JP2016108479A - 断熱性向上材含有発泡性粒子及びその製造方法、ならびに発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発泡体から断熱性向上材が脱離しにくく、かつ熱伝導率等の優れた物性を付与し得て、外観においても問題がない断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法、断熱性向上材含有発泡性粒子、発泡体を提供すること。
【解決手段】発泡性粒子と、前記発泡性粒子表面に形成され断熱性向上材を含む被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法であって、
前記発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、
前記第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】発泡性粒子と、前記発泡性粒子表面に形成され断熱性向上材を含む被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法であって、
前記発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、
前記第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、断熱性向上材含有発泡性粒子及びその製造方法、ならびに発泡体の製造方法に関する。
断熱性向上材を含有する発泡体は、断熱材、導電性緩衝材、電磁波吸収材等の建築材料として広く利用されている。このような発泡体としては例えば、カーボンブラックを含むウレタン系発泡体、スチレン系発泡体およびポリオレフィン系発泡体等が知られている。
特許文献1は、当該問題点を解決することを目的として、スチレン系樹脂発泡性粒子の表面に、有機高分子エマルジョンを展着剤として断熱性向上材を展着してなる断熱性向上材含有発泡性粒子を開示している。また、この断熱性向上材含有発泡性粒子を加熱発泡させる発泡体の製造方法を開示している。
特許文献2は、予備発泡した発泡性ポリスチレン系樹脂ビーズに、熱膨張性黒鉛を所定量展着する難燃性ポリスチレン樹脂発泡体の製造方法が開示され、実施例では、被膜形成性樹脂を用いて熱膨張性黒鉛複数回に分けて展着する技術が記載されている。
特許文献2は、予備発泡した発泡性ポリスチレン系樹脂ビーズに、熱膨張性黒鉛を所定量展着する難燃性ポリスチレン樹脂発泡体の製造方法が開示され、実施例では、被膜形成性樹脂を用いて熱膨張性黒鉛複数回に分けて展着する技術が記載されている。
しかしながら、従来技術ではいずれも、展着された断熱性向上材が発泡体から脱離し、白ヌケ等の外観上の不良が発生するとともに、熱伝導率等の物性や発泡粒子を用いた発泡体における外観に悪影響を及ぼすという問題点がある。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、発泡体から断熱性向上材が脱離しにくく、かつ熱伝導率等の優れた物性を付与し得て、外観においても問題がない断熱性向上材含有発泡性粒子及びその製造方法と、発泡体を提供することにある。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、発泡体から断熱性向上材が脱離しにくく、かつ熱伝導率等の優れた物性を付与し得て、外観においても問題がない断熱性向上材含有発泡性粒子及びその製造方法と、発泡体を提供することにある。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法により得られた発泡体が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、発泡性粒子の表面を被覆し、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により形成された第一被覆層と、第一被覆層の表面を被覆し、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含む第二接着剤により形成された第二被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子であって、第二被覆層は、前記第一被覆層よりも少ない含有量の断熱性向上材を含むもしくは断熱性向上材を含まない断熱性向上材含有発泡性粒子により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕
発泡性粒子と、前記発泡性粒子表面に形成され断熱性向上材を含む被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法であって、
前記発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、
前記第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔2〕
前記第一樹脂は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン樹脂、変形シリコーン樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂である上記〔1〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔3〕
前記第二樹脂は、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂である上記〔1〕または〔2〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔4〕
前記第一接着剤と第二接着剤が異なる上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔5〕
前記第一樹脂の分散媒は、有機溶剤であり、前記第二樹脂の分散媒は、水である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔6〕
前記第二接着剤の断熱性向上材の含有量は、前記第一接着剤の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ない上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔7〕
前記断熱性向上材がグラファイトである、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔8〕
前記断熱性向上材の平均粒子径が1μm〜50μmである、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔9〕
上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の前記断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法で得られた発泡性粒子を発泡させる工程を有する発泡体の製造方法。
〔10〕
発泡性粒子と、
前記発泡性粒子の表面を被覆し、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により形成された第一被覆層と、
前記第一被覆層の表面を被覆し、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含む第二接着剤により形成された第二被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子であって、
前記第二被覆層は、前記第一被覆層よりも少ない含有量の断熱性向上材を含むもしくは断熱性向上材を含まない断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔11〕
前記第一樹脂は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン樹脂、変形シリコーン樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂が含まれる上記〔10〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔12〕
前記第二樹脂は、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂が含まれる上記〔10〕または〔11〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔13〕
前記第一接着剤と第二接着剤が異なる上記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔14〕
前記第一樹脂の分散媒は、有機溶剤であり、前記第二樹脂の分散媒は、水である上記〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔15〕
前記第二接着剤の断熱性向上材の含有量は、前記第一接着剤の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ない上記〔10〕〜〔14〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔16〕
前記断熱性向上材がグラファイトである、上記〔10〕〜〔15〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔17〕
前記断熱性向上材の平均粒子径が1μm〜50μmである、上記〔10〕〜〔16〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
また、発泡性粒子の表面を被覆し、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により形成された第一被覆層と、第一被覆層の表面を被覆し、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含む第二接着剤により形成された第二被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子であって、第二被覆層は、前記第一被覆層よりも少ない含有量の断熱性向上材を含むもしくは断熱性向上材を含まない断熱性向上材含有発泡性粒子により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕
発泡性粒子と、前記発泡性粒子表面に形成され断熱性向上材を含む被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法であって、
前記発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、
前記第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔2〕
前記第一樹脂は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン樹脂、変形シリコーン樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂である上記〔1〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔3〕
前記第二樹脂は、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂である上記〔1〕または〔2〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔4〕
前記第一接着剤と第二接着剤が異なる上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔5〕
前記第一樹脂の分散媒は、有機溶剤であり、前記第二樹脂の分散媒は、水である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔6〕
前記第二接着剤の断熱性向上材の含有量は、前記第一接着剤の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ない上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔7〕
前記断熱性向上材がグラファイトである、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔8〕
前記断熱性向上材の平均粒子径が1μm〜50μmである、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔9〕
上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の前記断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法で得られた発泡性粒子を発泡させる工程を有する発泡体の製造方法。
〔10〕
発泡性粒子と、
前記発泡性粒子の表面を被覆し、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により形成された第一被覆層と、
前記第一被覆層の表面を被覆し、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含む第二接着剤により形成された第二被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子であって、
前記第二被覆層は、前記第一被覆層よりも少ない含有量の断熱性向上材を含むもしくは断熱性向上材を含まない断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔11〕
前記第一樹脂は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン樹脂、変形シリコーン樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂が含まれる上記〔10〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔12〕
前記第二樹脂は、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂が含まれる上記〔10〕または〔11〕に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔13〕
前記第一接着剤と第二接着剤が異なる上記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔14〕
前記第一樹脂の分散媒は、有機溶剤であり、前記第二樹脂の分散媒は、水である上記〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
〔15〕
前記第二接着剤の断熱性向上材の含有量は、前記第一接着剤の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ない上記〔10〕〜〔14〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔16〕
前記断熱性向上材がグラファイトである、上記〔10〕〜〔15〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
〔17〕
前記断熱性向上材の平均粒子径が1μm〜50μmである、上記〔10〕〜〔16〕のいずれかに記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
本発明の製造方法により得られた断熱性向上材含有発泡性粒子を発泡させた発泡体は、断熱性向上材が脱離しにくいため、熱伝導率等の優れた物性を有するものである。また、色ムラ等の不具合を起こさないことから、外観上にも優れる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に係る断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法は、発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する。すなわち、発泡性粒子上に、断熱性向上材を含んだ第一被覆層と、第一被覆層よりも断熱性向上材量が少ないもしくは断熱性向上材を含まない第二被覆層を形成させる断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法である。本発明に係る断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法により得られた断熱性向上材含有発泡性粒子は、これを発泡させて発泡体を製造する際に、断熱性向上材が脱離しにくいため、得られる発泡体は熱伝導率等の優れた物性を有するものであり、また、色ムラ等の外観での不具合を引き起こさないものである。
本発明に係る断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法は、発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する。すなわち、発泡性粒子上に、断熱性向上材を含んだ第一被覆層と、第一被覆層よりも断熱性向上材量が少ないもしくは断熱性向上材を含まない第二被覆層を形成させる断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法である。本発明に係る断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法により得られた断熱性向上材含有発泡性粒子は、これを発泡させて発泡体を製造する際に、断熱性向上材が脱離しにくいため、得られる発泡体は熱伝導率等の優れた物性を有するものであり、また、色ムラ等の外観での不具合を引き起こさないものである。
従来技術のような断熱性向上材を有機高分子エマルジョンの単層として展着させる技術(特許文献1)や、断熱性向上材を同じ被膜形成性樹脂によって複数層展着させる技術(特許文献2)に比べ、断熱性向上材が脱離しにくくなるのは、断熱性向上材を含んだ第一被覆層上に、第一被覆層よりも断熱性向上材を少なくした、もしくは断熱性向上材を含まない第二被覆層が形成されることにより、断熱性向上材と発泡性粒子との密着性を向上させることができると推定されている。特に第二被覆層に含まれる樹脂成分が、第一被覆層の断熱性向上材を覆うことで、密着性を高められるのであり、例えば、第一被覆層の複数の断熱性向上材の粒子が凝集し、元々の断熱性向上材の粒子よりも大粒となった場合でも第二被覆層に含まれる樹脂成分により、断熱性向上材を覆うことで密着性を高められるとも推定している。この第二被覆層の断熱性向上材を第一被覆層の断熱性向上材よりも少ない含有量にするあるいは第二被覆層が断熱性向上材を含まないことにより、発泡性粒子上の断熱性向上材の密着性を高められ、断熱性向上材が脱落しにくくなると考えられ、その結果、熱伝導率等に優れ、かつ色ムラ等の外観での不具合を引き起こさない発泡体が得られるのである。
図1は、本発明の断熱性向上材含有発泡性粒子を説明するための断面図である。
図1において、断熱性向上材含有発泡性粒子1は、発泡性粒子10と、発泡性粒子10の表面を被覆する第一被覆層Aと、前記第一被覆層の表面を被覆する第二被覆層Bとを有する。
図1において、断熱性向上材含有発泡性粒子1は、発泡性粒子10と、発泡性粒子10の表面を被覆する第一被覆層Aと、前記第一被覆層の表面を被覆する第二被覆層Bとを有する。
発泡性粒子10は、従来から公知の各種樹脂を使用することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂等を挙げることができる。中でも本発明ではスチレン系樹脂を使用するのが好ましい。スチレン系樹脂としては、スチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体またはその誘導体から得られるランダム、ブロックまたはグラフト共重合体等が挙げられる。
本発明で用いられる発泡性粒子10は、通常、発泡剤を含有する。発泡剤としては、とくに制限されないが、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素類を使用するのが一般的である。
また発泡性粒子10には、必要に応じて、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤等の難燃剤;リン系化合物、窒素系化合物、ホウ素系化合物、金属酸化物、鉄含有化合物、ラジカル開始剤等の難燃助剤;シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等の無機化合物;ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等の加工助剤;抗酸化剤;耐光性安定剤;帯電防止剤;着色剤等の添加剤を使用することもできる。
また発泡性粒子10には、必要に応じて、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤等の難燃剤;リン系化合物、窒素系化合物、ホウ素系化合物、金属酸化物、鉄含有化合物、ラジカル開始剤等の難燃助剤;シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム等の無機化合物;ステアリン酸塩、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物、エポキシ化合物等の加工助剤;抗酸化剤;耐光性安定剤;帯電防止剤;着色剤等の添加剤を使用することもできる。
発泡性粒子10の平均粒子径は、300μm〜2400μmが好ましく、800μm〜2000μmがさらに好ましい。平均粒子径が300μm以上であれば、発泡剤の保持性が低下せずビーズライフが十分保持される。また、その粒子を得る際に収率が十分であり、その結果コストアップを回避することができる。平均粒子径が2400μm以下であれば、複雑な形状をした発泡成形体を成形する際でも、金型への充填性が悪化するのを回避できる。
第一被覆層は、発泡性粒子上に断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により形成される。
第一被覆層の断熱性向上材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等のカーボン粉末、カーボン繊維、金属粉末、金属繊維、金属酸化物等またはそれらの異なる2種以上の混合物が挙げられる。中でも本発明の効果が向上するという観点から、カーボン粉末、とくにグラファイトが好ましい。
第一被覆層の断熱性向上材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等のカーボン粉末、カーボン繊維、金属粉末、金属繊維、金属酸化物等またはそれらの異なる2種以上の混合物が挙げられる。中でも本発明の効果が向上するという観点から、カーボン粉末、とくにグラファイトが好ましい。
また、断熱性向上材の平均粒子径は、熱伝導率、脱落性、粉砕コストの3つの観点を総合的に加味すると、0.1μm〜50μmであることが好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であれば、熱伝導率の低減効果が大きい。また、粉砕時間を要さないことでコストダウンに寄与する。平均粒子径が50μm以下であれば、熱伝導率の上昇を回避でき、断熱性向上材の脱落の可能性を低減できる。なお、本発明でいう平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて測定された値を意味する。
また第一接着剤中の第一樹脂に対して、断熱性向上材の含有量は、好ましくは50〜400質量%であり、100〜300質量%であるのがより好ましい。400質量%以下であれば、接着力が十分であり断熱性向上材の脱落を回避でき、所望の熱伝導率となる発泡体を得ることができる。また、脱落した断熱性向上材による周辺への汚染が発生しにくい。50質量%以上であれば、過剰な接着剤による断熱性向上材の熱線吸収/反射効果の低下を回避でき、熱伝導率の増大を防ぐことができる。また、接着剤の過剰付着を回避できるため、原料コストや製造コストを抑えることができる。さらに、断熱性向上材の含有量を100〜300質量%にすることにより、熱伝導が確保され、第一接着剤として発泡粒子に被覆させるための接着性が確保させやすいのである。
第一樹脂としては、特に制限されないが、断熱性向上材を発泡体に良好に固着させるという観点から、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系接着剤、これらの混合物等が挙げられる。
第一樹脂の分散媒は、水、及び有機溶剤から選ばれるものを用いることができ、第一樹脂を溶解または分散させて、断熱性向上材と混合し、接着剤として用いることができる分散媒であれば、特に限定はされない。
これらの中で第一樹脂の分散媒としては、有機溶剤を用いることが望ましい。有機溶剤としては、アルコール類、アセトン、ヘキサン等を用いることができる。第一樹脂の分散媒に有機溶剤を用いるのは、発泡性粒子や断熱性向上材(その一例としてグラファイト)は親油性であるため、第一被覆層との密着性を高められるからである。また、アルコール類としては、メタノール、及びエタノールが望ましい。
第一接着剤としては、第一樹脂の分散媒に有機溶剤(例えばアルコール類)を含む接着剤として構成されることが好ましい。この接着剤は、溶液系接着剤といい、接着剤中に実質的に水を含有しないことを意味する。ただし、原料に由来する水がわずかに含まれている場合までは排除されない。
第一接着剤は、断熱性向上材、第一樹脂、第一樹脂の分散媒から成るもので構成されていてもよいし、それ以外にも、粘度調整剤、保存剤、着色料等を含めてもよい。第一接着剤の固形分濃度が高く、断熱性向上材(その一例としてグラファイト)を分散させ発泡性粒子に均一に展着させるには粘度が高い場合は、必要に応じて接着剤の分散媒と同様の溶媒で希釈することが好ましい。第一接着剤の固形分濃度は5〜50wt%が好ましい。第一接着剤の固形分濃度が5wt%以上であれば、被覆層を形成しやすい。また、被覆層形成後の乾燥時間を長時間確保せずに済む。また第一接着剤の固形分濃度が50wt%以下であれば、塗布性が低下せず、皮膜形成が容易である。
溶液系接着剤の代表的なものとして、酢酸ビニル樹脂系メタノール分散型接着剤やアクリル樹脂系エタノール分散型接着剤が好ましく挙げられる。
第一被覆層は、発泡性粒子10と第一接着剤とをミキサーを用いて混合する方法、発泡性粒子10の表面に例えば第一接着剤をスプレーする方法等の公知の手段により形成することができる。
発泡性粒子10上の第一被覆層の厚みは、皮膜強度や発泡体の成形性の観点から、好ましくは1μm〜50μmであり、2μm〜20μmがより好ましい。ここで第一被覆層の厚みとは、被覆層の形成が完了し、乾燥処理を行った後の厚みである。
第二被覆層は、第一被覆層上に第二接着剤により形成される。第二接着剤は、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、第一被覆層における含有量よりも少ない量で断熱性向上材を含む、もしくは断熱性向上材を含まないことを特徴とする。これにより断熱性向上材の脱落を防止することができる。さらに、第二被覆層の断熱性向上材の含有量は、第一被覆層の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ないことが好ましい。第二被覆層中の断熱性向上材の含有量が、第一被覆層中の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ないことで、第一被覆層との含有量差が十分であり、断熱性向上材の脱落を防ぐことができる。
第二被覆層の断熱性向上材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等のカーボン粉末、カーボン繊維、金属粉末、金属繊維、金属酸化物等、またはそれらの異なる2種以上の混合物が挙げられる。中でも本発明の効果が向上するという観点から、カーボン粉末、とくにグラファイトが好ましい。
第二被覆層の断熱性向上材と、第一被覆層の断熱性向上材とは、同種であっても異なっていてもよい。
第二被覆層の断熱性向上材と、第一被覆層の断熱性向上材とは、同種であっても異なっていてもよい。
断熱性向上材がグラファイトの場合、平均粒子径は0.1〜50μmが好ましい。
また、第二被覆層の断熱性向上材の平均粒子径は、熱伝導率、脱落性、粉砕コストの3つの観点を総合的に加味すると、0.1μm〜50μmであることが好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。平均粒子径が1μm以上であれば、熱伝導率の低減効果が大きい。また、粉砕時間を要さないことでコストダウンに寄与する。平均粒子径が50μm以下であれば、熱伝導率の上昇を回避でき、断熱性向上材の脱落の可能性を低減できる。なお、本発明でいう平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて測定された値を意味する。
第二被覆層の断熱性向上材の平均粒子径と、第一被覆層の断熱性向上材の平均粒子径とは、同一であっても異なっていてもよい。
また、第二被覆層の断熱性向上材の平均粒子径は、熱伝導率、脱落性、粉砕コストの3つの観点を総合的に加味すると、0.1μm〜50μmであることが好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。平均粒子径が1μm以上であれば、熱伝導率の低減効果が大きい。また、粉砕時間を要さないことでコストダウンに寄与する。平均粒子径が50μm以下であれば、熱伝導率の上昇を回避でき、断熱性向上材の脱落の可能性を低減できる。なお、本発明でいう平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて測定された値を意味する。
第二被覆層の断熱性向上材の平均粒子径と、第一被覆層の断熱性向上材の平均粒子径とは、同一であっても異なっていてもよい。
第二樹脂は、とくに制限されないが、第一被覆層上に形成させる観点から、スチレンブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、またはこれらの混合物等が挙げられる。
第二樹脂の分散媒は、水、またはアルコール等の有機溶剤から選ばれるものを用いることができ、第二樹脂を溶解または分散させて、断熱性向上材を含んで混合しても、接着剤として用いることができる分散媒であれば、特に限定はされない。
また、第二樹脂の分散媒としては、第一被覆層で用いられた分散媒とは異なる物質を用いることが望ましい。第二樹脂の分散媒が第一樹脂の分散媒と同一物質であった場合、第二被覆層を形成させた際、第二樹脂の分散媒により第一被覆層を溶解させてしまうことがあり、第一被覆層中の断熱性向上材の脱落を誘因させることがあるためである。
さらに、第二樹脂の分散媒としては、水を用いることが望ましい。第二樹脂の分散媒に水を用いるのは、親油性である第一樹脂に対して溶解させないためであり、その結果、第一被覆層中の第一樹脂の溶解によるグラファイトの脱落を防ぐことができる。また、水を用いることで、第二接着剤の塗布性が調整しやすくなるため、第二被覆層が形成しやすくなり、また第二被覆層の厚みを調整しやすくなる。
第二接着剤としては、第二樹脂を水に溶解または分散した水系接着剤から構成されることが好ましい。この接着剤は、水系接着剤といい、接着剤中に実質的に水を含有させることを意味する。水系接着剤の代表的なものとして、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型やスチレンブタジエン系樹脂系エマルジョン型がある。
接着剤の種類によっては固形分濃度が高く第一被覆層の表面を均一に被覆させるには粘度が高いため、必要に応じて水で希釈することが好ましい。接着剤の種類によるが、接着剤の固形分濃度は5〜50wt%が好ましい。第二接着剤の固形分濃度が5wt%以上であれば、被覆層としての膜が形成しやすい。また、皮膜形成後の乾燥に長時間を要することがない。また第二接着剤の固形分濃度が50wt%以下であれば、塗布性が低下せず、皮膜を形成しやすい。
第二接着剤には、必要に応じて、粘度調整剤、保存剤、着色料等を含めてもよい。
また、第二接着剤は、断熱性向上材を含む場合、断熱性向上材の含有量は、第二被覆層中の第二樹脂に対して、300質量%以下であることが好ましく、1〜200質量%であるのがさらに好ましい。断熱性向上材の含有量300質量%以下であれば、第一被覆層と第二接着剤との接着性が十分であり、被覆することができる。また、断熱性向上材の含有量が0質量%であってもよい。
第二被覆層は、第一被覆層を乾燥させた後(例えば乾燥温度は30〜60℃)、第一被覆層を有する発泡性粒子と第二接着剤とをミキサーを用いて混合する方法、第一被覆層の表面に例えば第二接着剤をスプレーする方法等の公知の手段により形成することができる。
第一被覆層上の第二被覆層の厚みは、皮膜強度と発泡体の成形性の観点から、好ましくは0.1μm〜20μmであり、0.2μm〜5μmがより好ましい。ここで第二被覆層の厚みとは、被覆層の形成が完了し、乾燥処理を行った後の厚みである。
さらに、本発明における第一接着剤と第二接着剤とは異なることが好ましい。それぞれ接着剤が異なることにより、断熱性向上材の脱落を防止することができる。第一接着剤と第二接着剤は異なるとは、第一樹脂と第二樹脂が異なる、第一樹脂の分散媒と第二樹脂の分散媒が異なる、または第一樹脂及び第一樹脂の分散媒の組み合わせと第二樹脂及び第二樹脂の分散媒の組み合わせが異なることを意味している。
第一樹脂と第二樹脂が異なるとは、同一の樹脂を用いないことである。第一樹脂を含んだ第一被覆層は発泡粒子との密着性および断熱性向上材との混合性を加味され、第二樹脂を含んだ第二被覆層は、第一被覆層を覆うことができることが加味されることで、断熱性向上材の脱落を防止することができる。同一樹脂を用いないことで、分散媒の溶解性もしくは分散性が近い物質を用いずに済むため、その結果、第一被覆層上に第二被覆層を形成させても、第二樹脂の分散媒が第一被覆層を溶解させてしまうおそれがなく、第一被覆層中の断熱性向上材の脱落を防止することができる。
第一樹脂の分散媒と第二樹脂の分散媒が異なるとは、同一の分散媒を用いないことである。第一樹脂を含んだ第一被覆層は発泡粒子との密着性および断熱性向上材との混合性を加味され、第二樹脂を含んだ第二被覆層は、第一被覆層を覆うことができることが加味されることで断熱性向上材の脱落を防止することができる。同一分散媒を用いないことで、第一被覆層上に第二被覆層を形成させても、第二樹脂の分散媒が第一被覆層を溶解させてしまうおそれがなく、第一被覆層中の断熱性向上材の脱落を防止することができる。
第一樹脂及び第一樹脂の分散媒の組み合わせと第二樹脂及び第二樹脂の分散媒の組み合わせが異なるとは、同一樹脂を用いない、かつ、同一の分散媒を用いないことである。第一樹脂を含んだ第一被覆層は発泡粒子との密着性および断熱性向上材との混合性を加味され、第二樹脂を含んだ第二被覆層は、第一被覆層を覆うことができることが加味されることで断熱性向上材の脱落を防止することができる。樹脂および分散媒のいずれも異なるものを用いることで、第一被覆層上に第二被覆層を形成させても、第二樹脂の分散媒が第一被覆層を溶解させてしまうおそれがなく、第一被覆層中の断熱性向上材の脱落を防止することができる。
これらの中で第一樹脂の分散媒と第二樹脂の分散媒が異なることがもっとも好ましい。分散媒が異なることにより、第二樹脂の分散媒が第一被覆層を溶解させるおそれがなく、第一被覆層中の断熱性向上材の脱落を防止できるからである。
さらに、第一樹脂の分散媒は有機溶剤であり、第二樹脂の分散媒が水である組み合わせが好ましい。第一樹脂の分散媒が有機溶剤であることで、親油性である発泡粒子に対する第一被覆層の密着性が確保され、かつ、第二樹脂の分散媒が第一被覆層を溶解させないので、第一被覆層の断熱性向上材の脱落が防止される。
本発明の製造方法により、断熱性向上材含有発泡性粒子を得ることができる。
本発明に係る断熱性向上材含有発泡性粒子を発泡させることにより、本発明に係る発泡体を得ることができる。本発明に係る発泡体は、断熱性向上材が脱離しにくく、かつ熱伝導率等の優れた物性を有するものである。
発泡工程は発泡性粒子の特性に合わせて、公知の条件で行うことができる。
発泡倍率は、例えば1〜80倍であり、30〜70倍であるのが好ましい。
発泡体の密度としては、例えば10〜1000kg/m3であり、15〜30kg/m3であるのが好ましい。
発泡倍率は、例えば1〜80倍であり、30〜70倍であるのが好ましい。
発泡体の密度としては、例えば10〜1000kg/m3であり、15〜30kg/m3であるのが好ましい。
本発明の発泡体は、床断熱材や壁断熱材、導電性緩衝材、電磁波吸収材等の建築材料に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
(実施例1〜3)
非水分散型アクリル系樹脂接着剤(日立化成製、商品名ヒタロイド、固形分53wt%)15g、希釈剤としてエタノール45gを攪拌機で混合した。そこにグラファイト(平均粒径:1.5μm)を15g加え撹拌し、グラファイトの分散液を調製し、第一接着剤を得た。
第一接着剤と発泡性粒子(台達化学製、素材:ポリスチレン、平均粒径:0.8mm、発泡剤:ペンタン)1kgをコンクリートミキサーで1時間混合し、発泡性粒子表面にアクリル系樹脂の第一被覆層を形成した。第一被覆層のコーティング厚は、2μmであった。これにより発泡性粒子上にグラファイトが添着されていることが確認された。
続いて、上記コンクリートミキサーに、第二接着剤として水系のスチレンブタジエン(SBR)系接着剤(日本エイアンドエル(株)SR−116、固形分50.5wt%)を表1に示す量で添加し、さらに0.5時間混合することで、第一被覆層上に第二被覆層を形成した。第二被覆層の厚みは、添加量2g、6g、10gに対してそれぞれ0.1μm、0.4μm、0.6μmであった。
得られた断熱性向上材含有発泡性粒子を105℃で予備発泡し、成形し、再度発泡させ、発泡体を作製した。発泡体の発泡倍率は60倍、密度は17kg/m3であった。
非水分散型アクリル系樹脂接着剤(日立化成製、商品名ヒタロイド、固形分53wt%)15g、希釈剤としてエタノール45gを攪拌機で混合した。そこにグラファイト(平均粒径:1.5μm)を15g加え撹拌し、グラファイトの分散液を調製し、第一接着剤を得た。
第一接着剤と発泡性粒子(台達化学製、素材:ポリスチレン、平均粒径:0.8mm、発泡剤:ペンタン)1kgをコンクリートミキサーで1時間混合し、発泡性粒子表面にアクリル系樹脂の第一被覆層を形成した。第一被覆層のコーティング厚は、2μmであった。これにより発泡性粒子上にグラファイトが添着されていることが確認された。
続いて、上記コンクリートミキサーに、第二接着剤として水系のスチレンブタジエン(SBR)系接着剤(日本エイアンドエル(株)SR−116、固形分50.5wt%)を表1に示す量で添加し、さらに0.5時間混合することで、第一被覆層上に第二被覆層を形成した。第二被覆層の厚みは、添加量2g、6g、10gに対してそれぞれ0.1μm、0.4μm、0.6μmであった。
得られた断熱性向上材含有発泡性粒子を105℃で予備発泡し、成形し、再度発泡させ、発泡体を作製した。発泡体の発泡倍率は60倍、密度は17kg/m3であった。
(実施例4)
実施例1において、第二被覆層を形成するための第二接着剤として水系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)木工ボンド、固形分41wt%)を用いた以外は実施例1と同様に発泡体を作製した。
実施例1において、第二被覆層を形成するための第二接着剤として水系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)木工ボンド、固形分41wt%)を用いた以外は実施例1と同様に発泡体を作製した。
(実施例5)
実施例3において、第二被覆層を形成するための第二接着剤として水系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)木工ボンド、固形分41wt%)を用いた以外は実施例3と同様に発泡体を作製した。
実施例3において、第二被覆層を形成するための第二接着剤として水系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)木工ボンド、固形分41wt%)を用いた以外は実施例3と同様に発泡体を作製した。
(実施例6)
実施例1において、第一被覆層を形成するための第一接着剤として溶液系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)、製品名:KE−60、固形分53wt%)を用いた以外は実施例1と同様に発泡体を作製した。
実施例1において、第一被覆層を形成するための第一接着剤として溶液系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)、製品名:KE−60、固形分53wt%)を用いた以外は実施例1と同様に発泡体を作製した。
(実施例7)
実施例3において、第一被覆層を形成するための第一接着剤として溶液系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)、製品名:KE−60、固形分53wt%)を用いた以外は実施例3と同様に発泡体を作製した。
実施例3において、第一被覆層を形成するための第一接着剤として溶液系の酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)、製品名:KE−60、固形分53wt%)を用いた以外は実施例3と同様に発泡体を作製した。
(比較例1)
実施例1において、第二被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様に発泡体を作製した。
実施例1において、第二被覆層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様に発泡体を作製した。
(比較例2)
実施例1において、スチレンブタジエン(SBR)系接着剤に代えてアクリル系樹脂接着剤を用いて第二被覆層を形成したこと、第二接着剤にもグラファイトを配合して第二被覆層を形成したこと以外は、実施例1と同様に発泡体を作製した。
実施例1において、スチレンブタジエン(SBR)系接着剤に代えてアクリル系樹脂接着剤を用いて第二被覆層を形成したこと、第二接着剤にもグラファイトを配合して第二被覆層を形成したこと以外は、実施例1と同様に発泡体を作製した。
得られた各発泡体の外観を観察し、グラファイトの剥がれ具合を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1〜7および比較例1〜2で得られた発泡体を3サンプル用意した。それぞれ用意した発泡体の熱伝導率を測定した。JIS A 1412−2に基づき、定常法−熱流計法にて測定した。測定装置は熱伝導率測定装置(英弘精機、型式HC−074/200)を使用し、サンプルサイズは200mm×200mm×25mmとした。
測定結果の目標値:熱伝導率 0.034W/(m・k)以下
判定基準 ○:全てのサンプルが測定結果の目標値の結果となった。
△:一部のサンプルで測定結果の目標値の結果ではないものが確認された。
×:全てのサンプルが測定結果の目標値の結果ではなかった。
熱伝導率の測定結果を表2に示した。
また、実施例1〜7および比較例1〜2で得られた発泡体を3サンプル用意した。それぞれ用意した発泡体の熱伝導率を測定した。JIS A 1412−2に基づき、定常法−熱流計法にて測定した。測定装置は熱伝導率測定装置(英弘精機、型式HC−074/200)を使用し、サンプルサイズは200mm×200mm×25mmとした。
測定結果の目標値:熱伝導率 0.034W/(m・k)以下
判定基準 ○:全てのサンプルが測定結果の目標値の結果となった。
△:一部のサンプルで測定結果の目標値の結果ではないものが確認された。
×:全てのサンプルが測定結果の目標値の結果ではなかった。
熱伝導率の測定結果を表2に示した。
表2の結果から、実施例の発泡体は、発泡体から断熱性向上材が脱離しにくいことが判明した。これにより、白ヌケ等の外観上の不良の発生および熱伝導率等の物性の低下が防止されることが明らかとなった。
これに対し、比較例の発泡体は、発泡体から断熱性向上材が脱離し、白ヌケ等の外観上の不良の発生および熱伝導率等の物性の低下が懸念される。
これに対し、比較例の発泡体は、発泡体から断熱性向上材が脱離し、白ヌケ等の外観上の不良の発生および熱伝導率等の物性の低下が懸念される。
Claims (17)
- 発泡性粒子と、前記発泡性粒子表面に形成され断熱性向上材を含む被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法であって、
前記発泡性粒子の表面に、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により第一被覆層を形成する工程と、
前記第一被覆層の表面に、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含み、かつ、前記第一接着剤よりも少ない含有量で断熱性向上材を含むまたは断熱性向上材を含まない第二接着剤により第二被覆層を形成する工程を有する断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。 - 前記第一樹脂は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン樹脂、変形シリコーン樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂である請求項1に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記第二樹脂は、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂である請求項1または2に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記第一接着剤と第二接着剤が異なる請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記第一樹脂の分散媒は有機溶剤であり、前記第二樹脂の分散媒は水である請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記第二接着剤の断熱性向上材の含有量は、前記第一接着剤の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ない請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記断熱性向上材がグラファイトである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記断熱性向上材の平均粒子径が0.1μm〜50μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の前記断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法で得られた発泡性粒子を発泡させる工程を有する発泡体の製造方法。
- 発泡性粒子と、
前記発泡性粒子の表面を被覆し、断熱性向上材、第一樹脂、及び第一樹脂の分散媒を含む第一接着剤により形成された第一被覆層と、
前記第一被覆層の表面を被覆し、第二樹脂、及び第二樹脂の分散媒を含む第二接着剤により形成された第二被覆層とを有する断熱性向上材含有発泡性粒子であって、
前記第二被覆層は、前記第一被覆層よりも少ない含有量の断熱性向上材を含むもしくは断熱性向上材を含まない断熱性向上材含有発泡性粒子。 - 前記第一樹脂は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン樹脂、変形シリコーン樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂が含まれる請求項10に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
- 前記第二樹脂は、スチレンブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、およびこれらの2つ以上の混合樹脂から選ばれる樹脂が含まれる請求項10または11に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
- 前記第一接着剤と第二接着剤が異なる請求項10〜12のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
- 前記第一樹脂の分散媒は、有機溶剤であり、前記第二樹脂の分散媒は、水である請求項10〜13のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
- 前記第二接着剤の断熱性向上材の含有量は、前記第一接着剤の断熱性向上材の含有量よりも5wt%以上少ない請求項10〜14のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記断熱性向上材がグラファイトである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子の製造方法。
- 前記断熱性向上材の平均粒子径が0.1μm〜50μmである、請求項10〜16のいずれか1項に記載の断熱性向上材含有発泡性粒子。
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---|---|---|---|---|
JP2018095293A (ja) * | 2016-12-14 | 2018-06-21 | イビデン樹脂株式会社 | 包装体及び断熱パネルの施工方法 |
JP2019056096A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 株式会社ジェイエスピー | 断熱材 |
JP2019202786A (ja) * | 2018-05-21 | 2019-11-28 | 株式会社カネカ | ビーズ発泡成形体の梱包方法 |
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2014
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