JPH11209950A - 除塵装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーキに過負荷が発生してしまうことを極力
防止して装置の安定した運転を行うことができる除塵装
置を提供する。 【解決手段】 両端をアタッチメント７を介して無端チ
ェーン６に連結して水路中に設けたバースクリーン３の
前面に沿って走行するレーキ８を備えた除塵装置におい
て、前記レーキ８を該レーキ８の掻取り部１０ａが前記
アタッチメント７の長さ方向の中央より走行方向Ｓに沿
った後方に位置するように配置して、前記無端チェーン
６に連結した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理等の貯液
槽等に浮遊するごみ類を捕捉して取り除くための除塵装
置に係り、バースクリーンに捕捉されたごみ等を掻き取
るレーキの取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記のような除塵装置としては、下水処
理の貯液槽、用水並びに排水路等の水路内に設けられた
バースクリーンと、このバースクリーンに沿ってごみ類
を掻き上げるための複数の可動レーキを備えたものが一
般に知られている。この種の除塵装置のバースクリーン
は、液流の略直角方向に延びる複数の板状部材を水路の
幅方向に等間隔に配置して構成されている。そして、水
路内に流入する雑多なごみ類をバースクリーンに係止さ
せて捕捉し、このごみ類を巡回走行する可動レーキで掻
き上げて搬送ベルトコンベア等に落として除去するよう
になっている。前記可動レーキは、ごみ等を掻き上げる
ために、突出する複数の凸部を備えて櫛の歯状に形成さ
れている。

【０００３】図８乃至図１０は、前記除塵装置の従来の
一般的な構成を示すもので、複数の板状部材１をスペー
サ２を介して水路Ｗの幅方向に所定のピッチｐで配置し
て構成されたバースクリーン３が備えられ、このバース
クリーン３は、水路Ｗの幅方向に掛け渡された受け桁４
に前記スペーサ２を介して固定されて、水路Ｗを塞ぐ如
く配置される。これにより、水路Ｗ内に流入する雑多な
ごみ類は、このバースクリーン３に係止されて捕捉さ
れ、このごみ類を除去された水がバースクリーン３の下
流側に流れるようになっている。

【０００４】前記バースクリーン３の側方には、下部ス
プロケット５と上部スプロケット（図示せず）との間に
掛け渡され該スプロケット５の回転に伴って走行する一
対の無端チェーン６が配置され、この無端チェーン６の
長さ方向に沿った所定の位置にアタッチメント７を介し
てレーキ８が連結されている。

【０００５】即ち、無端チェーン６の一部を構成するア
タッチメント７の長さ方向の中央に突設した支持ピン７
ａに矩形平板状のレーキホルダ９が回転自在に取付けら
れ、このレーキホルダ９に櫛の歯状の掻取り部（レーキ
爪）１０ａを有する板状の掻取り板１０と該掻取り板１
０を補強する補強材１１とからなるレーキ８が取付けら
れている。

【０００６】前記レーキホルダ９の長さ方向に沿った両
端部には、チェーンガイド１２に固定されたローラガイ
ド１３に沿って転動して該レーキホルダ９の揺動を規制
するローラ１４が回転自在に支承されている。

【０００７】これにより、無端チェーン６の走行に伴っ
て、レーキ８がその動きを規制されつつバースクリーン
３の前面に沿って上方に向けて走行し、この走行の際に
掻取り板１０の櫛の歯状の掻取り部１０ａの凸部がバー
スクリーン３の隙間内に間挿するように位置して、バー
スクリーン３で捕捉されたごみ類Ｇを掻き取り、上方に
搬送して除去するようになっている。

【０００８】ここに、前記レーキ８は、レーキ８の自重
で前記支持ピン７ａを中心に反転して、掻き取ったごみ
類を落とし易くするため、その掻取り板１０、ひいては
櫛の歯状の掻取り部１０ａがアタッチメント７の長さ方
向の中心より走行方向Ｓの前方に位置してその前方が重
くなるように無端チェーン６に連結されていた。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、バースクリーン３の下部に溜まったし
査等のごみ類Ｇを掻き取る時に、レーキ８の掻取り部１
０ａとバースクリーン３との位置関係により、図８に示
すように、レーキ８の掻取り部１０ａが前記ごみ類Ｇの
内部に、該ごみ類Ｇを液流の流れ方向に押出すように入
っていくことになる。このため、過負荷が発生して装置
の停止に繋がってしまうことがあった。特にバースクリ
ーンの目開きが狭い場合にこの現象が顕著に現れ、ごみ
類Ｇの量が比較的少ない状態でも装置の停止に繋がって
しまうことがあった。

【００１０】本発明は上記事情に鑑みて為されたもの
で、レーキに過負荷が発生してしまうことを極力防止し
て、装置の安定した運転を行えるようにした除塵装置を
提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の除塵装置は、両
端をアタッチメントを介して無端チェーンに連結して水
路中に設けたバースクリーンの前面に沿って走行するレ
ーキを備えた除塵装置において、前記レーキを該レーキ
の掻取り部が前記アタッチメントの長さ方向の中央より
走行方向に沿った後方に位置するように配置して、前記
無端チェーンに連結したことを特徴とする。

【００１２】これにより、レーキの掻取り部がアタッチ
メントの長さ方向の中央から遅れて走行して、バースク
リーンの下部に溜まったごみ類の内部に傾斜した状態で
入り込んで該ごみ類を掻き取ることで、レーキに過負荷
が発生してしまうことを防止することができる。

【００１３】ここに、前記アタッチメントに支持ピンを
突設し、この支持ピンでアームの一端を回転自在に支承
するとともに、前記アームの走行方向に沿って後方に延
びる他端に前記レーキを取付けることが好ましい。これ
により、レーキでバースクリーンに捕捉されたごみ類を
掻き取る際にレーキに過負荷がかかった時に、レーキが
逃げるようにすることができる。

【００１４】更に、前記アタッチメントとアームとの間
に、前記レーキが前記バースクリーンに捕捉されたごみ
類を掻き取る時に該レーキがバースクリーンに向かう方
向に前記アームを付勢するばねを介装することが好まし
い。これにより、レーキでバースクリーンの下部に溜ま
ったごみ類を掻き取る際にレーキに過負荷がかかった時
に、ばねの付勢力をごみ類に作用させつつレーキが逃げ
るようにすることができる。

【００１５】また、前記各アタッチメントに弾性板の一
端を固着するとともに、この弾性板の走行方向に沿って
後方に延びる他端に前記レーキを取付けることが好まし
い。これにより、レーキでバースクリーンの下部に溜ま
ったごみ類を掻き取る際に過負荷がかかった時に、弾性
体の付勢力をごみ類に作用させつつレーキが逃げるよう
にすることができる。

【００１６】更に、前記レーキをプラスチック材、或い
は剛性の高い補強材を含む複合プラスチック材で構成す
ることが好ましい。これにより、レーキの軽量化を図る
とともに、高い耐食性を持たせることができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
乃至図７を参照して説明する。尚、図８乃至図１０に示
す従来例と同一部材には同一符号を付して説明する。

【００１８】図１及び図２は、本発明の第１の実施の形
態を示すもので、無端チェーン６の走行に伴い、液体の
流路Ｗに設置されたバースクリーン３の前面に沿って走
行するレーキ８が備えられている。そして、このレーキ
８は、櫛の歯状の掻取り部１０ａを有する掻取り板１０
がアタッチメント７の長さ方向の中央より走行方向Ｓの
後方に位置するように無端チェーン６に連結されてい
る。

【００１９】即ち、無端チェーン６の一部を構成するア
タッチメント７に矩形平板状のレーキホルダ９が取付け
られ、このレーキホルダ９に櫛の歯状の掻取り部１０ａ
を有する板状の掻取り板１０とからなるレーキ８が取付
けられている。そして、この掻取り板１０がアタッチメ
ント７の長さ方向の中央より走行方向Ｓの後方に位置す
るように配置されている。

【００２０】これにより、バースクリーン３で捕捉され
該バースクリーン３の下部に溜まったし査等のごみ類Ｇ
を掻取り板１０の櫛の歯状の掻取り部１０ａで掻き取る
際に、図１に示すように、レーキ８の掻取り部１０ａが
アタッチメント７の長さ方向の中央から遅れて走行して
ごみ類Ｇの内部に傾斜した状態で入り込んで該ごみ類Ｇ
を掻き取ることができる。これによって、レーキ８に過
負荷が発生してしまうことを極力防止することができ
る。

【００２１】図３及び図４は、本発明の第２の実施の形
態を示すもので、アタッチメント７の中央に突設した支
持ピン７ａに一端を回転自在に支承されて走行方向Ｓに
沿って後方に延びるアーム２０が備えられている。そし
て、このアーム２０の他端にレーキ８ａが取付けられ
て、このレーキ８ａがバースクリーン３の前面に沿って
走行するようになっている。

【００２２】更に、レーキホルダ９には、レーキ８ａが
外方、即ちバースクリーン３に捕捉されたごみ類Ｇを掻
き取る際に該バースクリーン３に向かう方向に揺動する
ことを防止するストッパ２１が取付けられている。

【００２３】これにより、バースクリーン３で捕捉され
ごみ類Ｇをレーキ８ａで掻き取る際に該レーキ８ａに過
負荷がかかると、図３に示すように、アーム２０の揺動
に伴ってレーキ８ａがごみ類Ｇから離れる方向に容易に
移動して、この過負荷から逃れることができる。

【００２４】ここに、図５に示すように、アタッチメン
ト７とアーム２０との間に該アーム２１をレーキ８ａが
バースクリーン３に捕捉されたごみ類Ｇを掻き取る時に
該ごみ類Ｇに向かう方向に付勢するばね２２を介装する
ことができる。これにより、レーキ８ａでバースクリー
ン３に捕捉されたごみ類Ｇを掻き取る際に、該レーキ８
ａに過負荷がかかると、ばね２２の付勢力をごみ類Ｇに
作用させつつ、レーキ８ａが逃げるようにすることがで
きる。

【００２５】図６及び図７は、本発明の第３の実施の形
態を示すもので、平坦部７ｂを有するアタッチメント７
の該平坦部７ｂに一端を固着して、走行方向Ｓに沿って
後方に延びる弾性に富む弾性板３０が備えられている。
そして、この弾性板３０の他端にレーキ８ｂが取付けら
れて、このレーキ８ｂがバースクリーン３の前面に沿っ
て走行するようになっている。

【００２６】これにより、弾性板３０の弾性力でレーキ
８ｂの動きを規制し、レーキ８ａでバースクリーン３に
捕捉されたごみ類Ｇを掻き取る際に該レーキ８ａに過負
荷がかかると、弾性体３０の弾性力に抗してレーキ８ｂ
をごみ類Ｇから離れる方向に容易に移動させ、同時にこ
の弾性力をごみ類Ｇに作用させることができる。

【００２７】ここに、前記レーキ８，８ａ，８ｂは、一
般に腐食性雰囲気の中で使用されるので、プラスチック
材、或いは剛性の高い金属等の補強材を含む複合プラス
チック材で構成することが好ましい。これにより、レー
キ８，８ａ，８ｂの軽量化を図るとともに、高い耐食性
を持たせることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、レーキに過負荷が発生することを極力防止して、装
置の安定した運転に寄与することができる。しかも、バ
ースクリーンの下部に溜まったごみ類の掻き取り残し量
を少なくして、下部スプロケットを地底から離して設置
できるようにすることができ、これによって、池底に溜
まった砂等によって装置の安定した運転が阻害されてし
まうことを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態を示すレーキ取付け
部の側面図。

【図２】同じく、平面図。

【図３】本発明の第２の実施の形態を示すレーキ取付け
部の側面図。

【図４】同じく、平面図。

【図５】第２の実施の形態の変形例を示すレーキ取付け
部の側面図。

【図６】本発明の第３の実施の形態を示すレーキ取付け
部の側面図。

【図７】同じく、平面図。

【図８】従来例を示すレーキ取付け部の側面図。

【図９】同じく、平面図。

【図１０】同じく、正面図。

【符号の説明】

１ バースクリーン ５ スプロケット ６ 無端チェーン ７ アタッチメント ７ａ 支持ピン ８，８ａ，８ｂ レーキ ９ レーキホルダ １０ 掻取り板 １０ａ 掻取り部 ２０ アーム ２１ ストッパ ３０ 弾性板

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端をアタッチメントを介して無端チェ
   ーンに連結して水路中に設けたバースクリーンの前面に
   沿って走行するレーキを備えた除塵装置において、 前記レーキを該レーキの掻取り部が前記アタッチメント
   の長さ方向の中央より走行方向に沿った後方に位置する
   ように配置して、前記無端チェーンに連結したことを特
   徴とする除塵装置。
2. 【請求項２】 前記アタッチメントに支持ピンを突設
   し、この支持ピンでアームの一端を回転自在に支承する
   とともに、前記アームの走行方向に沿って後方に延びる
   他端に前記レーキを取付けたことを特徴とする請求項１
   記載の除塵装置。
3. 【請求項３】 前記アタッチメントとアームとの間に、
   前記レーキが前記バースクリーンに捕捉されたごみ類を
   掻取る時に該レーキがバースクリーンに向かう方向に前
   記アームを付勢するばねを介装したことを特徴とする請
   求項２記載の除塵装置。
4. 【請求項４】 前記各アタッチメントに弾性板の一端を
   固着するとともに、この弾性板の走行方向に沿って後方
   に延びる他端に前記レーキを取付けたことを特徴とする
   請求項１記載の除塵装置。
5. 【請求項５】 前記レーキをプラスチック材、或いは剛
   性の高い補強材を含む複合プラスチック材で構成したこ
   とを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の除塵
   装置。