を、センサーマイクSMによって
制御し、また、モニターマイクMMによって、騒音の減
衰効果を調べ、まだ出口管3を通過する音の音量が大き
い場合には、減衰効果が低いとして、スピーカー音の音
量を上げるのである。
【0024】スピーカーからの発生音は、このように、
排気音の音量に応じて音量調節可能となっているが、音
色は一定で、低周波域の各周波数音を平均した音圧レベ
ルで発するように設定されており、また、枝管4及び分
岐管2の枝管延長部2bの通過中に増幅する音の周波数
も一定である。今回の実施例では、前記の如く、騒音が
略一定の音色で保持されるタイプのものに対して設ける
ことが前提となっているからである。即ち、排気の発す
る騒音には様々な周波数の音が混じって、一定の音色を
現出しているが、音圧レベルのピークを持つ周波数が一
定となっているのである。この中で、低周波域の最大音
圧レベルを有する音は、周波数f1 の一次周波数となっ
ている。スピーカーからは、騒音の逆位相音を発生させ
るものであり、枝管4及び分岐管2の枝管延長部2bを
通じての枝管管長さLは、図22のように、該スピーカ
ー音中の周波数f1 である一次周波数音を増幅すべく、
該一次周波数音を波長λとすると、λ×(2n−1)/
4としている。この枝管長さLでは周波数f3 (=f1
×3)である三次周波数音も増幅される。
【0025】なお、枝管4とスピーカーユニットSUと
のフランジ接合部においては、冷却ファンCFが付設さ
れており、枝管4中に、スピーカーユニットSU側から
本枝管合流部2a側への風を送る。本管1より送られる
排気が枝管4に入り込んでスピーカーユニットSU内に
到達すると、内設するスピーカーSPや、その発生する
音の音圧レベルを制御する制御部材を高熱化し、性能不
能にするおそれがあるからである。この冷却風の流れ
は、スピーカーSPからの音速に比して微々たるもので
あり、スピーカーSPから発した音の周波数を変化させ
たりする不具合をもたらすものではない。
【0026】本管1と分岐管2との間に環設される共鳴
式消音管5、一次整音管6、及び二次整音管7の構成に
ついて説明する。共鳴式消音管5は、図3及び図4の如
く、両端にフランジFを形成する本管延長管5aにヘル
ムホルツ共鳴器5bを環設してなるものである。該ヘル
ムホルツ共鳴器5b内には共鳴室が形成されており、本
管延長管5aの管内と共鳴室内とが連通路5cにて連通
している。この共鳴室は、騒音中に含まれる周波数f2
(=f1 ×2)の二次周波数音が共鳴するように構成さ
れている。即ち、騒音中の二次周波数音は、本管延長管
5aより連通路5cを介して、ヘルムホルツ共鳴器5b
の共鳴室内に入り込んで共鳴し、その結果、共鳴式消音
管5を経た騒音は二次周波数音が減衰された状態となっ
て、次の一次整音管6に入るのである。
【0027】なお、該共鳴式消音管5を一次整音管6の
上手側に配設したのは、もしも二次整音管7の下手側に
共鳴式消音管5を介設すれば、分岐管2の本枝管合流部
2aに近接することとなり、該本枝管合流部2aに達す
るスピーカー音中に含まれる音圧レベルの低い二次周波
数音をも減衰することとなる。つまり、排気音中に含ま
れる二次周波数音が、該共鳴式消音管5を通過して減衰
されたとしても、該本枝管合流部2aに達したスピーカ
ー音中に含まれる、もともと音圧レベルの低い二次周波
数音が、該共鳴式消音管5によって減衰されて、騒音中
の二次周波数音よりも低い音圧レベルとなる。従って、
排気音中の二次周波数音が、スピーカー音中の二次周波
数音にて相殺されずに残ってしまうのである。
【0028】共鳴式消音管5は、分岐管2に近接しなけ
れば、スピーカー音中の二次周波数音を減衰するという
不具合を生じさせないので、一次整音管6と二次整音管
7との間に介設する方法も考えられるが、この構成は、
後記アクティブ消音装置A”において採用されている。
【0029】次に、一次整音管6及び二次整音管7は、
どちらも、筒体6a・7a内にグラスウール等の吸音材
を、本管1の管口径を有する管状に構成し、該筒体6a
・6bの上下手側に上手側延長管6b・7b及び下手側
延長管6c・7cを延設してなるものである。吸音材は
高周波の音をよく吸収し、これによって騒音中に含まれ
る高周波音が減衰されて、次の分岐管2の本枝管合流部
2aに至る。即ち、騒音は、高周波音と二次周波数音が
減衰された状態で、本枝管合流部2aに至るのである。
【0030】両整音管6・7は、管口径は、本管1のそ
れと同径にしているが、整音管6においては、吸音効果
を高めるべく、吸音材部分を厚くして、吸音材容積を大
きくしており、それに伴って、筒体6aの内径が長くな
っている。その下手側の二次整音管7の吸音材部分は、
薄くなっており、それに伴って、筒体7aの内径は短く
なっている。二次整音管7を設けるのは、一次整音管6
の吸音材部分の最下手側端において、吸音材内より再び
下手側延長管6c内に戻る排気が、該筒体6aの下手側
水平部分から下手側延長管6cの管方向への曲折し(図
1中破線矢印E)に伴って、別の騒音を発生させるから
であり、この騒音を二次整音管7にて吸音するのであ
る。また、二次整音管7の吸音材部分を薄くしたのは、
該筒体7aの下手側端にて、吸音材部分から下手側延長
管7c内に戻る空気の曲折が殆ど生じないようにして、
該曲折に伴う騒音の発生を抑えるためであり、また、二
次整音管7の場合には、一次整音管6にて既に大部分の
高周波音が吸音されているので、消音材部分が薄くてす
むのである。
【0031】こうして、分岐管2の本枝管合流部2aに
達する音は、高周波域の音が減衰されていて、また、二
次周波数音が減衰されており、一次周波数音と三次周波
数音の音圧レベルが高い低周波域の音となっていて、ス
ピーカーユニットSU内のスピーカーより発せられ、枝
管4及び分岐管2の枝管延長部2bを通過して、一次周
波数音と三次周波数音が増幅された状態で本枝管合流部
2aに達した低周波域音によって減衰される。
【0032】図5乃至図10図示のアクティブ消音装置
A’及び図11乃至図16図示のアクティブ消音装置
A”は、アクティブ消音装置Aをコンパクト化すべく構
成したものである。即ち、アクティブ消音装置Aにおい
ては、騒音の通過する本管1に共鳴式消音管5、一次整
音管6、二次整音管7が直列状に連設されていて、分岐
管2の本枝管合流部2aまでの排気管径の長さが長くな
っており、この短縮化を図っているのである。
【0033】アクティブ消音装置A’においては、アク
ティブ消音装置Aにおける共鳴式消音管5と一次整音管
6とを一体化した一次整音管8を構成している。この構
成について説明すると、外観は筒体8aより上下手側
に、端部にフランジFを形成した上手側延長管8b及び
下手側延長管8cを延設してなっており、該筒体8aの
下部の上手側及び下手側に壁面、天井、或いは床面等へ
の取付用の取付板材8g・8gを固設している。該筒体
8a内において、一次整音管6と同じように、吸音材を
厚くして管状にしてなる整音管部8eを内設し、その上
手側において、該整音管部8eより上手側に、上手側延
長管8bが延設されている。該上手側延長管8bの上手
側端部にはフランジFが形成されていて、本管1の下手
側端に接合される。そして、該上手側延長管8bに、該
整音管部8eと同径のヘルムホルツ共鳴器8dを、該整
音管部8eに連接する状態で環設している。該ヘルムホ
ルツ共鳴器8d内には共鳴室が形成されていて、該整音
管部8eと共鳴室との間を連通路8fにて連通させて、
該整音管部8e内に入り込む排気中に含まれる二次周波
数音が該連通路8fを介して共鳴室内にて共鳴し、排気
音中の二次周波数音を減衰する。
【0034】このような構成の一次整音管8を通過する
ことで、排気中の二次周波数音が該ヘルムホルツ共鳴器
8dにて吸音され、また、整音管部8eにて高周波域音
が吸音されて、アクティブ消音装置Aにて共鳴式消音管
5と一次整音管6とを連設したものと同様の効果を奏す
るのである。
【0035】アクティブ消音装置A’の一次整音管8
は、アクティブ消音装置Aにおける共鳴式消音管5から
一次整音管6までを一体化して、短縮化したものである
が、アクティブ消音装置A”においては、更にアクティ
ブ消音装置Aにおける共鳴式消音管5から二次整音管7
までを、整音管9に一体化して短縮化している。この整
音管9について説明する。外観上は、筒体9aの上下手
側に上手側延長管9b・下手側延長管9cを延設してな
るものであり、該筒体9aの下部の上下手端に、前記一
次整音管8と同様に、取付板材9h・9hを固設してい
る。該筒体9a内において、上手側から、一次整音管6
と同じように、吸音材を厚く管状にしてなる一次整音管
9dが形成されていて、その下手側端と該筒体9aの下
手側端との間に、二次整音器管7と同様に、吸音材を薄
く管状にしてなる二次整音管9fを延設し、該一次整音
管9dの下手側に連接するように、ヘルムホルツ共鳴器
9eを該二次整音管9fに環設する。該ヘルムホルツ共
鳴器9e内には共鳴室が形成されていて、該一次整音管
9dと共鳴室との間を連通路9gにて連通させて、該一
次整音管9d内に入り込む排気中に含まれる二次周波数
音が、該連通路9gを介してヘルムホルツ共鳴器9eの
共鳴室内にて共鳴し、排気音中に含まれる二次周波数音
を減衰するのである。
【0036】こうして一次整音管9d内にて高周波域音
を減衰され、ヘルムホルツ共鳴器9eにて二次周波数音
を減衰された排気は、二次整音管9fにて、排気が一次
整音管9dの下手側端より二次整音管9f内に入る際に
曲折して起こる騒音を減衰されて、分岐管2の本枝管合
流部2aに到達するものであり、アクティブ消音装置A
にて共鳴式消音管5と一次整音管6とを連設したものと
同様の効果を奏するのである。
【0037】次に、アクティブ消音装置B・B’・B”
について説明する。これらのアクティブ消音装置におけ
る排気系統には、一次整音管6及び二次整音管7が配設
されているのみで、ヘルムホルツ共鳴器は設けておら
ず、即ち、排気音中の高周波域音のみ減衰し、音圧レベ
ルの高い二次周波数音は減衰しないまま、図21に図示
する音圧パターンを呈して、分岐管2の本枝管合流部2
aに至る。一方、スピーカーSP付近にヘルムホルツ共
鳴器を配設し、該ヘルムホルツ共鳴器にてスピーカー音
中の二次周波数音を共鳴して増幅し、従って、図21に
示した音圧パターンと近似した音を、本枝管合流部2a
に到達させるのである。
【0038】まず、図17図示のアクティブ消音装置B
の枝管4の構成について説明する。スピーカーSPが枝
管4の入口に対向しており、該枝管4の入口より、管長
方向に、該枝管断面を弦状に仕切る仕切り板10を設
け、その仕切り板10の末端より管径方向に半円状の仕
切り板11を設けて、共鳴室4aを形成している。更に
該仕切り板11には、二個の開口部11a・11aを穿
設し、各開口部11aより、分岐管2向きに連通管12
を延設している。
【0039】該共鳴室4aは周波数f2 の二次周波数音
が共鳴するように構成されている。これは、仕切り板1
1の配設位置、即ち、共鳴室4aの管長方向の長さを調
節して設定する。該共鳴室4aは、該枝管4の断面を仕
切る形状で構成されているから、スピーカーSPから発
せられた一部の音が入り込み、この中に混じる二次周波
数音が共鳴、増幅される。こうして該共鳴室4a内にて
増幅された二次周波数音が、連通管12を通って、該仕
切り板11より下手側の枝管4内に伝播する。この結
果、本枝管合流部2aには、主に共鳴室4a内を通らず
に、枝管4及び枝管延長部2bを含む枝管長さL(図1
8参照)によって一次周波数音と三次周波数音とが増幅
された状態のスピーカー音が到達するとともに、該共鳴
室4aにて増幅された二次周波数音が到達する。従っ
て、本管1より該本枝管合流部2aに到達する低周波域
の排気音の音圧パターンと一致し、排気音の二次周波数
音も、該共鳴室4aにて増幅された二次周波数音にて相
殺され、排気音に含まれる様々な周波数音を殆ど全部相
殺して、消音できるのである。
【0040】このように共鳴室4aを設けたアクティブ
消音装置Bの構成において、枝管4に形成する共鳴室4
aの長さは、図18に示す如く、枝管長さLの半分の長
さ、即ちL/2未満としている。まず、共鳴室4aの長
さをL/2とすれば、本枝管合流部5aから共鳴室4a
の終端部(仕切り板11の開口部11a)までの管長さ
もL/2で一致するから、枝管4内に伝播する騒音中の
二次周波数音は、該共鳴室4aの終端部に達する時に、
共鳴室4aにて共鳴したスピーカー音中の二次周波数音
の丁度逆位相で到達するので、この共鳴室4aにて共鳴
した二次周波数音を相殺し、増幅効果が得られなくな
る。従って、共鳴室4aの長さをL/2にはできない。
また、それ共鳴室4aをそれより長くしてしまっては、
枝管4の内径が限定されて、共鳴効果が薄れてしまう。
以上のことから、該共鳴室4aの長さをL/2未満とし
ているのである。
【0041】次に、図19に示すアクティブ消音装置
B’における枝管構成について説明する。スピーカーS
P端部と該枝管4の入口部との接合部分より一定長さ
(二次周波数音が共鳴するように)を置いて、枝管4内
を垂直状に仕切る円板状の仕切り板13を配設して、共
鳴室4bを形成し、該仕切り板13の中心に開口部13
aを穿設して、該開口部13aより本枝管合流部2a側
に連通管14を延設している。
【0042】前記のアクティブ消音装置Bにおける共鳴
室4a内には、スピーカー音の一部が入り、その音の中
に混じる二次周波数音が共鳴されることとなるが、本ア
クティブ消音装置B’における共鳴室4bにおいては、
該共鳴室4b内に全スピーカー音が入り込み、その中に
含まれる二次周波数音が増幅されることとなる。しかし
一方で、二次周波数音が共鳴する共鳴室4b内において
は、三次周波数音が減衰されるので、本枝管合流部2a
には、一次周波数音と二次周波数音との音圧レベルが高
いパターンのスピーカー音が到達する。
【0043】騒音(排気音)の中に含まれる低周波域音
で、音圧レベルのピークを持つ一次周波数音、二次周波
数音、三次周波数音の中で、三次周波数音は最も音圧レ
ベルが低い。この音圧レベルが低くて、減衰されたスピ
ーカー音中の三次周波数音でも充分に相殺可能であれ
ば、枝管4内に共鳴室4bのみ形成したアクティブ消音
装置B’で対処可能である。しかし、該騒音中の三次周
波数音の音圧レベルがかなり高い場合には、アクティブ
消音装置B’では、出口管3から消音しきれない排気音
中の三次周波数音が発生する。そこで、スピーカー音中
の三次周波数音も増幅する構成が必要となる。
【0044】これに対処すべく、図20の如き枝管4を
具備したアクティブ消音装置B”を構成する。即ち枝管
4内において、アクティブ消音装置B’にて具備される
共鳴室4bを形成する仕切り板13の下手側に、更に垂
直状の仕切り板15を配設して、三次周波数音の共鳴す
る共鳴室4cを形成する。該仕切り板15の中心部には
開口部15aを穿設し、該開口部15aより下手側に連
通管16を延設している。
【0045】スピーカーSPに近い仕切り板13におい
てはスピーカー音の発信源に近いので、開口部13aは
ある程度小径でよい(あまり開口面積が大きければ、共
鳴室4bの機能をなさない。)。しかし、その下手側に
は、該開口部13aを通過したスピーカー音を全て通過
させるべく、該開口部13aよりも大径の開口部15a
を開口する。この開口部15aも、あまり開口面積が大
きければ、共鳴室4cが共鳴室として機能せず、開口率
(枝管4内断面積に対する開口面積の比)は約50〜6
0%を限度とする。従って、この開口面積よりも小さく
開口させる開口部13aの開口率は、約30〜50%に
限定されるものである。
【0046】こうして、スピーカーSPから発した音
は、共鳴室4b内にて二次周波数音を増幅され、また、
共鳴室4c内にて三次周波数音を増幅され、そして、ス
ピーカーSPより連通管14・16を通過して、本枝管
合流部2aに至る枝管長さLによって、一次周波数音が
増幅されて、本枝管合流部2aに至るものであり、本管
1より一次整音器管6、二次整音器管7を通って、本枝
管合流部2aに至る一次周波数音、二次周波数音、三次
周波数音に音圧レベルのピークを持つ排気音を相殺して
消音するのである。
【0047】
【発明の効果】従来のアクティブ消音装置において、本
管を通過する騒音中の高周波域の音は整音管にて低減さ
れ、低周波域の音は、本枝管合流部に到達して、本管長
さと、騒音源の、例えばエンジンの回転数に由来する周
波数音(一次周波数音)と、その整数倍の周波数の音
(二次周波数音、三次周波数音)が音圧ピークを持つ。
これを消音すべく、騒音と逆位相の音であるスピーカー
音中の一次周波数音を増幅するよう枝管長さを設定する
構成では、その奇数倍の周波数音(三次周波数音)は増
幅可能で、騒音中の同じ周波数の音を相殺できるもの
の、偶数倍の周波数音(二次周波数音)は増幅できず、
騒音中の同じ周波数音(二次周波数音)を相殺できない
ので、消音が不十分であった。本発明は、従来のスピー
カー音中の一次周波数音を増幅すべく枝管の長さを設定
する構成では相殺しきれなかった騒音中の音圧ピークを
持つ一次周波数音の偶数倍周波数(二次周波数音)を有
する音を消音できる効果を有するものである。
【0048】まず、請求項1の如く構成したことによ
り、共鳴式消音管にて本管内を通る騒音より、枝管にて
増幅不可能な音圧ピークを持つ一次周波数音の偶数倍周
波数の音、即ち二次周波数音を減衰する。従って、本枝
管合流部には、騒音中における一次周波数音及びその奇
数倍周波数の音(三次周波数音)のみが音圧ピークを持
って到達するので、枝管を介して一次周波数音と三次周
波数音とが増幅された状態で本枝管合流部に到達するス
ピーカー音にて充分に消音できる。また、該共鳴式消音
管を整音管下手側に配設すると、本枝管合流部に近接す
るために、スピーカー音中の二次周波数音をも消音し、
即ち、騒音中の二次周波数音よりも低いレベルにスピー
カー音中の二次周波数音を減衰してしまうため、騒音中
の二次周波数音を相殺できなくなるものであり、整音管
の上手側に共鳴式消音管を配設することで、このような
事態を回避できる。
【0049】また、アクティブ消音装置は、従来の吸音
式の消音装置に比べて、コンパクトな構成にできること
も特長の一つであるが、このように、本管系統に騒音中
の二次周波数音を低減できるべく共鳴式消音管を配設す
る構成の応用として、請求項2の如く構成することで、
請求項1では別体であった共鳴式消音管と整音管とを一
体にできるので、アクティブ消音装置の本管系統を短縮
化でき、コンパクト化に一層貢献できる。
【0050】また、その上に、請求項3の如く、二つの
整音器管と共鳴器を一体化することで、従来、二個の整
音管を別体にて連結しなければならなかった場合よりも
更にアクティブ消音装置の本管系統を短縮化でき、コン
パクト化に更に貢献できる。また吸音材部分の厚い上手
側の整音管より上手側に共鳴器部分を配設すれば、直列
状に配設しなければならないので、共鳴器部分から該整
音管までの長さは長くなるが、吸音材部分の薄い下手側
の整音管に共鳴器を環設する構成にすれば、下手側の整
音管と共鳴器とは重合するので、これらの一体物は、両
整音管を直列した分だけの長さで、共鳴器の配設長さ分
を延長しなくてすむので、本管系統の短縮度が高く、コ
ンパクト化に更に一層貢献できる。なお、下手側の整音
管に共鳴器を環設する構成にすれば、共鳴器より下手側
に流れる音をまた上手側の整音管に戻すことで、本枝管
合流部と共鳴器との間には下手側整音管が介在すること
となり、共鳴器が本枝管合流部に達するスピーカー音中
の特定周波数の音を減衰するという不具合は生じない。
【0051】
【発明の効果】次に、請求項4乃至8においては、本管
系統に共鳴器を設けず、枝管側に共鳴器を設けること
で、本枝管合流部には、二次周波数音が減衰されないま
ま到達するものの、スピーカー音の中の二次周波数の音
が増幅されて到達することにより該騒音中の二次周波数
音が相殺されて、消音する効果を奏する。
【0052】この中で、請求項4の構成においては、ス
ピーカーより発せられた音の一部が共鳴室に入って、こ
の中で二次周波数音が共鳴増幅されて、本枝管合流部に
向けて発せられ、その一方、共鳴室を通らないで、スピ
ーカーより本枝管合流部に至る騒音中の一次周波数音
と、その奇数倍周波数の三次周波数音が、枝管長さの設
定によって、増幅されている。即ち、スピーカー音の中
で、一次周波数音、二次周波数音、及び三次周波数音が
音圧レベルを持った状態で本枝管合流部に到達するの
で、同じく一次、二次、及び三次周波数音に音圧ピーク
を持つ本枝管合流部に達した騒音の音圧パターンに略一
致し、この騒音を相殺して消音できる。
【0053】また、請求項4記載の構成において、請求
項5の如く、共鳴室の長さを、枝管全長の半分とするの
を避けることで、本枝管合流部から伝播する騒音中の二
次周波数音にて共鳴室で共鳴したスピーカー音の二次周
波数音が相殺されて増幅効果がなくなるのを避け、ま
た、それよりも共鳴室の長さを長くするのを避けること
で、管内径を限定して増幅効果を薄くすることを避け、
共鳴室にて共鳴したスピーカー音中の二次周波数音を良
好に増幅して本枝管合流部に到達させることができるの
である。
【0054】また、請求項6記載の如く、スピーカー音
の全部を共鳴室に取り込む構成とすることで、該スピー
カー全音中に含まれる二次周波数音を増幅することがで
き、その他の周波数音は、そのまま通過させ、その中
で、本来の枝管長さの設定により、一次周波数音が増幅
された状態で本枝管合流部に至る。
【0055】しかし、二次周波数音を共鳴する共鳴室に
おいては、三次周波数音は減衰される。従って、請求項
6記載の構成では、本枝管合流部に至るスピーカー音
は、一次周波数音と二次周波数音のみが増幅されたパタ
ーンとなっている。騒音中の一次、二次、及び三次周波
数音の中で、三次周波数音は最も音圧レベルが低く、も
し本枝管合流部に至った騒音中の三次周波数音の音圧レ
ベルが、さほどスピーカー音中の三次周波数音を増幅さ
せなくても相殺可能な程度であれば、請求項6記載の構
成で充分に消音効果を有する。しかし、騒音中の三次周
波数音の音圧レベルが高い場合には、スピーカー音中の
三次周波数音を増幅する必要がある。請求項8記載の構
成は、スピーカー音中の二次周波数音を増幅する上に、
三次周波数音を増幅するので、このような騒音を充分に
消音する効果を持つ。
【0056】また、請求項6及び8記載の構成におい
て、枝管内における共鳴室よりその下手側の枝管内に連
通する開口部の面積があまり大きいと共鳴室としての機
能を果たさないが、請求項8記載の構成にすると、上手
側の開口面積は下手側の開口面積より小さくすること
で、両共鳴室に全てのスピーカー音が通過可能となる。
従って、請求項6記載の共鳴室を有する枝管構成おい
て、請求項7記載の如く開口部の開口面積を制限してお
けば、三次周波数音を低減すべく請求項8の如くその下
手側に更に共鳴室を設ける場合にも、対応可能となるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクティブ消音装置Aの平面図である。
【図2】同じく正面図である。
【図3】共鳴式消音管5の平面一部断面図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】アクティブ消音装置A’の平面図である。
【図6】同じく正面図である。
【図7】アクティブ消音装置A’における一次整音管8
の正面一部断面図である。
【図8】同じく側面図である。
【図9】図7中X−X線断面図である。
【図10】図7中Y−Y線断面図である。
【図11】アクティブ消音装置A”の平面図である。
【図12】同じく正面図である。
【図13】アクティブ消音装置A”における整音管9の
正面一部断面図である。
【図14】同じく側面図である。
【図15】図13中X’−X’線断面図である。
【図16】図13中Y’−Y’線断面図である。
【図17】アクティブ消音装置Bにおける枝管4中の共
鳴室4aの構成を示す斜視図である。
【図18】アクティブ消音装置Bの共鳴室4aの配設ス
ペースと枝管長さLとの関係を示す略図である。
【図19】アクティブ消音装置B’における枝管4中の
共鳴室4bの構成を示す斜視図である。
【図20】アクティブ消音装置B”における枝管4中の
共鳴室4b及び4cの構成を示す斜視図である。
【図21】本管系統においてヘルムホルツ共鳴器を配設
しない場合に本枝管合流部2aに達する騒音中の各周波
数音の音圧レベルを示すグラフ図である。
【図22】一次周波数音を増幅すべく枝管長さLを設定
したことを示す分岐管2及び枝管4中の音波パターンを
示す図である。
【図23】船舶のファーナ部に配管した排気管に従来の
吸音装置18を配設した図である。
【図24】船舶のファーナ部に配管した排気管にアクテ
ィブ消音装置を配設した図である。
【図25】船舶内部の各部構成図である。
【符号の説明】
A・A’・A”・B・B’・B” アクティブ消音装置 SU スピーカーユニット SP スピーカー 1 本管 2 分岐管 2a 本枝管合流部 2b 枝管延長部 3 出口管 4 枝管 4’ 半円筒状部 4” 合流部 4a・4b・4c 共鳴室 5 共鳴式消音管 5a 本管延長管 5b ヘルムホルツ共鳴器 6 一次整音管 7 二次整音管 8 一次整音管 8d ヘルムホルツ共鳴器 8e 整音管部 9 整音管 9d 一次整音管 9e ヘルムホルツ共鳴器 9f 二次整音管 10・11・13・15 仕切り板 11a・13a・15a 開口部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音が通過伝播する本管に、吸音材にて
    形成する整音管を直結し、該整音管下手側に、騒音の逆
    位相音を発するスピーカーより延設される枝管との合流
    部を設けた構成のアクティブ消音装置において、該整音
    管より上手側に、本管延長管にヘルムホルツ共鳴器を環
    設してなる共鳴式消音管を介設したことを特徴とするア
    クティブ消音装置。
  2. 【請求項2】 騒音が通過伝播する本管に、吸音材にて
    形成する整音管を直結し、該整音管下手側に、騒音の逆
    位相音を発するスピーカーより延設される枝管との合流
    部を設けた構成のアクティブ消音装置において、該整音
    管の上手側に、ヘルムホルツ共鳴器を一体状に付設した
    ことを特徴とするアクティブ消音装置。
  3. 【請求項3】 騒音が通過伝播する本管に、吸音材より
    なる二個の整音管を直結し、下手側整音管の吸音材部分
    を上手側整音管のそれより薄くし、該下手側整音器より
    下手側に、騒音の逆位相音を発するスピーカーより延設
    する枝管との合流部を設けた構成のアクティブ消音装置
    において、両整音管を一体状に直結し、ヘルムホルツ共
    鳴器を、下手側整音管に環設する状態で、上手側整音管
    の下手側に一体状に付設したことを特徴とするアクティ
    ブ消音装置。
  4. 【請求項4】 騒音が通過伝播する本管に、吸音材にて
    形成する整音管を直結し、該整音管下手側に、騒音の逆
    位相音を発するスピーカーより延設される枝管との合流
    部を設けた構成のアクティブ消音装置において、該枝管
    内にて、スピーカーとの結合部より管長方向に、該スピ
    ーカーの発生音の一部を取り込み、一定周波数音を共鳴
    させる共鳴室を配設したことを特徴とするアクティブ消
    音装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のアクティブ消音装置にお
    いて、該共鳴室の配設部分を、枝管のスピーカー接合部
    から枝管全長の中間点までとしたことを特徴とするアク
    ティブ消音装置。
  6. 【請求項6】 騒音が通過伝播する本管に、吸音材にて
    形成する整音管を直結し、該整音管下手側に、騒音の逆
    位相音を発するスピーカーより延設される枝管との合流
    部を設けた構成のアクティブ消音装置において、該枝管
    内にて、スピーカーとの接合部より管長方向に、該スピ
    ーカーの発生音の全部を取り込み、一定周波数音を共鳴
    させる共鳴室を配設したことを特徴とするアクティブ消
    音装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のアクティブ消音装置にお
    いて、該共鳴室とその下手側の枝管内との連通路の開口
    面積を、該枝管の管内断面積の30〜50%としたこと
    を特徴とするアクティブ消音装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のアクティブ消音装置にお
    いて、該枝管内に該共鳴室を直列状に複数個配設したこ
    とを特徴とするアクティブ消音装置。
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