JP3733996B2 - 除塵装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水路中に浮遊するごみ類を捕捉して取り除くための除塵装置に係り、特にバースクリーンに捕捉されたごみ類を掻き上げるレーキの駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような除塵装置としては、下水処理の貯液槽または用水並びに排水路等の水路内に設けられたバースクリーンと、このバースクリーンに沿ってごみ類を掻き上げるための複数の可動レーキを備えたものが一般に用いられている。この種の除塵装置のバースクリーンは、液流の略直角方向に延びる複数の板状部材を水路の幅方向に等間隔に配置して構成されている。そして、水路内に流入する雑多なごみ類をバースクリーンに係止させて捕捉し、このごみ類を巡回走行する可動レーキで掻き上げて搬送ベルトコンベア等に落として除去するようになっている。前記可動レーキは、突出する複数の凸部が形成された櫛の歯状に形成されている。
【0003】
図8は、前記除塵装置の従来の一般的な構成を示すもので、水路Wの幅一杯に該水路Wを塞ぐ如く配置されたバースクリーン1が受け桁2で支持されて備えられている。ここに、前記バースクリーン1は、複数の板状部材を所定のピッチで並列に配置して構成され、これにより、水路W内に流入する雑多なごみ類は、このバースクリーン1に係止されて捕捉され、このごみ類を除去された水がバースクリーン1の下流側に流れるようになっている。
【0004】
前記バースクリーン1の側方には、地上に設置された駆動スプロケット3と地底側に設置された従動スプロケット4との間に掛け渡され該駆動スプロケット3の回転に伴って走行する一対の無端チェーン5が配置され、この無端チェーン5の長さ方向に沿った所定の位置にアタッチメント6を介してレーキ7が連結されている。このレーキ7には、櫛の歯状の掻取り部(レーキ爪)が備えられている。
【0005】
更に、前記無端チェーン5の走行経路に沿って長尺状に延びるガイド8が配置され、一方、前記レーキ7のホルダ9にはガイドローラ10が回転自在に支承されて、レーキ7の動きが規制されるようになっている。
【0006】
これにより、無端チェーン5の走行に伴って、レーキ7がその動きを規制されつつバースクリーン1の前面に沿って上方に向けて走行し、この走行の際にレーキ7の櫛の歯状の掻取り部7aの凸部がバースクリーン1の空隙部内に間挿するように位置して、バースクリーン1で捕捉されたごみ類を掻き取り、上方に搬送して除去するようになっている。
【0007】
ここに、前記駆動スプロケット3は、上下動自在でモータ11の回転に伴って回転するテークアップ軸(駆動軸)12の端部に連結され、このテークアップ軸12を上下動させることで、無端チェーン5の張力を調節するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、無端チェーンの緩みがこの戻り側の最下部に現れるため、この戻り側(弛緩側)は水面下であるので、その緊張の状態を視覚的に検知することができず、無端チェーンの緊張の状態を知るためには、水路内の水を抜き、人が水路の底に降りて、下部の無端チェーンの状態を見る必要があった。そして、無端チェーンの張力を調節する際には、前述のようにして下部のチェーンの状態を見ながら、テークアップ軸を上下動させてこれを行う必要があり、これでは、作業性が極めて悪いという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、無端チェーンの弛緩側に常に張力のある状態で運転することができ、しかも無端チェーンの弛緩側の緊張状態を視覚的に検知しながら、無端チェーンの張力を調節できるようにした除塵装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の除塵装置は、走行自在な一対の無端チェーンに両端を連結したレーキを備え、このレーキが水路中に設置したバースクリーンの前面に沿って走行するようにした除塵装置において、フレームの表面に固着した一対のブラケットと、該一対のブラケット間に回転自在に掛け渡したボールねじと、該ボールねじに螺合し、該ボールねじの回転により移動するボールナットと、該ボールナットに一端を固着し、圧縮力を受けると曲率半径が小さくなる、一対の板ばね片を有した板ばねと、前記板ばねの他端にブロックを介して固着した、前記無端チェーンに当接する円弧状の当接面を有する押圧片とを備え、前記押圧片は滑りの良い樹脂で構成され、前記ボールねじの回転により前記ボールナットの位置を調節し、前記板ばねの弾性力で前記無端チェーンの弛緩側に緊張を付与する緊張装置を、前記水路中の水面よりも上方に位置させて配置したことを特徴とする。
【0011】
これにより、緊張装置のばねの弾性力で無端チェーンの弛緩側に張力を与え、しかもばねの変位量から無端チェーンの弛緩側の緊張状態を検知して、このばねの変位量を見ながら無端チェーンの張力を調節することができる。また、緊張装置が水路中の水面よりも上方に位置していることから、この作業を容易に行うことができる。
【0012】
ここに、前記ばねとして、弾性に富む板状の樹脂で構成した樹脂製板ばねを使用することが好ましく、これにより、ばね(樹脂製板ばね)に高い耐食性を持たせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図7を参照して説明する。尚、図8に示す従来例と同一部材には同一符号を付して説明する。
【0014】
図1乃至図5は、水路に垂直に設置される除塵装置に適用した本発明の一実施の形態を示すものである。無端チェーン5の走行に伴い水路Wに設置されたバースクリーン1の前面に沿って走行するレーキ7が備えられ、このレーキ7には、櫛の歯状の掻取り部(レーキ爪)が設けられている。そして、前記無端チェーン5は、地上側の駆動スプロケット3と地底側の下部ガイド4との間に掛け渡されている。
【0015】
前記無端チェーン5の走行経路に沿って、この戻り側(弛緩側)5aには、無端チェーン5を前後から挟持する中間ガイド20aと下部ガイド21aが、往き側(緊張側)5bには、ほぼ全長にわたりガイドレール19が、又、チェーンを挟むように中間ガイド20bと下部ガイド21bがそれぞれ所定間隔離間して配置されている。更に、バースクリーン1の上方には、レーキ7の上動に伴い該レーキ7の上面に当接してレーキ7から離れる方向に揺動し、自重によって元の状態に復帰するワイパ22が設けられ、レーキ7で掻き取られたごみ類は、このワイパ22で払い取られてホッパ23内に落下するようになっている。
【0016】
前記駆動スプロケット3と中間ガイド20aとの間には、無端チェーン5の弛緩側5aに緊張を与える緊張装置30が、水路Wの水面の上方に位置して、水面から露出して配置されている。
【0017】
即ち、この緊張装置30は、図2及び図3に詳細に示すように、フレーム31の表面に固着した一対のブラケット32,33と、このブラケット32,33間に回転自在に掛け渡したボールねじ34と、このボールねじ34に螺合するボールナット35と、このボールナット35に一端を固着した樹脂製板ばね36と、この樹脂製板ばね36の他端にブロック37を介して固着した押圧片38とから主に構成されている。前記樹脂製板ばね36は、圧縮力を受けると曲率半径が小さくなる一対のばね片36aを有している。
【0018】
そして、前記ボールねじ34をその頭部34aを介して回転させることで、ボールナット35の位置を調節し、また前記押圧片38の円弧状の当接面38aを無端チェーン5の弛緩側5aに当接させることで、前記樹脂製板ばね36の弾性力を介して該無端チェーン5の弛緩側5aに緊張を付与するようになっている。
【0019】
ここに、前記押圧片38は、例えば高分子量ポリエチレン等の滑りの良い樹脂で構成されている。このことは、前記中間ガイド20a,20b及び下部ガイド21a,21bも同様である。一方、前記樹脂製板ばね36も、同様に樹脂で構成されている。このように、樹脂で構成することにより、高い耐食性を持たせることができるが、一般の金属製としても良いことは勿論である。
【0020】
これにより、緊張装置30の樹脂製板ばね36の弾性力で無端チェーン5の弛緩側5aに一定の張力を与え、しかも樹脂製板ばね36の変位量、換言すれば押圧片38の位置から無端チェーン5の弛緩側5aの緊張状態を検知することができる。従って、この樹脂製板ばね36の変位量を見ながら、駆動スプロケット3を上下動させたり、ボールねじ34を回転させてボールナット35を移動させることで、無端チェーン5の張力を調節することができる。
【0021】
尚、この実施の形態にあっては、図4及び図5に詳細に示すように、無端チェーン5の一部を構成するアタッチメント40に弾性を有するフレキシブルアーム41を取付け、このフレキシブルアーム41にレーキ7の端部を連結して、レーキ7を無端チェーン5に連結するようにしている。
【0022】
図6は、前記緊張装置30の別の例を示すもので、これは、固定棒50aに遊嵌する心棒50を備え、この心棒50を一対の金属製板ばね51を有するばね体52の内部に挿通し、更に、心棒50の先端を押圧片53を有する押圧体54内に固定して、前記金属製板ばね51の弾性力で前記押圧体54を押圧するようにして緊張装置30を構成したものである。図7は、前記緊張装置30の更に他の例を示すもので、これは、前記図6に示す緊張装置におけるばね体52の代わりに、圧縮コイルばね60を使用したものである。
【0023】
尚、上記各実施の形態においては緊張装置としてばね体と押圧片とを用いたものであるが、ばね体とスプロケットを組み合わせても良いのは勿論のことである。このように本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形実施例が可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、緊張装置のばねの弾性力で無端チェーンの弛緩側に張力を与え、しかも水路内の水を抜くことなく、ばねの変位量から無端チェーンの弛緩側の緊張状態を検知して、このばねの変位量を見ながら無端チェーンの張力を調節することができる。これによって、この作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す除塵装置の側面図。
【図2】同じく、緊張装置の平面図。
【図3】同じく、図2の正面図。
【図4】同じく、無端チェーンとレーキとの連結部を拡大して示す平面図。
【図5】同じく、図4の左側面図。
【図6】緊張装置の他の例を示す(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図。
【図7】緊張装置の更に他の例を示す(a)正面図、(b)平面図、(c)cc線に沿った断面図。
【図8】従来の除塵装置を示す側面図。
【符号の説明】
1 バースクリーン
3 駆動スプロケット
4 従動スプロケット
5 無端チェーン
5a 同弛緩側(戻り側)
6 アタッチメント
7 レーキ
30 緊張装置
34 ボールねじ
36 樹脂製板ばね
38,53 押圧片
50 心棒
51 金属製板ばね
60 圧縮コイルばね
Claims (2)
- 走行自在な一対の無端チェーンに両端を連結したレーキを備え、このレーキが水路中に設置したバースクリーンの前面に沿って走行するようにした除塵装置において、
フレームの表面に固着した一対のブラケットと、
該一対のブラケット間に回転自在に掛け渡したボールねじと、
該ボールねじに螺合し、該ボールねじの回転により移動するボールナットと、
該ボールナットに一端を固着し、圧縮力を受けると曲率半径が小さくなる、一対の板ばね片を有した板ばねと、
前記板ばねの他端にブロックを介して固着した、前記無端チェーンに当接する円弧状の当接面を有する押圧片とを備え、
前記押圧片は滑りの良い樹脂で構成され、前記ボールねじの回転により前記ボールナットの位置を調節し、前記板ばねの弾性力で前記無端チェーンの弛緩側に緊張を付与する緊張装置を、前記水路中の水面よりも上方に位置させて配置したことを特徴とする除塵装置。 - 前記ばねとして、弾性に富む板状の樹脂で構成した樹脂製板ばねを使用したことを特徴とする請求項1に記載の除塵装置。
Priority Applications (1)
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JP02664698A JP3733996B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 除塵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02664698A JP3733996B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 除塵装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11209949A JPH11209949A (ja) | 1999-08-03 |
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Family
ID=12199221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02664698A Expired - Fee Related JP3733996B2 (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | 除塵装置 |
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1998
- 1998-01-23 JP JP02664698A patent/JP3733996B2/ja not_active Expired - Fee Related
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