JPH11209505A - 導電性発泡粒子、その製造方法、および電波吸収体 - Google Patents

導電性発泡粒子、その製造方法、および電波吸収体

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JPH11209505A
JPH11209505A JP1130998A JP1130998A JPH11209505A JP H11209505 A JPH11209505 A JP H11209505A JP 1130998 A JP1130998 A JP 1130998A JP 1130998 A JP1130998 A JP 1130998A JP H11209505 A JPH11209505 A JP H11209505A
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JP
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conductive
particles
organic polymer
foamed
expanded particle
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JP1130998A
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English (en)
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Toshio Kudo
敏夫 工藤
Takasada Mitsui
孝禎 三ツ井
Takahiro Kariya
隆広 假屋
Seizo Matsumoto
征三 松本
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非導電性発泡粒子との融着強度が改善された
導電性発泡粒子およびその製造方法を提供すること。ま
た上記の導電性発泡粒子と非導電性発泡粒子からなり両
者の融着強度が改善された電波吸収体を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性有機高分子の発泡粒子の表面の
導電性層が有機高分子のオーバーコート薄層でコートさ
れてなる導電性発泡粒子。表面に導電性層を有する熱可
塑性有機高分子の発泡粒子と有機高分子のラテックスと
を混合し乾燥して導電性層の上に有機高分子のオーバー
コート薄層を形成する導電性発泡粒子の製造方法。およ
び上記の導電性発泡粒子と熱可塑性有機高分子の非導電
性発泡粒子とが互いに融着してなる構造を有する電波吸
収体。 【効果】 本発明の導電性発泡粒子は、機械強度に優
れ、長期にわたって安定した形状保持性を有する電波暗
室用の電波吸収体などの製造に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性発泡粒子、
その製造方法、および該導電性発泡粒子を用いてなる電
波吸収体に関し、特に電波暗室用として好適に使用し得
る電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】電波暗室用、特にアンテナ指向特性測定
用の電波吸収体は、通常用の電波吸収体以上の、例えば
30〜40dB程度もの高度の電波吸収性能を示すもの
が要求される。特開平4−144194号公報には、カ
ーボンブラックやグラファイトからなる導電層を表面に
有する有機高分子の発泡粒子を互いに接合させた構造の
材料を用いて四角錐型、円錐型、楔型などに成形加工し
た電波暗室用の電波吸収体が提案されている。
【0003】しかしながら上記公報に提案されている成
形加工品、特に電波吸収性能が優れている四角錐型など
の形状においては、短期間の使用で四角錐型の頂点部が
崩壊して電波吸収性能が急低下する問題がある。本発明
者らは、この問題は、上記公報に提案されている成形加
工品における有機高分子発泡粒子間の接合がその導電性
層内に含有されている極く薄い樹脂バインダーによる単
なる接着力に基づくに過ぎず、電波吸収体の短期間の使
用中にその接着力が低下することによることを突き止め
て、表面に導電性層を有する熱可塑性有機高分子の発泡
粒子と表面に導電性層を有しない熱可塑性有機高分子の
発泡粒子、即ち非導電性発泡粒子とを混合して両発泡粒
子を互いに融着してなる構造の改良電波吸収体を開発し
た。該改良電波吸収体では、二種の発泡粒子が互いに融
着により極めて強固に接合し合っているので、四角錐型
あるいはその他の成形加工品としても長期にわたり初期
の形状を持続する。
【0004】上記の改良電波吸収体の製造には、表面に
導電性層を有する熱可塑性有機高分子の発泡粒子、即ち
導電性発泡粒子を得る必要がある。該導電性発泡粒子
は、熱可塑性有機高分子の発泡粒子と導電性粉体を含有
する塗料とを混合して各発泡粒子の表面に塗料を塗布
し、ついで塗布された塗料を乾燥することにより製造さ
れる。
【0005】ところで、上記の方法で製造した導電性発
泡粒子を上記した非導電性発泡粒子と融着させるために
該非導電性発泡粒子と混合すると、その混合の際の摩擦
力などにて導電性発泡粒子の表面の導電性層の部分的な
崩壊や削れなどにて一部の導電性粉体が脱落し、且つ脱
落した導電性粉体が静電気などにより該導電性層の表面
に再付着する問題がある。導電性発泡粒子の表面に導電
性粉体のかかる再付着があると、導電性発泡粒子と非導
電性発泡粒子との混合物を金型内で融着成形した際に再
付着した導電性粉体が両者の融着を部分的に妨害して融
着強度を低下せしめる。このために、例えば金型内から
成形品(電波吸収体)を取出すときに取出時の衝撃力で
該成形品に割れが生じることがある。また概して成形品
の機械的強度も低い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑みて、本発明
の課題は、熱可塑性有機高分子の発泡粒子の表面に導電
性粉体を有する導電性層を有する導電性発泡粒子であっ
て、且つ非導電性発泡粒子との融着強度が改善された導
電性発泡粒子を提供することにある。本発明の他の課題
は、上記の導電性発泡粒子の製造方法を提供することに
ある。本発明のさらに他の課題は、上記の導電性発泡粒
子を用いてなり、しかして非導電性発泡粒子との融着強
度が改善された電波吸収体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の各課題は、つぎの
各手段により解決することができる。 (1) 熱可塑性有機高分子の発泡粒子の表面に導電性粉体
を有する導電性層および導電性層内の導電性粉体の脱落
を防止する有機高分子のオーバーコート薄層を有するこ
とを特徴とする導電性発泡粒子。 (2) 熱可塑性有機高分子の発泡粒子が予備発泡粒子であ
る上記(1) 記載の導電性発泡粒子。 (3) 導電性粉体が、導電性カーボンブラックと導電性グ
ラファイトからなる群から選ばれた少なくとも1種であ
る上記(1) または(2) 記載の導電性発泡粒子。 (4) 有機高分子のオーバーコート薄層が、熱可塑性有機
高分子のラテックスを塗布乾燥して形成したものである
上記(1) 〜(3) のいずれかに記載の導電性発泡粒子。 (5) 熱可塑性有機高分子の発泡粒子と導電性粉体を含有
する塗料とを混合し乾燥して該発泡粒子の表面に導電性
層を形成する第一工程、および表面に導電性層を有する
熱可塑性有機高分子の発泡粒子と有機高分子のラテック
スとを混合し乾燥して導電性層の上に有機高分子のオー
バーコート薄層を形成する第二工程とを有することを特
徴とする導電性発泡粒子の製造方法。 (6) 上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の導電性発泡粒子
と熱可塑性有機高分子からなる非導電性発泡粒子とが互
いに融着してなる構造を有することを特徴とする電波吸
収体。
【0008】
【作用】上記(1) 〜(4) の発明において、導電性層の上
に形成される熱可塑性有機高分子のオーバーコート薄層
は、導電性層内の導電性粉体の脱落を防止する機能をな
す。また該オーバーコート薄層は、薄層であるために非
導電性発泡粒子との混合状態にて成形用の金型内で加熱
されたときに導電性層と共に部分的に破断する。そして
この破断により導電性粉体の表面に発泡粒子の表面が露
出し、かく露出した表面の熱可塑性有機高分子は非導電
性発泡粒子の表面と融着することができ、しかして(6)
の発明の電波吸収体を製造することができる。上記(5)
の発明において、その第一工程にて得た表面に導電性層
を有する発泡粒子を用い、第二工程にて該発泡粒子と有
機高分子のラテックス、就中熱可塑性有機高分子のラテ
ックスとを混合し乾燥することにより、導電性層の上に
該オーバーコート薄層を形成して本発明の導電性発泡粒
子を製造することができる。上記(6) の発明において、
導電性粉体の脱落が防止された導電性発泡粒子が用いら
れており、このために従来のように脱落した導電性粉体
の再付着の問題がないので導電性発泡粒子と非導電性発
泡粒子との融着強度が、しかして機械的強度が改善され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の導電性発泡粒子は、熱可
塑性有機高分子の発泡粒子(以下、該熱可塑性有機高分
子の発泡粒子を「基体発泡粒子」と称する。)の表面に
導電性粉体を有する導電性層と導電性層内の導電性粉体
の脱落を防止する有機高分子のオーバーコート薄層とを
有する。基体発泡粒子の基本的な機能は、その表面に存
在する導電性層の担持作用にある。また本発明において
は、前記したように導電性および非導電性の両発泡粒子
間に融着を生ぜしめるので基体発泡粒子を構成する有機
高分子としては、この担持作用を奏し得て且つ融着し得
る限り、各種の熱可塑性有機高分子を使用することがで
きる。なお一般的な実用上から、該熱可塑性有機高分子
は、難燃性や耐候性などに優れているものが好ましく、
さらに導電性層の担持体は可及的に低誘電率であること
も要求されるので、低誘電率体たる発泡体の形成性の良
好なものが好ましい。
【0010】基体発泡粒子の熱可塑性有機高分子につい
てさらに詳述すると、それが非難燃性有機高分子である
場合には、未発泡状態での誘電率が3.0(室温、周波
数1MHz、以下同じ)以下、特に2.5以下のもの、
難燃性有機高分子あるいは難燃剤を含む難燃性有機高分
子組成物である場合には、未発泡状態での誘電率が3.
5以下、特に3.0以下のものが好ましい。基体発泡粒
子のみの誘電率、換言するとその表面の導電層を除去し
た状態における誘電率は、その構成材料の難燃性の有無
を問わず、1.05〜1.5、特に1.05〜1.2で
あるものが好ましい。
【0011】基体発泡粒子の熱可塑性有機高分子につ
き、好ましい例を示すと、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリ
デン系樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレ
ン・エチレン共重合体などのハロゲンを含有する難燃性
の樹脂類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メ
チルペンテン−1などのポリオレフィン、ポリスチレ
ン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリウレタ
ンなどの非ハロゲン含有系樹脂、該非ハロゲン含有樹脂
と難燃剤とからなる難燃性樹脂組成物類などである。難
燃性に関しては、酸素指数が少なくとも25のものが好
ましい。上記の各種熱可塑性有機高分子のうち、ポリス
チレンと塩化ビニリデン系樹脂が好ましく、就中、塩化
ビニリデン系樹脂は難燃性、耐候性、発泡体形成性に優
れているので特に好ましい。塩化ビニリデン系樹脂とし
ては、塩化ビニリデンの単独重合体、塩化ビニリデンの
モノマー、オリゴマー、あるいはポリマーなどと他の共
重合成分、例えば塩化ビニル、各種アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリルあるいはその他のものなどの一種
または二種以上との共重合体、さらにはそれら単独重合
体や共重合体を主成分とする組成物などが用いられる。
【0012】基体発泡粒子の表面の導電性層は、導電性
カーボンブラック、導電性グラファイト、金属粉などの
導電性粉体にて形成される。基体発泡粒子の単位表面積
あたりの導電性粉体の付着量は、従来通りでよく、例え
ば導電性層の平均厚さにして0.5〜10μm程度、特
に1〜5μm程度である。かかる量の導電性層が形成さ
れる限り、導電性層は任意の方法で形成されてよい。例
えば基体発泡粒子の表面に油や粘着剤を極く少量塗布し
て粘着性を付与し、ついでかく表面処理された基体発泡
粒子と導電性粉体とを混合して基体発泡粒子の表面に導
電性粉体を付着させる方法、油や粘着剤を極く少量含み
しかして粘着性を帯びた導電性粉体を基体発泡粒子と混
合して導電性粉体同士が粘着し合った層を形成する方
法、あるいは油や粘着剤に代えて導電性粉体を分散して
なる適当な樹脂バインダー塗料を用いる方法などが例示
される。
【0013】上記の樹脂バインダー塗料としては、紫外
線硬化性樹脂塗料、熱硬化性のエナメルワニスのような
各種の架橋硬化性の低粘度液体、熱可塑性有機高分子の
ラテックスのような非架橋硬化性の低粘度液体などを用
いることができる。架橋硬化性の低粘度液体を使用する
場合、それが溶剤を含有するものであれば、基体発泡粒
子の表面に塗布のあと乾燥し、ついで架橋処理すればよ
い。無溶剤型のものであれば、表面に塗布のあと直ちに
架橋処理してもよく、あるいは表面塗布と架橋処理とを
平行させることもできる。熱可塑性有機高分子のラテッ
クスを使用する場合、基体発泡粒子に塗布のあと乾燥す
るのみでよい。いずれの樹脂バインダー塗料を使用して
も、乾燥または架橋処理の後には、樹脂にてバインドさ
れた導電性粉体が基体発泡粒子の表面に接着したものが
得られる。樹脂バインダー塗料の主成分たる樹脂として
は、上記の通り架橋硬化性樹脂でもよいが、後記する非
導電性発泡粒子との融着の容易性の観点から、非架橋硬
化性樹脂、例えば各種の熱可塑性有機高分子、就中アク
リル系樹脂が好ましい。
【0014】本発明の導電性発泡粒子は、前記したよう
に、電波吸収体に加工される際には非導電性発泡粒子と
融着せしめられる。導電性発泡粒子は、基体発泡粒子の
上に導電性層とオーバーコート薄層とを有していても、
種々の現象により導電性層とオーバーコート薄層とが部
分的に破断するので非導電性発泡粒子と融着することが
できる。即ちある場合は、導電性発泡粒子が融着成形の
過程における加熱にて更に発泡して体積を増大した際に
上記両層に欠落部が生じる。あるいは発泡による体積の
増大はなくとも単なる変形により上記両層が部分的に破
断して欠落部が生じる。そして、そのような両層の欠落
部において露出した導電性発泡粒子の基体発泡粒子の表
面部分と非導電性発泡粒子の表面とが融着する。また別
の場合は、融着成形時における非導電性発泡粒子の局部
的な押圧力により上記両層の一部が剥離して除去される
かあるいは極薄化して、その部分で両発泡粒子は互いに
融着する。
【0015】上記の理由により導電性発泡粒子の基体発
泡粒子としては、十分に発泡したものであってもよく、
あるいは所謂予備発泡ビーズとして周知されていて未だ
発泡性を残存しているものであってもよいが、予備発泡
ビーズを使用するとその残存発泡性による発泡にて非導
電性発泡粒子との融着力や金型による成形性が一層良好
となる。かかる長所を有する予備発泡ビーズとしては、
5〜10倍程度の低発泡倍率で発泡させたものが好まし
い。
【0016】また導電性発泡粒子におけるオーバーコー
ト薄層は、導電性層内の導電性粉体の脱落を防止する機
能を奏し得る限り、その形成材料たる有機高分子として
は、各種の熱硬化有機高分子、熱可塑性有機高分子(樹
脂や未架橋ゴムなど)であってもよい。なお、該オーバ
ーコート薄層の厚みが過大であると非導電性発泡粒子と
の融着の際に破断し難く、一方、厚みが過小であると導
電性粉体の脱落の防止機能が不十分となる。例えば熱可
塑性有機高分子の濃度が30重量%程度のラテックスを
使用し、導電性層を有する基体発泡粒子100重量部あ
たり上記のラテックス2〜40重量部程度、好ましくは
10〜20重量部程度を混合し乾燥することにより適度
な厚みのオーバーコート薄層を形成することができる。
【0017】なおオーバーコート薄層が熱可塑性樹脂に
て形成されていると、オーバーコート薄層自体が非導電
性発泡粒子と融着し得るので、上記の破断に依ることな
く、あるいは破断が軽度であっても良好な融着が達成し
得るので、電波吸収体に加工する際の加工条件の自由度
が大きくなる長所がある。その際、オーバーコート薄層
の形成材料としては、熱可塑性有機高分子のラテックス
が特に好ましい。
【0018】本発明の導電性発泡粒子は、例えば、基体
発泡粒子と導電性粉体を含有する塗料とを混合し乾燥し
て該発泡粒子の表面に導電性層を形成する第一工程、お
よび第一工程にて得られた表面に導電性層を有する基体
発泡粒子と有機高分子のラテックス好ましくは熱可塑性
有機高分子のラテックスとを混合し乾燥して導電性層の
上に有機高分子のオーバーコート薄層を形成する第二工
程を経て製造することができる。
【0019】第一工程における基体発泡粒子と導電性粉
体を含有する塗料との混合は、ヘンシェルミキサー(商
品名)、リボンブレンダーなどの通常の混合機にて行う
ことができる。また第二工程における発泡粒子とラテッ
クスとの混合も、上記の各種混合機の一種を用いて行う
ことができる。その際、第一と第二の両工程とも同じ混
合機を用いて、第一工程のあと必要量のラテックスを投
入して引き続いて第二工程を行ってもよい。第二工程に
おいては、適度な厚みのオーバーコート薄層を形成する
ために第一工程にて得た導電性層を有する基体発泡粒
子、例えば予備発泡ビーズに対して前記した量のラテッ
クスを添加し混合する。
【0020】本発明の電波吸収体は、導電性発泡粒子と
非導電性発泡粒子とが互いに融着してなる構造を有す
る。該電波吸収体中における、即ち導電性発泡粒子と非
導電性発泡粒子との融着体中における導電性発泡粒子の
基体発泡粒子の発泡倍率や平均粒子径に関しては特に制
限はないが、10〜60倍程度、好ましくは20〜40
倍程度の発泡倍率(〔発泡体を構成する有機高分子の密
度〕×1000/〔発泡体の密度〕、以下同じ)を有
し、且つ1〜6mm程度、好ましくは2〜4mm程度の
平均粒子径が例示される。したがって、導電性発泡粒子
の基体発泡粒子として予備発泡ビーズを使用した場合に
は、融着成形時に該ビーズを追加発泡させて上記範囲に
もたらすとよい。
【0021】非導電性発泡粒子は、導電性発泡粒子と融
着して発泡粒子間の結合強度を高める機能をなす。した
がって各種の熱可塑性有機高分子の発泡粒子が非導電性
発泡粒子として使用可能であり、また導電性発泡粒子の
基体発泡粒子について上記した全ての説明がこの発泡粒
子についても該当する。勿論、各種の予備発泡ビーズ自
体を非導電性発泡粒子として使用することもできる。
【0022】非導電性発泡粒子は、通常の加熱融着にて
融着し得る限り導電性発泡粒子の基体発泡粒子の構成有
機高分子と異なる有機高分子からなっていてもよいが、
一般的には同種の有機高分子からなっている方が加熱融
着が容易である。かかる理由から導電性発泡粒子の基体
発泡粒子が塩化ビニリデン系樹脂である場合、非導電性
発泡粒子も塩化ビニリデン系樹脂の発泡粒子であること
が好ましい。同様に、導電性発泡粒子の基体発泡粒子が
ポリスチレンである場合、非導電性発泡粒子もポリスチ
レンの発泡粒子であることが好ましい。
【0023】非導電性発泡粒子の一般的な粒子径範囲
は、導電性発泡粒子のそれと同じであってよいが、その
範囲内であれば両粒子は互いに粒子径や粒度分布を異に
していてもよい。しかし通常は、本発明製造時の融着成
形前後において導電性発泡粒子の粒子径と同じ程度のも
のが好ましい。
【0024】導電性発泡粒子に対する非導電性発泡粒子
の使用量が過大であると、電波吸収性が低下し、逆に過
少であると発泡粒子間の結合強度が低下するので、非導
電性発泡粒子の使用量は、導電性発泡粒子100重量部
あたり、1〜100重量部程度、特に5〜50重量部程
度、さらには10〜40重量部程度が好ましい。非導電
性発泡粒子の使用量を、導電性発泡粒子100重量部あ
たり10〜40重量部程度とすると、上記の理由以外に
フェライトタイルと組み合わせた複合体型吸収体とすれ
ば、数百MHz前後の低周波領域での電波吸収性が良好
となる利点もある。
【0025】一般的に、導電性発泡粒子と非導電性発泡
粒子との融着面積が増す程、本発明の電波吸収体の機械
的強度が増大するが、その反面、導電性発泡粒子の導電
層の欠落部も増大して電波吸収性が低下する傾向にあ
る。しかし、本発明では両発泡粒子間の極く小程度の融
着にても充分な機械的強度が得られるので、導電性発泡
粒子の平均全表面積の1〜30%程度、特に2〜10%
程度が非導電性発泡粒子と融着していることが好まし
い。本発明の電波吸収体としては、台座部と該台座部の
上に設けた突起状体部とからなる形状物、あるいはその
他任意の形状に成形加工してなるものであってよく、ま
た上記の突起状体部の形状にしても、角錐状、四角錐
状、円錐状、楔状、あるいはその他種々の突起状であっ
てよい。それらの電波吸収体は、必要に応じて格子型、
平板型、などの各種の焼結フェライトタイルのような低
周波吸収体と組合わせることにより、30MHz程度の
低周波数から10GHz以上の高周波数に到る広い帯域
で優れた吸収特性を示す電波吸収体とすることもでき
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により一層詳細に説明
すると共に、比較例をも挙げて本発明の顕著な効果を示
す。
【0027】比較例1 基体発泡粒子として塩化ビニリデン共重合体の予備発泡
ビーズ(旭化成社製の商品名「セルモア(登録商
標)」、平均粒子径:3mm)を用い、これの100重
量部に対して水系導電塗料を100重量部加えてヘンシ
ェルミキサーにて100℃で約30分間混合し、乾燥し
て導電性発泡粒子を得た。上記の水系導電塗料として
は、グラファイト系導電塗料(日本アチソン製の商品名
「ED−188」)10重量部に対して塩化ビニリデン
共重合体のラテックス(呉羽化学社製の商品名「クレハ
ロンR14A」)1重量部を混合したものを使用した。
【0028】実施例1 基体発泡粒子として塩化ビニリデン共重合体の予備発泡
ビーズ(旭化成社製の商品名「セルモア(登録商
標)」、平均粒子径:3mm)を用い、これの100重
量部に対してグラファイト系導電塗料(日本アチソン製
の商品名「ED−188」)を100重量部加えてヘン
シェルミキサーにて100℃で約30分間混合し、乾燥
して導電性層を有する基体発泡粒子を得た。つぎにかく
して得た導電性層を有する基体発泡粒子と、これの10
0重量部に対して塩化ビニリデン共重合体のラテックス
(呉羽化学社製の商品名「クレハロンR14A」)10
重量部とをヘンシェルミキサーにて100℃で約10分
間混合し、乾燥して導電性層の上にオーバーコート薄層
を有する導電性発泡粒子を得た。
【0029】比較例2 比較例1で使用した塩化ビニリデン共重合体の予備発泡
ビーズに代えてポリスチレンの予備発泡ビーズ(積水化
成品工業社製の商品名「エスレンビーズFDL(登録商
標)」、平均粒子径:0.5〜1.2mm)を基体発泡
粒子として使用し、また上記のグラファイト系導電塗料
に代えてグラファイト系導電塗料(日本黒鉛工業社製の
商品名「バニーライトL−30」)を使用した以外は、
比較例1と同様の条件および方法により導電性発泡粒子
を得た。
【0030】実施例2 基体発泡粒子としてポリスチレンの予備発泡ビーズ(積
水化成品工業社製の商品名「エスレンビーズFDL(登
録商標)」、平均粒子径:0.5〜1.2mm)を使用
し、これの100重量部に対してグラファイト系導電塗
料(日本アチソン製の商品名「ED−188」)を10
0重量部加えてヘンシェルミキサーにて100℃で約3
0分間混合し、乾燥して導電性層を有する基体発泡粒子
を得た。つぎにかくして得た導電性層を有する基体発泡
粒子と、これの100重量部に対して塩化ビニリデン共
重合体のラテックス(呉羽化学社製の商品名「クレハロ
ンR14A」)20重量部とをヘンシェルミキサーにて
100℃で約10分間混合し、乾燥して導電性層の上に
オーバーコート薄層を有する導電性発泡粒子を得た。
【0031】かくして得た比較例1および実施例1の各
導電性発泡粒子4に対して非導電性発泡粒子1(比較例
1および実施例1で使用した塩化ビニリデン共重合体の
予備発泡ビーズと同じもの)の重量比で均一に混合し、
各混合物を130℃で5分間成形金型内で加熱して、内
径33.4mm、外径76.9mm、長さ150mmの
円筒体を形成した。また、比較例2および実施例2の各
導電性発泡粒子4に対して非導電性発泡粒子1(比較例
2および実施例2で使用したポリスチレンの予備発泡ビ
ーズと同じもの)の重量比で均一に混合し、各混合物を
130℃で5分間成形金型内で加熱して、内径33.4
mm、外径76.9mm、長さ150mmの円筒体を形
成した。
【0032】上記の各円筒体を試験台の上に横たえ、そ
の長手方向の略中央に底部直径が約100mmの押圧具
を押し当てて10mm/分の速度で押圧したところ、比
較例1および比較例2から得た各円筒体は、それぞれ4
7kgf、45kgfで瞬間的に亀裂が入り崩れた。こ
れに対して実施例1から得た円筒体は、最高102kg
fの押圧に耐え、その後は押圧により徐々に亀裂が入っ
たが崩れるまでには至らなかった。実施例2から得た円
筒体は、最高87kgfの押圧に耐え、その後は実施例
1と略同様の挙動を示した。
【0033】
【発明の効果】本発明の導電性発泡粒子は、従来の同種
の導電性発泡粒子と異なって、外力を受けても導電性粉
体の脱落が生じ難いので、非導電性発泡粒子と機械的に
混合してもその混合の際に導電性粉体の脱落が生じず、
このために得られた混合物を金型にて加熱成形すること
により機械強度の優れた所望の形状の電波吸収体を製造
することができる。また本発明の電波吸収体は、機械強
度に優れ、しかして長期にわたって安定した形状保持性
を有し、各種用途の電波吸収体として、特に電波暗室用
電波吸収体として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 假屋 隆広 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内 (72)発明者 松本 征三 和歌山県有田市箕島663番地 三菱電線工 業株式会社箕島製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性有機高分子の発泡粒子の表面に
    導電性粉体を有する導電性層および導電性層内の導電性
    粉体の脱落を防止する有機高分子のオーバーコート薄層
    を有することを特徴とする導電性発泡粒子。
  2. 【請求項2】 熱可塑性有機高分子の発泡粒子が予備発
    泡粒子である請求項1記載の導電性発泡粒子。
  3. 【請求項3】 導電性粉体が、導電性カーボンブラック
    と導電性グラファイトからなる群から選ばれた少なくと
    も1種である請求項1または2記載の導電性発泡粒子。
  4. 【請求項4】 有機高分子のオーバーコート薄層が、熱
    可塑性有機高分子のラテックスを塗布乾燥して形成した
    ものである請求項1〜3のいずれかに記載の導電性発泡
    粒子。
  5. 【請求項5】 熱可塑性有機高分子の発泡粒子と導電性
    粉体を含有する塗料とを混合し乾燥して該発泡粒子の表
    面に導電性層を形成する第一工程、および表面に導電性
    層を有する熱可塑性有機高分子の発泡粒子と有機高分子
    のラテックスとを混合し乾燥して導電性層の上に有機高
    分子のオーバーコート薄層を形成する第二工程とを有す
    ることを特徴とする導電性発泡粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性
    発泡粒子と熱可塑性有機高分子からなる非導電性発泡粒
    子とが互いに融着してなる構造を有することを特徴とす
    る電波吸収体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008294183A (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電波吸収体の製造方法
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JP2015000907A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 旭化成ケミカルズ株式会社 発泡粒子及び発泡粒子成形体
CN113956532A (zh) * 2021-11-09 2022-01-21 中国科学院理化技术研究所 一种毫米波吸收材料及其制备方法与应用

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